副園長の資格|保育園とこども園の要件


この記事のポイント
- ✓副園長資格は施設の種類で答えが変わります
- ✓幼稚園と幼保連携型認定こども園は省令で免許と経験年数が決まり
- ✓保育園には法令上の資格要件がありません
副園長資格について調べると、「特別な資格はいらない」という説明と「免許と経験年数が必要」という説明が両方出てきて、どちらが正しいのか迷う人が多いはずです。結論から言うと、どちらも正しく、違いは働いている施設の種類にあります。幼稚園と幼保連携型認定こども園の副園長は国の省令で資格が決まっていて、保育園(認可保育所)の副園長には法令上の資格要件がありません。
この記事では、施設ごとの要件を条文に沿って整理し、保育士や幼稚園教諭として働いている人が副園長を目指すときに、今から何を準備すればよいかを順番に説明します。給与の仕組みや、園の外でも通用する力の付け方にも触れます。
副園長という役職が置かれている背景
副園長は、園長を助けて園の運営を担う役職です。園長と現場の保育者のあいだに立ち、職員の配置、保護者対応、行事の計画、行政への書類提出など、園全体にかかわる仕事を受け持ちます。
保育と幼児教育の世界でこの役職の重要性が増している理由は、園の運営そのものが複雑になったことにあります。2015年に始まった子ども・子育て支援新制度で、保育園、幼稚園、認定こども園は「公定価格」と呼ばれる国の基準額にもとづいて運営費を受け取る仕組みになりました。公定価格とは、子ども1人あたりに国が定めた運営費の単価のことで、そこに職員の経験年数や配置に応じた加算が上乗せされます。加算を受けるには計画書や実績報告書を自治体に出す必要があり、事務の量が増えました。
あわせて、保育士の配置基準も見直されています。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第33条では、保育士の数について、満3歳以上満4歳未満の幼児はおおむね15人につき1人以上、満4歳以上の幼児はおおむね25人につき1人以上と定めています。配置の考え方が変わると、シフトの組み方や採用計画も変わります。こうした変化を受け止めて現場に落とし込む役として、園長の補佐役が求められるようになりました。
保育士の処遇も動いています。こども家庭庁の資料「保育士・幼稚園教諭等の処遇改善(令和8年3月版)」によると、役職者を除いた保育士の月収は令和7年で32.9万円でした。同じ資料の全産業の数字は39.6万円で、差は縮まりつつあるものの残っています。資料には、令和6年度に公定価格の保育士等の人件費について過去最大の10.7%の改善を補正予算に計上したことも書かれています。役職に就いて担う仕事が増えるほど、給与にどう反映されるかが大事になる流れです。
施設の種類で副園長の資格要件が変わる理由
副園長の資格が施設によって違うのは、施設の根拠になっている法律が違うからです。
- 幼稚園は学校教育法で定められた「学校」です。所管はもともと文部科学省で、園長や副園長の資格は学校の校長・副校長と同じ枠組みで決まっています。
- 認可保育所は児童福祉法にもとづく「児童福祉施設」です。所管はこども家庭庁で、職員として必ず配置するのは保育士・嘱託医・調理員で、園長や副園長の資格は基準に書かれていません。
- 幼保連携型認定こども園は、認定こども園法(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律)にもとづく施設で、学校と児童福祉施設の両方の性格を持ちます。そのため、園長と副園長には教諭の免許と保育士資格の両方が求められます。
同じ「認定こども園」でも、幼稚園型、保育所型、地方裁量型という別の類型があります。幼稚園型は幼稚園としての規定が、保育所型は保育所としての規定がかかわるため、自分の園がどの類型にあたるのかを最初に確かめておくと、以下の説明がそのまま当てはめやすくなります。園の類型は、自治体が公表している認定こども園の一覧や、園の重要事項説明書で確認できます。
もう1つ押さえておきたいのは、「副園長」という名前が使われていても、法律上の副園長とは限らないことです。保育園で使われる副園長は、運営法人が独自に決めた役職名です。一方、幼稚園と幼保連携型認定こども園の副園長は、学校教育法や認定こども園法に書かれた職名で、職務の中身も法律で決まっています。求人票で「副園長候補」と書かれていたら、どちらの意味かを面接で聞いておくと、入ってからの食い違いを防げます。
幼稚園の副園長に必要な資格と経験年数
幼稚園では、学校教育法の第27条で「園長、教頭及び教諭」を配置することが義務になっていて、副園長は任意で配置する職と位置づけられています。副園長を配置する園では、教頭を配置しないこともできます。職務は「園長を助け、命を受けて園務をつかさどる」と書かれています。園務とは、園の運営にかかわる仕事全般のことです。
資格は、学校教育法施行規則の第20条から第23条で決まっています。第23条で校長の資格の規定が副校長と教頭に準用されており、幼稚園の副園長にも同じ枠組みがあてはまります。中身は次の3つの道です。
- 教諭の専修免許状または一種免許状を持ち、教育に関する職に5年以上就いていたこと(第20条第1号)
- 免許状がなくても、教育に関する職に10年以上就いていたこと(第20条第2号)
- 私立の園で特別の事情があるときは、5年以上教育に関する職や教育・学術に関する業務に就き、教育に関し高い識見を持つ人を採用できること(第21条)、また運営上特に必要があるときは、上の資格を持つ人と同等の資質があると認めた人を任命・採用できること(第22条)
ここで大事なのは、幼稚園教諭の二種免許状だけでは、第1号の「5年以上」の道を使えないことです。短期大学や専門学校で保育を学んだ人の多くは二種免許状を持っていますが、副園長を5年の経験で目指すには一種免許状への上進が必要になります。上進とは、現職の教員が大学の講座や免許法認定講習で決められた単位をそろえ、上位の免許状に切り替えることです。必要な単位数と在職年数は教育職員免許法で決まっていて、勤務先の都道府県の教育委員会が窓口になります。
上進を考えるときは、手順を3段階に分けると進めやすくなります。まず、今持っている免許状の種類と取得年、これまでの在職期間を書き出します。次に、勤務先の都道府県の教育委員会が公表している上進の案内で、必要な在職年数と単位数を確かめます。最後に、大学の通信課程や免許法認定講習の開講時期を調べ、仕事の繁忙期と重ならない時期に受講の計画を立てます。単位をそろえるまでには1年以上かかることが多いため、副園長を意識し始めた時点で動き出すのが安心です。
一方、第2号の「10年以上」の道は免許状の種類を問いません。教育に関する職の範囲は第20条で細かく列挙されていて、学校や幼保連携型認定こども園の教諭・保育教諭・講師(常時勤務の者に限る)などが含まれます。経験年数の数え方に迷ったら、勤務先の法人の事務担当か、園を所管する自治体の私学担当課に確認するのが確実です。
幼保連携型認定こども園の副園長に必要な資格
幼保連携型認定こども園の職員については、認定こども園法の第14条に定めがあります。園長と保育教諭の配置は義務で、副園長、教頭、主幹保育教諭などは任意で配置する職です。副園長の職務は幼稚園と同じく「園長を助け、命を受けて園務をつかさどる」ことで、加えて、園長に事故があるときはその職務を代理し、園長が欠けたときはその職務を行うと定められています。
資格は、認定こども園法施行規則の第12条から第14条で決まっています。第14条で園長の資格の規定が副園長と教頭に準用されていて、条文は次のとおりです。
第十二条 園長の資格は、教育職員免許法による教諭の専修免許状又は一種免許状を有し、児童福祉法第十八条の十八第三項に規定する保育士登録(中略)を受けており、かつ、次に掲げる職に五年以上あることとする。 第十四条 前二条の規定は、副園長及び教頭の資格について準用する。 出典: e-Gov法令検索(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則)
つまり、幼保連携型認定こども園の副園長になるには、原則として次の3つを全部満たす必要があります。
- 幼稚園教諭の専修免許状または一種免許状を持っている
- 保育士登録を受けている(保育士証を持っている)
- 定められた職に5年以上就いていた
3つ目の「定められた職」の範囲は幼稚園よりも広く、保育所などの児童福祉施設で子どもの保育に直接従事した職、小規模保育事業や家庭的保育事業で保育に従事した職、これらの施設の長や事務職員の職なども含まれます。保育園で長く働いてきた保育士の経験も、ここで数えられます。
ただし、幼稚園のような「免許なしで10年以上」の道は、この規則にはありません。代わりに第13条で、運営上特に必要がある場合に、園を適切に管理・運営する能力があり、資格を持つ人と同等の資質があると設置者が認めた人を採用できるとしています。この例外は設置者の判断に委ねられるもので、誰でも使える近道ではありません。
保育園の副園長には法令上の資格要件がない
認可保育所については、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第33条で、保育士、嘱託医、調理員を配置しなければならないと定めています。園長(施設長)や副園長の資格要件は、この基準には書かれていません。そのため「保育園の副園長に資格はいらない」という説明は、法令の上では正しいことになります。
ただ、現場で資格なしの人が副園長になる例は多くありません。理由は3つあります。
- 職員の一般的な要件として、基準の第7条が、子どもの保護に従事する職員はできる限り児童福祉事業の理論と実際について訓練を受けた人でなければならないと定めている
- 副園長が保育士の人数に数えられる働き方をする園では、保育士資格がないと配置基準の計算に入らない
- 運営法人の規程や、自治体が認可や監査のときに確認する体制の考え方で、保育士資格と一定の実務経験を求めることが多い
そのため、保育園で副園長を目指す人も、保育士資格を持ち、クラス担任と主任や副主任の経験を積んでから就くのが一般的な道筋です。経験年数の目安は法人によって違い、求人では「保育士としての実務経験○年以上」と書かれることが多いので、応募の前に募集要項を確かめてください。
認可外保育施設や企業主導型保育事業では、また別の基準が使われています。企業主導型保育事業には国の助成要綱にもとづく職員の基準があり、自治体の独自基準を設けている地域もあります。働いている施設がどの制度で運営されているかを確認したうえで、その制度の要件を読むのが確実です。
副園長と教頭・主任保育士の違い
副園長を目指す人がよく迷うのが、教頭や主任保育士との違いです。法律で職務が書かれている幼稚園を例にすると、学校教育法の第27条で次のように整理されています。
- 園長は、園務をつかさどり、所属職員を監督する
- 副園長は、園長を助け、命を受けて園務をつかさどる
- 教頭は、園長(副園長を配置する園では園長と副園長)を助け、園務を整理し、必要に応じて幼児の保育をつかさどる
- 主幹教諭は、園長、副園長、教頭を助け、命を受けて園務の一部を整理し、幼児の保育をつかさどる
違いは「つかさどる」と「整理する」の差にあります。副園長は園長の命を受けて、園務そのものを自分の権限で動かす立場です。教頭は園務を整理する立場で、必要に応じて保育にも入ります。主幹教諭は園務の一部を整理しながら、保育が主な仕事です。副園長を配置する園では、教頭を配置しないこともできるとされていて、規模の小さい園では副園長が教頭の役割も兼ねることになります。
幼保連携型認定こども園でも、認定こども園法の第14条で同じ並びが定められています。副園長については、園長に事故があるときに職務を代理し、園長が欠けたときに職務を行うという規定が加わっていて、園長の代わりを務める立場であることがはっきりしています。
保育園の主任保育士は、法律で職務が書かれた職ではありませんが、担任を持たずに園全体の保育の調整や職員の指導に専念する形をとる園が多くあります。保育園で副園長と主任の両方を配置している場合は、副園長が運営と対外的な対応、主任が保育の中身と職員の指導、と役割を分けることが多く、どちらに重心があるかは園によって違います。
この違いを理解しておくと、面接で「副園長として何を任されるのか」を具体的に聞けます。権限の範囲、決裁の流れ、担任を持つかどうかの3点は、入る前に確かめておきたいところです。
副園長になるまでの道筋と準備
施設の種類ごとの要件がわかったら、次は今の自分の位置から逆算します。多くの人がたどる道筋は次のとおりです。
- 保育士資格と幼稚園教諭免許の両方をそろえる
- クラス担任として経験を積み、乳児と幼児の両方を受け持つ
- 副主任保育士や職務分野別リーダーとして、特定の分野の取りまとめを任される
- 主任保育士や主幹保育教諭として、園全体の保育の調整役を務める
- 副園長として、運営と人事と保護者対応の責任を園長と分け合う
1つ目の資格の両立は、認定こども園の増加で重要度が上がっています。こども家庭庁の保育士資格取得特例のページによると、幼稚園教諭の免許状を持ち、幼稚園や保育所などで「3年以上かつ4,320時間以上」の実務経験がある人は、保育士養成施設で最大8単位の特例教科目を修得すると、保育士試験が全科目免除になります。この特例は令和11年度末まで延長されています。反対に、保育士資格を持つ人が幼稚園教諭の免許状を取るための特例も文部科学省が設けています。
同じページには、もう1つ大事な期限が書かれています。幼保連携型認定こども園では、令和11年度末までは免許と資格のどちらか一方でも保育教諭として働けますが、主幹保育教諭と指導保育教諭については、どちらか一方で就ける特例の期限が令和8年度末とされています。主幹保育教諭を経て副園長を目指す人は、両方の免許と資格をそろえる計画を早めに立てる必要があります。
3つ目の副主任保育士や職務分野別リーダーは、処遇改善等加算の仕組みと結び付いた職位です。こども家庭庁の資料では、一定の経験年数があり、決められた研修を修了して、副主任保育士や職務分野別リーダーなどの発令を受けている人が配分の対象と説明されています。研修は都道府県や都道府県が指定する団体が実施していて、分野ごとに受講します。副園長を見据えるなら、園の運営や人材育成を扱う分野を早めに受けておくと、運営の考え方を体系的に学べます。受けられる分野と日程は、勤務先の自治体の案内で確認してください。
4つ目と5つ目の段階で求められるのは、保育の技術よりも、人と情報を動かす力です。会議の議題を整え、決まったことを全員に伝え、行事の準備を期限までに終わらせる。保護者からの苦情を記録し、対応を園長と相談し、結果を職員に共有する。こうした仕事は、日々の記録と文書の扱い方で差が付きます。
副園長の給与と処遇改善等加算の仕組み
副園長の年収について、国の統計で「副園長」だけを切り出した数字は公表されていません。賃金構造基本統計調査の保育士の数字は役職者を除いた値で示されることが多く、園長や副園長の給与は運営法人の給与規程で決まるためです。求人票で示される額も、法人の規模、地域、公立か私立かで大きく変わります。
そのうえで、給与の仕組みとして知っておきたいのが、こども家庭庁の処遇改善等加算です。令和7年度からそれまでの加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが「処遇改善等加算」に一本化され、次の3つの区分に整理されました。
- 区分1(基礎分):職員の平均経験年数に応じて2%から12%の加算率で、経験に応じた昇給の仕組みづくりに充てる
- 区分2(賃金改善分):ベースアップなど、全職員の賃金の継続的な引き上げに充てる
- 区分3(質の向上分):副主任保育士や職務分野別リーダーなど、技能と経験を積んだ職員の賃金改善に充てる
区分3では、1人あたり4万円を上限に、施設の状況に応じて柔軟に配分できるとされています。こども家庭庁の資料には、賃金改善後のバランスなどを踏まえて必要な場合には、園長以外の管理職も対象になると書かれています。副園長がこの配分を受けるかどうかは、園の配分方針と職員の構成によって変わります。
なお、処遇改善等加算は公定価格で運営される施設の仕組みです。子ども・子育て支援新制度に移行せず、従来の私学助成で運営している私立幼稚園では、賃金改善の財源の流れが異なります。勤務先がどちらの仕組みで運営されているかは、園の事務担当に聞けばすぐにわかります。
副園長になると、役職手当が付く一方で、残業代の扱いが変わることがあります。労働基準法の管理監督者にあたるかどうかは、役職名ではなく、経営に近い立場で権限を持っているか、勤務時間の裁量があるか、地位にふさわしい待遇かで判断されます。名前だけ副園長で権限も待遇も伴わない場合は、管理監督者にあたらないこともあります。判断は事情によって変わるので、不安があれば労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。
公立園と私立園での就き方の違い
副園長への就き方は、公立か私立かでも大きく変わります。
公立の幼稚園、保育所、認定こども園の職員は、市区町村の職員(地方公務員)です。副園長や園長への任用は、自治体の人事制度の中で行われます。昇任のための選考や試験を設けている自治体もあれば、勤務評定と面接で決める自治体もあり、方法は自治体ごとに違います。異動で別の園に移ることも前提になるため、同じ園で長く働き続けて副園長になる、という形にはなりにくいのが特徴です。公立園で副園長を目指す人は、勤務先の自治体が公表している人事の方針や、職員向けの昇任選考の案内を確認するのが出発点になります。
私立の園は、社会福祉法人、学校法人、株式会社などの運営法人が人事を決めます。法人の規模によって道筋はさまざまです。1園だけを運営する法人では、副園長の席が空くまで待つことになり、園長の親族が後を継ぐ形も珍しくありません。複数の園を運営する法人では、新しい園を開設するたびに園長や副園長の席が生まれるため、30代で副園長に就く例もあります。
転職で副園長を目指す道もあります。求人では「副園長候補」「主任候補」として募集されることが多く、入職後の一定期間を経て正式に任命される形が一般的です。転職の場合、前の勤務先での経験年数が資格要件の計算にどう入るかを、事前に確かめておく必要があります。幼稚園や幼保連携型認定こども園では、前の園の在職期間を証明する書類が求められることがあるためです。
どちらの場合も共通するのは、副園長は空いた席に誰かが座る役職だということです。資格要件を満たしていることは前提にすぎず、そのうえで「この人に任せたい」と思われる実績を積んでおくことが、声がかかるかどうかを分けます。
求人に応募する前に確かめたいこと
副園長や副園長候補の求人に応募するときは、給与の額だけでなく、次の点を面接や条件の提示の段階で確かめておくと、入職後の食い違いを減らせます。
- 施設の種類と類型(認可保育所、幼稚園、幼保連携型認定こども園、幼稚園型・保育所型の認定こども園、小規模保育事業など)
- 自分の免許・資格と経験年数で、その施設の副園長の要件を満たすか
- 担任を持つかどうか、保育士の配置の人数に数えられる働き方か
- 役職手当の額と、残業代の扱い(管理職扱いになるか)
- 処遇改善等加算の配分方針と、自分が対象になるか
- 決裁の範囲と、園長や法人本部との役割分担
- 研修の受講にかかる費用と時間を園が負担するか
2つ目は、自分では判断がつかないことがあります。幼稚園教諭の免許状の種類、保育士登録の有無、これまでの勤務先と在職期間を一覧にして持っていくと、採用側も判断しやすくなります。免許状の写しや保育士証の写しを用意しておくと、話が早く進みます。
4つ目と5つ目は、年収の見え方を大きく変えます。役職手当が付いても、残業代が出なくなれば、結果として前より手取りが減ることもあります。提示された条件は、月の基本給、役職手当、処遇改善の配分、残業代の見込みを並べて比べると判断しやすくなります。
副園長に求められる仕事と能力
副園長の仕事は、園によって幅があります。園長が法人の理事長を兼ねている園では、副園長が実質的な現場の責任者になります。複数の園を運営する法人では、園長が本部との調整に出ることが多く、副園長が園に残って日々の判断を担います。代表的な仕事を整理すると、次のようになります。
- 職員の勤務表の確認と、欠員が出たときの配置の調整
- 指導計画や保育日誌の点検と、保育の内容への助言
- 保護者からの相談と苦情への対応、記録の管理
- 行事の計画と、地域や小学校との連携
- 公定価格の加算にかかわる書類、監査の準備、事故報告などの行政対応
- 新任職員と実習生の受け入れ、職員の面談
これらに共通して求められるのは、決めたことを文書に残し、誰が読んでも同じ意味に取れる形で伝える力です。行政に出す書類、保護者向けのお便り、職員会議の議事録、事故やヒヤリハットの報告書。副園長が書く文書は、園の対外的な顔になります。
もう1つは、人を育てる力です。保育の現場では、経験の浅い職員が担任を任されることも珍しくありません。若手の悩みを聞き、ほかの職員とのあいだに入り、必要な研修につなげる。副園長が職員の話を聞く仕組みを持っている園ほど、離職が減り、保育の質も安定しやすい傾向があります。
副園長になって最初の1年でつまずきやすいこと
資格と経験を満たして副園長に就いても、最初の1年は戸惑うことが多いものです。現場の保育者から運営側に立場が変わると、仕事の質が大きく変わるからです。つまずきやすい点を先に知っておくと、準備の仕方が見えてきます。
1つ目は、保育から離れることへの戸惑いです。担任を持たない副園長は、子どもと過ごす時間が減り、書類や電話、会議に追われる日が増えます。保育が好きでこの仕事を選んだ人ほど、ここで迷いが生まれます。園内を回って各クラスの様子を見る時間を、日課として予定に組み込んでおくと、現場の感覚を保ちやすくなります。
2つ目は、同僚だった職員との距離の取り方です。昨日まで同じ立場で話していた人に、指示や注意をする場面が出てきます。個人的な関係で物事を決めず、園の方針と記録にもとづいて話すことを意識すると、公平さを保てます。面談の内容や指導の経過を記録しておくことは、職員を守ることにもつながります。
3つ目は、行政の書類の多さです。公定価格の加算の申請、処遇改善等加算の計画書と実績報告、監査の資料、事故の報告。提出先と期限が書類ごとに違い、1つ遅れると園の収入に影響することもあります。1年分の提出物と期限を一覧にし、前任者や園長から過去の控えを引き継いでおくと、慌てずに済みます。
4つ目は、保護者対応の重さです。担任では対応しきれない相談や苦情が、副園長のところに集まってきます。その場で結論を出さず、事実を確認してから園長と相談して返答する、という流れを決めておくと、感情的なやりとりを避けやすくなります。
保育の経験は園の外でも生かせる
副園長を目指す過程で身に付く力は、園の中だけで通用するものではありません。保育計画を立てる力、保護者に伝わる文章を書く力、行政の制度を読み解く力は、園の外でも求められています。
たとえば、保育や子育てを扱う情報サイトの記事の監修や執筆、保育園の開設を考える事業者向けの書類作成の支援、保育士向け研修の資料づくりなどは、業務委託で募集されることがあります。業務委託とは、雇用契約ではなく、仕事の成果に対して報酬を受け取る働き方のことです。勤務先に副業の規定がある場合は、就業規則を確認し、必要なら届け出てから始めてください。
在宅でできる仕事を探すときに大事なのは、保育の経験を「誰の、どんな困りごとを解決できるか」に言い換えることです。「保育士歴12年」よりも「乳児クラスの指導計画を年間で作成してきた」「監査対応の書類を3年担当した」と書いた方が、依頼する側には伝わります。副園長候補として積んだ経験は、そのまま職務経歴の強みになります。
業務委託の市場から見た保育経験の評価
フリーランスと在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、保育や教育の現場経験を持つ人の仕事は、制度を正しく読める人ほど長く続く傾向があります。保育の分野は制度の改正が多く、加算の名称や配置の基準がたびたび変わります。依頼する側は、最新の制度を一次資料で確かめ、それを現場の言葉に直せる人を探しています。経験年数そのものよりも、「この人に任せると調べ直さなくて済む」と思ってもらえるかどうかが、次の依頼につながっています。
もう1つ見えてきたのは、仲介手数料が差し引かれない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側は頼める量が増え、受ける側は手取りが厚くなるということです。手数料0%で直接やりとりできる場を選ぶと、こうした双方にとっての得が生まれやすくなります。保育の専門家として受ける仕事は単価が見合わないと続かないため、どこで仕事を受けるかは、続けられるかどうかに直結します。
副園長に求められる文書の力を客観的に示したい人には、資格の取得も1つの手です。ビジネス文書検定は、社内外の文書の書き方、表記、敬語の使い方を体系的に問う検定で、お便りや報告書の質を上げたい保育者にも役立つ内容です。また、園の研修費の確保を考える立場になったら、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法が参考になります。福祉分野の事業所が人材開発支援助成金を使って研修費を確保する流れを解説した記事で、助成金を研修計画に組み込む考え方は保育の現場にも応用できます。
よくある質問
Q. 保育園の副園長は保育士資格がなくてもなれますか?
認可保育所の基準には、園長や副園長の資格要件は書かれていません。ただし、運営法人の規程や配置基準の計算の都合で、保育士資格と一定の実務経験を求める園がほとんどです。求人に応募する前に、募集要項の応募条件を確認してください。
Q. 幼稚園教諭の二種免許状でも副園長になれますか?
幼稚園の場合、教諭の専修免許状か一種免許状を持ち、教育に関する職に5年以上就いていることが原則の要件です。二種免許状の人は、教育に関する職に10年以上就く道があります。幼保連携型認定こども園では二種免許状では要件を満たさないため、上進で一種免許状を取る必要があります。
Q. 認定こども園の副園長に保育士資格は必要ですか?
幼保連携型認定こども園の副園長は、原則として、教諭の専修免許状か一種免許状、保育士登録、定められた職での5年以上の経験の3つがそろっていることが要件です。幼稚園型や保育所型の認定こども園は別の規定がかかわるので、園の類型を先に確かめてください。
Q. 副園長になると給与はどのくらい上がりますか?
副園長だけの給与を示す国の統計はなく、運営法人の給与規程で決まります。役職手当のほか、処遇改善等加算の質の向上分から配分を受ける場合もあります。一方で、管理職として残業代の扱いが変わることもあるため、提示された条件は手当と残業代を合わせて比べるのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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