Excelでアンケート結果をまとめる方法と、グラフや表への整理の仕方


この記事のポイント
- ✓Excelでアンケート結果をまとめる方法を
- ✓質問の種類ごとのグラフの選び方
- ✓報告書の組み立て方まで手順で解説します
アンケートの集計は終わったのに、その結果をどうまとめればよいのか分からない。Excelの画面には数字の表が並んでいるけれど、これをそのまま上司や依頼者に渡しても、何が言いたいのか伝わらない気がする。アンケート結果のまとめ方で悩む人の多くは、集計ではなく、その先の「見せ方」と「伝え方」でつまずいています。
アンケート結果のまとめは、数字を並べる作業ではありません。読む人が「結局どういうことか」「次に何をすればよいか」を一目でつかめる形に整える作業です。そのために必要なのは、グラフの種類を正しく選ぶこと、表に入れる数字を絞ること、自由記述の声を短く要約すること、そして結論から先に書く報告書の組み立てです。
この記事では、Excelでアンケート結果をまとめる方法を、整理の順番、質問の種類ごとのグラフの選び方、表の作り方、自由記述の要約、報告書の組み立て方の順に説明します。見せ方で誤解を生まないための注意点や、結果を回答者に返して対応までつなげる方法も紹介します。回答者一人ひとりへの返信や担当決めが必要な場面では、フォームのHalictのような道具も使えます。結論を先に書くと、アンケート結果は「1つの質問から1つの発見」を書き出し、その発見ごとに1つのグラフを選ぶと、見違えるほど伝わりやすくなります。
アンケート結果のまとめで最初につまずく理由
アンケートの結果をまとめるとき、多くの人は、すべての質問のグラフを順番に並べた資料を作ります。質問1の円グラフ、質問2の円グラフ、質問3の円グラフ。作った本人は丁寧にまとめたつもりでも、読む人にとっては、どこを見ればよいのかが分からない資料になります。
つまずく理由は、まとめの目的が「結果を全部見せること」になっているからです。読む人が知りたいのは、すべての数字ではなく、アンケートから分かったことと、それを受けて何をするかです。全部の質問を同じ重さで並べると、本当に大事な発見が埋もれてしまいます。
アンケート結果の整理の手順を解説した記事でも、次のように書かれています。
アンケート結果を見やすく整理するには、順番に沿ってまとめることが重要です。ここでは、実際に結果を整理する際の基本手順について解説します。 出典: prizma-link.com
順番に沿ってまとめるとは、集計した数字を眺める前に、アンケートの目的を確かめ、そこから伝えるべき発見を選び、発見ごとに見せ方を決める、という流れを踏むことです。この記事では、その順番を1つずつ見ていきます。
新人の頃、社内アンケートの報告を任され、20問すべての円グラフを並べた資料を作ったことがありました。会議で最初に聞かれたのは「で、何が分かったの」という一言で、答えに詰まりました。数字は正しくても、伝えたいことを決めていなかったのです。それ以来、グラフを作る前に、伝えたいことを3行で書き出すようにしています。
まとめに入る前に、データの形を確かめる
結果をまとめる前に、集計のもとになるデータが整っているかを確かめます。まとめの段階でデータの誤りに気づくと、グラフも表も作り直しになるからです。
Excelでの集計の解説記事では、データの形の大切さについて次のように書かれています。
アンケート結果を効率よく集計・分析するには、データの「入力形式」を整えることが非常に重要です。実際、エクセルでの集計作業がうまくいかない原因の多くは、「データの入力ルールがバラバラ」なことによるものです。 出典: mugen-corp.jp
まとめに入る前に確かめたいのは、次の3点です。
・1行に1人、1列に1問の形になっているか
・同じ回答の書き方がそろっているか(「はい」と「ハイ」が混ざっていないか)
・集計表の合計が、回答数と一致しているか
この3点がそろっていれば、データはまとめに使える状態です。集計の手順そのものに不安がある場合は、COUNTIF関数での単一回答の集計や、ピボットテーブルでのクロス集計を先に済ませてから、この記事の手順に進んでください。
アンケート結果をまとめる基本の手順
アンケート結果のまとめは、次の5つの手順で進めます。
手順1:アンケートの目的を書き出す
最初に、このアンケートで何を知りたかったのかを1文で書きます。「次回のセミナーの開催時間を決めるため」「新しいサービスの満足度を確かめるため」のように、目的がはっきりすれば、どの結果が大事なのかが決まります。
手順2:質問ごとに「分かったこと」を1文で書く
集計表を見ながら、質問ごとに分かったことを1文で書き出します。「参加者の6割が平日夜の開催を希望している」「満足度は全体では高いが、初参加の人に限ると低い」のように、数字を言葉に置き換える作業です。この段階で、目立った発見のない質問は、資料の後ろに回すか、表だけにとどめる候補になります。
手順3:伝える発見を3つ程度に絞る
書き出した発見の中から、目的に照らして重要なものを3つ程度選びます。報告を読む人が一度に受け止められるのは、多くても3つから5つです。残りの発見は、資料の後ろの「その他の結果」にまとめます。
手順4:発見ごとに見せ方を決める
選んだ発見ごとに、グラフで見せるか、表で見せるか、文章で伝えるかを決めます。グラフの選び方は、次の節で詳しく説明します。
手順5:結論と次の行動を書く
最後に、発見から言えることと、次に何をするかを書きます。「平日夜の開催を増やす」「初参加の人向けの説明の時間を設ける」のように、具体的な行動まで書くと、アンケートが意思決定に使われます。
質問の種類ごとのグラフの選び方
グラフは、質問の種類と、伝えたい発見に合わせて選びます。どの質問にも円グラフを使う、という選び方は避けます。
単一回答の質問は、帯グラフか横棒グラフ
「満足」「やや満足」「普通」のように、1つだけ選ぶ質問の割合を見せるには、100%の帯グラフ(横に1本の棒を、割合で区切ったもの)か、横棒グラフが向いています。円グラフも使えますが、選択肢が5つを超えると、小さな扇形が読み取りにくくなります。
複数回答の質問は、多い順の横棒グラフ
「当てはまるものをすべて選んでください」のような複数回答の質問は、割合を合計すると100%を超えるので、円グラフや帯グラフは使えません。選ばれた割合の多い順に並べた横棒グラフにすると、どの選択肢が多く選ばれたかが一目で分かります。
満足度などの段階の質問は、積み上げの帯グラフ
「とても満足」から「とても不満」までの段階で答える質問は、100%の積み上げ帯グラフにすると、満足の側と不満の側の割合が見やすくなります。複数の質問の満足度を並べて比べるときにも、帯グラフを縦に並べると比較しやすくなります。
グループごとの比較は、並べた帯グラフ
年代別、学年別、部署別のように、グループごとに結果を比べるクロス集計は、グループごとの帯グラフを縦に並べます。グループごとに人数が違っても、割合で比べられるので公平です。
時間の変化は、折れ線グラフ
毎年や毎月の満足度の変化を見せたい場合は、折れ線グラフが向いています。比べる時期が2つだけなら、棒グラフを2本並べるほうが分かりやすいこともあります。
数字そのものが大事なら、グラフにしない
「回答数は87件」「平均点は4.2点」のように、数字1つで伝わる発見は、無理にグラフにせず、大きな文字で数字を見せるほうが伝わります。
Excelでグラフを作る手順
Excelでグラフを作る手順は、Microsoftのグラフ作成の公式ヘルプに書かれています。基本の流れは次のとおりです。
- グラフにしたいデータのセル範囲を選ぶ
- リボンの[挿入]タブに移動する
- [グラフ]から、目的に合ったグラフの種類を選ぶ
公式ヘルプによると、データに合わせて候補を表示する「おすすめグラフ」という機能もあります。どの種類にすればよいか迷ったときは、候補を見比べて選べます。グラフを作ったあとで元のデータの範囲を変えたいときは、グラフを右クリックして[データの選択]から直せます。
帯グラフを作るときのコツ
100%の帯グラフは、Excelでは「100%積み上げ横棒」という種類で作ります。集計表を、行にグループ(全体、年代別など)、列に選択肢を並べた形にしてから作ると、思いどおりの帯グラフになります。行と列が逆になった場合は、グラフのデザインのメニューにある行と列の切り替えで入れ替えられます。
多い順に並べるコツ
複数回答の横棒グラフを多い順に並べるには、もとの集計表を割合の大きい順に並べ替えてからグラフを作ります。Excelの横棒グラフは、表の上の行がグラフの下に来るので、多いものを上に見せたい場合は、表を少ない順に並べるか、軸の設定で順序を反転させます。
グラフを見やすく整える5つのポイント
グラフは作っただけでは伝わりません。次の5つのポイントで整えると、読む人が迷わずに発見を読み取れます。
1. タイトルに発見を書く
グラフのタイトルを「質問3の結果」とするのではなく、「参加者の6割が平日夜の開催を希望」のように、そのグラフから分かることを書きます。タイトルを読むだけで、グラフの言いたいことが伝わります。
2. 回答数(n)を書く
グラフの近くに「n=87」のように回答数を書きます。nとは、その結果のもとになった回答の数のことです。10人の回答と1,000人の回答では、同じ60%でも重みが違います。
3. 色を絞る
選択肢ごとにばらばらの色を使うと、どこを見ればよいのか分からなくなります。強調したい選択肢だけに目立つ色を使い、残りは灰色の濃淡にすると、伝えたい部分に目が向きます。満足度のような段階の質問は、満足の側を同じ色の濃淡、不満の側を別の色の濃淡にすると直感的に読めます。
4. 立体のグラフを使わない
立体のグラフは見た目が派手ですが、手前の部分が大きく見えて、割合を正しく読み取れなくなります。アンケートの報告では、平面のグラフを使います。
5. 数字をグラフの中に書く
棒や帯の中に割合の数字を書き込むと、読む人が軸の目盛りを読み取る手間が省けます。小数点以下は、多くの場合1桁までで十分です。
クロス集計の結果を読み取り、見せる
全体の結果だけでは分からないことが、グループごとに分けたクロス集計で見えてくることがあります。ただし、クロス集計の表は数字が多く、そのまま見せても読む人には伝わりません。読み取りと見せ方にはコツがあります。
全体との差に注目する
クロス集計の表を見るときは、各グループの割合を、全体の割合と比べます。全体で「満足」が60%のとき、ある年代だけ40%なら、その年代に何か理由があるかもしれません。全体との差が10ポイント以上あるところに印を付けると、注目すべきところが絞れます。
差を言葉にする
見つけた差は、「30代は全体に比べて満足の割合が20ポイント低い」のように言葉にします。ポイントとは、割合と割合の差のことです。「20%低い」と書くと、60%の20%(12ポイント)なのか、20ポイントなのかが分かりにくくなるので、割合の差は「ポイント」で書きます。
見せるのは差が出たところだけ
クロス集計の結果を全部グラフにすると、資料が膨らみます。報告の本文では、目的に関わる差が出たグループの比較だけをグラフにし、差が出なかった組み合わせは「年代による大きな差は見られなかった」と1行で書くにとどめます。差がなかったことも、立派な発見です。
回答数を必ず添える
グループの回答数が少ないと、割合は大きく揺れます(後の節でも詳しく触れます)。クロス集計のグラフには、グループごとの回答数を必ず添えます。
表で見せるときの作り方
すべての結果をグラフにする必要はありません。細かい数字を正確に伝えたい場合や、多くの質問を一覧で見せたい場合は、表のほうが向いています。
表に入れる数字を絞る
人数と割合の両方を入れると、表の数字が倍に増えます。報告の本文の表には割合だけを入れ、人数は資料の後ろの付録の表に回す、といった分け方をすると、本文の表がすっきりします。
並び順を決める
選択肢の並び順は、質問の段階の順(とても満足から、とても不満まで)か、多い順のどちらかにそろえます。並び順が表ごとに違うと、読む人が毎回確かめ直す必要が出ます。
目立たせたい数字に印を付ける
全体の平均より10ポイント以上高い数字に色を付ける、といった印を付けると、表の中で注目すべき数字がすぐに分かります。Excelの条件付き書式を使えば、条件に合うセルに自動で色を付けられます。
割合の小数点をそろえる
割合の小数点以下の桁数は、表の中でそろえます。ある数字は「35%」、別の数字は「35.27%」となっていると、細かい違いが目に入って読みにくくなります。
自由記述の回答を要約する
自由記述の回答は、グラフにできない分、まとめ方に工夫が必要です。全部を資料に載せると、読む人の時間を奪います。
話題ごとに分類して件数を数える
自由記述を読み、「時間について」「資料について」「講師について」のように話題ごとに分類し、それぞれの件数を数えます。件数の多い話題から順に並べると、どんな声が多かったのかが数字で伝わります。
代表的な声を2〜3件載せる
分類ごとに、その話題をよく表している回答を2〜3件、そのまま載せます。数字だけでは伝わらない温度や、具体的な場面が伝わります。載せる前に、名前や所属など、回答者が特定できる情報は伏せます。
少数でも重要な声は拾う
件数が少なくても、見過ごせない声があります。安全に関わる指摘、個人情報の扱いへの不安、差別的な扱いを受けたという訴えなどは、件数にかかわらず報告に含めます。
要約は1行で書く
分類ごとに、「時間が長いという声が最も多く、休憩を求める声もあった」のように、1行で要約します。報告を読む人は、まず要約を読み、気になったところだけ代表的な声を読みます。
前回のアンケートと比べてまとめる
同じアンケートを毎年や毎学期に繰り返している場合は、前回との比較がまとめの中心になります。比べ方を誤ると、変わっていないものを変わったように見せてしまうので、注意が必要です。
同じ質問だけを比べる
前回と今回で質問の文言や選択肢が変わっている場合、単純には比べられません。「やや満足」という選択肢を今回から加えた場合、「満足」の割合が下がっても、満足している人が減ったとは限りません。比べるのは、文言と選択肢が同じ質問だけにします。
回答者の顔ぶれの違いを確かめる
前回は全員に配り、今回は希望者だけに配った、という場合、回答者の顔ぶれが違うので、結果の差がそのまま変化を表しているとは言えません。回答数と回答率、配った相手を、前回と今回で並べて書いておきます。
変化は折れ線か並べた帯グラフで見せる
3回以上の結果を比べるなら折れ線グラフ、2回の比較なら帯グラフを上下に並べると、変化が読み取りやすくなります。変化の大きさは、前の節と同じく「ポイント」で書きます。
小さな変化で言い切らない
回答数が100件程度のアンケートでは、数ポイントの変化は、たまたまの揺れの範囲であることも少なくありません。小さな変化は「やや上がった」「横ばい」と控えめに書き、大きな変化と、何回も続いている傾向を中心に伝えます。
報告書の組み立て方
アンケート結果の報告書は、次の順番で組み立てると、読む人が迷いません。
1. 結論(1枚目)
最初のページに、分かったことの要点と、次に取る行動を3行から5行で書きます。忙しい人は、このページしか読まないことがあります。結論を最初に書くのは、そのためです。
2. アンケートの概要
目的、対象、回答の期間、回答数、集め方(Webか紙か)を書きます。「10月1日から14日に、受講者120人に案内し、87人が回答(回答率73%)」のように1段落にまとめます。
3. 主な発見
手順3で絞った3つ程度の発見を、1つにつき1ページで見せます。ページの上に発見を1文で書き、その下にグラフ、その下に補足の説明を書きます。
4. 自由記述の要約
前の節の方法で、話題ごとの件数と要約、代表的な声を載せます。
5. その他の結果と付録
主な発見に入らなかった質問の結果と、人数を含む詳しい集計表を、最後にまとめます。
ExcelでもPowerPointでも、この順番は同じです。Excelで作ったグラフは、コピーしてPowerPointやWordに貼り付けられます。
1枚の要約シートを作る
報告書とは別に、結果の要点を1枚にまとめた要約シートを作っておくと、会議や共有の場で重宝します。Excelの1つのシートに、次のものを並べます。
・アンケートの名前、期間、回答数
・主な発見を3つ(1つにつき1文)
・発見ごとのグラフを1つずつ(小さめの大きさで)
・次に取る行動
・問い合わせ先(まとめた人の名前)
1枚に収めるために、グラフは小さくし、タイトルに発見を書いておきます。グラフの細かい数字は省き、詳しく知りたい人は報告書の本文を見る、という役割分担にします。
要約シートは、Excelの[ファイル]から印刷の設定で1ページに収まるように調整し、PDFに書き出して共有すると、相手のパソコンの環境に関係なく同じ見た目で読んでもらえます。
見せ方で誤解を生まないための注意点
アンケートの結果は、見せ方によって、実際とは違う印象を与えてしまうことがあります。意図していなくても誤解を生まないよう、次の点に注意します。
軸を途中から始めない
棒グラフの縦軸を0からではなく途中から始めると、小さな差が大きく見えます。60%と65%の差が、何倍もの差に見えてしまいます。割合を比べる棒グラフは、軸を0から始めます。
回答数の少ないグループで言い切らない
クロス集計で、あるグループの回答が5人しかない場合、その中の1人の回答で割合が20%も動きます。回答数の少ないグループの結果は、「参考値」と書き添えるか、言い切らない表現にします。
回答しなかった人のことを考える
アンケートに答えた人と答えなかった人では、考え方が違うことがあります。たとえば、満足度のアンケートでは、強い不満を持っている人ほど答えずに離れていくことがあります。回答率が低い場合は、結果がすべての人の意見を表しているとは限らないことを書き添えます。
因果関係を言い切らない
「Aと答えた人ほど満足度が高い」という結果が出ても、Aが満足度を上げた原因だとは限りません。アンケートで分かるのは、多くの場合、関係があるかどうかまでです。報告では「関係が見られる」と書き、原因と言い切らないようにします。
共有の前に確かめることと、ファイルの扱い
まとめた結果を共有する前に、数字の誤りと情報の扱いを確かめます。共有したあとで誤りが見つかると、訂正の連絡と説明に何倍もの時間がかかります。
数字の点検
・グラフの数字と、集計表の数字が一致しているか
・割合の合計が100%になっているか(複数回答の質問を除く)
・回答数(n)が、すべてのグラフと表に書かれているか
・報告書の文章に書いた数字が、グラフの数字と一致しているか
情報の扱い
共有するファイルに、回答者の名前やメールアドレスなどの個人情報の列が残っていないかを確かめます。集計に使った元のデータのシートを、報告用のファイルに含めたまま送ってしまう誤りはよく起きます。報告用のファイルは、元のデータとは別のファイルとして作り、グラフと集計表だけを入れます。
ファイルの名前と保存場所
ファイルの名前には、アンケートの名前と日付を入れます。「アンケート結果_最終.xlsx」のような名前は、後から何のファイルか分からなくなります。元のデータ、集計のファイル、報告書を同じフォルダに保存しておくと、次回のアンケートで同じ形のまとめを作るときにも探しやすくなります。
まとめの作業の段取りと時間の目安
アンケート結果のまとめは、締め切りの直前に始めると、グラフの見た目を整える時間がなくなり、数字の点検もおろそかになります。作業を段階に分けて、段取りを先に決めておきます。
回答が100件程度、質問が15問程度のアンケートであれば、次のような段取りで進めると無理がありません。
・1日目:データの形を確かめ、集計表を作る
・2日目:質問ごとに分かったことを書き出し、伝える発見を3つ程度に絞る
・3日目:発見ごとのグラフと表を作り、自由記述を分類する
・4日目:報告書を組み立て、要約シートを作る
・5日目:数字の点検をし、別の人に一度読んでもらってから共有する
最後の「別の人に一度読んでもらう」は、省かれがちですが効果の大きい手順です。作った本人は、グラフの意味が分かっているので、説明の足りないところに気づけません。アンケートに関わっていない人に読んでもらい、「最初のページだけで何が分かったか言えるか」を聞いてみると、伝わりにくい箇所がすぐに見つかります。
一度この段取りで作った報告書は、次回のひな形になります。グラフの種類、色、ページの並び順をそのまま使えば、2回目からは作業の時間が大きく短くなります。
Googleスプレッドシートでまとめる場合
Excelがない場合や、複数人で同時に作業したい場合は、Googleスプレッドシートでも同じ手順でまとめられます。Googleフォームで集めた回答なら、回答をスプレッドシートに書き込む設定にしておくだけで、まとめの作業をすぐに始められます。
グラフは、データの範囲を選んでメニューの[挿入]から[グラフ]を選ぶと作れます。帯グラフや横棒グラフ、折れ線グラフなど、この記事で紹介した種類は一通り作れます。作ったグラフは、Googleスライドやドキュメントに貼り付けられ、元のデータが更新されたときにグラフを更新することもできます。
複数人で作業するときは、元のデータのシート、集計のシート、グラフのシートを分け、元のデータのシートは編集できる人を限っておくと、誤って回答を書き換える事故を防げます。共有のリンクを送る前に、共有の範囲と、個人情報の列が見える状態になっていないかを確かめます。
まとめた結果を回答者に返し、対応までつなげる
アンケート結果をまとめたら、報告して終わりにせず、回答者に結果を返すことも考えます。「みなさんの声を受けて、次回から休憩を設けます」と伝えるだけで、回答者は自分の声が届いたと感じ、次のアンケートにも答えてくれやすくなります。
結果を返す方法は、アンケートの性格によって変わります。授業やセミナーのアンケートなら、次回の冒頭で伝えるのが手軽です。顧客のアンケートなら、メールやお知らせのページで伝えます。
一方で、アンケートの中に「この点を改善してほしい」「この件で相談したい」といった、個別の対応が必要な回答が混ざっていることもあります。こうした回答は、集計の表とは別に、誰が、いつまでに、どう返すかを決めて対応する必要があります。Excelやスプレッドシートで回す場合は、表の右端に「担当」「対応状況」「返信日」の列を作り、返信はメールソフトで1通ずつ送る、という運用になりがちです。件数が増えると、誰が対応中なのか、どこまで返したのかが分からなくなります。
こうした場面で使える選択肢の1つが、フォームを作り、届いた回答を担当・ステージ・タグつきで管理し、同じ画面から返信まで送れるHalictです。公式サイトによると、集まった回答は一覧で確認でき、CSVに書き出してExcelでの集計にそのまま使えます。料金ページによると、1人で使うフリープランでもフォームの数と回答の数は無制限で、ステージ管理と自動返信が含まれています。回答者にまとめて結果を知らせる一斉メールと開封・クリックの計測は、メンバー10人までのチームプラン(月額7,800円、税抜)の機能です。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
集計とまとめはExcel、個別の対応と返信はHalictのような受付向けのフォーム、と役割を分けると、アンケートを「集めて報告する」だけでなく「声に応える」ところまで回せるようになります。
アンケートのまとめを仕事に生かす
アンケート結果をまとめる力は、どの職場でも重宝されます。集めた声を、意思決定に使える形に変えられる人は多くないからです。在宅で受けられる仕事としても、アンケートの集計と報告書の作成は依頼の多い分野です。
まとめた結果から業務の改善策を提案する仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で扱われている仕事に近いものです。顧客のアンケートから商品やサービスの改善点を読み取り、集客の施策につなげる仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとめられています。
グラフや報告書の見た目を整える力は、デザインの仕事とも重なります。資料のデザインを含む仕事の報酬の水準は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。アンケートの結果を経営の判断につなげる立場を目指すなら、中小企業診断士の資格ガイドに、試験の内容と仕事の範囲がまとめられています。
フリーランス・在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、集計やまとめの仕事で長く頼られる人ほど、グラフを並べて終わりにしていません。報告書の最初のページに「この結果から、次はこうするとよい」と書き、依頼者がそのまま会議に持っていける形で渡しています。依頼者が欲しいのは数字ではなく、次の一手の判断材料だからです。中間の手数料がかからない直接のやり取りであれば、依頼者は同じ予算でその提案まで頼みやすくなり、受ける側も手元に残る報酬が厚くなります。
Excelでのアンケート結果のまとめは、目的を確かめ、発見を絞り、発見ごとに見せ方を選ぶ。この順番を守るだけで、数字の並んだ資料が、読む人を動かす報告に変わります。
よくある質問
Q. アンケート結果をまとめるとき、最初に何をすればよいですか?
最初に、アンケートの目的を1文で書き出します。そのうえで、質問ごとに分かったことを1文ずつ書き出し、目的に照らして重要な発見を3つ程度に絞ります。グラフを作るのは、その後です。目的と発見を先に決めておくと、すべての質問のグラフを同じ重さで並べた、伝わりにくい資料になるのを防げます。
Q. アンケートの結果にはどのグラフを使えばよいですか?
単一回答の割合は100%の帯グラフか横棒グラフ、複数回答は多い順に並べた横棒グラフ、満足度のような段階の質問は積み上げの帯グラフ、グループごとの比較は帯グラフを縦に並べる形、時間の変化は折れ線グラフが向いています。複数回答の質問は割合の合計が100%を超えるので、円グラフは使えません。
Q. Excelで帯グラフを作るにはどうすればよいですか?
行にグループ、列に選択肢を並べた集計表を作り、その範囲を選んで[挿入]タブの[グラフ]から100%積み上げ横棒を選びます。行と列が思いどおりにならない場合は、グラフのデザインのメニューで行と列を切り替えます。どの種類にするか迷ったときは、おすすめグラフの候補を見比べる方法もあります。
Q. 自由記述の回答はどうまとめればよいですか?
回答を読みながら話題ごとに分類し、分類ごとの件数を数えて多い順に並べます。分類ごとに1行の要約を書き、その話題をよく表している回答を2〜3件、回答者が特定できる情報を伏せたうえで載せます。件数が少なくても、安全や個人情報に関わる指摘は必ず報告に含めます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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