Googleフォームで回答に応じて質問を分岐させる設定と、つくるときの注意点


この記事のポイント
- ✓Googleフォームの分岐を
- ✓セクションの考え方から設定の手順
- ✓うまく動かないときの確認ポイントまで順番に解説します
Googleフォームの分岐を設定しようとして、「回答に応じて質問を変えたいのに、メニューのどこにも見当たらない」と手が止まる人はとても多いです。原因はたいてい1つで、Googleフォームの分岐は質問単位ではなく「セクション」という区切り単位で動くからです。この仕組みさえつかめば、設定そのものは数分で終わります。
この記事では、Googleフォームの分岐の考え方、設定の手順、よく使う分岐の型、うまく動かないときの確認ポイント、つくるときの注意点を順番に整理します。ゲームのシナリオ分岐にたとえると、選択肢を選んだ先にどの場面が来るかを先に決めておく作業です。後半では、分岐でふるい分けた回答を受け取ったあと、担当と状況をつけて返信まで同じ画面で進められるフォームのHalictにも触れます。
Googleフォームの分岐は「セクション」単位で動く
最初に押さえておきたいのが、分岐の単位です。Googleフォームでは、質問をいくつかのまとまりに分けたものを「セクション」と呼びます。1ページに表示される質問のまとまり、と考えると分かりやすいです。分岐とは、ある質問の答えによって、次にどのセクションへ進むかを変える仕組みのことです。
Google のヘルプには、分岐の機能が次のように説明されています。
回答に応じて特定のセクションに移動するようにアンケートを作成することができます。 出典: support.google.com
つまり、「質問Aで『はい』と答えた人には質問Bを見せ、『いいえ』と答えた人には質問Cを見せる」という設定は、質問Bと質問Cをそれぞれ別のセクションに分けておかないと作れません。同じセクションの中にある質問は、答えに関係なく全員に表示されます。
ゲームでたとえるなら、セクションは「場面」、分岐の設定は「選択肢を選んだときの行き先」です。RPGのシナリオで、村人に話しかけて「手伝う」を選べば森の場面へ、「断る」を選べば町の場面へ進むのと同じ構造です。場面を作らずに行き先だけ決めることはできません。
もう1つの基本は、分岐を設定できる質問の形式が限られていることです。ヘルプには、回答に応じてセクションに移動する設定は、多肢選択式(画面では「ラジオボタン」)とプルダウンの質問でのみ使えると書かれています。答えを1つだけ選ぶ形式の質問でしか、行き先を決められないということです。この点は後でもう一度、注意点として取り上げます。
分岐を使うと何が良くなるのか
分岐を使わなくても、フォームは作れます。それでも分岐が使われるのは、回答する人と集計する人の両方に利点があるからです。
回答する人にとっての利点
自分に関係のない質問を飛ばせるので、回答にかかる時間が短くなります。たとえばイベントの申し込みフォームで、「参加しない」を選んだ人にまで食事の希望や駐車場の利用を聞くのは無駄です。関係のない質問が並ぶと、途中で読むのが面倒になり、送信せずに閉じてしまう人が出ます。
フォーム作成ツールの formrun を提供している会社のメディアでは、条件分岐の利点を次のように説明しています。
フォームの回答内容に応じて、複数の質問項目を用意することを「条件分岐」と言います。条件分岐を設定すれば、ユーザーに必要な質問のみ回答させ、フォームの離脱率を下げられます。 出典: form.run
離脱率とは、フォームを開いた人のうち、送信せずに途中でやめた人の割合のことです。
集計する人にとっての利点
答えが種類ごとに分かれた状態で届くので、集計の手間が減ります。問い合わせフォームなら「料金について」「不具合について」「その他」で質問を変えておけば、届いた時点で中身がそろっています。後から「どの件についてのお問い合わせですか」と聞き直す往復も減ります。
対象外の人を早めに案内できる
応募条件や参加条件があるフォームでは、条件に合わない人を最初の数問で見分け、その場で送信に進ませることができます。条件に合わない人が最後まで入力してから断られるより、回答する人の時間を無駄にしません。
設定する前に、分岐の流れを紙に書く
分岐の設定で失敗する人の多くは、いきなりフォームの編集画面で作り始めています。分岐は、どのセクションからどのセクションへ進むかの組み合わせなので、頭の中だけで組み立てると、行き先の指定漏れや、同じ質問が二度出る重複が起きます。
先に、紙やメモに流れ図を書いておくのが確実です。書き方は簡単で、次の3つを並べるだけです。
・セクションの一覧(セクション1:基本情報、セクション2:参加する人向け、セクション3:参加しない人向け、など)
・分岐させる質問と、その選択肢
・選択肢ごとの行き先(どのセクションへ進むか、または送信するか)
編集部でゲーム開発の仕事をしている書き手は、最初にイベント参加フォームを作ったとき、この図を書かずに作り始めて失敗しています。「参加する」を選んだ人を食事の希望のセクションへ送ったところまでは良かったのですが、食事のセクションの最後で次の行き先を指定し忘れ、そのまま「参加しない人向け」のセクションへ進んでしまいました。参加する人に「欠席の理由」を聞くフォームになっていたわけです。ゲームでいえば、森の場面のあとに町の場面が続いてしまうバグです。それ以来、分岐のあるフォームは必ず図から作るようにしているそうです。
図を書くときは、各セクションの「終わったあとにどこへ行くか」まで書き込むのが大事です。分岐の質問がある場所だけでなく、分岐した先のセクションの出口も決めておかないと、上の例のように意図しない順番で進みます。
Googleフォームで分岐を設定する手順
流れ図ができたら、設定に入ります。ここではイベントの申し込みフォームを例に、「参加する」「参加しない」で質問を分ける手順を示します。
ステップ1:分岐の起点になる質問を作る
最初のセクションに、名前やメールアドレスなど全員に聞く質問を並べます。そのうえで、分岐の起点になる質問を作ります。質問の形式は「ラジオボタン」か「プルダウン」を選びます。例では「イベントに参加しますか」という質問に、「参加する」「参加しない」の2つの選択肢を作ります。
ステップ2:セクションを追加する
右側に表示されるメニューから、セクションを追加するアイコンをクリックします。セクションが1つ増え、ページが区切られます。例では、セクション2を「参加する人向け」、セクション3を「参加しない人向け」として、それぞれ必要なセクションを追加します。セクションにはタイトルを付けられるので、行き先を選ぶときに迷わないよう、分かりやすい名前を付けておきます。
ステップ3:各セクションに質問を並べる
セクション2には「食事の希望」「当日の連絡先」など参加する人だけに聞く質問を、セクション3には「今回参加しない理由」「次回の案内を希望するか」など参加しない人向けの質問を並べます。
ステップ4:分岐の起点の質問で行き先を指定する
ステップ1で作った質問に戻り、質問の右下にあるその他のアイコン(縦に3つ点が並んだもの)をクリックして、「回答に応じてセクションに移動」を選びます。すると、選択肢の横に行き先を選ぶ欄が出ます。「参加する」の行き先をセクション2、「参加しない」の行き先をセクション3に指定します。
ステップ5:各セクションの出口を指定する
ここが見落としやすいところです。各セクションの下部には、そのセクションが終わったあとにどこへ進むかを指定する欄があります。何も指定しなければ、次の番号のセクションへ進みます。例では、セクション2(参加する人向け)のあとにセクション3(参加しない人向け)が続いてしまうので、セクション2の出口を「フォームを送信」に変えます。
ステップ6:プレビューで全部の道を通る
最後に、画面上部のプレビュー(目の形のアイコン)でフォームを開き、選択肢ごとに最後まで回答してみます。「参加する」で1回、「参加しない」で1回、選択肢の数だけ通ります。ゲームのテストプレイと同じで、すべての分岐の先を一度は通らないと、行き止まりや迷子は見つかりません。
よく使う分岐の型
分岐の組み方には、よく使われる型がいくつかあります。自分の用途に近いものを土台にすると、設計が早くなります。
型1:種類ごとに質問を変える
問い合わせフォームで、「料金について」「使い方について」「不具合の報告」「その他」のように種類を選んでもらい、種類ごとに別のセクションへ進ませる型です。不具合の報告なら「使っている端末」「起きた日時」「画面の状態」を聞き、料金についてなら「検討しているプラン」を聞く、というように、種類ごとに必要な情報が違うときに使います。
型2:条件に合わない人を送信へ進ませる
応募フォームや参加条件のあるアンケートで、最初に条件を確かめ、合わない人はその場で送信へ進ませる型です。行き先に「フォームを送信」を選ぶだけで作れます。送信前のセクションに「今回は条件に合わないため、ここで終了となります」と案内文を入れておくと、回答した人が戸惑いません。
型3:2段階で絞り込む
最初に大きな種類を選び、その先でさらに細かく選ぶ型です。たとえば研修の申し込みで、最初に「初級」「中級」を選び、それぞれの先で日程を選ぶ形です。段階が増えるほどセクションの数も増えるので、流れ図は必ず書いておきます。
型4:最後に共通の質問へ合流させる
分岐した先で別々の質問をしたあと、最後に全員へ共通の質問(感想や連絡先の確認など)をしたい場合は、分岐した各セクションの出口を同じセクションに向けます。合流先のセクションを最後に配置し、各セクションの出口でそのセクションを指定します。
用途別に見る、分岐の設計例
型が分かっても、実際の用途に当てはめると迷うことがあります。在宅で事務や受付の仕事をしている人がよく作る4つのフォームについて、セクションの組み方の例を示します。そのまま使うのではなく、自分の用途に合わせて質問を入れ替えてください。
問い合わせフォーム
セクション1で名前・メールアドレス・問い合わせの種類を聞きます。種類は「サービスの内容について」「料金と契約について」「不具合の報告」「取材や提携のご相談」の4つにします。セクション2から5を種類ごとに用意し、それぞれ必要な質問だけを並べます。不具合の報告のセクションでは、使っている端末、起きた日時、どんな操作をしたときに起きたかを聞きます。4つのセクションの出口はすべて、最後の確認用のセクション6に向け、そこで「返信の希望方法」を全員に聞いてから送信します。
採用の応募フォーム
セクション1で応募する職種を選んでもらいます。職種ごとに必要な経験や提出物が違うので、職種ごとにセクションを分けます。たとえばライターの職種なら過去の執筆例のURL、デザイナーの職種ならポートフォリオのURL、事務の職種なら使えるソフトの経験を聞きます。応募条件(週の稼働時間や開始可能日)を満たさない人は、条件を聞くセクションの選択肢から送信へ進ませます。
社内アンケート
社内の満足度アンケートでは、最初に「この半年で在宅勤務をしたか」を聞き、した人だけに在宅勤務の環境についての質問を出します。在宅勤務をしていない人に通信環境や机の広さを聞いても、答えようがないからです。部署ごとに聞きたいことが違う場合も、最初に部署を選んでもらい、部署ごとのセクションへ進ませます。
研修やセミナーの申し込み
最初に参加の形(会場に来る、オンラインで見る)を選んでもらいます。会場に来る人には食事の希望や当日の連絡先を、オンラインで見る人には視聴に使うメールアドレスの確認を聞きます。日程が複数ある場合は、参加の形を選んだ先のセクションで日程を選んでもらうと、会場とオンラインで別々の定員を管理しやすくなります。
どの例でも、最初のセクションには全員に聞く質問と分岐の起点だけを置き、細かい質問は分岐した先に回しています。最初のセクションが短いほど、回答する人は「すぐ終わりそうだ」と感じて先へ進みます。
分岐のあるフォームの質問文と選択肢の書き方
分岐の設定が正しくても、質問文や選択肢の書き方があいまいだと、回答する人が意図と違う選択肢を選び、違うセクションへ進んでしまいます。分岐の起点になる質問は、特に丁寧に書く必要があります。
選択肢は重ならないように書く
「料金について」と「契約について」のように、どちらにも当てはまりそうな選択肢を並べると、回答する人が迷います。迷った人が選んだ先で、聞かれている内容と自分の用件が合わないと、そのまま閉じてしまうこともあります。選択肢は互いに重ならないように書き、どうしても重なる場合は1つにまとめます。
「その他」の行き先を決めておく
ラジオボタンの質問には「その他」の選択肢を加えられます。「その他」を選んだ人も、どこかのセクションへ進ませる必要があります。自由に書いてもらうセクションを1つ作り、「その他」の行き先にしておくと、想定していなかった用件も受け取れます。
説明文で「この先に何を聞くか」を伝える
セクションには説明文を入れられます。分岐した先のセクションの冒頭に、「ここでは当日の参加についてお聞きします」のような一文を入れておくと、回答する人は自分が正しい場所に進んだことを確かめられます。ゲームでいえば、新しい場面に入ったときに出る場面の名前のような役割です。
選択肢の文に、選んだ先のことを書きすぎない
「参加する(このあと食事の希望をお聞きします)」のように、選択肢に先の説明を書き込みすぎると、選択肢が長くなって読みにくくなります。選択肢は短くし、先の説明はセクションの説明文に回すほうが、画面がすっきりします。
分岐の機能だけではできないこと
Googleフォームの分岐は手軽に使える一方、できることには限りがあります。設計の途中で行き詰まらないよう、ヘルプに記載のない使い方を整理しておきます。
まず、行き先を決められるのは1つの質問の答えだけです。「職種がライターで、かつ稼働時間が週20時間以上の人だけを次へ進ませる」のように、2つの質問の答えを組み合わせた条件で行き先を決める設定は、ヘルプには書かれていません。こうした条件が必要なときは、1つ目の質問で分岐させた先のセクションで2つ目の質問を聞き、そこでさらに分岐させる、という2段階の組み方で近い形を作ります。
次に、答えの内容によって後の選択肢そのものを変えることはできません。たとえば、最初に選んだ地域によって、次の質問の選択肢に出す会場を入れ替える、という動きは分岐の機能にはありません。この場合も、地域ごとにセクションを分け、それぞれに別の会場の選択肢を並べる形で対応します。
また、記述式の質問に入力された内容で行き先を変えることもできません。分岐の起点は、選択肢から選ぶ形式の質問に限られます。
こうした制約を超える動きが必要な場合、Google Apps Script(Googleのサービスを自動で動かすための仕組み)を使った作り込みや、別のフォーム作成ツールの検討が選択肢になります。作り込みは便利ですが、作った人しか直せない状態になりやすいので、受付の担当が入れ替わる職場では、標準の機能で収まる設計を優先するほうが長く使えます。
分岐がうまく動かないときの確認ポイント
設定したはずの分岐が動かないときは、次の順番で確かめると、たいてい原因が見つかります。
質問の形式がラジオボタンかプルダウンになっているか
チェックボックスや記述式の質問には、「回答に応じてセクションに移動」が出てきません。メニューに項目が見当たらないときは、まず質問の形式を確かめます。
分岐の先がセクションとして分かれているか
分岐させたい質問が、起点の質問と同じセクションに入っていると、行き先を指定しても同じページに表示されたままになります。セクションの区切りが正しい位置に入っているかを確かめます。
セクションの出口が正しく指定されているか
分岐した先のセクションの下部の指定が「次のセクションに進む」のままだと、意図しないセクションへ進みます。前に書いたイベントの例のように、参加する人が欠席の理由を聞かれるのはこのパターンです。
質問やセクションを並べ替えたあとに見直したか
セクションを追加したり並べ替えたりすると、行き先の番号がずれて、思っていたのと違うセクションへ進むことがあります。並べ替えたあとは、行き先の指定をすべて見直し、プレビューで通し直します。
必須の設定が分岐の起点に付いているか
分岐の起点の質問を必須にしていないと、答えずに次へ進んだ人は、行き先の指定がない状態で次のセクションへ進みます。分岐の起点の質問は必須にしておくのが基本です。
つくるときに知っておきたい注意点
分岐のあるフォームは便利な半面、つくり方によっては回答する人を迷わせます。設定する前に知っておきたい注意点をまとめます。
チェックボックスでは分岐できない
答えを複数選べるチェックボックスの質問では、選択肢ごとに行き先を決められません。複数の選択肢を選んだ人がどこへ進むべきか決められないためです。複数選ばせたいけれど分岐もさせたい場合は、分岐させるための質問をラジオボタンで別に作り、その後のセクションでチェックボックスを使う、という分け方にします。
ページの切り替えで見え方が変わる
Googleフォームの分岐は、セクションの切り替え、つまりページの移動で行われます。同じ画面の中で、答えを選んだ瞬間に下の質問が出たり消えたりする動きにはなりません。formrun のメディアでも、この点に触れています。
ただし Googleフォームはリアルタイム切替ができないため、分岐の多いフォームはユーザー体験が下がる可能性があります。 出典: form.run
分岐が多くなりすぎると、「次へ」を何度も押すことになり、いまどこまで進んだのか分かりにくくなります。セクションの数は必要最小限にとどめ、1つのセクションに関連する質問をまとめておくと、回答する人の負担が減ります。
回答のスプレッドシートには空欄が増える
分岐で質問を飛ばした人の回答は、飛ばした質問の欄が空欄になります。回答をスプレッドシートに書き出すと、列は全部の質問の分だけ並び、人によって空欄の位置が違う表になります。集計するときは、分岐の起点の質問で並べ替えたり絞り込んだりしてから見ると、空欄に惑わされません。
公開後に分岐を変えると、前後の回答で中身がずれる
回答が集まり始めてから分岐の組み方を変えると、変更前と変更後で、同じ選択肢を選んだ人でも答えた質問が違う、という状態になります。分岐を変える必要があるときは、変更した日時を記録しておき、集計のときに区別できるようにしておきます。
戻るボタンで答えを変えた人への配慮
回答する人は、「戻る」ボタンで前のセクションに戻って答えを変えることができます。分岐の起点の答えを変えると、進む先も変わります。前に進んだ先で入力した内容は、最終的に通らなかったセクションのものとして扱われるので、気にしすぎる必要はありませんが、プレビューで一度「戻って答えを変える」操作も試しておくと安心です。
公開前の確認と、受付を始めたあとの見直し
分岐のあるフォームは、公開する前の確認に時間をかけるほど、公開後の手戻りが減ります。確認は次の順番で進めると漏れがありません。
1つ目は、流れ図との突き合わせです。最初に書いた流れ図を横に置き、編集画面の行き先の指定が図と同じになっているかを、セクションごとに確かめます。行き先の指定はセクションを並べ替えたときにずれやすいので、最後にもう一度見ておきます。
2つ目は、全部の道を通るテストです。プレビューで選択肢の数だけ最後まで回答します。選択肢が4つある質問が2段階あるなら、通る道は最大で16通りになります。全部を通すのが大変なら、少なくとも各セクションを一度は通る組み合わせを選びます。
3つ目は、自分以外の人に答えてもらうことです。作った本人は流れを知っているので、迷いやすい箇所に気づけません。同僚や家族に一度答えてもらい、迷った箇所や、意味が分かりにくかった質問を聞き取ります。
4つ目は、スマホでの見え方です。回答する人の多くはスマホからフォームを開きます。選択肢が長すぎて折り返していないか、説明文が長すぎて質問が画面の下に押し出されていないかを、実際のスマホで確かめます。
受付を始めたあとは、最初の1週間に届いた回答を見直します。「その他」を選ぶ人が多い場合は、選択肢が足りていない合図です。特定のセクションで空欄が多い場合は、その質問が答えにくいか、そもそも要らない質問かもしれません。見直して分岐を変えるときは、注意点で書いたとおり、変更した日時を記録しておきます。
分岐を使った集計の進め方
分岐のあるフォームの回答は、集計の段階で一手間かけると読みやすくなります。
回答はフォームの「回答」タブで確認でき、スプレッドシートにつなぐと1件の回答が1行に並びます。分岐のあるフォームでは、最初に分岐の起点の列でフィルタをかけ、種類ごとに見るのが基本です。たとえばイベントの例なら、「参加する」で絞り込めば食事の希望の列だけが埋まった表になり、人数の集計がすぐにできます。
選択肢ごとの件数は、フォームの「回答」タブの概要でもグラフとして確認できます。分岐の起点の質問のグラフを見れば、どの行き先に何人進んだかが一目で分かります。たとえば問い合わせフォームで「不具合の報告」が急に増えていれば、サービスに何か起きている合図として早めに気づけます。集計を毎回スプレッドシートで作り直す前に、まず概要のグラフで全体の傾向をつかんでおくと、どこを詳しく見るべきかが決まります。
複数の担当者で集計を分ける場合も、分岐の起点の列が役に立ちます。問い合わせの種類で絞り込めば、料金の問い合わせは営業の担当、不具合の報告は開発の担当、というように振り分けやすくなります。
ただ、スプレッドシートで回していると、「誰が対応したのか」「返信は済んだのか」を書き込む列を手で足していくことになります。件数が少ないうちはそれで足りますが、1日に何十件も届くようになると、列の書き込み漏れや、二人が同じ問い合わせに返信してしまう重複が起きやすくなります。
回答を受け取ったあとの担当決めと返信を1つの画面で進める
分岐で種類ごとに振り分けた回答は、その先で「誰が対応するか」「どこまで進んだか」「返信したか」を管理する段階に入ります。Googleフォームは回答を集めるところまでが得意な道具なので、その先は、スプレッドシートに担当や状況の列を作り、返信はメールソフトから送る、という運用になりがちです。
この「集めたあと」をまとめて扱いたい場面で選べるのが Halict です。公式サイトによると、Halict ではフォームに届いた回答が1件ずつ担当者・ステージ(対応の段階)・タグつきで残り、同じ画面から返信を送れて、開封まで記録されます。回答はステージごとのボードでも一覧の表でも見られ、担当者・タグ・期間で絞り込めます。フォームそのものは12種類の項目から作れ、1画面に1問ずつ表示する形式や、送信直後の自動返信、AIによるフォームの下書き作成にも対応しています。無料のプランは1人で使え、フォームの数と回答の数は無制限です。
なお、Halict の公式サイトの機能一覧には、Googleフォームのような「回答に応じてセクションに移動する」分岐の機能は記載されていません。分岐で細かく出し分けたいフォームはGoogleフォームで作り、届いたあとの対応を一か所で回したいフォームは Halict で作る、という使い分けが現実的です。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
分岐を使ったフォームづくりは仕事にもなる
最後に、フォームづくりを仕事として見たときの話をします。
分岐のあるフォームの設計は、見た目以上に頭を使う作業です。どの順番で何を聞けば回答する人が迷わないか、集計する人が使いやすいか、を両方考える必要があるからです。小さな会社や個人の事業者の中には、問い合わせや申し込みの受付をフォームに移したいけれど、設計する時間がないという人が多くいます。
こうした受付の仕組みづくりは、業務の進め方を見直して道具を入れる仕事の一部として依頼されることがあります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の進め方の見直しや道具の導入を手伝う仕事の内容が紹介されています。フォームの分岐を設計できることは、こうした仕事の入口になります。
たとえば医療事務の分野では、受診前の問診をフォームで受け付ける診療所もあります。症状によって聞くことを変える問診は、分岐の考え方そのものです。医療事務の仕事に関わる資格については、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で試験の内容と受験の流れがまとめられています。ただし、問診の項目や医療の判断に関わる設計は、必ず医師や医療機関の決まりに従う必要があります。
運営者として長くこの市場を見てきた限りでは、こうした小さな仕組みづくりの仕事は、依頼主と受け手が直接やり取りできる形のほうが、細かい要望を早く反映できて、双方の満足度が高くなる傾向があります。間に入る手数料がなければ、同じ予算で依頼主はより丁寧な設計を頼め、受け手の手取りも厚くなります。
フォームの設計に加えて、デザインや画面の作り込みまで手がけられると、仕事の幅はさらに広がります。デザイナーの年収・単価相場では、デザインの仕事の単価の目安が職種別にまとめられています。分岐のあるフォームを1つ作ってみることは、受付の仕組みづくりという仕事の感覚をつかむ最初の練習にもなります。
よくある質問
Q. Googleフォームのチェックボックスで分岐させることはできますか?
Google のヘルプでは、回答に応じてセクションに移動する設定は、ラジオボタン(多肢選択式)とプルダウンの質問でのみ使えると案内されています。複数選ばせたいうえで分岐もさせたい場合は、分岐用の質問をラジオボタンで別に作り、その先のセクションでチェックボックスを使う形にします。
Q. 分岐を設定したのに、全員が同じ質問に進んでしまうのはなぜですか?
多くの場合、分岐させたい質問が起点の質問と同じセクションに入っていることが原因です。分岐はセクション単位で動くので、行き先ごとにセクションを分けておく必要があります。分岐した先のセクションの出口が「次のセクションに進む」のままになっていないかも確かめてください。
Q. 条件に合わない人を途中で終わらせることはできますか?
できます。分岐の起点の質問で、条件に合わない選択肢の行き先を「フォームを送信」にすれば、その時点で送信に進みます。送信の前に、条件に合わなかったことを伝える案内文のセクションを入れておくと、回答した人が戸惑いません。
Q. 分岐のあるフォームの回答を集計するときのコツはありますか?
分岐で飛ばした質問は空欄で記録されるので、スプレッドシートで見るときは、分岐の起点の質問の列で絞り込んでから集計すると読みやすくなります。公開後に分岐の組み方を変えた場合は、変更した日時を記録しておき、前後の回答を区別して集計してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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