中部電力の情報漏えいの可能性|一部システムへの不正アクセス 約71,700人と約2,400人 氏名・メールアドレス・電話番号 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓中部電力の情報漏洩について
- ✓2026年8月4日の公式発表をもとに整理
- ✓取引先など約2,400人とグループの役職員や委託先社員など約71,700人の氏名・メールアドレス・電話番号が漏えいした可能性と
中部電力の情報漏洩について、中部電力株式会社は2026年8月4日、同社が利用する一部のシステムに対する不正アクセスにより、役職員の電子メールの一部と、中部電力グループの連絡先情報が外部に漏えいした可能性があると発表しました。対象は、関係機関・自治体・取引先など約2,400人と、グループの連絡先情報に登録されている役職員や委託先社員など約71,700人で、氏名、所属や役職、メールアドレス、電話番号が含まれます。 電気・ガスの契約者の情報の漏えいは、発表の時点で確認されていないと明記されています。 対象になりうる人がまずすることは、中部電力グループの従業員を装ったメールや電話に注意し、URLを開いたり個人情報を答えたりしないことです。
この発表が出たのは2026年8月4日です。2026年11月1日時点で、中部電力のプレスリリースの一覧を見た範囲では、この件の続報(調査結果、件数の確定、補償の案内)は掲載されていません。一方で、2026年10月26日には、メールマガジン配信システム「ブラストメール」への不正アクセスによる別の件が公表されています。こちらは対象も原因も違う事案のため、後半の節で分けて説明します。この記事は、2026年11月1日時点で中部電力の公式発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
中部電力の不正アクセスで何が起きたのか
中部電力株式会社は、中部地方を中心に電気事業を担う中部電力グループの持株会社です。グループには、電気やガスの販売を担う中部電力ミライズ、送配電を担う中部電力パワーグリッドなどがあります。今回の発表は、持株会社である中部電力株式会社のプレスリリースとして出ています。
公式発表の骨子は次のとおりです。
- 2026年7月29日に、第三者機関から中部電力に情報提供があった
- 調べた結果、同社が利用する一部のシステムに係る資格情報が不正に利用されていたことが分かった
- 確認された範囲で、役職員の約2,400件の電子メールと、グループの連絡先情報が、不正に閲覧された可能性がある
- 同じ日のうちに、被害の拡大を防ぐ措置を取った
- システム障害や電力供給への影響は起きていない
- 電気・ガスのお客さま情報の漏えいは、現時点で確認されていない
資格情報とは、システムにログインするためのIDやパスワード、認証のための鍵などのことです。今回は、こうしたログインのための情報が何らかの形で第三者の手に渡り、本来の利用者になりすましてシステムに入られたという説明です。どのシステムだったのか、資格情報がどうして第三者の手に渡ったのかは、発表には書かれていません。
発表の表現は「外部に漏えいした可能性がある」「不正閲覧された可能性がある」です。情報が外に持ち出されたと確定したわけではなく、見られた可能性があると確認した段階です。この記事でも、その表現のまま書きます。
公表の経緯と分かったこと
2026年11月1日時点で、この件について公式に出ている発表は、8月4日付のプレスリリース1本です。
| 日付 | 出来事 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年7月29日 | 第三者機関から情報提供 | 調査の結果、一部のシステムの資格情報が不正に利用されていたことを確認。同日に被害拡大を防ぐ措置 |
| 2026年8月4日 | プレスリリースを公表 | 役職員の約2,400件の電子メールとグループの連絡先情報が不正閲覧された可能性。漏えいした可能性のある個人情報は約2,400人と約71,700人 |
| 2026年11月1日時点 | 続報なし | プレスリリースの一覧に、この件の続報は掲載されていない |
発見のきっかけが、社内の監視ではなく第三者機関からの情報提供だった点は、発表に書かれている事実です。どの機関から、どういう内容の情報提供があったのかは示されていません。
発表の「今後の対応」には、外部専門機関と連携した調査を続け、関係各所と緊密に連携して適切に対応すると書かれています。また、関係法令などを踏まえ、対象となる人には速やかに個別に対応するとしています。調査結果の続報がいつ出るかは示されていません。
原文は中部電力の「不正アクセスによる情報漏えいの可能性について」で読めます。続報を確かめるときも、検索結果の記事ではなく、中部電力のニュースのページにあるプレスリリースの一覧を見てください。
漏えいした可能性のある個人情報
発表では、漏えいした可能性のある個人情報が、確認できている範囲として次の表のとおり示されています。
| 対象者 | 内容 |
|---|---|
| 関係機関、自治体、取引先など 約2,400人 | 会社・団体名、役職、氏名、メールアドレス、電話番号 |
| 当社グループの連絡先情報に登録されている当社グループの役職員および委託先社員など 約71,700人 | 会社名、所属、役職、氏名、メールアドレス、電話番号 |
漏えいが確認されていないと明記されている情報は、次のとおりです。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいは現時点で確認されていない | 電気・ガスのお客さま情報 |
表の2つの区分は、性質がはっきり違います。1つ目の約2,400人は、役職員の電子メールに含まれていた社外の人の情報です。関係機関、自治体、取引先など、仕事で中部電力とメールをやり取りした人が当たります。2つ目の約71,700人は、グループの連絡先情報、つまり社内の連絡先の名簿のようなものに登録されている人です。グループの役職員に加えて、委託先の社員も含まれます。
どちらの区分にも、住所、生年月日、口座番号、クレジットカード番号は挙げられていません。発表で示されているのは、仕事の上での名前と連絡先の情報です。
「約2,400件の電子メール」と「約2,400人」は、どちらも約2,400という数字ですが、前者はメールの件数、後者は人数です。発表ではそれぞれ別の数字として書かれており、同じものを指すとは書かれていません。
電気・ガスの契約者は対象なのか
検索でこの件を調べる人の多くは、自宅で中部電力の電気やガスを契約している人だと考えられます。この点について発表は、電気・ガスのお客さま情報の漏えいは、現時点で確認されていないとしています。
会社の対応状況にも、電力供給やお客さま情報を扱うシステムへの不正アクセスの痕跡がないことを確認した、と書かれています。発表の文面は次のとおりです。
なお、本事象によるシステム障害や電力供給への影響は発生しておらず、また、電気・ガスのお客さま情報の漏えいは現時点で確認されておりません。 出典: 中部電力株式会社「不正アクセスによる情報漏えいの可能性について」
つまり、家庭で電気やガスを契約しているだけの人は、発表の範囲では今回の対象に入っていません。契約者の住所や、料金の支払いに使っている口座やカードの情報が漏れたという発表もありません。
ただし、家庭の契約者であっても、仕事で中部電力グループとやり取りをしている人、グループの会社で働いている人、委託先の社員として仕事をしている人は、表の区分に入る可能性があります。自分が「契約者」として関わっているのか、「仕事の相手」として関わっているのかで、考え方を分けてください。
原因について発表で分かっていること
原因について公式に分かっているのは、同社が利用する一部のシステムに係る資格情報が不正に利用された、という点です。第三者機関からの情報提供で分かり、調査で確かめられました。
次の点は、発表には書かれていません。
- 不正アクセスを受けたシステムの名前と、どういう用途のシステムか
- 資格情報がどうして第三者の手に渡ったのか
- いつから不正なアクセスが続いていたのか
- 不正アクセスをした相手が誰か
検索すると、攻撃の手口や関係する集団について書いた記事が見つかることがありますが、公式発表にない内容はこの記事では扱いません。調査は外部専門機関と連携して続けられていると発表されています。
資格情報が不正に使われる事案は、パスワードの使い回し、フィッシングによる盗み取り、端末への不正なプログラムの感染など、いくつかの入り口から起きることがあります。今回どれに当たるかは公表されていませんが、個人として取れる対策は同じです。パスワードが漏れたときにすることは、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく説明しています。
中部電力の対応と今後の連絡
発表に書かれている、中部電力が行った対応は次のとおりです。
- 不正アクセスに利用された資格情報を無効にし、不正アクセス元を遮断した
- 電力供給やお客さま情報を扱うシステムに、不正アクセスの痕跡がないことを確かめた
- 漏えいした可能性のあるメールの情報を特定し、中身を詳しく調べた
- 外部専門機関と連携して調査した
- 関係官庁、個人情報保護委員会、警察などの関係各所に報告と相談をした
今後については、調査を続けるとともに、関係法令などを踏まえて、対象となる人に速やかに個別に対応するとしています。個別の対応がメールなのか郵便なのか、いつまでに行うのかは書かれていません。
お詫びの品や金銭による補償については、2026年11月1日時点の発表に記載はありません。補償があるかどうかは、この記事では推測しません。補償についての一般的な考え方は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理しています。
仕事の連絡先が漏れると何が起きやすいか
今回漏えいした可能性があるのは、名刺に書かれているような仕事の連絡先です。住所やカード番号に比べると軽く見えるかもしれませんが、仕事の連絡先には別の使われ方があります。
一つは、取引先になりすましたメールです。会社名、役職、氏名、メールアドレスがそろうと、送り手は「中部電力の〇〇部の誰それ」として、実在する担当者の名前でメールを送れます。受け取る側も、相手の会社名と名前が正しいので、疑わずに添付ファイルを開いてしまいやすくなります。添付ファイルに不正なプログラムが仕込まれていると、受け取った人のパソコンが乗っ取られ、そこからさらに別の会社の情報が狙われることがあります。
もう一つは、請求や送金をだます手口です。取引先の担当者になりすまして「口座が変わった」と連絡し、代金を別の口座に振り込ませるもので、企業の間で被害が出ることがあります。役職や所属が分かっていると、決裁できる立場の人を狙って送ることもできます。
三つ目は、さらに詳しい情報を聞き出すための足がかりです。電話番号と名前が分かっていれば、電話で「システムの点検のため」と称して社内のIDやパスワードを聞き出そうとする手口も考えられます。
今回の件で、こうした被害が起きたという発表はありません。ただ、仕事の連絡先が見られた可能性がある以上、取引先を名乗る連絡を受ける側が、確かめ方を決めておくことに意味があります。
公式発表で分かっていないこと
2026年11月1日時点の公式発表には、次の点が書かれていません。検索で見つかる記事にこうした話が出ていても、公式で確かめられないものは事実として扱わないほうが安全です。
- 不正アクセスを受けたシステムの名前と用途
- 資格情報が第三者の手に渡った経緯
- 不正なアクセスが始まった時期
- 第三者機関がどこで、どういう情報を提供したのか
- 対象者への個別の対応を、いつ、どの方法で行うか
- 調査の続報を出す時期
- お詫びの品や補償の有無
発表の数字は「現時点で確認されている範囲」とされています。調査が進めば、対象の人数や項目が変わる可能性があります。件数を確かめるときは、日付の新しい公式発表を直接開いてください。検索結果の上のほうに出てくるまとめ記事は、発表の当日の内容のまま更新されていないことがあります。
自分が対象かを確かめる方法
対象になりうるのは、大きく分けて次の人たちです。
- 関係機関、自治体、取引先などで、仕事で中部電力の役職員とメールをやり取りしたことがある人
- 中部電力グループの会社で働いている、または働いていた役職員
- 中部電力グループの仕事を請け負う委託先の社員で、グループの連絡先情報に登録されている人
自分がどちらに当たるかを考えるときは、次の点を手がかりにしてください。
- 中部電力グループの社員と、仕事の用件でメールを送り合ったことがあるか
- 名刺交換の後などに、中部電力グループから仕事のメールを受け取ったことがあるか
- 委託先として、グループの社内のメールアドレスや連絡先の名簿に自分が載る立場で働いたか
発表は、対象となる人に個別に対応するとしています。仕事の相手として関わっている人は、中部電力グループの普段の担当者から連絡が来る可能性があります。委託先の社員として働いている人は、自分の勤め先を通じて案内が来ることもありえます。
連絡が来ていないからといって対象外とは限りませんし、連絡が来たように見えても本物とは限りません。届いた連絡の真偽は、その連絡に書かれた番号ではなく、普段のやり取りで使っている担当者の連絡先や、中部電力の公式サイトで確かめます。
対象かもしれない人がすること
漏えいした可能性がある項目は、名前と仕事の連絡先です。パスワードやカード番号は含まれていないため、やることは「なりすましの連絡に備えること」が中心になります。
中部電力グループを装うメールに注意する
発表は、中部電力グループの従業員を装った不審なメールや電話があった場合、メール本文中のURLへのアクセスや添付ファイルの開封をしないこと、個人情報などの入力や回答をしないことを求めています。
会社・団体名、役職、氏名、メールアドレスがそろうと、送り手は「いつもの担当者」になりすましたメールを作りやすくなります。たとえば次のようなメールです。
- 「先日の打ち合わせの資料です」として、添付ファイルを開かせようとするメール
- 「共有フォルダの場所が変わりました」として、ログイン画面に見せかけたURLを開かせるメール
- 「請求の振込先が変わりました」として、新しい口座への支払いを求めるメール
担当者の名前や会社名が正しく書かれていても、それだけで本物だと判断しないでください。少しでも普段と違う点があれば、そのメールに返信するのではなく、普段使っている電話番号などで担当者に確かめます。フィッシングのメールの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処でまとめています。
電話での問い合わせに注意する
電話番号も漏えいした可能性のある項目に含まれています。中部電力グループの社員を名乗る電話で、パスワードや社内のシステムのログイン情報、口座番号を聞かれたら、答えずに切ってください。
電話番号が知られたときに起きやすいことと、迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく紹介しています。
職場で共有する
約2,400人の区分は、関係機関、自治体、取引先などです。自分だけでなく、同じ部署の人も中部電力とやり取りをしているかもしれません。部署の中で今回の件を共有し、中部電力グループを名乗るメールの添付ファイルやURLを開く前に、ひと呼吸おいて確かめる決まりを作っておくと安心です。
添付ファイルやURLを開いてしまったとき
不審なメールの添付ファイルを開いてしまった、URLを開いてIDとパスワードを入力してしまった、という場合は、すぐに次のことをします。
- パソコンをネットワークから外す(有線のケーブルを抜く、無線の接続を切る)
- 職場の情報システムの担当者に、開いたメールと時刻を伝える
- 入力したパスワードを、そのパスワードを使っているすべてのサービスで変える
- 送金の手続きをしてしまった場合は、すぐに銀行に連絡し、警察にも相談する
一人で抱えて様子を見ていると、被害が広がりやすくなります。開いてしまったこと自体よりも、知らせるのが遅れることのほうが、職場や取引先への影響は大きくなります。
しなくてよいこと
発表の内容から見て、家庭で電気やガスを契約しているだけの人が、今回の件だけを理由に次のことをする必要はありません。
- 電気やガスの契約の見直しや解約
- 料金の支払いに使っているクレジットカードの停止
- 料金の引き落とし口座の変更
電気・ガスのお客さま情報の漏えいは確認されていないと発表されているためです。ただし、電気料金の明細やカードの明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、すぐに確かめてください。
2026年10月26日のブラストメールの件との違い
中部電力は、2026年10月26日に「メールマガジン配信システム「ブラストメール」への不正アクセスによるお客さま情報漏えいの可能性について」を中電クラビス株式会社と連名で公表しています。名前が似ているため、検索で2つの件が混ざって見えることがありますが、別の事案です。
| 項目 | 2026年8月4日の件 | 2026年10月26日の件 |
|---|---|---|
| 原因 | 中部電力が利用する一部のシステムの資格情報が不正に利用された | 中電クラビスの委託先が使うメールマガジン配信システム「ブラストメール」が不正アクセスを受けた |
| 対象 | 関係機関・自治体・取引先など約2,400人、グループの役職員や委託先社員など約71,700人 | イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望した324名 |
| 項目 | 会社・団体名、所属、役職、氏名、メールアドレス、電話番号 | 氏名、メールアドレス |
10月26日の件は、同じ日に訂正が出ており、「中電クラビスの再委託先」と書かれていた部分が「中電クラビスの委託先」に直されています。この件の詳しい内容は、中部電力のメールマガジンで情報漏えいの可能性|ブラストメール経由で324名の氏名とメールアドレス 対象者が確かめること 2026で説明しています。
2つの件で、対象になる人はほとんど重なりません。8月の件は仕事の連絡先の情報、10月の件はイベントのメールマガジンの登録者の情報です。自分がどちらに当たるかを分けて考えてください。
問い合わせ窓口
8月4日の発表には、この件の専用の問い合わせ窓口(電話番号や受付時間)は載っていません。発表は、対象となる人に個別に対応するとしています。
自分が対象かどうか確かめたいときは、次の順で考えるのが現実的です。
- 取引先として関わっている人は、普段やり取りしている中部電力グループの担当者に、普段の連絡先で尋ねる
- 委託先の社員として働いている人は、まず自分の勤め先の担当部署に尋ねる
- グループの役職員は、社内の案内に従う
問い合わせの電話番号を名乗る連絡が届いても、発表に載っていない番号であれば、その番号にはかけないでください。公式の窓口が新たに案内された場合は、中部電力のプレスリリースか、お知らせの一覧に載るはずです。
電話やメールで尋ねるときも、パスワードや社内システムのログイン情報を伝える必要はありません。家庭の電気やガスの契約について確かめたいことがある場合は、今回の件とは分けて、契約の窓口である中部電力ミライズの公式サイトから問い合わせてください。検索結果の広告や、届いたメールに書かれた番号から問い合わせると、偽の窓口につながるおそれがあるためです。公式サイトは、ブラウザのブックマークや、契約のときに受け取った書類に書かれた案内から開くと確実です。
取引先の担当者が社内で確かめておきたいこと
約2,400人の区分に入る可能性がある関係機関、自治体、取引先の担当者は、自分の身を守るだけでなく、職場の手順も見直しておくと安心です。中部電力とのやり取りが多い部署ほど、なりすましのメールが届いたときに本物と見分けにくくなります。
職場で確かめておきたいのは、次の点です。
- 中部電力グループの担当者から届くメールの差出人アドレスの形を、部署の中で知っているか
- 振込先や請求先の変更を、メールだけで受け付けない決まりがあるか
- 添付ファイルやURLを開く前に、普段と違う点がないかを見る習慣があるか
- 不審なメールを受け取ったとき、社内の誰に知らせるかが決まっているか
- 中部電力グループの担当者の電話番号を、メールの署名ではなく名刺や契約書で控えているか
最後の点はとくに大切です。なりすましのメールの署名には、送り手が用意した電話番号が書かれていることがあります。メールの署名の番号にかけて確かめても、相手の思うつぼです。確かめるときは、以前から手元にある名刺や契約書の番号を使ってください。
自治体や関係機関では、異動で担当者が入れ替わることも多いはずです。前の担当者が中部電力とやり取りしていた場合、今の担当者が今回の件を知らないこともあります。引き継ぎの資料に今回の件を書き添えておくと、なりすましのメールが届いたときに気づきやすくなります。
グループの役職員が気をつけること
約71,700人の区分には、中部電力グループの役職員も含まれます。グループの会社で働く人は、自分の会社名、所属、役職、氏名、仕事のメールアドレスと電話番号が、漏えいした可能性のある情報に入っているかもしれません。
この区分の人は、社外からの連絡だけでなく、社内の誰かを名乗る連絡にも注意が要ります。たとえば、上司や他部署の社員を名乗って「急ぎで資料を送ってほしい」「この口座に支払ってほしい」と頼むメールや、情報システムの部署を名乗って「パスワードの再設定が必要です」と案内するメールです。所属と役職が分かっていると、誰になりすませば頼みごとが通りやすいかを、送り手が選べてしまいます。
社内のことは社内の案内に従うのが基本です。会社から個別の案内があれば、その内容に沿って対応してください。少しでも普段と違う頼みごとがメールで届いたら、社内の電話やチャットなど、メール以外の手段で本人に確かめます。
委託先の社員として働く人が気をつけること
約71,700人の区分には、中部電力グループの委託先の社員も含まれています。グループの仕事を請け負う会社で働いている人は、自分の名前、勤め先、所属、役職、仕事のメールアドレスと電話番号が、漏えいした可能性のある情報に入っているかもしれません。
この区分の人が気をつけたいのは、次のような連絡です。
- 中部電力グループの担当者を名乗り、社内のシステムへのログインを求めるメール
- 「委託業務の契約の更新手続き」として、知らないURLから書類を出させる連絡
- 自分の勤め先の上司や同僚を名乗り、急ぎの送金や機密資料の送付を求めるメール
とくに3つ目は、勤め先と所属、役職がそろっていると作りやすくなります。急ぎの送金や資料の送付を求めるメールが来たら、メール以外の手段で、本人に直接確かめてください。
委託先の社員の情報は、自分の勤め先ではなく、委託元のグループの名簿に載っているため、自分では気づきにくいものです。勤め先から案内が来ていなくても、今回の件を知った時点で、社内の情報システムの担当者に共有しておくと安心です。
続報が出たときに確かめる点
8月4日の発表には、調査を続けると書かれています。続報が出た場合に、読む側として確かめておきたい点は次のとおりです。
- 対象の人数(約2,400人と約71,700人)が変わったか
- 漏えいした可能性のある項目が増えたか、減ったか
- 電気・ガスのお客さま情報について、引き続き漏えいが確認されていないか
- 原因(資格情報が第三者の手に渡った経緯)が明らかになったか
- 問い合わせの窓口が新しく案内されたか
- 対象者への個別の連絡が終わったか
なかでも、電気・ガスのお客さま情報についての記載は、家庭の契約者にとっていちばん大事な点です。続報でこの記載が変わっていないかを、まず見てください。
続報は、中部電力のニュースのページにあるプレスリリースの一覧に載るはずです。同じ一覧には、電気料金の燃料費調整など、毎月の定例の発表も並びます。題名に「不正アクセス」「情報漏えい」が入っているものを探すと見つけやすくなります。
在宅で仕事をする人が気をつけること
中部電力グループの委託先として働く人や、取引先の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいるはずです。在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿や連絡先、社内の資料などを預かる立場になることがあります。自分のメールやクラウドのアカウントの資格情報が盗まれると、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいは、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分のアカウントを乗っ取られて預かった情報を見られてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件は、ログインのための資格情報が不正に使われたことが原因と発表されています。仕事で使うアカウントについて、次の点を見直しておくと安心です。
- 取引先から発行されたIDとパスワードを、他のサービスと同じものにしていないか
- 仕事のメールやクラウドストレージに、多要素認証を設定しているか
- 取引先のシステムのログイン情報を、メモ帳やメールの下書きにそのまま書き残していないか
- 使わなくなった取引先のアカウントを、そのままにしていないか
- 不審なログインの通知が来たとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか
多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなど別の手段も使ってログインする仕組みのことです。資格情報の一つが盗まれても、もう一つの手段がなければログインできないため、今回のような事案への備えとして効果があります。仕組みの違いと選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版にまとめています。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報やアカウントの扱い方で信頼を得ています。パスワードの使い回しをやめる、使わなくなったアカウントを返す、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
アカウントを守る力を仕事に生かす
資格情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、取引先向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を公式の発表から正確に読み取り、「誰が対象で、誰が対象でないか」「対象者は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
中部電力の件は、2026年11月1日時点で続報が出ておらず、外部専門機関と連携した調査が続いている段階です。家庭で電気やガスを契約しているだけの人は、発表の範囲では対象に入っていません。仕事で中部電力グループとやり取りをしている人や委託先で働く人は、グループの従業員を装うメールや電話に注意し、続報は中部電力のプレスリリースの一覧で確かめてください。
よくある質問
Q. 自宅で中部電力の電気を契約していますが、対象になりますか?
2026年8月4日の発表では、電気・ガスのお客さま情報の漏えいは現時点で確認されていないと明記されています。対象とされているのは、関係機関・自治体・取引先など約2,400人と、グループの役職員や委託先社員など約71,700人です。家庭で契約しているだけの人は、発表の範囲では対象に入っていません。
Q. 料金の支払いに使っているクレジットカードを止める必要はありますか?
漏えいした可能性のある情報は、会社・団体名、所属、役職、氏名、メールアドレス、電話番号で、カード番号や口座番号は挙げられていません。電気・ガスのお客さま情報の漏えいも確認されていないため、今回の件だけを理由にカードを止める必要は示されていません。
Q. 問い合わせの電話番号はありますか?
8月4日の発表には、この件の専用の問い合わせ窓口は載っていません。会社は対象となる人に個別に対応するとしています。取引先の人は普段の担当者に、委託先の社員は自分の勤め先に尋ねるのが確実です。発表に載っていない番号を名乗る連絡には応じないでください。
Q. 10月に出たブラストメールの件と同じ事案ですか?
別の事案です。8月4日の件は中部電力が利用する一部のシステムの資格情報が不正に利用されたもので、仕事の連絡先の情報が対象です。10月26日の件は委託先が使うメールマガジン配信システムへの不正アクセスで、イベントのメールマガジンの配信を希望した324名の氏名とメールアドレスが対象です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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