育児休暇は分割して取れるか|育休と産後パパ育休の分け方 2026

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育児休暇は分割して取れるか|育休と産後パパ育休の分け方 2026

この記事のポイント

  • ✓育児休暇(育休)は分割して取れます
  • ✓産後パパ育休も2回まで分けられ
  • ✓父親は合計4回に分けて休めます

「育児休暇は分割して取れるのか」「一度復帰したら、もう休めないのでは」。こうした相談は、出産を控えた夫婦から本当によく届きます。結論から書くと、会社員として雇用保険に入っている人なら、育児休業(育休)は子が1歳になるまでに2回まで分けて取れます。父親はこれとは別に、子の出生後8週間以内に取れる「産後パパ育休」を2回まで分けて取れるので、合わせて最大4回に分けて休めます。これ、知らない人が本当に多いんです。

この記事では、分割のルール、申し出の期限、休む期間の組み立て方、給付金と社会保険料の扱い、分けることで損をしやすい落とし穴、会社員でない人が使える制度までを、制度を初めて調べる人に向けて順に整理します。数字は2026年10月時点で厚生労働省と日本年金機構の公式資料を確かめたものです。

育休の分割取得が当たり前になった背景

育児休業とは、子を育てるために仕事を一定期間休める、法律で定められた休みのことです。会社が独自に用意する「育児休暇」とは別物で、条件を満たす労働者が申し出れば、会社は原則として断れません。検索では「育児休暇」と「育児休業」が混ざって使われていますが、分割の話をするときは法律上の「育児休業」を指していると考えてください。

かつての育児休業は、原則として子が1歳になるまでに1回しか取れませんでした。いったん職場に戻ると、同じ子についてもう一度休むことは基本的にできなかったのです。2022年10月の育児・介護休業法の改正で、この「1回だけ」の決まりが変わり、育休を2回に分けて取れるようになりました。同じ改正で、父親が出産直後に取りやすい「産後パパ育休(出生時育児休業)」も新しく作られました。

制度が変わった効果は数字にも表れています。厚生労働省が2026年7月に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」によると、育児休業を取った人の割合は女性が88.3%、男性が50.9%でした。

女性 : 88.3%(令和6年度 86.6%) 男性 : 50.9%(同 40.5%) 出典: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」結果の公表

男性の取得率が1年で10ポイント以上伸び、初めて半数を超えました。ここで大事なのは、男性の育休が「長く1回」より「短く何回か」に分けて取られる場面が増えている点です。出産直後の退院の時期に1回、妻の職場復帰に合わせてもう1回、というように、家庭の節目に合わせて休みを配置する考え方が広がっています。分割できるようになったことで、仕事への影響を抑えながら育児に関わる選択肢が増えたわけです。

一方で、相談の現場では「分割できるのは知っていたけれど、申し出の期限を過ぎていた」「分けて取ったら給付金が思ったより少なかった」という声も少なくありません。制度は使い方を知って初めて味方になります。次の節から、ルールを1つずつ確かめていきます。

育休と産後パパ育休の違いと分割の基本ルール

分割を考える前に、2つの休みの違いを押さえておきましょう。厚生労働省のリーフレットに沿って、要点を表にまとめます。

項目 産後パパ育休(出生時育児休業) 育児休業
取れる時期 子の出生後8週間以内 原則として子が1歳になるまで(最長2歳)
取れる日数 4週間(28日)まで 期間内なら日数の制限なし
分割 2回まで 2回まで
申し出の期限 原則として休業の2週間前まで 原則として休業の1か月前まで
分割時の申し出 初めにまとめて申し出る 取得するたびにそれぞれ申し出る
休業中の就業 労使協定があれば一部可能 原則として不可

分割して2回取得可能(初めにまとめて申し出ることが必要) 分割して2回取得可能(取得の際にそれぞれ申出) 出典: 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

1行目が産後パパ育休、2行目が育児休業の説明です。同じ「2回まで」でも、申し出の方法が違う点に注意が必要です。

産後パパ育休は「最初にまとめて」申し出る

産後パパ育休は、子が生まれてから8週間以内の間に、合計28日までを2回に分けて取れる休みです。たとえば「出産直後に10日、退院して1か月後に14日」のように分けられます。ただし、2回に分けるときは最初の申し出の時点で2回分の日程をまとめて伝える必要があります。1回目を取ったあとで「やっぱりもう1回」と追加することは、原則としてできません。

申し出の期限は、原則として休業を始める日の2週間前までです。会社が法律を上回る職場環境の整備をしていて、そのことを労使協定(会社と従業員代表が結ぶ取り決め)で定めている場合は、1か月前までとされることもあります。自分の会社がどちらなのかは、就業規則か人事担当者で確かめてください。

育休は「取るたびに」申し出る

育児休業は、子が1歳になるまでの間に2回に分けて取れます。こちらは1回ごとに申し出ればよく、1回目の時点で2回目の予定を決めておく必要はありません。申し出の期限は原則として休業開始の1か月前までです。

つまり、父親の場合は「産後パパ育休を2回」「育休を2回」の合計4回に分けて休めます。母親は産後8週間が産後休業(出産した人が必ず休む期間)にあたるので産後パパ育休の対象にはならず、育休を2回に分けて取る形になります。

※就業規則に分割の定めがなくても、法律上の権利は変わりません。会社に断られた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。

分割の組み立て方を4つの家庭の例で考える

ルールが分かっても、実際にどう組み立てればよいかで迷う人が多いはずです。ここでは、よくある家庭の状況ごとに分け方の例を挙げます。あくまで考え方の例なので、家庭の事情と職場の繁忙期を重ねて調整してください。

例1 出産直後と里帰りからの帰宅時に分ける

母親が実家で出産し、1か月ほど里帰りする家庭では、父親が「出生直後の数日」と「母子が自宅に戻るタイミング」に分けて産後パパ育休を取る形がよく選ばれます。出産直後は手続きや病院とのやり取りが集中し、自宅に戻った直後は夜間の授乳や家事が一気に増えるからです。たとえば出生日から7日、自宅に戻る週から14日と分ければ、合計21日で28日の枠に収まります。

例2 妻の職場復帰に合わせて交代する

共働きの家庭で多いのが、母親が子の生後10か月ごろに職場へ戻り、そのタイミングで父親が育休を取る形です。保育園の慣らし保育の期間は、子の体調不良で呼び出されることが多く、どちらかが休めると安心です。父親が産後パパ育休を出生直後に使い、さらに育休の1回目を妻の復帰時期に、2回目を保育園の入園前後に充てると、家庭の節目すべてに父親の休みを配置できます。

例3 1歳以降の延長で夫婦が途中交代する

保育園に入れなかった場合などは、育休を1歳6か月まで、さらに2歳まで延ばせます。2022年10月の改正で、この延長期間の育休を始める日が柔軟になり、夫婦が途中で交代できるようになりました。改正前は「1歳の時点」「1歳6か月の時点」にしか始められなかったため、延長期間の途中で交代することはできなかったのです。

例4 パパ・ママ育休プラスで期間を延ばす

両親がともに育休を取る場合、「パパ・ママ育休プラス」という特例で、育休を取れる期間が子が1歳2か月になるまでに延びます。1人が取れる期間の上限(母親は産後休業の期間を含めて1年)は変わりませんが、夫婦で時期をずらして取ることで、休みの合計を長くできます。分割と組み合わせると選択肢が広がるので、制度の名前だけでも覚えておくと役に立ちます。

相談の現場で印象に残っているのは、最初は「長く1回」で計画していた父親が、職場の繁忙期と出産予定日が重なったため、産後パパ育休を2回に分けて繁忙期を避けたケースです。職場の理解も得やすく、復帰後の関係もよかったと聞きました。分割は、家庭のためだけでなく、職場との調整を進めやすくする手段でもあります。

分割したときの給付金の計算と受け取り方

育休中は会社から給料が出ないことが多く、その代わりに雇用保険から給付金が出ます。分割すると給付金がどうなるのかは、多くの人が最も気にする点です。

給付率は「通算180日」で切り替わる

育児休業給付金とは、雇用保険に入っている人が育休を取ったときに、休業前の賃金の一定割合を受け取れるお金のことです。休業を始めてから180日目までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%が支給されます。

ここで知っておきたいのは、180日は分割した休業を通算して数えるという点です。産後パパ育休で受け取った出生時育児休業給付金の日数も、この180日に含めて数えます。分割したからといって、2回目の休業でまた67%が180日分使えるわけではありません。

上乗せの出生後休業支援給付金

2025年4月から、子の出生直後に両親がそろって休んだ場合に上乗せされる「出生後休業支援給付金」が始まりました。父親なら産後パパ育休の期間に、本人と配偶者がそれぞれ通算14日以上休むと、休業前賃金の13%が最大28日間上乗せされます。67%と合わせて80%になり、育休中は社会保険料が免除され給付金は非課税なので、手取りで見ると休業前とほぼ同じ水準になる設計です。

育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除され、勤務先から給与が支給されない場合は雇用保険料の負担はありません。また、育児休業等給付は非課税です。このため、休業開始時賃金日額の80%の給付率で手取り10割相当の給付となります。 出典: 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」2026年8月1日改訂版

配偶者が自営業やフリーランス、または働いていない場合は、配偶者の休業がなくても要件を満たせます。注意したいのは、分割したそれぞれの期間を足して14日に届くかどうかです。たとえば産後パパ育休を「5日と7日」に分けると合計12日で、上乗せの対象になりません。上乗せを受けたいなら、分割しても合計が14日以上になるように組むのが基本です。

給付金には上限がある

給付金は休業前の賃金に比例しますが、上限があります。2027年7月31日までの額では、休業開始時の賃金日額の上限が16,540円で、育児休業給付金の1か月(30日)あたりの上限は67%の期間で332,454円、50%の期間で248,100円です。賃金が高い人ほど、実際に受け取る割合は67%や80%より下がります。

分割したときの申請手続き

産後パパ育休を2回に分けた場合でも、給付金の申請は1回にまとめて行います。育休を2回に分けた場合は、2回目の申請で受給資格の確認をやり直す必要はなく、休業開始時の賃金を証明する書類も1回目で出していれば再提出は不要です。手続きは原則として会社がハローワークに対して行うので、分割の予定は早めに人事担当者へ伝えておくと、申請の遅れを防げます。

分割で損をしやすい社会保険料の落とし穴

分割で最も見落とされやすいのが、健康保険と厚生年金の保険料の免除です。保険料免除とは、育休中の一定の月について、本人と会社の両方が保険料を納めなくてよくなる仕組みのことで、免除された期間も将来の年金額の計算では保険料を納めた期間として扱われます。

日本年金機構の案内では、免除される月の決まりが次のように書かれています。

毎月の報酬にかかる保険料免除期間は育児休業等を開始した日の属する月から育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までです。また、開始日の属する月と終了日の翌日が属する月が同一の場合でも、育児休業等開始日が含まれる月に14日以上育児休業等を取得した場合は免除となります 出典: 日本年金機構「従業員が育児休業等を取得・延長したときの手続き」

つまり、ある月の保険料が免除されるのは、原則として「その月の末日に育休中であること」、または「月末をまたがなくても、同じ月の中で14日以上休んでいること」のどちらかに当てはまる場合です。たとえば10月10日から10月20日まで11日間休んで月末前に戻ると、10月の保険料は免除されません。同じ11日間でも、10月25日から11月4日まで休めば月末の10月31日を含むので、10月分が免除されます。

ボーナスにかかる保険料も免除の対象になりえますが、こちらはさらに条件が厳しく、ボーナスが支給された月の末日を含んで連続して1か月を超える育休を取った場合に限られます。短い期間に分けて取ると、ボーナスの保険料は免除されないと考えておいたほうが安全です。

ここで注意したいのは、免除を目的に休む日を選ぶことが本末転倒にならないようにすることです。保険料の免除は育児を支えるための仕組みであって、育児のために必要な時期と制度上得になる時期がずれるなら、家庭の事情を優先すべきです。そのうえで、同じ日数を休むなら月末をまたぐように調整できないかを人事担当者と相談してみる価値はあります。

※個別の保険料の金額や免除の可否は、加入している健康保険組合や会社の手続き状況で変わります。最終的な判断は会社の担当者か年金事務所に確かめてください。

分割取得のメリットとデメリットを整理する

ここまでの内容を踏まえて、分割取得の良い点と気をつけたい点を整理します。

メリット

1つ目は、家庭の節目に合わせて休みを配置できることです。出産直後、退院後、職場復帰、保育園の入園と、育児が大変になる時期は1回ではありません。分けて休むことで、必要な時期に必要な人手を確保できます。

2つ目は、職場への影響を抑えやすいことです。長期間1回で休むより、短い期間を何回かに分けたほうが、業務の引き継ぎがしやすい職場もあります。繁忙期を避けて休みを配置すれば、同僚の負担も軽くなり、取得への理解も得やすくなります。

3つ目は、夫婦で交代しやすいことです。どちらかが一方的に長く休むのではなく、交代で休むことで、仕事を離れる期間を夫婦で分け合えます。キャリアへの影響を一人に集中させない工夫として、分割は有効です。

デメリット

1つ目は、申し出の手間が増えることです。とくに産後パパ育休は最初にまとめて申し出る必要があるため、出産予定日から逆算して早めに計画を立てなければなりません。

2つ目は、社会保険料の免除を受けにくくなる場合があることです。前の節で見たとおり、短い休みを月の途中で終えると、その月の保険料は免除されません。ボーナスの保険料は、1か月を超える休みでなければ免除されません。

3つ目は、3回目以降の育休は原則として給付金が出ないことです。病気や保育園に入れないなどの特別な事情がある場合を除き、同じ子について3回目の育休を取っても育児休業給付金は受け取れません。分割の回数は計画の段階で使い切らないように考えておく必要があります。

4つ目は、引き継ぎが細切れになることです。休むたびに業務の引き継ぎと復帰後の立ち上げが発生するので、仕事によっては1回で休むより負担が大きくなることもあります。

申し出から復帰までの手順と会社に確かめること

分割取得を実際に進めるときの流れを、時系列で整理します。

妊娠が分かったら会社に伝える

本人または配偶者の妊娠・出産を会社に伝えると、会社は育児休業の制度、申し出先、給付金、社会保険料の扱いを個別に知らせ、休む意向を確認しなければなりません。2022年4月から会社の義務になっています。この面談の場で、分割の予定をざっくりと伝えておくと、その後の調整がしやすくなります。

出産予定日から逆算して日程を決める

産後パパ育休は休業開始の2週間前まで、育休は1か月前までが申し出の期限です。出産は予定日どおりに進まないことが多いので、「出産予定日から何日目」のように考え、子が予定日より早く生まれた場合や遅れた場合の扱いも人事担当者と確認しておくと安心です。

書面で申し出て、会社からの通知を受け取る

申し出は、会社が定める書式か書面で行います。会社は申し出を受けたら、休業の開始日と終了日などを本人に知らせることになっています。口頭だけで済ませず、日程が書かれた書面を受け取って保管しておくと、後で認識が食い違ったときの証拠になります。

休業中の就業は事前に条件を決める

産後パパ育休の期間中は、労使協定がある場合に限り、本人が同意した範囲で仕事をすることができます。上限は休業期間中の所定労働日と所定労働時間のそれぞれ半分までです。給付金を受けるには、28日休む場合で就業が10日(10日を超える場合は80時間)以下である必要があります。「少しだけ」のつもりでも、上限を超えると給付金が出なくなるので、引き受ける前に日数と時間を数えてください。

復帰後の働き方も合わせて決める

分割取得では、復帰と休業を繰り返します。2025年4月からは、2歳未満の子を育てるために時短で働く人に、時短後の賃金の10%を支給する育児時短就業給付も始まっています。復帰後の勤務時間をどうするかも、休業の計画と一緒に考えておくと、収入の見通しが立てやすくなります。

※上司から育休の取得を諦めるように言われた、復帰後に不利な配置にされたといった場合は、法律で禁止された不利益な扱いやハラスメントにあたる可能性があります。このケースでは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)か、弁護士に相談してください。

有期契約やパートで働く人が分割するときの条件

育児休業は正社員だけの制度ではありません。契約期間が決まっている有期契約の人や、パート・アルバイトの人も、条件を満たせば育休を取れますし、分割もできます。2022年4月の改正で、有期契約の人に求められていた「同じ会社に1年以上続けて雇われていること」という条件はなくなりました。いまの条件は、子が1歳6か月になるまでの間に、労働契約が終わることが明らかでないことです。

ここでいう「明らかでない」とは、契約書に更新しないと書かれているなど、契約の終了がはっきり決まっている状態ではないという意味です。契約の更新があるかどうか分からない段階なら、条件を満たすと考えられています。給付金の条件も同じように緩められていて、子が1歳6か月になるまでに契約期間が満了することが明らかでなければ、育児休業給付金の対象になります。

ただし、会社と従業員代表が労使協定を結んでいる場合は、雇われてから1年未満の人や、1週間の所定労働日数が著しく少ない人(厚生労働大臣が定める日数以下の人)などを、育休の対象から外すことが認められています。パートで働く人は、自分の勤め先に労使協定があるかどうかを確かめておく必要があります。

給付金を受け取るには、雇用保険に入っていることに加えて、休業を始める日の前の2年間に、賃金が支払われた日数が11日以上ある月(11日未満なら80時間以上働いた月)が12か月以上あることが条件です。週の勤務時間が短く雇用保険に入っていない人は、育休は取れても給付金は受け取れないので、早めに雇用契約書か給与明細で加入の有無を確かめてください。

分割取得で勘違いしやすい3つの点

最後に、相談の現場で繰り返し出てくる勘違いを3つ取り上げます。

1つ目は、「分割した2回目は、67%の給付がもう一度180日分もらえる」という勘違いです。前に書いたとおり、180日は同じ子についての休業を通算して数えます。1回目で150日休んでいれば、2回目は30日を過ぎたところで50%に切り替わります。

2つ目は、「産後パパ育休は出生後8週間のうち好きなときに何回でも追加できる」という勘違いです。分けられるのは2回までで、しかも最初の申し出でまとめて伝える必要があります。1回目の休みが終わってから2回目を申し出ても、原則として2回目は取れません。出産前の計画の段階で、2回目の日程まで仮に決めておくことが大切です。

3つ目は、「夫婦のどちらかが育休を取っていれば、もう一方は取れない」という勘違いです。育児休業は夫婦それぞれの権利で、同じ時期に両方が休むこともできます。むしろ、両親がそろって休むことで出生後休業支援給付金の上乗せやパパ・ママ育休プラスの延長が使えるようになるなど、夫婦で取ったほうが有利になる場面が多く用意されています。

会社員でない人が使える育児期間の制度

ここまで説明した育児休業と給付金は、会社に雇われて雇用保険に入っている人のための制度です。会社の役員やフリーランス、個人事業主は、育児・介護休業法の育児休業を取る立場になく、育児休業給付金も受け取れません。これも誤解の多いところです。

その代わりに、自営業やフリーランスの人が入る国民年金には、育児期間の保険料を免除する制度があります。2026年10月から新しく始まった「国民年金保険料の育児免除制度」です。

子を育てている方(実父母・養父母)は、届出することで、所得に関係なく国民年金保険料の納付が免除されます。 また、納付が免除された期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。 出典: 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」

対象は、1歳になるまでの子を育てている国民年金の第1号被保険者(自営業やフリーランス、学生、無職の人など)の実父母と養父母です。所得の制限はなく、夫婦ともに第1号被保険者なら両方が対象になります。父親や養父母なら、子を育てることになった月から1歳の誕生日の前月までの最大12か月、出産した母親なら、すでにある産前産後免除の期間に続く9か月間の保険料が免除されます。

国民年金保険料は2026年度で1か月あたり17,920円なので、12か月の免除はまとまった負担の軽減になります。しかも、免除された期間は保険料を納めた期間として将来の年金額に反映されます。届け出が必要な制度なので、対象になる人は市区町村の国民年金の窓口か年金事務所に確かめてください。

また、夫婦の一方が会社員でもう一方がフリーランスの場合、会社員側が産後パパ育休を取ると、配偶者が「雇われて働いていない」ことを理由に、出生後休業支援給付金の要件を満たせます。家族の働き方によって使える制度が変わるので、夫婦それぞれの立場から確かめておきましょう。

育休中や復帰後の副業と仕事の受け方を考える

育休を分割で取る人の中には、休業中や復帰後に、自分のペースで在宅の仕事を受けたいと考える人もいます。ここで気をつけたいのは、育休中に働くと給付金に影響することです。育児休業給付金は、1か月ごとの期間に就業が10日(10日を超える場合は80時間)以下であることが条件で、さらに受け取った賃金の額によって給付金が減ったり出なくなったりします。業務委託の仕事であっても、勤務先以外で収入を得る場合の扱いはハローワークに事前に確かめてください。

復帰後に在宅で仕事を受ける場合は、契約の内容を書面で確認する習慣が身を守ります。フリーランスとして仕事を受ける側の権利や、発注書・契約書で確かめる項目は、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに整理されています。報酬が支払われないトラブルに備えた回収の流れは、未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】が参考になります。

公開データから見る在宅の仕事と育児期間の両立

フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、育児期間をきっかけに働き方を見直す人は確実に増えています。とくに目立つのは、育休からの復帰後に時短勤務と在宅の業務委託を組み合わせ、収入と育児の時間の両方を確保しようとする人です。長く続く人ほど、単発の作業を数多くこなすより、「この人に任せると楽」と思ってもらえる取引先を少数持ち、育児の都合に合わせて納期を相談できる関係をつくることに時間を使っています。

在宅でできる仕事の目安を知るうえでは、職種ごとの年収や単価のデータが役に立ちます。文章を書く仕事なら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、記事の執筆や編集の仕事がどの程度の報酬水準で取引されているかを確認できます。業務の効率化やAIの活用を手伝う仕事に関心があるなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の中身と求められる経験が整理されています。

仲介の手数料が乗らない直接取引では、同じ予算でも発注する側はより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。育児で働ける時間が限られる時期ほど、1時間あたりの手取りが厚いことの価値は大きくなります。手数料0%の直接取引は、金額の大きさより「限られた時間で生活を支えられる」という質の面で、育児期間の働き方と相性がよいと感じています。

文書のやり取りが多い仕事では、正確で読みやすい文章を書く力が評価につながります。報告書や依頼文の書き方を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定の内容と難易度を確認しておくと、学習の目安になります。

育休の分割取得は、家庭の都合と仕事の都合を両立させるための制度です。申し出の期限、給付金の通算、社会保険料の免除の条件の3つを押さえて計画を立てれば、制度は確実に味方になります。分からない点は会社の人事担当者、ハローワーク、都道府県労働局に遠慮なく確かめてください。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 育児休業は何回まで分割して取れますか?

育児休業は、子が1歳になるまでに2回まで分けて取れます。父親はこれとは別に、子の出生後8週間以内に取れる産後パパ育休を2回まで分けられるので、合計で最大4回に分けて休めます。3回目以降の育休は、病気や保育園に入れないなどの特別な事情がない限り、育児休業給付金の対象になりません。

Q. 産後パパ育休を2回に分けるときの申し出はどうしますか?

産後パパ育休を2回に分ける場合は、最初の申し出の時点で2回分の日程をまとめて会社に伝える必要があります。期限は原則として休業を始める日の2週間前までです。労使協定で定めがある会社では1か月前までとされることもあるので、就業規則か人事担当者で確かめてください。

Q. 分割して取ると育児休業給付金は減りますか?

1日あたりの給付率は変わりません。ただし、67%が支給される180日は分割した休業を通算して数え、産後パパ育休の日数も含みます。上乗せの出生後休業支援給付金は、分けた期間の合計が14日以上でないと受け取れません。分けた結果14日に届かなくなる組み方は避けるのが基本です。

Q. フリーランスでも育休の分割や給付金は使えますか?

フリーランスや個人事業主は雇用保険に入っていないため、育児休業給付金は受け取れません。その代わり、2026年10月から国民年金保険料の育児免除制度が始まり、1歳になるまでの子を育てる国民年金の第1号被保険者は、届け出れば所得に関係なく保険料が最大12か月免除されます。免除された期間は年金額にも反映されます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月16日最終更新:2026年10月3日
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