厚労省の育児介護休業法で働く人が使える休業と時短の制度 2026

@SOHO編集部
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厚労省の育児介護休業法で働く人が使える休業と時短の制度 2026

この記事のポイント

  • ✓厚労省が公開している育児介護休業法の資料をもとに
  • ✓会社で働く人が使える育児休業
  • ✓介護休業と介護休暇を整理します

「厚労省 育児介護休業法」と調べる人の多くは、子どもが生まれる予定がある、あるいは親の介護が始まりそうで、会社に何を申し出られるのかを確かめたい人です。会社の説明だけでは不安で、国の資料で正確なところを知りたいという気持ちもあるはずです。

結論から書くと、会社に雇われて働く人には、法律で決まった休業と働き方の制度がいくつもあり、会社の就業規則に書いていなくても申し出れば使えるものが大半です。令和7年4月と10月には大きな改正があり、子の看護等休暇は小学校3年生まで、残業の免除は小学校に入るまでに広がりました。

この記事では、厚生労働省が公開しているパンフレットやQ&Aに書かれている内容をもとに、どの時期にどの制度を使えるのか、お金はどうなるのか、どう申し出ればよいのかを順番に整理します。

育児介護休業法とは何か。会社に雇われている人の権利を決めた法律

育児介護休業法は、正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」という長い名前の法律です。ひとことで言えば、子育てや家族の介護をしながら働く人が、仕事を辞めずに済むように、会社が必ず用意しなければならない制度を決めた法律です。

ここで押さえておきたいのは、この法律が守っているのは「労働者」、つまり会社に雇われて働く人だという点です。正社員だけでなく、パートや契約社員も対象になります。期間を決めて雇われている人(有期雇用の人)も、子が1歳6か月になる日までに契約が終わって更新されないことが明らかでなければ、育児休業を申し出られます。対象から外れるのは、日々雇い入れられる人(日雇いの人)です。

もう1つ大事なのは、この法律が決めているのは「最低限の基準」だという点です。厚生労働省の制度概要の表には、法律で求められているのは制度の概要であり、各事業所でより広い内容の制度とすることは望ましいと書かれています。会社が法律より手厚い制度を用意するのは自由ですが、法律より狭くすることはできません。就業規則に書いていなかったとしても、法律で決まった休業は申し出れば取れます。

一方で、業務委託で仕事を受けるフリーランスは、この法律の対象ではありません。フリーランスには別の法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)があり、一定期間以上続く業務委託では、発注する側が育児や介護と仕事の両立に配慮する決まりが設けられています。会社員として働きながら副業で業務委託を受けている人は、本業の会社に対してはこの記事の制度を使い、副業の取引先に対しては配慮を求める、という使い分けになります。

厚労省の資料から見える背景。令和7年4月と10月に段階的に改正された

今回の改正は、令和6年に成立し、令和7年4月1日と10月1日の2段階で施行されました。厚生労働省の事業主向けリーフレットには、男女とも仕事と育児・介護を両立できるように、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、介護離職を防ぐための雇用環境整備、個別の周知と意向確認の義務化などの改正を行ったと書かれています。

厚生労働省の育児・介護休業法のページでは、制度の全体像として次のように紹介されています。

育児・介護休業法には、両親が協力して育児休業を取得できるように 「産後パパ育休」「パパ・ママ育休プラス」等の制度があります。 出典: mhlw.go.jp

改正の背景にあるのは、子育て期と介護期のどちらでも、「辞めるか、無理をして続けるか」の二択になってしまう人が多いという現実です。とくに介護は、40代から50代の働き盛りに突然始まることが多く、制度を知らないまま離職してしまう人が後を絶ちません。そこで今回の改正では、介護に直面する前の段階、具体的には40歳になる年に、会社が介護の制度について情報を提供することが義務になりました。

改正の中身を大きく分けると、次の4つです。

・子の看護休暇が「子の看護等休暇」に変わり、対象が小学校3年生修了までに広がった(令和7年4月)
・残業の免除を請求できる人が、3歳未満の子から小学校に入る前の子を育てる人に広がった(令和7年4月)
・3歳から小学校に入る前の子を育てる人のために、会社が5つの中から2つ以上の働き方の選択肢を用意する義務ができた(令和7年10月)
・介護に直面したと申し出た人への個別の説明と、40歳での情報提供が義務になった(令和7年4月)

働く側から見ると、「使える期間が長くなった」「選べる働き方が増えた」「会社から説明を受けられるようになった」という3つの変化だと理解すると分かりやすくなります。

子が生まれた直後に使う休業。産後パパ育休と育児休業

子が生まれた直後に使える休業は2種類あります。

1つ目は産後パパ育休(正式には出生時育児休業)です。これは、子の出生後8週間以内に、通算4週間(28日)まで取れる休業です。名前に「パパ」と付いていますが、制度上は産後休業を取っていない人が対象で、養子を迎えた母親なども使えます。2回に分けて取ることができ、分けるときは最初にまとめて申し出ます。申し出の期限は原則として休業を始める2週間前までです。

産後パパ育休の特徴は、会社と労働者の間で労使協定を結んでいる場合に限り、本人が同意した範囲で休業中に働けることです。たとえば、出生直後の1週間は完全に休み、その後は週に半日だけ会議に出る、といった使い方ができます。ただし働ける日数や時間には上限があり、休業期間中の所定労働日数と所定労働時間の半分までなどと決められています。

2つ目が通常の育児休業です。原則として子が1歳になるまでの間で取れる休業で、子1人につき2回まで分けて取れます。申し出の期限は休業を始める1か月前までです。出産予定日より早く生まれたなどの事情があれば、1週間前までの申し出で認められます。

産後パパ育休と育児休業は別の制度なので、両方を組み合わせられます。父親であれば、産後パパ育休を2回、育児休業を2回、合わせて最大4回に分けて休むことも制度上は可能です。たとえば「出生直後に2週間、妻の退院後に2週間、妻の職場復帰に合わせて1か月、保育園の慣らし保育の時期に2週間」といった分け方です。

休業を申し出るときは、書面などで会社に伝えます。会社は証明書類の提出を求めることができ、休業の開始予定日と終了予定日を書面などで本人に通知します。口頭だけで済ませず、いつ申し出て、いつからいつまで休むのかが記録に残る形にしておくと、後で行き違いが起きにくくなります。

育児休業を延ばす、両親で分け合う。1歳6か月、2歳、パパ・ママ育休プラス

育児休業は原則1歳までですが、保育所に申し込んでも入れない場合などには延ばせます。

延長の条件として厚生労働省の資料に挙がっているのは、主に次のような事情です。

・保育所等への入所を希望しているが、入所できない場合
・1歳以降に子を育てる予定だった配偶者が、死亡、けが、病気などで子を育てられなくなった場合

こうした事情があれば、まず1歳6か月まで延ばせます。1歳6か月の時点でも同じ事情が続いていれば、さらに2歳まで延ばせます。1歳以降の休業の申し出は、原則として休業を始める2週間前までです。

両親がともに育児休業を取る場合には、パパ・ママ育休プラスという仕組みも使えます。これは、配偶者が育児休業をしているなどの条件を満たせば、子が1歳2か月になるまでの間で休業できるようにする制度です。1人が休める期間の合計は、母親なら産後休業の期間も含めて1年間までという上限は変わりません。2人の休業を少しずらして重ねることで、全体として長く子を見られるようにする仕組みだと考えると理解しやすくなります。

延長を考えている人が気をつけたいのは、保育所の申し込みの扱いです。「入所できない」ことが延長の条件なので、自治体が発行する入所保留の通知書(保育所に入れなかったことを示す書類)が必要になります。さらに給付金の延長については、厚生労働省のQ&Aに、速やかな職場復帰を図るために保育所等の利用を希望しているものと公共職業安定所長(ハローワークの所長)が認めるとき、と書かれています。認可外の保育施設だけへの申し込みは対象になりません。延長したいだけの形式的な申し込みと受け取られないよう、通える範囲の保育所に申し込み、その申込書の控えを残しておくのが安全です。

また、延長の申し出の期限は1歳到達日の2週間前までなので、保育所の結果が出てから慌てないように、1次募集の結果が出る時期と申し出の期限を、カレンダーに並べて書き出しておくと段取りが組みやすくなります。

休業中のお金。育児休業給付、出生後休業支援給付、社会保険料の免除

休業中は会社から給与が出ないことが多いため、生活費が最大の不安になります。ここで使えるのが、雇用保険から出る給付金です。

育児休業給付金は、雇用保険に入っている人が育児休業を取ったときに出るお金です。厚生労働省のQ&Aによると、金額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で、育児休業の開始から181日目以降は50%になります。休業開始時賃金日額とは、原則として休業前6か月間の給与の総額(賞与を除く)を180で割った額のことです。Q&Aには目安として、休業前の給与が平均して月額20万円程度の人なら、180日目までは月額13.4万円程度と書かれています。

令和7年4月からは、出生後休業支援給付金も始まりました。両親がそれぞれ14日以上の育児休業(産後パパ育休を含む)を取ったときなどに、最大28日間、休業開始時賃金日額の13%が上乗せされる給付です。厚生労働省のQ&Aでは、67%と13%を合わせた80%が、手取りで10割に相当する額になると説明されています。配偶者が会社員でない場合など、配偶者の育児休業を条件にしない例外も定められています。

さらに、育児休業中は健康保険と厚生年金の保険料が、本人分も会社分も免除されます。保険料を払わなくても、将来の年金額の計算では払ったものとして扱われます。給付金は税金がかからないので、額面の67%でも手取りとの差は思ったより小さくなります。

職場に戻って時短勤務をする場合には、育児時短就業給付金があります。2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くして働く人に、時短中に支払われた賃金の10%が出る給付です。支給は最大で子が2歳になる日の前日が属する月までです。

介護休業にも、介護休業給付金があります。ハローワークの案内によると、支給額は原則として休業開始時賃金日額×支給日数×67%で、同じ家族について93日を限度に3回まで支給されます。くわしい支給の条件はハローワークインターネットサービスの雇用継続給付のページに載っています。

どの給付も、申請は原則として会社がハローワークに対して行います。会社の担当者に「給付金の申請をお願いしたい」と伝え、必要な書類(母子健康手帳の写しなど)を早めに渡しておくと手続きが滞りません。

復帰後の働き方。短時間勤務と、残業・深夜業の制限

育児休業から戻った後に使える制度も、法律で決まっています。

まず短時間勤務制度です。3歳未満の子を育てる人は、1日の所定労働時間を原則として6時間にする制度を使えます。会社はこの制度を必ず用意しなければなりません。ただし、業務の性質から短時間勤務が難しいと認められる仕事に就いている人は、労使協定で対象外にされることがあります。その場合、会社は代わりの措置を用意する義務があり、令和7年4月からはその選択肢にテレワークが加わりました。

次に、残業に関する3つの制限があります。

・所定外労働の制限(残業の免除):小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、会社は所定労働時間を超えて働かせてはいけない。令和7年4月に、3歳未満から就学前までに広がった
・時間外労働の制限:小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、法定の労働時間を超える残業は1か月24時間、1年150時間までになる
・深夜業の制限:小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、午後10時から午前5時までの間に働かせてはいけない

いずれも1回の請求で1か月以上1年以内(深夜業は6か月以内)の期間を決めて、開始の1か月前までに請求します。請求できる回数に制限はありません。会社は、事業の正常な運営を妨げる場合に限って請求を拒めますが、「忙しいから」という程度の理由では通りません。代わりの人を手配する努力をしたかどうかなどが問われます。

さらに、3歳未満の子を育てる人がテレワークを選べるようにすることが、令和7年4月から会社の努力義務になりました。努力義務とは、会社が取り組むよう努めなければならないが、やらなくても罰則はない義務のことです。必ず使えるとは限りませんが、申し出る根拠にはなります。

短時間勤務で給与が下がると、将来の年金額に影響しないかと心配になる人もいます。3歳未満の子を育てている間は、標準報酬月額(保険料と年金額の計算に使う月給の区分)が下がっても、下がる前の額で年金を計算する特例があります。年金事務所に届け出る必要があるので、会社の担当者に確認してください。

令和7年10月からの新制度。3歳から小学校入学前の柔軟な働き方

令和7年10月からは、3歳から小学校に入る前の子を育てる人のために、新しい仕組みが加わりました。会社は次の5つの中から2つ以上を選んで用意し、働く人はその中から1つを選んで使えます。

・始業時刻等の変更(フレックスタイム制や時差出勤)
・テレワーク等(1か月に10日以上使えるもの)
・保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配と費用負担なども含む)
・養育両立支援休暇(1年に10日以上取れる休暇)
・短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの)

テレワーク等と養育両立支援休暇は、原則として時間単位で取れるようにしなければなりません。会社がどの2つを選ぶかを決めるときには、過半数の労働者で作る労働組合などから意見を聞く機会を設けることも義務になっています。

あわせて、会社は子が3歳になるまでの適切な時期(1歳11か月の時期から2歳11か月の時期までの1年間)に、本人に対して、会社が選んだ措置の内容、申し出先、残業や深夜業の制限の制度を個別に知らせ、使う意向があるかを確認しなければなりません。説明の方法は面談、書面の交付、FAX、電子メールなどのいずれかで、FAXと電子メールは本人が希望した場合だけです。

さらに、本人または配偶者が妊娠・出産を申し出たときと、子が3歳になる前の時期には、会社は勤務時間帯、勤務地、制度の利用期間、業務量などについて本人の意向を個別に聞き、その意向に配慮しなければならなくなりました。厚生労働省の資料では、子に障害がある場合などで希望するときは短時間勤務や子の看護等休暇の期間を延ばすこと、ひとり親家庭の場合は休暇の日数に配慮することが望ましいとされています。

働く側としては、面談の場を「会社の説明を聞く場」で終わらせず、自分の希望を伝える場として使うことが大切です。たとえば「4月から保育園の送りがあるので始業を30分遅らせたい」「週2日は在宅にしたい」のように、具体的な時間と曜日で伝えると、会社も検討しやすくなります。

子の看護等休暇。小学校3年生まで、学級閉鎖や入学式にも使える

子の看護等休暇は、子どもの病気やけがのときなどに取れる休暇です。令和7年4月の改正で、名前が「子の看護休暇」から変わり、使える場面と期間が広がりました。

厚生労働省の資料によると、改正後の内容は次のとおりです。

・対象となる子:小学校就学前まで → 小学校3年生修了まで
・取得できる理由:病気・けが、予防接種・健康診断に、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園(入学)式・卒園式が加わった
・日数:1年度に5日まで(対象の子が2人以上なら10日まで)。日数は改正前と同じ
・取り方:時間単位でも取れる

もう1つの大きな変化は、労使協定で対象外にできる人の範囲が狭まったことです。改正前は「継続して雇われた期間が6か月未満の人」を労使協定で対象外にできましたが、この仕組みが廃止されました。今は、労使協定で対象外にできるのは週の所定労働日数が2日以下の人だけです。入社してすぐの人でも、週3日以上働いていれば使えるということです。

この休暇は、法律上は有給である必要はありません。無給にするか有給にするかは会社の決まり次第です。無給の会社でも、年次有給休暇とは別の枠として取れるので、有給休暇を残しておけるという利点があります。

小学校低学年の子がいる家庭では、学級閉鎖で急に子どもが家にいることになる場面が少なくありません。この休暇を時間単位で使い、午前中だけ休んで午後は在宅で働く、といった組み合わせもできます。会社の就業規則で、時間単位の取り方や申請の方法(当日の電話連絡でよいか、など)を確認しておくと、いざというときに迷いません。

介護の制度。介護休業93日、介護休暇、40歳での情報提供

介護についても、育児と同じように休業と休暇、働き方の制度があります。

介護休業は、要介護状態にある家族を介護するために取る休業です。要介護状態とは、けがや病気、障害などで、2週間以上にわたり常に介護が必要な状態のことをいいます。介護保険の要介護認定を受けていなくても、この状態に当てはまれば対象になります。対象となる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

期間は、対象家族1人につき通算93日までで、3回まで分けて取れます。93日というと短く感じますが、厚生労働省は、介護休業を「自分が介護をするための期間」ではなく、介護サービスの手配や家族の役割分担など、仕事と介護を両立する体制を整えるための期間として位置づけています。

介護休暇は、要介護状態の家族の通院の付き添いや、ケアマネジャーとの打ち合わせなどに使える休暇です。1年度に5日まで(対象家族が2人以上なら10日まで)取れ、時間単位でも使えます。令和7年4月からは、子の看護等休暇と同じく、勤続6か月未満の人を労使協定で対象外にする仕組みが廃止されました。

介護の場合も、残業の免除、時間外労働の制限(1か月24時間、1年150時間まで)、深夜業の制限を請求できます。さらに、会社は短時間勤務、フレックスタイム制、時差出勤、介護サービス費用の助成のいずれかを、利用開始から3年以上の間で2回以上使えるように用意しなければなりません。

令和7年4月からは、介護に直面したと申し出た人に、会社が制度の内容、申し出先、介護休業給付金について個別に説明し、使う意向を確認することが義務になりました。また、40歳になる年度(または40歳の誕生日から1年間)に、会社が全員に介護の制度について情報を提供することも義務です。40歳は介護保険料を払い始める年齢でもあるので、このタイミングで制度を知っておけば、親の介護が始まったときに慌てずに済みます。

会社に申し出るときの段取り。期限と伝え方

制度があっても、申し出の期限を過ぎると希望どおりの日から休めないことがあります。主な期限を整理すると次のとおりです。

制度 申し出の期限
育児休業(1歳まで) 休業開始の1か月前まで
育児休業(1歳以降の延長) 休業開始の2週間前まで
産後パパ育休 休業開始の2週間前まで(労使協定で最長1か月前までとする場合あり)
介護休業 休業開始の2週間前まで
残業の免除・時間外労働の制限・深夜業の制限 開始の1か月前まで

期限は「この日までに申し出れば、会社は希望の日からの休業を断れない」という意味です。期限を過ぎてから申し出た場合でも休業そのものは取れますが、会社が開始日を一定の範囲で後ろにずらせるようになります。

申し出るときは、次の順番で進めるとスムーズです。

  1. 就業規則と社内の申請書の様式を確認する(社内ポータルや人事部に置かれていることが多い)
  2. 直属の上司に、休む予定の時期と期間を口頭で伝える
  3. 人事部に、所定の様式(なければメールなどの書面)で正式に申し出る
  4. 会社から届く「開始予定日・終了予定日」の通知を受け取り、内容を確かめる
  5. 給付金の申請に必要な書類を会社に渡す

妊娠・出産を申し出たときには、会社は育児休業の制度、申し出先、給付金、休業中の社会保険料の扱いを個別に説明し、休業を取る意向があるかを確認しなければなりません。この説明を受けたときに、分からない点はその場で質問しておくと後の手続きが楽になります。

対象外にされる人と、労使協定の確認

法律上の制度でも、労使協定を結べば対象から外せる人が決められています。労使協定とは、会社と、労働者の過半数で作る労働組合(なければ労働者の過半数を代表する人)との間で結ぶ書面の約束のことです。

育児休業で労使協定によって対象外にできるのは、次の人です。

・雇われた期間が1年未満の人
・1年以内(1歳以降の休業の場合は6か月以内)に雇用関係が終わる人
・週の所定労働日数が2日以下の人

介護休業では、雇われた期間が1年未満の人、93日以内に雇用関係が終わる人、週の所定労働日数が2日以下の人を対象外にできます。

ここで注意したいのは、労使協定を結んでいなければ、これらの人も対象になるという点です。入社1年未満だから取れないと思い込まず、まず会社に労使協定があるかを確認してください。労使協定の有無や内容は、就業規則とあわせて人事部に問い合わせれば教えてもらえます。

転職を考えている人は、入社1年未満の時期に子が生まれる予定だと、育児休業を取れない可能性があります。転職のタイミングを考えるときは、応募先の会社に労使協定で入社1年未満を対象外にしているかを、内定の前後に確かめておくと安心です。

断られたとき、不利益を受けたときの相談先

育児休業や介護休業を申し出たこと、取ったことを理由に、解雇や降格、減給、不利益な配置転換などをすることは法律で禁止されています。上司や同僚が休業の申し出をやめるよう圧力をかけるような言動(いわゆるマタハラ、パタハラ、ケアハラ)を防ぐ措置を取ることも、会社の義務です。

それでも会社が休業を認めない、休業後に不当な扱いを受けたという場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。厚生労働省のリーフレットには、全国47都道府県の電話番号が載っており、受付時間は平日の8時30分から17時15分です。相談は無料です。

労働局では、相談を受けるだけでなく、会社に対して助言や指導を行ったり、労働局長が当事者の間に入って紛争解決の援助をしたりする仕組みもあります。裁判に比べて費用も時間もかからないので、まず相談してみる価値があります。

相談するときは、次の資料を手元にそろえておくと話が早く進みます。

・休業や制度の利用を申し出た日付と方法(メールや申請書の控え)
・会社からの返答の内容(できれば書面やメール)
・就業規則の該当部分
・不利益な扱いを受けた場合は、その内容と日付のメモ

口頭でのやり取りしかない場合でも、日付と相手、言われた内容をその日のうちにメモしておくと、後で証拠として役に立ちます。

副業やフリーランスの仕事を組み合わせる人が知っておきたいこと

最後に、会社員として働きながら副業をしている人、あるいは育児や介護をきっかけに働き方を見直そうとしている人に向けて、知っておきたい点を整理します。

まず、育児休業中に副業をしてよいかという点です。厚生労働省のQ&Aでは、育児休業中に働いた場合、1支給単位期間(原則1か月)に働いた日数が10日(10日を超える場合は80時間)以下であることが、給付金の条件とされています。そして、この日数と時間には、在籍している会社以外で働いた分も含まれると明記されています。また、休業中に支払われた賃金が休業前の賃金の80%以上になると、その期間の給付金は0円になります。副業を続けるつもりの人は、日数と収入の両方に気をつけてください。

次に、育児や介護をきっかけに、会社を辞めてフリーランスになることを考えている人です。会社員でいる間は、ここまで紹介した休業や給付金、社会保険料の免除を使えます。フリーランスになると、育児休業給付金のような雇用保険の給付は受けられません。国民年金には産前産後の期間の保険料免除がありますが、会社員の制度ほど手厚くはありません。辞めるかどうかを決める前に、会社員のまま使える制度を一通り使い、短時間勤務やテレワークで続けられないかを試してから判断しても遅くはありません。

運営者として長く在宅ワークの市場を見てきた立場から言えば、育児や介護を理由に独立した人のうち、うまく続いている人には共通点があります。会社員時代に短時間勤務や在宅勤務を使いながら、副業で小さな取引を積み重ね、独立する前に「この人に頼めば安心」という取引先との関係を作っていたことです。いきなり辞めて仕事を探し始めた人ほど、収入が安定するまでに時間がかかる傾向があります。

独自データで見る、両立しやすい仕事の選び方

育児や介護と両立しながら働くうえで、時間と場所を選びやすい仕事かどうかは大きな分かれ目になります。在宅で完結しやすく、納期で成果を区切れる仕事は、短時間勤務や時間単位の休暇と組み合わせやすい傾向があります。

たとえば、文章を書く仕事は、作業の時間帯を自分で決めやすい代表例です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、書く仕事の収入の分布を職種データとして確認できます。書く仕事を本業の合間に続けたい人には、文章の基礎力を示すビジネス文書検定の内容も参考になります。

開発の仕事も、在宅で進めやすい分野です。アプリケーション開発のお仕事では、業務委託で受けられる開発案件の種類や進め方を整理しています。開発職の収入水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。また、生成AIを業務に取り入れる支援は、会議や打ち合わせの時間を調整しやすい案件が多く、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の中身を紹介しています。

業務委託で仕事を受けるときに気をつけたいのが、報酬の支払いや契約条件です。育児や介護で作業時間が限られる人ほど、取引条件があいまいなまま進めると負担が大きくなります。フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストでは、発注書や契約書で確かめておく項目をまとめています。

仲介の手数料がかからない直接取引は、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、作業時間が限られる時期でも収入を保ちやすい形です。育児介護休業法の制度で本業の働き方を整えつつ、自分に合う在宅の仕事を少しずつ育てていくことが、長く両立を続ける現実的な道筋になります。

よくある質問

Q. 就業規則に育児休業の規定がない会社でも休業できますか?

できます。育児介護休業法で決まっている育児休業や介護休業は、就業規則に書かれていなくても、法律の要件を満たしていれば申し出によって取れます。法律は最低限の基準を定めたもので、会社がそれより狭い制度にすることはできません。申し出は書面やメールなど記録に残る形で行い、会社からの開始日と終了日の通知を受け取っておくと安心です。

Q. 子の看護等休暇は何歳まで、どんな理由で使えますか?

令和7年4月から、小学校3年生修了までの子が対象になりました。病気やけがの看病、予防接種や健康診断に加えて、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園(入学)式・卒園式への参加でも使えます。日数は1年度に5日、子が2人以上なら10日までで、時間単位でも取れます。有給か無給かは会社の決まりによります。

Q. 育児休業中に副業をすると給付金はどうなりますか?

厚生労働省のQ&Aでは、1支給単位期間に働いた日数が10日(超える場合は80時間)以下であることが給付の条件とされ、在籍している会社以外で働いた分も含まれると明記されています。休業中に支払われた賃金が休業前の80%以上になると、その期間の給付金は0円です。副業を続ける場合は日数と収入の両方を確認してください。

Q. 会社が育児休業を認めてくれないときはどこに相談すればよいですか?

都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。受付は平日8時30分から17時15分で、相談は無料です。労働局は会社への助言や指導、労働局長による紛争解決の援助も行います。申し出た日付や方法、会社の返答、就業規則の該当部分をそろえて相談すると話が早く進みます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月18日最終更新:2026年10月2日
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