エクセルで予約表を作る方法と、予約が増えたときに困る場面

@SOHO編集部
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エクセルで予約表を作る方法と、予約が増えたときに困る場面

この記事のポイント

  • ✓エクセルで予約表を作る手順を
  • ✓重複予約を見つける関数
  • ✓複数人での共有や個人情報の扱い

エクセルで予約表を作ると、費用をかけずに、自分の仕事に合わせた形ですぐに予約の管理を始められます。教室、整体、相談業、レンタルスペース、会議室など、予約の件数がまだ少ないうちは、エクセルの予約表で十分に回ることも多いものです。

一方で、予約が増えてくると、同じ枠に2件入ってしまう、電話で受けた予約を入れ忘れる、前日の確認の連絡が追いつかない、といった困りごとが出てきます。この記事では、エクセルで予約表を作る具体的な手順を、項目の決め方から、重複予約を見つける関数、売上の集計まで順に説明します。そのうえで、予約が増えたときに困る場面と、予約システムへ移ることを考える目安も整理します。

エクセルの予約表が向いている場面と、向いていない場面

最初に、エクセルの予約表がどんな場面に向いているかを整理しておきます。作り込んでから「この使い方には合わなかった」と気づくと、それまでの手間が無駄になるからです。

エクセルの予約表が向いているのは、次のような場面です。

  1. 予約を受けるのが自分1人か、同じ場所にいる少人数
  2. 予約の受付が電話や対面、メッセージで、お客さまが自分で予約を入れる必要がない
  3. 1日の予約が数件から十数件程度
  4. 予約の条件が単純(時間枠が決まっている、担当者を選ばない、など)

この条件に当てはまるなら、エクセルは柔軟で、費用もかからない優れた道具です。項目を自由に増やせ、色分けや集計も自分の思いどおりにできます。

反対に、向いていないのは次のような場面です。

  1. お客さまにWebから24時間予約してほしい
  2. 複数のスタッフが、それぞれのスマホから同時に予約を入れる
  3. 予約の確認や前日のお知らせを、お客さまに自動で送りたい
  4. 担当者の指名、設備の空き、所要時間の違うメニューなど、条件が複雑

エクセルは「表を作って計算する道具」であり、「お客さまとやりとりする道具」ではありません。予約表の作り方を学ぶ前に、自分がエクセルに求めているのが「記録と集計」なのか、「受付と連絡」まで含むのかを考えておくと、このあとの判断がしやすくなります。

目的 エクセルで対応できるか
予約の記録と一覧表示 できる
重複予約の発見 関数と条件付き書式でできる
売上や件数の集計 できる
お客さまからのWeb予約の受付 できない(別の仕組みが必要)
確認メールや前日のお知らせの自動送信 基本的にはできない
複数人での同時編集 条件を満たせばできる

予約表を作る前に決める項目

エクセルで予約表を作るとき、いちばん大事なのは、最初にどの項目を記録するかを決めることです。あとから項目を追加すると、それまでの予約に空欄ができ、集計が合わなくなります。

基本になる項目は次のとおりです。

項目 内容の例 決めておくこと
予約番号 20261003-01 日付と連番で重ならない形にする
予約日 2026/10/10 日付の形式をそろえる
開始時刻 10:00 30分刻みなど刻みを決める
終了時刻 11:00 所要時間から計算するか、手で入れるか
お客さまの名前 山田 花子 姓と名の間の空白をそろえる
連絡先 電話番号またはメール 個人情報として扱う
メニュー 初回カウンセリング 選択肢を固定する
担当者 佐藤 選択肢を固定する
料金 5,500 メニューから自動で出すか
受付の経路 電話、メッセージ、紹介 集客の分析に使う
状態 予約、来店済み、キャンセル 選択肢を固定する
メモ 前回の施術内容など 自由に書く

このうち、メニュー、担当者、状態は、入力する人によって書き方がばらつきやすい項目です。「カウンセリング」と「カウンセリング」が混ざると、集計で別のものとして数えられてしまいます。次の節で説明するプルダウンを使い、選択肢から選ぶ形にしておきます。

受付の経路は、最初は不要に見えますが、あとで「どこから来たお客さまが多いか」を知るのに役立ちます。チラシ、SNS、紹介、通りがかりなど、自分の集客の方法に合わせて選択肢を作っておくと、広告にお金をかけるかどうかの判断材料になります。

予約表の作り方:台帳と枠表の2つのシートに分ける

エクセルの予約表には、大きく分けて2つの形があります。1つは、1件の予約を1行に記録していく「台帳」の形です。もう1つは、縦に時間、横に日付を並べて、空いている枠と埋まっている枠をひと目で見られる「枠表」の形です。

おすすめは、この2つを別々のシートに分けることです。入力は台帳に行い、枠表は台帳の内容を関数で読み取って表示するだけにします。枠表に直接書き込む形にすると、見た目は分かりやすいものの、売上の集計や、お客さまごとの来店履歴を出すのが難しくなります。

手順1:台帳のシートを作る

  1. 新しいブックを作り、1枚目のシートの名前を「台帳」にする
  2. 1行目に、前の節で決めた項目名を左から並べる
  3. 項目名の行を選び、「挿入」から「テーブル」を選んでテーブルに変換する

テーブルに変換しておくと、行を追加したときに書式や関数が自動で引き継がれ、並べ替えや絞り込みのボタンも付きます。テーブルの名前は「予約」のように分かりやすい名前に変えておくと、関数の中で使いやすくなります。

手順2:選択肢のシートを作る

2枚目のシートの名前を「設定」にし、メニューの一覧、担当者の一覧、状態の一覧を、それぞれ縦に並べます。メニューの一覧の横には、料金と所要時間も並べておきます。

メニュー 料金 所要時間(分)
初回カウンセリング 5,500 60
通常の施術 6,600 60
短時間の施術 3,300 30

手順3:プルダウンで選べるようにする

台帳のメニューの列を選び、「データ」タブの「データの入力規則」を開きます。「入力値の種類」で「リスト」を選び、「元の値」に設定のシートのメニューの一覧の範囲を指定します。これで、メニューの欄はプルダウンから選ぶだけになり、書き方のばらつきが無くなります。担当者と状態の列にも同じ設定をします。

手順4:料金と終了時刻を自動で出す

料金の欄には、メニューを選んだら設定のシートから料金を読み取る関数を入れます。Microsoft 365や新しい版のExcelなら、XLOOKUP関数で「メニューの名前で設定のシートを探し、隣の料金を返す」という式が書けます。古い版のExcelではVLOOKUP関数で同じことができます。

終了時刻も、開始時刻に所要時間を加える式で出せます。所要時間を分で持っている場合は、「分を1日の長さ(1,440分)で割った値」を開始時刻に加えると、時刻として計算できます。手で入れるよりも、入力の手間と間違いの両方が減ります。

重複予約を見つける仕組みを入れる

エクセルの予約表で最も起きやすい事故が、同じ時間に2件の予約を入れてしまうダブルブッキングです。人の目で確認するだけでは、件数が増えると見落とします。関数と条件付き書式で、重複を自動で目立たせる仕組みを入れておきます。

同じ日、同じ時刻、同じ担当者の予約を数える

台帳に「重複チェック」という列を追加し、COUNTIFS関数で「同じ予約日、同じ開始時刻、同じ担当者、状態がキャンセルではない予約が何件あるか」を数えます。COUNTIFS関数は、複数の条件にすべて当てはまる行の数を数える関数です。結果が2以上なら、その枠に予約が重なっています。

この方法は、開始時刻がまったく同じ場合だけを見つけます。10:00から11:00の予約と、10:30から11:30の予約のように、時間の一部が重なる場合は見つけられません。所要時間の違うメニューがある場合は、「同じ日、同じ担当者で、自分の開始時刻より前に始まり、自分の開始時刻より後に終わる予約」を数える式にすると、一部の重なりも見つけられます。式は少し長くなりますが、考え方は同じです。

条件付き書式で行に色を付ける

重複チェックの値が2以上の行に色が付くように、条件付き書式を設定します。台帳の範囲を選び、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選び、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」で、重複チェックの列が2以上という条件を指定します。色は、ひと目で分かる薄い赤などにしておきます。

この仕組みがあれば、予約を入れた直後に行が赤くなるので、その場で気づいて日程を調整できます。ただし、これは「入れたあとに気づく」仕組みであって、「入れる前に防ぐ」仕組みではありません。電話で予約を受けながら入力している場合は、重複に気づいた時点でお客さまに別の時間を提案することになります。

枠表で空き状況をひと目で見られるようにする

台帳だけでは、どの時間が空いているかを一覧で見るのが大変です。そこで、3枚目のシートに枠表を作ります。

  1. シートの名前を「枠表」にする
  2. A列に、営業時間を30分刻みで縦に並べる(9:00、9:30、10:00…)
  3. 1行目に、日付を横に並べる(1週間分や2週間分)
  4. 各マスに、台帳から「その日、その時刻に始まる予約のお客さまの名前」を読み取る式を入れる

担当者が複数いる場合は、担当者ごとに枠表を分けるか、日付の列を担当者ごとに分けます。予約が入っているマスに色が付くように条件付き書式を設定すると、空いている枠がひと目で分かります。

枠表には直接書き込まないことを決めておくのが大事です。誰かが枠表のマスに名前を手で書いてしまうと、式が消えて台帳と一致しなくなります。枠表のシートは保護をかけて、編集できないようにしておくと安心です。

1日の件数と売上を集計する

台帳の形で記録しておくと、集計はとても簡単です。

  1. 日ごとの売上:SUMIFS関数で「予約日が指定の日で、状態が来店済みの料金の合計」を出す
  2. メニューごとの件数:COUNTIFS関数でメニューと状態を条件にして数える
  3. 受付の経路ごとの件数:同じくCOUNTIFS関数で数える
  4. 月ごとの集計:ピボットテーブルで、予約日を月単位にまとめ、メニューや担当者ごとに並べる

ピボットテーブルは、台帳のような一覧から、項目ごとの合計や件数を自動で集計してくれる機能です。台帳のテーブルを選び、「挿入」から「ピボットテーブル」を選ぶだけで作れます。月末に1回更新するだけで、その月の実績が分かります。

キャンセルの件数も、状態の列で数えられます。キャンセルの多い曜日や時間帯、経路が分かれば、予約枠の開け方を見直すきっかけになります。

エクセルとGoogleスプレッドシートのどちらで作るか

予約表を作るとき、エクセルの代わりにGoogleスプレッドシートを使う人もいます。どちらも表計算の道具で、この記事で紹介したプルダウン、COUNTIFS関数、SUMIFS関数、条件付き書式は、Googleスプレッドシートでもほぼ同じ考え方で使えます。選ぶときの違いは、主に共有のしやすさと、すでに使っている環境です。

Googleスプレッドシートが向いている場合

Googleスプレッドシートは、Googleアカウントがあればブラウザで使え、作ったファイルはGoogleドライブに保存されます。共有したい相手にリンクや招待を送るだけで同時に編集でき、変更の履歴も残ります。スタッフがそれぞれ自分のスマホやパソコンから予約表を見たい場合や、パソコンにExcelが入っていない人がいる場合には、始めやすい選択です。

Googleフォームと組み合わせると、お客さまにフォームから予約の希望を送ってもらい、その内容をスプレッドシートに自動で記録することもできます。ただし、フォームには空き枠を判定する仕組みがないため、同じ時間に希望が重なった場合は、手で調整して連絡する必要があります。

エクセルが向いている場合

すでに会計や在庫の管理をエクセルで行っていて、予約の集計をそれらと組み合わせたい場合は、エクセルのほうが扱いやすいでしょう。ピボットテーブルやグラフの機能を細かく使いたい人、インターネットにつながらない環境でも予約表を見たい人にも、エクセルが向いています。

どちらを選んでも、台帳と枠表を分ける、選択肢をプルダウンにする、重複を自動で目立たせる、という作り方の基本は変わりません。迷ったら、一緒に使う人が普段使っている道具に合わせるのがいちばん失敗が少ない選び方です。

複数人で同じ予約表を使うときの注意

スタッフが2人以上いて、それぞれが予約を入れる場合は、同じファイルを共有する必要があります。ここでよくある失敗が、ファイルをメールで送り合ったり、共有フォルダの同じファイルを別々に開いて上書きし合ったりして、どれが最新か分からなくなることです。

Excelには、同じブックを複数の人が同時に開いて編集できる共同編集の機能があります。Microsoftのサポートページでは、共同編集の条件を次のように案内しています。

共同編集に必要なもの Microsoft 365 サブスクリプションが必要です。 最新バージョンの Excel for Microsoft 365 がインストールされている必要があります。 出典: support.microsoft.com

同じページでは、ブックをOneDriveやSharePoint Onlineに保存する必要があること、ファイル形式は.xlsx、.xlsm、.xlsbであることも説明されています。パソコンの中や、社内のファイルサーバーに保存したブックでは、この共同編集の仕組みは使えません。

共同編集を使う場合も、2人が同じ時間枠にほぼ同時に予約を入れると、どちらも空いていると思って入力してしまうことがあります。重複チェックの仕組みはそのまま残し、入力したら行の色を確認する習慣をつけておきます。

スマホからの閲覧と入力

外出先や施術の合間にスマホで予約表を見たい場合は、OneDriveに保存したブックをExcelのスマホアプリで開けます。ただし、スマホの小さな画面では、項目の多い台帳への入力はしにくく、プルダウンや関数の動きもパソコンと比べると確認しづらくなります。スマホでは枠表の閲覧だけにして、入力はパソコンで行うといった分担を決めておくと、入力の間違いを減らせます。

お客さまの個人情報を扱うときの注意

予約表には、お客さまの名前、電話番号、メールアドレス、場合によっては体の状態や相談の内容など、他人に知られたくない情報が入ります。エクセルのファイルは、メールに添付したり、USBメモリにコピーしたりが簡単にできる分、扱いに注意が必要です。

  1. ファイルにパスワードをかける(「ファイル」から「情報」の「ブックの保護」で設定できる)
  2. 共有する相手を必要な人だけに絞り、退職したスタッフの共有はすぐに外す
  3. 個人のパソコンや私用のメールにファイルを送らない
  4. 来店しなくなったお客さまの情報を、いつまで残すかを決めておく

個人情報の扱いについては、事業の規模にかかわらず、個人情報保護法の考え方に沿って管理することが求められます。どこまでの対応が必要かは事業の内容によって変わるため、個人情報保護委員会の個人情報保護法のページで、事業者向けの案内を確認しておくと安心です。事業者向けの研修資料もこのページから辿れます。

業種ごとに、予約表に加えたい項目

基本の項目に加えて、業種によって記録しておくと役に立つ項目があります。最初から全部を入れる必要はありませんが、自分の仕事に近いものは、台帳を作る段階で列を用意しておくと、あとから困りません。

教室やスクール

教室では、1つの時間枠に複数の生徒が入るのが普通です。この場合は、台帳の1行を「1人の生徒の1回の予約」とし、枠表には「その枠の予約人数」を表示します。COUNTIFS関数で同じ日、同じ時刻、同じクラスの予約を数え、定員と比べて残りの席数を出すと、電話で問い合わせが来たときにすぐ答えられます。定員を超えたら色が付くようにしておけば、受けすぎも防げます。

回数券や月謝制の場合は、生徒ごとの残り回数も管理したくなります。生徒の一覧を別のシートに作り、購入した回数から台帳の来店済みの回数を引く式を入れると、残り回数を自動で出せます。

整体や相談業

整体、カウンセリング、占い、士業の相談など、1対1で時間をかける仕事では、前回の内容を次回に引き継ぐことが大事です。台帳のメモの列とは別に、お客さまごとのカルテのシートを作り、来店のたびに内容を書き足していく形にすると、施術や相談の前に前回の記録をすぐに確認できます。

体の状態や相談の内容は、特に慎重に扱うべき情報です。カルテのシートだけ別のファイルに分け、パスワードをかけておくと、予約表を共有するときにカルテまで見えてしまうことを防げます。

レンタルスペースや会議室

部屋や設備を貸す仕事では、予約の単位が「人」ではなく「部屋」になります。担当者の列の代わりに部屋の列を作り、重複チェックも部屋ごとに行います。利用前後の清掃の時間が必要な場合は、終了時刻に清掃の時間を加えた「実際に部屋が埋まる時刻」の列を作り、その時刻で重複を判定すると、清掃の時間が取れない予約を見つけられます。

社内の会議室の予約表を作る場合は、予約した人の部署と、利用目的の列があると、月末に部署ごとの利用状況をまとめるときに便利です。

予約表を使い続けるための運用の決まり

予約表は、作ることよりも使い続けることのほうが難しいものです。次のような決まりを最初に作っておくと、予約表が古くなったり、壊れたりするのを防げます。

予約を受けたら、その場で入力する

「あとでまとめて入れよう」と思った予約ほど、入れ忘れます。電話を受けたら、その場で台帳に入力し、重複チェックの色を確かめてから電話を切る、という手順を決めておきます。施術中で入力できない場合は、紙のメモに書き、施術が終わったらすぐに入力するようにします。

ファイルは1つだけにする

予約表のファイルが複数あると、どれが最新か分からなくなります。「予約表_最新.xlsx」「予約表_最新_2.xlsx」のようなファイルが増えてきたら危険な状態です。予約表は1つのファイルだけを使い、過去の分は年や月ごとに別のファイルに移して保管します。

定期的に控えを取る

予約表のファイルが壊れたり、誤って大事な行を削除したりしたときのために、定期的に控えのファイルを保存しておきます。OneDriveに保存している場合は、以前の版に戻せる機能もありますが、自分でも週に1回など決まった日に別名で保存しておくと安心です。

月末に台帳を締める

月末には、その月の予約の状態がすべて「来店済み」か「キャンセル」になっているかを確認します。状態が「予約」のまま残っている行は、入力漏れか、無断キャンセルのどちらかです。この確認をしてから集計すると、売上の数字が正確になります。

予約が増えたときに困る場面

ここまでの手順で作った予約表は、予約が少ないうちは十分に機能します。しかし、予約が増えてくると、エクセルでは対応しにくい場面が出てきます。

電話やメッセージの対応に時間を取られる

エクセルの予約表は、お客さまが自分で空きを見て予約することができません。すべての予約が電話やメッセージで届き、そのたびに空きを確認して返事をすることになります。施術中や接客中は電話に出られず、折り返しの連絡が夜になることもあります。予約の受付だけで1日に1時間以上かかるようになったら、受付の仕組みを見直す時期です。

前日の確認連絡が追いつかない

無断キャンセルを減らすために、前日に確認の連絡を入れている人は多いでしょう。予約が1日に数件なら手で送れますが、十数件になると、その日の仕事が終わってからの連絡作業が負担になります。エクセルには、予約表からお客さまに自動でメールを送る機能は標準ではありません。マクロ(Excelの操作を自動で行う小さなプログラム)を組めば可能な場合もありますが、作れる人がいなくなると誰も直せなくなります。

変更とキャンセルの記録が追えない

予約の日時を変更したとき、元の予約を上書きしてしまうと、いつ誰が変更したのかが分からなくなります。お客さまから「先週変更をお願いしたはず」と言われても、記録が残っていなければ確かめようがありません。変更のたびに行を残す運用にすると、今度は台帳が複雑になります。

営業時間外の予約を受けられない

お客さまが予約したいと思うのは、仕事が終わった夜や、休みの日であることが多いものです。電話やメッセージでしか受け付けていないと、営業時間外の予約の希望は翌日まで待たせることになり、その間にほかのお店に予約されてしまうこともあります。

困りごと エクセルでの対処 限界
ダブルブッキング 重複チェックの関数と色付け 入力したあとにしか気づけない
受付の手間 枠表を見ながら電話で対応 施術中は受けられない
前日の連絡 手でメールやメッセージを送る 件数に比例して手間が増える
変更履歴 変更のたびに行を残す 台帳が複雑になる
夜間や休日の予約 翌営業日に対応 機会を逃しやすい

予約システムへ移ることを考える目安

エクセルの予約表から予約システムへ移るかどうかは、次のような目安で判断できます。

  1. 予約の受付と連絡に、1日あたり1時間以上かかっている
  2. ダブルブッキングや入力漏れが、月に1回以上起きている
  3. 営業時間外に予約の問い合わせが来ることが増えた
  4. スタッフが増え、全員が同時に予約を入れるようになった

1つめの目安は、時間に置き換えると重さが分かります。予約の受付と連絡に1日1時間かかり、月に20日営業しているなら、1か月で20時間を予約の対応に使っている計算です。その時間を施術や授業、新しいお客さまを増やすための準備に回せたら、どれだけの売上になるかを考えてみると、予約システムの月額料金と比べる基準ができます。

1つでも当てはまるなら、予約システムを試してみる価値があります。多くの予約システムには無料のプランや無料の体験期間があるので、エクセルの予約表を続けながら、一部の予約だけを予約システムで受けて比べることもできます。

移るときの手順

予約システムへ移るときは、エクセルの台帳がそのまま役に立ちます。

  1. 台帳から、お客さまの名前、連絡先、来店履歴を整理する
  2. 予約システムの取り込みの形式に合わせて、列の名前と順番をそろえる
  3. CSV形式(カンマで区切った文字だけのファイル)で保存する
  4. 予約システムの管理画面から取り込む
  5. しばらくはエクセルと予約システムの両方を見比べて、取り込み漏れがないかを確かめる

最初に項目をきちんと決めて台帳を作っておくと、この移行の作業がとても楽になります。エクセルの予約表は、予約システムへ移るまでの準備としても無駄になりません。

無料から試せる予約システムの例

エクセルの予約表から一歩進めたいときの候補の1つに、小さなお店向けの予約システムのRizaflowがあります。公式サイトによると、フリープランは初期費用・月額ともに無料で、予約は月50件まで、スタッフ1名まで使えます。お客さまがWebから予約できる予約ページと予約カレンダーに加え、予約完了、前日のリマインダー、御礼の自動メール、お客さまが自分で変更や取り消しをできるキャンセルURL、顧客管理までフリープランに含まれています。今使っている仕組みから書き出した顧客データは、CSVで取り込めると案内されています。

予約が増えたときは、ライトプラン(月額3,300円・税込、予約は月300件まで)、スタッフ指名とシフト管理が使えるスタンダードプラン(月額7,700円・税込、予約は月1,000件・スタッフ10名まで)と上げられます。決済機能はオプションで、事前決済が必要ない業態向けに作られています。占い、コーチング、ヨガ、整体、ネイル、スクールなど、時間枠で予約を受ける仕事が対象です。詳しくはRizaflowの紹介ページで確かめられます。

Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

予約システムに移っても、エクセルが不要になるわけではありません。予約システムから書き出したデータをエクセルで集計し直すと、自分の知りたい切り口で分析できます。記録と集計はエクセル、受付と連絡は予約システム、と役割を分けて考えると、それぞれの得意なところを生かせます。

予約の仕組みづくりは、それ自体が仕事になる

最後に、少し視点を変えて、予約表や予約の仕組みづくりを仕事として受ける側から見てみます。

小さなお店や教室では、エクセルの予約表を整えたい、予約システムに移りたい、という相談が多くあります。ところが、お店の人は本業で忙しく、関数や設定に時間をかけられません。そこで、エクセルの予約表を作る、予約システムの初期設定を代行する、使い方をスタッフに教える、といった仕事が生まれます。

こうした業務の改善を支援する仕事は、規模が大きくなればアプリケーション開発のお仕事として、予約の仕組みそのものを作る案件にもつながります。システムを作る側の収入の目安は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的な統計をもとに確認できます。業種別のデジタル化の動きについては、美容・サロン業界のDX2026|予約管理 × 顧客管理 × 決済のSaaS一括導入でも整理しています。

経営の立場から業務の流れ全体を見直す支援をしたい人には、中小企業診断士の資格も選択肢になります。予約の受付から来店、会計、再来店までを1つの流れとしてとらえ、どこに手間がかかっているかを見つける力は、小さな事業者にとって大きな助けになります。

在宅ワークやフリーランスの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、こうした支援の仕事で長く続く人は、高度な仕組みを作ることよりも、お店の人が自分で使い続けられる形に整えることを大事にしています。エクセルの予約表であれ、予約システムであれ、使う人が迷わずに続けられることが、いちばんの成果です。

よくある質問

Q. エクセルの予約表は無料で作れますか?

Excelがすでに使えるパソコンがあれば、追加の費用なしで作れます。Excelが入っていない場合は、Microsoftのアカウントがあれば使えるWeb版のExcelもあります。ただし、複数人で同時に編集する共同編集の機能は、Microsoftのサポートページでは Microsoft 365 のサブスクリプションが必要と案内されています。

Q. ダブルブッキングを防ぐ方法はありますか?

台帳に重複チェックの列を作り、COUNTIFS関数で同じ日、同じ時刻、同じ担当者の予約を数え、2件以上なら条件付き書式で色を付ける方法があります。ただし、これは入力したあとに気づく仕組みです。複数人が同時に予約を入れる場合は、入力のたびに行の色を確認する習慣も必要です。

Q. エクセルの予約表から予約システムに移るときの注意点はありますか?

台帳のお客さまの名前、連絡先、来店履歴を整理し、予約システムの取り込み形式に合わせて列をそろえ、CSV形式で保存してから取り込みます。移行してしばらくはエクセルと予約システムの両方を見比べて、取り込み漏れや二重の登録がないかを確認すると安心です。

Q. 予約表に入れたお客さまの情報はどう管理すればよいですか?

ファイルにパスワードをかけ、共有する相手を必要な人だけに絞ります。個人のパソコンや私用のメールにファイルを送らないこと、退職したスタッフの共有をすぐに外すことも大切です。どこまでの対応が必要かは事業の内容で変わるため、個人情報保護委員会の案内を確認してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月2日最終更新:2026年10月4日
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この記事を書いた人

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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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