TrelloとJiraの違いと、ボードだけで足りるか課題管理まで要るかの見極め方


この記事のポイント
- ✓TrelloとJiraを比較
- ✓どちらもアトラシアンの製品ですが
- ✓Trelloはカンバンのボード
TrelloとJiraは、どちらもアトラシアンが提供するツールですが、役割ははっきり分かれています。Trelloは「カードを左から右へ動かして、仕事の進み具合を見る」ためのボードの道具です。Jiraは「課題を登録し、優先順位を付け、決まった流れで処理していく」ための課題管理の道具で、特にソフトウェア開発の現場で使われてきました。迷ったときの見極め方は、「やることを並べて動かせれば足りるか」「課題の優先順位と処理の流れまで管理する必要があるか」の2つです。
この記事では、2026年10月3日にTrelloとJiraの公式料金ページを開いて確かめた内容をもとに、料金と無料プランの範囲、機能の違いを整理し、どちらを選ぶべきかの判断の手順を書きます。料金は改定されることがあるので、契約の直前にもう一度公式ページを見てください。
結論:ボードで足りるならTrello、課題の流れを管理するならJira
先に結論を書きます。Trelloで足りるのは、次のような使い方です。
・やることをカードにして、「未着手」「進行中」「完了」と動かせれば十分
・関わる人の多くが開発者ではなく、操作をすぐ覚えてほしい
・仕事の量が、1つのボードを見渡せる程度に収まっている
・優先順位は、カードを上に並べる程度の管理で回っている
Jiraが必要になってくるのは、次のような使い方です。
・不具合の報告や機能の要望が日々たまり、優先順位を付けて順に処理したい
・課題ごとに「受付」「対応中」「レビュー」「完了」のような決まった流れを守らせたい
・1〜2週間の区切り(スプリント)で計画を立て、計画どおりに進んだかを振り返りたい
・チームや役割ごとに、見られる範囲や操作できる範囲を分けたい
TrelloからJiraへの乗り換えが話題になるのは、たいてい開発チームの仕事が増えたときです。カードが数百枚になり、どれから手を付けるべきかが見えなくなったとき、Trelloのボードだけでは優先順位の管理が追いつかなくなります。反対に、開発以外のチームが「本格的な道具のほうがよさそう」という理由でJiraを入れると、項目の多さに戸惑い、結局使われなくなることがあります。
編集部でも、記事の企画と制作の進行をボード型のツールで管理しています。企画、執筆、確認、公開という流れは、カードを動かすだけで十分に回っています。一方で、サイトの不具合の報告を同じボードに混ぜたときは、どれが急ぎでどれが後回しでよいのかが分からなくなりました。進行の管理と、課題の優先順位の管理は、別の仕事だと実感した出来事でした。
料金の比較(2026年10月時点)
TrelloとJiraの料金を、公式料金ページで確かめた内容で並べます。Trelloは米ドル、Jiraは日本円で表示されています。
Trelloの料金は次のとおりです。
| Trelloのプラン | 年払いのときの1ユーザーあたり月額 | 月払いのときの1ユーザーあたり月額 |
|---|---|---|
| Free | 0ドル(コラボレーター10人まで) | 0ドル |
| Standard | 5ドル | 6ドル |
| Premium | 10ドル | 12.50ドル |
| Enterprise | 17.50ドル(年額210ドル) | 年払いのみ |
Jiraの料金は次のとおりです。Jiraは使う人数によって1人あたりの単価が変わるので、ここでは11〜50人で使う場合の月払いの表示を載せています。
| Jiraのプラン | 1ユーザーあたり月額(11〜50人・月払い) | 人数の目安 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 最大10ユーザー |
| Standard | 1,240円 | 1サイトあたり最大100,000ユーザー |
| Premium | 2,500円 | 同上 |
| Enterprise | 問い合わせ(年払いのみ) | 複数のサイト(最大150) |
Jiraの料金ページで人数を300人に設定すると、Standardは1,085円、Premiumは1,987円と表示され、人数が多いほど単価が下がる仕組みです。また、年払いにすると最大17%割引と案内されています。
公式ページでは、Jiraの無料プランについて次のように書かれています。
Free 最大 10 ユーザーが永久に無料 無制限の目標、プロジェクト、タスク、フォーム 出典: atlassian.com
Trelloの無料プランは、ワークスペースあたりコラボレーター10人・ボード10枚まで、Jiraの無料プランは最大10ユーザーで、プロジェクトは無制限です。どちらも10人までのチームなら無料で始められますが、上限の考え方が違います。Trelloはボードの枚数に上限があり、Jiraはプロジェクトの数に上限がない代わりに、ストレージが2GB、自動化が1サブスクリプションあたり月150ステップまでです。
無料プランでできることの違い
無料プランの中身を比べると、2つのツールの性格の違いがよく分かります。
Trelloの無料プランで使えるのは、無制限のカード、ワークスペースあたり10枚までのボード、1ボードにつき無制限のPower-Up(外部ツールとの連携機能)、1ファイル10MBまでの無制限のストレージ、月250回の自動化、担当者と期限、モバイルアプリ、2要素認証などです。ボードの見え方はカンバンが中心で、カレンダーやタイムラインのビューはPremiumからです。
Jiraの無料プランで使えるのは、無制限の目標・プロジェクト・タスク・フォーム、バックログ・リスト・ボード・タイムライン・カレンダー・要約の各ビュー、レポートとダッシュボード、月150の自動化ステップ、2GBのストレージ、アトラシアンのコミュニティによるサポートです。最大10ユーザーまでです。
ここで目を引くのは、Jiraは無料でもタイムラインやカレンダー、バックログのビューが使えることです。Trelloで同じような日程の表示を使うには、Premiumの1ユーザーあたり年払いで月額10ドルが必要です。「日程を横並びで見たい」という目的だけなら、Jiraの無料プランのほうが範囲は広いと言えます。
一方で、Jiraのビューは、課題を管理するための項目が多く、初めて触る人には画面が複雑に見えます。Trelloのカードは、タイトルを入れるだけですぐに使い始められます。無料の範囲の広さと、使い始めやすさは別の話です。
機能の違い:ボードと課題管理
TrelloとJiraの違いを、管理の考え方から整理します。
Trelloの単位は「カード」です。カードにはタイトル、説明、担当者、期限、チェックリスト、添付ファイル、コメントを付けられます。カードを並べたリストを左から右に並べたものがボードで、カードを動かすことで進み具合を表します。仕組みが単純なので、どんな仕事にも使えるのが強みです。
Jiraの単位は「課題」です。課題は、やるべき作業や直すべき不具合、追加したい機能などを1件ずつ登録したものです。課題には種類や優先度、ワークフロー(課題がたどる決まった段階)を設定できます。公式ページでは、カスタマイズ可能なワークフローとカスタムフィールドが無料プランから使えると案内されています。
違いを表にすると次のようになります。
| 比べる点 | Trello | Jira |
|---|---|---|
| 管理の単位 | カード | 課題(種類と優先度を持つ) |
| 進め方の決まり | 自由(リストを自分で作る) | ワークフローで段階を決められる |
| 優先順位の管理 | カードの並び順 | バックログで並べ、スプリントに割り当て |
| 日程の表示 | Premiumからタイムライン | 無料からタイムライン |
| 自動化(無料) | 月250回 | 月150ステップ |
| 向いている仕事 | 進行管理全般 | 開発の課題、要望、不具合の処理 |
Jiraのバックログとは、これから取り組む課題を優先順位の順に並べた一覧のことです。スプリントは、1〜2週間などの期間を区切り、その期間に取り組む課題を決めて進める方法です。この2つを使うと、「今週はこの課題まで終わらせる」という計画と、終わったかどうかの振り返りを同じ場所で行えます。Trelloでも似た運用はできますが、Jiraはこの進め方を前提に作られています。
有料プランで増えること
有料プランに上げたときに何が増えるかも、2つのツールで方向が違います。
TrelloのStandardでは、ボードが無制限になり、カスタムフィールド、詳細チェックリスト、カードのミラーリング、1ファイル250MBまでの保存、月1,000回の自動化などが加わります。Premiumでは、カレンダー、タイムライン、テーブル、ダッシュボード、マップのビューと、ボードをまたいだワークスペースビュー、無制限の自動化、管理者の機能が加わります。Trelloの有料プランは、主に「見え方を増やす」「上限を外す」方向で機能が増えます。
JiraのStandardでは、Rovo(アトラシアンのAIによる検索・チャット・エージェント)、ユーザーのロールと権限、外部とのコラボレーション、1ユーザーあたり月400の自動化ステップ、250GBのストレージ、現地の営業時間内のサポートが加わります。Premiumでは、チームをまたいだ計画と依存関係の管理、カスタマイズ可能な承認の流れ、1ユーザーあたり月750の自動化ステップ、無制限のストレージ、99.9%の稼働率の保証(SLA)などが加わります。Jiraの有料プランは、主に「権限を分ける」「チームをまたいで計画する」「組織で使う安心を得る」方向で機能が増えます。
この違いから、Trelloは「小さなチームが見え方を増やしたい」ときに、Jiraは「複数のチームが同じ仕組みで動きたい」ときに、有料プランの価値が出やすいと言えます。
人数別に見る費用
10人を超えて使う場合の費用を、1か月あたりで比べます。TrelloはStandardとPremiumの年払いの単価、JiraはStandardとPremiumの11〜50人・月払いの表示で計算しています。
| 人数 | Trello Standard | Trello Premium | Jira Standard | Jira Premium |
|---|---|---|---|---|
| 11人 | 55ドル | 110ドル | 13,640円 | 27,500円 |
| 20人 | 100ドル | 200ドル | 24,800円 | 50,000円 |
| 50人 | 250ドル | 500ドル | 62,000円 | 125,000円 |
TrelloはドルなのでJiraとそのまま比べにくいですが、仮に1ドル150円で計算すると、20人の場合はTrello Standardが1か月あたり15,000円ほど、Premiumが1か月あたり30,000円ほどです。Jira Standardの24,800円は、Trelloの2つのプランの間に入ります。
金額だけで決めず、必要な機能が入っているプランどうしで比べることが大切です。日程を横並びで見たいなら、TrelloはPremiumが必要ですが、Jiraは無料やStandardでも使えます。権限を細かく分けたいなら、JiraのStandardか、TrelloのPremium以上が候補です。何を必要としているかで、比べるべき組み合わせが変わります。
ボードだけで足りるかを見極める5つの質問
ここからは、自分たちのチームにTrelloで足りるのか、Jiraまで必要なのかを見極めるための質問を5つ挙げます。当てはまる数が多いほど、Jiraを検討する理由が強くなります。
1. カードや課題は、常に100件を超えているか
やることが数十件なら、ボードを見渡せば全体が分かります。常に100件を超え、しかも次々に増えていくなら、ボードの並び順だけで優先順位を管理するのは難しくなります。バックログで並べ替え、取り組む範囲を区切るJiraの考え方が役に立ちます。
2. 課題の種類が混ざっているか
新しい機能の開発、不具合の修正、問い合わせへの対応が同じボードに混ざっていると、どれを先に処理すべきかが見えにくくなります。Jiraは課題に種類を付けて区別し、種類ごとに流れを変えられます。
3. 処理の流れを守らせる必要があるか
「レビューを通さずに完了にしてはいけない」のような決まりがあるなら、ワークフローで段階を決められるJiraが向いています。Trelloではカードを自由に動かせるので、決まりを守るのは各メンバーの注意に頼ることになります。
4. 期間を区切って計画し、振り返っているか
1〜2週間ごとに計画と振り返りを行う開発の進め方を取っているなら、スプリントの機能があるJiraが合います。進め方を決めずに、その日できることを進めるスタイルなら、Trelloのほうが負担が少なく済みます。
5. 関わる人の多くが開発者か
開発者が中心のチームなら、Jiraの項目の多さはむしろ必要な情報として受け入れられます。営業、企画、デザインなど開発以外の人が多いチームでは、Trelloのわかりやすさが定着の決め手になります。
5つのうち1つか2つしか当てはまらないなら、Trelloのまま運用を工夫するほうが合理的です。3つ以上当てはまるなら、Jiraの無料プランで実際の課題を入れて試す価値があります。
TrelloからJiraに移るときの注意点
Trelloを使っていて、Jiraへの移行を考えている場合は、次の点に注意してください。
まず、何を移すかを決めます。完了したカードまですべて移そうとすると手間がかかります。進行中のカードと、これから取り組むカードだけを移し、完了したものはTrelloに残しておくか、書き出して保存するのが現実的です。
次に、リストと課題の段階の対応を決めます。Trelloのリスト(たとえば「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」)を、Jiraのワークフローのどの段階に当てはめるかを表にしておきます。Trelloで使っていたラベルを、Jiraでは課題の種類や優先度に置き換えることもあります。
最後に、開発以外のメンバーの扱いを考えます。開発チームはJiraへ移っても、営業や企画のメンバーはTrelloのほうが使いやすいという場合があります。全員を一度に移すのではなく、開発の課題はJira、それ以外の進行管理はTrelloと分けて使う方法もあります。どちらもアトラシアンの製品なので、アカウントの管理をそろえやすい点は利点です。
両方を使い分けるという選択肢
TrelloとJiraは、どちらか一方を選ぶ必要はありません。実際には、役割を分けて両方を使う組織も多く見られます。
よくある分け方は、次のとおりです。
・開発チームの不具合や機能の課題はJiraで管理する
・マーケティングや営業、企画の進行はTrelloで管理する
・リリースの日程など、両方に関わる予定はどちらか一方に決めて共有する
この分け方なら、開発者はJiraの課題管理の機能を使い、ほかの部署はTrelloのわかりやすさを生かせます。ただし、情報が2か所に分かれるので、「両方に関わる情報はどちらを正とするか」を決めておかないと、食い違いが起きます。
費用の面でも、使い分けは合理的な場合があります。開発者が10人以下ならJiraは無料プランで足り、ほかの部署の数人はTrelloの無料プランで足りる、という組み合わせなら、費用をかけずに両方の強みを使えます。人数が増えてきたら、必要な側だけを有料にすればよいので、全員を高いプランにそろえるより費用を抑えられます。
使い分けを始めるときは、両方のツールに同じ情報を二重に書かないことが大切です。たとえば、リリースの日付はJiraの課題を正とし、Trelloのカードには日付を書かずにJiraの課題へのリンクだけを貼る、というように、情報のありかを1つに決めておきます。二重に書くと、片方だけ更新されて食い違いが起き、かえって確認の手間が増えてしまいます。
利用者の声で多い評価と不満の傾向
TrelloとJiraの口コミを読むと、それぞれの評価が正反対の方向に分かれていることが分かります。
Trelloで評価が高いのは、使い始めのわかりやすさと、画面の軽さです。説明を受けなくても使える、モバイルアプリでも操作しやすい、という声が多く見られます。不満が出やすいのは、カードが増えたときに全体が見えにくくなる点や、日程の表示を使うにはPremiumが必要な点です。
Jiraで評価が高いのは、課題管理の細かさと、開発の進め方に沿った機能です。バックログとスプリント、ワークフロー、レポートを組み合わせて、チームの開発を計画的に進められるという声が目立ちます。不満が出やすいのは、設定の項目が多く、最初の構築に時間がかかる点や、開発者以外のメンバーには画面が難しく感じられる点です。
正直なところ、どちらの不満も「ツールの得意分野と違う使い方をしたとき」に出ているものが多い印象です。Trelloで大規模な開発の課題を管理しようとしたり、Jiraで小さなチームの簡単な進行管理をしようとしたりすると、不満が大きくなります。口コミを読むときは、書いた人のチームの規模と、何を管理しようとしていたかを確かめてください。
AIの機能の違い
どちらのツールも、AIの機能を有料プランに組み込んでいます。料金を比べるときは、AIがどのプランから使えるかも確かめておくと判断しやすくなります。
Trelloの公式料金ページでは、AIによる要約(カードの説明やコメントの文章を整える機能)、AIによるボードの整理、目標を入れるとリストとカードが用意されたボードを作るAI生成ボード、メールやSlack、Teamsからの内容をAIで取り込む機能が、Standard以上で使えると案内されています。PremiumにはAtlassian Intelligenceも含まれます。料金ページの冒頭でも、新しいAI機能を月額5ドルから利用できると紹介されています。
Jiraの公式料金ページでは、Standard以上で、Rovoの検索、チャット、エージェントと、AIを活用した作業機能が使えると案内されています。Rovoは、アトラシアンの製品やつないだツールの情報をまたいで検索したり、質問に答えたりするAIの機能です。
どちらも無料プランではAIの機能は限られ、有料プランで本格的に使える作りです。AIで文章を整える、課題やカードの情報を検索する、といった使い方を重視するなら、無料プランで比べた結果と、有料プランで比べた結果が変わることがあります。AIの機能は更新が早いので、導入を決める直前に公式ページで最新の内容を確かめてください。
権限とセキュリティの違い
会社で導入するときは、誰が何を見られるか、何を操作できるかの管理も比べておく必要があります。
Trelloは、2要素認証がすべてのプランで使えます。Premiumでは、ボードを見るだけで操作できない「閲覧者」、ドメインを限った招待、メンバーの無効化といった管理者の機能が加わります。Enterpriseでは、組織全体の権限、公開範囲を組織内に限ったボード、添付ファイルの権限、使ってよいPower-Upを管理者が決める機能、Atlassian Guardを使ったシングルサインオン(1つのアカウントで複数のサービスに入れる仕組み)が使えます。公式ページによると、Atlassian Guardは別のサブスクリプションとして、ユーザーあたり月額4ドルで契約することもできます。
Jiraは、Standardからユーザーのロールと権限、外部とのコラボレーションの機能が加わります。Enterpriseでは、詳細な管理者機能とセキュリティ、エンタープライズ向けのIDとアクセスの管理、複数のサイトの運用が使えます。Premiumには99.9%、Enterpriseには99.95%の稼働率の保証(SLA)も含まれます。
整理すると、Trelloは「ボード単位で見せる範囲を決める」考え方、Jiraは「ロールで操作できる範囲を決める」考え方が中心です。社外の協力会社を招いて開発を進めるなら、Jiraのロールと権限で、見られるプロジェクトや操作を細かく分けられるかを確かめておくと安心です。
取引先のツールに招かれる立場で使う場合
在宅で仕事を受ける人は、自分で契約するより、取引先のTrelloやJiraに招かれて使うことのほうが多いかもしれません。その立場で知っておきたいことを3つ挙げます。
1つ目は、料金を払うのは取引先だという点です。取引先のワークスペースやサイトに招かれる形なら、自分のアカウントは無料のままで構いません。ただし、取引先が無料プランを使っている場合、自分が加わることで人数の上限に届き、取引先に有料化を迫ることもあります。招かれる前に、人数の枠に余裕があるかを確かめておくと、相手に余計な負担をかけずに済みます。
2つ目は、更新のルールを最初に聞いておくことです。Jiraなら、課題をどの段階まで自分で進めてよいか、レビューを誰に依頼するかを確かめます。Trelloなら、カードをどのリストに動かしたら完了の合図になるかを確かめます。ルールが分からないまま動かすと、取引先の管理を乱してしまいます。
3つ目は、契約が終わったあとの扱いです。案件が終わったら、取引先のボードやプロジェクトから外れるのが一般的です。自分の作業の記録や納品物の最終版は、外れる前に手元に保存しておくと、あとで確認が必要になったときに困りません。
試してから決める手順
最後に、TrelloとJiraを比べて決めるまでの手順を整理します。
ステップ1は、管理したい対象の書き出しです。進行管理なのか、課題の優先順位の管理なのか、両方なのかを決めます。前の節の5つの質問に答えておくと、方向が定まります。
ステップ2は、無料プランでの並行試用です。どちらも10人までなら無料で試せます。同じ案件を両方に入れて、2週間ほど実際に使ってみます。
ステップ3は、使い続ける人の声を集めることです。導入を決める人だけでなく、毎日更新する人が使いやすいと感じるかを確かめます。更新されなくなったツールは、どれほど高機能でも役に立ちません。
ステップ4は、1年後の人数での費用の試算です。10人を超える見込みがあるなら、有料プランの単価で1年分を計算します。Jiraは人数で単価が変わり、Trelloはドル建てなので、為替も見込んでおきます。
ステップ5は、運用ルールの決定です。カードや課題の粒度、ステータスの段階、更新のタイミングを決め、文書にして全員が見られる場所に保存します。
ボードの使いやすさを保ったまま表示を増やしたいときの候補
Trelloのわかりやすさは保ちたいが、ガントチャートやカレンダーも無料で使いたい、というチームもあります。Jiraほどの課題管理は要らず、Trelloより多くの表示が欲しい、という中間の要望です。
カンバンの感覚でガントも使える選択肢
1つの候補として、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaがあります。公式の料金ページによると、無料プランは5人まで・ボード10個までで、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストを含む8種類のボードと、チャット、カスタムフィールド、権限ロールまで使えます。ファイル容量は1GBです。Trelloのエクスポートファイルを読み込み、ボード構成・カード・ラベル・添付を移す機能もあると案内されています。人数かボードの数が無料の範囲を超えたときのスタンダードプランは、1人あたり月額500円(税抜)です。料金と機能の詳細はPinatecaの料金プランと費用で確かめられます。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
開発の課題を優先順位とワークフローで管理するならJira、カードを動かす進行管理ならTrello、カンバンの感覚のまま日程の表示も無料で使いたいなら無料の範囲が広いツール、というように、管理したい対象で選び分けるのが基本です。
ツールの選び方は、仕事の受け方にもつながる
最後に、少し視点を広げます。TrelloとJiraのどちらを使うかは、在宅で仕事を受ける人にとっても無関係ではありません。開発の案件では、取引先のJiraに招かれて課題を処理することが多く、制作や編集の案件では、Trelloのボードで進行を共有することがよくあります。
運営者として在宅ワークの現場を長く見てきた限りでは、継続して仕事を任される人ほど、取引先の道具の使い方にすぐ慣れ、課題やカードの状態をこまめに更新しています。「この人に任せると、今どうなっているかがいつでも分かる」という安心感が、次の依頼につながります。仲介手数料のかからない直接の取引では、その信頼が手取りの厚い継続案件として返ってきます。
開発の仕事でJiraを使う機会は多く、アプリケーション開発のお仕事では、在宅で受けられる開発案件の種類と進め方が紹介されています。報酬の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的統計をもとに確かめられます。インフラやネットワークの仕事に広げたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の内容も参考になります。業務の改善を支援する立場でツールの選定に関わる仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介されています。
編集や執筆の仕事では、媒体の編集部がTrelloのボードで原稿の進行を管理していることがよくあります。企画、執筆、確認、公開と、カードの位置がそのまま原稿の状態を表すので、書き手も自分の原稿がどこにあるかをすぐ確かめられます。書き手や編集者の報酬の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられます。取引先の道具に合わせて進行を共有できることは、書き手として選ばれる理由の1つになります。
道具は、仕事の流れに合ってこそ役に立ちます。ボードで足りるのか、課題管理まで要るのかを見極めてから選ぶことが、遠回りのない近道です。
よくある質問
Q. TrelloとJiraはどちらも無料で使えますか?
どちらも無料プランがあります。2026年10月時点の公式ページでは、Trelloはワークスペースあたりコラボレーター10人・ボード10枚まで、Jiraは最大10ユーザーまでプロジェクト無制限で無料と案内されています。Jiraは無料でもタイムラインやカレンダーのビューが使えますが、ストレージは2GB、自動化は月150ステップまでです。
Q. TrelloでJiraのような課題管理はできますか?
カードに担当者や期限、ラベル、チェックリストを付けて、課題管理に近い使い方はできます。ただし、課題の種類ごとに処理の段階を決めるワークフローや、バックログとスプリントで計画と振り返りを行う仕組みは、Jiraが前提として持つ機能です。課題が常に100件を超えるような規模になると、Jiraのほうが管理しやすくなる傾向があります。
Q. Jiraは開発チーム以外でも使えますか?
使えます。公式ページでは、目標、プロジェクト、タスク、フォームを無制限に作れることや、リスト、ボード、カレンダーなどのビューが紹介されています。ただし、課題管理のための項目が多く、開発以外のメンバーには画面が複雑に感じられることがあります。導入前に、実際に使うメンバーで無料プランを試し、定着するかを確かめると安心です。
Q. Jiraの料金は人数でどう変わりますか?
Jiraは使う人数によって1人あたりの単価が変わります。2026年10月3日に公式の料金ページで確かめたところ、11〜50人ではStandardが1ユーザーあたり月額1,240円、Premiumが月額2,500円、300人ではそれぞれ1,085円と1,987円と表示されました。年払いにすると最大17%割引と案内されています。正確な金額は公式ページで人数を入れて確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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