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ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い|使い分けと鍛え方

@SOHO編集部
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ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い|使い分けと鍛え方

この記事のポイント

  • ✓ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いを
  • ✓組み合わせ方の順に整理しました
  • ✓報告や会議での具体的な使い方

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、どちらも研修や本でよく目にする言葉ですが、違いを聞かれると答えに詰まる人が少なくありません。結論から言うと、ロジカルシンキングは「筋道を立てて結論までつなぐ考え方」、クリティカルシンキングは「その筋道や前提が本当に正しいかを確かめる考え方」です。片方だけでは足りず、組み立てる力と確かめる力の両方がそろって、仕事の判断の質が上がります。この記事では、2つの違いと使い分け、代表的な手法、毎日の仕事でできる鍛え方までを、例を使って順番に説明します。考えた結果をチームで共有するときに使えるプロジェクト管理ツールのPinatecaにも、後半で触れます。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは、物事を整理し、筋道を立てて結論を導く考え方のことです。日本語では論理的思考と訳されます。言いたいことと、その理由や根拠が、聞き手にとって無理なくつながっている状態を目指します。

結論と根拠をつなぐ

ロジカルシンキングの中心は、結論と根拠の関係です。例えば「この商品の値下げはしないほうがよい」という結論を伝えるなら、「値下げをしても売上の数が増えていない過去の例がある」「値下げをすると利益が大きく減る」といった根拠を示します。結論だけを言っても相手は納得しませんし、根拠だけを並べても何が言いたいのかが伝わりません。結論と根拠がつながって初めて、話が相手に届きます。

情報を漏れなく重なりなく整理する

ロジカルシンキングでは、情報を整理するときに、漏れがなく、重なりもない分け方を意識します。この考え方はMECE(ミーシー)と呼ばれます。例えば、お客様を「20代、30代、40代以上」と年齢で分ければ、漏れも重なりもありません。一方、「学生、会社員、女性」と分けると、女性の学生や女性の会社員が重なり、主婦や自営業の人が漏れてしまいます。分け方を整えるだけで、議論の抜けや重複を防げます。

何に役立つか

ロジカルシンキングは、報告書や企画書を書くとき、会議で意見を述べるとき、問題の原因を探すときなど、仕事のあらゆる場面で役立ちます。考えを筋道立てて整理できると、相手にとって分かりやすい説明になり、話し合いの時間も短くなります。

クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングとは、物事の前提や根拠を、本当に正しいのかと吟味しながら考える考え方のことです。日本語では批判的思考と訳されます。ここでいう批判とは、相手を責めることではなく、考えの中身を慎重に確かめることを指します。

前提を疑う

クリティカルシンキングの中心は、前提を問い直すことです。例えば「若い人はテレビを見ないから、テレビの広告はやめるべきだ」という意見があったとします。クリティカルシンキングでは、「本当に若い人はテレビを見ないのか」「この商品を買うのは本当に若い人なのか」と、意見の土台になっている前提を確かめます。前提が間違っていれば、どれだけ筋道が通っていても、結論は正しくなりません。

情報の正しさを確かめる

クリティカルシンキングでは、根拠として使われている情報が信頼できるかも確かめます。その数字はいつの調査か、誰が調べたのか、調べた人数は十分か、別の調べ方をすると違う結果にならないか、といった点です。インターネットで手に入る情報には、古いものや、根拠のはっきりしないものも混じっています。情報の出どころを確かめる習慣は、クリティカルシンキングの基本です。

自分の考えにも向ける

クリティカルシンキングは、他人の意見だけでなく、自分の考えにも向けるものです。人は、自分が正しいと思っていることを支える情報ばかり集めてしまう傾向があります。この傾向は確証バイアスと呼ばれます。自分の結論に都合のよい情報だけで考えていないかを確かめることで、思い込みによる判断の誤りを防げます。

2つの違いを比べる

2つの考え方の違いを、目的や使う場面で比べると、次のようになります。

比べる点 ロジカルシンキング クリティカルシンキング
目的 筋道を立てて結論を導く 前提や根拠が正しいかを確かめる
主な問い どうつながるか 本当にそうか
向いている場面 説明する、整理する、伝える 判断する、見直す、決める
陥りやすい失敗 前提が間違ったまま筋道だけ整う 疑うばかりで結論が出ない

組み立てる力と確かめる力

違いを一言で表すなら、ロジカルシンキングは考えを組み立てる力、クリティカルシンキングは組み立てた考えを確かめる力です。社会人向けの学びの場を運営する会社のコラムでも、両者の関係が次のように説明されています。

前述している2つの関係性や違いから、クリティカルシンキングがロジカルシンキングの制度を向上させる要素を含んでいることが分かります。実際に、片方の概念だけでは充足しない側面を、もう1つが補っているという理解を持っておきましょう。 出典: schoo.jp

筋道の整った説明でも、前提が誤っていれば判断を誤ります。反対に、前提を疑うばかりで筋道を立てられなければ、何も決められません。2つは対立するものではなく、互いの弱いところを補い合う関係にあります。

どちらを先に身につけるか

順番としては、まずロジカルシンキングで考えを整理する力を身につけ、そのうえでクリティカルシンキングで確かめる力を加えるのが自然です。考えが整理されていないと、どこを疑えばよいのかも分からないからです。ただ、実際の仕事では、2つを行き来しながら使います。資料を作りながら「この数字で本当に言い切れるか」と立ち止まり、確かめた結果を受けてまた構成を組み直す、という往復が自然に起きるようになれば、2つの考え方が身についてきた証拠です。最初から両方を完璧に使おうとせず、まずは結論から話すこと、次に前提を1つ書き出すこと、と1つずつ習慣にしていくと、無理なく身につきます。

よくある誤解

2つの考え方は言葉が広く知られている分、誤った受け止め方もされがちです。代表的な誤解を整理しておきます。

論理的な人は冷たいという誤解

ロジカルシンキングを身につけると、感情を切り捨てた冷たい人になる、と思われることがあります。しかし、筋道を立てて考えることと、相手の気持ちを大切にすることは両立します。むしろ、相手が何に困っていて、何を知りたいのかを整理して伝えられることは、相手への思いやりでもあります。結論から簡潔に伝えるのは、相手の時間を大切にするためです。

批判的に考えると角が立つという誤解

クリティカルシンキングを使うと、人の意見に反対ばかりする人になる、と心配する人もいます。けれども、クリティカルシンキングの目的は、相手を否定することではなく、よりよい結論にたどり着くことです。前提を確かめる問いは、相手の考えを深める手助けにもなります。問い方を丁寧にすれば、角は立ちません。

頭のよい人だけが使えるという誤解

2つの考え方は、生まれつきの頭のよさで決まるものではなく、練習で身につく技術です。結論から話す、前提を書き出す、別の可能性を1つ考える、といった小さな習慣を続けることで、誰でも少しずつ上達します。特別な才能より、続ける習慣のほうが大きな差を生みます。

上司や同僚と使うときの注意

2つの考え方は、人との関わりの中で使う場面が多いものです。使い方を誤ると、正しいことを言っていても伝わらないことがあります。

相手の話を最後まで聞く

相手の話の途中で「それは本当ですか」と問い返すと、話の腰を折ってしまいます。まずは最後まで聞き、相手が何を言いたいのかを整理してから、確かめたい点を尋ねます。聞きながら、相手の結論と根拠をメモしておくと、どこを確かめればよいかが見えやすくなります。

問いの形で伝える

前提に疑問を感じたときは、「それは違います」と言い切るより、「この前提が当てはまらない場合はどう考えますか」と問いの形で伝えるほうが、相手も受け止めやすくなります。問いの形にすると、相手が自分で考え直すきっかけにもなります。

部下に教えるときは型から

部下や後輩に考え方を教えるときは、まず「結論、理由、具体例」の型を示し、報告をその型で書いてもらうところから始めると伝わりやすくなります。型が身についたら、「その理由が崩れるとしたら何か」と問いかけ、確かめる力を育てていきます。

ロジカルシンキングの代表的な手法

ロジカルシンキングには、考えを整理するための代表的な手法がいくつかあります。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、1つの問題を、木の枝のように小さな要素に分けていく図のことです。例えば「売上が下がった」という問題なら、「お客様の数が減った」と「1人あたりの購入額が減った」に分け、さらに「新しいお客様が減った」「前からのお客様が来なくなった」と分けていきます。分けるときにMECEを意識すると、原因の候補を漏れなく洗い出せます。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、一番上に結論を置き、その下に結論を支える根拠を、さらにその下に根拠を支える事実を並べる構造のことです。報告書や企画書を書く前にこの構造を作っておくと、結論から先に伝える分かりやすい文章になります。根拠は3つ程度にしぼると、聞き手が覚えやすくなります。

演繹法と帰納法

演繹法とは、一般的な決まりに個別の事実を当てはめて結論を出す方法です。「この地域では雨の日に来店が減る」「明日は雨の予報だ」から「明日は来店が減る」と考えるのが演繹法です。帰納法とは、いくつかの事実から共通点を見つけて結論を出す方法です。「先月も、先々月も、雨の日は来店が少なかった」という事実から「雨の日は来店が減る」と考えるのが帰納法です。

「だから何か」と「なぜそう言えるか」

考えを確かめる問いとして、「だから何か」と「なぜそう言えるか」の2つもよく使われます。事実から「だから何が言えるのか」を問うと、結論が引き出せます。結論に対して「なぜそう言えるのか」を問うと、根拠が十分かを確かめられます。この2つの問いを行き来すると、結論と根拠のつながりが強くなります。

事実と解釈と行動を分ける

考えを伝えるときに、事実、解釈、行動の3つを分けて話す方法もよく使われます。例えば「空が曇っている」が事実、「雨が降りそうだ」が解釈、「傘を持っていく」が行動です。仕事に置き換えると、「先月の問い合わせが前の月より増えた」が事実、「新しい商品の説明が分かりにくいのかもしれない」が解釈、「説明のページを見直す」が行動になります。3つを分けて書くと、聞き手は事実と意見を区別しながら聞けるので、どこに賛成し、どこを確かめたいのかを伝えやすくなります。特に、解釈の部分はクリティカルシンキングで確かめる対象になります。

クリティカルシンキングの代表的な問い

クリティカルシンキングは、決まった図を描く手法というより、考えを確かめるための問いかけの習慣です。仕事で使いやすい問いを整理します。

目的を問う

最初に確かめるのは、そもそも何のために考えているのか、という目的です。目的があいまいなまま議論を進めると、話がずれていきます。「この会議で決めたいことは何か」「この資料を読む人は何を知りたいのか」を問い直すと、考えるべきことがはっきりします。

前提を問う

次に、意見の土台になっている前提を問います。「その考えは、何が正しいことを前提にしているか」「その前提が崩れたら、結論はどう変わるか」を考えます。前提を言葉にして書き出すと、見落としていた思い込みに気づきやすくなります。

根拠を問う

根拠については、「その数字はどこから来たのか」「例外はないか」「別の説明はできないか」を問います。例えば、売上が増えたのは新しい広告のおかげだと考えたくなっても、同じ時期に季節の需要が増えていただけかもしれません。1つの原因に飛びつかず、ほかの可能性を並べて比べます。

立場を変えて問う

最後に、自分とは違う立場から考えてみます。お客様の立場、現場の担当者の立場、反対の意見を持つ人の立場から見ると、同じ案でも違う問題が見えてきます。自分の案の弱いところを、反対の立場から先に指摘してみると、案を強くできます。

仕事での使い分けの例

2つの考え方を、実際の仕事の場面でどう使い分けるかを、例で見てみます。

報告書を書くとき

報告書を書くときは、まずロジカルシンキングで構成を組み立てます。結論を最初に書き、その理由を3つ程度にしぼり、それぞれを支える事実を並べます。書き上げたら、クリティカルシンキングで見直します。使った数字は最新か、根拠が結論を本当に支えているか、読み手が疑問に思いそうな点に答えているかを確かめます。組み立ててから確かめる、この順番を守ると、筋が通っていて抜けのない報告書になります。

会議で意見を述べるとき

会議で意見を述べるときは、「結論は何か、理由は何か」をロジカルシンキングで整理してから話します。ほかの人の意見を聞くときは、クリティカルシンキングを使い、その意見の前提や根拠を確かめます。ただし、相手を言い負かすために使うのではありません。「その数字は、どの期間のものですか」のように、事実を確かめる問いの形にすると、議論が建設的になります。

問題の原因を探すとき

問題が起きたときは、ロジックツリーで原因の候補を漏れなく洗い出し、クリティカルシンキングでそれぞれの候補が本当に原因かを確かめます。思い当たる原因に飛びつくと、本当の原因を見逃し、同じ問題が繰り返されます。候補を並べ、事実で1つずつ確かめていく進め方が、遠回りに見えて確実です。

2つを組み合わせるときの流れ

実際に2つを組み合わせて考えるときの流れを、手順として整理します。

  1. 目的を決める:何を決めるために考えるのかを一文で書く
  2. 情報を集めて整理する:MECEを意識して分け、ロジックツリーで要素に分ける
  3. 仮の結論を組み立てる:ピラミッドストラクチャーで結論と根拠を並べる
  4. 前提と根拠を確かめる:「本当にそうか」「ほかの可能性はないか」を問う
  5. 結論を直して伝える:確かめた結果を反映し、結論から先に伝える

この流れは、1回で終わるとは限りません。確かめる段階で前提の誤りが見つかれば、整理する段階に戻ります。行き来を繰り返すことで、考えの質が上がっていきます。

時間の限られた場面での使い方

仕事では、じっくり考える時間がない場面も多くあります。その場合も、手順を省くのではなく、短くします。結論と理由を頭の中で一言ずつ決め、「この理由が崩れるとしたら何か」を1つだけ考えてから話す、という形でも、思いつきで話すよりずっと判断の質が上がります。

考えるときに陥りやすい落とし穴

筋道を立てているつもりでも、気づかないうちに考えがゆがむことがあります。代表的な落とし穴を知っておくと、クリティカルシンキングで確かめるときの目印になります。

一緒に起きたことを原因と結果と取り違える

2つのことが同じ時期に起きると、一方が他方の原因だと考えたくなります。例えば、社内の研修を始めた月に売上が伸びたからといって、研修が売上を伸ばしたとは限りません。同じ月に大きな取引先との契約が始まっていたのかもしれませんし、季節の需要が増えただけかもしれません。一緒に起きたことと、原因と結果の関係にあることは別です。「ほかに同じ時期に変わったことはないか」を問う習慣が、取り違えを防ぎます。

少ない例から全体を決めつける

数人のお客様の声や、1回の出来事だけで、全体の傾向を決めつけてしまうことがあります。帰納法は、事実から共通点を見つける方法ですが、もとになる事実が少なすぎると、偏った結論になります。「この意見は、何人から聞いたものか」「声を上げていない人はどう考えているか」を確かめると、少ない例への頼りすぎに気づけます。

選択肢を2つに決めつける

「値下げするか、何もしないか」のように、選択肢を2つしかないものとして議論してしまうことがあります。実際には、値下げのほかに、まとめ買いの割引、商品の組み合わせ、売り場の見直しなど、多くの選択肢があるかもしれません。選択肢が2つに見えたら、「本当にこの2つしかないのか」を問い、ほかの案を少なくとも1つ考えてみます。

結論を決めてから理由を集める

先に結論を決めてしまい、それに合う理由だけを後から集めることも、よくある落とし穴です。見た目は筋道の通った説明になりますが、都合の悪い事実が抜け落ちています。前に触れた確証バイアスが働いている状態です。結論を出す前に、反対の結論を支える事実も同じだけ探してみると、偏りを減らせます。

言葉の意味がずれたまま議論する

議論の中で同じ言葉を使っていても、人によって意味が違うことがあります。例えば「お客様が減った」と言うとき、ある人は来店の人数を、別の人は購入の件数を思い浮かべているかもしれません。言葉の意味がずれたまま議論を続けると、いつまでも話がかみ合いません。大事な言葉は、議論の最初に「ここでは何を指すか」をそろえておきます。

例題で2つの考え方を試す

考え方は、実際に手を動かして試すと身につきやすくなります。簡単な例題で、2つの考え方を順に使ってみます。

例題の設定

ある店で、「平日の昼の来店が減っているので、昼の時間帯に割引をしよう」という案が出ました。この案を、2つの考え方で検討してみます。

ロジカルシンキングで整理する

まず、ロジカルシンキングで案を整理します。結論は「昼の時間帯に割引をする」、根拠は「平日の昼の来店が減っている」です。ロジックツリーで来店が減った原因を分けると、「近くの会社の人が来なくなった」「近くに住む人が来なくなった」「新しいお客様が来なくなった」といった候補が並びます。さらに「近くの会社の人が来なくなった」の下には、「在宅で働く人が増えた」「近くに競合の店ができた」「昼の休みが短くなった」などが続きます。

クリティカルシンキングで確かめる

次に、クリティカルシンキングで前提と根拠を確かめます。「来店が減っている」というのは、何と比べて、どの期間の話なのか。去年の同じ月と比べて減っているのか、先月より減っているだけなのか。また、来店が減った原因が競合の店ができたことなら、割引は効くかもしれませんが、在宅で働く人が増えたことなら、割引をしても会社の人は戻ってきません。原因によって、打つべき手が変わるということです。

結論を見直す

確かめた結果、在宅で働く人が増えたことが大きな原因だと分かれば、昼の割引よりも、持ち帰りの商品を増やす、近くに住む人に向けた案内を出す、といった別の案のほうが効果的かもしれません。最初の案が間違っていたのではなく、前提を確かめたことで、より的を射た案にたどり着けた、ということです。2つの考え方を組み合わせる意味は、ここにあります。

学び方の選び方

独学で身につけることもできますが、学び方を選ぶと効率が上がります。

本で学ぶ

本で学ぶ場合は、手法の名前を覚えるだけでなく、例題や演習が多く載っているものを選ぶと、実際の仕事に生かしやすくなります。1冊を読んで終わりにせず、載っている手法を自分の仕事の題材で試してみることが大切です。

研修や講座で学ぶ

研修や講座では、ほかの参加者と議論しながら学べるのが利点です。自分では気づかない前提を、ほかの人から指摘してもらえることは、クリティカルシンキングを鍛えるうえで大きな助けになります。会社の研修として受ける場合は、研修の後に職場でどう使うかを決めておくと、学んだことが定着します。

仕事の中で学ぶ

最も効果があるのは、毎日の仕事の中で使い続けることです。本や研修で学んだ手法も、使わなければ忘れてしまいます。報告や会議のたびに、1つの手法を意識して使う、と決めておくと、少しずつ自然に使えるようになります。

毎日の仕事でできる鍛え方

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、特別な勉強をしなくても、毎日の仕事の中で鍛えられます。

結論から話す練習

上司への報告やチャットの連絡を、結論から書く習慣をつけます。「結論、理由、具体例、もう一度結論」の順に書くと、筋道の通った伝え方が身につきます。送る前に、最初の一文だけで用件が伝わるかを確かめます。

ニュースや記事の前提を問う

ニュースや記事を読むとき、「この記事は何を前提にしているか」「この数字は誰がいつ調べたものか」を考えながら読みます。記事の結論に対して、反対の立場からの意見を自分で1つ考えてみるのも、よい練習です。

自分の判断を振り返る

仕事で何かを決めたら、後でその判断を振り返ります。どんな前提で決めたか、その前提は正しかったか、別の情報があれば判断は変わったかを書き残します。振り返りを続けると、自分が陥りやすい思い込みの癖が見えてきます。

人に説明してみる

考えたことを人に説明すると、筋道の抜けに気づきます。相手が首をかしげたところは、根拠が足りないか、つながりが飛んでいるところです。説明した後に、相手から質問や反論をもらうと、クリティカルシンキングの練習にもなります。

国が示す「考え抜く力」とのつながり

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、仕事で求められる基礎的な力としても位置づけられています。経済産業省は、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力」としてまとめています。

「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。 出典: 経済産業省「社会人基礎力」

このうち「考え抜く力」は、課題を見つけ、解決に向けて考え続ける力です。筋道を立てて考えるロジカルシンキングと、前提を問い直すクリティカルシンキングは、この考え抜く力を支える土台にあたります。どちらも、一部の職種だけに必要な特別な技術ではなく、あらゆる仕事で求められる基礎の力だということです。

チームで考えを共有するときの進め方

1人で考えるときは、紙やノートで十分です。ロジックツリーもピラミッドストラクチャーも、手で書くほうが考えが整理しやすいことも多くあります。表計算ソフトや文書のファイルに書き出しておけば、後から見直すこともできます。

論点と担当を見える形にする

複数の人で問題を考えるときは、考えた内容に加えて、誰が何を調べるか、いつまでに確かめるかを共有する必要があります。会議で「この前提は本当か確かめよう」と決めても、担当と期限が決まっていなければ、確かめられないまま次の会議を迎えてしまいます。論点ごとに、確かめる担当と期限を決め、進み具合をみんなが見られる場所に記録しておくと、議論が前に進みます。

プロジェクト管理ツールを使う方法

論点や確かめる作業が増えてきたら、プロジェクト管理ツールを使う方法があります。その選択肢の1つが、プロジェクト管理ツールのPinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッドなど8種類のボードとチャットがあります。ディスカッションボードで論点ごとに話し合いを立て、確かめる作業をカードにして担当と期限を付ければ、どの前提の確認がどこまで進んでいるかを、チームの全員が同じ画面で確かめられます。縦と横の2つの軸にカードを並べられるグリッドボードは、案を「効果の大きさ」と「実現のしやすさ」で並べて比べるといった使い方にも合います。料金のページでは、5人まで、ボード10個までのフリープランが期限なしで0円と案内されており、6人目、または11個目のボードからは1人あたり月額500円(税抜)のスタンダードプランになります。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、ツールは考える力そのものを代わりに身につけてくれるものではありません。何が論点か、どの前提を確かめるべきかを決めるのは、あくまで考える人の役目です。ツールは、決めたことを忘れずに進めるための記録の場所として使うのが向いています。

考える力が仕事の幅を広げる

運営者として2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた中で見てきた限りでは、長く仕事が続く人ほど、依頼の内容をうのみにせず「この依頼の目的は何か」を確かめてから作業に入る傾向があります。依頼する側が書いた指示の前提を一度確かめ、筋道を立てて提案を返せる人は、「この人に任せると話が早い」と感じてもらえ、次の依頼につながっていきます。

考える力が生きる仕事

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングが特に強く求められる仕事の1つが、企業の課題を整理して解決策を示すコンサルティングの仕事です。どんな仕事があり、どんな力が求められるのかは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の中身とあわせて紹介しています。経営の課題を体系的に考える力を資格で示したい人には、中小企業診断士のように、企業の分析と助言の力を問う国家資格もあります。

データや調査の結果をもとに考える仕事も、前提と根拠を確かめる力が欠かせません。調べて考える仕事の報酬の水準は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。

中間の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。考える力を生かした仕事を探すときは、手数料0%で直接取引できる在宅ワークの仲介サイトを選ぶと、提案や分析に込めた力を、そのまま報酬として受け取れます。組み立てる力と確かめる力を毎日の仕事で鍛えていけば、任せてもらえる仕事の幅は着実に広がっていきます。

よくある質問

Q. ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはどちらが大切ですか?

どちらか一方ではなく、両方が大切です。ロジカルシンキングは筋道を立てて結論を導く力、クリティカルシンキングはその前提や根拠が正しいかを確かめる力です。筋道が整っていても前提が誤っていれば判断を誤り、疑うばかりで筋道を立てられなければ何も決められません。まず整理する力を身につけ、確かめる力を加える順番が自然です。

Q. クリティカルシンキングは相手を批判することですか?

相手を責めることではありません。ここでいう批判は、考えの中身を慎重に確かめることを指します。会議で使うときも、相手を言い負かすためではなく、「その数字はどの期間のものですか」のように事実を確かめる問いの形にすると、議論が建設的になります。他人の意見だけでなく、自分の考えにも向けて使うものです。

Q. ロジカルシンキングを鍛えるにはまず何から始めればよいですか?

報告や連絡を結論から書く習慣から始めるのが手軽です。「結論、理由、具体例、もう一度結論」の順に書き、最初の一文だけで用件が伝わるかを確かめます。慣れてきたら、問題をロジックツリーで小さな要素に分ける練習や、漏れなく重なりなく分けるMECEを意識した整理に取り組むと、考えを組み立てる力が伸びていきます。

Q. 思い込みに気づくにはどうすればよいですか?

自分の考えの前提を言葉にして書き出すのが効果的です。「この結論は何が正しいことを前提にしているか」「その前提が崩れたら結論はどう変わるか」を問います。自分に都合のよい情報ばかり集めていないかを確かめ、反対の立場からの意見を自分で1つ考えてみると、見落としていた思い込みに気づきやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月16日最終更新:2026年10月23日
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