Google Apps Scriptでフォームの回答を処理する方法と、自動返信や通知の組み方

@SOHO編集部
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Google Apps Scriptでフォームの回答を処理する方法と、自動返信や通知の組み方

この記事のポイント

  • ✓Google Apps Script(GAS)でGoogleフォームの回答を処理する方法を
  • ✓スクリプトエディタの開き方
  • ✓フォーム送信のトリガーの設定

Googleフォームで問い合わせや申し込みを受け付けていると、回答が届くたびにスプレッドシートを開いて確かめ、回答者に「受け付けました」のメールを手で送る、という作業が毎日のように発生します。この作業を自動にできるのが、Google Apps Script(GAS)です。

Google Apps Scriptを使えば、フォームに回答が届いた瞬間に、回答者へ自動返信のメールを送ったり、担当者に通知のメールを送ったりできます。プログラムを書いた経験が少なくても、短いコードとトリガーの設定だけで組めるのが特徴です。

この記事では、Google Apps Scriptでフォームの回答を処理する方法を、Googleの公式ドキュメントに沿って順番に説明します。スクリプトエディタの開き方、フォーム送信のトリガーの設定、自動返信と通知のコードの組み方、1日に送れるメールの数などの上限、運用で気をつける点まで扱います。コードを書かずに自動返信や通知を設定したい場合の選択肢として、フォームの受付から対応までを1つの画面で扱えるHalictにも触れます。

Google Apps Scriptとは

Google Apps Scriptは、Googleが提供している、GmailやGoogleスプレッドシート、Googleフォームなどの操作を自動にするための仕組みです。Googleの公式ドキュメントでは、次のように説明されています。

Apps Script は効率的なアプリケーション開発プラットフォームです。Google Workspace と連携するビジネスアプリケーションをすばやく簡単に作成できます。コードは最新の JavaScript で記述し、Gmail、Google カレンダー、Google ドライブなどの Google Workspace アプリケーション用の組み込みライブラリを利用できます。 出典: developers.google.com

同じドキュメントによると、インストール作業は不要で、ブラウザの中で動くコードエディタが用意されており、スクリプトはGoogleドライブに保存され、Googleのサーバーで実行されます。つまり、パソコンに特別なソフトを入れなくても、Googleアカウントさえあれば使い始められます。

Google Apps Scriptでできること

公式ドキュメントでは、Apps Scriptでできることとして、ドキュメントやスプレッドシート、フォームにメニューやダイアログを追加すること、スプレッドシート用の関数やマクロを作ること、ウェブアプリを公開すること、カレンダーやドライブ、Gmailなどほかのサービスと連携することなどが挙げられています。

フォームの回答の処理に関係するのは、主に次の3つです。

  • フォームに回答が届いたときに、自動で処理を始める(トリガー)
  • 回答の内容を読み取り、スプレッドシートに書き込んだり、加工したりする
  • 回答者や担当者にメールを送る

始めるまでの全体の流れ

フォームの回答をApps Scriptで処理するまでの流れは、次の5つです。この記事も、この順番で説明していきます。

  1. フォームを作り、回答をスプレッドシートに送るように設定する
  2. スプレッドシートからスクリプトエディタを開く
  3. 回答を取り出してメールを送るコードを書く
  4. フォームの送信で動くトリガーを設定する
  5. テストの回答を送って、動きを確かめる

最初の1回は、準備からテストまで30分から1時間ほどを見込んでおくと、落ち着いて進められます。

メリットとデメリット

Google Apps Scriptのメリットは、無料のGoogleアカウントで使えること、Googleのサービス同士を細かく組み合わせられること、パソコンを閉じていてもGoogleのサーバーで処理が動くことです。

一方で、デメリットもあります。1日に送れるメールの数や処理の時間に上限があること、コードを書いた人しか直し方が分からない状態になりやすいこと、Googleの仕様の変更でコードを直す必要が出ることがある点です。これらの点は、このあとの「上限と注意点」で詳しく説明します。

フォームの回答を処理する仕組み

Google Apps Scriptでフォームの回答を処理するときは、「トリガー」と「イベントオブジェクト」の2つを理解しておくと、全体の仕組みが分かります。

トリガー

トリガーとは、何かが起きたときに、決めておいた処理を自動で動かすための仕組みです。フォームの回答の処理では、「フォームに回答が送信されたとき」に処理を動かすトリガーを使います。

公式ドキュメントのインストール可能なトリガーによると、フォーム送信のトリガーには2つの種類があります。

  • フォームそのものに付けるトリガー
  • フォームの回答が送られるスプレッドシートに付けるトリガー

この記事では、回答を確かめやすく、扱いやすいスプレッドシートの側に付ける方法を中心に説明します。

イベントオブジェクト

トリガーで処理が動くとき、Apps Scriptは、起きた出来事の情報をまとめたものを処理に渡します。これをイベントオブジェクトと呼びます。

公式ドキュメントのイベント オブジェクトによると、スプレッドシートの側のフォーム送信のトリガーでは、次のような情報を受け取れます。

項目 中身
namedValues 質問の名前と、その回答の組み合わせ
values スプレッドシートに表示される順と同じ順に並んだ回答の値
range 回答が書き込まれたセルの範囲

この中で使いやすいのが namedValues です。質問の名前を指定するだけで、その質問の回答を取り出せます。たとえば「お名前」という質問の回答は、e.namedValues['お名前'][0] のように取り出せます。回答は配列の形で入っているため、最後に [0] を付けて1つ目の値を取り出します。

フォームそのものに付けるトリガーの場合は、回答全体を表す response を受け取ります。

準備:フォームとスプレッドシートを用意する

ここからは、問い合わせのフォームを例に、実際に自動返信と通知を組んでいきます。まずは準備です。

フォームを作る

Googleフォームで、次の3つの質問を持つ問い合わせのフォームを作ります。

  • お名前(記述式、必須)
  • メールアドレス(記述式、必須)
  • お問い合わせ内容(段落、必須)

質問の名前は、コードの中でそのまま使います。あとで名前を変えるとコードが動かなくなるため、ここで決めた名前は変えないようにします。メールアドレスの質問には、記述式の入力規則でメールアドレスの形式だけを受け付けるように設定しておくと、入力の誤りによる送信の失敗を減らせます。

回答をスプレッドシートに送る

フォームの[回答]から、回答の送信先として新しいスプレッドシートを作ります。手順は、Googleの公式ヘルプのとおり、[回答]の[概要]を開き、右上のその他アイコンから[回答の送信先を選択]をクリックし、[新しいスプレッドシートを作成]を選びます。

テストの回答を1件送っておく

コードを書く前に、自分でフォームに1件回答しておきます。スプレッドシートの1行目に、質問の名前が列の見出しとして並んでいることを確かめます。この見出しの名前が、namedValues で指定する名前になります。

手順:スクリプトエディタを開いてコードを書く

手順1:スクリプトエディタを開く

公式ドキュメントによると、スプレッドシートに結び付いたスクリプトは、スプレッドシートを開き、[拡張機能]から[Apps Script]をクリックして作ります。新しいタブでスクリプトエディタが開きます。

フォームに結び付いたスクリプトを作る場合は、フォームを開き、その他アイコンから[スクリプト エディタ]をクリックします。この記事では、スプレッドシートの側で進めます。

手順2:自動返信のコードを書く

スクリプトエディタに最初から書かれている内容を消し、次のコードを書きます。

function sendAutoReply(e) {
  const name = e.namedValues['お名前'][0];
  const email = e.namedValues['メールアドレス'][0];
  const subject = 'お問い合わせを受け付けました';
  const body = name + ' 様\n\n' +
    'お問い合わせいただき、ありがとうございます。\n' +
    '内容を確認のうえ、3営業日以内にご連絡いたします。';
  MailApp.sendEmail(email, subject, body);
}

このコードは、フォームの回答から「お名前」と「メールアドレス」を取り出し、回答者に受付のメールを送るものです。MailApp.sendEmail は、宛先、件名、本文の3つを渡してメールを送る、Apps Scriptに用意された機能です。

書き終えたら、上部の保存のアイコンをクリックして保存します。

コードの読み方

プログラムを書いた経験が少ない人のために、手順2のコードを1行ずつ読んでおきます。

  • function sendAutoReply(e) は、sendAutoReply という名前の処理のまとまり(関数)を作る、という宣言です。e には、トリガーから渡されるイベントオブジェクトが入ります
  • const name = ... は、name という入れ物に、「お名前」の回答を入れる、という意味です。const は、一度入れたら中身を変えない入れ物を作るときに使います
  • '様\n\n' の \n は、メールの本文での改行を表します。\n を2つ続けると、空行が1行入ります
    • は、文字と文字をつなげる記号です。name + ' 様' と書くと、「山田 様」のような文字になります
  • MailApp.sendEmail(email, subject, body) は、email の宛先に、subject の件名と body の本文でメールを送る、という命令です

このように、コードは「回答を取り出す」「本文を組み立てる」「送る」の3つの部分に分かれています。自分の用途に合わせて直すときも、この3つのどこを変えればよいかを考えると、迷わずに済みます。

手順3:担当者への通知を加える

回答が届いたことを担当者にも知らせたい場合は、同じ関数の中に、担当者宛てのメールを加えます。

  const notice = '新しいお問い合わせが届きました。\n\n' +
    'お名前:' + name + '\n' +
    '内容:' + e.namedValues['お問い合わせ内容'][0];
  MailApp.sendEmail('担当者のメールアドレス', '新しいお問い合わせ', notice);

この3行を、先ほどの関数の最後の行(MailApp.sendEmail(email, subject, body); の下)に加えます。関数の終わりを示す } より前に入れることに注意します。'担当者のメールアドレス' の部分は、実際に通知を受け取るアドレスに書き換えます。

手順4:トリガーを設定する

コードを書いただけでは、フォームに回答が届いても何も起きません。トリガーを設定して、回答が送信されたときに関数が動くようにします。公式ドキュメントでは、スクリプトエディタでトリガーを作る手順が次のように案内されています。

  1. Apps Scriptのプロジェクトを開く
  2. 左側の[トリガー]をクリックする
  3. 右下の[トリガーを追加]をクリックする
  4. 作るトリガーの種類を選んで設定する
  5. [保存]をクリックする

4の設定では、実行する関数として sendAutoReply を選び、イベントのソースをスプレッドシート、イベントの種類をフォームの送信に設定します。選択肢の表示名は画面の更新で変わることがあるため、迷ったときは公式ドキュメントのトリガーの説明と照らし合わせてください。

手順5:権限を承認する

トリガーを保存するときに、スクリプトがGoogleアカウントの情報を使うことへの許可を求める画面が表示されます。メールを送るための権限なので、内容を確かめて許可します。自分で書いたコードであることを確かめたうえで承認してください。

手順6:テストの回答で確かめる

最後に、フォームから自分のメールアドレスでテストの回答を送ります。数十秒ほどで、受付のメールと担当者への通知のメールが届けば完成です。届かない場合は、スクリプトエディタの左側の[実行]から、実行の記録とエラーの内容を確かめます。

自動返信のメールの書き方

コードが動くようになったら、自動返信のメールの中身を整えます。自動返信は、回答者が最初に受け取る連絡です。文面しだいで、回答者の安心感が大きく変わります。

入れておきたい4つのこと

自動返信のメールには、次の4つを入れておきます。

  • 受け付けたことと、お礼
  • 次に何が起きるのか(いつまでに、誰から連絡するか)
  • 回答の内容の控え
  • 急ぎの場合の連絡先

回答の内容の控えを本文に入れておくと、回答者があとで何を送ったかを確かめられます。namedValues から各質問の回答を取り出して、本文に並べます。

返信までの期間を書く

「3営業日以内にご連絡いたします」のように、返信までの期間を書いておくと、回答者は待つ間の見通しが立ちます。ただし、書いた期間は必ず守れるものにします。守れない期間を書くと、自動返信がかえって不信のもとになります。

自動で送られたメールであることを書く

自動返信のメールには、「このメールは送信専用のアドレスから自動でお送りしています」のように、自動で送られたものであることを書いておきます。ただし、Apps Scriptの MailApp で送ったメールは、スクリプトを動かしているGoogleアカウントから送られます。回答者がそのまま返信すると、そのアカウントに届きます。返信を受け付けたいアドレスが別にある場合は、本文に問い合わせ先のアドレスを書いておきます。

自動返信の文面の例

4つの要素を入れた自動返信の文面は、たとえば次のようになります。

「山田 様

お問い合わせいただき、ありがとうございます。以下の内容で受け付けました。

お名前:山田 太郎 お問い合わせ内容:料金のプランについて詳しく知りたいです。

内容を確認のうえ、担当者より3営業日以内にご連絡いたします。お急ぎの場合は、お問い合わせ窓口のメールアドレスまでご連絡ください。

このメールは自動でお送りしています。」

本文の中の名前や内容の部分は、コードで namedValues から取り出した回答に置き換えます。文面を決めたら、自分宛てにテストの回答を送り、実際の見え方を確かめてから使い始めます。スマートフォンのメールアプリで読むと、改行の位置によっては読みにくくなることがあるため、パソコンとスマートフォンの両方で確かめておくと安心です。

うまく動かないときの確かめ方

自動返信が届かないときは、次の順番で確かめると、多くの場合は原因が見つかります。

1. トリガーが設定されているか

コードを保存しただけで、トリガーを設定し忘れていることがよくあります。スクリプトエディタの左側の[トリガー]を開き、sendAutoReply の関数にフォーム送信のトリガーが設定されているかを確かめます。

2. 質問の名前が合っているか

コードの中の 'お名前' 'メールアドレス' と、スプレッドシートの1行目の見出しが、1文字でも違うと回答を取り出せません。全角と半角の違い、見出しの前後の空白にも気をつけます。フォームの質問の名前をあとから変えた場合も、ここで食い違いが起きます。

3. 権限を承認しているか

トリガーを保存するときの承認の画面を途中で閉じてしまうと、メールを送る権限がないまま、スクリプトは失敗します。もう一度トリガーを保存し直すか、スクリプトエディタで関数を1回実行して、承認の画面を最後まで進めます。

4. 実行の記録にエラーが出ていないか

スクリプトエディタの左側の[実行]を開くと、スクリプトが動いた記録と、失敗したときのエラーの内容が表示されます。エラーの文面に、どの行で何が起きたかが書かれているので、その行を見直します。

5. 迷惑メールのフォルダに入っていないか

メールが送られていても、受け取る側の迷惑メールのフォルダに振り分けられていることがあります。テストの回答を送ったときは、迷惑メールのフォルダも確かめます。

6. その日の上限に達していないか

テストを何度も繰り返していると、1日のメールの上限に近づいていることがあります。上限に達すると、その日のうちはメールを送れません。上限は最初のリクエストから24時間後にリセットされます。

上限と注意点

Google Apps Scriptには、1日に使える量の上限があります。公式ドキュメントのGoogle サービスの割り当てによると、割り当ては一般ユーザー向けのアカウント(gmail.com など)とGoogle Workspaceのアカウントで違い、ユーザーごとに設定されて、最初のリクエストから24時間後にリセットされます。

フォームの処理に関係する主な上限

項目 一般ユーザー向けアカウント Google Workspaceアカウント
1日あたりのメール受信者数(MailApp など) 100 1,500
トリガーの合計実行時間 1日90分 1日6時間
スクリプトの実行時間 1回6分 1回6分
トリガーの数 1ユーザー・1スクリプトあたり20 1ユーザー・1スクリプトあたり20

公式ドキュメントでは、すべての割り当ては予告なく削除・削減・変更される可能性があるとされています。また、Google Workspaceのアカウントでも、無料の試用期間中は追加の制限がかかると案内されています。

メールの上限に注意する

いちばん気をつけたいのは、1日あたりのメール受信者数です。一般ユーザー向けのアカウントでは1日100人までです。自動返信と担当者への通知を1件の回答ごとに送ると、1件で2人に送ることになるため、1日に受けられる回答は実質50件ほどになります。

申し込みが集中するイベントの受付などでは、この上限に届くことがあります。上限を超えると、スクリプトは途中で止まり、メールは送られません。公式ドキュメントでは、MailApp.getRemainingDailyQuota() を使うと、その日に送れる残りの受信者数を確かめられると案内されています。

エラーに気づける仕組みを作る

公式ドキュメントによると、トリガーで動いた処理が失敗しても、画面にエラーは表示されません。代わりに、Apps Scriptから失敗の概要を知らせるメールが届きます。このメールを見落とさないよう、受信箱でフィルタを作るなどして、目に付く場所に届くようにしておきます。

トリガーは作った人のアカウントで動く

公式ドキュメントでは、インストール可能なトリガーは、常に作った人のアカウントで実行されると説明されています。担当者が異動や退職でアカウントを使わなくなると、トリガーも動かなくなります。業務で使うフォームの自動返信は、個人のアカウントではなく、業務用に決めたアカウントで作っておくと安心です。

回答の内容をそのまま使うときの注意

回答者が入力した内容を、そのままメールの本文や件名に使うときは注意が必要です。担当者への通知に回答の内容を入れる場合は問題になりにくいですが、回答者以外に送るメールに回答の内容を入れる場合は、意図しない文章が送られる可能性があります。自動返信の本文には、回答者本人の入力した内容だけを入れるようにします。

個人情報を扱うときの注意

問い合わせや申し込みのフォームには、氏名やメールアドレスなどの個人情報が含まれます。Apps Scriptでこうした情報を扱うときは、次の点に気をつけます。

  • スクリプトを編集できる人を必要な人に絞る。スクリプトを編集できる人は、回答の中身を読み取るコードも書けるため
  • 担当者への通知のメールに、必要以上の情報を入れない。通知は「新しい問い合わせが届いた」ことが分かれば十分な場合も多い
  • テストのときに、実在する他人のメールアドレスを使わない。テストの回答は、自分が受け取れるアドレスで送る
  • 回答のスプレッドシートの共有範囲を、フォームの共同編集者とは別に確かめる

勤め先や取引先のフォームを扱うときは、組織の個人情報の扱いの決まりがあれば、それに従ってください。

回答の処理でよく使う組み合わせ

自動返信と通知のほかにも、フォームの回答の処理でよく使われる組み合わせがあります。ここでは、考え方だけを紹介します。

回答に応じて通知先を変える

「お問い合わせの種類」の質問の回答によって、通知を送る担当者を変える組み合わせです。namedValues から種類の回答を取り出し、「料金について」なら営業の担当者、「使い方について」ならサポートの担当者、というように宛先を切り替えます。

受付番号を付ける

回答が書き込まれた行の番号を使って、受付番号を作り、自動返信のメールに書く組み合わせです。イベントオブジェクトの range から、書き込まれた行を取り出せます。回答者と担当者が同じ番号でやり取りできるため、問い合わせの取り違えを防げます。

決まった時間にまとめて通知する

回答が届くたびではなく、1日1回、その日に届いた回答をまとめて担当者に知らせる組み合わせです。公式ドキュメントで時間主導型トリガーと呼ばれる、決まった時刻に処理を動かすトリガーを使います。ただし、公式ドキュメントによると、時刻は多少ずれることがあり、午前9時に設定すると、午前9時から10時の間のいずれかの時刻に動きます。

コードの管理を続けるための工夫

Google Apps Scriptで作った仕組みは、作った直後はうまく動いても、時間がたつと「誰も中身が分からない」状態になりがちです。長く使い続けるための工夫を挙げます。

コードの冒頭に説明を書く

コードの冒頭に、このスクリプトが何をするものか、どのフォームとスプレッドシートに結び付いているか、誰が作ったか、いつ直したかを、コメントとして書いておきます。

質問の名前を変えるときの決まりを作る

フォームの質問の名前を変えると、namedValues で指定している名前と合わなくなり、スクリプトが動かなくなります。質問の名前を変えるときは、必ずスクリプトの担当者に知らせる、という決まりを作っておきます。

動いているかを定期的に確かめる

月に1回ほど、自分でテストの回答を送り、自動返信と通知が届くかを確かめます。確かめた日と結果を、コードの冒頭のコメントか、別のメモに残しておくと、いつから動いていなかったのかを後から追えるようになります。メールの上限に近づいていないか、エラーのメールが届いていないかも、あわせて確かめます。

コードを書かずに自動返信や通知を設定したいとき

Google Apps Scriptは、無料で細かく組み立てられる便利な仕組みです。一方で、コードを書く人がいない、書いた人がいなくなると直せない、メールの上限が心配、といった事情があることもあります。

また、自動返信と通知のあとには、届いた問い合わせに担当を決めて返信し、対応が終わったかを管理する作業が続きます。この部分までApps Scriptで作ろうとすると、スプレッドシートに担当や状況の列を加え、返信のメールを送る仕組みを別に作ることになり、コードはどんどん大きくなります。

受付から対応までを1つの画面で扱える選択肢

コードを書かずに自動返信や通知を設定したい場合の選択肢の1つが、フォームの道具のHalictです。公式サイトによると、フォームを作り、届いた回答1件ごとに担当とステージ(未対応・対応中など)を割り当てて管理でき、回答者への返信も同じ画面から送れます。

料金ページによると、フリープランは0円でメンバー1人まで、フォーム数と回答数は無制限で、ステージの管理と自動返信、CSVの書き出しが使えます。Googleスプレッドシートとの連携は、メンバー3人までのスタータープラン(月額2,980円、税抜)から使えます。Teams・Slack・Chatworkへの通知と、一斉メールと開封・クリックの計測は、メンバー10人までのチームプラン(月額7,800円、税抜)からです。外部のシステムからフォームを作ったり取得したりするためのAPIも用意されています。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

自動返信と通知だけで足り、コードを管理できる人がいるなら、Google Apps Scriptで十分です。回答のあとの担当決めや返信まで含めて、コードを書かずにチームで回したい場合に、こうした道具が候補になります。

Google Apps Scriptの力を仕事に生かす

Google Apps Scriptで日々の作業を自動にする力は、多くの職場で求められています。最後に、この力をどう仕事に生かせるかを考えます。

業務の自動化を支援する仕事

フォームの回答の処理のように、決まった手順の作業を自動にする仕事は、在宅でも受けやすい仕事の1つです。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIやデジタルの道具を取り入れる支援の仕事が紹介されています。Apps Scriptで小さな自動化を積み重ねた経験は、こうした仕事の入り口になります。

本格的にプログラムを書く仕事に進みたい人は、アプリケーション開発のお仕事で、開発の仕事の内容と求められるスキルを確かめておくと、次に学ぶことが見えてきます。Apps ScriptはJavaScriptで書くため、Webの開発で使われる言語の学習にもつながります。

@SOHO編集部が見てきたこと

フリーランスや在宅ワークの仲介を長く続けてきた中で、@SOHO編集部が見てきたのは、小さな自動化を頼まれた人が、そのあとも続けて相談を受ける関係になりやすいということです。自動返信を1つ作っただけでも、依頼した側の手作業は毎日確実に減ります。その効果を実感した依頼者は、次の作業の自動化も同じ人に相談したくなるものです。

仲介手数料のかからない直接取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側も同じ予算でより多くを頼めます。小さな仕事から信頼を積み重ね、継続の仕事につなげる働き方と、業務の自動化の仕事は相性がよいといえます。

まずは、いま使っているフォームのスプレッドシートを開き、[拡張機能]から[Apps Script]をクリックしてみてください。自動返信のメールが届いた瞬間、毎日の作業の何が自動にできるかが見えてくるはずです。

よくある質問

Q. Google Apps Scriptは無料で使えますか?

Googleアカウントがあれば無料で使えます。インストールは不要で、ブラウザの中のエディタでコードを書き、Googleのサーバーで実行されます。ただし、1日に送れるメールの受信者数やトリガーの実行時間などに上限があり、一般ユーザー向けのアカウントとGoogle Workspaceのアカウントで上限の値が違います。

Q. Googleフォームの回答に自動返信するにはどうすればよいですか?

回答の送信先のスプレッドシートを開き、[拡張機能]から[Apps Script]でエディタを開き、回答からメールアドレスを取り出して MailApp.sendEmail でメールを送る関数を書きます。そのうえで、左側の[トリガー]から[トリガーを追加]をクリックし、イベントの種類をフォームの送信に設定して保存します。最後にテストの回答で届くかを確かめます。

Q. Google Apps Scriptで1日に送れるメールの数は決まっていますか?

公式ドキュメントでは、1日あたりのメール受信者数の上限は、一般ユーザー向けのアカウント(gmail.com など)で100、Google Workspaceのアカウントで1,500とされています。自動返信と担当者への通知を1件ごとに送ると、1件で2人に送ることになる点に注意してください。上限は予告なく変わることがあります。

Q. トリガーで動かしたスクリプトが失敗したときはどうなりますか?

画面にはエラーが表示されず、代わりにApps Scriptから失敗の概要を知らせるメールが届きます。メールのリンクからスクリプトを開き、左側の[実行]で実行の記録とエラーの内容を確かめます。トリガーは作った人のアカウントで動くため、業務で使う場合は業務用に決めたアカウントで作っておくと安心です。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年4月14日最終更新:2026年10月15日
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この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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