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ユナイテッドアローズの情報漏えい|元従業員による持ち出しで広報・PRの取引先関係者 約1万人 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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ユナイテッドアローズの情報漏えい|元従業員による持ち出しで広報・PRの取引先関係者 約1万人 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓ユナイテッドアローズの情報漏洩として検索される件を
  • ✓2026年3月16日の公式発表(3月17日に情報更新)で整理
  • ✓元従業員がクラウドサーバーシステムの外部連携機能を使って広報・PR活動に係る取引先関係者の個人情報約1万人分を持ち出した件の経緯

ユナイテッドアローズの情報漏洩として検索されている件は、株式会社ユナイテッドアローズが2026年3月16日に公表し、3月17日に情報を更新した「お取引先様の個人情報漏えいに関するお詫びとご報告」です。2025年12月31日付で退社した元従業員が、会社が使うクラウドサーバーシステムの外部連携機能を使って、広報・PR活動に係る取引先関係の個人情報を含むリストや資料の一部を持ち出していたという内容で、件数は約1万人、項目は氏名、勤め先企業名、所属部署、所属部署電話番号、メールアドレス、事業場の住所、事業用電話番号(氏名以外は人によって異なる)です。2026年11月1日時点で、ユナイテッドアローズのニュースの一覧を見る限り、3月17日の情報更新のあとに新しい報告は出ていません。発表では、持ち出された情報が第三者に開示・譲渡・漏えいされていないことなどを確認し、二次被害やそのおそれはないと考えているとしています。補償やお詫びの品については発表に書かれておらず、問い合わせはメールの窓口で受け付けています。

対象かもしれない人がまずすることは、自分がユナイテッドアローズの広報・PR活動の取引先としてやりとりしたことがあるかを確かめること、そして気になる点があればメールの窓口に問い合わせることです。

発表は「お取引先様各位」に宛てたもので、店舗やオンラインストアで買い物をした客は、対象として挙げられていません。

この記事は、2026年11月1日時点でユナイテッドアローズの公式発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道で出ている推測や、発表に書かれていない事情は入れていません。

ユナイテッドアローズで何が起きたのか

今回の件は、外部からの不正アクセスではなく、元従業員による情報の持ち出しです。発表も「元従業員の持出しによる」「個人情報漏えい」という言葉を使っています。

発表の骨子は次のとおりです。

  • 2025年12月31日付で退社した元従業員が、会社が使うクラウドサーバーシステム上の外部連携機能を使って、電子データをアップロードした
  • 持ち出されたのは、個人情報を含む取引先のリストや、広報・PR活動の取引に関する資料の一部
  • 元従業員は、退職前に個人のメールアドレスへリンクを送り、退職後の2026年1月4日に、それらを外部のパソコンにダウンロードして持ち出した
  • 2026年1月6日に、この事実が判明した
  • 件数は約1万人
  • 外部機関の調査などの結果、二次被害やそのおそれはないと考えているとしている
  • 個人情報保護委員会へ2026年3月9日付で報告済み

ここで出てくる言葉を、先に言い換えておきます。クラウドサーバーシステムとは、会社の機械ではなく、インターネットの向こうにある事業者の設備にファイルを保存して使う仕組みのことです。外部連携機能とは、そこに保存したファイルを、会社の外の人や別のサービスとやりとりするための機能と読めます。発表には、使われていたサービスの名前や機能の細かい中身は書かれていないので、この記事でもそれ以上は推測しません。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

発表には、判明から調査結果までの経緯が日付ごとに書かれています。

日付 出来事
2025年12月31日 元従業員が退社
2026年1月4日 元従業員が、退職後に外部のパソコンにデータをダウンロードして持ち出す
2026年1月6日 持ち出しが判明
2026年1月7日 元従業員に対面で事情聴取。元従業員が事実を認める。貸与していたパソコンと個人のパソコンの計2台を外部機関が調査
2026年1月9日 転職先と面談。転職先で元従業員に貸与されたパソコンの調査に協力するとの承諾を得る
2026年1月19日 警察に、漏洩した資料を持参し、対応方法について相談(3月17日の情報更新で追記)
2026年2月27日 外部機関の調査の結果、2台のパソコンで元従業員によるデータの使用実績がないこと、元従業員以外に閲覧の可能性がないことを確認
2026年3月9日 個人情報保護委員会へ報告
2026年3月16日 発表
2026年3月17日 情報を更新
2026年11月1日時点 続報なし。ニュースの一覧に、3月17日の情報更新のあとの報告は見当たらない

発表の題には「【3/17情報更新】」と付いています。発表の本文では、1月19日の警察への相談の行に「【3/17情報更新】」と書かれており、この行が3月17日に加わったと読めます。

弊社の元従業員(2025年12月31日付退社)が、弊社が使用するクラウドサーバーシステム上の外部連携機能を利用して、電子データ(個人情報を含むお取引先様リストや広報・PR活動のお取引に関する資料の一部)をアップロード、退職前に個人のメールアドレスへリンクを送付し、退職後の2026年1月4日にそれらを外部PCにダウンロードして持ち出したことが判明いたしました。 出典: 株式会社ユナイテッドアローズ「【3/17情報更新】お取引先様の個人情報漏えいに関するお詫びとご報告」

2月27日の調査結果の段階で、転職先で元従業員に貸与されたパソコンについては、外部機関から外部への流出の可能性は低いとの見解を得ているものの、引き続き調査を実施する予定とされていました。この調査の結果が公表されたかどうかを、2026年11月1日時点でニュースの一覧で確かめましたが、続報は見当たりませんでした。

漏えいした情報の項目と件数

区分 内容
漏えい等が発生した情報の項目(発表に記載) 氏名、勤め先企業名、所属部署、所属部署電話番号、メールアドレス、事業場の住所、事業用電話番号
人による違い 氏名以外の項目は、対象者によって異なる
件数 約1万人
会社が「含まれない」と明記した項目 発表に明記はない

項目は、どれも仕事の連絡先に関わるものです。発表に書かれているのは、勤め先や所属部署、事業場の住所、事業用の電話番号で、自宅の住所や個人の電話番号は項目に挙げられていません。メールアドレスについては、仕事のものか個人のものかは発表に書かれていません。

対象は、広報・PR活動に係る取引先関係の人です。発表には、どの業種や職種の人が何人含まれるかといった内訳は書かれていません。この記事でも、内訳は推測しません。自分が広報・PR活動の仕事でユナイテッドアローズとやりとりしたことがあるかどうかで考えてください。

件数は「約1万人」です。「約」が付いているとおり、端数まで確定した数字としては示されていません。この記事でも、発表の「約1万人」のまま書きます。

持ち出しと不正アクセスの違い

情報漏えいのニュースには、外部の第三者がシステムに侵入する不正アクセスの件と、今回のように内部の人が情報を持ち出す件があります。2つは、起きることと、確かめることが違います。

点 外部からの不正アクセスの件 今回の元従業員による持ち出しの件
情報を持ち出した人 分からないことが多い 元従業員と分かっており、本人が事実を認めた
情報の行き先 分からないことが多い 元従業員の外部のパソコンと分かっている
調査の進め方 侵入の経路や痕跡を調べる 本人への事情聴取と、持ち出し先のパソコンの調査
二次被害の見通し 時間がたってから分かることがある 会社は、使用や第三者への開示がないことを確認したとしている

今回の件では、持ち出した人と持ち出し先が分かっており、会社は本人と転職先に当たって、パソコンの調査と情報の削除を進めています。外部からの不正アクセスの件と比べると、情報の行き先が追えている点が違います。そのため、対象の人がすることも、普段どおりの用心が中心になります。

持ち出しの流れを順に見る

発表の経緯を、データがどう動いたかの順に並べ直すと、次のようになります。

  1. 元従業員が在籍中に、会社のクラウドサーバーシステムに、取引先のリストや広報・PR活動の取引に関する資料の一部をアップロードした
  2. 元従業員が、外部連携機能を使って、それらのデータを取り出せるリンクを作り、退職前に個人のメールアドレスへ送った
  3. 元従業員が2025年12月31日付で退社した
  4. 退職後の2026年1月4日に、元従業員が個人のメールに届いていたリンクから、外部のパソコンにデータをダウンロードした
  5. 2026年1月6日に、会社がこの事実を把握した

この流れで大事なのは、3つの段階がそれぞれ別の時点で起きていることです。アップロードとリンクの送付は在籍中、ダウンロードは退職後です。会社のアカウントが退職で止まっていても、在籍中に作られたリンクが使える状態だった、と読めます。

どのような仕組みで1月6日に判明したかは、発表に書かれていません。判明から事情聴取まで1日、転職先との面談まで3日と、発表の日付からは、判明のあとすぐに本人と転職先に当たったことが分かります。

項目ごとに考えておきたいこと

項目 起きうること 備え
氏名・勤め先企業名・所属部署 名前と勤め先を出して信用させる連絡 名前や勤め先を知っていることだけで相手を信用しない
メールアドレス 取引先を名乗るメールが届く 差出人のドメインを見る。URLや添付ファイルを開く前に確かめる
所属部署電話番号・事業用電話番号 取引先を名乗る営業や問い合わせの電話 用件を聞いてから、知っている番号でかけ直す
事業場の住所 取引先を名乗る郵便物 差出人の連絡先を、公式の情報と照らし合わせる

どの項目も、仕事の名刺に書かれているような情報です。名刺の情報は、もともと仕事の相手に渡しているものなので、それだけで大きな被害が出るとは考えにくい一方、取引先を装う連絡の材料にはなりえます。普段の仕事のメールや電話で、相手を確かめる習慣をつけておけば、この件に限らず役に立ちます。

原因についてユナイテッドアローズが説明していること

発表に書かれている原因は、次の2つです。

  1. 元従業員に、取引情報や個人情報の重要性に対する認識が不足していたこと
  2. 会社として、情報の外部持ち出しを防ぐ措置が十分とは言えなかったこと

持ち出しの手順は、発表の経緯に書かれています。元従業員は在籍中に、クラウドサーバーシステムの外部連携機能を使ってデータをアップロードし、退職前に個人のメールアドレスへリンクを送りました。そして退職後の2026年1月4日に、そのリンクから外部のパソコンにダウンロードしました。退職したあとも、在籍中に作ったリンクからデータを取り出せる状態だったことになります。

発表に書かれていないこととして、元従業員がデータを持ち出した理由、どのサービスのどの機能が使われたか、なぜ判明したかがあります。これらは、2026年11月1日時点で公表されていません。報道や解説記事の中には理由を推測しているものもありますが、この記事では書きません。

ユナイテッドアローズの対応と調査の結果

発表に書かれている対応は次のとおりです。

  • 判明の翌日に、元従業員に対面で事情を聴き、元従業員が事実を認めた
  • 元従業員に貸与していたパソコンと、元従業員の個人のパソコンの計2台について、外部機関が調査した
  • 元従業員から、持ち出した情報を使っていないことを確認した
  • 転職先と面談し、転職先で元従業員に貸与したパソコンの調査に協力するとの承諾を得た
  • 転職先について、漏洩に関わっておらず、元従業員が持ち出した情報を使っていないことを確認した
  • 警察に、漏洩した資料を持参し、対応方法を相談した
  • 個人情報保護委員会へ報告した
  • 調査を続けている転職先のパソコンを含めて、情報の削除に対応している

2026年2月27日の外部機関の調査の結果として、2台のパソコンで元従業員によるデータの使用実績がないこと、元従業員以外にデータを閲覧できた可能性がないことを確認したとしています。

二次被害については、2台のパソコンと転職先のパソコンから第三者への開示、譲渡、漏えい等が行われていないこと、元従業員と転職先が持ち出した情報を使っていないことを確認したため、二次被害やそのおそれはないと考えているとしています。

再発防止策として、適切なアクセス制限を含むシステムのセキュリティ強化、監視体制の見直し、社員教育の徹底を挙げています。補償やお詫びの品については、発表に書かれていません。発表に無いことは、この記事でもあるとは書きません。情報漏えいの事案でお詫び金やポイントが出た例と、利用者が確かめることは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で説明しています。

外部機関の調査で確かめられたことと、続いている調査

発表の中で、外部機関の調査について書かれていることを整理すると、次のとおりです。

対象 調査の状況 結果
元従業員に貸与していたパソコン 外部機関が調査 元従業員によるデータの使用実績がない。元従業員以外に閲覧の可能性がない
元従業員の個人のパソコン 外部機関が調査 同上
転職先で元従業員に貸与されたパソコン 転職先の承諾を得て調査。2月27日の時点で引き続き調査を実施予定 外部機関から、外部への流出の可能性は低いとの見解

最初の2台は、2026年2月27日の時点で調査の結果が出ています。3台目の転職先のパソコンは、外部への流出の可能性は低いとの見解を得たうえで、引き続き調査するとされています。発表の二次被害の欄では、転職先のパソコンも含めて、第三者への開示、譲渡、漏えい等が行われていないことを確認したとしており、継続調査中の転職先のパソコンを含めて情報の削除に対応中とも書かれています。

「流出の可能性は低い」は、「流出していない」と言い切った表現ではありません。また、転職先のパソコンの調査の最終的な結果は、2026年11月1日時点で公表されていません。この記事では、発表の言い方のまま書いています。

自分が対象かを確かめる方法

対象になりうるのは、ユナイテッドアローズの広報・PR活動の取引先として、連絡先をやりとりしたことがある人です。確かめるときは、次の順番で見ると迷いません。

  1. 自分や自分の勤め先が、ユナイテッドアローズの広報・PR活動に関わる仕事をしたことがあるかを思い出す
  2. ユナイテッドアローズの広報の担当者と、名刺やメールで連絡先をやりとりしたことがあるかを確かめる
  3. 勤め先の会社が、この件についてユナイテッドアローズから連絡を受けていないかを、社内で確かめる

発表は「お取引先様各位」に宛てた形で公開されています。個別に通知を送っているかどうかは、発表に書かれていません。勤め先の会社あてに連絡が来ている場合もありうるので、社内の広報や総務の部署にも確かめておくと見落としを防げます。そのため、通知が届いていないことだけで、対象でないとは言い切れません。

問い合わせ先は次のとおりです。

発表に載っている窓口はメールのみで、電話番号や受付時間は書かれていません。問い合わせのときは、自分の氏名、勤め先、ユナイテッドアローズとやりとりしていた時期と内容(広報・PR活動のどの仕事か)を書いておくと、窓口の側で調べやすくなります。

窓口に問い合わせるときの書き方

この件の窓口はメールのみなので、問い合わせのメールに何を書くかで、返事までの時間が変わります。次の内容を書いておくと、窓口の側で調べやすくなります。

  • 件名:お取引先様の個人情報漏えいの件(2026年3月16日公表)
  • 自分の氏名
  • 勤め先の企業名と所属部署
  • ユナイテッドアローズとやりとりしていた時期
  • やりとりの内容(広報・PR活動のどの仕事か)
  • 知りたいこと(自分が対象か、どの項目が含まれるか、など)
  • 返事を受け取りたい連絡先

問い合わせのメールには、パスワードや口座の情報を書かないでください。窓口がそれらを求めることは、発表のどこにも書かれていません。

送り先は、発表に載っている [email protected] です。アドレスは、発表のページから写して使うと、打ち間違いを防げます。ユナイテッドアローズを名乗るメールが届いて、それに返信する形で問い合わせるのではなく、新しいメールを作って送ると、偽の差出人に返事をしてしまう心配がありません。

対象かもしれない人がすること

仕事の連絡先に届く不審な連絡に用心する

発表では、二次被害やそのおそれはないと考えているとしています。それでも、仕事の連絡先が一度外に出たことに変わりはないので、見慣れない連絡には普段どおりの用心をしておくと安心です。特に、次のような連絡には気をつけてください。

  • ユナイテッドアローズや、そのブランドの広報を名乗って、新しい取引や企画を持ちかけるメールや電話
  • 請求書の送付や、振込先の変更を知らせるメール
  • 添付ファイルを開くよう促すメール

こうしたメールが届いたら、本文のURLや添付ファイルを開く前に、差出人のアドレスを見て、普段やりとりしている相手と同じかを確かめてください。少しでもおかしいと感じたら、普段使っている連絡先で、相手に直接確かめます。

勤め先にも共有しておく

項目は勤め先企業名や所属部署、事業場の住所など、会社に関わる情報です。自分が対象かもしれないと思ったら、勤め先の情報管理の担当者にも共有しておくと、会社として不審な連絡に備えられます。

しなくてよいこと

発表の項目に、パスワード、口座、クレジットカードの情報は挙げられていません。この件だけを理由に、それらの手続きを急ぐ必要は示されていません。自宅の住所や個人の電話番号も項目に挙げられていないので、自宅に届く郵便や個人の携帯電話について、この件だけを理由に特別な手当てをする必要は示されていません。メールアドレスを変える必要があるかどうかも、発表には書かれていません。見慣れない営業のメールが増えて困るといったことが起きたときに、勤め先の情報管理の担当者と相談すれば十分です。また、店舗やオンラインストアで買い物をしただけの人は、発表の対象として挙げられていません。

仕事の連絡先が知られたときの偽メールの見分け方

項目に、氏名、勤め先企業名、所属部署、メールアドレス、事業場の住所、事業用電話番号が並んでいるので、仕事のやりとりに見えるメールを作るための材料はそろっていることになります。発表では二次被害やそのおそれはないと考えているとされていますが、仕事の連絡先あてのメールを見分ける手順は、身につけておいて損はありません。

  1. 差出人の名前ではなく、アドレスのドメイン(@より後ろの部分)を見る。普段やりとりしている相手と違うドメインなら、まず疑う
  2. 本文に、急がせる言葉(本日中、至急、締め切り直前など)がないかを見る
  3. 振込先の変更や、新しい支払いの依頼が書かれていたら、メールに書かれていない連絡先で相手に確かめる
  4. URLを開かず、文字の上にカーソルを合わせたときに表示される行き先を見る
  5. 添付ファイルは、送り主に心当たりがある場合でも、拡張子や件名が普段と違わないかを見てから開く

3つめは、取引先どうしのやりとりで特に気をつけたい点です。取引先を装って振込先の変更を知らせ、お金をだまし取ろうとする手口は、仕事の連絡先が知られている相手ほど本物らしく見えやすいからです。送信元のなりすましを防ぐ仕組みについては、会社の情報システムの担当者に、自社のメールで送信ドメインの認証が設定されているかを聞いておくと安心です。送信ドメインの認証とは、メールが本当にその会社のサーバーから送られたかを、受け取った側で確かめられるようにする仕組みのことです。SPFやDKIMと呼ばれる方法の考え方は、フリーランスのメールセキュリティ2026|なりすまし被害を防ぐSPF/DKIMで説明しています。個人で仕事をしている人も、独自のドメインのメールアドレスを使っている場合は、同じ設定が取引先からの信頼につながります。

店舗やオンラインストアの客が知っておきたいこと

ユナイテッドアローズの名前で「情報漏洩」と検索すると、自分の買い物の情報が漏れたのではと心配になる人もいるはずです。今回の発表の対象は、広報・PR活動に係る取引先関係の人で、項目も勤め先や所属部署など仕事の連絡先です。店舗やオンラインストアの客の情報が含まれるとは、発表のどこにも書かれていません。

ただし、この件をきっかけに、ユナイテッドアローズを名乗って「お客様の情報が漏えいしました」「本人確認のためにログインしてください」と知らせるメールやSMSが届くことはありえます。そうした連絡が届いても、本文のURLを開かず、ユナイテッドアローズの公式サイトから自分で確かめてください。

フィッシングメールとは、実在の会社を装って偽のサイトに誘い込み、パスワードやカード番号を入力させようとするメールのことです。見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。

退職者による持ち出しを防ぐために会社が確かめておくこと

今回の件は、退職前に用意したリンクから、退職後にデータを取り出せる状態だったことが特徴です。ユナイテッドアローズは、再発防止策として、適切なアクセス制限を含むシステムのセキュリティ強化、監視体制の見直し、社員教育の徹底を挙げています。

クラウドのファイル共有を使う会社が、自社の側で確かめておけることは次のとおりです。

  1. 退職する人が作った共有リンクを、退職の日に止める手順があるか
  2. 会社のファイルを、個人のメールアドレスやアカウントに共有できる設定になっていないか
  3. 大量のファイルのアップロードや、外部への共有を、記録として見られるか
  4. 取引先のリストのように個人情報を含むファイルに、誰がアクセスできるかを決めているか
  5. 入社や退職のときに、情報の扱いについて説明し、確認をとっているか

1つめの点は、見落とされやすいところです。アカウントを止めても、在籍中に作られた外部向けの共有リンクが生きていれば、リンクを知っている人はファイルを取り出せることがあります。使っているサービスの管理画面で、共有リンクの一覧を確かめられるかを見ておくとよいでしょう。クラウドの共有の設定でよく起きる事故と、権限の見直し方は、クラウドストレージの権限設定ミス実例|Google Drive・Dropboxの共有事故で紹介しています。

取引先の会社の情報管理の担当者が確かめておくこと

項目に勤め先企業名と所属部署が含まれているので、対象の人が勤める会社にとっても、自社の社員の連絡先が外に出た件になります。取引先の会社の情報管理の担当者が確かめておけることは次のとおりです。

  1. 自社の中で、ユナイテッドアローズの広報・PR活動に関わる仕事をしていた部署と社員を把握する
  2. その社員に、この件の発表の内容と、メールの窓口を伝える
  3. 社員に、取引先を名乗る振込先の変更や、見慣れない添付ファイルのメールに用心するよう呼びかける
  4. 不審なメールが届いたときの報告先を、社員に伝える

社内で注意を呼びかけるときは、「被害が出た」と伝えるのではなく、ユナイテッドアローズの発表のとおり「会社は二次被害やそのおそれはないと考えている」と正しく伝えたうえで、普段どおりの用心を求めるのがよいでしょう。

働く人が退職するときに気をつけたいこと

今回の件は、退職する人が会社のデータを持ち出したことで起きました。働く側の立場から見ると、退職や転職のときに、会社のデータをどう扱うかは、自分を守るためにも大事な点です。

  • 退職する前に、自分が作った共有リンクや、個人のアドレスに送ったファイルがないかを確かめ、あれば会社に伝えて止めてもらう
  • 仕事で使った取引先のリストや資料を、個人のパソコンやクラウドに残さない
  • 転職先に、前の会社の資料を持ち込まない
  • 判断に迷うデータがあれば、退職の前に上司や情報管理の担当者に相談する

今回の発表では、転職先は漏洩に関わっておらず、情報を使っていないことが確認されています。それでも、転職先は面談とパソコンの調査に協力することになりました。前の会社のデータを持ち込むことは、本人だけでなく、新しい勤め先にも手間をかけることにつながります。

続報が出たときに見るところ

この件の続報が出るとすれば、ユナイテッドアローズの企業サイトのニュースの一覧に載ると考えられます。2026年11月1日時点で、一覧に並んでいるこの件の発表は、2026年3月16日の発表(3月17日に情報更新)の1本です。

2月27日の時点で、転職先で元従業員に貸与されたパソコンについては引き続き調査を実施する予定とされ、情報の削除にも対応中とされていました。その結果が公表されるとすれば、同じ発表の更新か、ニュースの一覧の新しい発表になると考えられます。報道や解説記事には、発表に書かれていない推測が混ざっていることがあるので、数字や項目は、ユナイテッドアローズの発表で確かめてください。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人の中には、アパレルの広報の手伝いや、PR会社の仕事、媒体の編集やスタイリングの仕事をしている人もいるはずです。今回の対象のように、取引先の名簿に自分の連絡先が載っていることは珍しくありません。また、自分が取引先から、媒体や取引先の連絡先のリストを預かる立場になることもあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等を挙げています。いずれも、実際に漏えいした場合だけでなく、そのおそれがある場合も含まれます。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

取引先の連絡先のリストを預かって仕事をするときは、次の点を確かめておくと安心です。

  • 預かったリストを、仕事が終わったあとも自分のパソコンやクラウドに残していないか
  • 取引先のクラウドから、自分の個人のアカウントにファイルを移していないか
  • 契約が終わるときに、預かったデータを削除し、その旨を取引先に伝えているか
  • 取引先との契約に、個人情報の扱いや、契約が終わったあとのデータの扱いの決まりがあるか

今回の件では、退職したあとに持ち出したデータを使っていなかったことが確認されていますが、それでも持ち出しそのものが漏えいとして扱われています。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、仕事が終わったら預かったデータを手元に残さない、という手当ては、どの契約でも役に立ちます。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった名簿や資料を最後まで丁寧に扱う姿勢で信頼を得ています。仕事が終わったデータを削除して報告する、といった地味な手当てが、そのまま次の依頼につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま手取りの厚さに結びつきます。

情報を守る力を仕事に生かす

社内の情報の持ち出しを防ぐ仕組みづくり、クラウドの権限の管理、社員教育は、企業の情報管理を支える仕事で求められる知識です。社員に向けた訓練の考え方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

ユナイテッドアローズの件は、2026年11月1日時点で3月17日の情報更新のあとに続報がなく、会社は二次被害やそのおそれはないと考えているとしています。広報・PR活動でユナイテッドアローズとやりとりしたことがある人は、仕事の連絡先に届く見慣れない連絡に用心し、気になる点があればメールの窓口に問い合わせることを先に済ませてください。

よくある質問

Q. ユナイテッドアローズの店やオンラインストアで買い物をしただけでも対象ですか?

発表は「お取引先様各位」に宛てたもので、対象は広報・PR活動に係る取引先関係の約1万人です。項目も勤め先企業名や所属部署など仕事の連絡先です。店舗やオンラインストアの客の情報が含まれるとは、発表に書かれていません。

Q. 不正アクセスによる漏えいですか?

いいえ。発表によれば、2025年12月31日付で退社した元従業員が、会社のクラウドサーバーシステムの外部連携機能を使ってデータをアップロードし、退職後の2026年1月4日に外部のパソコンにダウンロードして持ち出した件です。外部からの不正アクセスとは書かれていません。

Q. 持ち出された情報は使われていないのですか?

発表では、外部機関の調査などで、パソコンから第三者への開示や譲渡が行われていないこと、元従業員と転職先が情報を使っていないことを確認し、二次被害やそのおそれはないと考えているとしています。転職先のパソコンは引き続き調査する予定とされ、情報の削除に対応中です。

Q. 2026年11月1日時点で、続報は出ていますか?

ユナイテッドアローズのニュースの一覧を2026年11月1日時点で確かめたところ、2026年3月16日の発表(3月17日に情報更新)のあとに、この件の続報は見当たりませんでした。問い合わせ先は [email protected] です。今後発表があった場合は、そちらが正しい情報になります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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