フォルダ構成のルール|チームで迷わない作り方


この記事のポイント
- ✓フォルダ構成のルールを
- ✓フォルダ名とファイル名の付け方
- ✓運用の見直しの5つの手順で解説
チームで共有するフォルダが散らかる原因は、メンバーの片付けの腕ではなく、フォルダ構成のルールが決まっていないことにあります。結論から言うと、決めるべきことは「何を軸に分けるか」「階層を何段までにするか」「フォルダとファイルにどんな名前を付けるか」「誰がフォルダを作り、いつ見直すか」の4つです。この4つを1枚の文書にまとめて共有すれば、新しく入った人も迷わずに保存先を選べます。
この記事では、フォルダ構成のルールを作る手順を5つのステップで整理し、WindowsとMacが混ざるチームの注意点、ルールを定着させる運用のコツまで解説します。Macで複数の場所にある案件のフォルダをまとめて見る方法の1つとして、Macのファイル管理アプリのAtriensにも触れます。
フォルダ構成のルールが必要な理由
ファイルを探す時間は、1回あたりは数十秒でも、積み重なると無視できない長さになります。法人向けのクラウドストレージを提供する会社のコラムでは、次のようなデータが紹介されています。
ビジネスパーソンが勤務時間中に「探し物」にかける時間は、年間およそ150時間というデータもあります。書類や文房具、機材など全て含めての計算になりますが、そのなかには当然「PCから特定のファイルを探す」といった行為も含まれるでしょう。 出典: business.ntt-east.co.jp
数字は探し物全体のものですが、共有フォルダの中で目当てのファイルが見つからない時間も、そこに含まれています。ルールが決まっているチームでは、「あのファイルはこのフォルダのこの名前で保存されているはず」と見当がつくため、探す時間そのものが短くなります。
ルールを決めるメリット
フォルダ構成のルールを決めるメリットは、探す時間が減ることだけではありません。
- 同じファイルが複数の場所に保存される重複が減る
- どれが最新の版かで迷わなくなる
- 担当者が替わっても、引き継ぎで説明する内容が少なくて済む
- 消してよいファイルと残すべきファイルの見分けがつく
とくに引き継ぎの場面では、ルールの有無で手間が大きく変わります。ルールがないフォルダは、作った本人にしか中身の意味が分かりません。
ルールを決めるデメリット
一方で、ルールにはデメリットもあります。決めたルールが細かすぎると、守る手間が重くなり、結局だれも守らなくなります。また、事業の内容が変わると、最初に決めた分け方が合わなくなることもあります。だからこそ、ルールは最小限にとどめ、定期的に見直す前提で作ることが大切です。
よくある失敗のパターン
ルールを作る前に、共有フォルダが散らかるときの典型的なパターンを確かめておきます。自分のチームに当てはまるものがあれば、そこがルールで手当てすべき箇所です。
個人名のフォルダが増えていく
「田中」「佐藤」のように、メンバーの名前のフォルダが並んでいる状態です。作った人には分かりやすくても、ほかの人は中に何があるのか見当がつきません。担当が替わると、前任者の名前のフォルダだけが残り続けます。
「最新」「final」が付いたファイルが並ぶ
「企画書_最新.docx」「企画書_最新2.docx」「企画書_final_修正.docx」のように、どれが本当の最新なのか分からない状態です。版の付け方のルールがないと、ほぼ必ずこうなります。
「その他」「一時保存」のフォルダが膨らむ
迷ったときの逃げ場として作った「その他」や「一時保存」のフォルダに、次第にあらゆるファイルが集まっていきます。分け方の軸が決まっていない、あるいは軸に当てはまらないファイルの行き先が決まっていないことが原因です。
階層が深すぎて目的のファイルにたどり着けない
フォルダの中にフォルダ、さらにその中にフォルダと、10段近く潜らないとファイルにたどり着けない状態です。細かく分けるほど整理されているように見えますが、開く回数が増え、保存するときにも迷います。
ステップ1:分け方の軸を決める
最初に決めるのは、いちばん上の階層を何で分けるかです。この軸がぶれると、下の階層をどれだけ整えても散らかります。よく使われる軸は次の4つです。
| 軸 | 例 | 向いているチーム |
|---|---|---|
| 取引先・案件 | 株式会社〇〇、△△プロジェクト | 受託の制作、営業、コンサルティング |
| 業務の種類 | 経理、人事、総務、広報 | 管理部門、小さな会社全体 |
| 年度・期間 | 2026年度、2027年度 | 毎年同じ業務を繰り返すチーム |
| 部署 | 営業部、開発部 | 部署ごとに扱う情報がはっきり分かれる会社 |
迷ったら、「そのファイルを探すとき、最初に何を思い浮かべるか」で決めます。受託の仕事なら、ほとんどの人は「どの取引先の件か」を最初に思い浮かべるはずです。経理の仕事なら「どの年度の、どの業務か」が先に来ます。
軸は1つに絞る
上の階層で複数の軸を混ぜないことが大切です。いちばん上に「株式会社〇〇」と「2026年度」と「経理」が並んでいると、同じファイルをどこに保存すべきかが人によって変わります。いちばん上は1つの軸だけで分け、2つ目の軸はその下の階層で使います。
ステップ2:階層の深さを決める
次に、フォルダを何段まで作ってよいかを決めます。目安は3段、多くても4段です。たとえば受託の制作チームなら、次のような形になります。
- 1段目:取引先(株式会社〇〇)
- 2段目:案件(2026_春のキャンペーン)
- 3段目:作業の種類(01_見積・契約、02_打ち合わせ、03_制作、04_納品)
3段目まで決めておけば、新しい案件が始まったときも、同じ形のフォルダを作るだけで済みます。
案件ごとのひな形のフォルダを用意する
新しい案件のたびにフォルダを一から作ると、人によって3段目の名前がばらつきます。「00_ひな形」のようなフォルダに3段目までの空のフォルダを作っておき、新しい案件のときはそれを複製して名前を変える、という運用にすると、どの案件も同じ形にそろいます。
深くしたくなったときの考え方
4段目、5段目を作りたくなったときは、フォルダを分けるかわりに、ファイル名で区別できないかを考えます。「03_制作」の中に「バナー」「チラシ」「LP」のフォルダを作るより、ファイル名の先頭に「バナー_」「チラシ_」と付けるほうが、開く回数が少なく済みます。ファイルが50個を超えて一覧が見づらくなったときに、初めてフォルダを分けるくらいでちょうどよい加減です。
ステップ3:フォルダ名のルールを決める
フォルダの名前は、並び順と読みやすさの両方を考えて決めます。
先頭に番号を付けて並び順を固定する
FinderやWindowsのエクスプローラーは、標準では名前の順に並べます。「見積・契約」「打ち合わせ」「制作」「納品」のように作業の流れで並べたい場合は、先頭に「01_」「02_」のような2桁の番号を付けます。1桁の番号だと、10以上になったときに「10」が「2」より前に並ぶことがあるため、最初から2桁にしておきます。
日付は「年月日」の順で数字だけにする
フォルダ名に日付を入れる場合は、「20261103」や「2026-11-03」のように、年、月、日の順で書きます。「11月3日」のような書き方だと、名前の順に並べたときに日付の順になりません。
使えない文字を避ける
フォルダ名やファイル名には、使えない文字があります。マイクロソフトの開発者向けの文書では、Windowsで予約されている文字が次のように挙げられています。
次の文字は予約されています: < (より小さい) > (より大きい) : (コロン) " (二重引用符) / (スラッシュ) \ (円記号) | (縦棒またはパイプ) ? (疑問符) * (アスタリスク) 出典: learn.microsoft.com
同じ文書では、ファイルやフォルダの名前の末尾をスペースやピリオドにしないこと、「CON」「PRN」「AUX」「NUL」などの予約された名前を使わないことも案内されています。Macで作ったフォルダをWindowsのメンバーと共有する場合、Macでは付けられてもWindowsでは扱えない名前になることがあるため、これらの文字はチーム全体で使わないと決めておきます。
名前に含める情報は「中身が分かる」最小限にする
「株式会社〇〇様_2026年春のキャンペーン用_制作物一式_最終」のように長すぎる名前は、一覧で途中までしか表示されず、かえって見分けにくくなります。同じ文書には、Windows 10 バージョン1607より前のWindowsではパスの最大長が260文字と定義されているとも書かれています。パスとは、フォルダの階層をたどってファイルにたどり着くまでの道筋全体のことで、階層が深く名前が長いほど、この長さに近づきます。名前は短く、中身が分かる最小限にとどめます。
ステップ4:ファイル名のルールを決める
フォルダの構成と同じくらい大切なのが、ファイル名のルールです。フォルダで大まかに分け、ファイル名で細かく見分けると考えると、両方の役割がはっきりします。
基本の形を決める
ファイル名は、次のような要素を決まった順番で並べます。
- 日付(作成日や対象の日)
- 取引先や案件の名前
- 書類の種類や内容
- 版(v1、v2など)
たとえば「20261103_株式会社〇〇_見積書_v2.pdf」のような形です。順番を決めておけば、名前の順に並べたときに日付の順や取引先ごとに並び、目当てのファイルを見つけやすくなります。
版は番号で管理する
「最新」「final」「修正版」のような言葉は使わず、v1、v2、v3と番号で版を表します。番号なら、どれが新しいかが一目で分かります。確定した版を明確にしたい場合は、「確定」というフォルダを1つ作り、確定した版だけをそこに移す方法もあります。
経理の書類は税法の要件も意識する
請求書や領収書をメールやWebで受け取った場合、その電子データは電子帳簿保存法のルールに沿って保存する必要があります。国税庁のパンフレットでは、日付、金額、取引先で検索できるようにしておく要件について、簡易な方法として次のような例を挙げています。
規則性をもったファイル名(日付・金額・取引先の順番で表記)のデータを特定のフォルダに集約することにより、取引データの検索を可能とする方法 出典: nta.go.jp
同じパンフレットでは、表計算ソフトで索引簿(一覧表)を作って検索できるようにする方法も紹介されています。経理の書類のフォルダについては、社内で決めたファイル名のルールが、この要件にも合っているかを確かめておくと安心です。どの方法が自社に合うかは事業の規模や取引の内容で変わるため、詳しくは国税庁の特設サイトや税理士に確かめます。
ステップ5:作成と削除の権限、見直しの時期を決める
最後に決めるのが、運用のルールです。構成と名前のルールを決めても、だれでも自由にフォルダを作れる状態だと、少しずつ崩れていきます。
フォルダを作れる人を決める
いちばん上の階層と2段目のフォルダは、管理する人だけが作れるようにします。3段目より下は、ひな形に沿っていればメンバーが作ってよい、という分け方が現実的です。新しい取引先や業務が始まったときは、管理する人に依頼してフォルダを作ってもらいます。
削除のルールを決める
共有フォルダのファイルを消すときは、だれが、どの条件で消してよいかを決めておきます。完了した案件のフォルダは、すぐに消すのではなく「99_完了」のようなフォルダに移しておき、一定の期間が過ぎてから整理する、という流れにすると、誤って必要なファイルを消す事故を防げます。保存の期間は、契約や税務の書類の保存期間も踏まえて決めます。
見られる人の範囲を分ける
フォルダの構成を決めるときは、だれがどのフォルダを見られるかもあわせて決めます。給与や人事の書類、取引先との契約書のように、限られた人だけが見るべきファイルは、いちばん上の階層で別のフォルダに分け、そのフォルダだけ見られる人を絞ります。階層の途中で見られる人の範囲を変えると、設定が複雑になり、思わぬところから見えてしまう原因になります。見られる範囲の違うものは、上の階層で分けるのが原則です。
定期的に見直す
ルールは、作ったときが最も守られていて、時間とともに崩れます。3か月に1回、あるいは半年に1回、管理する人が共有フォルダを見回り、ルールに合わないフォルダや、使われていないフォルダがないかを確かめます。事業の内容が変わって軸が合わなくなっていれば、このときにルールそのものを見直します。
ルールを1枚の文書にまとめる
決めたルールは、1枚の文書にまとめて、共有フォルダのいちばん上に保存しておきます。新しく入ったメンバーは、まずこの文書を読めば保存先と名前の付け方が分かります。文書に書く項目の例は次のとおりです。
- いちばん上の階層の分け方(軸)
- 階層は何段までか、案件ごとのひな形のフォルダの場所
- フォルダ名の付け方(番号、日付の書き方、使わない文字)
- ファイル名の付け方(要素の順番、版の付け方)
- フォルダを作れる人と、依頼の方法
- 完了した案件の扱いと、削除の条件
- ルールを見直す時期と、管理する人
長い規程にする必要はありません。1つの項目を2〜3行で書き、具体例を1つ添える程度で十分です。例があると、読んだ人がその通りに真似できます。
仕事の種類別のフォルダ構成の例
ここまでの手順を、仕事の種類ごとの具体例に当てはめてみます。そのまま使うというより、自分のチームに近いものを出発点にして、項目を入れ替えて使います。
写真や動画の撮影を受けるチーム
撮影の仕事は、1つの案件で扱うファイルの数が多く、元のデータと加工したデータが混ざりやすいのが特徴です。
- 1段目:取引先
- 2段目:日付と案件名(20261103_新商品撮影)
- 3段目:01_打ち合わせ、02_撮影データ、03_選定、04_レタッチ、05_納品
撮影したままのデータは「02_撮影データ」に保存したら、それ以降は手を加えないと決めておきます。選んだ写真や加工した写真は、別のフォルダに複製してから作業します。元のデータが残っていれば、加工をやり直したくなったときも最初から始められます。
経理を担当するチーム
経理の書類は、年度と書類の種類で探すことがほとんどです。
- 1段目:年度(2026年度)
- 2段目:書類の種類(01_請求書_発行、02_請求書_受領、03_領収書、04_契約書)
- 3段目:月(01月、02月)
受け取った請求書や領収書の電子データは、ステップ4で触れたように、日付、金額、取引先の順に名前を付けて保存すると、検索の要件にも合わせやすくなります。
営業を担当するチーム
営業の資料は、取引先ごとに探す場面と、提案書のひな形のように取引先をまたいで使う場面があります。
- 1段目:01_取引先、02_共通資料
- 2段目:取引先の名前(01_取引先の下)、資料の種類(02_共通資料の下)
- 3段目:01_提案、02_見積・契約、03_打ち合わせの記録
共通で使う資料を取引先のフォルダの中に複製して保存すると、元の資料を更新したときに古い版が残ります。共通の資料は1か所にまとめ、取引先のフォルダからはその資料を参照する、という運用にします。
数人の小さな会社全体
数人の会社なら、業務の種類でいちばん上を分けるのが分かりやすい形です。
- 01_経営・総務
- 02_経理
- 03_営業
- 04_制作
- 99_完了・保管
業務の担当が1人ずつに分かれていても、フォルダ名は人の名前ではなく業務の名前にします。担当が替わっても、フォルダの構成を変えずに済むためです。
散らかったフォルダを整理し直す手順
すでに共有フォルダが散らかっている場合、いきなり全部を新しいルールで並べ替えようとすると、途中で手が止まります。次の順番で進めると、仕事を止めずに移行できます。
- 新しいルールの文書を作り、新しい構成の空のフォルダを用意する
- 今日から新しく作るファイルは、新しい構成に保存するとチームで決める
- 今進んでいる案件のフォルダだけを、新しい構成に移す
- 古いフォルダは「旧_共有フォルダ」のような名前にまとめ、そのまま残す
- 古いフォルダから必要なファイルを使ったときに、その都度新しい構成へ移す
- 半年ほどたったら、古いフォルダに残っているものを確かめて整理する
古いフォルダを一度に全部移そうとしないことが、整理し直しを成功させるいちばんのコツです。使われているファイルから順に移していけば、半年もたつと、古いフォルダに残っているのは長く開かれていないファイルだけになります。そこまで来れば、残すか削除するかの判断もしやすくなります。
ファイルを移すときは、移す前に古いフォルダの控えを取っておくと安心です。移動の途中で操作を誤っても、控えから元に戻せます。
フォルダの構成と検索を組み合わせる
フォルダの構成をどれだけ整えても、すべてのファイルを階層をたどって探すわけではありません。名前の一部を覚えているなら、検索のほうが早いこともあります。ルールに沿った名前が付いていれば、検索の精度も上がります。
たとえば、ファイル名の先頭に日付と取引先が入っていれば、Finderの検索欄に取引先の名前を入れるだけで、その取引先のファイルが一覧に並びます。Macには、ファイルやフォルダに色付きのタグを付ける機能もあります。「確認待ち」「納品済み」のように、フォルダの構成とは別の切り口で印を付けたいときに使えます。ただし、タグはWindowsのメンバーからは見えないため、チームで共有する情報には使わず、自分の作業の目印として使うのが無難です。
Windowsのエクスプローラーにも、フォルダの右上の検索欄から、開いているフォルダの中を名前で探す機能があります。どちらのOSでも、検索に強いのは「決まった順番で、決まった言葉を使った名前」です。同じ取引先を「〇〇社」「〇〇株式会社」「〇〇」と人によって違う書き方で名前に入れていると、検索しても一部しか見つかりません。取引先の名前の書き方も、ルールの文書で1つに決めておきます。
WindowsとMacが混ざるチームの注意点
共有フォルダをWindowsとMacの両方から使うチームでは、OSの違いで思わぬ問題が起きることがあります。
Mac特有の隠しファイル
Macでフォルダを開くと、「.DS_Store」という隠しファイルが自動で作られます。Macの表示の設定を保存するためのファイルで、Windowsから見ると意味の分からないファイルが並んでいるように見えます。害はありませんが、Windowsのメンバーが不安に思って消してしまっても問題はないことを、ルールの文書に一言書いておくと、問い合わせが減ります。
ファイル名の文字
前のステップで触れた予約文字のほか、ファイル名に機種依存文字(丸付き数字やローマ数字など、環境によって表示が変わる文字)を使うと、相手の環境で文字化けすることがあります。番号は「①」ではなく「01」のように半角の数字で付けると決めておきます。
大文字と小文字
マイクロソフトの文書では、OSCAR、Oscar、oscarは、ファイルシステムによっては別のものと見なされるが、同じ名前と考えるよう案内されています。「Report.pdf」と「report.pdf」を同じフォルダに保存すると、環境によっては一方が上書きされたり、どちらかが見えなくなったりします。大文字と小文字の違いだけで名前を分けないことも、ルールに加えておきます。
クラウドストレージで共有するときの決め方
最近は、社内のファイルサーバーではなく、クラウドストレージでフォルダを共有するチームが増えています。クラウドの場合も、ここまでのルールの考え方はそのまま使えますが、いくつか追加で決めておくことがあります。
個人の領域と共有の領域を分ける
多くのクラウドストレージには、個人のための領域と、チームで共有するための領域があります。仕事のファイルを個人の領域に保存していると、その人が退職したときにファイルにアクセスできなくなるおそれがあります。チームで使うファイルは必ず共有の領域に保存する、と決めておきます。
共有リンクの範囲を決める
クラウドストレージでは、フォルダやファイルのリンクを社外の人と共有できます。便利な一方で、「リンクを知っている全員が見られる」設定のまま放置すると、意図しない相手に見られるおそれがあります。社外と共有してよいフォルダを決め、共有の期限を設定するなどのルールを加えておきます。
同時に編集したときの競合に気をつける
クラウドストレージの同期を使っていると、2人が同じファイルを同時に編集したとき、片方の変更が別名のファイルとして保存されることがあります。名前の末尾に端末名や「競合」のような言葉が付いたファイルが増えていたら、このためです。どちらの内容を残すかを確かめて1つにまとめ、同時に編集しやすいファイルは、だれが編集中かをチームで声をかけ合うようにします。
ルールを定着させるコツ
ルールは作るより守り続けるほうが難しいものです。定着させるために、次のような工夫が効きます。
守る手間を減らす
ルールが守られない最大の理由は、守るのが面倒だからです。案件ごとのひな形のフォルダを用意する、ファイル名の見本をルールの文書の先頭に書く、といった工夫で、考えなくてもルールどおりになる状態を作ります。名前の付け方で毎回迷うようなら、ルールのほうが複雑すぎる合図です。
例外の行き先を決めておく
どの分け方にも当てはまらないファイルは、必ず出てきます。そのときに「その他」へ入れるのではなく、「判断に迷ったら管理する人に聞く」「一時的に00_受付フォルダに保存し、週に1回管理する人が振り分ける」のように、例外の扱いを決めておきます。行き先が決まっていれば、「その他」のフォルダが膨らむことはありません。
ルールを破っても責めない
ルールに合わないフォルダを見つけたとき、作った人を責めると、メンバーは保存の仕方を相談しにくくなります。見回りで見つけたら黙って直し、同じことが何度も起きるなら、ルールの分かりにくさを疑います。守られないルールは、守る人の問題ではなく、ルールの作り方の問題であることが多いからです。
新しいメンバーには最初の日に伝える
新しく入ったメンバーには、最初の日にルールの文書を渡し、実際の共有フォルダを一緒に開いて、1つの案件のフォルダの中を見せながら説明します。文書だけを渡すより、実物を見せたほうが早く伝わります。最初の数日は、保存したファイルの場所と名前を管理する人が確かめ、ずれていればその場で伝えると、自己流の保存が定着する前に直せます。
社外の協力者にも同じルールを伝える
外注先やフリーランスの協力者と共有フォルダを使う場合は、その人たちにもルールの文書を渡します。納品のファイル名の付け方を最初に伝えておけば、受け取ったあとに名前を付け直す手間がなくなります。
Macで複数の場所にあるフォルダをまとめて見る
ルールを整えても、Macで仕事をしていると、1つの案件の資料が複数の場所に分かれることがあります。共有のクラウドストレージに契約書、内蔵のディスクの書類フォルダに作業中のファイル、外付けのディスクに大きな写真や動画の素材、という具合です。Finderでは、場所ごとにウインドウを開き直すことになります。
この場面の候補の1つが、Macのファイル管理アプリのAtriensです。公式サイトでは、サイドバーで外付けディスクの資料を書類フォルダの案件の下に並べられ、ファイルは1つも動かず、実体はもとの場所にあると説明されています。「受託」「執筆」のように、ディスクの都合ではなく自分の分け方で束ねられ、サイドバーに出す名前をフォルダ名と別に付けられるため、ルールに沿った「proj_2026_a」のようなフォルダ名を「案件A」と表示することもできます。ファイルの実体を動かさないので、共有フォルダのルールを崩さずに、自分の見やすい形で並べられる点がこの使い方の利点です。Macの中でできることは期間の制限なく無料で、macOS 14以降に対応しています。Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
独自データ考察:整ったフォルダは在宅の仕事の信頼になる
フォルダ構成のルールは、会社の共有フォルダだけの話ではありません。在宅で複数の取引先から仕事を受けるフリーランスにとっても、案件ごとにファイルを整理しておくことは、納品の間違いや、別の取引先の資料を誤って送る事故を防ぐ基本です。写真や動画、デザインの素材のように1つの案件で扱うファイルが多い職種ほど、最初にルールを決めておくかどうかで、後の手間が大きく変わります。
デザインや画像の制作を仕事にする人の相場は、デザイナーの年収・単価相場で全国の平均年収や都道府県別の水準を確かめられます。チームのファイル管理や業務の進め方の見直しを企業に提案する仕事は、生成AIや業務ツールの活用を支援するAIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の中身が整理されています。共有フォルダの権限や外部との共有の設定まで含めて支援するなら、情報セキュリティを扱うAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も近い分野です。
20年以上この市場を見てきた運営者として感じるのは、長く続く取引ほど、納品物の名前や受け渡しのフォルダが整っているという点です。取引先が「どれが最新ですか」と聞かずに済む受け渡しは、それだけで仕事を頼みやすい相手だという印象につながります。仲介の手数料が乗らない直接のやりとりでは、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなりますが、その関係を支えるのは、こうした日々の仕事の確かさです。
よくある質問
Q. フォルダの階層は何段までにすればよいですか?
目安は3段、多くても4段です。たとえば取引先、案件、作業の種類の3段で分ければ、新しい案件でも同じ形を繰り返せます。それより細かく分けたくなったときは、フォルダを増やすかわりに、ファイル名の先頭に種類を付けて区別できないかを先に考えます。
Q. フォルダ名の先頭に番号を付けるのはなぜですか?
FinderやWindowsのエクスプローラーは標準で名前の順に並べるため、番号を付けると作業の流れの順に並びを固定できます。番号は「01_」「02_」のように2桁で付けます。1桁だと10以上になったときに並び順が崩れることがあるためです。
Q. ファイル名に「最新」や「final」を付けてはいけないのですか?
付けると、修正が重なるうちに「最新2」「final_修正」のような名前が並び、どれが本当の最新か分からなくなります。版はv1、v2のように番号で表すと、新しさが一目で分かります。確定した版だけを「確定」フォルダに移す方法もあります。
Q. フォルダ構成のルールはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?
3か月から半年に1回が目安です。管理する人が共有フォルダを見回り、ルールに合わないフォルダや使われていないフォルダがないかを確かめます。取引先の構成や事業の内容が変わって分け方が合わなくなっていれば、その時点でルールそのものを見直します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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