わかりやすい業務マニュアルの作り方|構成の決め方と手順書の書き方

@SOHO編集部
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わかりやすい業務マニュアルの作り方|構成の決め方と手順書の書き方

この記事のポイント

  • ✓わかりやすい業務マニュアルの作り方を
  • ✓1つの手順を1つの文で書く書き方
  • ✓例外と更新日の入れ方まで具体例で解説します

業務マニュアルを作ってほしいと頼まれたものの、何から書けばよいのか分からない。時間をかけて作ったのに、結局みんなが担当者に直接聞きに来て、マニュアルは誰にも開かれていない。業務マニュアルの作り方で悩む人の多くは、このどちらかの壁にぶつかっています。

わかりやすい業務マニュアルには、共通する形があります。最初に目的と読み手を決め、構成を「目的・対象・手順・例外・更新日」の順に組み立て、1つの手順を1つの文で書く。そして、作ったあとに更新する担当と時期を決めておく。この4つを押さえれば、読まれて使われるマニュアルを作れます。

この記事では、わかりやすい業務マニュアルの作り方を、構成の決め方と手順書の書き方に分けて、具体例とともに説明します。作ったあとに使われなくなる失敗の防ぎ方や、更新と引き継ぎの回し方も扱います。マニュアルの更新や引き継ぎの作業を担当つきで回したい場面では、カンバンやガントなど8種類のボードでタスクを共有できるPinatecaにも触れます。

業務マニュアルとは何か、手順書とどう違うのか

業務マニュアルとは、ある業務を誰が担当しても同じ品質で進められるように、業務の目的、流れ、手順、判断の基準をまとめた文書です。ferret Oneの解説では、マニュアルに求められることが次のように説明されています。

マニュアルは必要情報が整理され、誰が見ても見やすく・わかりやすく作成されていることが重要です。わかりやすいマニュアルは業務を正確に、スムーズに進めることに役立ちます。 出典: ferret-one.com

業務マニュアルと手順書の違い

業務マニュアルと手順書は、よく混同されます。違いを一言でいえば、扱う範囲の広さです。

文書 扱う範囲 例
業務マニュアル 1つの業務の全体(目的、流れ、担当、判断の基準、手順) 請求業務マニュアル、問い合わせ対応マニュアル
手順書 業務の中の1つの作業の進め方 請求書を会計ソフトで発行する手順、返品の受付票を入力する手順

業務マニュアルは、手順書を束ねて、業務全体の地図を示すものと考えると分かりやすくなります。小さな職場では、業務マニュアルの中に手順書を直接書き込む形でもかまいません。大切なのは、読み手が「全体の流れ」と「目の前の作業の進め方」の両方を確かめられることです。

マニュアルを作るメリット

業務マニュアルを作るメリットは、主に次の4つです。

  • 担当者が変わっても、同じ品質で業務を進められる
  • 特定の人しか分からない状態(属人化)を解消できる
  • 新しく加わった人が、早く一人で業務を進められるようになる
  • 業務の流れを見直すきっかけになる

4つ目は意外と見落としがちですが、実は大きなメリットです。業務を文字にしてみると、「なぜこの確認が2回あるのか」「この作業は誰も使っていない帳票のためではないか」といった無駄に気づくことがあります。マニュアル作りは、業務の改善の入り口でもあります。

わかりやすい業務マニュアルの作り方6つのステップ

ここからは、業務マニュアルを作る手順を6つのステップに分けて説明します。

ステップ1:目的を1文で書く

最初に、そのマニュアルが何のためにあるのかを1文で書きます。「請求業務を、担当者が誰でも、毎月5営業日以内に間違いなく終えられるようにする」のように、誰が、何を、どの水準でできるようになるのかを書くのがコツです。

目的がはっきりしていると、何を書くべきか、何を省いてよいかの判断がしやすくなります。目的に関係のない情報は、別の文書に回します。目的の1文は、マニュアルの冒頭に必ず書いておきます。読み手が最初に目にすることで、この文書を読めば何ができるようになるのかが分かるためです。

ステップ2:読み手を決める

次に、誰が読むのかを決めます。読み手によって、使う言葉も、説明の細かさも変わります。富士通ラーニングメディアの解説でも、読み手を具体的に想定する大切さが説明されています。

新人従業員なのか業務未経験者なのか等、誰に読んでもらうかを具体的に想定することで、マニュアルで使用する単語も変わってきます。 出典: knowledgewing.com

たとえば、会計ソフトを初めて使う人が読むなら、「仕訳」という言葉を使うたびに、その意味を一言添える必要があります。経理の経験者が読むなら、その説明は要りません。迷ったときは、その業務を初めて担当する人を読み手に決めると、誰にとっても読みやすいマニュアルになります。

ステップ3:業務を洗い出し、流れを並べる

業務の流れを、始まりから終わりまで並べます。いちばん確実なのは、実際にその業務を担当している人に、作業をしながら声に出してもらい、それを書き取る方法です。頭の中で思い出しながら書くと、慣れた人ほど「当たり前」の作業を飛ばしてしまいます。

洗い出したら、作業を大きな流れに分けます。請求業務なら、「請求する相手と金額を確かめる」「請求書を作る」「請求書を送る」「入金を確かめる」「入金がないときに連絡する」のように、5つから8つほどのまとまりにすると、全体が見渡しやすくなります。

ステップ4:目次を組み立てる

流れが決まったら、目次を組み立てます。わかりやすい業務マニュアルの目次は、次の形が基本です。

  1. 目的(このマニュアルで何ができるようになるか)
  2. 対象(誰が読むか、どの業務の範囲を扱うか)
  3. 全体の流れ(業務の始まりから終わりまでを1枚の図か箇条書きで)
  4. 手順(流れのまとまりごとに、1つずつの作業の進め方)
  5. 例外(いつもと違う場合の対応と、判断に迷ったときの相談先)
  6. 更新日と更新の担当

この6つを目次の柱にすると、読み手は「全体を知りたいときは3、作業の進め方を知りたいときは4、困ったときは5」というように、目的の場所にすぐたどり着けます。

ステップ5:手順を書く

目次の4の手順は、業務マニュアルの中心です。書き方のルールは、このあとの「手順書の書き方」で詳しく説明します。

ステップ6:実際に使ってもらって直す

書き上げたら、その業務を担当したことのない人に、マニュアルだけを見て業務を進めてもらいます。途中で手が止まったところ、質問が出たところが、マニュアルの分かりにくいところです。その場所を書き直します。

この確認を1回挟むだけで、マニュアルの分かりやすさは大きく変わります。書いた本人には、どこが分かりにくいのかが見えないためです。

確認してもらうときは、手が止まった場所と、そのときに何を探していたのかをメモしてもらいます。「ここで[新規作成]のボタンが見つからなかった」「この言葉の意味が分からなかった」といった具体的な声が集まれば、直すべき場所がはっきりします。確認する人は1人より2人のほうが、見落としが減ります。業務の経験がまったくない人と、少しだけ経験のある人の2人に頼むと、つまずく場所の違いも分かります。

手順書の書き方:1つの手順を1つの文で

ここからは、マニュアルの中心である手順の書き方を説明します。わかりやすい手順には、いくつかの決まった書き方があります。

1つの手順には1つの動作だけを書く

「会計ソフトを開いて、請求書のメニューから新規作成を選び、取引先を入力する」のように、1つの文に複数の動作を詰め込むと、読み手は途中で何をしているのか分からなくなります。1つの手順には1つの動作だけを書き、番号を振ります。

  1. 会計ソフトを開く
  2. 左のメニューから[請求書]をクリックする
  3. [新規作成]をクリックする
  4. [取引先]の欄に、取引先の名前を入力する

番号を振ると、「3まで終わった」と自分の位置が分かるため、途中で手を離しても戻りやすくなります。

画面の名前はそのまま書く

ボタンやメニューの名前は、画面に表示されている名前をそのまま書き、[]で囲みます。「保存のボタン」ではなく「[保存]をクリックする」と書けば、読み手は画面の中から同じ文字を探すだけで済みます。

結果を書き添える

手順のあとに、その操作をすると何が起きるのかを書き添えると、読み手は自分の操作が正しかったかを確かめられます。

  1. [保存]をクリックする  結果:画面の上に「保存しました」と表示され、請求書の一覧に新しい請求書が加わる

理由が必要な手順には、理由を書く

手順の中には、なぜそうするのかが分からないと、省かれてしまうものがあります。「請求書を送る前に、金額を通帳の入金予定の一覧と照らし合わせる」という手順なら、「過去に金額の入力の誤りで請求をやり直したことがあるため」のように、理由を1文添えます。理由が分かれば、手順は守られやすくなります。

判断が必要なところは、条件と答えの形にする

「場合によっては上長に確認する」のような書き方は、読み手を迷わせます。判断が必要なところは、「請求額が50万円を超える場合は、送る前に経理の責任者に確認する」のように、条件と、そのときにすることをはっきり書きます。

画面の画像や図を入れる

文字だけで伝わりにくい操作は、画面の画像を入れます。画像には、クリックする場所を四角や矢印で示しておくと、読み手が迷いません。ただし、画面の画像は、使っている道具の更新で古くなりやすい点に注意します。画像を入れたところは、更新のときに必ず見直す場所として控えておきます。

業務を洗い出すときの聞き取りのコツ

ステップ3の洗い出しは、マニュアルの出来を大きく左右します。自分が担当していない業務のマニュアルを作るときは、担当者への聞き取りが欠かせません。聞き取りをうまく進めるコツを紹介します。

実際の作業を横で見せてもらう

「どうやっていますか」と口頭で聞くと、担当者は頭の中で整理した流れを話します。その流れには、慣れた人ほど無意識に行っている確認や小さな作業が抜けています。できるだけ、実際の作業を横で見せてもらい、画面の操作を1つずつ書き取ります。

「なぜ」を聞く

作業の手順だけでなく、「なぜその順番なのか」「なぜその確認をするのか」を聞いておきます。理由が分かると、手順書に理由を書き添えられるだけでなく、不要になった作業に気づくこともあります。

困ったときの話を聞く

「これまでに困ったことはありますか」「いつもと違う対応をしたのはどんなときですか」と聞くと、例外の対応が見えてきます。例外は、通常の流れを見せてもらうだけでは出てきません。過去の困った場面を聞くことで、マニュアルの「例外」の項目が充実します。

聞き取った内容は、その日のうちに文字にする

聞き取った内容は、記憶が新しいうちに文字にします。数日たつと、メモを見ても何のことか分からなくなる部分が出てきます。文字にしたら担当者に見てもらい、抜けや誤りがないかを確かめてもらうと確実です。

わかりやすい文章にするための書き方のルール

手順の書き方に加えて、マニュアル全体の文章にもいくつかのルールを決めておくと、読みやすさがそろいます。複数の人で書き分けるときは特に大切です。

用語を統一する

同じものを「請求書」「請求の書類」「インボイス」と書き分けると、読み手は別のものだと思ってしまいます。マニュアルで使う用語は1つに決め、最初に用語の一覧を作っておくと、書き手が替わっても表記がそろいます。

1文を短くする

1つの文が長いと、読み手は途中で何の話か分からなくなります。目安として、1文は60字ほどまでに収め、長くなったら2つの文に分けます。

否定の書き方より、すべきことを書く

「確認せずに送らないこと」のような否定の書き方は、何をすればよいのかが伝わりにくくなります。「送る前に、金額を一覧と照らし合わせる」のように、すべきことを書きます。

あいまいな言葉を使わない

「なるべく早く」「適宜」「必要に応じて」といった言葉は、人によって受け取り方が違います。「当日中に」「金額が50万円を超える場合は」のように、具体的な時期や条件で書きます。

主語をはっきりさせる

複数の人が関わる業務では、誰がその作業をするのかを書きます。「確認する」だけでは、担当者が確認するのか、責任者が確認するのかが分かりません。「経理の責任者が確認する」と主語を入れます。

具体例:請求業務マニュアルの構成

ここまでの書き方を、請求業務のマニュアルの例で確かめておきます。

目的

月末に締めた売上について、担当者が誰でも、翌月5営業日以内に、取引先へ正しい金額の請求書を送れるようにする。

対象

  • 読み手:請求業務を初めて担当する人
  • 範囲:毎月の定期の請求。単発の仕事の請求と、返金の手続きは別のマニュアルで扱う

全体の流れ

  1. 請求する相手と金額を確かめる(月末の翌営業日)
  2. 請求書を作る(翌月1営業日目から2営業日目)
  3. 請求書を確認し、送る(翌月3営業日目まで)
  4. 入金を確かめる(支払いの期日の翌営業日)
  5. 入金がない場合に連絡する(期日の3営業日後)

手順(2. 請求書を作る の一部)

  1. 会計ソフトを開く
  2. 左のメニューから[請求書]をクリックする
  3. [新規作成]をクリックする
  4. [取引先]の欄に、売上の一覧にある取引先の名前を入力する
  5. [品目]と[金額]に、売上の一覧の内容を入力する
  6. [保存]をクリックする

例外

  • 売上の一覧と、取引先から届いた発注書の金額が違う場合:請求書を作らずに、営業の担当者に確認する
  • 取引先から請求書の送り先の変更の連絡があった場合:取引先の情報を更新してから請求書を作る
  • 判断に迷った場合の相談先:経理の責任者

更新日と更新の担当

  • 最終更新日:2026年10月14日
  • 更新の担当:経理の担当者
  • 見直しの時期:毎年4月と、会計ソフトの画面が変わったとき

このように、目的・対象・全体の流れ・手順・例外・更新日の6つがそろっていると、初めて担当する人でも、迷ったときにどこを見ればよいかが分かります。

引き継ぎのためのマニュアルに加える項目

担当者が異動や退職で替わるときに作る引き継ぎのためのマニュアルには、通常の業務マニュアルに加えて、次のような項目を入れておくと役立ちます。

進行中の案件の一覧

引き継ぐ時点で進んでいる案件を一覧にし、それぞれがどの段階にあるのか、次に何をするのか、期限はいつかを書きます。業務マニュアルは「いつもの流れ」を書いたものなので、進行中の案件の状況までは分かりません。この一覧があるだけで、引き継いだ人は最初の1週間を迷わずに過ごせます。

関係者の一覧

業務で連絡をとる相手(取引先の担当者、社内の関係部署、外部の委託先)の名前と、どんなときに連絡するのかを一覧にします。相手ごとの連絡の手段(メールか電話か、チャットか)や、連絡で気をつけていること(返事が遅い時期、決まった時間帯にしか連絡がつかない、など)も書き添えておくと、引き継いだ人が相手との関係を保ちやすくなります。

年に数回しかない作業

毎月の業務と違い、年に1回や2回しかない作業(年度末の締め、契約の更新、定期の点検など)は、担当者も手順を忘れがちです。こうした作業は、時期と手順を別にまとめておき、カレンダーにも予定として登録しておくと、引き継いだあとに抜けることを防げます。

前任者がまだ答えを持っていない課題

業務の中で、まだ解決していない課題や、前任者が判断に迷っていたことも書いておきます。課題を隠さずに引き継ぐことで、引き継いだ人が同じところで迷わずに済み、課題の解決も早くなります。

マニュアルが使われなくなる失敗と、その防ぎ方

業務マニュアルは、作っただけでは使われません。よくある失敗と、その防ぎ方を5つ挙げます。

失敗1:完璧を目指して完成しない

すべての例外や細かな作業まで書こうとすると、いつまでも完成しません。まずは、いちばんよく行う流れだけを書いて使い始め、例外は使いながら加えていくほうが、早く役に立つマニュアルになります。

失敗2:情報が古くなって信用されなくなる

使っている道具の画面が変わったのに、マニュアルが古いままだと、読み手はマニュアルを信用しなくなります。一度信用を失ったマニュアルは、直しても読まれにくくなります。更新の担当と時期を最初に決め、マニュアルの冒頭に最終更新日を書いておくことが大切です。

失敗3:置き場所が分からない

マニュアルがどこにあるのか分からなければ、読まれることはありません。共有のフォルダの決まった場所に保存し、その場所を業務の担当者全員に伝えておきます。業務で使う道具の画面から、マニュアルへのリンクをたどれるようにしておくと、さらに見つけやすくなります。

失敗4:文章が長すぎる

1つの段落が長く、手順が文章の中に埋もれていると、読み手は必要な箇所を探せません。手順は番号つきの箇条書きにし、説明は短く分けます。

失敗5:書いた人しか直せない

マニュアルを書いた人しか直し方を知らないと、その人が異動したとたんに、マニュアルは更新されなくなります。直し方の決まり(どの部分を誰が直してよいか、直したら更新日を書き換える、など)もマニュアルの最後に書いておきます。

マニュアル作成のツールの選び方

業務マニュアルは、身近な文書作成の道具でも十分に作れます。ここでは、道具を選ぶときのポイントを整理します。

身近な道具で十分な場合

小さな職場や、マニュアルの数が少ない場合は、ワープロソフトや、Googleドキュメントのような共同で編集できる文書の道具で十分です。共同で編集できる道具なら、複数の人で書き分けたり、コメントで直してほしい点を伝えたりできます。

道具を選ぶときのポイント3つ

  1. 読み手が、いつも使っている画面からすぐに開けるか
  2. 複数の人で直したとき、誰がいつ直したのかが分かるか
  3. 画面の画像や図を、手間なく入れられるか

1つ目が特に大切です。どれだけ高機能な道具でも、読み手が開く習慣のない場所にあれば、マニュアルは読まれません。たとえば、毎日使う業務のチャットに、マニュアルの保存場所へのリンクを固定して表示しておくだけでも、読まれる回数は変わります。新しい道具を入れる前に、いま読み手が毎日開いている画面はどこかを確かめておくと、選び方を誤りにくくなります。

動画のマニュアルとの使い分け

操作の多い作業は、画面を録画した短い動画にすると伝わりやすい場合があります。ただし、動画は内容を探しにくく、更新の手間も大きくなります。文字の手順書を基本にし、文字だけでは伝わりにくい操作だけを短い動画で補う、という使い分けが現実的です。

生成AIで下書きを作るときの注意

最近は、聞き取りのメモをもとに、生成AIでマニュアルの下書きを作る方法も使われています。目次の案を出してもらったり、箇条書きのメモを番号つきの手順の形に整えてもらったりすると、書き始めの手間を減らせます。

ただし、生成AIが出した下書きは、そのままでは使えません。画面のボタンの名前や、社内の決まりのように、AIが知らない情報が推測で書かれていることがあるためです。下書きは必ず実際の画面と照らし合わせ、担当者に確かめてもらってから使います。

また、取引先の名前や金額、個人情報のような社外に出せない情報を生成AIに入力してよいかは、勤め先や取引先の決まりで確かめてください。決まりがない場合でも、こうした情報は伏せたうえで下書きを作り、あとから手で書き加える形にしておくと安心です。

更新と引き継ぎを担当つきで回す

マニュアルを生きた文書にし続けるには、更新と引き継ぎを、ほかの仕事と同じようにタスクとして回すことが欠かせません。

更新をタスクにする

「マニュアルを見直す」は、期限がないために後回しにされがちな仕事です。年に2回の見直しの時期、道具の画面が変わったときの見直し、例外の対応が起きたときの追記を、それぞれ担当と期限のついたタスクにしておきます。

引き継ぎの作業を見える形にする

担当者が替わるときは、マニュアルを渡すだけでなく、引き継ぎの作業そのものを一覧にして進めます。「マニュアルを読む」「前任者と一緒に1回業務を行う」「一人で業務を行い、前任者が確認する」「分かりにくかった箇所をマニュアルに反映する」のように、引き継ぎの段階をタスクにしておくと、どこまで進んだかが分かります。

チームでタスクを共有できる選択肢の1つ

マニュアルの更新や引き継ぎのタスクを、担当つきでチームと共有したい場面で使える選択肢の1つが、プロジェクト管理の道具のPinatecaです。公式サイトによると、カンバン・ガント・カレンダー・リスト・ディスカッション・グリッド・時間割・リソースの8種類のボードがあり、チャットも内蔵されています。たとえば、マニュアルごとにカードを作り、「見直し待ち」「見直し中」「確認待ち」「更新済み」の列で進み具合を動かせば、どのマニュアルが古いままになっているかがひと目で分かります。カードには担当者と期限を設定でき、カードごとのコメントで直した理由を残せます。

料金ページによると、無料のフリープランは5人まで、ボードは10個まで使え、全8種類のボードとチャットが含まれます。6人目や11個目のボードからは、スタンダードプランが1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)です。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

マニュアルへの質問を受ける窓口を作る

マニュアルを使っている人から「ここが分かりにくい」「この場合はどうすればよいか」という質問が出たら、それはマニュアルを直す材料です。質問を口頭やチャットで受けて終わりにすると、同じ質問が繰り返されます。質問を1か所で受け付け、答えたら内容をマニュアルに反映する流れを作っておくと、マニュアルは使うほど分かりやすくなります。

質問や改善の提案をフォームで受け付け、届いた1件ごとに担当と対応状況を付けて管理したい場合は、フォームの道具のHalictも選択肢になります。公式サイトによると、フォームで届いた回答1件ごとに担当とステージ(未対応・対応中など)を割り当てて管理でき、回答者への返信も同じ画面から送れます。料金ページによると、フリープランは0円でメンバー1人まで、フォーム数と回答数は無制限です。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

小さな職場で、マニュアルが数本しかないなら、共有のフォルダと表計算の一覧で十分に回ります。マニュアルの数や関わる人が増え、更新や質問の対応が追いつかなくなってきたときが、タスクや受付の道具を検討する目安です。

職種によって気をつけたいこと

業務マニュアルの作り方の基本はどの職種でも同じですが、職種によって気をつけたい点があります。

医療や介護の現場のマニュアル

看護や医療事務、介護の現場では、施設ごとの規程や、所属先の決まりが優先されます。マニュアルを作るときは、施設の規程と食い違いがないかを、所属先の責任者に確かめてから使い始めてください。医療事務の仕事内容や関連する資格については、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の資格ガイドで、試験の概要や仕事との関わりが紹介されています。

お金を扱う業務のマニュアル

請求や支払い、経費の精算のようにお金を扱う業務では、「誰が確認し、誰が承認するか」をマニュアルにはっきり書きます。確認と承認を同じ人が行わない形にしておくと、誤りや不正を防ぎやすくなります。税金の扱いが関わる手順は、法令の改正で変わることがあるため、見直しの時期を短めに決めておきます。

在宅や業務委託の人に渡すマニュアル

在宅で働く人や、業務委託で仕事を受けてもらう人に渡すマニュアルでは、社内の人なら知っている前提(社内の略語、システムの名前、相談先)を省かずに書きます。また、どこまでを任せ、どこからは社内で判断するのかの線引きを、マニュアルの最初に書いておくと、やり取りが少なく済みます。

マニュアル作りの力を仕事に生かす

業務を整理し、誰でも同じ品質で進められる形にまとめる力は、多くの職場で重宝されます。マニュアル作りそのものを仕事として受ける人もいます。

業務の整理と自動化につながる

マニュアルを作る過程で業務の流れを洗い出すと、決まった手順を繰り返している作業が見えてきます。こうした作業は、道具で自動化できることがあります。RPA・業務自動化ツールのお仕事では、決まった手順の作業をソフトウェアで自動化する仕事の内容が紹介されています。手順がマニュアルの形で整理されていることは、自動化を進めるうえでの出発点になります。

また、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIを取り入れる支援の仕事が紹介されています。業務の流れを整理して文書にする力は、AIに任せる作業と人が判断する作業を切り分けるときにも欠かせません。業務の仕組みを作る側に回りたい人は、Web・業務システム開発のお仕事で、業務システムの開発の仕事も確かめておくと、手順の整理がどのように仕組みに生かされるのかが見えてきます。

@SOHO編集部が見てきたこと

フリーランスや在宅ワークの仲介を長く続けてきた中で、@SOHO編集部が見てきたのは、依頼する側から長く頼られる人ほど、自分の作業の手順を文書にして残している、ということです。手順が整理されている人には、依頼する側も安心して仕事を任せられ、担当が替わるときの引き継ぎもスムーズに進みます。

仲介手数料のかからない直接取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側も同じ予算でより多くを頼めます。こうした関係を長く続けるうえで、手順を言葉にして共有できる力は、目立たないながらも大きな支えになります。

まずは、いま担当している業務を1つ選び、目的を1文で書くところから始めてみてください。目的が決まれば、マニュアルに書くべきことは自然に見えてきます。

よくある質問

Q. 業務マニュアルにはどんな項目を入れればよいですか?

目的、対象(読み手と扱う範囲)、全体の流れ、手順、例外と相談先、更新日と更新の担当の6つを柱にすると、読み手が必要な箇所にすぐたどり着けます。手順は番号つきの箇条書きにし、1つの手順に1つの動作だけを書きます。判断が必要なところは、条件とそのときにすることをはっきり書くと迷いが減ります。

Q. 業務マニュアルと手順書は何が違いますか?

業務マニュアルは1つの業務の全体(目的、流れ、担当、判断の基準、手順)をまとめた文書で、手順書は業務の中の1つの作業の進め方を書いた文書です。業務マニュアルは手順書を束ねて業務全体の地図を示すもの、と考えると分かりやすくなります。小さな職場では、業務マニュアルの中に手順書を直接書き込む形でもかまいません。

Q. 作った業務マニュアルが使われないのはなぜですか?

情報が古くなって信用されなくなった、保存場所が分からない、文章が長くて必要な箇所を探せない、といった理由が多くあります。冒頭に最終更新日を書き、更新の担当と時期を決め、いつも使う画面からすぐ開ける場所に保存すると、使われやすくなります。完璧を目指さず、よく行う流れから書いて使い始めることも大切です。

Q. 業務マニュアルの更新はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

年に1回か2回の定期の見直しに加えて、使っている道具の画面が変わったとき、例外の対応が起きたときに、その都度更新するのが目安です。お金や税金の扱いが関わる業務は、制度の変更で手順が変わることがあるため、見直しの間隔を短めにしておくと安心です。更新したら冒頭の更新日を必ず書き換えます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月16日最終更新:2026年10月15日
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この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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