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授業評価アンケートの作り方|学生に聞く質問と生かし方

@SOHO編集部
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授業評価アンケートの作り方|学生に聞く質問と生かし方

この記事のポイント

  • ✓授業評価アンケートの作り方を
  • ✓結果の読み方と授業への生かし方まで順に解説します
  • ✓専門学校や社会人向けの講座でもそのまま使える設問例を紹介します

授業評価アンケートは、学生に授業の分かりやすさや学びの手応えを尋ね、次の授業を良くするための材料を集める仕組みです。作るときに大切なのは、聞きたいことを先に決め、学生が数分で答えられる設問にし、集まった結果を学生に返すところまでを1つの流れとして組むことです。この記事では、授業評価の目的と実施の時期、学生に聞く質問の例、回答の尺度の選び方、匿名と個人情報の扱い、結果の読み方と授業への生かし方を順に説明します。授業についての質問や要望を受け付け、一人ひとりに返信まで回したい場合に使えるフォームの Halict にも触れます。

授業評価とは何か、なぜ行うのか

授業評価とは、授業を受けた学生に、授業の内容や進め方、自分の学び方について意見を求める調査のことです。多くの大学では学期の終わりにアンケートの形で行われ、結果は担当の教員に返されます。目的は教員を採点することではなく、教員が自分では気づきにくい授業の課題を知り、次の学期の授業を良くすることにあります。

大学に求められている授業改善の取り組み

大学で授業評価が広く行われている背景には、授業の改善に組織として取り組むことが大学設置基準で求められていることがあります。大学設置基準とは、大学を設置するときに満たすべき最低限の基準を文部科学省が定めた省令のことです。第11条第2項には、次のように書かれています。

大学は、学生に対する教育の充実を図るため、当該大学の授業の内容及び方法を改善するための組織的な研修及び研究を行うものとする。 出典: e-Gov法令検索(大学設置基準)

この「授業の内容及び方法を改善するための組織的な研修及び研究」は、一般にFD(ファカルティ・ディベロップメント)と呼ばれます。FDとは、教員が授業の質を高めるために大学ぐるみで行う研修や研究のことです。授業評価アンケートは、そのFDの材料を集める手段の1つとして位置づけられています。

授業評価アンケートの実施方法には、一連の授業が終了する学期末に、出席している学生にマークシート形式で回答させるものがある。設問内容は、教員の授業の技量と学生の満足度、授業に対する学生の興味と意欲、授業外の活動、シラバスの評価など多岐にわたり、この授業評価アンケートの結果を教員の評価に使用している大学もある。アンケートの実施頻度、使用するツール、設問についても共通の規定があるわけではなく、各大学独自の形式で行っている。 出典: ja.wikipedia.org

法令が求めているのは授業を改善する取り組みであって、アンケートの形や設問までは決めていません。そのため、設問の数も実施の時期も、学校ごと、授業ごとに工夫する余地があります。言い換えると、作り方しだいで、役に立つ授業評価にも、毎学期の形だけの作業にもなります。

大学以外でも使われている

授業評価の考え方は、大学だけのものではありません。専門学校、高校、学習塾、企業の社内研修、自治体の市民講座、オンライン講座でも、受講者の声を集める仕組みとして使われています。受講料を受け取って講座を開いている場合は、受講者の満足度が次の申し込みに直結するため、大学以上に結果を重く見ることもあります。この記事で紹介する設問の例や結果の読み方は、こうした講座にもそのまま当てはめられます。

授業評価の種類と実施する時期

授業評価には、いつ、どの形で聞くかによっていくつかの種類があります。目的に合わせて組み合わせると、学期の終わりに一度だけ聞くよりも、授業の改善に使いやすい情報が集まります。

学期末に行う授業評価

もっとも一般的なのが、学期の最後の授業や試験の前後に行う授業評価です。授業全体を振り返ってもらえるため、シラバス(授業の計画書)どおりに進んだか、成績の付け方は分かりやすかったか、といった全体の評価を集めるのに向いています。一方で、結果が出るころには授業が終わっているため、その学期の学生には改善の結果を返せません。

学期の途中で行う中間アンケート

学期の半ば、たとえば15回の授業の7回目前後に行うのが中間アンケートです。声の大きさ、板書やスライドの見やすさ、進むペース、課題の量など、すぐに直せることを聞くのに向いています。直したことを次の授業で学生に伝えれば、同じ学期のうちに改善を実感してもらえます。設問は5問前後にしぼり、授業の最後の数分で答えられる量にします。

毎回の授業で集めるコメント

授業の終わりに、その日に分かったことと分からなかったことを一言ずつ書いてもらう方法もあります。リアクションペーパー、コメントカード、出席カードなど、学校によって呼び方はさまざまです。厳密な授業評価とは別のものとして扱われることが多いものの、分からなかった点を次の授業の冒頭で補うことができ、学期末の評価よりも直接的に授業を良くする材料になります。

紙で行うか、Webで行うか

実施の方法は、紙のマークシートとWebのフォームに大きく分かれます。紙は授業の時間内に配って回収するため回答率が高くなりやすく、Webは集計の手間がかからない反面、授業の外で答えてもらうと回答率が下がりやすい傾向があります。Webで行う場合も、授業の最後の5分を回答の時間にあてて、その場でスマートフォンから答えてもらうと、紙と同じように回答が集まります。

種類 時期の目安 向いている設問
学期末の授業評価 最終回の前後 授業全体の満足度、シラバスとの一致、成績評価の分かりやすさ
中間アンケート 学期の半ば 声や資料の見やすさ、進むペース、課題の量
毎回のコメント 授業の終わり 分かったこと、分からなかったこと、質問

学生に聞く質問の作り方と設問の例

授業評価の質は、設問でほぼ決まります。何でも聞きたくなりますが、設問が多いほど学生は後半を適当に答えるようになります。結果を見て何を直すかが想像できない設問は、思い切って外します。

先に、結果を何に使うかを決める

設問を考える前に、集めた結果を何に使うかを書き出します。たとえば「スライドの文字の大きさを直すかどうか決めたい」「課題の量が多すぎないかを知りたい」「グループワークを続けるかどうか判断したい」のように、決めたいことを先に並べます。決めたいことから逆算して設問を作ると、答えを見たあとに次の手が打てる設問だけが残ります。

聞く観点は5つにしぼる

授業評価で聞く観点は、次の5つにまとめると整理しやすくなります。

  1. 授業の分かりやすさ(説明、資料、板書、話す速さ)
  2. 授業の進め方(ペース、時間配分、質問のしやすさ)
  3. 課題と評価(課題の量と難しさ、成績の付け方の分かりやすさ)
  4. 学生自身の取り組み(予習と復習の時間、出席、意欲)
  5. 授業で得られたもの(知識や技能が身についたか、満足しているか)

4つ目の学生自身の取り組みを入れておくと、授業の満足度が低いときに、授業の側の問題なのか、学生の取り組み方の問題なのかを切り分けやすくなります。

そのまま使える設問の例

5段階の尺度で答えてもらう設問の例を、観点ごとに紹介します。言い回しは授業に合わせて変えてかまいません。

観点 設問の例
分かりやすさ 教員の説明は分かりやすかった
分かりやすさ スライドや配布資料は読みやすかった
進め方 授業の進むペースは適切だった
進め方 授業中に質問しやすい雰囲気があった
課題と評価 課題の量は適切だった
課題と評価 成績の付け方は最初に分かりやすく示されていた
学生の取り組み この授業のために、授業外で学習する時間をとった
得られたもの この授業を通して、新しい知識や考え方が身についた
得られたもの 全体として、この授業に満足している

設問は1つの文で1つのことだけを聞きます。「説明と資料は分かりやすかった」のように2つのことを1問に入れると、説明は良いが資料は読みにくいと感じた学生が答えに迷います。

尺度の選び方

回答の尺度は、「とてもそう思う」「そう思う」「どちらともいえない」「そう思わない」「まったくそう思わない」の5段階がよく使われます。真ん中の選択肢を外した4段階にすると、どちらかに寄せて答えてもらえる反面、本当に中間の学生が答えにくくなります。どちらを選ぶ場合も、学期ごとに尺度を変えないことが大切です。尺度が変わると、前の学期との比較ができなくなります。

授業外の学習時間のように、量そのものを知りたい設問は、「30分未満」「30分以上1時間未満」「1時間以上2時間未満」のように時間の幅で選んでもらいます。

自由記述は2問まで

数字だけでは、なぜその評価になったのかが分かりません。自由記述の欄を設けて、理由や具体的な場面を書いてもらいます。ただし自由記述が多いと答える側の負担が大きくなるため、「この授業で良かった点」と「改善してほしい点」の2問程度にしぼります。「改善してほしい点」は、「次の学期の授業をより良くするために、変えたほうがよいと思うことがあれば書いてください」のように、前向きに書きやすい言い回しにすると、具体的な提案が集まりやすくなります。

避けたい設問の書き方

設問の言い回しによって、答えが一方に寄ってしまうことがあります。作り終えたら、次の4つに当たっていないかを確かめます。

  • 答えを誘う書き方になっている(「丁寧な説明は分かりやすかったですか」のように、評価の言葉が設問に入っている)
  • 学生が判断できないことを聞いている(「教員の専門知識は十分でしたか」は、学ぶ側には判断しにくい)
  • 否定の形で聞いている(「説明が分かりにくいことはなかった」は、どちらに答えればよいか迷う)
  • 授業によって当てはまらない設問がある(実習のない授業で実習の設問を聞くと、答えがばらつく)

当てはまらない学生がいる設問には、「該当しない」の選択肢を加えておくと、無理に答えた回答が混ざるのを防げます。作った設問は、配る前に学生か同僚の1人から2人に答えてもらい、迷った設問を直しておくと確実です。

回答率を上げ、本音を聞くための工夫

設問がよくできていても、答える学生が少なかったり、本音が書かれていなかったりすると、結果は授業の改善に使えません。回答の集まり方を左右するのは、答える時間、答える理由、答えても不利にならないという安心感の3つです。

答える時間を授業の中にとる

授業の外で答えてもらう形にすると、回答率は大きく下がります。最終回の授業の最後の5分から10分を回答の時間にあて、その場で答えてもらうのが確実です。Webで行う場合は、スクリーンにフォームの二次元コードを映し、スマートフォンから答えてもらいます。回答にかかる時間の目安は、選択式の設問10問と自由記述2問で5分前後です。

結果をどう使うかを先に伝える

答えた結果が何にも使われないと感じると、学生は真剣に答えなくなります。アンケートを配る前に、「前の学期の意見をもとに、今学期は課題の締め切りを1週間延ばしました」のように、過去の結果で何を変えたかを一言伝えます。自分の回答が次の授業に生かされると分かると、自由記述の中身が具体的になります。

成績に影響しないことをはっきり伝える

学生がもっとも気にするのは、厳しいことを書くと成績で不利になるのではないか、という点です。アンケートは成績と関係がないこと、教員が結果を見るのは成績を付け終えたあとであることを、口頭と画面の両方で伝えます。大学によっては、結果を教員に返すのを成績の提出後にする運用にしています。

設問の順番

答えやすい設問から始め、自由記述は最後に配置します。最初に重い自由記述があると、そこで答える気持ちが途切れます。また、満足度の設問は最後に聞くほうが、ほかの設問で授業を一通り振り返ったあとの評価になるため、答えが安定します。

匿名と個人情報の扱い

授業評価は、匿名で行うのが一般的です。匿名にすると本音が集まりやすくなる一方で、回答の重複や、授業に出ていない学生の回答を防ぎにくくなります。どちらを選ぶ場合も、個人情報の扱いを先に決めて学生に伝えます。

どこからが個人情報になるか

個人情報保護法では、個人情報を次のように定めています。

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。) 出典: e-Gov法令検索(個人情報の保護に関する法律)

ポイントは括弧の中です。氏名を聞いていなくても、学籍番号や、ログインしたアカウントのメールアドレスと回答がひもづいていれば、ほかの情報と照らし合わせて誰の回答かが分かります。この場合、回答は個人情報として扱う必要があります。受講者が5人しかいない授業で学年と所属学科を聞くと、それだけで誰の回答かが分かることもあります。

匿名にするための具体的な手順

匿名の授業評価にする場合は、次の点を確かめます。

  • 氏名、学籍番号、メールアドレスを聞かない
  • Webのフォームで、回答者のアカウント情報を自動で記録する設定を切る
  • 受講者が少ない授業では、学年や所属などの属性を聞かない
  • 自由記述に個人が分かることを書かないよう、注意書きを添える
  • 結果を教員に返すときは、受講者が少ない授業の自由記述をそのまま渡さず、要旨にする

記名にする場合の伝え方

授業の改善について個別に話を聞きたい、要望に一人ひとり返事をしたい、といった理由で記名にする場合は、何のために名前を聞くのか、誰が回答を見るのか、成績には使わないことを、アンケートの冒頭に書きます。個人情報の扱いは学校ごとの規程があるため、記名で行う前に、教務の担当や個人情報の窓口に確かめておきます。学校の規程や法令の当てはめで迷うときは、個人情報保護委員会の 法令・ガイドライン等 のページや、学校の担当窓口で確認します。

結果の読み方と授業への生かし方

アンケートの結果は、平均点だけを見ると読み誤ります。数字の並びと自由記述を組み合わせて、何を変えるかを決めるところまでが授業評価です。

平均点より分布を見る

5段階の平均が3.5の設問でも、ほとんどの学生が3か4に答えている場合と、5と1に大きく分かれている場合とでは、意味がまったく違います。分かれている場合は、授業の進め方が一部の学生には合っていて、別の学生には合っていないことを示しています。たとえば、予備知識のある学生には説明が遅く、初めて学ぶ学生には速すぎる、という状況です。設問ごとに、各選択肢を選んだ人数を棒グラフにすると、分布の偏りがひと目で分かります。

回答数が少ないときは数字を比べない

受講者が10人の授業で3人だけが答えた場合、平均点は1人の回答で大きく動きます。回答数が少ない授業では、前の学期やほかの授業と平均点を比べず、自由記述を中心に読みます。結果の表には、平均点と一緒に回答数と回答率を必ず並べます。

自由記述は分類してから読む

自由記述は、1件ずつ読むと強い言葉の意見に引きずられます。まずすべてを読み、「資料」「話し方」「課題」「進むペース」「評価の方法」「その他」のように分類して、どの分類に何件あったかを数えます。件数の多い分類から手を付けると、少数の強い意見ではなく、多くの学生が感じていることから改善できます。厳しい言葉の意見も、分類の1件として扱うと、冷静に読めます。

直すことを3つ以内に決める

結果を読んだら、次の学期に直すことを3つ以内に決めます。一度に多くを変えると、どの変更が効いたのかが分からなくなります。直すことは「スライドの文字を24ポイント以上にする」「課題の締め切りを授業の1週間後にそろえる」のように、実行したかどうかが分かる形で書きます。

学生に結果を返す

授業評価で見落とされがちなのが、結果を学生に返すことです。次の学期の初回の授業で、前の学期の結果の要点と、それを受けて変えたことを数分で伝えます。授業のページに要旨を載せる方法もあります。結果が返ってくると分かると、次のアンケートで学生が真剣に答えるようになり、授業評価が毎学期の形だけの作業になるのを防げます。

結果を報告書にするときの組み立て

授業評価の結果は、担当の教員だけでなく、学科やFDの委員会、講座の運営者にも共有されることがあります。読む人が多いほど、報告書の形をそろえておくと、学期ごとの比較がしやすくなります。

報告書に入れる5つの項目

報告書は、次の5つの項目で組み立てると、読む人が知りたいことに順に答えられます。

  1. 実施の概要(授業名、実施日、実施方法、受講者数、回答数、回答率)
  2. 選択式の設問の結果(設問ごとの平均と、選択肢ごとの人数)
  3. 自由記述の要旨(分類ごとの件数と、代表的な意見の要約)
  4. 前の学期との比較(同じ設問の平均の変化と、変えたこと)
  5. 次の学期に直すこと(3つ以内、実行の時期)

回答率は、受講者数に対する回答数の割合です。たとえば受講者が80人で回答が60人なら、回答率は75%です。回答率が低い授業の結果は、答えた学生に偏りがある可能性があるため、報告書の最初に明記しておくと、読む人が数字を割り引いて読めます。

1枚目で結論が分かるようにする

報告書を読む人の多くは、細かい表までは読みません。1枚目の上半分に、「全体の満足度は前学期とほぼ同じ」「資料の見やすさの評価が上がった」「課題の量についての不満が自由記述の3割を占めた」のように、結論を3行で書きます。表とグラフはその後ろに並べます。

自由記述の扱い方

自由記述をそのまま全件載せると、誰が書いたかが推測できる場合があります。特に受講者が少ない授業では、言い回しや具体的な出来事から書いた人が分かることがあるため、要旨に書き直して載せます。人を傷つける表現が含まれる意見は、要点だけを残して言い換えます。

社会人向けの講座や研修で使うときの違い

企業の研修や市民講座、有料のオンライン講座で授業評価を行う場合は、大学とは聞くことの重点が少し変わります。受講者が時間やお金を払って参加しているため、講座の内容が仕事や生活に役立つかどうかが、もっとも大切な評価になります。

研修で追加したい設問

社会人向けの研修では、次のような設問を追加すると、研修を続けるかどうかの判断に使いやすくなります。

  • この研修の内容は、自分の仕事にすぐに使えると思う
  • 研修の時間の長さは適切だった
  • 同じ部署の人にもこの研修を勧めたい
  • 研修の案内や申し込みの手続きは分かりやすかった

「勧めたい」の設問は、0から10の11段階で聞く方法もあります。数字が大きいほど勧めたい気持ちが強いことを示し、研修や講座どうしの比較に使えます。

研修の直後と、しばらく後に聞く

研修の満足度は、終わった直後に聞くと高めに出やすい傾向があります。研修で学んだことを実際に仕事で使えたかどうかは、研修から1か月から3か月ほど経ってから、短いアンケートで改めて聞くと分かります。直後のアンケートでは講座の進め方を、しばらく後のアンケートでは仕事での役立ち方を聞く、と分けると、研修の改善に使える情報がそろいます。

講師に結果を返すときの配慮

外部の講師に研修を依頼している場合は、結果を講師に返すことを事前に伝えておきます。講師にとっても、受講者の声は次の講座を良くする材料になります。返すときは、点数の一覧だけでなく、良かった点の自由記述も一緒に伝えると、講師が改善点を前向きに受け止めやすくなります。

口コミサイトの授業評価との違い

「授業 評価」と調べると、学生どうしが授業の感想を投稿する口コミサイトも多く見つかります。授業の選び方の参考として学生に広く使われていますが、学校が行う授業評価とは目的も読み方も違います。

口コミサイトは授業選びのための情報

口コミサイトに書かれているのは、主に授業を選ぶための情報です。単位の取りやすさ、出席の取り方、試験の形式など、これから履修する学生が知りたいことが中心で、授業の改善に使うことを前提にしていません。投稿する学生にも偏りがあり、特に満足した学生と不満の強い学生が書き込みやすい傾向があります。

学生が口コミを読むときの注意

学生の立場で口コミを読むときは、投稿の時期を確かめることが大切です。担当の教員が変わったり、成績の付け方が見直されたりして、数年前の情報が今の授業に当てはまらないことはよくあります。最新の授業の内容は、大学が公開しているシラバスで確かめ、口コミは雰囲気をつかむための参考にとどめます。

教員が口コミを読むときの注意

教員の側から見ると、口コミサイトの書き込みは、学校の授業評価では出てこない本音が見える場合があります。一方で、投稿者の数も属性も分からないため、授業の改善の根拠にするには向きません。気になる書き込みがあった場合は、次の授業評価の設問に加えて、受講者全体がどう感じているかを確かめるのが確実です。

Webのフォームで集める方法と、返信まで回す方法

授業評価をWebで行う場合は、学校が用意している学習管理システムのアンケート機能か、一般のフォーム作成サービスを使います。学校のシステムがあればそれを使うのがもっとも手軽で、学生のログインとも連動します。学校の外の講座や、システムにない形で聞きたい場合は、フォーム作成サービスを使います。

無記名の授業評価に向いた作り方

無記名の授業評価は、Googleフォームのような無料のサービスで作れます。前の章で紹介した手順のとおり、メールアドレスを集める設定を切り、回答の重複を防ぐためにログインを求める設定も、匿名性とのつり合いを考えて決めます。集計は、書き出したデータを表計算ソフトで棒グラフにすると、分布が読みやすくなります。

質問や要望に一人ずつ返事をしたいとき

授業評価とは別に、授業についての質問や要望を受け付けて、一人ひとりに返事をしたい場面があります。社会人向けの講座で受講者から授業後に質問が届く、オンライン講座の受講者から教材の不具合の報告が来る、といった場合です。こうした窓口では、どの質問に誰が返事をしたか、返事を済ませたかを、複数の担当者で共有する必要があります。表とメールソフトを行き来していると、返事の漏れや二重の返事が起きやすくなります。

こうした場面では、受付から対応までを1つの画面で行えるフォームの Halict が使えます。公式の案内によると、Halictでは届いた回答の一件ごとに担当と状況が記録され、返信も同じ画面から送れて、相手が開封したかどうかまで残ります。フィールドは評価や選択肢、日付、メールなど12種類から選べ、集まった回答は一覧で確かめてCSVに書き出せます。料金のページによると、フリーのプランはメンバー1人まで0円で、フォームの数と回答の数は無制限です。3人で共有するスタータープランは、月額2,980円(税抜)です。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

返事をするには連絡先を聞く必要があるため、無記名の授業評価とは窓口を分けます。授業評価は無記名のフォームで、質問と要望は記名の窓口で、と目的ごとに分けると、匿名性を守りながら一人ひとりへの対応もできます。Halictは結果を自動でグラフにする集計の道具ではないため、数値の集計は書き出したCSVを表計算ソフトで行います。

授業評価の設計と集計を仕事にする視点

授業評価の設計から集計、報告書の作成までの作業は、学校や研修会社から外部に依頼されることもあります。教育の現場を知る人や、アンケートの設計と分析ができる人にとっては、在宅でも取り組める仕事の1つです。

どんな仕事として依頼されるか

依頼の形は、設問の設計、Webフォームの作成、回答の集計とグラフ化、自由記述の分類と要約、結果の報告書の作成などに分かれます。企業の社内研修では、研修後の満足度調査を毎回同じ形で集計し、半期ごとに報告書にまとめる作業が継続して発生することがあります。データの分析やマーケティングの調査に近い仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事 で、アンケートの集計や分析を含む案件の種類と、求められるスキルを紹介しています。

報告書やグラフの見せ方が問われる仕事では、デザインの素養も役に立ちます。デザイナーの年収・単価相場 では、資料やグラフの制作を含むデザインの仕事の相場を確かめられます。教育の効果を調べる研究に近い仕事に関心がある場合は、研究者の年収・単価相場 で、研究職の働き方と収入の幅を確かめられます。

運営者として見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、アンケートの仕事で長く依頼が続く人は、集計の速さよりも、「結果から次に何をすればよいか」を一言で添えられる人です。平均点の表だけを渡すのではなく、「自由記述の4割が資料の見やすさに触れている」「回答率が前回より下がったのは、授業外での回答に変えたためと考えられる」のように、数字の意味を読み解いて返すと、依頼する側は次の打ち手をすぐに決められます。また、仲介の手数料が乗らない直接のやり取りでは、同じ予算で依頼する側は分析や報告書まで頼みやすくなり、受ける側も手取りが厚くなります。双方が得をする形で関係が続くのは、こうした読み解きの価値が正しく伝わっている場合です。

次に取り組むこと

授業評価をこれから作る場合は、まず結果を何に使うかを3つ書き出し、そこから設問を10問前後にしぼるところから始めます。設問ができたら、実施の日、回答にあてる時間、結果を教員に返す日、学生に結果を伝える日の4つを、学期の予定表に先に書き込んでおきます。日付が決まっていると、集計と報告書づくりが後回しになりにくくなります。中小企業の経営や業務改善の視点で調査と分析を体系的に学びたい場合は、中小企業診断士 の資格ガイドで、試験の内容と学び方を確かめられます。

よくある質問

Q. 授業評価アンケートの設問は何問くらいが適切ですか?

選択式の設問を10問前後、自由記述を2問程度にするのが目安です。この量なら5分前後で答えられ、授業の最後の時間で回答してもらえます。設問が多いほど後半の答えが雑になりやすいため、結果を見て何を直すかが想像できない設問は外します。学期の途中で行う中間アンケートは、5問前後にしぼると答えてもらいやすくなります。

Q. 授業評価は匿名にしたほうがよいですか?

本音を集めたい場合は匿名が向いています。匿名にするときは、氏名や学籍番号、メールアドレスを聞かず、Webのフォームでアカウント情報を自動で記録する設定も切ります。受講者が少ない授業では、学年や所属を聞くだけで誰の回答か分かることがあるため、属性の設問も控えます。記名にする場合は、目的と回答を見る人を冒頭に書きます。

Q. 授業評価の結果は成績に影響しますか?

一般に、授業評価の結果は学生の成績とは関係なく扱われます。多くの学校では、教員が結果を見るのを成績の提出後にするなど、学生が不利にならない運用をしています。ただし運用は学校ごとに違うため、気になる場合はアンケートの説明文や、学校の教務の窓口で確かめるのが確実です。

Q. 授業評価の結果はどのように授業に生かせばよいですか?

平均点だけでなく、選択肢ごとの人数の分布と回答数を確かめ、自由記述は分類して件数を数えます。そのうえで、次の学期に直すことを3つ以内に決め、実行したかどうかが分かる形で書きます。次の学期の初回の授業で、前回の結果の要点と変えたことを学生に伝えると、次の回答が具体的になりやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月2日最終更新:2026年10月24日
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