キャリアコンサルタントの開業や登録が要るか

丸山 桃子
丸山 桃子
キャリアコンサルタントの開業や登録が要るか

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この記事のポイント

  • キャリアコンサルタント 開業届 必要かどうかを
  • 国家資格の名簿登録と税務上の開業届に分けて整理します
  • 副業で相談を受けるだけなら何が要るのか

キャリアコンサルタントの資格を取ったあと、最初につまずくのが手続きの話です。「開業届は出さないといけないのか」「登録って合格したときに済ませたはずだけど、別に何かあるのか」「会社員のまま週末だけ相談を受けるのに、役所に何か届け出るのか」。この三つは全部ちがう話なのに、検索するとまとめて出てくるので余計に混乱します。

先に結論を書きます。キャリアコンサルタントの「登録」と「開業届」は、根拠になる法律も、出す先も、出さなかったときに起きることも別物です。国家資格としての名簿登録は職業能力開発促進法にもとづく制度で、これがないと「キャリアコンサルタント」と名乗れません。一方の開業届は所得税法にもとづく税務上の届出で、名乗れるかどうかとは無関係です。そして、相談を受けるだけなら許可は要りませんが、求人を紹介してあっせんするところまで踏み込むと職業安定法の世界に入ります。この記事では、その三層を切り分けて、自分がどこまでやるつもりなのかに応じて何が必要になるかを順に確認していきます。

「登録」という言葉が三つの意味で使われている

検索結果を眺めていると、同じ「登録」という言葉が、少なくとも三つの意味で使われていることに気づきます。ここを混ぜたまま読むから、いつまでも自分に何が必要なのか判断できません。最初にラベルを貼り分けておきます。

一つめが、国家資格キャリアコンサルタントの名簿登録です。試験に合格しただけでは資格者になりません。指定された登録機関の名簿に登録して初めて、その名称を使えるようになります。これは職業能力開発促進法にもとづく制度で、登録免許税と登録手数料がかかり、5年ごとの更新も必要です。

二つめが、税務署に出す開業届です。正式には個人事業の開業・廃業等届出書といいます。事業として収入を得るようになったときに、税務署に「事業を始めました」と知らせる書類です。相談の仕事をするかどうかとは関係なく、事業所得を申告する人が共通で出すものです。

三つめが、案件を紹介してもらうためのサービスやエージェントへの会員登録です。これはただの民間サービスの利用手続きで、法律とは何の関係もありません。ところが「キャリアコンサルタント 登録」で検索すると、この三つめの意味の広告が上位に並ぶことがあるので、ますます見分けがつきにくくなっています。

以降では、一つめを「名簿登録」、二つめを「開業届」と呼び分けます。

名簿登録がないとできないこと、あってもできないこと

名称独占という言葉が指す範囲

キャリアコンサルタントは、いわゆる名称独占の資格として位置づけられています。職業能力開発促進法の第30条の28で名称の使用制限が定められており、登録を受けた人以外がキャリアコンサルタントという名称、またはこれと紛らわしい名称を用いることが制限されています。根拠となる条文は次で確認できます。

職業能力開発促進法(e-Gov法令検索)

ここで大事なのは、名称独占と業務独占が別物だという点です。名称独占は「その肩書を名乗れるのは登録者だけ」という制限であって、「その仕事をしてよいのは登録者だけ」という制限ではありません。世の中には資格を持たずにキャリア相談やコーチングを提供している人がたくさんいますが、その人たちが直ちに違法というわけではありません。あくまで、キャリアコンサルタントという名称を使えないというだけです。

逆に言えば、名簿登録があっても、それだけで何か特別な独占業務ができるようになるわけでもありません。ここを勘違いして「国家資格を取ったのだから、職業紹介も職業訓練の認定も自分の裁量でできるはずだ」と考えると、あとで説明する職業安定法の線を踏み越えてしまいます。自分の資格が何を保証してくれるのかは、必ず条文の言葉に戻って確認してください。判断に迷う具体的な場面が出てきたら、監督官庁の窓口や専門家に確認するのが確実です。

なお、登録を受けたキャリアコンサルタントには守秘義務が課されています。同法には秘密保持に関する規定と信用失墜行為の禁止が置かれており、これは登録をやめたあとにも及ぶ性質のものです。相談で聞いた内容を事例として発信したくなる場面は必ず来ますが、特定できる形での公開は避け、書面で同意を得るか、そもそも出さないという判断が要ります。

5年ごとの更新と講習

名簿登録は一度したら終わりではありません。5年ごとに更新の手続きが必要で、その期間内に指定の更新講習を受けておく必要があります。一般に、知識講習が8時間以上、技能講習が30時間以上という構成で案内されています。受講料は講習機関によって幅がありますが、5年間の合計で10万円前後を見込んでおくケースが多いようです。

副業として細く長く続けるつもりの人ほど、この更新コストの存在を先に計算に入れておくべきです。年間の売上が数万円で、更新のために5年で10万円かかるなら、収支が合いません。逆に言えば、更新費用を回収できる程度の稼働を最初から設計しておけば、資格が眠ったまま更新期限だけが来るという事態は避けられます。仕事の受け方を具体的に決めてから登録するのか、登録してから考えるのかは、この計算次第で変わります。

更新講習の受講記録は自分で管理する必要があります。講習機関がまとめて把握してくれるわけではないので、受講した講習の名称、日付、時間数、修了証の保管場所を一つの表にしておくと、更新のたびに探し回らずに済みます。

開業届が必要になるのはどういうときか

所得税法にもとづく届出であること

開業届の根拠は所得税法にあります。同法第229条が、事業所得や不動産所得、山林所得を生ずべき事業を開始した場合に、その事実があった日から1か月以内に、所轄の税務署長へ届出書を提出することを定めています。条文は次で確認できます。

所得税法(e-Gov法令検索)

ここでポイントになるのは、条文が「事業を開始した場合」と書いていることです。つまり、キャリアコンサルタントの資格を持っているかどうかではなく、その活動が事業と言えるかどうかで判断が変わります。資格を取ったから出す、という関係ではありません。

提出そのものは難しくありません。書式は国税庁のサイトで配布されており、e-Taxからオンラインで提出することもできます。手数料はかかりません。屋号は空欄でも構いませんし、あとから変えることもできます。

国税庁

事業所得と雑所得の分かれ目

実務でいちばん判断が割れるのがここです。同じ相談業務でも、規模や継続性によって事業所得として扱う場合と、雑所得として扱う場合があります。国税庁が示している考え方では、記帳・帳簿書類の保存があるかどうかが一つの目安とされ、そのうえで収入金額が300万円以下で主たる収入に対する割合が小さい場合には、業務に係る雑所得として扱われる可能性が示されています。

具体的な線引きは、次のような要素の組み合わせで見られます。継続して反復的に行っているか。営利を目的としているか。相当程度の時間を投じているか。設備や広告など、事業としての体裁を整えているか。年に数回、知人の紹介で相談に乗って謝礼を受け取っている程度なら雑所得として申告し、開業届は出さないという整理もあり得ます。一方、Webサイトを作って継続的に募集し、毎月一定の件数をこなしているなら、事業所得として開業届を出すほうが実態に合っています。

迷う場合は、税務署の相談窓口か税理士に確認してください。この判断は一度決めたら固定というものでもなく、活動が育つにつれて雑所得から事業所得へ移行するのが自然な流れです。開業届を出していなかったからといって、事業所得での申告ができなくなるわけでもありません。ただ、青色申告を選びたいなら別の期限が絡んできます。

青色申告承認申請書をいつ出すか

事業所得として申告するなら、青色申告を選ぶかどうかが次の分岐です。所得税法第144条にもとづく青色申告承認申請書を提出すると、複式簿記による記帳と電子申告等の要件を満たした場合に最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。簡易な記帳なら10万円の控除です。

期限に注意が必要です。原則としてその年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は事業開始の日から2か月以内が申請期限になります。開業届と同時に出しておくのが実務上いちばん取りこぼしがありません。開業届だけ出して青色申告承認申請書を忘れると、その年は白色申告になります。

記帳のソフトは、freeeやマネーフォワードのようなクラウド会計を使うのが一般的です。相談業務は経費の種類が少なく、通信費、書籍代、講習費、オンライン会議ツールの利用料あたりに集中するので、仕訳の数自体はそれほど多くなりません。

freee

会社員が副業で受けるときに追加で確認すること

就業規則と届出のルール

副業でキャリア相談を受ける場合、法律の手続きより先に確認すべきなのが勤務先の就業規則です。届出制なのか、許可制なのか、そもそも禁止なのか。禁止と書かれていても、実際には申請すれば通る運用になっている会社も少なくありません。逆に、明記がないから自由だと判断して進めた結果、あとで問題になるケースもあります。

とくにキャリアコンサルティングは、勤務先が人材業や研修業を営んでいる場合、競業に触れる可能性があります。相談の対象者が勤務先の顧客層と重なるなら、事前に確認しておくほうが安全です。会社に伝えるときは、業務内容、稼働時間帯、報酬の受け取り方をひととおり書いて出すと話が早く進みます。

在宅で完結する相談の形は、この数年で確実に受け入れられるようになりました。オンラインでの面談が普通の選択肢になったことで、平日夜や土日だけという稼働の仕方も現実的になっています。

これはフリーランスも同様です。リモートワークの普及によって、複数の仕事の掛け持ちがしやすくなり、フリーランスの働き方の可能性が広がりました。相談者と顔を合わせて仕事をする必要があるキャリアコンサルタントにとって、オンラインでも十分に業務可能な環境になったことは大きなプラス要因であると言えます。 出典: recurrent.co.jp

住民税の徴収方法を選ぶ

副業の所得があると、住民税の額が本業の給与から想定される額とずれます。確定申告書で住民税の徴収方法を「自分で納付」に選んでおくと、副業分の住民税が勤務先に通知されず、給与から天引きされません。副業を知られたくない事情がある場合は、この欄を毎年忘れずに選ぶ必要があります。

ただし、これは絶対の遮断ではありません。自治体の運用によっては合算されることもありますし、そもそも副業を隠したまま続けるより、正面から届け出て許可を得るほうが長期的には楽です。

開業届と失業給付・扶養の関係

会社を辞めてから開業する予定の人は、開業届のタイミングが雇用保険の基本手当に影響することを知っておいてください。開業届を出した時点で就業とみなされ、基本手当の受給に制限がかかる場合があります。また、配偶者の健康保険の被扶養者になっている場合、収入基準を超えると扶養から外れます。判断は保険者ごとに異なるので、加入している健康保険組合か日本年金機構に確認してください。

日本年金機構

許可が必要になる領域との線引き

相談と職業紹介はどこで分かれるか

ここが、この記事でいちばん注意して読んでほしい部分です。キャリアコンサルタントの資格は、職業紹介を行う許可とは別のものです。職業安定法は、有料の職業紹介事業を行おうとする者に厚生労働大臣の許可を求めています。条文は次で確認できます。

職業安定法(e-Gov法令検索)

職業紹介とは、求人と求職の申込みを受けて、両者の間の雇用関係の成立をあっせんすることを指します。つまり、相談者の話を聞いて自己理解を深める支援をするところまでは相談ですが、「この会社に応募してみてください、先方には私から話を通しておきます」と踏み込むと、あっせんの色が濃くなります。

この境目は、書き手が断定できる性質のものではありません。実際の運用では、対価の有無、あっせんの継続性、求人企業との関係、報酬が誰から出ているかといった要素で総合的に判断されます。自分がやろうとしていることが職業紹介にあたるかどうかは、都道府県労働局の需給調整事業部門に事前に確認するのが確実です。似た構造は労働者派遣にもあり、こちらも許可制です。

厚生労働省

実務でよくある踏み越え方

運営してきた立場から見ていると、悪意なく境目を越えてしまうパターンには型があります。一つは、相談者からの感謝が動機になって、知り合いの経営者に「いい人がいる」とつなぐケース。無償なら職業紹介事業の許可の対象からは外れる場合がありますが、その後で企業側から謝礼を受け取ると話が変わります。もう一つは、企業側から採用支援の依頼を受けているのに、相談者には中立な相談者として接しているケース。これは許可の問題以前に、利益相反として相談者の信頼を壊します。

回避策はシンプルです。誰から報酬を受け取っているのかを、最初に相談者へ明示する。企業からの依頼で動く仕事と、個人からの依頼で動く仕事を、契約書のレベルで分ける。この二つを守っていれば、少なくとも意図せず線を越えることはなくなります。

屋号、事務所、法人化をどう考えるか

屋号は開業届の欄に書けますが、必須ではありません。個人名のままでも仕事は受けられます。屋号をつけるメリットは、請求書や名刺の見え方が整うこと、事業用の銀行口座を屋号付きで作れることです。デメリットは、あとから変えると取引先への案内が発生することくらいです。

事務所については、オンライン中心の相談業務なら自宅で足ります。ただし、自宅住所を公開したくない場合は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスの住所を使う選択肢があります。特定商取引法にもとづく表示が必要なサービス形態を取る場合は、住所の記載を避けられないので、この点は先に決めておくべきです。

法人化は、所得が一定以上になってから考えれば十分です。個人事業の所得が800万円を超えたあたりから税率の逆転が起こりうる、というのが一般的な目安として語られますが、社会保険料の負担や設立費用、毎年の決算コストを含めると単純ではありません。法人でないと受けられない案件が出てきたときに、初めて検討するくらいの温度で構いません。

契約書と請求まわりで最低限そろえるもの

開業の手続きが済んだら、次に用意するのは書類です。相談業務は形が残りにくい仕事なので、口頭の合意だけで進めると、時間の数え方や回数の解釈で食い違いが起きます。最低限そろえておきたいのは、業務委託契約書、秘密保持の条項、キャンセルポリシー、そして請求書のひな型です。

業務委託契約書には、一回あたりの面談時間、実施回数、記録の取り扱い、キャンセル時の扱い、報酬額と支払期日を書きます。企業から研修や面談を受託する場合は、参加者の個人情報をどこまで企業に共有するかを明記してください。ここが曖昧だと、参加者に「この内容は会社に伝わりますか」と聞かれたときに答えられません。

支払期日については、2024年に施行されたフリーランス保護の枠組みで、発注者側に一定の義務が課されています。受領日から起算した支払期日の設定、書面等による取引条件の明示などが定められているので、企業と契約するときは、その条件が満たされているかを見る目を持っておくと安全です。契約実務に不安があるなら、行政書士のような専門家に一度ひな型を見てもらう手もあります。

手続きより先に決めたほうがよいこと

ここまで手続きの話をしてきましたが、順番として先に決めるべきなのは「誰の、どんな悩みに応えるのか」です。開業届は事業を始めてから1か月以内でよいので、後から追いつきます。しかし、対象を決めないまま登録だけ済ませても、案件は動きません。

上位で紹介されている調査でも、活動が続いている人ほど領域を絞っている傾向が指摘されています。

フリーランスで活躍している人はキャリアコンサルタントとしての実務経験を積んでいる場合が多く、得意な分野を持っていることが多いようです。例えば学生に向けたキャリア支援、シニアに向けたセカンドキャリア支援などターゲットを絞った活動をしていたり、転職活動支援や能力開発支援などの方向性に特化した活動をしていたり、保育や介護などの福祉系、プログラミング等のIT系といった業界に精通していたり、といった専門性を持っている傾向があります。 出典: recurrent.co.jp

絞り方のコツは、資格ではなく前職の経験から取ることです。医療機関で働いていたなら医療職のキャリア相談、ITの現場にいたならエンジニアのキャリア相談、というように、相談者の言葉が通じる領域を選ぶ。相談を受ける側にとって、業界の内輪の言葉が説明なしで伝わることの価値は、想像以上に大きいものです。

在宅で受けられる相談系の仕事の全体像は、キャリア・副業・人生相談のお仕事で職種の切り口ごとに整理されています。どんな依頼が実際に出ているのかを眺めてから領域を決めると、需要のない場所に旗を立てずに済みます。資格そのものの制度や更新の仕組みはキャリアコンサルタントにまとまっているので、名簿登録の位置づけを確認したい場合はそちらが早いです。

開業まわりの費用と、回収の考え方

開業にかかる初期費用は、業種のなかでは軽いほうです。名簿登録の登録免許税と手数料、更新講習の費用、オンライン会議ツールの契約、名刺と簡単なWebページ。設備投資らしい設備投資はマイクとカメラくらいで、合計しても20万円に届かないことが多いはずです。

問題は、その費用をどのくらいの期間で回収する設計にするかです。相談業務の報酬は、個人向けなら1回5,000円から2万円程度、企業や学校からの受託なら1コマ単位や日額で提示されるのが一般的です。仮に1回1万円で月に4件受けるなら月4万円、初期費用の回収に半年弱かかる計算になります。ここに更新講習の費用が5年で乗ることを織り込むと、必要な稼働の下限が見えてきます。

なお、手数料が引かれる仲介を経由するかどうかで手取りは変わります。相談1回の単価がそれほど高くない仕事では、20%の手数料は月の稼働1件分に相当します。直接取引で受けられる経路をひとつ確保しておくと、同じ稼働でも手元に残る額が変わります。

職種ごとの報酬水準を横に並べて比べたいなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような統計ベースのページが参考になります。相談業務そのものの統計は少ないのですが、隣接する専門職の水準を知っておくと、自分の提示額が市場から浮いていないかの目安になります。

運営者として見てきた、届出の順番の話

在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、手続きで止まってしまう人と、手続きを後回しにして動き出す人では、後者のほうが結果的に早く形になります。開業届は事業を始めてから1か月以内に出せばよい書類であって、出す前に仕事をしてはいけないという性質のものではありません。名簿登録だけ済ませて名刺を作り、動き出しながら税務の形を整えるという順番で問題ありません。

ただし、後回しにしてよいものと、してはいけないものがあります。後回しにしてよいのは、屋号、事務所、法人化、会計ソフトの選定。後回しにしてはいけないのは、勤務先の就業規則の確認、職業紹介にあたるかどうかの整理、そして守秘義務の運用です。前者は失敗しても取り返せますが、後者は一度踏み外すと信用の回復に時間がかかります。

もう一つ、長く続いている人に共通しているのは、単発の面談を売るのではなく「この人に相談すると考えが整理される」という関係を作っていることです。企業の人事から継続的に声がかかる人は、面談の技術が抜きん出ているというより、報告の粒度や納期の守り方が安定しています。相談業務は成果が数字で見えにくい分、周辺の仕事のしかたが信頼の代わりになります。

中間マージンが乗らない直接取引が効いてくるのも、この関係が育ってからです。同じ予算でも依頼者はより多くの回数を頼めるし、受け手は手取りが厚くなる。手数料0%の意味は、目先の数千円ではなく、続けられる単価で受け続けられるという質のほうにあります。届出をどう出すかを考えるのと同じくらい、どの経路で仕事を受け続けるかを最初に設計しておくと、更新のたびに悩まずに済みます。

相談以外の領域にも仕事を広げたい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、企業側の課題から入る職種の求人を見ておくと、研修や面談の受託につながる接点が見つかることがあります。キャリア支援は結局のところ、相手の業界の事情を知っている人が強い仕事です。

よくある質問

Q. キャリアコンサルタントの資格を取ったら開業届は必ず出すのですか?

資格の取得と開業届は別の話です。開業届は所得税法にもとづく届出で、事業として継続的に収入を得る場合に、事業開始から1か月以内に税務署へ出します。年に数回の相談で雑所得として申告する程度なら、提出しない整理もあり得ます。判断に迷う場合は税務署か税理士に確認してください。

Q. 名簿登録をしないまま相談業務をしてもよいのですか?

キャリアコンサルタントは名称独占の資格なので、登録がない状態でその名称や紛らわしい名称を用いることは職業能力開発促進法で制限されています。相談やコーチングという行為そのものを禁じる業務独占ではありませんが、肩書として名乗るなら名簿登録が必要です。

Q. 相談のなかで求人を紹介すると許可が要りますか?

求人と求職の間に立ってあっせんする行為は、職業安定法の職業紹介にあたる可能性があります。有料で行う場合は許可が必要です。どこからがあっせんにあたるかは対価や継続性などで総合的に判断されるため、都道府県労働局の需給調整事業部門に事前に確認するのが確実です。

Q. 会社員のまま副業で始める場合、何を最初に確認すべきですか?

勤務先の就業規則です。届出制か許可制か、競業にあたらないかを先に確認します。そのうえで住民税の徴収方法を自分で納付に選ぶかを決め、事業として続けるなら開業届と青色申告承認申請書を同時に出す流れが手続きの取りこぼしが少ない順番です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月30日最終更新:2026年8月30日
丸山 桃子

この記事を書いた人

丸山 桃子@SOHO編集部

アパレルEC運営支援・SNSコンサル

アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。

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