阿波銀行の情報漏えい|テスト環境からのべ27,745件 株主・法人の情報 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓阿波銀行の情報漏洩について
- ✓2026年4月3日の第一報と6月3日の続報をもとに整理
- ✓行内のOAシステムのテスト環境への不正アクセスで
阿波銀行の情報漏洩について、阿波銀行は2026年4月3日、行内の情報共有に使うOAシステムのテスト環境が不正アクセスを受け、そこに保管していたお客さま情報等の一部が漏えいしたと公表しました。漏えいが確認された情報のうち、お客さま情報等を含むものはのべ27,745件で、法人インターネットバンキングの契約先の名前と登録メールアドレス、2021年3月31日時点の株主の名前・住所・株主番号・保有株式数(一部は配当金を受け取る口座番号を含む)などです。暗証番号やパスワードは含まれていません。2026年11月1日時点では、6月3日に続報(原因の調査結果と再発防止策、役員の処分)が出ており、それより新しい公表は確かめられません。続報の時点で、さらなる漏えいや二次被害は確認されていないとされています。補償についての記載はありません。 対象かもしれない人がまずすることは、阿波銀行から直接か郵送で案内が届いていないかを確かめること、阿波銀行を名乗る電話・メール・郵便物で暗証番号や口座の情報を聞かれても答えないこと、不安があれば「あわぎんお客さまサポートセンター」に問い合わせることの3つです。
この記事は、2026年11月1日時点で阿波銀行のお知らせ「不正アクセスによるお客さま情報等の漏えい発生について」(4月3日)と、その続報(6月3日)を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
阿波銀行の情報漏洩で何が起きたのか
阿波銀行は、徳島県に本店がある地方銀行です。今回の件は、お客さまとの取引を扱うシステムではなく、行内で情報を共有するために使う「OAシステム」の、さらにその試験用の環境で起きました。
テスト環境とは、新しい仕組みを作ったり、手を入れた仕組みが正しく動くかを試したりするために、ふだん使う環境とは別に用意しておく作業場のことです。本番の環境とは切り離されているため、試験のために作ったデータや、試験に使ったデータが残っていることがあります。阿波銀行の4月3日の発表では、このテスト環境が不正アクセスを受け、保管していたお客さま情報等の一部が漏えいしたとされています。
発表の骨子は次のとおりです。
- OAシステムのテスト環境が不正アクセスを受け、保管していたお客さま情報等の一部が漏えいした
- テスト環境は、お客さまとの取引を扱う環境とは切り離されていて、各種の取引は通常どおり使える
- 暗証番号やパスワード等の情報は含まれていない
- 漏えいが確認された情報のうち、お客さま情報等を含むものはのべ27,745件
- 漏えいが確認されたお客さまには、個別に直接か郵送で案内する
- 監督官庁等の関係機関に報告し、警察にも相談している
阿波銀行は、この件を「漏えいした」「漏えいが確認された」と書いています。ほかの会社の発表に多い「可能性」「おそれ」という言い方ではなく、漏えいそのものを認めている点が、この件の特徴です。この記事でも、その言い方のまま書きます。
なお、件数の「のべ」は、同じ人や同じ会社が複数の区分にまたがって数えられている場合がある、という意味です。たとえば、株主であり、かつ法人インターネットバンキングも契約している会社は、2回数えられている可能性があります。対象の人や会社の実数は、のべ件数より少ないこともありえます。実数は発表に書かれていません。
公表の経緯:3月24日の連絡から6月3日の続報まで
日付の順に整理すると、次のようになります。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年3月24日(火) | 外部のセキュリティ会社から、阿波銀行の情報が漏えいしている可能性があると連絡を受け、調査を始める |
| 2026年3月25日(水)の夜 | 漏えいしている情報が阿波銀行のものだと確認。テスト環境へのアクセスの遮断など、被害の拡大を防ぐ手を打ち、漏えいの経路と影響の範囲の調査を始める |
| 2026年4月3日(金) | 第一報を公表。のべ27,745件の内訳を示し、対象の人に個別に案内すると発表 |
| 2026年4月3日から12日 | 問い合わせ窓口の受付時間を延長し、土日も受付 |
| 2026年6月3日(水) | 続報を公表。原因の調査結果、再発防止策、関係する役員と職員の処分を報告 |
注目したいのは、異変に気づいたきっかけが、阿波銀行の内部の監視ではなく、外部のセキュリティ会社からの連絡だったことです。インターネット上に出回っている情報を調べている会社などが、特定の組織の情報を見つけて知らせることがあります。阿波銀行の4月3日の発表は、連絡を受けてから2日目の夜に自行の情報だと確かめ、その9日後に公表したという流れです。
4月3日の時点では、漏えいの経緯は調査中とされていました。そのうえで、お客さまの二次被害を防ぐことを最優先に考え、全体像が分かる前に公表したと説明しています。二次被害とは、漏れた情報を使った詐欺やなりすましなど、漏えいのあとに起きる被害のことです。
6月3日の続報では、それまでの対応の経緯と、調査で分かった原因が示されました。続報の時点でも、警察等の関係機関と連携しながら、漏えいに至った経路や不正利用についての調査を続けているとされています。2026年11月1日時点で、阿波銀行の2026年のお知らせの一覧を見ると、この件のお知らせは4月3日と6月3日の2本で、それより新しい続報は見当たりません。
本事案の発生により、お客さまをはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしますことを深くお詫び申しあげます。今回不正アクセスを受けたシステムは、通常業務に使用している環境とは別に、システム開発やテスト等を目的として設けたテスト環境であり、お客さまとのお取引を取り扱う環境とは切り離されていることから、各種お取引は通常どおりご利用できます。また、暗証番号・パスワード等の情報は含まれておりません。 出典: 阿波銀行「不正アクセスによるお客さま情報等の漏えい発生について」
漏えいが確認された情報と、含まれていない情報
4月3日の発表に書かれた内訳を、区分ごとに並べます。それぞれ「いつの時点の情報か」が違う点に気をつけて読んでください。
| 区分 | いつの時点の情報か | 件数 | 含まれる項目 |
|---|---|---|---|
| 法人インターネットバンキングの契約先 | 2024年10月時点 | 10,872件 | 氏名(会社名)、登録メールアドレス |
| 株主 | 2021年3月31日時点 | 11,122件 | 氏名(会社名)、住所、株主番号、保有株式数。うち5,271件は配当金を受け取る預貯金口座の番号を含む |
| その他のお客さまや関係先 | 主に2021年4月時点 | 5,751件 | 主に氏名(会社名)。うち127件は氏名(会社名)、住所、預金や貸出金などの取引の情報を含む |
| 合計 | のべ27,745件 |
含まれていないと明記されているものも分けておきます。
| 区分 | 発表での扱い |
|---|---|
| 暗証番号 | 含まれていない |
| パスワード等 | 含まれていない |
| 取引を扱う環境 | テスト環境とは切り離されていて、取引は通常どおり使える |
表から読み取れることを、区分ごとに補います。
法人インターネットバンキングの契約先は、名前(会社名)と、インターネットバンキングに登録したメールアドレスの組み合わせです。法人インターネットバンキングとは、会社や事業者がパソコンから振込や残高の照会をするための銀行のサービスのことです。登録メールアドレスは、振込の完了やログインの通知が届く先として使われることが多いアドレスです。このアドレスに、銀行を装った偽のメールが届く可能性を考えておく必要があります。
株主の情報は、2021年3月31日時点のものです。いまは株を手放している人や、住所が変わった人の情報も含まれている可能性があります。そのうち5,271件には、配当金を受け取るための預貯金口座の番号が含まれています。口座番号だけで預金を引き出すことはできませんが、名前と住所と口座番号がそろうと、銀行や証券代行の会社を装った連絡が本物らしく見えやすくなります。
その他のお客さまや関係先は、多くが主に2021年4月時点の名前(会社名)だけです。ただし127件については、名前と住所に加えて、預金や貸出金などの取引の情報が含まれています。取引の情報がどの程度の細かさのものかは、発表に書かれていません。この記事でも推測では書きません。
原因:何者かがIDとパスワードを不正に使ってアクセス
原因は、6月3日の続報で示されました。続報によると、直接の原因は、何者かがIDやパスワード等を不正に使い、外部から阿波銀行のテスト環境にアクセスしたことです。どのようにしてIDやパスワードが知られたのかは、続報に書かれていません。警察等と連携した調査が続いているとされています。
続報では、調査の結果として、阿波銀行の管理の仕組みにも足りない点があったと、阿波銀行自身が3つ挙げています。
- テスト環境は、システムの開発や試験の目的が終わった時点で廃止するべきだったが、その後も、AIを使ったシステムの高度化の作業などのために使われていた
- テスト環境に保管していたお客さまのデータ等は、システムの開発等が終わったあとに速やかに消すべきだったが、消せていなかった
- テスト環境で、不正なアクセスを防ぐ仕組みが十分に働いていなかった
この3点は、利用者の側から見ると「なぜ2021年の株主の情報がいまも残っていたのか」という疑問への答えにもなっています。試験の目的が終わったあとも環境とデータが残っていたため、数年前の時点の情報が漏えいの対象になったという整理です。
同じ続報で、阿波銀行は再発防止策として、テスト環境を警察の捜査が終わったあと速やかに廃止すること、行内のすべての情報システムを見直し、危険の大きさと急ぎ具合に応じて最新のセキュリティ対策を計画的に行うことを挙げています。
IDとパスワードが正しければ本人として通してしまう仕組みは、銀行に限らず多くのシステムに共通しています。そのため最近は、IDとパスワードに加えて、スマホのアプリに届く確認や、手元の機器でしか作れない番号など、もう一つの確認を組み合わせる方法(多要素認証)が広く使われています。阿波銀行の続報は、テスト環境で不正なアクセスを防ぐ仕組みが十分に働いていなかったとしていますが、具体的にどの仕組みが足りなかったのかは書かれていません。この記事でも、そこから先は推測しません。
利用者の側で覚えておきたいのは、IDとパスワードは、どこかで知られてしまうことがある、という前提です。自分の使うサービスで多要素認証を選べるなら設定しておくこと、同じパスワードをほかのサービスで使い回さないことが、自分の口座やアカウントを守る基本になります。パスワードの使い回しを見直す順番は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026にまとめています。
また、続報では、関係する役員と職員の処分も公表されました。常務取締役1人について報酬月額の30%を1か月減らすこと、代表取締役2人が報酬月額の30%を1か月分自主的に返すこと、関係した職員を行内の規程に基づいて処分したことが書かれています。
阿波銀行の対応:個別の案内と窓口
阿波銀行の発表に書かれている対応を、利用者に関係するものに絞って整理します。
| 対応 | 発表の内容 |
|---|---|
| 個別の案内 | 漏えいが確認されたお客さまに、個別に直接か郵送で案内する |
| 窓口の設置 | 「あわぎんお客さまサポートセンター」で受け付ける |
| 関係機関への報告 | 監督官庁等の関係機関に報告し、警察にも相談 |
| 被害拡大の防止 | 判明の直後にテスト環境へのアクセスを遮断 |
| 二次被害の状況 | 4月3日時点で悪用の報告はない。6月3日時点で、さらなる漏えいや拡散、二次被害は確認されていない |
6月3日の続報には、漏えいが確認されたお客さまや株主に対して、謝罪と説明、案内を速やかに行い、問い合わせ窓口を設けるなど個別に対応を進めてきたと書かれています。お詫びの品や金銭の補償については、4月3日と6月3日のどちらの発表にも記載がありません。補償の考え方は会社によってさまざまで、この件でどうなるかを推測で書くことはしません。ほかの会社の例を含めた補償の一般的な考え方は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026にまとめています。
自分が対象かを確かめる方法
阿波銀行は、漏えいが確認されたお客さまに、個別に直接か郵送で案内するとしています。まず確かめたいのは、阿波銀行からの封書や、担当者からの連絡が届いていないかです。
区分ごとに、心当たりの確かめ方を整理します。
| 区分 | 心当たりの確かめ方 |
|---|---|
| 法人インターネットバンキングの契約先 | 2024年10月の時点で、阿波銀行の法人インターネットバンキングを契約していたか |
| 株主 | 2021年3月31日の時点で、阿波銀行の株を持っていたか。配当金を口座で受け取る手続きをしていたか |
| その他のお客さまや関係先 | 2021年4月ごろに、阿波銀行と取引や関係があったか |
案内が届いていなくても、引っ越しで郵送が届いていない可能性もあります。とくに株主の情報は2021年3月31日時点のものなので、その後に引っ越した人には旧住所あてに郵送された可能性があります。心当たりがあるのに案内が見当たらない場合は、あわぎんお客さまサポートセンターに問い合わせるのが確実です。
気をつけたいのは、「阿波銀行の情報漏えいの対象です」と名乗る連絡そのものが、詐欺の入口になりうることです。阿波銀行の発表は、案内の方法を「個別に直接または郵送」としています。メールやショートメッセージで届いた案内に書かれたリンクから、口座番号や暗証番号を入力させるような流れは、発表の内容と合いません。確かめたいときは、届いた連絡に書かれた番号ではなく、阿波銀行の公式サイトに載っている窓口の番号に自分からかけてください。
利用者がすること:漏れた項目に合わせて
漏えいした項目には、パスワードや暗証番号は含まれていません。そのため、ふだん使っているインターネットバンキングのパスワードを、この件だけを理由に急いで変える必要は、発表の内容からは読み取れません。気をつけたいのは、漏れた項目を使ってくる「それらしい連絡」です。
法人インターネットバンキングの契約先がすること
名前(会社名)と登録メールアドレスの組み合わせが漏えいしています。この組み合わせがあると、「阿波銀行の法人インターネットバンキングをお使いの〇〇株式会社様」と、宛名入りで偽のメールを送ることができます。
- 阿波銀行を名乗るメールのリンクから、ログインの画面に進まない。ログインは、ブックマークした公式の入口か、阿波銀行の公式サイトから行う
- 「取引を一時停止しました」「本人確認が必要です」といった、急がせる内容のメールは、まず疑う
- 電子証明書やワンタイムパスワードを、電話やメールで聞かれても答えない
- 経理の担当者が複数いる会社は、この件を社内で共有し、偽のメールに注意するよう伝える
銀行を装う偽のメールの手口と見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で詳しく扱っています。万が一、偽の画面に入力してしまい、身に覚えのない振込が起きた場合の補償の基準は、ネットバンキングの不正送金は補償される?全国銀行協会の基準と30日の期限、補償されない例 2026にまとめています。法人の口座は、個人の口座と補償の考え方が違う場合があるので、早めに銀行に相談することが大切です。
株主がすること
名前、住所、株主番号、保有株式数が漏えいしています。うち5,271件は、配当金を受け取る口座の番号も含まれています。
- 阿波銀行や、株主の名簿を管理する会社を名乗る電話や郵便で、「配当金の口座を確かめたい」「手続きのために暗証番号を」と言われても答えない
- 株主番号や保有株式数を知っている相手でも、それだけで本物と判断しない
- 「株を高く買い取る」「未公開株を優先的に」といった勧誘の電話や郵便にも注意する
- 配当金を受け取っている口座の明細を、ときどき確かめる
阿波銀行は、4月3日の発表で、漏れた情報を使った電話・メール・郵便物等による勧誘や詐欺に十分注意してほしいと呼びかけています。住所が知られたときの郵便物の詐欺や、ダイレクトメールが増えたときの対処は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番に整理しています。
その他のお客さまや関係先がすること
多くは名前(会社名)だけですが、127件は住所や取引の情報を含みます。案内が届いた人は、案内に書かれた区分を確かめ、どの項目が含まれていたかを把握してください。取引の情報が含まれていた場合は、その取引を話題にした電話(「お借り入れの件で」「定期預金の満期の件で」など)が来ても、その場で手続きを進めず、いったん切って公式の窓口に確かめるのが安全です。
すべての人に共通すること
- 阿波銀行の職員を名乗る人から、暗証番号やパスワードを聞かれても答えない
- 口座の明細を確かめ、身に覚えのない出金があれば、すぐ阿波銀行に連絡する
- 不審な電話や郵便物は、記録を残し、あわぎんお客さまサポートセンターか、警察の相談専用電話(#9110)に相談する
問い合わせ窓口
阿波銀行の発表に載っている窓口は次のとおりです。
| 区分 | 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| お客さま・株主 | あわぎんお客さまサポートセンター | 0120-39-8689 | 9時から17時(土日祝を除く) |
4月3日から12日にかけては、受付時間の延長や土日の受付が行われていましたが、6月3日の続報の時点では、受付時間は9時から17時(土日祝を除く)と書かれています。報道関係の窓口も別に載っていますが、利用者が使う窓口は上のサポートセンターです。
問い合わせるときは、届いた案内(封書など)を手元に用意すると話が早く進みます。案内が届いていない場合は、どの区分に心当たりがあるか(2024年10月時点の法人インターネットバンキング、2021年3月末時点の株主など)を伝えると、確かめてもらいやすくなります。
問い合わせで確かめておきたいのは、自分がどの区分の対象か、どの項目が含まれていたか、案内をどの住所に送ったか、の3点です。とくに口座の番号や取引の情報が含まれていたかどうかで、その後に気をつける範囲が変わります。聞いた内容は、日付と担当者の名前と一緒に控えておくと、あとで別の連絡が来たときに本物かどうかを比べやすくなります。
在宅で仕事をする人が気をつけたいこと
個人事業主やフリーランスとして、事業の口座に阿波銀行を使っている人もいるはずです。在宅で仕事をする人がこの件で考えておきたいことを、2つの立場から整理します。
事業の口座の利用者として
事業用にインターネットバンキングを使っている人は、取引先への支払いや報酬の受け取りに、その口座を使っていることが多いはずです。偽のメールに引っかかって不正送金が起きると、自分の資金だけでなく、取引先への支払いにも影響が出ます。銀行を名乗るメールのリンクを使わない、ログインはいつもの入口からにする、という基本を、この機会に見直してください。
また、請求書や見積書には、振込先として銀行名や口座番号を書くことがあります。取引先が受け取る請求書に「振込先が変わりました」と書かれた偽の連絡が届く手口もあります。口座を変えるときは、メールだけでなく電話など別の手段でも取引先に伝えておくと、取引先がだまされにくくなります。
取引先の情報を預かる立場として
在宅で仕事をする人は、仕事の中で取引先や、そのまた先のお客さまの情報を預かることがあります。名簿の入力、メールの配信、データの整理などの仕事では、手元のパソコンやクラウドに個人情報が残ります。
今回の件の原因の一つは、試験の目的が終わったあとも環境とデータが残っていたことでした。個人の仕事でも同じことが起きえます。納品が終わったデータを、いつまでも手元のパソコンやクラウドの共有フォルダに残していないかを確かめてください。契約で返却や削除の決まりがあるなら、それに従って削除し、削除したことを取引先に伝えておくと安心です。
個人情報保護委員会は、個人データの漏えい等が起きたときに、事業者が委員会に報告し、本人に通知しなければならない場合を示しています。たとえば、不正の目的で行われたおそれのある行為による漏えい等(不正アクセスなど)や、財産的な被害が生じるおそれのある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。個人で仕事をする人も、扱う情報によっては報告の対象になりうるので、委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料に一度目を通しておくと、いざというときに慌てずに済みます。委託先の管理の着眼点や、中小企業向けの自己点検のチェックリストも、同じページから開けます。
在宅で仕事を受ける人がアカウントを守る基本は、パスワードの使い回しをやめることと、二段階認証を設定することです。仕事の受発注に使うサイトでも同じで、在宅の仕事を探すサイトに登録している場合も、銀行とは別のパスワードを使ってください。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。仕事に使うパソコンやスマホの守り方は、情報漏洩を防ぐ!個人事業主が最低限やっておくべきPC・スマホのセキュリティ対策にまとめています。
阿波銀行を名乗る連絡の見分け方
今回漏えいした項目は、名前、会社名、住所、メールアドレス、株主番号、保有株式数、口座番号、取引の情報の一部です。どれも単独では預金を動かせない情報ですが、組み合わせると「本物の銀行しか知らないはずのこと」を知っている相手に見えます。連絡の手段ごとに、注意したい点を整理します。
電話で来る場合
「阿波銀行の〇〇支店の者です。情報漏えいの件で、口座の確認をさせてください」と、漏えいの件を入口にする電話が考えられます。相手が名前や住所、株主番号を正しく言っても、それは漏えいした情報で言える内容です。次のような求めがあれば、その場で答えずに電話を切ってください。
- 暗証番号やインターネットバンキングのパスワードを聞かれる
- キャッシュカードを封筒に入れて渡すよう言われる
- 「補償金を振り込むので」と、ATMの操作を指示される
- 「口座が不正に使われているので、別の口座に移してください」と言われる
切ったあとは、阿波銀行の公式サイトに載っている番号か、通帳やキャッシュカードに書かれた番号に、自分からかけ直して確かめます。
郵便で来る場合
住所が漏えいした株主や一部のお客さまには、郵便を使った手口も考えられます。阿波銀行は対象の人に郵送で案内するとしているため、本物の案内と偽の郵便物が同じ時期に届く可能性があります。
- 返信用の封筒で、キャッシュカードや通帳、印鑑を送るよう求める郵便物は疑う
- 「株主様限定」「配当金の再計算」などの言葉で、口座の情報の記入を求める書類も疑う
- 代金引換で届く、身に覚えのない荷物は受け取らない
本物か迷ったら、郵便物に書かれた番号ではなく、公式の窓口に問い合わせてください。
メールやショートメッセージで来る場合
法人インターネットバンキングの登録メールアドレスが漏えいしているため、メールには特に注意が要ります。
- 送信元の表示名が「阿波銀行」でも、それだけで本物と判断しない
- 本文のリンクから開いたページで、ログインのIDやパスワード、ワンタイムパスワードを入力しない
- 「24時間以内に手続きしないと口座を停止します」など、期限で急がせる内容は特に疑う
阿波銀行の発表が案内の方法として挙げているのは、個別の直接の連絡と郵送です。メールでの案内については書かれていません。メールで「漏えいの対象です」と届いた場合は、とくに慎重に扱ってください。
家族や社内で共有するときのポイント
漏えいの対象になったのが自分だけでも、偽の連絡を受けるのは家族や同僚かもしれません。とくに次のような場合は、一声かけておくと被害を防ぎやすくなります。
- 株主として登録していたのが自分でも、自宅の電話や郵便を家族が受けることがある
- 法人インターネットバンキングの登録メールアドレスを、経理の担当者が複数人で見ている
- 高齢の家族が、銀行の名前を出されると信用しやすい
伝える内容は短くて構いません。「阿波銀行の情報漏えいがあった。阿波銀行を名乗る電話や郵便で、暗証番号やカードを求められても応じないで。迷ったら自分に連絡して」という程度で十分です。会社であれば、経理や総務の担当者に、阿波銀行の発表のページを共有し、振込先の変更や急ぎの送金の依頼は、必ず別の手段で確かめるという決まりを再確認しておくと安心です。
発表を読むときに知っておきたい言葉
情報漏えいの発表には、似た言葉がいくつも出てきます。阿波銀行の発表を正しく読むために、よく出る言葉を整理しておきます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 不正アクセス | 許可されていない人が、他人のIDやパスワードを使ったり、仕組みの弱いところを突いたりして、システムに入ること |
| 漏えい | 情報が、本来見てよい人の外に出てしまうこと。阿波銀行は今回「漏えいした」「漏えいが確認された」と書いている |
| 漏えいの可能性、おそれ | 外に出たかどうかは確かめられていないが、出たことを否定できない状態。今回の阿波銀行の発表では使われていない |
| 二次被害 | 漏れた情報を使った詐欺やなりすましなど、漏えいのあとに起きる被害 |
| のべ件数 | 同じ人や会社を、区分ごとに重ねて数えた件数。実数より多くなることがある |
| テスト環境 | 仕組みを作ったり試したりするために、本番とは別に用意した環境 |
ほかの会社の発表では「漏えいした可能性がある」という段階で公表されることが多く、その後の調査で「漏えいは確認されなかった」となる例もあります。阿波銀行の件は、最初の発表の時点で、漏えいしている情報が阿波銀行のものだと確認されていました。対象の人にとっては、可能性の段階の件よりも、偽の連絡への備えを強めておきたい件といえます。
対象でなかった人もしておきたいこと
案内が届かず、どの区分にも心当たりがない人でも、この機会に見直しておきたいことがあります。
- 銀行や証券の会社から届くメールを、リンクから開かない習慣にする
- インターネットバンキングのログイン通知を、メールやアプリで受け取る設定にする
- 振込の上限額を、ふだんの使い方に合わせて低めに設定する
- 使っていない口座やサービスがあれば、解約を検討する
最後の点は、今回の件と同じ理由からです。使わなくなった口座やサービスにも、名前や住所、口座の情報は残っています。残っている情報が少ないほど、どこかで漏えいが起きたときの影響は小さくなります。
2021年の情報がいまも狙われるということ
今回の件で、利用者が覚えておきたいのは、数年前に銀行に渡した情報でも、残っていれば漏えいの対象になりうるということです。株主の情報は2021年3月31日時点、その他のお客さまや関係先の情報は主に2021年4月時点のものでした。
古い情報だから安心、とは言い切れません。住所が変わっていなければ郵便物は届きますし、名前と口座番号の組み合わせはいまも有効なことが多いはずです。一方で、引っ越した人や株を手放した人にとっては、阿波銀行からの案内が届きにくいという面もあります。
情報漏えいのニュースを見たときは、「いまの自分」だけでなく「数年前の自分」がそのサービスを使っていなかったかを思い出すことが、対象かどうかを見落とさないこつです。自分のメールアドレスがほかの漏えいに含まれていないかは、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で確かめられます。今回の阿波銀行の件のような国内の漏えいは載っていないことも多いので、結果が「見つからない」でも、阿波銀行からの案内は別に確かめてください。
公開前に見直したい点と、今後の続報
2026年11月1日時点で、阿波銀行はテスト環境を警察の捜査が終わったあと速やかに廃止するとしています。また、漏えいの経路や不正利用についての調査を続けていて、追加の案内が必要になった場合は速やかに知らせるとしています。
この記事の内容は、4月3日と6月3日の発表に基づくものです。今後、阿波銀行から新しい発表があった場合は、件数や対象、窓口の受付時間が変わる可能性があります。対象かどうかや、窓口の最新の受付時間は、阿波銀行の公式サイトの不正アクセスによるお客さま情報等の漏えい発生について(続報)と、お知らせの一覧で確かめてください。
よくある質問
Q. 阿波銀行の情報漏えいでパスワードは漏れましたか?
阿波銀行の2026年4月3日の発表では、暗証番号やパスワード等の情報は含まれていないとされています。漏えいが確認されたのは、法人インターネットバンキングの契約先の名前と登録メールアドレス、2021年3月31日時点の株主の名前や住所、株主番号などです。パスワードを急いで変える必要は発表からは読み取れませんが、銀行を装う偽のメールには注意してください。
Q. 阿波銀行の情報漏えいの対象かどうかはどう分かりますか?
阿波銀行は、漏えいが確認されたお客さまに個別に直接か郵送で案内するとしています。まず封書や担当者からの連絡を確かめてください。2024年10月時点の法人インターネットバンキングの契約先、2021年3月31日時点の株主などに心当たりがあるのに案内が見当たらない場合は、あわぎんお客さまサポートセンターに問い合わせてください。
Q. 阿波銀行の口座はこれまでどおり使えますか?
発表によると、不正アクセスを受けたのは行内の情報共有に使うOAシステムのテスト環境で、お客さまとの取引を扱う環境とは切り離されているため、各種の取引は通常どおり使えるとされています。口座の明細はときどき確かめ、身に覚えのない出金があれば、すぐに阿波銀行に連絡してください。
Q. 阿波銀行の情報漏えいの問い合わせ先はどこですか?
お客さまと株主の窓口は、あわぎんお客さまサポートセンター(電話0120-39-8689)です。2026年6月3日の続報の時点で、受付時間は9時から17時(土日祝を除く)です。届いた連絡に書かれた番号ではなく、阿波銀行の公式サイトに載っている番号に自分からかけてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

銀のさら・釜寅・すし上等の個人情報漏えいの可能性|最大約650万件 ライドオンエクスプレス 確かめること 2026

戸田建設の個人情報漏洩|取引先のメールアドレスと従業員4,778名分 確かめること 2026

ガーラ湯沢の情報漏えいの可能性|リフト券発券システムのランサムウェア被害 シーズンパスポート購入者 最大1,518名 氏名・住所・顔写真 対象と確かめること 2026

加賀ソルネットの情報漏えい|アカデミコナビ 165,587名分 氏名・住所・所属校情報 対象と確かめること 2026

ApplyNowの情報漏えい|Interview Cloud・ApplyNow Sign 約39万人 氏名・電話番号・マイナンバー 対象と確かめること 2026

手間いらずの情報漏えいの可能性|TEMAIRAZU 最大約445万人 宿泊者の氏名・電話番号・メールアドレス 対象と確かめること 2026

セゾンテクノロジーの個人情報漏えいの可能性|クラウドのストレージの設定不備 技術サポート更新申込書1,214件 担当者の氏名・連絡先 対象と確かめること 2026

エネサンスの情報漏洩|ランサムウェア被害 顧客約36.5万件の漏洩またはそのおそれ 対象と確かめること 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方