社内問い合わせツールの選び方と、総務や情報システムへの質問を一か所で受ける方法


この記事のポイント
- ✓社内問い合わせツールの選び方を
- ✓受付の窓口を一本にするフォーム型
- ✓対応を記録するチケット管理型
「パソコンが動かない」「経費の締め日はいつですか」「入館証をなくしました」。総務や経理、情報システムの担当者には、毎日こうした質問がチャット、メール、電話、立ち話とばらばらの経路で届きます。社内問い合わせツールは、この質問を一か所で受け、誰がいつ対応したかを残すための道具です。ただし、種類によって得意なことがまったく違うため、選び方を間違えると、かえって窓口が増えるだけになります。
この記事では、社内問い合わせツールを4つの種類に分け、それぞれが向いている職場、費用の目安、選び方のポイントを整理します。そのうえで、総務や情報システムへの質問を一か所で受けるまでの手順を、小さな会社でも実行できる形で説明します。受付の入口をフォームにそろえ、届いた1件ごとに担当と状況を残せるHalictのような道具も、選択肢の1つとして取り上げます。
社内問い合わせが担当者の時間を奪う理由
社内の問い合わせは、1件ずつ見ると数分で終わるものがほとんどです。それでも担当者の時間を大きく奪うのは、件数の多さより、届き方のばらばらさに原因があります。
たとえば、従業員50人の会社で、1人が1週間に1回だけ総務や情報システムに質問するとします。それだけで1週間に50件、1か月にすると200件を超えます。1件に平均10分かかるとすれば、1か月に2,000分以上、つまり33時間を超える計算となります。担当者が1人なら、勤務時間の2割近くが問い合わせへの対応に消えていることになります。
しかも、この10分の中身を見ると、答えること自体より、次のような作業に時間が使われています。
・チャット、メール、電話のどこに届いたかを思い出し、探す作業
・同じ質問に、前回どう答えたかを探す作業
・担当外の質問を、正しい担当者に回す作業
・対応が済んだかを、あとから確かめる作業
ここ、意外と見落としがちなのですが、問い合わせが多い職場ほど、担当者は「質問に答える人」ではなく「質問を探して、振り分けて、追いかける人」になっています。社内問い合わせツールが解決するのは、主にこの探す・振り分ける・追いかけるの部分です。
もう1つ見逃せないのが、質問する側の時間です。誰に聞けばよいか分からず、社内を何人もたどってようやく答えにたどり着く。返事が来たかどうかをチャットの履歴から探す。こうした時間は、どこにも記録されないまま、会社全体で失われています。
社内問い合わせツールの4つの種類
社内問い合わせツールと呼ばれるものは、大きく4つの種類に分けられます。名前は製品ごとに違いますが、何を解決するための道具かで分けると、選ぶときに迷いません。
| 種類 | 何をする道具か | 向いている職場 |
|---|---|---|
| フォーム型 | 質問の入口を1つのフォームにそろえ、必要な情報を最初に集める | 窓口がばらばらで、聞き返しが多い |
| チケット管理型 | 届いた1件ごとに担当・状態・期限を付けて、対応を記録する | 担当者が複数いて、対応漏れが起きている |
| FAQ型 | よくある質問と答えを公開し、質問する前に自分で調べてもらう | 同じ質問が何度も繰り返される |
| AIチャットボット型 | 質問に自動で答え、答えられないものだけを人に回す | 件数が非常に多く、定型の質問が中心 |
それぞれの種類は、問い合わせの流れのどの段階を受け持つかが違います。FAQ型とAIチャットボット型は「質問が担当者に届く前」に、フォーム型は「質問が届く瞬間」に、チケット管理型は「質問が届いたあと」に効きます。どの段階で困っているかによって、最初に入れるべき種類が決まります。
実際には、1つの種類だけで済む職場は多くありません。従業員が数十人の会社でよく見られる組み合わせは、「フォーム型で入口をそろえ、届いた質問は担当と状態を付けて記録し、同じ質問が3回来たらFAQに答えを書く」という形です。AIチャットボット型は、FAQが十分に育ち、件数がさらに増えてから加える、という順番のほうが失敗が少なくなります。答えの資料が整っていない段階でAIを入れても、正しい答えを返せないからです。
ここからは、種類ごとに、できること、向いている場面、気をつける点を順に見ていきます。
フォーム型:質問の入口を1つにそろえる
フォーム型は、社内からの質問をすべて1つのフォームで受ける方法です。「情報システムへの質問」「総務への申請」「経理への質問」のように種類を選んでもらい、内容、急ぎかどうか、関係する機器や書類の名前など、答えるのに必要な情報を最初にそろえて受け取ります。
この方法の利点は、聞き返しが減ることです。チャットで「パソコンが動きません」とだけ送られてくると、担当者は「どの端末ですか」「いつからですか」「どんな画面が出ていますか」と、何往復も聞き返すことになります。フォームなら、これらを最初から項目として聞けます。
導入の手軽さもフォーム型の強みです。Googleフォームのような無料の道具でも、今日から始められます。ただし、無料のフォームでは、回答はスプレッドシートに1行ずつ並ぶだけです。誰が担当するか、対応が済んだかは、表の列を手で埋めて管理し、返事はチャットやメールで別に送ることになります。件数が少ないうちはこれで十分ですが、担当者が2人以上になると、表と連絡の道具を行き来する手間が増えていきます。
受付から返信までを1つの画面で行う選択肢
この「フォームで受けたあと」の作業まで1つにまとめる道具として、Halictがあります。公式サイトによると、フォームで届いた1件ごとに担当者・ステージ・タグが付き、回答の内容、対応の履歴、メモ、メールの送信が1つの画面にまとまります。届いた回答は表でも、ステージごとに並んだボードでも見られ、担当者・タグ・期間・全文検索で絞り込めます。
利用シーンには「社内の申請・提出」が挙げられていて、申請を受けて確かめ、承認し、記録として残す使い方が紹介されています。提出されたファイルは認証を通した人だけがダウンロードでき、閲覧のみの権限を作れば、経理の担当者には見るだけを許す、といった分け方もできます。新しい回答はSlack、Teams、Discord、Chatworkに通知でき、Googleスプレッドシートに1行ずつ追記することもできます。
料金は使う人数で決まり、公式の料金ページ(税抜の月額)では、メンバー1人までのフリーが0円、3人までのスターターが2,980円、10人までのチームが7,800円、30人までのビジネスが16,800円です。フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。スプレッドシートへの追記はスターターから、チャットへの通知と閲覧のみの権限はチームから含まれます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
フォーム型は、質問の入口をそろえることから始めたい会社に向いています。一方で、従業員が「フォームを開くのが面倒」と感じると、結局チャットで直接聞く人が残ります。導入するときは、「フォーム以外で届いた質問も、担当者がフォームに転記して記録に残す」と決めておくと、記録の抜けを防げます。
チケット管理型:対応の漏れと滞りをなくす
チケット管理型は、届いた質問の1件ごとに「チケット」と呼ばれる記録を作り、担当者、状態、期限を付けて管理する道具です。IT部門のヘルプデスクで昔から使われてきた形で、「ヘルプデスクツール」と呼ばれることも多いです。
チケット管理型の代表例の1つが、アトラシアンのJira Service Managementです。公式の料金ページでは、次のように説明されています。
社内外のカスタマーは、電子メール、Microsoft Teams と Slack、埋め込みウィジェット、またはカスタマー ポータルを介してリクエストを送信できます。 出典: atlassian.com
同じページによると、Freeプランは3エージェントまで無料で使えます。エージェントとは、問い合わせに対応する側の担当者のことです。質問する従業員の数ではなく、対応する人の数で料金が決まる点が、この種類の道具によく見られる仕組みとなります。有料のプランの金額は、エージェントの人数と、月払いか年払いかで変わるので、公式の料金ページで条件を選んで確かめる必要があります。
チケット管理型が向いているのは、担当者が複数いて、「誰かが対応していると思っていたら、誰も対応していなかった」という漏れが起きている職場です。期限を過ぎたチケットに印を付ける、担当者ごとの件数を見る、といった機能で、対応の偏りや滞りが見えるようになります。
注意したいのは、機能が多い分、設定と運用の決まりづくりに時間がかかることです。状態の名前、優先度の基準、担当の振り分けの規則を決めないまま使い始めると、チケットが溜まるだけになります。従業員が数十人までの会社なら、まずは問い合わせの種類と担当の対応表を作るところから始めるのが現実的です。
FAQ型:質問する前に自分で調べてもらう
FAQ型は、よくある質問と答えをまとめて公開し、従業員が担当者に聞く前に自分で調べられるようにする道具です。社内のポータルや、検索できるFAQのページの形で提供されます。
社内の問い合わせには、毎年、毎月、同じ時期に同じ質問が繰り返されるものが多くあります。年末調整の書類の書き方、経費精算の締め日、パスワードを忘れたときの手順、新しく入った人のパソコンの設定。こうした質問は、一度きちんと答えを書いておけば、何度も答える必要はなくなります。
FAQ型の代表例として、問い合わせのフォーム、FAQ、アンケート、チャットをまとめて提供しているTayoriがあります。Tayoriの公式の料金ページ(税抜)では、次の4つのプランが案内されています。
| プラン | 料金(税抜) | 主な内容 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 利用ユーザー1人、フォーム・FAQ・アンケートをそれぞれ1つまで |
| スターター | 1か月あたり3,800円 | 利用ユーザー3人、フォーム・FAQ・アンケートをそれぞれ3つまで、有人チャット1つまで |
| プロフェッショナル | 1か月あたり11,980円 | 利用ユーザー10人、フォーム・FAQ・アンケートそれぞれ無制限、AIチャットボット |
| エンタープライズ | 1か月あたり25,400円(初期費用50,000円) | 利用ユーザー11〜30名、年間契約・銀行振り込みのみ |
有料のスターターとプロフェッショナルには、14日間の無料トライアルがあります。金額は2026年10月13日に公式の料金ページで確かめた表記で、改定されることがあるので、契約の前に必ず最新の表記を確かめてください。
FAQ型で気をつけたいのは、作って終わりにしないことです。制度や手順が変わったのに古い答えが残っていると、従業員はFAQを信用しなくなり、結局担当者に直接聞くようになります。答えの1つひとつに「最終更新日」と「担当者」を書き、年に1回は全部を見直す、と決めておくことが必要です。
AIチャットボット型:定型の質問に自動で答える
AIチャットボット型は、従業員がチャットで質問すると、登録された社内の資料やFAQをもとに、自動で答えを返す道具です。答えられない質問や、判断が必要な質問だけを担当者に回します。
件数が非常に多く、しかも定型の質問が中心の職場では、担当者の負担を大きく減らせる可能性があります。夜間や休日でも答えが返るので、勤務時間の違う人が多い職場にも向いています。
一方で、導入の前に確かめておくべき点がいくつかあります。1つは、AIが参照する資料の質です。社内規程やマニュアルが古いまま、あるいはばらばらの場所にあるなら、AIは古い答えや食い違った答えを返します。チャットボットを入れる前に、まず資料を整えることが先となります。
もう1つは、答えの責任をどう持つかです。給与、税金、労務のように、間違えると従業員に不利益が出る質問は、AIの答えをそのまま最終の答えにせず、担当者が確かめる流れを残すのが安全です。
導入を決める前には、実際に社内で届いた質問を30本ほど選び、無料のトライアルでAIに答えさせてみる方法が有効です。正しく答えられた数、言い回しを変えると答えが変わった数、答えられずに担当者に回った数を記録すると、自社の質問にどこまで通用するかが数字で分かります。正答の割合が低い場合は、ツールを替えるより先に、AIに読ませる資料を整える必要があると判断できます。
費用はサービスによって幅があり、従業員の数や質問の数、参照させる資料の量で変わります。AIのツールの導入にかかる費用は、条件を満たせば補助金の対象になることがあります。IT導入補助金でAIツールを導入する方法2026|対象ツールと申請のポイントでは、対象になるツールの考え方と申請の流れを整理しています。補助の対象や金額は年度ごとに変わるので、申請の前に公式の案内で確かめてください。
手持ちの道具で受け付ける方法
専用のツールを契約する前に、すでに使っている道具で問い合わせを一か所に集める方法も検討できます。
Googleグループの共同トレイ
Google Workspaceを使っている会社なら、Googleグループを「共同トレイ」として使えます。「it-help@」のようなグループのアドレスを作り、問い合わせをそこに送ってもらう方法です。
グループのオーナーまたはマネージャーがグループの共同トレイ機能を有効にすると、メンバーは適切な権限があればお互いの会話を管理できるようになります。 出典: support.google.com
同じページによると、会話を自分やほかのメンバーに割り当てることができ、割り当てられた人には自動でメールの通知が届きます。対応が終わった会話には「完了」「対応不要」「別の会話との重複」の印を付けられます。担当と状態という、チケット管理型の中心の機能を、追加の費用なしで使えるわけです。
チャットのチャンネルを窓口にする
SlackやMicrosoft Teamsを使っている会社では、「#総務への質問」のような専用のチャンネルを窓口にする方法もよく使われます。質問する側にとっては、いつもの画面から聞けるので手軽です。
ただし、チャットの窓口には弱点もあります。質問と雑談が混ざって流れていき、どの質問に答えたかが分からなくなりやすいのです。運用するなら、「答えたら印の絵文字を付ける」「答えはスレッドの中で返す」といった決まりを作り、週に1回、印の付いていない質問がないかを確かめる必要があります。件数が増えてきたら、チャットは通知の受け取り先として使い、記録はフォームやチケットに残す形に移るのが現実的です。
選び方のポイント5つ
4つの種類と手持ちの道具を踏まえて、自社に合うものを選ぶときのポイントを5つに整理します。
ポイント1 いちばん困っている段階から選ぶ
聞き返しが多いならフォーム型、対応漏れが多いならチケット管理型、同じ質問の繰り返しが多いならFAQ型、件数そのものが多すぎるならAIチャットボット型。困りごとの段階に合わない種類を入れても、効果は出ません。最初から全部の種類を入れる必要はなく、いちばん困っている段階から1つずつ足していくのが確実な進め方となります。
ポイント2 質問する側の手間を増やさない
担当者には便利でも、質問する従業員にとって面倒な道具は使われません。新しいアプリへのログインが必要か、スマートフォンからでも送れるか、いつも使っているチャットから入れるか。質問する側の目線で、数人に試してもらってから決めます。
ポイント3 料金が何の数で決まるかを確かめる
社内問い合わせツールの料金は、対応する担当者の数で決まるもの、従業員全体の数で決まるもの、フォームやFAQの数で決まるもの、と製品ごとに違います。たとえば対応する担当者が3人で、従業員が100人の会社なら、担当者の数で決まる道具のほうが費用を抑えやすくなります。いまの人数だけでなく、1年後の人数でも計算しておきます。
ポイント4 記録をあとから探せるか
問い合わせの記録は、担当者が替わったときの引き継ぎ、制度の見直し、FAQづくりの材料になります。過去の質問を言葉で検索できるか、CSVなどで書き出せるかを確かめます。
ポイント5 権限と個人情報の扱い
社内の問い合わせには、健康、家族、給与など、ほかの人に見られたくない内容が含まれることがあります。担当者ごとに見られる範囲を分けられるか、見るだけの権限を作れるか、添付のファイルが誰でも開ける場所に保存されないかを確かめます。
この5つを表にして、候補の道具を並べて比べると、必要な機能と、あれば便利な機能の区別がつきます。
総務や情報システムへの質問を一か所で受ける手順
道具を選んだら、実際に窓口を一本にしていきます。従業員が数十人の会社を想定して、1か月で形にする手順を示します。
手順1 1か月分の質問を書き出す
まず、過去1か月に受けた質問を、チャット、メール、電話のメモから書き出します。正確でなくてかまいません。「誰から」「何について」「どの経路で」「何分かかったか」を、思い出せる範囲で表にします。これだけで、どの種類の質問が多いか、どの経路から多く届くかが見えてきます。
手順2 質問の種類と担当の対応表を作る
書き出した質問を、「パソコン・アカウント」「備品・入館」「経費・支払い」「勤怠・休暇」「その他」のように5つ前後に分け、種類ごとに一次担当を決めます。担当が休みの日の代わりの人も、同じ表に書いておきます。
手順3 入口を1つ決めて、社内に知らせる
フォーム、グループのアドレス、専用のチャンネルのどれか1つを正式な窓口と決め、全員に知らせます。知らせるときは、「急ぎの場合はどうするか」も必ず書きます。システムが止まって仕事ができない、といった緊急の事態まで同じ窓口で待たせるわけにはいかないからです。電話や内線など、緊急用の連絡先を別に示しておきます。
手順4 よく来る質問の答えを10本書く
手順1の表で多かった質問の上位10本について、答えを文章にして、社内のポータルや共有のフォルダに公開します。フォームの冒頭にそのリンクを載せておけば、質問する前に自分で調べる人が少しずつ増えていきます。
手順5 月に1回、件数と中身を見直す
月に1回、届いた質問の件数と種類を数え、増えている種類、減っている種類を確かめます。同じ質問が繰り返されているなら答えをFAQに加え、手順が分かりにくいならマニュアルを直します。窓口を一本にした効果は、この見直しを続けてはじめて表れます。
ここで具体的な数字の例を挙げておきます。1か月に200件の質問のうち、FAQで解決できる定型の質問が4割あったとします。そのうち半分がFAQで自己解決されるようになれば、月に40件、1件10分として400分、およそ6時間半が担当者の手元に戻る計算となります。数字はあくまで例ですが、見直しの効果を測るときの目安になります。
社内の問い合わせフォームに入れておきたい項目
窓口をフォームにする場合、項目の作り方で、聞き返しの回数が大きく変わります。項目が少なすぎると聞き返しが増え、多すぎると従業員がフォームを避けてチャットで直接聞くようになります。総務と情報システムの共通の窓口なら、次の7項目が目安となります。
| 項目 | 形式 | 入れる理由 |
|---|---|---|
| 氏名と部署 | 短い文章 | 誰からの質問かを確かめ、部署ごとの傾向を見るため |
| 連絡先のメールアドレス | メール | 返事と記録の送り先にするため |
| 問い合わせの種類 | 選択肢から1つ | 一次担当に自動で振り分けるため |
| 急ぎの度合い | 選択肢から1つ | 今日中・今週中・いつでもの区別で、対応の順番を決めるため |
| 内容 | 長い文章 | 何が起きているか、何をしたいかを書いてもらうため |
| 関係する機器や書類の名前 | 短い文章(任意) | パソコンの管理番号や申請書の名前で、聞き返しを減らすため |
| 画面の写真や書類 | ファイル(任意) | エラーの画面や書類の不備を、言葉より早く伝えてもらうため |
「急ぎの度合い」は、選択肢の意味をはっきり書いておくことが大切です。「至急」とだけ書くと、ほとんどの人が至急を選びます。「仕事が止まっている(今日中)」「近いうちに必要(今週中)」「急がない」のように、選ぶ基準を具体的に示します。
内容の欄には、記入の例を添えておくと書きやすくなります。たとえば「いつから・何をしたら・どうなったか、を書いてください(例:今朝からプリンターで印刷しようとすると、紙詰まりの表示が出て止まる)」のように示すと、必要な情報がそろって届くようになります。
社内FAQの答えの書き方
FAQ型のツールを入れても、答えの書き方が分かりにくければ、従業員は結局担当者に聞きます。読んだ人が、その場で自分で解決できる答えにするためのポイントを整理します。
結論を1行目に書く
「経費精算の締め日はいつですか」という質問には、1行目に「毎月25日です」と書きます。背景や例外は、その後に続けます。忙しい人は1行目しか読まないことを前提に書きます。
手順は番号を付けて短く書く
パスワードの再設定やソフトの入れ方のように手順がある答えは、1つの番号に1つの操作を書きます。画面のボタンの名前は、実際の画面と同じ言葉で書きます。画面の写真を添えると、さらに迷いが減ります。
例外と問い合わせ先を最後に書く
「ただし、25日が休日の場合は前の営業日です」「この手順で解決しない場合は、問い合わせフォームの『パソコン・アカウント』から送ってください」のように、例外と、解決しなかったときの行き先を最後に書いておきます。行き先が書いていないと、従業員はチャットで担当者に直接聞くことになります。
更新日と担当者を入れる
答えの末尾に、最終更新日と担当の部署を入れておきます。読む人は答えが新しいかどうかを判断でき、担当者は見直しの時期に気づけます。制度の変更があった月には、関係する答えを洗い出して更新する、という作業を年間の予定に組み込んでおくと、古い答えが残り続けることを防げます。
従業員30人の会社で組み立てる場合の例
ここまでの内容を、従業員30人ほどの会社に当てはめた例で示します。総務と経理を兼ねる担当者が1人、情報システムの担当を兼ねる社員が1人、という体制を想定します。
最初の月は、手持ちの道具だけで始めます。問い合わせ用のフォームを1つ作り、種類の選択肢で「パソコン・アカウント」と「総務・経理」に分けます。届いた回答は表にまとめ、担当と状態の列を2人で更新します。チャットで直接届いた質問も、担当者が表に1行加えて記録を残します。
2か月目には、1か月分の記録から、多かった質問の上位10本を選び、社内の共有フォルダに答えを公開します。フォームの冒頭に、そのリンクを載せます。この段階で、質問の数がどの程度減ったかを、前の月と比べて確かめます。
3か月目に、担当者の2人が「表とチャットの行き来が負担」「誰に返したか分からなくなる」と感じていれば、受付から返信までを1つの画面で行える道具や、チケット管理型の無料のプランを試す段階です。2人で使うなら、担当者の人数で料金が決まる道具の無料の範囲や、小さな人数向けのプランで足りることが多いはずです。
このように、いきなり大きなツールを入れるのではなく、記録を取る、答えを公開する、道具を選ぶ、の順で進めると、自社に何が必要かを確かめながら投資できます。費用をかける判断は、記録の数字がそろってからでも遅くありません。
導入で気をつけたい点
最後に、社内問い合わせツールの導入でつまずきやすい点を挙げておきます。
1つ目は、窓口を増やしてしまうことです。新しいツールを入れたのに、古いチャットやメールでの受付も続けると、担当者が見る場所が1つ増えただけになります。正式な窓口を決めたら、ほかの経路で届いた質問には「こちらの窓口から送ってください」と案内し、少しずつ移していきます。
2つ目は、従業員に使い方を説明しないことです。フォームのURLを1回知らせただけでは、多くの人は忘れます。社内のポータルのいちばん目立つ場所、パソコンの初期設定のブックマーク、新しく入った人向けの案内に、窓口の場所を入れておきます。
3つ目は、個人情報の扱いの決まりを作らないことです。健康や家族の事情に関わる相談は、通常の窓口とは別に、限られた担当者だけが見られる経路を用意しておく必要があります。どの情報をどこまで共有してよいかは、社内の規程と照らし合わせて決めてください。法令に関わる判断が必要な場合は、社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。
4つ目は、費用の比較を月額だけで行うことです。初期費用、年間契約の条件、解約の手続き、データの書き出しにかかる手間まで含めて比べます。インボイスに対応した請求書が発行されるかも、経理の処理の面では確かめておきたい点です。経理まわりの道具をまとめて見直すなら、IT導入補助金で「インボイス対応」を一気に進める|対象ツールと申請の流れも参考になります。
社内問い合わせの仕組みづくりと在宅の仕事
社内問い合わせの仕組みを整える作業は、会社の中の担当者だけでなく、外部の人に頼まれることも増えています。とくに、小さな会社では、ツールを選び、フォームを作り、通知や表計算との連携を設定する作業を、担当者が本業の合間にこなすのは負担が大きいからです。
フォームとチャット、スプレッドシートをつなぐ設定や、繰り返しの作業を自動にする仕組みづくりは、在宅で受けられる仕事の1つです。RPA・業務自動化ツールのお仕事では、業務の自動化を請け負う仕事の内容と、求められる経験を整理しています。AIチャットボットの導入や、社内の資料をAIに読ませる準備を手伝う仕事については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で関連する仕事の範囲を確かめられます。
在宅ワークの市場を長く見てきた運営者として感じるのは、仕組みづくりを外部の人に任せてうまくいく会社は、例外なく「いまどんな質問が、どれくらい来ているか」を先に書き出している、ということです。手順1の書き出しがあれば、頼まれる側は的確な提案ができ、頼む側も成果を確かめられます。仲介の手数料が乗らない手数料0%で直接やり取りできる関係なら、同じ予算で頼める作業の範囲が広がり、受ける側の手取りも厚くなります。
社内問い合わせツールは、入れた日から問題が解決する道具ではなく、窓口を一本にし、記録を残し、答えを育てていくための土台です。自社の困りごとがどの段階にあるかを確かめるところから始め、必要に応じて外部の力も借りながら、少しずつ仕組みを整えていってください。業務の自動化を仕事として請け負いたい人は、RPA・業務自動化ツールのお仕事で仕事の流れを確かめるところから始められます。
よくある質問
Q. 社内問い合わせツールは無料で始められますか?
始められます。Google Workspaceを使っているならGoogleグループの共同トレイ、無料のフォームの道具なら受付の入口づくりから試せます。専用のツールにも、担当者1人までや3人までなど、人数を限った無料のプランを用意しているものがあります。無料の範囲は人数やフォームの数で限られるので、公式の料金ページで条件を確かめてから選んでください。
Q. チャットで質問を受けるのと、専用のツールを使うのはどちらがよいですか?
件数が少なく、担当者が1人なら、チャットの専用チャンネルでも回ります。担当者が複数になる、同じ質問が繰り返される、対応漏れが起きている、といった状態になったら、記録が残る専用のツールやフォームに移る段階です。チャットは通知の受け取り先として残し、記録は別の場所に残す組み合わせもよく使われます。
Q. 社内問い合わせツールの費用はどのくらいかかりますか?
製品によって料金の決まり方が違い、対応する担当者の数、利用する人の数、フォームやFAQの数などで変わります。無料のプランから、1か月あたり数千円から数万円のものまで幅があります。初期費用や年間契約の条件も含めて比べ、1年後に何人で使うかを想定して計算しておくと、契約後に想定外の出費が出にくくなります。
Q. 健康や家族に関する相談も同じ窓口で受けてよいですか?
通常の窓口と分けるのが安全です。健康や家族の事情に関わる相談は、限られた担当者だけが見られる経路を用意し、閲覧の権限を分けておく必要があります。どの情報をどこまで共有してよいかは、社内の規程と照らし合わせて決めてください。判断に迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に確認することをおすすめします。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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