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保育園の主任の資格|主任保育士の役割

@SOHO編集部
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保育園の主任の資格|主任保育士の役割

この記事のポイント

  • ✓保育園の主任になるための資格と要件を
  • ✓こども家庭庁の保育士等キャリアアップ研修ガイドラインと処遇改善等加算の通知で確かめて解説
  • ✓副主任やリーダーとの違い

保育園の主任の資格を調べている人の多くは、保育士として数年の経験を積み、主任や副主任への昇格を打診された、あるいはこれから目指したいと考えていて、何か特別な資格や試験が必要なのかを知りたいと考えています。最初に結論を書くと、保育園の主任保育士になるための専用の国家資格や試験はありません。必要なのは保育士の資格と、園から主任として任命されることです。ただし、主任の下で働く副主任保育士やリーダーの職には、国が定めた研修の修了が処遇改善の要件として求められており、主任を目指す道のりでもこの研修が大きな意味を持ちます。この記事では、こども家庭庁の公式の資料をもとに、主任保育士の役割と、主任を目指すために必要な研修や経験を順番に説明します。

主任保育士とはどんな立場か

主任保育士は、保育所(保育園)で園長を補佐し、保育の現場と運営の両方をまとめる立場の保育士です。園長が園全体の責任者だとすれば、主任保育士は現場の保育士たちのまとめ役であり、園長と職員をつなぐ役割を担います。

主任保育士という立場は、認定こども園の主幹保育教諭のように、法律で職務が細かく定められた職ではありません。保育士の資格を持つ職員の中から、園の設置者や園長が任命して置くものです。そのため、主任保育士に任される仕事の範囲や、主任になるまでに求められる経験の年数は、園によって違います。

それでも、主任保育士が保育の現場で重要な位置にあることは、国の資料にも表れています。こども家庭庁が示している保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの通知は、保育の現場の状況を次のように説明しています。

現在、保育現場においては、園長、主任保育士の下で、初任後から中堅までの職員が、多様な課題への対応や若手の指導等を行うリーダー的な役割を与えられて職務にあたっており、こうした職務内容に応じた専門性の向上を図るための研修機会の充実が特に重要な課題となっています。 出典: こども家庭庁(保育士等キャリアアップ研修の実施について)

つまり、国の研修の仕組みは、園長と主任保育士がいて、その下に副主任保育士やリーダーがいる、という保育所の組織の形を前提に作られています。主任保育士は、この組織の中で、園長に次ぐ現場の責任者として位置づけられています。

主任保育士になるための資格の要件

主任保育士になるために必要な資格は、保育士の資格です。保育士の資格は、指定保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格して得られます。資格を得たあと、都道府県の保育士登録簿に登録を受け、保育士証の交付を受けて、初めて保育士として働けます。

主任保育士になるための追加の国家資格や試験はありません。どのような経験や能力を持つ人を主任に任命するかは、園が決めます。私立の保育園では園長や法人の判断で、公立の保育園では自治体の人事の仕組みで任命されるのが一般的です。

一方で、主任保育士に任命されるまでの道のりでは、次のような経験や研修が重視されることが多くなります。

  • 担任として、乳児と幼児の両方のクラスを経験していること
  • 後輩の保育士の指導や、行事の取りまとめなど、リーダーとしての経験があること
  • 保育士等キャリアアップ研修を受け、専門分野やマネジメントの研修を修了していること
  • 保護者への対応や、関係機関との連絡の経験があること

このうち、保育士等キャリアアップ研修は、国が定めたガイドラインに沿って都道府県などが実施する研修で、修了することで処遇改善の加算の対象にもなります。主任を目指すなら、計画的に受けておきたい研修です。

主任、副主任、リーダーの違い

保育園の役職の名前は園によって違いますが、国の処遇改善の仕組みでは、主任保育士の下に置く職として、副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーが示されています。それぞれの位置づけを整理します。

立場 主な役割 処遇改善等加算の区分3での扱い
主任保育士 園長を補佐し、保育の現場と運営をまとめる 賃金のバランスなどから必要な場合は、園長以外の管理職として対象になりうる
副主任保育士 主任の下で、ミドルリーダーとして職員をまとめる 月額最大4万円の改善の対象
専門リーダー 特定の専門分野で、園の中のリーダーを担う 月額最大4万円の改善の対象
職務分野別リーダー 乳児保育や食育など、担当する分野のリーダーを担う 月額5千円の改善の対象

処遇改善等加算の区分3とは、技能と経験を積んだ職員の賃金を改善するための部分です。こども家庭庁の資料では、対象は副主任保育士や職務分野別リーダーなどとされ、賃金の改善後のバランスなどを踏まえて必要な場合には、園長以外の管理職も対象になると説明されています。主任保育士が区分3の配分を受けるかどうかは、園の判断と、園が職員に周知している賃金の改善の内容で決まります。

この表から、主任保育士を目指す道のりの一例が見えてきます。職務分野別リーダーとして1つの分野を担当し、次に副主任保育士や専門リーダーとして職員をまとめる経験を積み、その先に主任保育士がある、という段階です。

保育士等キャリアアップ研修の中身

主任を目指すうえで欠かせない保育士等キャリアアップ研修について、ガイドラインの内容を整理します。

研修の分野

研修は、専門分野別研修、マネジメント研修、保育実践研修の3つに分かれています。専門分野別研修は、次の6つの分野です。

  1. 乳児保育
  2. 幼児教育
  3. 障害児保育
  4. 食育とアレルギーへの対応
  5. 保健衛生と安全対策
  6. 保護者支援と子育て支援

マネジメント研修は、専門分野でリーダーの役割を担った経験があり、主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う人(担うことが見込まれる人を含む)を対象にしています。ガイドラインでは、マネジメント研修のねらいを、主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う立場に求められる役割と知識を理解し、自園の円滑な運営と保育の質を高めるために必要なマネジメントとリーダーシップの能力を身につけること、としています。内容には、組織マネジメントの理解、職員への助言と指導、組織の目標の設定と進み具合の管理などが含まれています。

保育実践研修は、保育の現場での実習経験の少ない人(保育士試験の合格者など)や、長い間保育の現場を離れていた人を対象にした研修です。

6つの分野で学ぶこと

ガイドラインの別添には、分野ごとのねらいと内容が示されています。主任として園全体を見るうえで、どの分野もかかわりがあるため、概要を知っておくと研修の選び方の参考になります。

分野 主な内容の例
乳児保育 乳児への適切な関わり、乳児と1歳以上3歳未満児の発達と保育内容、乳児保育の指導計画と記録と評価
幼児教育 幼児教育の意義、遊びを通した総合的な指導、発達に応じた保育内容、小学校との接続
障害児保育 障害の理解、医療的ケア児の理解、合理的配慮、家庭や関係機関との連携、個別の指導計画
食育とアレルギーへの対応 栄養の基礎知識、食育計画の作成と活用、食物アレルギーのある子どもへの対応、アナフィラキシーへの対応
保健衛生と安全対策 保健計画の作成、事故防止と健康安全管理、救急処置、災害への備え、感染症への対策
保護者支援と子育て支援 保護者に対する相談援助の方法、地域の子育て支援、虐待の予防と対応、関係機関との連携

どの分野にも、ほかの保育士に適切な助言と指導ができるよう実践的な能力を身につける、というねらいが含まれています。研修は、自分の保育の力を高めるだけでなく、園の中でほかの職員を支える力を養うためのものとして設計されています。

主任を目指す人は、まず自分が得意な分野や、園で担当している分野から受け、次に園の課題に合った分野を選ぶと、研修で学んだことを現場で活かしやすくなります。たとえば、アレルギーのある子どもが多い園なら食育とアレルギーへの対応、保護者の相談が多い園なら保護者支援と子育て支援、という選び方です。

研修の時間と実施する所

研修の時間は、1つの分野につき15時間以上です。園が企画して実施する園内研修について、都道府県が要件を満たしていると確認した場合は、1つの分野で最大4時間まで研修の時間が短縮されます。

研修を実施するのは、都道府県か、都道府県知事が指定した研修実施機関です。研修実施機関は、市町村、指定保育士養成施設、保育に関する研修の実績を持つ非営利の団体に限られています。講義だけでなく、演習やグループでの討議を組み合わせることが望ましいとされ、eラーニングで実施することも認められています。

修了の確かめ方と修了証

研修の修了は、15時間以上をすべて受講したことの確認に加えて、受講後のレポートの提出などで確かめられます。レポートには、研修で学んだことを、自分が担う保育の内容と結びつけて書くことが想定されています。

修了すると、都道府県や研修実施機関から修了証が交付されます。修了証は、研修を受けた都道府県以外でも効力を持つとガイドラインに定められています。転職や引っ越しで別の都道府県の保育園に移っても、修了した研修は引き続き認められます。

副主任保育士に求められる研修の要件

主任の1つ手前の立場である副主任保育士には、処遇改善等加算の区分3の対象になるための研修の要件があります。こども家庭庁と文部科学省が令和7年9月16日付けで示した通知では、保育所での要件は次のとおりです。

立場 修了すべき研修
副主任保育士 専門分野別研修のうち3分野以上と、マネジメント研修
専門リーダー 専門分野別研修のうち4分野以上
職務分野別リーダー 担当する職務分野に対応する分野を含む1分野以上

この要件は令和8年度から適用され、令和7年度は、副主任保育士と専門リーダーについて専門分野別研修とマネジメント研修のうち3分野以上の修了で認められていました。各分野15時間以上の研修が必要なため、副主任保育士の要件を満たすには、合計で60時間以上の研修を受けることになります。

主任保育士自身に、この研修の修了が法律で義務づけられているわけではありません。しかし、副主任保育士の要件にマネジメント研修が含まれていることから、主任を目指す人にとって、マネジメント研修は実質的に通る道になっています。研修の詳細は、こども家庭庁の通知(処遇改善等加算の区分3の研修修了要件)で確かめられます。

処遇改善等加算の仕組みと主任の賃金

主任や副主任の賃金を考えるうえで、処遇改善等加算の仕組みを知っておくと、自分の給与の内訳を理解しやすくなります。

こども家庭庁の資料によると、令和7年度から、それまでの処遇改善等加算I、II、IIIの3つが「処遇改善等加算」に一本化されました。新しい加算は、次の3つの区分に整理されています。

区分 目的 対象
区分1(基礎分) 経験に応じた昇給の仕組みの整備や職場環境の改善 全職員
区分2(賃金改善分) 職員の賃金の改善(ベースアップなど) 全職員
区分3(質の向上分) 技能と経験の向上に応じた賃金の改善 副主任保育士、職務分野別リーダーなど

区分3の加算の額は、月額4万円に、基礎となる職員の数の3分の1と研修の修了者の数のうち少ないほうを掛けた額と、月額5千円に、基礎となる職員の数の5分の1と研修の修了者の数のうち少ないほうを掛けた額で計算されます。4万円は上限で、施設の状況に応じて柔軟に設定できるとされています。また、研修を年度内に修了する予定で、副主任保育士などに準ずる職位の発令を受けている人も対象にできると説明されています。

区分2と区分3では、加算の額の2分の1以上を、基本給か、毎月決まって支払われる手当で改善することが求められています。区分3については、職位や職責に応じた賃金の体系を整え、職員に周知することも要件です。主任や副主任に任命されたら、園が周知している賃金の改善の内容を確かめておくと、自分の賃金がどう決まっているのかがわかります。

保育士の賃金の現状

主任を目指すかどうかを考える材料として、保育士の賃金の現状も確かめておきます。こども家庭庁が賃金構造基本統計調査をもとにまとめた資料では、役職者を除いた月収換算の平均賃金は、令和7年で保育士が34.3万円、全産業が39.6万円でした。月収換算とは、毎月決まって支払われる給与に、年間の賞与の12分の1を加えた額のことです。

国は、平成25年度以降、累計で39%の処遇改善を行ってきたと説明しています。令和6年度には公定価格の保育士等の人件費を10.7%、令和7年度には5.3%改善しています。ただし、令和7年度の改善分は令和7年12月に適用されたため、令和7年の賃金にはまだ反映されていないとも書かれています。

この平均賃金は、役職者を除いた数字です。主任保育士の賃金は、役職手当や処遇改善等加算の配分、園の給与規程によって大きく変わります。求人を比べるときや、昇格の打診を受けたときは、基本給、役職手当、処遇改善の手当の内訳まで確かめると、実際の違いがわかります。

園ごとの給与の水準を知る手がかりも増えています。こども家庭庁の資料によると、令和7年度から、保育所などは毎事業年度の経営情報(収支計算書や職員の給与の状況など)を都道府県に報告し、都道府県はモデル給与や人件費の比率などを施設ごとに公表する取り組みが始まっています。令和8年度からは、報告を行っていない施設には加算の減算も設けられました。転職先を比べるときに、公表されている情報を確かめておくと、求人票だけではわからない園の給与の考え方が見えてきます。

主任保育士の仕事の中身

主任保育士の仕事は園によって違いますが、おおむね次のような仕事を担います。

保育の計画と質の管理

園全体の年間の保育計画や、月ごとの計画の取りまとめを担います。各クラスの計画に目を通し、園の方針と合っているか、年齢ごとの発達に合った内容になっているかを確かめます。保育所保育指針は、保育所に対して、保育の課題や職員のキャリアパスを見据えた体系的な研修計画を作るよう求めており、職員の研修の計画づくりに主任が関わる園も多くあります。

職員の育成と勤務の調整

新しく入った保育士の指導や、若手の相談役を担います。職員の勤務の表を作り、休みや研修の参加と保育の体制が両立するよう調整するのも、主任の大切な仕事です。職員の数が足りない日には、主任自身がクラスに入って保育をすることもあります。

保護者と関係機関への対応

担任だけでは対応しきれない保護者からの相談を受けたり、園長と連携して対応の方針を決めたりします。発達の支援が必要な子どもについて、自治体や医療機関、療育の機関と連絡を取るのも、主任が担うことが多い仕事です。

園長の補佐と運営の事務

園長が不在のときの代わりの対応、行事の運営、自治体への報告の書類の準備など、運営に関わる事務も担います。園長と職員の間に立ち、園の方針を職員に伝え、職員の声を園長に届ける役割があります。

職員の研修計画を作るときの考え方

主任保育士になると、自分の研修だけでなく、園の職員全体の研修の計画づくりに関わることが多くなります。保育所保育指針が、職位や職務の内容を踏まえた体系的な研修計画を作るよう求めているためです。計画を作るときの考え方を整理します。

1つ目は、職員一人ひとりの受講歴を一覧にすることです。誰がどの分野をいつ修了したのかを把握しておくと、処遇改善等加算の区分3の対象になる職員の数や、次に誰がどの研修を受けるべきかが見えてきます。こども家庭庁の通知でも、施設が職員の研修の修了の状況を把握することが求められています。

2つ目は、園の課題と研修の分野を結びつけることです。事故やけがの報告が多いなら保健衛生と安全対策、障害のある子どもの受け入れが増えているなら障害児保育、というように、園の課題から優先する分野を決めます。

3つ目は、研修に出る職員がいる日の保育の体制を先に決めておくことです。研修は1分野15時間以上と長いため、複数の日にわたって職員がクラスを離れます。勤務の表を作る段階で、研修の日を組み込んでおく必要があります。

4つ目は、研修で学んだことを園の中で共有する場を作ることです。研修を受けた職員が、園内の会議で学んだことを報告する時間を設けると、研修の効果が園全体に広がります。園内研修として都道府県の確認を受ければ、研修の時間の短縮にもつながります。

主任を目指すまでの道のり

主任保育士を目指すときの道のりの一例を整理します。年数は園によって違うため、あくまで段階の目安として見てください。

  1. 担任として、乳児と幼児のクラスを経験し、保育の基礎を固める
  2. 専門分野別研修を1分野修了し、職務分野別リーダーとして担当する分野を持つ
  3. 専門分野別研修を3分野以上とマネジメント研修を修了し、副主任保育士や専門リーダーとして職員をまとめる
  4. 行事の取りまとめや新人の指導、保護者の対応の経験を重ねる
  5. 園長から主任保育士として任命を受ける

研修は都道府県ごとに日程や定員が決まっており、1分野15時間以上を何分野も受ける必要があるため、副主任保育士の要件を満たすまでには、ある程度の年数を見込んでおく必要があります。年度の初めに、どの研修をいつ受けるかを園長と相談して計画を立てておくと、効率よく修了を積み重ねられます。

研修の受講歴は、修了証を自分で保管しておくことが大切です。ガイドラインでは、都道府県や研修実施機関が研修修了者の名簿を作成し、修了した分野や修了の年月日を管理することになっていますが、転職のときに新しい園へ修了を示すのは自分自身です。修了証の番号を一覧にしておくと、申請の書類を作るときにも役立ちます。

主任1年目に取り組みたいこと

主任保育士に任命された1年目は、園の運営の全体を把握することに力を注ぐと、2年目以降の仕事が進めやすくなります。

1つ目は、年間の行事と事務の流れを一覧にまとめることです。どの時期に計画の作成や自治体への報告、行事の準備が集中するのかを見えるようにしておくと、職員の勤務の調整や、自分の保育の時間の確保がしやすくなります。

2つ目は、職員一人ひとりと話す時間を作ることです。困っていること、得意なこと、今後受けたい研修を聞いておくと、仕事の割り振りや研修の計画に活かせます。

3つ目は、判断に迷ったことを記録しておくことです。保護者への対応や職員の間の調整で迷った場面を書き残し、園長と振り返ると、判断の基準が固まっていきます。翌年に副主任やリーダーへ仕事を任せるときの引き継ぎの資料にもなります。

4つ目は、自分の仕事の一部を副主任やリーダーに任せる準備をすることです。主任がすべてを抱え込むと、園の運営が主任ひとりの頑張りに頼る形になります。任せられる仕事と任せ方を整理しておくことは、副主任やリーダーの育成にもつながります。

主任が抱えやすい悩みと向き合い方

主任保育士は、園長と職員の間に立つため、どちらの立場からも頼られ、板挟みになりやすい立場です。よくある悩みと、向き合い方の例を紹介します。

1つ目は、保育と事務の両立です。クラスに入る時間が長いと、計画の取りまとめや書類の作成が勤務時間内に終わらなくなります。事務の仕事を週のどの時間に行うかを園長と決め、その時間はクラスから離れられる体制を作ることが大切です。

2つ目は、職員の間の人間関係の調整です。職員の意見が分かれたときは、どちらの言い分も最後まで聞いたうえで、園の方針に照らして判断します。その場で結論を出せないときは、園長と相談してから伝えるほうが、後の食い違いを防げます。

3つ目は、自分自身の学びの時間の確保です。主任になると、職員の研修の調整に追われ、自分の研修が後回しになりがちです。マネジメント研修のように主任の仕事に直結する研修は、年度の初めに日程を確保しておくと、受け損ねずに済みます。

どの悩みにも共通するのは、主任ひとりで抱え込まないことです。園長への相談、副主任やリーダーへの仕事の分担を、早めに仕組みとして作っておくことが、主任として長く働き続けるための土台になります。

主任に向いている人と、任命前に確かめたいこと

主任保育士に向いているのは、自分のクラスだけでなく園全体を見渡せる人、園長と職員の両方の立場を理解しようとする人、記録や計画の文書を整えられる人です。保育の技術が高いことに加えて、人と人の間を調整する力が求められます。

任命を打診されたら、引き受ける前に、次の点を園長と確かめておくと、引き受けた後の負担の偏りを防げます。

  • 担当する仕事の範囲と、判断を任される範囲
  • クラスの担任を持つかどうか、持つ場合の事務の時間の確保のしかた
  • 役職手当の有無と額、処遇改善等加算の配分の扱い
  • 受講が求められる研修と、研修に参加する時間が勤務時間に含まれるか
  • 主任を補佐する副主任やリーダーの体制

主任保育士は、園の運営の中心を担う立場で、仕事の量が増えやすい職です。打診を受けてすぐに返事をする必要はありません。家庭の事情や体調も含めて、続けられる働き方かどうかを考える時間をもらい、不安な点は園長に率直に伝えてから判断するほうが、引き受けた後に長く力を発揮できます。引き受ける前に体制を確かめておくことは、自分のためだけでなく、園の保育の質を保つためにも大切です。

保育士試験で資格を取る人のための日程

これから保育士の資格を取って、将来は主任を目指したいという人のために、保育士試験の日程も紹介します。保育士試験は、各都道府県が実施する試験で、年に2回行われます。こども家庭庁の事務連絡によると、令和8年の日程は次のとおりです。

回 筆記試験 実技試験
1回目 令和8年4月18日(土)と19日(日) 令和8年6月28日(日)
2回目 令和8年10月24日(土)と25日(日) 令和8年12月13日(日)

こども家庭庁がまとめた令和7年度の実施状況では、全国の申請者数は2回の合計で54,807人、合格者数は10,621人でした。申請者数をもとにした数字のため、実際に受験した人に対する合格の割合とは異なります。資格を得たら、働き始める前に保育士の登録を済ませておく必要があります。

研修の情報の探し方と申し込み方

保育士等キャリアアップ研修は、都道府県か、都道府県知事が指定した研修実施機関が実施します。そのため、研修の日程や申し込みの方法は都道府県ごとに違います。こども家庭庁は、研修の情報を載せている都道府県のホームページの一覧を、保育の政策のページで公開しています。まずは自分の園がある都道府県のページを開き、その年度の研修の日程と申し込みの期間を確かめるのが近道です。

申し込みのときは、保育士の登録番号、氏名や住所、勤務先の施設の名前などを伝えることになっています。ガイドラインでは、都道府県や研修実施機関が、申し込みの際にこれらの情報を把握し、修了後には修了した分野や修了証の番号、修了の年月日を記載した名簿を作ることとされています。

研修の定員に、対象となる職員からの申し込みが満たない場合は、対象者以外の人も受講できることがあります。人気のある分野は早く定員が埋まることもあるため、園の研修計画で受ける分野が決まったら、申し込みの開始と同時に手続きを進めると安心です。

主任保育士の求人を見るときの確かめ方

転職して主任保育士を目指す人もいます。主任の求人を比べるときは、給与の額だけでなく、次の点も確かめておくと、入職後の食い違いを防げます。

  • 主任として任される仕事の範囲と、クラスの担任を持つかどうか
  • 副主任やリーダーなど、主任を支える職員の体制
  • 役職手当と、処遇改善等加算の配分がどう給与に反映されているか
  • これまでに修了したキャリアアップ研修が、どのように評価されるか
  • 研修に参加する時間と費用の扱い

求人票には書かれていないことも多いため、面接の場で質問し、可能であれば書面で確かめておくと安心です。

運営の現場から見えること

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、保育の分野で長く経験を積んだ人が、園の外でも頼られて仕事を続けている例には共通点があります。それは、現場の工夫を、ほかの人が使える形の文書や資料にまとめられることです。研修の資料作り、保育に関する記事の執筆、保護者向けの案内文の作成など、主任として身につけた力は、園の外の仕事にもつながっています。

また、仲介の手数料がかからない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側はより多く頼め、受ける側は手取りが厚くなります。資料作りや執筆のように少しずつ積み上げていく仕事では、手数料0%で直接やり取りできることが、続けやすさの面で効いてきます。執筆の仕事を始めるときは、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】のように、書いたものを見せられる形に整えておくことが近道です。なお、公立の園に勤める人は、報酬を得る仕事に兼業の許可などの決まりがあるため、勤務先の規程を必ず確かめてください。

主任の仕事では、職員への連絡、保護者への案内、自治体への報告など、文書を書く場面が多くあります。文書の作成力を客観的に示したい人には、ビジネス文書検定のようにビジネス文書の書き方を問う資格もあります。また、職員の研修の費用に使える公的な助成金の考え方は、福祉の分野の例ですが福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法でも紹介しています。主任として研修の計画を立てるときの参考になります。

よくある質問

Q. 保育園の主任になるには特別な資格が必要ですか?

主任保育士になるための専用の国家資格や試験はありません。必要なのは保育士の資格と、園から主任として任命されることです。ただし、主任の手前の副主任保育士には、処遇改善等加算の要件として、専門分野別研修3分野以上とマネジメント研修の修了が求められており、主任を目指す人の多くがこの研修を受けています。

Q. 主任保育士と副主任保育士の違いは何ですか?

主任保育士は、園長を補佐して保育の現場と運営をまとめる立場です。副主任保育士は、主任の下でミドルリーダーとして職員をまとめる立場で、処遇改善等加算の区分3で月額最大4万円の改善の対象になります。副主任保育士には、令和8年度から専門分野別研修3分野以上とマネジメント研修の修了が求められます。

Q. 保育士等キャリアアップ研修は何時間受ける必要がありますか?

ガイドラインでは、1つの分野につき15時間以上と定められています。都道府県が要件を満たすと確認した園内研修を受けた場合は、1分野で最大4時間短縮されます。副主任保育士の要件を満たすには、専門分野別研修3分野とマネジメント研修で、合計60時間以上の研修を受けることになります。

Q. 研修の修了証は別の都道府県でも使えますか?

使えます。ガイドラインでは、修了証は研修を受けた都道府県以外の都道府県でも効力を持つと定められています。転職や引っ越しで別の都道府県の保育園に移っても、修了した研修は引き続き認められます。転職のときに修了を示すのは自分自身なので、修了証と番号を一覧にして保管しておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月10日最終更新:2026年11月3日
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