動画を使った副業の入り口|編集と撮影のどちらから始めるか

@SOHO編集部
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動画を使った副業の入り口|編集と撮影のどちらから始めるか

この記事のポイント

  • ✓動画副業を始めるなら編集と撮影のどちらが先か
  • ✓契約で確かめる権利関係までを比較して整理します
  • ✓稼げないと言われる理由も正直に扱います

動画副業を検討している人の質問は、だいたい2つに集約されます。「編集と撮影のどちらから始めるべきか」と「今から始めても遅くないのか」です。結論から言うと、未経験なら編集から始めるのが合理的で、遅いかどうかは狙う市場によって答えが変わります。この記事では、動画に関わる仕事を種類ごとに分解し、報酬の決まり方、必要な機材、学習の順番、そして契約で確かめるべき権利関係までを、良い面と悪い面の両方を並べて整理します。

結論から言うと、未経験なら編集が先

先に答えを置きます。動画副業を未経験から始める場合、編集から入るほうが合理的です。理由は3つあります。

1つめは、初期費用の差です。編集はパソコンとソフトがあれば始められます。すでにパソコンを持っているなら、追加の出費は無料のソフトを使えばゼロ、有償のものでも月額3,000円台からです。一方、撮影で仕事を受けるとなると、カメラ、レンズ、三脚、マイク、照明を揃える必要があり、最低限の構成でも20万円から30万円の投資になります。スマートフォンのカメラで済む案件もありますが、それだけで請けられる仕事は限られます。

2つめは、案件の総量です。動画は撮ったあとに必ず編集されますが、編集される動画のすべてが新規に撮影されたものではありません。既存の素材の再編集、収録済みのセミナー動画の整理、画面録画の加工、縦型への切り出し。撮影を伴わない編集需要が大量に存在します。構造として、編集のほうが案件の母数が大きくなります。

3つめは、在宅で完結する点です。撮影は現場に行く必要があり、日時が固定されます。本業がある人にとって、これは大きな制約です。編集は締切だけ守れば作業時間を自分で決められるため、副業として組み込みやすい特徴があります。

正直なところ、「動画編集は誰でもすぐ稼げる」という言い方には賛同できません。後述するとおり、参入者が増えた結果として低単価の案件も増えました。ただ、始めるコストが低く、作ったものが実績としてそのまま残るという点で、入り口としての合理性は今も残っています。

動画副業の需要はどこにあるか

市場の話をします。動画の需要は、個人の発信と企業の販促という2つの方向から伸びてきました。そして今、需要の中身が変わっています。

かつての中心は、横型の長尺動画でした。10分から20分の動画を編集し、テロップを入れ、効果音を当てる仕事です。ここは今も案件がありますが、参入者が最も多い領域でもあります。一方で伸びているのは縦型の短尺動画です。1本が30秒から60秒で、切り出しと字幕付けが中心。1本あたりの単価は低いものの、1つの長尺から5本、10本と量産されるため、まとめて受注する形になりやすいという特徴があります。

もう1つ伸びているのが、企業向けの動画です。採用の会社紹介、商品の使い方、社内研修、展示会で流す短い映像。このあたりは「見栄えのする映像」よりも「伝わる構成」が求められる領域で、単価は個人向けの案件より高い傾向が見られます。企業案件は1本あたり3万円から、内容によっては10万円以上になることもあります。ただし、修正の回数が多く、決裁に時間がかかるという別の負担がつきます。

始める側の温度感も見ておきます。実際にこう質問している人が少なくありません。

動画編集を副業として始めたいと考えています。ただ未経験のためThefoundというオンラインサロンで学ぼうかと考えているのですが他におすすめのサロン等ありますでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この質問の形そのものが、動画副業の入り口で何が起きているかを示しています。学ぶ場所を探す段階で止まっている人が多いのです。有償の講座やサロンが不要とは言いませんが、優先順位としては後です。無料のソフトで1本作り、公開できる形にするほうが先に効きます。作ったものがないと、講座で学んだ内容も定着しません。

動画に関わる仕事を6種類に分ける

「動画副業」は職種名ではなく、複数の仕事の総称です。分けて見ないと、自分がどこを狙うのか決まりません。

カット編集とテロップ入れ

素材から不要な部分を削り、字幕や効果音を入れる作業です。動画編集の案件の大半がここに入ります。習得までの期間が短く、未経験の募集も出ています。報酬は10分前後の動画1本で5,000円から15,000円程度が目安ですが、未経験向けの募集では1本3,000円前後の提示もあります。

縦型短尺動画の切り出し

長尺から見どころを抜き、縦型に整えて字幕を付ける作業です。1本1,000円から3,000円程度が目安で、月に数十本というまとまった形で発注されることが多いです。慣れると1本20分程度で仕上がるため、実効時給は悪くない場合があります。

サムネイル・静止画の制作

動画本体ではなく、クリックされる入口を作る仕事です。動画編集とセットで依頼されることが多く、1枚1,000円から5,000円程度。画像編集の技能が必要になりますが、動画編集より習得が早い領域です。

字幕・翻訳字幕

音声を文字にして画面に載せる作業です。自動文字起こしの精度が上がったため、作業の中心は「生成された文字を直す」ことに移りました。外国語ができる場合、翻訳字幕は単価が上がりやすい領域です。日本語の言葉づかいを整える力が問われる点では、文章の仕事と地続きです。文章側の単価の考え方は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっているので、比較の材料になります。

撮影

現場でカメラを回す仕事です。機材の投資と現場の拘束が必要な代わりに、編集より競合が少なく、単価も高めです。イベント、セミナー、店舗紹介、商品撮影など、内容によって求められる技能が違います。1日の現場で2万円から8万円程度が目安ですが、拘束時間と移動時間を含めて計算する必要があります。

構成・ディレクション

何をどう撮り、どう並べるかを決める仕事です。手を動かす作業より上流にあたり、単価は高くなります。ただ、これは編集や撮影を経験しないと請けられません。動画副業を続けるなら、ここが最終的な目的地になります。

報酬相場の見方と、実効時給の計算

動画副業でいちばん誤解が生まれるのが報酬の見え方です。「1本1万円」と書かれていても、それが割のいい仕事かどうかは単価だけでは判断できません。

計算式は単純です。報酬を、作業にかかった全部の時間で割ります。全部の時間とは、素材のダウンロード、内容の確認、編集作業、書き出し、納品、そして修正対応までを含みます。書き出しの待ち時間は他のことができるので除いてよいですが、修正は必ず含めてください。

例を出します。10分の動画を1本10,000円で受け、編集に6時間、修正対応に1時間かかったとすると、実効時給は1,400円台です。同じ案件を10本続けて、作業が3時間に短縮できたなら、2,500円まで上がります。つまり、動画編集の収益性を決めるのは単価より「同じチャンネルの動画を繰り返し編集できるか」です。

理由は明確です。1本目は、チャンネルの雰囲気、テロップの色とフォント、効果音の入れ方、話者の癖をすべて手探りで確かめます。2本目以降は、前回のプロジェクトファイルを複製して素材を差し替えるだけになります。この差が、実効時給を倍にします。

ここから導ける戦略は、単発の高単価案件を追うのではなく、月に複数本を継続して任される関係を1つ作ることです。単発を5件こなすより、同じ発注元から月4本を半年受けるほうが、労力に対する手取りは大きくなります。

もう1つ、手数料の話も避けられません。仲介サイトを経由すると、報酬から10%台から20%程度が差し引かれる形が一般的です。年に60万円の報酬を得る人なら、10万円前後が消えることになります。実績を作る段階では仲介サイトを使い、継続案件に育ったら手数料0%で直接やりとりできる場に移す。これが手取りの面では最も合理的だと考えています。

編集と撮影を5つの軸で比べる

どちらから始めるかを判断するために、軸をそろえて並べます。

比較の軸 編集 撮影
初期費用 パソコンがあれば0円から、有償ソフトでも月額3,000円台 最低限の機材で20万円から30万円
習得までの期間 1本作れるまで2週間から1か月 実務で通用するまで3か月以上
案件の母数 多い(撮影なしの案件も含む) 編集より少ない
単価の水準 1本5,000円から15,000円が目安 1日2万円から8万円が目安
時間の融通 締切だけ守れば自由 現場の日時に拘束される
競合の数 多い 編集より少ない

この表から読み取れることは2つです。第一に、編集は入りやすく競争が激しい。第二に、撮影は入りにくく競争が緩い。つまり、長期的に単価を上げたいなら撮影側に寄せる価値がありますが、それは編集で仕事の流れを掴んでからの話になります。

現実的な順番はこうです。編集で案件を受け、発注元と関係を作る。そのうちに「撮影もできる人を探している」という話が出てきます。そのタイミングで機材を買えば、投資が空振りになりません。先に機材を揃えてから仕事を探す順番は、在庫を抱えてから売り先を探すのと同じで、回収までが長くなります。

両方をやる場合の注意

撮影から編集まで一人で請けると単価は上がりますが、作業量も倍になります。1本の動画で撮影に4時間、編集に8時間かかるなら、本業がある人の週末はそれで埋まります。副業として続けるなら、受ける本数を先に決めておくことをおすすめします。

必要な道具とソフトの現実的な選び方

パソコンから。動画編集は処理が重い作業ですが、必要なスペックは扱う素材で変わります。フルHDの素材で10分前後の動画を編集するなら、メモリ16GB、ストレージはSSDで512GB以上あれば作業になります。4Kの素材や、エフェクトを多用する案件を扱うならメモリ32GBが快適です。

見落とされがちなのがストレージです。動画素材は容量を食います。4Kの素材なら1時間で数十GBになることもあり、内蔵のストレージだけではすぐ埋まります。外付けのSSDを作業用に1台用意し、納品が終わった案件は順に移す運用にしてください。素材を消す前に、発注元に保管期間を確認するのが安全です。

ソフトは3つの選択肢があります。

無料から始めるならDaVinci Resolveです。無償版でも仕事に使える機能が揃っており、初期費用をかけずに実力を確かめられます。業界で案件指定が多いのはAdobe Premiere Proで、単体のプランで月額3,000円台から。発注元からプロジェクトファイルを受け渡す案件では、これが指定されることがあります。macOSを使っていて買い切りを好むならFinal Cut Proという選択もあります。

判断の順番は明確です。まず無料のソフトで1本作る。作れることを確かめてから、案件の指定に合わせて有償のものを入れる。逆の順番で買うと、使わないまま月額が出ていきます。

音の環境も1つだけ。編集で音量を整える作業は、スピーカーだけでは判断できません。有線のイヤホンかヘッドホンを1つ用意してください。高価なものは不要です。音が割れているのに気づかず納品する事故を防ぐための道具です。

学習の順番と、最初のポートフォリオ

学ぶ順番を間違えると時間を無駄にします。効いた順に並べます。

第1段階は、1本を通しで完成させることです。教材を全部見てから始めるのではなく、素材を用意して最後まで書き出します。素材は、自分で撮ったもの、フリーの素材、公開されている許諾のある映像のいずれかを使ってください。他人の動画を勝手に使った作品は、ポートフォリオとして出せません。

第2段階は、型を身につけることです。カット、テロップ、効果音、BGMの音量調整、簡単な色の補正。この5つで案件の大半に対応できます。凝ったエフェクトは後回しで構いません。発注元が求めているのは、見ていて疲れない動画です。

第3段階は、同じ素材を違う雰囲気で作り分けることです。同じ3分の素材から、解説向けの落ち着いた編集と、テンポの速い編集を2本作る。これができると、応募のときに「この方向で作れます」と示せるようになります。

ポートフォリオは3本で足ります。多く並べるより、狙う案件と近いものを置くほうが効きます。企業の紹介動画を狙うなら落ち着いた構成のもの、縦型の案件を狙うなら短尺のもの。動画の公開先はどこでもよいですが、URLを1つ渡すだけで全部見られる形に整えてください。応募のたびに個別のリンクを並べると、見てもらえる確率が落ちます。

自分の作業が届く範囲をどう広げるかについては、周辺の分野を知っておくと選択肢が増えます。マーケティングの支援や分析を含む案件の全体像はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。動画は単体の成果物ではなく、集客の一部として発注されることが多いためです。

案件を取るまでの流れと、応募で見られている点

流れは5段階です。

第1に、作業に使える時間を確定します。平日の夜に2時間、土日に4時間なら週14時間。編集は1本に数時間かかるため、この枠が受注できる本数を決めます。

第2に、登録先を絞ります。クラウドソーシング、在宅ワークの求人サイト、業務委託のマッチングサービス。2つで十分です。同時に、知り合いの発信者や小規模の事業者に直接声をかける経路も持っておくと、仲介手数料のない仕事につながります。

第3に、応募文を型にします。含めるのは、使用ソフト、対応できる作業範囲、納期の目安、修正への対応方針、そしてポートフォリオのURL。ここで効くのは、作品の出来より「連絡が取れる時間帯」と「初稿までの日数」を明記することです。発注側がいちばん不安なのは、連絡が途絶えることだからです。

第4に、初回は小さく受けます。テスト編集がある案件なら積極的に受けてください。合わない相手と長期契約を結ぶより、1本で相性を確かめるほうが安全です。

第5に、納品後に必ず1つ提案します。「次回はこの部分をこう変えると見やすくなります」という短い一言でいいです。これがあるかないかで、2本目が来るかどうかが変わります。手を動かすだけの相手と、考えている相手では、任せる範囲が違ってくるからです。

「動画副業は稼げない」と言われる3つの理由

この話を避けると記事として不誠実なので、正面から扱います。

理由の1つめは、参入者が増えたことです。学習の入り口が整備された結果、未経験の応募者が多数集まる構造ができました。1件の募集に50件を超える応募が付くことも珍しくありません。単価が下がる方向に力が働くのは当然です。

2つめは、単価の低い案件から抜け出せない人が多いことです。1本3,000円の案件を数だけこなしても、時間の上限が来ます。抜け出す道は、同じ発注元で継続する、構成から関わる、撮影まで請ける、専門の分野に寄せる、のいずれかです。どれも「作業者から抜ける」方向です。

3つめは、自動化が進んだことです。文字起こしも、字幕の生成も、簡単なカットも、道具が代わりにやるようになりました。正直なところ、この流れが止まるとは思えません。ただ、これは仕事が消えるという話ではなく、価値が移るという話です。判断のいらない作業の価値は下がり、何を残して何を削るかを決める部分の価値は上がります。

では、動画副業が成立しない人はどんな人か。3つ挙げます。機材や講座に先に投資して、回収の計画がない人。作品を1本も完成させずに案件を探している人。そして、連絡の返信が遅い人です。3つめは技能ではありませんが、離脱の理由としては一番多いと見ています。

逆に成立しやすいのは、本業に関係する分野を持っている人です。医療、建設、教育、飲食、製造。その分野の言葉が分かる人が作る動画は、外部の編集者が作るものより早く、正確に仕上がります。動画の技能は後から足せますが、分野の知識は後から足すのに時間がかかります。持っているものを使ってください。

契約で確かめること、特に権利の扱い

動画の仕事は、文章や入力の仕事より権利関係が複雑です。最低限、次の項目を受注前に文字で残してください。

第1に、作業の範囲です。カットの本数、テロップの量、効果音とBGMを入れるか、色の補正を含むか。「編集一式」という言葉だけで受けると、作業量の見積もりが崩れます。

第2に、修正の回数です。何回までを報酬の範囲に含めるかを決めます。2回までを含み、3回目以降は追加、という形が実務では扱いやすいです。

第3に、素材の権利です。BGMや効果音、フォント、映像素材を誰が用意するのか。用意する場合、商用利用の可否と、提供元の規約に沿った使い方をしているかを確かめます。ここを曖昧にすると、公開後に差し替えが発生します。

第4に、納品物の扱いです。作った動画をポートフォリオに載せてよいかを、必ず先に聞いてください。企業案件では公開前の情報が含まれることがあり、載せられない場合があります。聞かずに載せて後から削除を求められる事例は実際にあります。

第5に、報酬の支払期日です。業務委託の取引では、発注者が成果物を受け取ってから支払うまでの期間について法律上のルールが定められており、条件を書面または電磁的方法で明示することも義務とされています。制度の内容は公正取引委員会の案内で確認できます。口約束だけで進めず、金額と期日は文字にしておいてください。

税金についても一点だけ。給与所得のある人が副業で得た所得が年20万円を超える場合は確定申告が必要です。機材やソフトの費用は経費になり得るため、領収書は最初から残してください。要件は国税庁の案内が一次情報です。加えて、勤務先の就業規則で副業の届出が必要かどうかも先に確かめておきましょう。

機材とソフトの費用を、どうやって経費にするか

動画の副業は、最初の出費が大きい領域です。その費用をどの年の経費にできるかで、手元に残る額が変わります。金額の帯ごとに扱いが分かれるので、買う前に知っておいてください。

取得価額が10万円未満のもの、または使用可能期間が1年未満のものは、その全額を業務に使い始めた年の必要経費にできます。8万円のレンズ、6万円のマイク、4万円の照明は、買った年に全部落とせます。

取得価額が10万円以上20万円未満のものは、一括償却資産という扱いを選べます。対象をまとめた取得価額の合計額の3分の1を、業務に使い始めた年から3年間の各年の必要経費に入れる方法です。15万円のパソコンなら、毎年5万円を3年に分けて計上します。

青色申告をしている人には、もう1つ広い道があります。一定の要件を満たす青色申告者が令和11年3月31日までに取得した、取得価額10万円以上40万円未満の減価償却資産については、取得価額の合計が300万円に達するまで、その年の必要経費に算入できる特例があります。なお、令和8年3月31日までに取得した資産については、この上限が10万円以上30万円未満でした。つまり今年の取得なら、25万円のカメラも30万円台のレンズも、要件を満たせば買った年に全額を経費にできます。区分の詳細は国税庁タックスアンサー No.2100に整理されています。

40万円以上のものは、耐用年数にわたって分割します。耐用年数は財務省令の別表で資産ごとに定められているので、自分が買ったものがどの区分に当たるかを確認してください。計算方法は定額法と定率法があり、定額法は毎年同額、定率法は初めの年ほど多く計上されます。

判定の際に細かいけれど効く点が2つあります。1つは、取得価額に消費税を含めるかどうかは自分の経理方式で決まるということ。税込で経理しているなら税込の金額で10万円や40万円の線を判定します。免税事業者の経理方式は税込経理です。もう1つは、私用と兼用している機材は業務で使った割合だけが経費になるという点です。

編集ソフトの月額3,000円台のような支出は、毎月そのまま経費に入れます。こちらは金額の帯を気にする必要がありません。

ただし、青色申告の特例には申告時の要件があり、そもそも青色申告ができるかどうかは所得区分の判断に関わります。自分の場合に使えるかは、機材を買う前に税務署に確認しておいてください。買った後に知ると、選べる道が減ります。

1年目の収支を月ごとに並べる

編集から始めた場合の1年を、月ごとの数字で並べます。ここに書く金額は、未経験から入った人が現実的に通る形として組んだものです。

1か月目と2か月目は学習と作品づくりです。売上はゼロ。支出は編集ソフトの月額3,000円台だけ。ここで自分の動画を3本作り、切り抜きと横型の両方を用意します。

3か月目に初めての案件です。未経験向けの募集に応募して、1本3,000円の案件を3本受けたとして売上9,000円。1本に4時間かかるので、時間あたりは750円です。この時期の目的は金額ではなく、納品してやり取りを一度通すことです。

4か月目から6か月目で、同じ発注元の継続に入ります。作業時間が1本4時間から2時間半に縮み、単価も1本5,000円に上がって月8本なら売上4万円。ここで月3万円台が見えてきます。

7か月目から9か月目は、単価の引き上げに使います。切り抜きを月20本まとめて受ける形と、10分の横型を月4本受ける形を組み合わせて、売上は月6万円前後。累計の売上はこのあたりで20万円を超えます。

10か月目から12か月目で、構成から関わる案件に手を伸ばします。企業向けの動画は1本3万円からなので、月1本入れば売上は9万円台になります。1年目の累計売上は35万円から45万円あたりに着地する形です。

ここまでの数字で、確定申告の判定に触れます。給与を1か所から受けている会社員で、給与所得と退職所得を除く所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。売上が40万円でソフトの費用や按分した通信費を引いて所得が25万円なら、申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は必要なので、初年度から記録を残してください。

撮影に広げる時期も、この表から決められます。機材に25万円かけるなら、1日2万円の撮影で13本ぶん受けて回収する計算です。月2本なら7か月かかります。だから、撮影の依頼を実際に打診してくる発注元が2社か3社ついてから買う。売上が立つ前に機材を揃えると、回収前に続かなくなります。1年目に機材で赤字を作らない順番が、2年目を決めます。

在宅ワーク市場のデータから見える、動画副業の現実的な続け方

在宅の仕事を仲介する場を長く運営してきた立場から見ると、動画の案件で長く続いている人には共通点があります。技能の高さではありません。共通していたのは、発注側の手間を減らす動き方をしていたことです。

具体的には3つです。初稿を早く出す。修正の指示を受けたら、指示された箇所だけでなく同種の箇所をまとめて直す。次回から短縮できる進め方を提案する。この3つを続けた人のところに、発注が集まっていきました。動画の編集は、発注側にとって「説明が面倒な仕事」です。カットの好み、テロップの色、テンポの取り方を、毎回新しい相手に説明するのは負担です。その説明が省ける相手が見つかったとき、案件は自然にそこへ固定されます。

20年この市場を見てきた立場から言えば、単発の作業を集める働き方は、本人の時間の上限がそのまま収入の上限になります。長く続く人ほど、単発の受注ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。1本ごとの単価を上げる交渉より、同じ相手から月に何本も来る状態を作るほうが、結果として手取りが増えるのです。

手取りの構造にも触れます。仲介の手数料が乗る形では、発注側が出した10万円のうち、受け手に届くのは8万円台になります。中間のマージンが乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。両方が得をする構造です。手数料0%でやりとりできる場が意味を持つのは、金額の大きさではなく、この手取りの質の差にあります。運営者として見てきた限りでは、実績を作る段階と、関係が固まってからの段階で、使う場を切り替えている人がいちばん効率よく伸びています。

進む方向を決める材料として、周辺の職種の水準も見ておく価値があります。制作系の相場感はWebデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスに、文章側から単価を上げる考え方はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップにまとまっています。動画編集を入り口にして、構成、企画、販促の設計へと寄せていくと、単価の天井が変わります。動画副業は、その最初の一歩として使うのがいちばん実用的な扱い方だと考えています。

よくある質問

Q. 動画副業は編集と撮影のどちらから始めるべきですか?

未経験なら編集からです。パソコンがあれば無料のソフトで始められ、案件の母数も撮影より多く、在宅で時間を自由に組めます。撮影は機材で20万円から30万円の投資と現場の拘束が必要なので、編集で発注元との関係ができ、撮影の需要が見えてから機材を揃えるほうが回収が確実です。

Q. 動画編集の報酬相場はどのくらいですか?

10分前後の横型動画なら1本5,000円から15,000円程度、未経験向けの募集では3,000円前後の提示もあります。縦型の短尺は1本1,000円から3,000円程度、企業向けの動画は1本3万円以上になることもあります。単価だけでなく、修正対応まで含めた時間で割った実効時給で判断してください。

Q. パソコンとソフトはどの程度のものが必要ですか?

フルHDの素材を扱うならメモリ16GB、SSDで512GB以上あれば作業になります。4Kやエフェクト多用ならメモリ32GBが快適です。ソフトは無償版のDaVinci Resolveで1本作ってから、案件の指定に応じてPremiere Proなどを追加するのが無駄がありません。外付けSSDと有線イヤホンも用意してください。

Q. 契約前に必ず確かめることは何ですか?

作業範囲、修正回数の上限、BGMや素材の権利を誰が用意するか、納品物をポートフォリオに載せてよいか、報酬額と支払期日の5点です。特に素材の権利と公開の可否は後から揉めやすいので、金額と期日を含めて書面かメッセージの形で残しておいてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月27日最終更新:2026年10月11日
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