無料で使える予約システム|どこまで使えて、どこから有料か

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
無料で使える予約システム|どこまで使えて、どこから有料か

この記事のポイント

  • 予約システム 無料と検索したときに知りたい境目を整理しました
  • ずっと無料のプランで受けられる件数
  • 期間限定のお試しとの違い

「予約システム 無料」で検索すると、無料をうたうサービスがずらりと並びます。ところが実際に登録してみると、思っていたのと違う。件数が足りない、使いたい機能が有料だった、決済を入れたら手数料が引かれた。こうしたずれが起きるのは、「無料」という言葉が少なくとも3つの違う意味で使われているからです。

3つとは、月額0円のプランがずっと使える型、一定期間だけ上位機能を試せる型、そして基本利用は無料で決済のときだけ手数料が発生する型です。この記事では、公式サイトに掲載されている記載だけを使って、それぞれの型で何がどこまで使えるのかを整理します。数字は2026年9月2日時点で確認したものです。

結論から書きます。ずっと無料で使える枠は、主要な予約システムで月50件前後が目安です。そしてほとんどの場合、無料で詰まるのは予約件数ではなく、その手前にある別の上限です。どこで詰まるのかを先に知っておけば、無料で始めるべきか最初から有料にすべきかの判断がつきます。

無料の3つの型を見分ける

登録する前に、そのサービスの無料がどの型なのかを確認してください。見分け方は簡単です。

1つ目は月額0円のプランが恒久的に用意されている型です。料金表に0円の列があり、期限の記載がありません。上限の範囲内なら、何年でも0円のまま使えます。

2つ目は期間限定のお試しです。7日間、14日間、30日間といった期限があり、終了後は有料になるか、無料プランへ落ちるかのどちらかです。上位プランの機能を確認する目的で用意されています。

3つ目は、月額は無料だけれど決済のたびに手数料がかかる型です。予約を受けるところまでは0円で、事前決済やオンライン決済を使ったときに料率が引かれます。実際に、あるサービスの公式ページには次のように書かれています。

A.無料でご利用いただくことが可能です。事前決済機能をご利用いただく場合は決済手数料として6%を頂戴しております。 出典: freee.co.jp

この3つが混ざったまま比較すると、必ず判断を誤ります。料金表を開いたら、まず0円の列に期限の記載があるかどうかを見てください。それだけで型が分かります。

ずっと無料で使える枠は月50件が目安

月額0円のプランを恒久的に用意している代表が、RESERVA(レゼルバ)とSTORES 予約です。この2つを並べると、無料の相場が見えてきます。

RESERVAのフリープランは月額0円で、公式の説明文は「ずっと無料で使える」です。上限は月間予約件数が50件、登録顧客件数が250件、利用できる機能数が43、サポートはメールです。

STORES 予約のフリープランも0円で、公式の説明文は「予約システムをいますぐ無料ではじめたい」です。上限は月間予約件数が50件、予約ページ公開数が2つ。登録スタッフ数の欄はハイフン表記で、数値の記載がありません。

予約件数はどちらも月50件で一致しています。営業日を25日とすれば1日2件です。個人でやっている教室、週末だけのワークショップ、開業直後のサロンや相談室であれば、この枠に収まる可能性は十分あります。逆に1日5件以上入る店なら、初月で超えます。

無料で使えるシステムの選び方については、次のような整理があります。

無料で使える予約管理システムのなかには、予約件数に制限を設けているものもあります。たとえば、月に50件までしか予約を受け付けられないシステムもあります。予約件数に制限があると、繁忙期やキャンペーン時に対応しきれない可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。予約件数に制限がないシステムを選ぶことで、安定した運用が可能になります。予約件数自体に制限がなくても、利用できるアカウント数や登録できる顧客数に制限があったりするものもあります。こうした制限を設けているかどうかをまず確認しましょう。 出典: squareup.com

ここで指摘されているとおり、予約件数以外の上限のほうが先に効いてくることがよくあります。以下、その具体を見ていきます。

RESERVAの無料プランで詰まりやすいところ

予約件数50件よりも先に効いてくるのが、登録顧客件数250件です。予約件数は毎月リセットされますが、顧客の登録は積み上がっていきます。月に20人の新規が来る店なら、1年ちょっとで250件に届く計算です。予約件数にはまだ余裕があるのに顧客名簿のほうが先に埋まる、という順番になります。

もうひとつが広告表示です。料金表で「広告非表示」はシルバープラン以上の機能として掲載されているため、フリープランとブループランでは予約サイトに広告が表示される扱いになります。無料である以上そこは受け入れる、という判断もありますが、お客様が最初に触れる画面に他社の広告が出ることを許容できるかは業種で答えが変わります。予約ページを自社サイトに埋め込む場合はとくに気になる部分です。

メルマガとDMの配信も、フリープランでは「別料金」と記載されており、無料の通数枠は書かれていません。再来店の案内をメールで送る運用を予定しているなら、この行は先に確認してください。

一方で、無料プランのまま使える範囲は思ったより広い部分もあります。オンラインカード決済はフリープランから利用でき、手数料は4.9%です。Googleカレンダー連携も月額0円でフリープランから使えます。LINE連携は月額3,300円(税込)のオプションですが、これもフリープランから追加できます。つまり月額0円の本体にLINE連携だけを乗せて、月3,300円でLINE予約を受ける構成が成立します。

STORES 予約の無料プランで詰まりやすいところ

こちらで先に効いてくるのは、予約ページ公開数の2つという上限です。1つの店舗でも、体験レッスン用と通常レッスン用を分けたい、平日と週末でページを分けたい、といった運用にするとすぐ埋まります。メニューの種類が多い業種ほど早く当たります。

予約受付時のアンケート設定も、フリープランとスモールプランは最大1項目までです。来店動機や希望を複数聞きたい場合、チームプラン以上の最大50項目が必要になります。初回のお客様に確認したいことが3つも4つもある業種では、この1項目という制限は実務上かなり厳しいものです。

メールとSMSの保存期間も、フリープランとスモールプランは1ヶ月です。過去のやり取りを遡って確認したい場面が出てくるなら、チームプラン以上の3ヶ月、エンタープライズの1年という差を見ておいてください。

LINEミニアプリ連携は月額4,400円(税込)で、スモールプラン以上が条件です。フリープランには追加できません。無料のままLINE予約も使いたいという組み合わせは、このサービスでは成立しないということです。ここはRESERVAとはっきり違う部分なので、LINE予約が必須なら選択肢が絞られます。

2つの無料プランは軸が違う

同じ月50件でも、料金が上がる理由がそれぞれ違います。

RESERVAが課金の軸として明示しているのは、月間予約件数、登録顧客件数、利用できる機能数の3つです。スタッフ数の上限列は料金表にありません。

STORES 予約が明示しているのは、月間予約件数、予約ページ公開数、登録スタッフ数の3つです。公式FAQに「各プランは『月間予約件数』『予約ページ公開数』『登録スタッフ数』を基準に上限が設定されています。」と書かれています。

つまりスタッフを増やしたときに料金が動くかどうかが、この2つの分かれ目です。スタッフが多くて指名予約を運用する店ならRESERVAの軸のほうが読みやすく、予約ページを絞ってスタッフ管理を細かくやりたいならSTORES 予約の軸が合います。自分の店がどちらの方向に伸びるかで、無料から先の道筋が変わります。

有料に上がったときの金額も見ておきます。RESERVAは年払いでブルーが月3,850円、シルバーが6,600円(いずれも税込)。STORES 予約は年契約・一括払いでスモールが月9,790円、チームが19,690円(いずれも税込)です。1段目の金額には差があります。ただし上限も違うので、金額だけで比べず、自分が超える上限がどれなのかで見てください。

無料プランの中身を表で並べる

数字だけを取り出して並べておきます。いずれも公式サイトの記載どおりです。

項目 RESERVA フリー STORES 予約 フリー
月額 0円 0円
月間予約件数 50件 50
登録顧客件数 250件 記載なし
予約ページ公開数 記載なし 2
登録スタッフ数 料金表に上限列なし ハイフン表記
利用できる機能数 43 記載なし
オンライン決済 利用可(4.9%) 利用可(5.5%、中小特別料率適用時5.2%)
LINE連携 月3,300円のオプションで追加可 スモールプラン以上のため追加不可
Googleカレンダー連携 0円で利用可 プラン詳細表に双方向連携の記載あり
サポート メール 専門チーム(窓口の種別はプラン詳細表に準ずる)

表を作ってみると、公開されている項目そのものが一致していないことが分かります。RESERVAは顧客件数と機能数を出し、STORES 予約は予約ページ数を出す。共通しているのは月額と予約件数だけです。だから「どちらが得か」という問いには一般解がなく、自分が使いたい機能がどちらの表に載っているかで決まります。

比較表を作るときの実務的なコツをひとつ。サービスごとに項目を揃えようとせず、自分の要件を縦軸にして、各サービスが「対応」「オプションで対応」「記載なし」のどれかを埋めていく形にしてください。公開されている項目に引きずられて表を作ると、自分に関係のない列が並んで判断できなくなります。

無料でも予約の受け方は選べるのか

無料プランで気になるのが、予約の受け方そのものに制限がかかるかどうかです。

RESERVAの予約タイプは、サービス提供タイプ、スタッフ指名タイプ、スクールタイプ、イベントタイプ、施設タイプ、宿泊タイプの6種類が料金ページのプラン詳細に列挙されています。自社サイトへの埋め込みについても「自社サイトへの埋め込み機能も完備」「iframe埋め込み」「予約ボタン作成」「予約カレンダー埋め込み」と掲載されています。

STORES 予約の予約ページタイプは、レッスン・イベントタイプ、メニュータイプ、メニュータイプ(複数スタッフ登録)、スクールタイプの4種類です。こちらも「HPやブログへの予約ボタンの埋め込み」「HPやブログへの予約カレンダーの埋め込み」が用意されています。

つまり、予約の受け方の骨格部分は無料でも使えます。制限がかかるのは、その周辺にある機能です。承認制の予約、キャンセル待ち、グループ予約、QRコードでのセルフチェックイン、シークレットページの作成といった細かい設定は、プランによって扱いが変わります。自分の運用に必須の設定がどのプランからかを、プラン詳細表で確認してください。

電話での予約受付については、どちらのサービスも機能としての記載が見当たりませんでした。電話が主力の業種で、電話予約もシステム上で一元管理したいという要件があるなら、そこは個別に問い合わせる必要があります。

期間限定のお試しは本番の再現にならない

RESERVAには、フリープランとは別に7日間のトライアルがあります。公式ヘルプには「予約サイトの初期設定完了後は、自動的にトライアルプランが適用されます。トライアルプランでは、エンタープライズプラン相当の機能を1週間無料でお試しいただけます。」と書かれています。終了後は自動的にフリープランへ移行するので、放置しても課金は始まりません。

ただし、この期間中には別の上限がかかります。予約件数は10件まで、顧客件数は20件まで、メール配信件数は5件までです。さらに、トライアル中に使えない機能として、サブ管理者追加、決済機能、LINE連携、クーポン、スマートロック連携、多店舗管理、アフィリエイト連携が公式に挙げられています。

ここが期間限定型の落とし穴です。LINEから予約を受けたいという目的で検討しているのに、その肝心の機能がお試し期間中には触れません。7日という期間の短さも合わせて、これは操作感を確かめる仕組みであって、本番運用を再現する仕組みではないと理解しておくのが正確です。

本番に近い形で確かめたいなら、フリープランで登録して1ヶ月動かすほうが確実です。無料プランは期限がないので、じっくり試せます。必要なオプションだけ有料で足せば、有料プランの雰囲気も部分的に確認できます。

なおSTORES 予約についても、FAQの記事一覧に「トライアルプランからフリープラン(無料プラン)へ変更するには?」という記事があり、トライアルという区分の存在は確認できます。ただし期間や機能の範囲については今回確認したページに記載がなく、公開資料では確認できませんでした。

無料でも別に発生するお金がある

月額が0円でも、お金がまったくかからないとは限りません。発生しうるのは主に2種類です。

1つ目は決済手数料です。RESERVAはオンラインカード決済の手数料を4.9%と公開しており、フリープランでも同じ料率です。STORES 予約の事前クレジットカード決済は、パッケージプランの加入状況と中小特別料率の適用有無で決まり、フリープランの場合は5.5%、中小特別料率の適用時は5.2%と案内されています。冒頭で引いた別サービスの公式ページのように、6%という料率を明示している例もあります。

月の事前決済額が20万円なら、4.9%で9,800円、5.2%で10,400円です。有料プランの1段目に近い金額が、無料プランのまま毎月出ていく計算になります。「無料だから0円」という理解は、事前決済を使う時点で成り立ちません。

2つ目はオプションです。LINE連携、多店舗管理、クーポン発行、タグの埋め込み、SMSの追加配信など、月額のプランとは別建てで課金される機能があります。RESERVAならクーポン発行が1クーポンあたり330円(税込)、多店舗管理が月22,000円から(税込・シルバープラン以上)。STORES 予約なら入金サイクル短縮化が月2,200円(税込・スモールプラン以上)といった具合です。

無料で始めるときは、この2種類を最初に確認してください。月額の0円だけを見て決めると、3ヶ月後に「思ったより出ている」という状態になります。

無料プランを用意していないサービスもある

すべての予約システムに無料プランがあるわけではありません。業種を絞ったサービスほど、無料プランを置かない傾向があります。

美容室やサロン向けのリザービアは、公式サイトに無料プランの記載が見当たりません。予約件数やスタッフ数の上限についても記載がなく、そもそも基本プランの料金自体が公開されていません。公開されているのは追加オプション3種類の金額だけで、しかも税抜表記です。無料で提供されているのは資料請求とデモサイトの2つで、デモでは「リザービアの予約を体験できます。どんなふうに予約するのか、お客様の使いやすさをご確認ください。」と案内されています。確認できるのはお客様側の画面で、管理画面の使い勝手ではありません。

医療機関向けのドクターキューブも、無料プランの記載はありません。料金ページの本文は「ドクターキューブは、運用によって構成内容や価格条件が異なります。お打ち合わせのうえ、お見積を提示させていただきます。」の一文だけで、金額の記載が一切ないためです。「※ソフト・ハードのパッケージ販売は致しておりません。」とも書かれており、ハードウェアを含む個別構成が前提になっています。用意されているのは資料請求とデモ依頼です。

この違いは、サービスの良し悪しではなく設計思想の差です。汎用型は自分で登録して自分で立ち上げる前提なので無料の入口を置きます。業種特化型は担当者が付いて構成を組む前提なので、無料の入口を置く意味がありません。無料プランがないことを理由に候補から外すと、業種特化型の選択肢がまるごと消えます。自分がどちらのやり方を望むのかを先に決めてください。

無料プランで詰まる場面は決まっている

いくつもの導入を見てきて分かるのは、無料で始めた人が有料に切り替える理由は、だいたい次の5つに収まるということです。

・予約件数が月50件を超えた。繁忙期に一度超えて、そのまま常態化した ・顧客名簿が上限に達した。新しいお客様を登録できなくなった ・メニューやコースが増えて、予約ページを3つ以上作りたくなった ・予約時に聞きたいことが増えた。アンケート項目が1つでは足りない ・予約画面の広告を消したくなった

このうち1番目以外は、予約件数とは無関係に発生します。だから「うちは月30件だから無料で足りる」という見積もりは、しばしば外れます。件数ではなく、運用の複雑さで先に上限に当たるからです。

対策としては、始める前に次の3つを数えておくことです。1年後の顧客名簿の想定件数。作りたい予約ページの数。予約時に聞きたい項目の数。この3つが分かれば、無料で何ヶ月もつかがおおよそ読めます。

なお有料プランでも予約件数の超過に対応する仕組みは用意されています。STORES 予約の場合、「各有料プランの月間予約件数を超える場合、50件ごとに1,078円(税込)の予約手数料で予約受付可能数を追加できます。」とされており、1件あたりおよそ22円で追加できます。繁忙期だけ超えるなら、上位プランに上げるより追加購入のほうが安く済む場合があります。

無料で始めた最初の1ヶ月にやること

無料プランは期限がないので、じっくり試せます。せっかく期限がないのですから、最初の1ヶ月は「確かめる期間」として使ってください。順番を書いておきます。

1週目は、予約の入口をひとつだけ作ります。メニューを全部登録しようとすると必ず途中で止まるので、いちばん予約の多いメニュー1つに絞ってページを公開します。自社サイトやSNSのプロフィールにリンクを置き、実際にお客様が予約できる状態にします。

2週目は、自分でお客様として予約してみます。スマートフォンで、最初から最後まで通します。入力項目が多すぎないか、確認メールが届くか、日時が分かりやすいか。ここで気づく問題は、たいてい設定で直せます。友人や家族に頼んで一度通してもらうと、自分では気づかない引っかかりが見つかります。

3週目は、リマインドの文面を整えます。予約の前日か当日に届く案内で、場所、持ち物、キャンセルの連絡先を明記します。この文面の質は当日のキャンセル率に直結します。無料プランでもリマインドの自動送信は使えることが多いので、必ず設定してください。

4週目は、数えます。この1ヶ月で何件の予約がオンラインで入ったか。電話は何件減ったか。当日のキャンセルは増えたか減ったか。営業時間外に入った予約は何件か。この4つの数字が、有料に上げるかどうかの判断材料になります。営業時間外の予約が一定数あるなら、それは電話だけなら取りこぼしていた分です。

この4週間を回してから金額の話をすると、判断がぶれません。逆にこれをやらずにプランを選ぶと、機能表を眺めて「あったほうがよさそう」という理由で上のプランを選んでしまいます。

無料のまま続けるか、有料に上げるか

判断の基準を整理します。無料のまま続けてよいのは、次の条件がそろっているときです。予約件数が月50件に収まっている。顧客名簿の伸びが緩やか。予約ページが1つか2つで足りる。予約時に聞くことが少ない。広告表示が気にならない業種である。事前決済を使わないか、使っても金額が小さい。

このうちひとつでも当てはまらないなら、有料プランの1段目を検討する価値があります。RESERVAなら年払いで月3,850円、STORES 予約なら年契約・一括払いで月9,790円です。金額に開きがあるのは、上限の設定と含まれる機能が違うためです。

判断を難しくするのは、乗り換えのコストです。無料で半年運用してから別のサービスに移ると、顧客データと予約履歴の移行という作業が発生します。データの持ち出しができるか、移行の支援があるかは、始める前に確認しておいてください。STORES 予約は「移行の可否や手段は、現在ご利用中のシステムやデータの形式によって異なります。具体的な進め方は個別にご相談を承ります」と案内しています。

私の見方を書いておくと、無料プランは「予約をオンライン化する価値があるかどうかを、自分の店で確かめる装置」として使うのが一番効率的です。月50件の範囲で1ヶ月回してみて、電話が減ったか、取りこぼしが減ったか、当日のキャンセルが減ったかを数えます。効果が出ていれば有料に上げる根拠になりますし、出ていなければ運用のほうに問題があるということです。金額を払う前に、この確認ができるのが無料プランの本当の価値です。

導入の設定と運用を誰が担当するか

無料で始められるとはいえ、初期設定には時間がかかります。メニューの登録、営業時間と休憩時間の設定、予約可能な期間の指定、リマインドメールの文面作成、自社サイトへの埋め込み。全部を自分でやると、慣れていない方なら2日から3日は取られます。

この作業は外部に頼めます。業務システムの選定と初期設定は、依頼としてよくある領域です。どんな仕事になるかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっています。ツールを入れて終わりではなく、現場が使い続けられる状態にするところまで含む案件が多い分野です。

予約ボタンやカレンダーを自社サイトに埋め込む、効果測定のタグを設置するといった実装はアプリケーション開発のお仕事の範囲です。数時間で終わる規模なので、単発で頼みやすい部分でもあります。届いた見積もりが妥当かを判断したいときは、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で職種としての相場を確認しておくと基準ができます。

無料のツールを組み合わせて業務を回す考え方そのものについては、フリーランス向けプロジェクト管理ツール比較8選|無料で使えるおすすめも紹介にも整理してあります。予約以外の管理業務でも、無料枠の上限をどう読むかという考え方は共通です。リマインドや案内のメール文面を任せる場合、文章を書ける相手を見分ける目安としてはビジネス文書検定のような資格が参考になります。

運営者として見てきた限りでの補足

在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から言うと、無料のツールで失敗するパターンには共通点があります。上限に当たってから慌てて別のサービスを探し始めることです。移行には必ずデータの持ち出しと再設定が発生し、そのときには繁忙期に入っていることが多い。上限が見えているなら、余裕のある時期に切り替えるのが結局いちばん安く済みます。

もうひとつ、外注の費用の見え方について。仲介の手数料が乗る経路では、依頼者が払った金額と受け手に届く金額の間に差が生まれます。手数料0%の直接取引なら、同じ予算でより多く頼めて、受け手の手取りも厚くなる。設定作業のように、一度お願いすれば次からは要領を分かってもらえる仕事ほど、この差が積み上がります。

無料で始めること自体は、まったく正しい判断です。ただし「無料」の意味は3つあり、上限は予約件数だけではなく、決済を使えばお金は出ていく。この3点さえ押さえておけば、無料で始めても後から慌てることはありません。

よくある質問

Q. 無料の予約システムは月に何件まで受けられますか?

主要なサービスでは月50件が目安です。RESERVAのフリープランは月間予約件数50件、登録顧客件数250件、利用できる機能数43で、公式の説明文は「ずっと無料で使える」です。STORES 予約のフリープランも月間予約件数50件で、予約ページ公開数は2つまでとなっています。営業日25日で計算すると1日2件の計算になります。

Q. 無料プランでも本当にお金はかからないのですか?

月額はかかりませんが、決済手数料とオプション料金は別です。RESERVAはオンラインカード決済の手数料を4.9%と公開しており、フリープランでも同じ料率です。STORES 予約の事前クレジットカード決済はフリープランで5.5%、中小特別料率の適用時で5.2%と案内されています。事前決済を使うなら、想定売上に料率を掛けて月額に足して考えてください。

Q. 無料プランと無料お試しは何が違いますか?

無料プランは期限がなく、上限の範囲内であれば何年でも0円で使えます。無料お試しは期間限定で、上位プランの機能を確認するためのものです。RESERVAのトライアルは7日間でエンタープライズ相当の機能を試せますが、予約10件、顧客20件、メール配信5件という別の上限があり、LINE連携やクーポンなど一部の機能は使えません。

Q. 無料プランで先に足りなくなるのは何ですか?

予約件数よりも先に、別の上限に当たることが多いです。RESERVAなら登録顧客件数250件と、予約画面に広告が表示される点。STORES 予約なら予約ページ公開数2つと、予約時のアンケートが最大1項目までという制限です。始める前に、1年後の顧客名簿の件数、必要な予約ページ数、予約時に聞きたい項目数の3つを数えておくと見通しが立ちます。

Q. 無料プランがない予約システムもありますか?

あります。美容室やサロン向けのリザービアは無料プランの記載がなく、基本料金自体が公開されていません。用意されているのは資料請求とデモサイトです。医療機関向けのドクターキューブも無料プランはなく、料金は「運用によって構成内容や価格条件が異なります」として個別の見積もりになります。業種を絞ったサービスほど、担当者が付いて構成を組む前提のため無料の入口を置かない傾向があります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月30日最終更新:2026年9月3日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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