会社の緊急連絡網を無料のアプリで作るときに確かめておく点

@SOHO編集部
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会社の緊急連絡網を無料のアプリで作るときに確かめておく点

この記事のポイント

  • ✓会社の緊急連絡網を無料のアプリで作りたい小さな事業所向けに
  • ✓LINE WORKSやSlackの無料プラン
  • ✓安否確認システムの無料お試し

会社の緊急連絡網を、紙の一覧や電話の順番回しから、無料のアプリに切り替えたいと考える事業所は増えています。ただ、「無料」とひとことで言っても、ビジネスチャットの無料プラン、安否確認システムの無料お試し、災害時にだけ提供される通信会社の伝言サービスと、中身はまったく違います。どれを選ぶかは、従業員の人数と、何を確かめたいのか(出社できるか、けがはないか、家族は無事か)で決まります。

この記事では、2026年10月3日時点で各サービスの公式ページに書かれている内容を確かめ、会社の緊急連絡網を無料のアプリで作るときに確かめておく点を整理します。中小企業庁の事業継続の指針が求めている考え方、無料で使える道具の範囲と限界、従業員の連絡先という個人情報の扱い、いざというときに動かすための訓練の方法まで、小さな事業所の総務や経営者が今日から手を付けられる形でまとめています。

緊急連絡網で本当に必要なことを先に決める

アプリを選ぶ前に、緊急連絡網で何をしたいのかを決めておく必要があります。中小企業庁が公開している中小企業BCP策定運用指針の取組状況チェックには、次のような問いがあります。BCPとは、災害や事故で事業が止まったときに、どの仕事をどう続け、どう立て直すかを前もって決めておく計画のことです。

災害が勤務時間中に起こった場合、勤務時間外に起こった場合、あなたの会社は従業員と連絡を取り合うことができますか? 出典: chusho.meti.go.jp

この問いが示しているのは、勤務時間中と勤務時間外の両方で連絡が取れることが、事業継続の出発点だということです。勤務時間中なら社内で声をかけられますが、夜間や休日に地震が起きたとき、従業員がどこにいて無事なのかを確かめる手段がなければ、翌日の営業ができるかどうかも判断できません。

緊急連絡網でやりたいことは、大きく次の3つに分かれます。

やりたいこと 具体的な内容 向いている道具
一斉に知らせる 休業や出社の見合わせ、避難の指示を全員に伝える ビジネスチャット、グループの連絡アプリ
無事を確かめる 本人と家族の安否、出社できるかを集計する 安否確認システム、アンケート機能
個別に連絡を取る 返事のない人に電話する、居場所を確かめる 電話、災害用伝言サービス

小さな事業所では、この3つを1つの無料の道具で全部まかなうのは難しいのが実情です。どれを最優先にするかを決め、足りない部分を別の手段で補う、という組み立て方が現実的です。

無料で使える道具の種類と、公式に書かれている範囲

ここからは、会社の緊急連絡網に使われることの多い道具について、公式ページで確かめた無料の範囲を見ていきます。

ビジネスチャットの無料プラン(LINE WORKS)

LINE WORKSは、仕事用のチャットや掲示板をまとめたサービスです。公式の料金ページでは、フリープランを「会社が無料で30人まで利用できるプラン」と案内しています。フリープランで使える機能として、トーク、掲示板、カレンダー、タスク、アンケート、アドレス帳が挙げられており、共有のストレージは合計5GBです。

30人までの事業所なら、無料のまま全員を登録でき、トークで一斉に知らせ、アンケートで無事かどうかを集めることができます。31人以上になると、有料のスタンダードプラン(年額契約で1ユーザーあたり月額450円、月額契約で月額540円、いずれも税抜)などを検討することになります。有料プランには30日間の無料トライアルが用意されています。

ビジネスチャットの無料プラン(Slack)

Slackの公式の料金ページでは、フリープランのメッセージは90日間保存され、検索できると案内されています。また、フリープランのデータは1年後に削除されるとも書かれています。

緊急時の連絡そのものには使えますが、訓練の記録や過去の連絡を長く残しておきたい場合には、この保存期間を前提に運用を考える必要があります。

安否確認システムの無料お試し

安否確認システムとは、地震などの災害が起きたときに、従業員へ自動で安否の問い合わせを送り、回答を集計する専用のサービスです。たとえば、トヨクモの安否確認サービス2の公式ページでは、気象庁の災害情報と連動して登録済みの複数の連絡先に自動で一斉送信し、メール・アプリ・LINEで通知を受け取って回答でき、回答結果はリアルタイムに自動で集計されると説明されています。未回答の人への自動の再送信や、管理者による代理の回答の機能もあります。

公式ページでは、30日間すべての機能を無料で試せること、初期費用は0円で、最低利用期間はなく1か月から使えることが案内されています。ただし、継続して使う場合はプランと契約ユーザー数に応じた料金がかかります。安否確認システムは、無料で使い続ける道具ではなく、無料で試してから有料で契約する道具だと考えておくのが正確です。

この点は、防災の情報を発信している安否確認の事業者のサイトでも、次のように説明されています。

緊急連絡アプリは、安否確認システムに搭載された機能の一部として位置づけられています。無料でアプリの完成度を体感するには、安否確認システムを無料トライアルで利用しなければなりません。 出典: bosai-times.anpikakunin.com

災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)

通信会社が災害時に提供する、無料で使える伝言のサービスです。NTT東日本の公式ページでは、災害用伝言ダイヤル(171)は、地震や噴火などの災害の発生で被災地への通信が増え、つながりにくくなった場合に提供が始まる「声の伝言板」と説明されています。災害用伝言板(web171)は、インターネットを使って被災地の人の安否を確かめる伝言板です。

これらは会社の連絡網の代わりではなく、電話もチャットもつながらないときの最後の手段です。普段は使えませんが、体験利用の日が決められています。NTT東日本の案内では、毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日9時から9月5日17時)、防災とボランティア週間(1月15日9時から1月21日17時)に体験でき、伝言の録音時間は 30秒 です。

LINEの個人アカウントのグループで済ませる場合の注意

小さな事業所では、従業員の個人のLINEでグループを作り、それを緊急連絡網の代わりにしているところも少なくありません。費用がかからず、全員が使い慣れているという利点は大きく、何もない状態よりはずっと良い選択です。ただし、会社の連絡網として使う場合は、いくつか確かめておくことがあります。

1つ目は、個人のアカウントを業務に使わせることへの同意です。従業員の中には、私用のLINEを仕事に使いたくない人もいます。強制にならないよう、参加は本人の同意のうえで行い、参加しない人には別の連絡手段を用意します。

2つ目は、退職者の扱いです。個人のアカウントのグループでは、退職した人をグループから外し忘れると、社内の連絡が届き続けてしまいます。退職の手続きの中に、連絡のグループから外す作業を組み込んでおきます。

3つ目は、記録の扱いです。個人のアカウントのグループでは、会社が連絡の記録を管理できません。誰がいつ無事を報告したかを後から確かめたい場合は、アンケートの機能を使うか、別の道具を組み合わせる必要があります。

4つ目は、業務の連絡と私的なやりとりが混ざりやすいことです。緊急連絡用のグループでは、普段の雑談をしないと決めておくと、いざというときに大事な連絡が埋もれません。

5つ目は、グループのまとめ役の引き継ぎです。グループを作った人や、まとめ役だった人が退職したり担当を外れたりすると、新しく入った人を招く役や、退職した人を外す役が誰なのかがあいまいになります。まとめ役を最初から2人以上決め、役割を書き出しておくと、担当が代わっても運用を続けられます。個人のアカウントのグループは手軽な反面、こうした管理の穴が生まれやすいので、従業員が10人を超えるあたりからは、会社として管理できる道具への切り替えを検討する価値があります。

従業員の連絡先という個人情報の扱い

緊急連絡網を作るときに避けて通れないのが、従業員の携帯電話の番号、自宅の住所、家族の連絡先といった個人情報の扱いです。個人情報とは、名前や連絡先のように、特定の個人を見分けられる情報のことで、会社が扱う場合は個人情報保護法のルールに沿う必要があります。個人情報保護法の内容は、個人情報保護委員会の公式ページで確かめられます。

実務で気をつけたい点を挙げます。

  1. 連絡先を集めるときに、緊急時の連絡に使うという目的を伝える
  2. 集める項目は、緊急時の連絡に必要なものに絞る
  3. 連絡網のデータを見られる人を、担当者と経営者などに限る
  4. 退職した人の連絡先は、決めた時期に削除する
  5. アプリの運営会社が、データをどこに保管し、どう扱うかを確かめる

5つ目は、無料のアプリを選ぶときに特に大事です。無料のサービスでも、データの保管場所や、運営会社がデータを見る条件は、利用規約やプライバシーポリシーに書かれています。会社として使う前に、少なくともこの2つの書面には目を通しておきます。

なお、個別の事情でどこまで同意を取るべきか、どの範囲の情報なら集めてよいかといった判断は、事業所の状況で変わります。迷う場合は、社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談します。

無料で足りる会社、足りない会社

ここまでの内容を踏まえて、無料の道具で足りるかどうかの目安を整理します。

事業所の状況 当面の進め方
10人前後、全員が近くに住み、勤務時間がそろっている ビジネスチャットの無料プランか、連絡用のグループで一斉に知らせる
30人まで、出社の可否を集計したい LINE WORKSのフリープランのアンケートなどで集計する
31人以上、または拠点が複数ある 有料プランか、安否確認システムの導入を検討する
夜間や休日に自動で安否を確かめたい 気象情報と連動する安否確認システムを無料お試しで比べる
取引先や協力会社も含めて連絡したい 社外の人を招ける道具を選び、見える範囲を分ける

無料で足りないと判断する一番の目安は、「災害が起きたときに、担当者が手で一斉に連絡を送れるか」です。担当者自身が被災して動けない場合や、夜中で担当者が気づかない場合、手で送る仕組みでは連絡が始まりません。この状況を避けたいなら、地震などの情報と連動して自動で問い合わせを送る安否確認システムの出番です。逆に、勤務時間が日中に限られ、担当者が複数いて交代で対応できるなら、無料の道具で十分に回る場合もあります。

費用の面から考えるときは、有料の道具の料金だけでなく、無料の道具で回すために担当者が使う時間も比べます。たとえば、訓練や登録の更新、緊急時の集計に、担当者が年に合計で10時間を使っているなら、その人件費と有料の道具の年間の費用を並べてみると、どちらが割に合うかが具体的に見えてきます。また、有料の安否確認システムを入れる場合も、いきなり全社で契約するのではなく、無料お試しの期間中に一度訓練を行い、返事の割合や担当者の手間が実際にどう変わるかを確かめてから決めるのが確実です。

いざというときに動かすための訓練

どの道具を選んでも、訓練をしなければ、いざというときに使えません。特に無料の道具を使う場合は、自動の仕組みに頼れない分、人の手順を体に覚えさせておく必要があります。

年に2回、時間外の想定で試す

訓練は、勤務時間中だけでなく、夜間や休日を想定して行うと効果があります。前もって日時を知らせたうえで、たとえば休日の朝に「地震が起きた想定」で一斉に連絡を送り、どれだけの人が何分で返事をするかを確かめます。

返事の形を決めておく

緊急時の返事は、短く決まった形にしておくと集計しやすくなります。たとえば次のような形です。

  1. 本人の無事(無事、けがあり)
  2. 家族の無事(無事、確認中、けがあり)
  3. 出社できるか(できる、できない、未定)
  4. 今いる場所(自宅、外出先、避難所)

アンケートの機能がある道具なら、この4つを選択式で用意しておくと、返事をする側も迷いません。

返事のない人への連絡の順番を決める

訓練で必ず出てくるのが、返事のない人です。返事がない場合に、誰が、どの手段で、何分後に連絡するかを決めておきます。チャットで返事がなければ電話、電話がつながらなければ家族の連絡先、それでもだめなら災害用伝言ダイヤルの伝言を確かめる、という順番です。災害用伝言ダイヤルの使い方は、体験利用の日に一度試しておくと、本番で迷いません。

訓練の結果を記録して直す

訓練が終わったら、返事の割合、返事までの時間、つまずいた点を記録し、次の訓練までに直します。登録漏れの人がいた、通知を切っていて気づかなかった、といった点は、訓練でしか見つかりません。

無料のアプリを選ぶときに確かめる7つの点

無料の道具はどれも手軽に始められますが、緊急時に使う前提で選ぶなら、普段使いの道具とは違う観点で確かめる必要があります。候補を比べるときは、次の7つを順に見ていきます。

  1. 人数の上限:無料の範囲で、従業員全員を登録できるか
  2. 通知の届き方:アプリを開いていなくても、スマートフォンの画面に通知が出るか
  3. 集計の機能:誰が返事をして、誰がしていないかを一覧で確かめられるか
  4. 記録の保存期間:訓練や過去の連絡の記録が、どのくらいの期間残るか
  5. 管理者の権限:退職者を外す、連絡先を直すといった操作を会社の担当者ができるか
  6. データの保管場所:運営会社がどこにデータを保管し、どんなときに中身を見るか
  7. 有料に切り替えたときの費用:人数が増えたときに、いくらかかるか

1つ目の人数の上限は、今の人数だけでなく、1年後の人数でも確かめておきます。採用の予定がある会社で、上限ぎりぎりの道具を選ぶと、すぐに乗り換えが必要になります。乗り換えのたびに従業員に新しい道具の登録を頼むことになるので、手間がかかるうえ、登録漏れも起きやすくなります。

3つ目の集計の機能は、緊急時に最も差が出るところです。チャットのグループで「無事な人は返事をしてください」と呼びかけると、返事が流れていき、誰がまだ返事をしていないのかを数えるのに時間がかかります。アンケートや既読の一覧のように、返事の有無を一覧で確かめられる機能があるかどうかで、担当者の負担は大きく変わります。

5つ目の管理者の権限も見落としやすい点です。従業員の個人のアカウントでグループを作っている場合、グループの管理者が退職すると、誰もグループを管理できなくなることがあります。会社として使うなら、管理者を2人以上にしておくか、会社が管理するアカウントで運用できる道具を選びます。

緊急時に送る連絡の文面の例

緊急時は、文面を考える時間も惜しい状況です。よく使う連絡の文面は、前もって作って担当者の間で共有しておくと、送るまでの時間を短くできます。ここでは、そのまま使える形の例を挙げます。

地震の直後に安否を確かめる連絡

「〇〇地方で強い地震がありました。全員、本人と家族の無事、出社できるかどうか、今いる場所を、このあとのアンケートで答えてください。けががある人、助けが必要な人は、返事の中にその旨を書いてください。本日の出社は、安全が確かめられるまで見合わせてください。」

休業や出社の見合わせを知らせる連絡

「本日〇月〇日は、台風の接近に伴い、事務所を休業とします。在宅で作業できる人は、可能な範囲で進めてください。無理に作業をする必要はありません。明日の営業については、本日〇時までにこのグループで知らせます。」

返事のない人に個別に送る連絡

「〇〇さん、安否の確認の返事がまだ届いていません。無事であれば、ひとことだけでも返事をください。返事が難しい状況であれば、ご家族の方からの連絡でもかまいません。」

文面を作るときのこつは、相手にしてほしいことを具体的に書き、いつまでに次の連絡をするかを添えることです。「追って連絡します」だけでは、受け取った側はいつまで待てばよいか分かりません。また、緊急時の連絡では、出社や作業を強く求める言い方は避けます。従業員の安全の確保が、何よりも先です。

停電や通信の障害に備えておくこと

緊急連絡網をアプリに切り替えても、スマートフォンの電池が切れたり、通信がつながりにくくなったりすれば、連絡は届きません。アプリの選び方と同じくらい、こうした事態への備えが大事です。

まず、連絡の手段を2つ以上用意しておくことです。チャットのアプリに加えて、電話番号の一覧、メール、災害用伝言ダイヤルといった別の経路を決めておきます。1つの経路がだめでも、別の経路で連絡が取れる状態を作ります。

次に、連絡先の一覧を紙でも保管しておくことです。アプリの中にしか連絡先がないと、スマートフォンが使えないときに誰にも連絡できません。担当者と経営者が、主な連絡先を書いた紙を持っておくと安心です。中小企業庁のBCPの指針でも、従業員の連絡先の一覧や、従業員が持ち歩く携帯カードの様式が用意されています。紙で保管する場合も、個人情報を含むので、保管する場所と見られる人を決めておきます。

さらに、従業員に、スマートフォンの予備の電池を持ち歩くことや、緊急時には動画を見るなどの電池を多く使う操作を控えることを、訓練のときに伝えておきます。通信がつながりにくいときは、電話よりも文字のメッセージの方が届きやすい場合があることも、合わせて知らせておくとよいでしょう。

連絡網を動かす担当者の決め方

道具と手順が決まっても、それを動かす人が決まっていなければ、緊急時に誰も連絡を始めません。小さな事業所ほど、担当者の決め方が連絡網の成否を左右します。

まず、連絡を始める人を、正と副の2人以上決めておきます。1人だけだと、その人が出張中だったり、被災したりしたときに連絡が始まりません。中小企業庁のBCPの指針の取組状況チェックにも、社長が出張中や負傷した場合に、代わりの者が指揮をとる体制が整っているかを問う項目があります。連絡網も同じ考え方で、代わりの人を決めておくことが欠かせません。

次に、連絡を始める条件を決めておきます。「震度5弱以上の地震が事務所のある地域で起きたら」「気象の警報が出て、翌日の出社に影響しそうなら」というように、誰が見ても判断できる条件にしておくと、担当者が迷わずに動けます。条件があいまいだと、「まだ連絡するほどではないだろう」と様子を見ているうちに時間が過ぎてしまいます。

さらに、担当者の役割を分けておくと、緊急時の負担が偏りません。一斉の連絡を送る人、返事を集計する人、返事のない人に個別に連絡する人、というように役割を分ければ、人数の少ない事業所でも手分けして進められます。

担当者には、連絡網の道具の管理者の権限を渡しておき、普段から操作に慣れてもらいます。訓練のときだけ触る道具は、本番で操作を思い出せないことがあるからです。

訓練でよく見つかる問題

訓練をすると、机の上で考えていたときには見えなかった問題が必ず出てきます。よく見つかるものを挙げておくので、訓練の前に確かめておくと、本番までに直せます。

1つ目は、登録の漏れです。最近入社した人や、短時間で働く人が、連絡網に登録されていないことがよくあります。訓練の前に、従業員の名簿と連絡網の登録を突き合わせておきます。

2つ目は、通知を切っている人がいることです。普段は通知がうるさいからと、連絡用のアプリの通知を切っていると、緊急の連絡にも気づきません。緊急の連絡だけは通知が届くように、設定の方法を従業員に案内しておきます。

3つ目は、返事の仕方が分からない人がいることです。アンケートの開き方や、選択肢の選び方が分からず、返事をあきらめてしまう人もいます。訓練の案内に、返事の仕方の画面の例を添えておくと、こうした人を減らせます。

4つ目は、担当者の側の集計の遅れです。返事は集まっても、それを数えて経営者に報告するまでに時間がかかる、という問題です。集計の手順と、報告の形を決めておくことで、報告までの時間を短くできます。

在宅や外部のメンバーがいる会社で気をつけること

在宅勤務の従業員や、業務委託の外部のメンバーがいる会社では、緊急連絡網の考え方を少し広げる必要があります。

在宅勤務の従業員は、事務所の近くに住んでいるとは限りません。事務所のある地域で地震があっても、在宅の従業員の地域では何も起きていない、あるいはその逆の場合があります。連絡網には、従業員がどの地域に住んでいるかを、本人の同意のうえで登録しておくと、どの地震のときに誰に確かめればよいかが分かります。

業務委託の外部のメンバーは、従業員とは立場が違います。安否の確認を求める場合も、雇用している従業員と同じ扱いにするのではなく、取引の相手としての連絡に留めるのが筋です。たとえば、「納期に影響が出そうなら知らせてほしい」という連絡を送る、という形です。外部のメンバーを従業員と同じグループに入れる場合は、見える範囲と、返事を求める内容を分けておきます。

運営者として在宅や業務委託の仕事の進み方を長く見てきた限りでは、離れて働く相手とうまく仕事が続いている会社ほど、平時の連絡の窓口がはっきりしています。誰に何を連絡すればよいかが平時から決まっていれば、緊急時にも迷いません。中間の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側と受ける側が直接やりとりする分、こうした窓口の決め方がそのまま信頼の土台になります。

社内の連絡の場を1つにまとめたいときの候補

緊急時だけでなく、普段のお知らせや行事の予定、共有したい写真も含めて、社内の連絡の場を1つにまとめたい小さな事業所には、グループの連絡アプリの Tsudoo も候補の1つです。公式サイトによると、グループの作成、メンバーの追加、写真の保存は無料で、人数やグループの数には今のところ上限を設けていないと案内されています。招待コードを1つ配るだけで参加でき、LINEのアカウントでそのまま入れるため、新しいIDやパスワードを作る必要はありません。投稿とコメント、チャット、予定の告知、新しい投稿のスマートフォンへの通知、申し込みに質問を設けて承認してから参加させる設定などがあり、データは日本国内のサーバーで管理し、毎日バックアップを取っていると書かれています。3分以上の動画は合計30時間まで無料で、超える場合は1グループあたり月額525円(税込)の動画保存プランがあります。一方で、公式サイトの機能の一覧には、地震の情報と連動して自動で安否を問い合わせる機能は挙がっていません。夜間や休日の自動の安否確認が必要な会社は、安否確認システムと組み合わせて考えます。

Tsudooは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

連絡網を作る手順のまとめ方

最後に、無料のアプリで会社の緊急連絡網を作る手順を、順番に整理します。

  1. やりたいこと(一斉に知らせる、無事を確かめる、個別に連絡する)の優先順位を決める
  2. 従業員の人数と勤務の形(在宅、夜勤、拠点の数)を整理する
  3. 無料の範囲で足りる道具を選び、利用規約とプライバシーポリシーを確かめる
  4. 連絡先を集める目的を伝え、必要な項目だけを集める
  5. 返事の形と、返事のない人への連絡の順番を決める
  6. 前もって知らせたうえで、時間外を想定した訓練を行う
  7. 訓練の結果を記録し、次の訓練までに直す
  8. 入社と退職のたびに、連絡網の登録を更新する

手順の中で時間がかかるのは、4つ目の連絡先の収集と、6つ目の最初の訓練です。どちらも、全員の協力が要るためです。まず担当者と経営者だけで道具を試し、手順に無理がないことを確かめてから全員に広げると、従業員に二度手間をかけずに済みます。

8つ目の更新は、最も忘れられやすい手順です。連絡網は作った時点が最も正確で、その後は少しずつ古くなります。入社と退職の手続きの書類に、連絡網の更新の欄を設けておくと、更新の漏れを防げます。

仕事のデータから見る、連絡の仕組みづくりに関わる仕事

緊急連絡網のような社内の連絡の仕組みを整える作業は、外部の専門家の力を借りる場面も多い分野です。仕事の種類ごとのデータから見ておきます。

連絡のアプリや安否確認の仕組みそのものを作る側の仕事として、アプリケーション開発のお仕事では、アプリの開発の進め方と求められるスキルが整理されています。災害時でも止まらない仕組みを作るには、利用者が急に増えても動き続ける設計の知識が求められます。報酬の水準は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的統計をもとにした年収と単価の目安を確認できます。

緊急時に使う画面は、慌てていても迷わずに操作できることが何より大事です。UI/UX・アプリデザインのお仕事では、使いやすい画面を設計する仕事の内容がまとめられています。返事の形を選択式にする、大きな文字で表示するといった工夫は、この仕事の考え方そのものです。

事業継続の計画を経営の視点から整える立場では、中小企業診断士の資格が、中小企業の計画づくりを支援するときの裏付けになります。介護や福祉の事業所では、連絡の仕組みを含めた業務のデジタル化に補助金を使える場合があり、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で制度の概要を確認できます。在宅勤務の環境を整える費用については、テレワーク 助成金 2026で国の助成制度を確かめられます。

無料のアプリは、緊急連絡網を始めるための入り口として十分に役に立ちます。大事なのは、道具を入れたことで安心せず、訓練と更新を続けることです。まずは今月、従業員の連絡先が最新かどうかを確かめるところから始めると、次に何が足りないかが見えてきます。

よくある質問

Q. 会社の緊急連絡網に無料で使えるアプリはありますか?

あります。LINE WORKSのフリープランは、公式の料金ページで会社が無料で30人まで使えると案内されており、トークやアンケートで一斉の連絡と集計ができます。Slackのフリープランも使えますが、メッセージの保存は90日間です。地震の情報と連動して自動で安否を問い合わせる安否確認システムは、無料お試しのあと有料で契約する形が一般的です。

Q. 安否確認システムは無料で使い続けられますか?

多くは無料で使い続ける道具ではなく、無料お試しで操作や機能を確かめてから有料で契約する道具です。たとえばトヨクモの安否確認サービス2は、30日間すべての機能を無料で試せ、初期費用は0円、最低利用期間はないと公式ページで案内されています。継続して使う場合は、プランと人数に応じた料金がかかります。

Q. 従業員の個人のLINEを緊急連絡網に使ってもよいですか?

費用がかからず使い慣れている利点はありますが、私用のアカウントを業務に使うことへの本人の同意を得たうえで行うのが基本です。参加しない人には別の連絡手段を用意し、退職した人をグループから外す手順も決めておきます。誰がいつ無事を報告したかの記録を残したい場合は、アンケートの機能や別の道具を組み合わせます。

Q. 災害用伝言ダイヤル(171)は練習できますか?

練習できます。NTT東日本の案内では、毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日から9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日から1月21日)に体験利用ができ、伝言の録音時間は30秒です。会社の訓練に合わせて、返事のない人への連絡の手順の1つとして試しておくと、本番で迷いません。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月2日最終更新:2026年10月4日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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