エクセルで予約システムを作る方法と、手作業の管理が限界になる場面


この記事のポイント
- ✓エクセルで予約システムを作る方法を
- ✓入力規則のドロップダウン
- ✓COUNTIFS関数での空き枠の計算と二重予約の検出まで手順つきで解説
予約の管理を紙の手帳からエクセルに移したい、あるいは予約システムにお金をかける前にエクセルで仕組みを作ってみたい、と考える人は少なくありません。エクセルなら手元のパソコンですぐに始められ、項目も自分の店に合わせて自由に決められます。
一方で、エクセルの予約管理は、作り方を間違えると二重の予約や入力の漏れが起きやすく、予約が増えるほど手間も増えていきます。この記事では、エクセルで予約システムを作る方法を、予約台帳の作り方から空き枠の計算、二重予約の検出まで手順に沿って解説し、手作業の管理が限界になる場面と、その先の選択肢も整理します。
エクセルで予約を管理する前に決めておくこと
エクセルを開いて表を作り始める前に、次の3つを決めておきます。ここが曖昧なまま作ると、使い始めてから列を足したり作り直したりすることになります。
何を記録するか
予約の管理で記録する項目は、業種によって違います。最低限必要なのは、予約の日付、開始の時刻、終わりの時刻、お客さまの名前、連絡先、メニューの6つです。スタッフが複数いる店なら担当者、決済を事前に受ける店なら支払いの状態、キャンセルを管理したい店なら予約の状態も記録します。
誰が入力するか
自分1人で入力するのか、スタッフも入力するのかで、作り方が変わります。複数の人が入力するなら、入力の仕方がばらばらにならないように、選ぶだけで入力できる仕組み(ドロップダウン)を多めに用意します。お客さまに直接入力してもらいたい場合は、エクセルだけでは難しく、フォームのサービスと組み合わせることになります。
どこに保存するか
パソコン1台だけで使うなら、そのパソコンに保存すれば足ります。スタッフと共有したり、スマートフォンからも見たりしたいなら、OneDriveなどのクラウドに保存し、複数の人が同時に開けるようにします。保存先によって、同時に編集したときの扱いや、バックアップの取り方が変わります。
この3つを紙に書き出してから作り始めると、必要な列と仕組みがはっきりします。
予約台帳の作り方:1行に1件の予約を記録する
エクセルの予約管理の土台になるのが、予約台帳です。予約台帳は、1行に1件の予約を記録する一覧の表で、カレンダーの形の表とは分けて作るのがコツです。
列の作り方の例
1枚目のシートを「予約台帳」とし、1行目に次の見出しを入力します。
| 列 | 見出し | 入力する内容 | 入力の方法 |
|---|---|---|---|
| A | 予約ID | 予約ごとの番号 | 連番 |
| B | 日付 | 2026/10/12 のような日付 | 日付で入力 |
| C | 開始 | 10:00 のような時刻 | 時刻で入力 |
| D | 終了 | 開始とメニューの時間から計算 | 数式 |
| E | 担当 | スタッフの名前 | ドロップダウン |
| F | メニュー | メニューの名前 | ドロップダウン |
| G | 名前 | お客さまの名前 | 文字で入力 |
| H | 連絡先 | 電話番号かメールアドレス | 文字で入力 |
| I | 状態 | 予約、来店、キャンセル | ドロップダウン |
| J | メモ | 要望や注意点 | 文字で入力 |
日付と時刻は、文字ではなく、エクセルの日付と時刻として入力します。「10月12日」と文字で入力すると、並べ替えや計算に使えなくなるからです。表全体を選んで「テーブルとして書式設定」にしておくと、行を追加したときに書式や数式が自動で引き継がれ、並べ替えや絞り込みもしやすくなります。
マスターのシートを作る
2枚目のシートを「マスター」とし、メニューの一覧(名前、所要時間、料金)と、スタッフの一覧を入力しておきます。予約台帳のメニューと担当の列は、このマスターから選ぶ形にします。メニューの名前や料金が変わったときも、マスターを1か所直すだけで済みます。
終了の時刻は、メニューの所要時間をマスターから引いてきて、開始の時刻に加える数式で計算します。所要時間を「1:30」のように時刻の形で入力しておくと、開始の時刻にそのまま加えられます。手で入力するより計算させるほうが、入力の誤りを防げます。
入力のゆれを防ぐドロップダウンの作り方
エクセルの予約管理で起きやすいのが、入力のゆれです。同じメニューを「カット」「カット 」「カット」と入力すると、エクセルは別のものとして扱い、集計が合わなくなります。これを防ぐのが、データの入力規則です。
Microsoftのサポートページでは、データの入力規則について次のように説明されています。
データの入力規則を使用すると、ドロップダウン リストなど、ユーザーがセルに入力するデータの種類や値を制限できます。 出典: support.microsoft.com
ドロップダウンを設定する手順
- 予約台帳のメニューの列(F列)を選ぶ
- 「データ」タブの「データの入力規則」を開く
- 「入力値の種類」で「リスト」を選ぶ
- 「元の値」に、マスターのシートのメニューの一覧の範囲を指定する
- 「OK」を押す
これで、メニューの列のセルを選ぶと、右側に下向きの矢印が出て、一覧から選べるようになります。担当と状態の列も、同じ手順でドロップダウンにします。
日付と時刻にも制限をかける
入力規則は、ドロップダウン以外にも使えます。日付の列に「日付」の条件を設定し、今日以降の日付だけを入力できるようにしておくと、年や月の打ち間違いに気付けます。開始の時刻の列には、営業時間の範囲の時刻だけを入力できるように設定しておくと、営業時間外の予約を誤って入れるのを防げます。
Microsoftの説明によると、入力規則では、セルを選んだときに入力の案内を表示したり、無効な値を入力したときにエラーのメッセージを表示したりもできます。「10分単位で入力してください」のような案内を設定しておくと、スタッフが迷わずに入力できます。
空き枠が一目で分かる予約表の作り方
予約台帳だけでは、どの時間が空いているかを一目で確かめにくいので、3枚目のシートに予約表を作ります。予約表は、縦に時間、横に日付を並べたカレンダーの形の表で、予約台帳の内容を数式で引いてきて表示します。
予約表の作り方
- 3枚目のシートを「予約表」とし、A列の2行目から下に、10:00、10:30、11:00のように時間の枠を入力する
- 1行目のB列から右に、日付を入力する
- 各セルに、予約台帳の中で「その日付」かつ「その時間の枠」に当てはまる予約の件数を数える数式を入力する
件数を数えるのに使うのが、COUNTIFS関数です。Microsoftのサポートページでは、COUNTIFS関数は、複数の範囲のセルに条件を適用して、すべての条件が満たされた回数を数える関数と説明されています。
COUNTIFS関数で枠の埋まりを数える
たとえば、予約台帳のB列に日付、C列に開始の時刻、I列に状態が入っているとします。予約表のB2のセルに次の数式を入力すると、その日付とその時刻に始まる、キャンセル以外の予約の件数が数えられます。
=COUNTIFS(予約台帳!$B:$B,B$1,予約台帳!$C:$C,$A2,予約台帳!$I:$I,"<>キャンセル")
この数式を右と下にコピーすれば、予約表のすべての枠で件数が計算されます。1件以上ある枠は埋まっている、0の枠は空いている、と読み取れます。
色で見分けられるようにする
件数だけでは見づらいので、条件付き書式で色を付けます。予約表の範囲を選び、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「セルの強調表示ルール」を選び、1以上なら薄い赤、0なら色なし、のように設定します。2以上の枠を濃い赤にしておくと、同じ時間に2件入っている枠、つまり二重の予約にもすぐ気付けます。
施術が60分や90分かかるメニューでは、開始の時刻だけを数えると、途中の時間の枠が空いているように見えてしまいます。その場合は、「開始の時刻が枠より前か同じ」かつ「終了の時刻が枠より後」という条件で数えるように、COUNTIFS関数の条件を2つに分けて設定します。
二重予約を防ぐ仕組みを入れる
エクセルの予約管理でいちばん避けたいのが、同じ時間に2件の予約を入れてしまう二重の予約です。予約表の色で気付けるようにするのに加えて、予約台帳の側にも、かぶりを知らせる仕組みを入れておきます。
かぶりを知らせる列を作る
予約台帳のK列に「重複」という見出しを作り、各行に、同じ担当者で時間が重なる予約が自分以外にあるかを数える数式を入力します。
=COUNTIFS($B:$B,B2,$E:$E,E2,$C:$C,"<"&D2,$D:$D,">"&C2,$I:$I,"<>キャンセル")-1
この数式は、同じ日付、同じ担当者で、時間が重なり、キャンセルされていない予約の件数から、自分自身の1件を引いた数を出します。結果が1以上なら、重なる予約がある、という意味です。K列に条件付き書式を設定し、1以上のときに赤くなるようにしておくと、入力した瞬間に重なりに気付けます。
入力の手順で防ぐ
数式だけに頼らず、入力の手順でも防ぎます。電話で予約を受けたときは、まず予約表で空きを確かめ、空いていることを伝えてから予約台帳に入力する、という順番を決めておきます。スタッフが複数いる店では、予約を入力できる人を決めておくと、同時に同じ枠へ入力する事故を防げます。
業種ごとの予約台帳の工夫
基本の作りは同じでも、業種によって必要な列や数え方が変わります。代表的な4つの業種での工夫を紹介します。
サロンや整体など、1人ずつ施術する店
メニューごとに所要時間が違うので、終了の時刻をマスターの所要時間から計算する仕組みが特に役立ちます。施術と施術の間に片付けや準備の時間が必要なら、マスターの所要時間に10分ほどの準備の時間を含めておくと、予約が詰まりすぎるのを防げます。来店の回数を数える列を作っておくと、初めてのお客さまと常連のお客さまを見分けて、案内の仕方を変えられます。
教室やレッスンなど、定員のある枠を売る店
1つの枠に何人まで入れるか、という定員の管理が中心になります。予約表では、COUNTIFS関数で数えた件数を定員と比べ、定員に達した枠を濃い色にします。マスターのシートに、クラスごとの定員を入力しておき、予約表の色の条件をその数と比べるようにすると、クラスによって定員が違う場合にも対応できます。キャンセル待ちを受けるなら、状態の列に「キャンセル待ち」を加えておきます。
出張や訪問のサービス
訪問先の住所と、移動にかかる時間を記録する列が必要になります。予約と予約の間に移動の時間を確保しないと、次の訪問に遅れてしまいます。終了の時刻に移動の時間を加えた「次に予約を受けられる時刻」の列を作っておくと、電話で次の予約を受けるときに迷いません。
貸しスペースや設備の予約
人ではなく、部屋や設備を予約してもらう場合は、担当の列の代わりに「部屋」や「設備」の列を作ります。二重予約を検出する数式も、担当者ではなく部屋の名前で重なりを数えるように変えます。利用の前後に清掃の時間が必要なら、終了の時刻に清掃の時間を加えて計算します。
お客さまからの予約を受け付ける方法
エクセルの予約管理は、基本的には店側が入力するための仕組みです。お客さまに自分で予約してもらうには、ほかの道具と組み合わせる必要があります。
フォームで受けて、台帳に転記する
よく使われるのが、Microsoft FormsやGoogleフォームのような無料のフォームのサービスで予約の希望を受け付け、その回答を店側で確かめて予約台帳に転記する方法です。フォームには、希望の日付、時間、メニュー、名前、連絡先の項目を作ります。
この方法では、フォームに答えた時点では予約は確定していません。店側が空きを確かめてから、お客さまに確定の連絡を送る必要があります。返事が遅れるとお客さまはほかの店に流れてしまうので、フォームの回答を1日に何回確かめるかを決めておきます。
空き状況をお客さまに見せる
予約表を画像やPDFにして、SNSやWebサイトで空き状況を公開する店もあります。ただ、予約が入るたびに作り直す必要があり、更新が遅れると、すでに埋まった枠に申し込みが来ることになります。空き状況の公開は、予約の数が少ないうちは手作業でも回りますが、件数が増えると負担が大きくなります。
確定やリマインドの連絡は手作業になる
エクセルとフォームの組み合わせでは、予約の確定や前日のリマインドの連絡は、メールやメッセージで1件ずつ手作業で送ることになります。1日の予約が数件なら問題ありませんが、件数が増えると、連絡だけで毎日かなりの時間を使います。
予約台帳を集計に使う
エクセルで予約を管理するよさの1つは、同じデータを集計や分析にも使えることです。予約台帳がきちんと整っていれば、次のような数字を簡単に出せます。
1か月の売上の見込み
予約台帳に料金の列を作り、メニューの料金をマスターから引いてくるようにしておくと、月ごとの売上の見込みを計算できます。条件に合う値を合計するSUMIFS関数を使い、「その月の日付」かつ「状態が予約か来店」の行の料金を合計すれば、キャンセルを除いた売上の見込みが出ます。月の途中で見込みを確かめられるので、予約が少ない週に告知を増やすといった手を早めに打てます。
メニューやスタッフごとの件数
「挿入」タブのピボットテーブルを使うと、メニューごと、スタッフごと、曜日ごとの予約の件数を表にできます。どのメニューがよく選ばれているか、どの曜日の予約が少ないかが分かれば、メニューの見直しやスタッフの配置に活かせます。
キャンセルの割合とリピート
状態の列でキャンセルの件数を数え、全体の予約の件数で割ると、キャンセルの割合が出ます。この割合が月ごとにどう変わるかを見ておくと、リマインドの連絡の効果を確かめられます。お客さまごとの来店の回数を数えれば、2回目の来店につながった人の割合も分かります。こうした数字は、予約システムに移るかどうかを判断するときの材料にもなります。
Googleスプレッドシートで作る場合の違い
ここまでの作り方は、Googleスプレッドシートでもほぼ同じように使えます。COUNTIFS関数やSUMIFS関数、データの入力規則、条件付き書式は、スプレッドシートにも同じ名前の機能があります。
スプレッドシートのよい点は、最初からクラウドに保存され、ブラウザで開けることです。スタッフとの共有や、スマートフォンからの確認がしやすく、Googleフォームの回答をそのままスプレッドシートに記録することもできます。フォームで予約の希望を受ける形なら、エクセルより手間が少なくなります。
一方で、Googleのアカウントの管理と、共有の範囲の設定には注意が必要です。共有のリンクを「リンクを知っている全員」にしてしまうと、リンクが外に漏れたときに誰でも予約台帳を見られる状態になります。共有はスタッフのアカウントを1人ずつ指定する形にし、お客さまの個人情報を守れるようにしておきます。
作り終えたら、テストの予約で確かめる
予約の仕組みができたら、本番で使う前に、架空の予約を10件ほど入力して動きを確かめます。確かめたいのは次の4点です。
- 予約表に正しく件数が表示され、色が変わるか
- 同じ時間に2件入れたときに、重複の列が赤くなるか
- キャンセルに変えた予約が、予約表の件数から外れるか
- 長いメニューの予約で、途中の時間の枠も埋まって表示されるか
テストで入力した行は、確かめ終わったら削除します。最初に確かめておけば、本番の予約が入ってから数式の誤りに気付いて慌てることを避けられます。
共有と保存で気を付けたいこと
予約台帳には、お客さまの名前や連絡先といった個人情報が入ります。保存と共有の仕方には注意が必要です。
個人情報の扱い
ファイルを開くためのパスワードを設定し、パソコン自体にもログインのパスワードをかけておきます。メールにファイルを添付してスタッフに送るのは、送り先を間違えたときに情報が外に出てしまうので避けます。共有が必要なら、OneDriveのように、見られる人を指定できるクラウドの保存先を使います。
スタッフが辞めるときは、共有の設定から外すことを忘れないようにします。また、何年も前の予約の情報をいつまでも残しておくと、万一の流出のときに影響が大きくなります。一定の期間がたった予約の行は、別のファイルに移して保管するか、削除する決まりを作っておきます。
同時編集と、ファイルが壊れたときの備え
クラウドに保存したファイルは、複数の人が同時に開いて編集できます。ただし、同じ行を同時に書き換えると、どちらかの入力が上書きされることがあります。予約を入力する人を決めておくのは、この点でも有効です。
ファイルが壊れたり、誤って行を削除したりしたときに備えて、バックアップも取っておきます。週に1回、日付を付けた名前でファイルの複製を保存しておくだけでも、いざというときに戻せます。
表と一緒に、予約の決まりを書いておく
エクセルの仕組みがどれだけよくできていても、予約の受け方の決まりがあいまいだと、トラブルは防げません。表を作るのと同時に、店の予約の決まりを文章にしておきます。
決めておきたい5つのこと
- 予約を受け付ける期間:何日先まで、何時間前まで予約を受けるか
- キャンセルと変更の期限:何時間前までなら無料で変更や取り消しができるか
- 遅刻したときの扱い:何分までなら施術の時間を短くして対応するか、何分を過ぎたら取り消しにするか
- 無断キャンセルの扱い:次回の予約を前払いにするなど、繰り返された場合にどうするか
- 予約の確定の連絡:予約の希望を受けてから、何時間以内に確定の連絡を返すか
お客さまに見える場所に書く
決めた内容は、予約のフォームの説明文、店のWebサイト、確定の連絡のメールの3か所に同じ文面で書いておきます。予約の前にお客さまが読める状態にしておけば、キャンセルの扱いでもめることを減らせます。キャンセルの料金を受け取るかどうかは、店の方針と、地域の慣習、お客さまとの関係を考えて慎重に決めます。
スタッフとも共有する
決まりはスタッフ全員で共有し、電話で予約を受けた人によって説明が違う、ということがないようにします。エクセルのファイルの中に「決まり」というシートを1枚作り、予約台帳と同じ場所に保存しておくと、いつでも確かめられます。決まりを変えたときは、日付を書き添えて、いつから変わったかが分かるようにしておきます。
エクセルで予約を管理するメリットとデメリット
ここまでの作り方を踏まえて、エクセルで予約を管理するメリットとデメリットを整理します。
メリット
1つ目は、追加の費用がかからないことです。すでにエクセルを使っていれば、新しく契約するものはありません。
2つ目は、項目や見た目を自由に決められることです。業種に合わせた独自の項目を入れたり、売上の集計を同じファイルで行ったりできます。
3つ目は、データが手元にあることです。予約システムをやめるときにデータを書き出す手間を心配する必要がなく、ほかの表とも組み合わせて分析できます。
デメリット
1つ目は、お客さまが24時間いつでも自分で予約できる仕組みを作るのが難しいことです。フォームと組み合わせても、確定するのは店側が確かめてからになります。
2つ目は、確定やリマインドの連絡が手作業になることです。
3つ目は、仕組みを作った人にしか直せない状態になりやすいことです。数式や入力規則が複雑になるほど、作った人が忙しいときや不在のときに、ほかの人が手を出せなくなります。
手作業の管理が限界になる5つの場面
エクセルの予約管理は、小さな店や始めたばかりの事業には十分に役立ちます。ただ、次のような場面が出てきたら、手作業の管理が限界に近づいている合図です。
場面1:予約の連絡に毎日30分以上かかっている
確定の連絡、前日のリマインド、変更の受け付けを手作業でこなしていると、予約が増えるほど連絡の時間が伸びます。1件に3分かかるとして、1日10件なら30分です。この時間が本業の時間を圧迫し始めたら、自動で連絡を送れる仕組みを考える時期です。
場面2:二重予約や入力の漏れが月に1回以上起きる
数式で重なりを知らせる仕組みを入れても、入力そのものを忘れれば防げません。電話、フォーム、SNSのメッセージと、予約の入口が増えるほど、台帳への転記の漏れが起きやすくなります。
場面3:営業時間外の予約の希望を取りこぼしている
お客さまが予約したいと思うのは、仕事の帰りや夜遅くのことも多いものです。フォームで希望を受けても、確定の返事が翌日になると、その間にほかの店で予約してしまうお客さまもいます。
場面4:スタッフが増えて、入力する人が3人以上になった
入力する人が増えるほど、同時の編集による上書きや、入力の仕方のばらつきが起きやすくなります。スタッフごとのシフトと予約を組み合わせて管理するのも、エクセルでは複雑になります。
場面5:無断キャンセルが増えてきた
前日のリマインドを送れていないと、うっかり忘れによる無断キャンセルが増えます。リマインドを確実に送れる仕組みがあるだけで、こうしたキャンセルは減らせます。
これらの場面に2つ以上当てはまるなら、予約システムへの切り替えを検討する価値があります。
エクセルから予約システムへ移るときの手順
エクセルで管理してきたデータは、予約システムに移すときにも役立ちます。移るときは、次の順番で進めると混乱が少なくなります。
- 予約台帳の顧客の情報を整える:名前の表記をそろえ、重複している人を1つにまとめ、連絡先の書き方を統一する
- CSVで書き出す:エクセルの「名前を付けて保存」で、ファイルの種類をCSVにして保存する
- 移る先の予約システムに、顧客のCSVを取り込めるかを確かめる
- 移る日を決め、その日以降の予約は新しいシステムだけで受ける
- 移る日より前に入っている予約は、新しいシステムにも登録し直すか、エクセルで最後まで管理するかを決める
移る日の前後は、エクセルと予約システムの2か所に予約がある状態になりやすいので、どちらを正とするかをスタッフ全員で確認しておきます。
常連のお客さまには、移る日の1か月ほど前から、新しい予約の方法を案内しておきます。会計のときに予約ページのQRコードを印刷したカードを渡す、確定の連絡のメールに新しい予約ページのURLを書き添える、といった方法で少しずつ知らせていくと、切り替えの当日に電話が集中するのを避けられます。エクセルの予約台帳は、移ったあともしばらくは過去の記録として保管しておき、新しいシステムに必要な情報が移せたことを確かめてから、保管の期間を決めて整理します。
エクセルの次に検討したい予約システムの候補
エクセルで予約管理の型が固まり、連絡の手間や取りこぼしが気になってきたら、予約システムの無料のプランから試してみるのが無理のない進め方です。候補の1つとして、予約の受け付けからリマインド、御礼メール、次の来店までを一続きで扱うRizaflow(リザフロー)があります。
公式サイトによると、料金はすべて税込で初期費用はかからず、フリープランは0円で予約が月50件、スタッフ1名まで使えます。予約が増えたら、ライトプラン(月額3,300円で月300件)、スタンダードプラン(月額7,700円で月1,000件、スタッフ10名まで)、プロプラン(月額19,800円で月3,000件、スタッフの人数の制限なし)へ移れます。予約受付、顧客管理、予約完了やリマインダー、御礼の自動メールが標準で含まれ、事前の決済は使いたい店だけがオプションで使う形です。今使っているシステムから書き出した顧客のCSVを管理画面から取り込めると案内されていて、登録にクレジットカードは要らず、1分で管理画面ができると説明されています。占い、コーチング、ヨガ、整体、ネイル、個人のスクールなど、決済の機能が必須でない業種を主な対象としています。
Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
エクセルで作った予約台帳の項目は、そのまま予約システムで聞く項目の下書きになります。エクセルで試行錯誤した経験は、システムを選ぶときにも、設定するときにも活きてきます。
予約の仕組みづくりを仕事にする
最後に、予約の仕組みを作る力が、仕事としてどう活かせるかを見ておきます。
業務の仕組みを作る仕事
小さな店や個人事業主の中には、予約や顧客の管理をエクセルで整えたい、あるいは予約システムに移りたいが、何から始めればよいか分からないという人が少なくありません。エクセルの予約台帳を作る、予約システムを選んで設定する、スタッフに使い方を伝える、といった仕事は、業務委託でも依頼が出ています。Webの予約や業務のシステムを作る仕事の中身は、Web・業務システム開発のお仕事で紹介しています。業務の流れを整理し、どの道具を使うかを提案する立場の報酬の目安は、システムコンサルタント・設計者の年収・単価相場で確認できます。
サロンや美容の業界で予約と顧客管理、決済をまとめて取り入れる動きは、美容・サロン業界のDX2026|予約管理 × 顧客管理 × 決済のSaaS一括導入で詳しく整理しています。
運営者の視点から見えること
フリーランスや在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、業務の仕組みづくりを手伝う仕事で信頼される人は、高度な数式を組むことより、「依頼主が自分で直せる形」に仕上げることを大切にしています。作った人しか触れない表は、作った人が離れた瞬間に使われなくなるからです。
仲介の手数料が乗らない直接のやり取りでは、依頼主は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。使い方の説明書を1枚添える、1か月後に困りごとを聞く、といった小さな心配りが、次の依頼につながっています。エクセルで予約の仕組みを作る力は、自分の店を整えるだけでなく、こうした仕事の入り口にもなります。仕組みづくりの仕事を探すときは、Web・業務システム開発のお仕事の紹介から、求められる経験を確かめておくと準備が進めやすくなります。
よくある質問
Q. エクセルで予約システムを作るのに、どんな関数が必要ですか?
よく使うのは、条件に合う件数を数えるCOUNTIFS関数です。予約表で「この日付のこの時間の予約が何件あるか」を数えたり、同じ担当者で時間が重なる予約を見つけたりするのに使います。あわせて、入力をドロップダウンから選ぶ形にするデータの入力規則と、件数に応じて色を付ける条件付き書式を使うと、見やすく間違いにくい表になります。
Q. エクセルの予約表をお客さまに見てもらうことはできますか?
予約表を画像やPDFにして、SNSやWebサイトで空き状況を公開する方法があります。ただし、予約が入るたびに作り直す必要があり、更新が遅れるとすでに埋まった枠に申し込みが来ます。お客さまに自分で予約してもらうには、フォームのサービスと組み合わせるか、予約システムを使うことになります。
Q. 予約台帳を複数のスタッフで共有しても大丈夫ですか?
OneDriveのように見られる人を指定できるクラウドに保存すれば、複数の人で共有できます。ただし、同じ行を同時に書き換えると入力が上書きされることがあるので、予約を入力する人を決めておくと安全です。お客さまの個人情報が入るので、メールへの添付での共有は避け、スタッフが辞めるときは共有の設定から外してください。
Q. エクセルから予約システムに移るタイミングの目安はありますか?
予約の連絡に毎日30分以上かかる、二重予約や入力漏れが月に1回以上起きる、営業時間外の予約の希望を取りこぼしている、入力する人が3人以上になった、無断キャンセルが増えた、といった場面が2つ以上当てはまるなら、検討する時期です。多くの予約システムには無料のプランがあるので、まず試してから決められます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







