第一興商の委託先で個人情報漏えいのおそれ|ビッグエコー会員など約872万件 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓第一興商の情報漏洩のおそれについて
- ✓委託先NCG社の端末のマルウェア感染で
- ✓ビッグエコーやDKダイニングの会員など約8,724,000件の氏名・電話番号などが対象に
株式会社第一興商は2026年10月8日、個人情報の取扱いを委託している日本コロムビアグループ株式会社(以下、NCG社)の従業員の端末がマルウェアに感染し、ビッグエコーやDKダイニングなど同社店舗の会員登録・予約のお客様情報と従業員情報、あわせて約8,724,000件について、氏名(登録名)、性別、生年月日、メールアドレス、電話番号が外部に漏えいしたおそれがあると発表しました。パスワードは含まれていません。利用者がまずすることは、不審なメールやSMS、電話のリンクを開かないこと、そして第一興商がパスワードやカード情報を尋ねることはないと覚えておくことです。
2026年11月1日時点で、第一興商の発表は10月8日の1本で、10月26日に追記が加わっています。追記では、影響を受けた可能性のあるお客様へSMS(ショートメッセージ)などで個別の連絡を順次始めたことと、その送信元の番号が公表されました。件数と項目は10月8日の内容から変わっておらず、実際に外部へ漏えいした事実と不正利用は、追記の時点でも確認されていないと書かれています。補償やお詫びの品については、発表に記載がありません。
この記事では、第一興商の公式発表だけをもとに、対象の件数と項目、届いたSMSの見分け方、利用者がすること、問い合わせ窓口を順に整理します。
第一興商が発表した内容の要点
第一興商の情報漏洩について調べると、「漏えいした」と言い切る見出しと「おそれ」と書く見出しが混ざって出てきます。会社の発表は「漏えいのおそれ」です。まず要点を表にします。
| 項目 | 発表の内容 |
|---|---|
| 発表した会社 | 株式会社第一興商 |
| 発表日 | 2026年10月8日(10月26日に追記) |
| 起きた場所 | 委託先の日本コロムビアグループ株式会社(NCG社) |
| 起きたこと | NCG社の従業員の端末(PC1台)のマルウェア感染 |
| 件数 | 約8,724,000件(お客様情報 約8,631,000件、従業員情報 約93,000件) |
| 漏えいのおそれがある項目 | 氏名(登録名)、性別、生年月日、メールアドレス、電話番号 |
| 含まれない項目 | パスワード |
| 実際の漏えい | 確認されていない(可能性を否定できない) |
| 不正利用 | 確認されていない(ポイントの不正利用も確認されていない) |
| 第一興商のシステム | 影響は確認されていない |
| 個別の連絡 | 10月26日の追記で、SMSなどによる連絡を順次実施と公表 |
ここで押さえておきたいのは、第一興商のシステムが攻撃されたのではなく、委託先の端末で起きた事案だという点です。委託先とは、会社の代わりに業務の一部を請け負っている別の会社のことです。第一興商は、委託した業務に関わる個人データがNCG社の端末に一時的に保管されていたと説明しています。
もう1つは、件数の大きさに比べて、漏えいのおそれがある項目が5つに限られている点です。住所やクレジットカード番号、パスワードは項目に入っていません。何が対象で何が対象でないかを分けて知っておくと、することが絞れます。
発表の本文は、第一興商の公式サイトのお知らせ「委託先における個人情報漏えいのおそれについて」で読めます。題に「追記あり」と付いており、10月26日の追記はこの同じページの末尾に加わっています。
公表の経緯(2026年10月1日から10月26日の追記まで)
発表に書かれている日付を順に並べると、次のとおりです。
| 日付 | 分かったこと |
|---|---|
| 2026年10月1日から10月2日 | NCG社の従業員の端末(PC1台)でマルウェアの感染が判明 |
| 2026年10月2日 | NCG社が当該端末をネットワークから隔離 |
| 2026年10月5日 | NCG社による影響範囲の調査を経て、第一興商がNCG社から報告を受ける |
| 2026年10月8日 | 第一興商が「委託先における個人情報漏えいのおそれについて」を公表 |
| 2026年10月26日 | 追記。影響を受けた可能性のあるお客様へSMSなどで個別の連絡を順次実施と公表し、送信元の番号を掲載 |
感染の判明から公表までは約1週間です。第一興商は、NCG社が認証情報であるパスワード等をリセット済みで、漏えいの有無を含めて原因と被害範囲を調査中だという報告を受けたと説明しています。
10月26日の追記で大事なのは、SMSを送ったことが新しい漏えいの確認を意味しないと、会社がはっきり書いている点です。追記の文は次のとおりです。
なお、今回のSMS送信は、新たに個人情報の漏えいが確認されたことを意味するものではありません。現時点で、実際の外部への情報漏えいおよび本件に起因する不正利用は確認されておりません。 出典: dkkaraoke.co.jp
つまり、SMSが届いた人は「漏えいが確定した人」ではなく、「影響を受けた可能性があるとして連絡を受けた人」です。慌てて何かを解約したり、問い合わせのために個人情報を伝えたりする必要はありません。
なお、第一興商の公式サイトのニュース一覧には、2026年10月22日付で「緊急メンテナンス実施のお知らせ」も掲載されています。本サイトのセキュリティ対策に係るシステムメンテナンスが完了したことと、運営する各種Webサイトでも順次セキュリティ対策を実施していることが書かれていますが、この委託先の事案との関係は書かれていません。2026年11月1日時点で、この事案についての続報(第2報や最終報)は、お知らせ一覧に出ていません。
漏えいのおそれがある項目と含まれない項目
発表に書かれた項目を、漏えいのおそれがあるものと、含まれないと明記されたものに分けます。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいのおそれがある | 氏名(登録名) |
| 漏えいのおそれがある | 性別 |
| 漏えいのおそれがある | 生年月日 |
| 漏えいのおそれがある | メールアドレス |
| 漏えいのおそれがある | 電話番号 |
| 含まれないと明記 | パスワード |
氏名が「登録名」と書かれているのは、会員登録や予約のときに入力した名前という意味です。本名ではなくニックネームで登録していた人は、そのニックネームが対象になります。
パスワードについて、第一興商は次のように説明しています。
なお、漏えいのおそれがある情報にパスワードは含まれておらず、この情報のみでお客様のポイントを利用することはできません。現時点で、ポイントの不正利用も確認されておりません。 出典: dkkaraoke.co.jp
発表には、住所とクレジットカード情報が項目として挙がっていません。ただし、会社は住所とカード情報について「含まれない」と明記しているわけではなく、漏えいのおそれがある項目として挙げていない、という書き方です。この記事でも「項目に入っていない」と書くにとどめます。
5つの項目の組み合わせで起きうることを考えると、いちばん気をつけたいのは、名前と電話番号、メールアドレスがそろっていることです。名前を呼びかけたうえで「ポイントの確認」「予約の変更」「会員情報の更新」などをうたうSMSやメールは、本物らしく見えます。生年月日は、本人確認の質問に使われることがあります。電話で「生年月日を確認させてください」と言われても、それだけで相手を信用しないことが大切です。
対象のブランドと件数の内訳
約8,724,000件の内訳は、ブランドごとに次のように公表されています。
| 区分 | 対象 | 件数 |
|---|---|---|
| お客様情報 | ビッグエコー関連 | 約5,558,000件 |
| お客様情報 | メガビッグ関連 | 約43,000件 |
| お客様情報 | カラオケCLUB DAM関連 | 約74,000件 |
| お客様情報 | バナナクラブ関連 | 約5,000件 |
| お客様情報 | B-GARAGE関連 | 約4,000件 |
| お客様情報 | DKダイニング関連 | 約3,462,000件 |
| お客様情報 | 重複 | 約515,000件を差し引き |
| お客様情報 | お客様情報合計 | 約8,631,000件 |
| 従業員情報 | 従業員情報 | 約93,000件 |
| 総合計 | 約8,724,000件 |
表の「重複」は、複数のブランドに登録している人の分を差し引いた数です。たとえば、ビッグエコーとDKダイニングの両方に会員登録している人は、ブランドごとの数ではそれぞれに数えられますが、お客様情報合計では1件として数え直されています。そのため、ブランドごとの数を単純に合計すると、お客様情報合計より大きくなります。
対象は「当社店舗で会員登録や予約をされたお客様の情報」と書かれています。ビッグエコーの会員アプリや予約サイトを使ったことがある人、DKダイニングの飲食店を予約したことがある人は、対象に入っている可能性があります。ただし、発表は「現時点で判明している範囲」として件数を出しており、どの時期の登録が対象かは書かれていません。何年も前に一度だけ予約した人が含まれるのかどうかは、発表からは分かりません。
従業員情報の約93,000件も、同じ項目が対象です。第一興商の店舗で働いている人、働いていた人は、会員としてだけでなく従業員として対象になっている可能性があります。
件数は会社の表現どおり「約」が付いた数です。会社が公表した合計は約8,724,000件で、これより大きい数字や小さい数字を見かけたら、どの数え方の数字かを確かめてから受け止めてください。
原因:委託先NCG社の端末のマルウェア感染
第一興商の発表によると、原因はNCG社の従業員の端末1台のマルウェア感染です。マルウェアとは、パソコンに入り込んで情報を盗んだり、外から操作できるようにしたりする不正なプログラムのことです。メールの添付ファイルや偽のサイトからの取り込みなど、入り込む経路はいくつもあります。
発表で分かっているのは、次の点です。
- 感染したのはNCG社の従業員の端末(PC1台)
- 感染の判明は2026年10月1日から10月2日にかけて
- 10月2日に端末をネットワークから隔離
- 端末には、第一興商が委託した業務に関する個人データが一時的に保管されていた
- 認証情報であるパスワード等はリセット済み
- 漏えいの有無を含め、原因と被害範囲は調査中
マルウェアがどこから入ったのか、端末に保管されていたデータが実際に外へ送られたのかは、発表の時点で調査中です。第一興商は、NCG社と外部の専門機関による原因調査と再発防止策を確認すると書いています。
「端末に一時的に保管されていた」という点は、委託の仕事をする人にとっても他人事ではありません。会社から預かったデータを作業のために自分のパソコンに取り込み、そのまま残しておくことは、在宅で仕事をする人にも起こりがちです。データが残っている端末が感染すると、そのデータが外に出るおそれが生じます。この点は、後の「在宅で仕事をする人が気をつけること」の節でも取り上げます。
第一興商の対応と、10月26日のSMSによる個別連絡
発表に書かれている第一興商の対応は、次のとおりです。
- 引き続き状況を監視し、不正利用の兆候を確認した場合は必要な措置を講じる
- 念のため、第一興商が利用するシステムの点検を進めている
- NCG社と外部の専門機関による原因調査と再発防止策を確認する
- 委託先管理のあり方を検証し、必要な強化策を講じる
- 新たな事実が判明した場合は、対象の範囲や対応策を含めて速やかに知らせる
- お客様向けの問い合わせ窓口(電話とメール)を設けた
- 10月26日の追記で、影響を受けた可能性のあるお客様へSMSなどで個別の連絡を順次実施と公表
補償やお詫びの品、ポイントの付与については、2026年11月1日時点の発表に記載がありません。ほかの会社の事案では、お詫びとしてポイントやクーポンを配った例もありますが、第一興商が同じことをするかどうかは発表からは分かりません。補償の考え方や、これまでの例については、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で、利用者が確かめることを整理しています。
SMSの送信元の番号は、携帯電話会社によって表示が違うと公表されています。
| 携帯電話会社 | 送信元の表示 |
|---|---|
| NTTドコモ、au、楽天モバイル | 05036052572 |
| ソフトバンク | 247473 |
「05036052572」は、国番号が付いて「+815036052572」と表示される場合があるとも書かれています。そのうえで第一興商は、送信元の番号だけでSMSが正しいものだと保証することはできないとして、不審なSMSやURLに注意するよう求めています。
ここは大切なところです。偽のSMSは、送信元の表示を本物に似せたり、本物と同じ会話の流れに混ぜ込んだりして届くことがあります。番号が合っていても、本文のリンクを押して個人情報やカード情報を入力するのは避けてください。
届いたSMSやメールが本物かを見分ける方法
第一興商の発表は、利用者へのお願いとして次のように書いています。
不審なメール、SMS、お電話などには十分ご注意いただき、身に覚えのないリンクや添付ファイルを開かないようお願い申し上げます。 また、当社からパスワードやクレジットカード情報などをお伺いすることはございません。 出典: dkkaraoke.co.jp
これを手がかりに、届いた連絡を見分ける順番を整理します。
- パスワードやクレジットカード情報を求めていないかを見る。求めていたら、第一興商を名乗っていても偽物と考えます
- リンクを押す前に、送信元の番号を発表の番号と照らし合わせる。ただし、番号が合っていても、それだけで本物とは判断しません
- 「ポイントが失効します」「本日中に手続きを」など、急がせる言葉がないかを見る。期限で急がせるのは偽の連絡によくある書き方です
- 内容を確かめたいときは、届いたSMSやメールのリンクではなく、自分で第一興商の公式サイトを開き、お知らせのページから確かめる
- それでも分からないときは、公式サイトに載っているお客様向けの窓口に、自分で電話やメールをする
電話で連絡が来た場合も同じです。相手が第一興商や委託先を名乗っても、カード番号やパスワード、銀行口座を聞かれたら答えずに切り、公式サイトの窓口に自分から問い合わせます。
SMSの本文とURLで偽物を見分ける具体的な手順は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で、よくある文面の例と一緒に紹介しています。
自分が対象かを確かめる方法
自分が対象かどうかを確かめる手がかりは、3つあります。
- 第一興商からのSMSなどによる個別の連絡が届いているか
- ビッグエコー、メガビッグ、カラオケCLUB DAM、バナナクラブ、B-GARAGE、DKダイニングのいずれかで、会員登録や予約をしたことがあるか
- 第一興商の店舗で働いている、または働いていたことがあるか
個別の連絡は「順次実施」と書かれているので、2026年11月1日時点でまだ届いていない人もいる可能性があります。連絡が届いていないことだけで、対象ではないと決めることはできません。
自分が対象かを窓口に問い合わせるときは、公式サイトに載っている電話番号かメールアドレスを使います。SMSやメールの本文に書かれた番号やアドレスではなく、公式サイトで自分で確かめた連絡先を使うのが安全です。問い合わせのときにパスワードやカード番号を伝える必要はありません。会社は、パスワードやクレジットカード情報を尋ねることはないと書いています。
個別の連絡のSMSが届いた人は、すぐに削除せず、しばらく残しておくと役に立ちます。後から同じ送信元を名乗る別のSMSが届いたときに、文面や書き方を見比べられるからです。最初に届いたSMSと比べて、急にリンクが増えた、支払いや入力を求めるようになった、という変化があれば、偽の連絡を疑う手がかりになります。
登録しているメールアドレスが、ほかの事案で漏えいしていないかを調べたい人は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で、調べ方と結果の読み方を確かめられます。ただし、今回の事案は実際の漏えいが確認されていない段階なので、このサービスで今回の件が出てくるわけではありません。
利用者がすること(項目に合わせて)
漏えいのおそれがある5つの項目に合わせて、することを絞ります。パスワードは含まれていないので、今回の件だけを理由に急いでパスワードを変える必要はありません。とはいえ、同じメールアドレスで多くのサービスに登録している人は、この機会に見直しておくと安心です。
電話番号について
- 第一興商や店舗を名乗るSMSのリンクを、すぐに押さない
- 知らない番号からの電話で、カード番号、暗証番号、パスワードを聞かれたら答えずに切る
- 携帯電話会社の迷惑SMSの受信を拒否する設定を確かめる
電話番号が漏れたときに起きうることと、迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で順番に整理しています。
メールアドレスについて
- 第一興商や店舗をかたるメールの、リンクと添付ファイルを開かない
- 差出人の名前だけで判断せず、内容を公式サイトのお知らせと照らし合わせる
- ビッグエコーなどの会員アプリに登録しているメールアドレスを、ほかのサービスのログインにも使っている場合は、そのサービスでの二段階認証を有効にする
二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号などを入力しないとログインできないようにする仕組みのことです。メールアドレスとパスワードを知られても、それだけでは入れなくなります。
氏名、性別、生年月日について
- 名前を呼びかけてくる連絡でも、それだけで本物と思わない
- 生年月日を本人確認に使っているサービスでは、ほかの確認の方法も設定しておく
- 生年月日をパスワードや暗証番号に使っている場合は、別のものに変える
生年月日を暗証番号にしている人は、意外と多いものです。今回の事案で生年月日が漏えいしたと確認されたわけではありませんが、漏えいのおそれがある項目に入っている以上、銀行のキャッシュカードやスマートフォンのロックなどで生年月日を使っていないかを、この機会に見直しておくとよいでしょう。
ポイントについて
第一興商は、漏えいのおそれがある情報だけでポイントを利用することはできないと説明しています。ポイントの残高や利用履歴は、会員アプリや公式サイトで、自分でログインして確かめます。SMSやメールのリンクからログインするのは避けてください。
偽の連絡に情報を入力してしまったときの手順
第一興商を名乗るSMSやメールのリンクを押し、表示されたページに何かを入力してしまった場合は、入力したものに合わせて、早いうちに手を打ちます。2026年11月1日時点で、第一興商は本件に起因する不正利用を確認していないと発表していますが、偽の連絡は事案の報道を見た第三者が便乗して送ることもあります。入力してしまったら、本物かどうかの判断は後回しにして、次の順で動きます。
- クレジットカードの番号や有効期限、セキュリティコードを入力した場合は、カードの裏面に書かれたカード会社の電話番号に連絡し、利用の停止と再発行を相談する
- パスワードを入力した場合は、そのパスワードを使っているサービスすべてで、公式のアプリやサイトから変更する。同じパスワードを使い回していたサービスも忘れずに変える
- 携帯電話の番号とSMSで届いた認証コードを入力した場合は、携帯電話会社の公式の窓口に連絡し、契約や回線の状態を確かめる
- 銀行の口座番号や暗証番号を入力した場合は、銀行の公式の窓口に連絡し、口座の利用を止める手続きを相談する
- 入力した日時、届いたSMSやメールの画面、表示されたページのアドレスを、画面の写しで記録しておく
順番を迷ったら、お金に直結するもの(カード、銀行)から先に止めます。パスワードの変更は、メールアドレスのアカウントを最初にするのが基本です。メールのアカウントを取られると、ほかのサービスのパスワードを再設定するメールまで相手に届いてしまうからです。
パスワードを入力してしまったときの変更の順番と、使い回しの見直し方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく整理しています。
記録は、カード会社や携帯電話会社に説明するときに役立ちます。届いたSMSは、記録をとった後に削除してかまいません。削除の前に、送信元の表示と本文、届いた日時が写っているかを確かめておきます。
入力していない、リンクを押しただけ、という場合は、表示されたページを閉じれば足りることが多いです。ただし、ページを開いたときにアプリの取り込みを求められ、許可してしまった場合は別です。見覚えのないアプリが増えていないかを確かめ、増えていたら削除し、携帯電話会社の窓口に相談します。
家族の分も登録している場合に確かめること
ビッグエコーやDKダイニングの予約を、家族の名前や電話番号で入れたことがある人もいるはずです。会員登録をしたのが本人でなくても、予約のときに入力した家族の名前や電話番号が、対象になっている可能性があります。第一興商の発表は「当社店舗で会員登録や予約をされたお客様の情報」と書いており、予約をしただけの人も対象に含まれうる書き方です。
家族の中でも、とくに声をかけておきたいのは、スマートフォンのSMSに慣れていない人です。カラオケの会員アプリを家族に入れてもらった高齢の親や、予約を代わりに入れた子どもは、自分の情報が対象になっているかもしれないと気づいていないことがあります。次の3つを短く伝えておくと、偽の連絡に引っかかりにくくなります。
- 第一興商は、パスワードやクレジットカード情報を尋ねることはないと発表していること
- 第一興商を名乗るSMSや電話が来ても、リンクを押したり、その場で番号やカードの情報を伝えたりしないこと
- 分からないときは、家族に見せてから判断すること
店舗で働いている家族がいる場合は、従業員情報の約93,000件の対象になっている可能性もあります。従業員として登録した電話番号やメールアドレスにも、同じ項目のおそれがあると考えて、偽の連絡に気をつけてもらいます。
家族の連絡先を代わりに登録すると、その人の情報を預かる立場になります。今回のように、本人が知らないところで情報が対象になることもあるので、家族の分を登録したときは、そのことを本人に伝えておくと、こうした事案のときに慌てずに済みます。
第一興商の問い合わせ窓口
発表に載っているお客様向けの窓口は、次のとおりです。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | お客様からのお問い合わせ窓口 |
| 電話番号(フリーダイヤル) | 0120-732-079 |
| 受付時間 | 午前10時から午後5時(土・日・祝日を除く) |
| メール | [email protected] |
電話がつながりにくい場合は、メールでも問い合わせができると書かれています。報道関係者向けの窓口は別に設けられていますが、お客様はお客様向けの窓口に連絡するよう案内されています。
問い合わせの前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。
- 登録していたブランド(ビッグエコー、DKダイニングなど)
- 登録していた電話番号とメールアドレス
- 届いたSMSやメールがあれば、届いた日時と送信元の表示
会社が個人情報の扱いの相談に応じない場合や、どこに相談すればよいか分からない場合は、個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」があります。電話番号は03-6457-9849、受付時間は9時30分から17時30分(土日祝日と年末年始を除く)で、相談は電話だけで受け付けていると案内されています。法律に違反するかどうかの判断を求める相談には応じていないとも書かれています。
在宅で仕事をする人が気をつけること
ビッグエコーなどの会員登録に使ったメールアドレスや電話番号を、仕事の連絡にも使っている人は少なくありません。在宅で仕事を請け負う人は、偽の連絡が取引先に広がる経路を断つ立場でもあります。
まず、仕事用の電話番号やメールアドレスに届いた不審なSMSやメールを、取引先にそのまま転送しないことです。注意を呼びかけるつもりでも、転送したメッセージのリンクを相手が押してしまうことがあります。共有するときは、リンクを外して文面だけを伝えるか、画面の写しを使います。
次に、今回の事案の原因から学べることがあります。第一興商の発表では、委託先の端末に、委託した業務の個人データが一時的に保管されていました。在宅で仕事をする人も、取引先から顧客の名簿や問い合わせの記録などを預かり、作業のために自分のパソコンに取り込むことがあります。作業が終わったら、預かったデータを取引先の決めた方法で返すか削除し、自分の端末に残さないようにします。端末のOSやセキュリティ対策のソフトを最新にしておくこと、知らない添付ファイルを開かないことも、基本の備えです。
取引先の個人データを預かっている立場で、自分の端末がマルウェアに感染した疑いがあるときは、すぐに取引先に知らせます。個人情報保護委員会は、事業者が個人データの漏えい等(そのおそれを含む)を委員会へ報告しなければならない場合として、次のようなものを挙げています。
- 要配慮個人情報(扱いに特に配慮が要るとして法律で定められた情報)が含まれる場合
- 不正に利用されると財産的な被害が生じるおそれがある場合
- 不正の目的をもって行われたおそれがある行為による場合
- 本人の数が1,000人を超える場合(行政機関等は100人を超える場合)
不正の目的をもって行われたおそれがある行為の例として、マルウェアに感染したコンピュータに不正な指令が送られ、通信が確認された場合が挙げられています。不正な目的によるおそれがある場合の報告の期限は、発覚した日から60日以内です。委員会のページには、報告の記入例として「委託先事例」も用意されています。
個人で仕事を請け負っている人も、仕事で顧客の個人情報を扱っていれば、この決まりに関わる立場になりえます。ただし、個別の事案が報告の対象になるかどうかは状況で変わります。自分で判断がつかないときは、取引先と相談したうえで、個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページで考え方を確かめてください。
社内やチームで偽メールへの備えを共有したい人には、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。訓練メールの作り方と、結果の読み方を紹介しています。
委託先で起きた事案の受け止め方
今回の事案は、利用者が直接やり取りしている第一興商ではなく、その委託先で起きました。利用者から見ると、委託先の名前を初めて聞くことも多く、何が起きたのかが分かりにくくなりがちです。こうした事案に向き合うときは、次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。
- 何が対象になっているか(氏名、性別、生年月日、メールアドレス、電話番号の5項目)
- 何が確認されているか(端末のマルウェア感染。実際の漏えいと不正利用は確認されていない)
- 何が調査中か(漏えいの有無、原因、被害範囲)
対象の項目が分かっていれば、最悪の場合に何が外に出うるかの見当がつき、それに合わせた備えができます。今回は、名前と連絡先がそろっていることから、SMSやメール、電話を使った偽の連絡への備えが中心になります。パスワードとカード情報は項目に入っていないので、カードの再発行のような手続きまでは要りません。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、仕事の連絡をスマートフォンで受ける人ほど、SMSで届く「確認のお願い」に反応しやすい傾向があります。仕事の連絡と同じ画面に偽の通知が並ぶと、つい続けて押してしまうからです。リンクを押す前にひと呼吸おき、公式サイトから確かめる。この一手間を習慣にしている人は、取引先からも安心して仕事を任されやすくなります。
セキュリティの知識は、それ自体が仕事にもなります。社内の端末の管理やフィッシング対策の支援、従業員向けの教育の資料づくりは、在宅でも請け負える分野です。セキュリティを含む仕事の内容と求められる力は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、案件の種類ごとに紹介しています。ネットワークの基礎から学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の解説で、試験の範囲と学び方を確かめられます。
第一興商は、調査の進展で新たな事実が判明した場合は、対象の範囲や対応策を含めて速やかに知らせるとしています。続報が出たら、件数と項目に変わりがないか、実際の漏えいが確認されたかどうかを、第一興商の公式サイトのお知らせで確かめてください。
よくある質問
Q. 第一興商の件で、個人情報は漏えいしたのですか?
第一興商の発表は「漏えいのおそれ」です。2026年10月26日の追記の時点でも、実際に外部へ漏えいした事実と、本件に起因する不正利用は確認されていないと書かれています。委託先のNCG社の端末がマルウェアに感染し、端末に保管されていた個人データが漏えいした可能性を否定できない、という段階の発表です。
Q. 第一興商からSMSが届きました。本物ですか?
第一興商は、影響を受けた可能性のあるお客様にSMSなどで個別の連絡を順次実施しており、送信元はNTTドコモ、au、楽天モバイルでは05036052572、ソフトバンクでは247473と公表しています。ただし、番号だけで正当性は保証されないとも書いています。パスワードやカード情報を求める内容なら偽物と考え、リンクは押さずに公式サイトから確かめてください。
Q. パスワードを変える必要はありますか?
第一興商の発表では、漏えいのおそれがある情報にパスワードは含まれておらず、その情報だけでポイントを利用することはできないと説明されています。今回の件だけを理由に急いで変える必要はありませんが、同じメールアドレスとパスワードを多くのサービスで使い回している人は、この機会に見直し、二段階認証を有効にしておくと安心です。
Q. 第一興商の問い合わせ先はどこですか?
お客様からのお問い合わせ窓口は、フリーダイヤル0120-732-079で、受付時間は午前10時から午後5時(土・日・祝日を除く)です。メールは[email protected]で、電話がつながりにくい場合はメールでも問い合わせができると案内されています。SMSに書かれた連絡先ではなく、公式サイトで確かめた窓口を使ってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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