アンケートで職業を聞くときの選択肢の作り方と、分け方の基準


この記事のポイント
- ✓アンケートで職業を聞くときの選択肢を
- ✓働き方・職種・業種の3つの切り口に分けて例つきで整理しました
- ✓総務省の日本標準職業分類と産業分類を土台にした分け方
アンケートの最後に「ご職業」を聞く欄を作ろうとして、選択肢をいくつ並べればよいのか、会社員とパート・アルバイトをどう分けるのか、副業をしている人はどこを選べばよいのかで手が止まる人は少なくありません。職業の選択肢は、作る人によってばらばらになりやすく、そのまま集計すると「その他」が一番多いという結果にもなりがちです。
結論から言うと、アンケートで職業を聞くときは、まず「働き方(雇用形態)」「職種(何の仕事をしているか)」「業種(どの業界の会社か)」のどれを知りたいのかを決め、その切り口ごとに選択肢を作るのが基本です。この記事では、その3つの切り口ごとに選択肢の例を示し、総務省の日本標準職業分類と日本標準産業分類を土台にした分け方、学生・主婦・副業の扱い、「その他」の作り方、集計まで見すえた注意点を順に説明します。回答を集めたあとに担当決めや返信が必要な場面では、回答の受付から返信までを1つの画面で扱えるHalictのようなフォームの道具にも触れます。
アンケートで職業を聞く目的を先に決める
職業の選択肢が決まらない原因の多くは、「何のために職業を聞くのか」が決まっていないことにあります。職業は、年齢や性別と並んで「基本属性」と呼ばれる質問の1つです。基本属性とは、回答者がどんな人かを表す情報のことで、集計のときに回答者をグループに分ける物差しになります。
調査会社のコラムでも、基本属性は回答者を理解するための土台になると説明されています。
マーケティングリサーチにおける基本属性は回答者の理解の根本となる要素です。また実際の調査の現場ではより狙ったターゲットに聞くための回答者の選定を行うスクリーニングにも利用されます。弊社では性別・年齢・職業・居住地域を基本に、必要性に応じて属性を追加して調査を行っています。 出典: quest-research.co.jp
ここで大事なのは、職業を聞いたあとに「何と何を比べたいのか」を先に書き出すことです。目的によって、必要な選択肢はまったく変わります。
- 平日の昼間に来店できる人がどのくらいいるか知りたい:働き方(会社員、パート、自営業、学生、無職など)で分ければ足りる
- 商品が事務職と現場の仕事のどちらに使われているか知りたい:職種(事務、営業、販売、製造など)で分ける
- 取引先の業界ごとに満足度を比べたい:業種(製造業、建設業、医療・福祉など)で分ける
目的が「なんとなく回答者の傾向を知りたい」のままだと、3つの切り口を1つの質問に混ぜてしまいがちです。たとえば「会社員」「公務員」「医療関係」「IT関係」「学生」を同じ選択肢に並べると、病院に勤める会社員はどれを選べばよいのか迷います。迷った回答者は「その他」を選ぶか、適当に選んでしまい、集計しても意味のある数字になりません。
設問を作る前に、結果を受けて何を決めるのかを書き、その判断に必要な切り口だけを聞くようにします。切り口が2つ必要なら、質問を2つに分けます。
職業の聞き方は3つの切り口に分ける
職業を表す言葉は、日常ではかなりあいまいに使われています。「職業は何ですか」と聞かれて「会社員です」と答える人もいれば、「看護師です」「製造業です」と答える人もいます。アンケートでは、この3つの答え方を別々の質問として扱うと整理しやすくなります。
| 切り口 | 何を表すか | 選択肢の例 |
|---|---|---|
| 働き方(雇用形態) | どんな立場で働いているか | 会社員、公務員、パート・アルバイト、自営業、学生 |
| 職種 | どんな仕事をしているか | 事務、営業、販売、専門職、製造、サービス |
| 業種 | 勤め先がどの業界か | 製造業、情報通信業、医療・福祉、小売業 |
一般消費者向けのアンケートでは、働き方だけを聞くことが多く、これで足りる場面がほとんどです。企業向けの調査や、仕事の内容によって使い方が変わる商品の調査では、職種や業種を追加します。
3つ全部を聞くと、回答者の負担が大きくなります。基本属性の質問が増えるほど、本題の質問にたどり着く前にやめてしまう人が増えるからです。必要な切り口だけを選び、多くても2つに絞るのが現実的です。
働き方で聞くときの選択肢の例
一般消費者向けのアンケートで最もよく使われるのが、働き方で分ける選択肢です。次のような並びが基本になります。
- 会社員(正社員)
- 会社員(契約社員・派遣社員)
- 会社役員・経営者
- 公務員・団体職員
- 自営業・フリーランス
- パート・アルバイト
- 専業主婦・専業主夫
- 学生
- 無職・退職された方
- その他
この並びで気をつけたい点がいくつかあります。
正社員と非正規を分けるかどうか
会社員を正社員と契約・派遣に分けるかどうかは、目的しだいです。収入や勤務時間の違いが結果に影響しそうな調査では分けておき、そうでなければ「会社員」1つにまとめます。分けておけば後でまとめて集計できますが、まとめて聞いた回答を後から分けることはできません。迷ったら分けておくほうが安全です。
主婦とパートを両方選べる人の扱い
パートで働きながら家事も担っている人は、「パート・アルバイト」と「専業主婦・専業主夫」のどちらも当てはまると感じます。単一回答の質問にするなら、「主な収入の得方に最も近いもの」のように、選ぶ基準を質問文に書いておきます。基準を書かないと、同じ立場の人が別々の選択肢を選び、集計がぶれます。
呼び方に配慮する
「無職」という言葉に抵抗を感じる人もいます。「無職・退職された方」「現在お仕事をされていない方」のように、表現をやわらげる工夫がよく使われます。性別を決めつける言い方も避け、「専業主婦」だけでなく「専業主夫」も並べるか、「家事専業」とまとめる方法があります。
職種で聞くときは日本標準職業分類を土台にする
仕事の内容で分けたいときは、選択肢をゼロから考えるより、国が定めた分類を土台にすると漏れや重なりが減ります。その土台になるのが、総務省の日本標準職業分類です。
日本標準職業分類とは、国の統計で職業を分けるときの共通のものさしで、個人が実際にしている仕事の似かよい方で区分しています。現行のものは平成21年12月に告示され、平成22年4月から使われています。総務省のページでは、分類は大分類12、中分類74、小分類329の3段階になっていると説明されています。大分類の12は次のとおりです。
| 記号 | 大分類 |
|---|---|
| A | 管理的職業従事者 |
| B | 専門的・技術的職業従事者 |
| C | 事務従事者 |
| D | 販売従事者 |
| E | サービス職業従事者 |
| F | 保安職業従事者 |
| G | 農林漁業従事者 |
| H | 生産工程従事者 |
| I | 輸送・機械運転従事者 |
| J | 建設・採掘従事者 |
| K | 運搬・清掃・包装等従事者 |
| L | 分類不能の職業 |
分類の一覧は総務省の日本標準職業分類の分類項目名で確かめられます。
回答者に伝わる言葉に言い換える
国の分類の名前は、そのままでは回答者に伝わりにくいものがあります。「生産工程従事者」と書かれても、工場で働く人がすぐに自分のことだと気づくとは限りません。アンケートでは、分類の考え方は借りつつ、名前を日常の言葉に置き換えます。
- 管理的職業従事者 → 管理職(課長以上など)
- 専門的・技術的職業従事者 → 専門職・技術職(医師、看護師、エンジニア、教員、士業など)
- 事務従事者 → 事務職(一般事務、経理、総務など)
- 販売従事者 → 営業・販売職
- サービス職業従事者 → サービス職(介護、接客、調理、理容美容など)
- 生産工程従事者 → 製造・生産の仕事
- 輸送・機械運転従事者 → 運転・運輸の仕事
- 建設・採掘従事者 → 建設・工事の仕事
括弧の中に具体的な職業名を2〜3個書き添えると、回答者が自分の仕事を当てはめやすくなります。保安職業や農林漁業のように、調査の対象に少ない分類は「その他」にまとめても構いません。
専門職は分け方に注意する
専門的・技術的職業には、医師、看護師、エンジニア、教員、弁護士、デザイナーなど、性質の違う仕事が多く含まれています。調査の目的によっては、1つにまとめると違いが見えなくなります。IT関係の商品の調査なら「エンジニア・プログラマー」を、医療関係の調査なら「医師」「看護師」「医療事務」を、それぞれ別の選択肢として立てます。
医療事務のように、職種と業種が重なる仕事もあります。病院で働く医療事務の人は、職種としては事務職、業種としては医療・福祉に当たります。どちらの切り口で聞いているかを質問文ではっきりさせておかないと、回答が割れます。医療事務の仕事の内容や資格は、医療事務の代表的な資格である医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の案内で確かめられます。
業種で聞くときは日本標準産業分類を土台にする
勤め先の業界で分けたいときは、総務省の日本標準産業分類を土台にします。日本標準産業分類とは、国の統計で事業所を業種ごとに分けるための共通のものさしで、令和5年7月に告示された第14回改定版が令和6年4月から使われています。大分類はAの農業、林業からTの分類不能の産業まで、20に分かれています。
アンケートでよく使われる業種の選択肢は、この大分類をもとに次のように並べます。
- 農業・林業・漁業
- 建設業
- 製造業
- 電気・ガス・水道
- 情報通信業(IT、通信、放送、出版など)
- 運輸業・郵便業
- 卸売業・小売業
- 金融業・保険業
- 不動産業・物品賃貸業
- 学術研究・専門・技術サービス業(士業、デザイン、コンサルなど)
- 宿泊業・飲食サービス業
- 生活関連サービス業・娯楽業(理容美容、旅行、冠婚葬祭など)
- 教育・学習支援業
- 医療・福祉
- 公務
- その他のサービス業
- その他
現行の分類の内容は、総務省の日本標準産業分類(令和5年7月告示)のページで、分類項目表と説明つきで確かめられます。
業種の質問で回答者が迷いやすいのは、勤め先が複数の事業をしている場合です。たとえば、家電を作って店でも売っている会社に勤める人は、製造業と小売業のどちらも当てはまると感じます。国の分類では、事業所の主な経済活動で業種を決める考え方がとられています。アンケートでも「勤め先の主な事業に最も近いもの」と質問文に書いておくと、回答がそろいます。派遣社員の場合は、派遣元と派遣先のどちらの業種を答えるのかも、質問文で決めておきます。働いている場所の業種を知りたいなら派遣先、と書いておけば迷いません。
選択肢が長くなるときの考え方
業種は種類が多く、全部並べると選択肢がとても長くなります。調査会社のコラムでは、業種は自由記述で聞いたほうがよい場合もあると指摘されています。
業種は多様で、仮に網羅的に選択肢を提示する場合にも、あまりにも長い選択肢となるのでウェブ上での画面を圧迫してしまいます。ですからアンケートにおけるデザイン的な観点からも自由記述で質問した場合の方がすっきりとした調査票となり、結果的にストレスなく回答者してもらうことができます。 出典: quest-research.co.jp
選択肢にするか自由記述にするかは、回答者数と集計の手間で決めます。回答が数百件以上あって業種別に比べたいなら、選択肢にしておかないと集計が大変です。回答が数十件で、どんな業界の人が来ているかを眺められれば十分なら、自由記述のほうが回答者の負担は軽くなります。
選択肢にする場合は、スマートフォンで答える人のために、ドロップダウン(一覧から選ぶ形)にすると画面を圧迫しません。調査の対象がある業界に偏っているなら、その業界だけ細かく分け、ほかは大きくまとめる方法も有効です。
学生・主婦・副業・退職者をどう扱うか
職業の選択肢で迷いやすいのが、働いていない人や、複数の働き方をしている人の扱いです。決めておかないと、集計のときに「この人はどこに入るのか」が人によって変わります。
学生は学校の種類で分けるか
学生向けの商品の調査では、「学生」を「高校生」「専門学校生」「大学生・大学院生」のように分けると役に立ちます。そうでなければ「学生」1つで十分です。働きながら学んでいる社会人学生は、どちらを選ぶか迷うので、「主な立場に最も近いもの」と質問文に書いておきます。
副業をしている人
会社員として働きながら、副業で自営業もしている人が増えています。働き方の質問を単一回答にすると、副業の情報は消えてしまいます。副業の有無が調査で大事なら、職業の質問とは別に「本業のほかに収入を得ている仕事はありますか」と1問加えるほうが、職業の質問を複数回答にするより集計しやすくなります。
職業の質問を複数回答にすると、1人が「会社員」と「自営業」の両方を選ぶため、合計が回答者数を超え、割合の読み方が難しくなります。基本属性の職業は単一回答にし、選ぶ基準を書いておくのが原則です。
退職者と求職中の人
「無職」には、退職して年金で暮らしている人と、仕事を探している人が含まれます。この2つは生活の状況がかなり違うので、調査によっては「退職された方」と「求職中の方」に分けます。年代と組み合わせれば区別できることも多いので、選択肢の数との兼ね合いで決めます。
職業と一緒に聞くことが多い基本属性の選択肢
職業を聞くアンケートでは、年齢や性別、住んでいる地域も一緒に聞くことがほとんどです。職業の選択肢と同じ考え方で、ほかの基本属性も作っておくと、調査票全体の聞き方がそろいます。
年齢は区分で聞くか、数字で聞くか
年齢は「20代」「30代」のように区分で選んでもらう方法と、数字を直接入れてもらう方法があります。区分で聞くと答えやすく、集計も簡単です。数字で聞くと、後から好きな区分でまとめ直せますが、入力の手間がかかり、答えたくない人も増えます。一般消費者向けのアンケートでは、10歳刻みの区分で聞き、「19歳以下」と「70歳以上」で両端をまとめる形がよく使われます。
区分の境目は重ならないように作ります。「20〜30歳」「30〜40歳」のように境目の数字が2つの区分に入っていると、30歳の人はどちらを選べばよいか迷います。「20〜29歳」「30〜39歳」のように書けば迷いません。
地域は目的に合わせて細かさを決める
住んでいる地域は、都道府県で聞くのが基本です。都道府県の一覧は47個あるので、プルダウンの形にします。店舗の商圏を知りたい調査なら、市区町村や郵便番号の上3桁まで聞くこともありますが、細かく聞くほど個人を特定しやすくなるので、必要な範囲にとどめます。
性別の選択肢
性別を聞く場合は、「男性」「女性」に加えて「その他」「答えたくない」を設ける形が広がっています。調査の目的に性別が関係ないなら、聞かないという選択もあります。聞く項目が1つ減るだけで、回答者の負担は軽くなります。
企業向けの調査で役職や会社の規模を聞くとき
取引先や法人の顧客に向けたアンケートでは、職業の代わりに、役職や部署、会社の従業員数を聞くことがあります。誰が意思決定をしているのか、どの規模の会社に使われているのかを知るためです。
役職の選択肢は、「経営者・役員」「部長クラス」「課長クラス」「係長・主任クラス」「一般社員」「その他」のように、上から順に並べるのが一般的です。会社によって役職の名前は違うので、「クラス」と書いて幅を持たせます。部署は「経営企画」「営業」「マーケティング」「人事・総務」「経理・財務」「情報システム」「製造・技術」「その他」のように、商品に関係する部署を中心に並べます。
従業員数は、「1〜9人」「10〜49人」「50〜99人」「100〜299人」「300〜999人」「1,000人以上」のように区分で聞きます。数字の区分は、調査の目的に合わせて決めます。中小企業と大企業で使い方が違うかを知りたいなら、中小企業の範囲が分かる区分にしておきます。中小企業の範囲は業種によって違い、中小企業基本法で資本金と従業員数の基準が業種ごとに決められています。
法人向けのアンケートでも、業種は先に説明した日本標準産業分類をもとに選択肢を作れます。役職、部署、従業員数、業種の4つを全部聞くと負担が大きいので、目的に必要なものを2つ程度に絞ります。
「その他」の作り方と、自由記述の受け方
どれだけ丁寧に選択肢を作っても、当てはまらない人は必ず出てきます。そのために「その他」を最後に設けます。「その他」の作り方には、いくつかのこつがあります。
まず、「その他」には自由記述の欄を付けます。「その他(具体的に: )」の形にしておけば、集計のときに中身を読んで、既存の選択肢に振り分け直せます。たとえば「その他:看護師」と書いた人は、専門職に入れ直せます。
次に、「その他」の割合を確かめます。集計して「その他」が全体の1割を超えていたら、選択肢の作り方に問題があるサインです。「その他」の自由記述を読んで、多かったものを次回から新しい選択肢として立てます。
最後に、「答えたくない」の選択肢を設けるかどうかを決めます。職業は、人によっては答えたくない情報です。必須の質問にして「答えたくない」を設けないと、適当な選択肢を選ばれたり、そこでアンケートをやめられたりします。必須にするなら「答えたくない」を設け、そうでなければ任意の質問にします。
職業の選択肢でよくある失敗
職業の質問で起きる失敗は、だいたい決まっています。次の5つを作る前に確かめておくと、集計で困ることが減ります。
切り口が混ざっている
先に説明したとおり、「会社員」と「医療関係」を同じ選択肢に並べるのが典型的な失敗です。選択肢を書き出したら、それぞれが働き方、職種、業種のどれに当たるかを横に書いてみます。2種類以上が混ざっていたら、質問を分けるか、どちらかの切り口にそろえます。
選択肢が重なっている
「事務職」と「経理」、「サービス業」と「飲食業」のように、片方がもう片方に含まれる選択肢を並べると、回答者はどちらを選ぶか迷います。国の分類を土台にすると、こうした重なりが起きにくくなります。
前回の調査と選択肢が違う
毎年行うアンケートで職業の選択肢を変えると、前回と比べられなくなります。選択肢を変えるときは、前回の選択肢にまとめ直せるように、細かくする方向で変えるのが安全です。
並び順で答えが偏る
選択肢の並び順も回答に影響します。上のほうにある選択肢は選ばれやすい傾向があるとされます。働き方なら、多くの人が当てはまる会社員から並べ、最後に「その他」を並べる形が自然です。職種や業種は、国の分類の順に並べると、回答者が自分の仕事を探しやすくなります。
年収や勤め先の名前まで聞いてしまう
職業と一緒に、年収や勤め先の会社名を聞きたくなることがあります。しかし、こうした情報は答えたくない人が多く、途中でやめる原因になります。どうしても必要な場合以外は聞かず、聞くときは範囲で選べる形にし、任意の質問にします。
フォームで職業の質問を作るときの設定と、回答後の管理
職業の選択肢が決まったら、フォームに入れます。GoogleフォームやMicrosoft Formsなど、多くのフォームの道具で、次の設定がそのまま使えます。
- 働き方の質問は「ラジオボタン」(1つだけ選ぶ形)にする
- 選択肢が10を超える業種の質問は「プルダウン」にして画面を短くする
- 「その他」を選んだ人にだけ、自由記述の欄を出す
- 職業の質問は、本題の質問のあと、アンケートの最後のほうで聞く
職業のような基本属性を最初に聞くと、回答者が警戒して先へ進まなくなることがあります。本題に答えてもらってから最後に聞くほうが、途中でやめる人が減ります。ただし、対象外の人を最初に外したい場合は、例外的に最初に聞きます。
個人の情報を集めるときは、何のために使うのかをフォームの冒頭か送信ボタンの近くに書いておきます。個人情報の扱いの基本は、個人情報保護委員会のページで確かめられます。必要のない項目は集めない、というのが原則です。
職業別に回答を振り分けて対応したいとき
職業の質問は、集計だけでなく、回答のあとの対応を分けるためにも使われます。たとえば、法人向けのサービスの問い合わせで、職種によって担当の部署を変えたい、業種ごとに案内する資料を変えたい、という場面です。回答をスプレッドシートに書き出し、職業の列を見ながら手で担当を割り振り、返信はメールソフトから送る、という運用は、件数が増えるとどうしても漏れが出ます。
こうした場面で選択肢になるのがHalictです。公式サイトによると、Halictは選択肢やテキストなど12種類の項目でフォームを作れ、届いた回答1件ごとに担当と状況を記録して、回答者への返信も同じ画面から送れます。回答者には1画面に1問ずつ表示する形も選べ、作りたいフォームを言葉で伝えるとAIが質問と選択肢の下書きを組み立てます。集まった回答はCSVに書き出して集計にも使えます。料金は使う人数で決まり、1人で使うフリープランは0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と案内されています。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
公開の前に、数人に試しに答えてもらう
職業の選択肢は、作った本人には分かりやすく見えても、回答者には迷う部分が残っていることがよくあります。アンケートを公開する前に、立場の違う数人に試しに答えてもらうと、迷う選択肢が見つかります。
試してもらう相手は、会社員、パート、自営業、学生など、選択肢のできるだけ多くの区分から選びます。答えてもらったあと、次の3つを聞きます。
- 自分に当てはまる選択肢はすぐに見つかったか
- 2つ以上の選択肢で迷ったところはなかったか
- 答えたくないと感じた質問はなかったか
迷ったという声が出た選択肢は、括弧で例を添える、質問文に選ぶ基準を書く、選択肢を分けるなどして直します。答えたくないと感じた質問は、任意にするか、「答えたくない」を設けるか、本当に必要かを見直します。
試してもらう人数は5人前後でも、明らかな迷いどころはほぼ見つかります。数百人に配ってから選択肢の欠陥に気づくと、集め直しになり、回答者にも手間をかけます。最初の小さな確認が、いちばん費用のかからない品質管理です。
集計まで見すえた職業データの扱い方
職業の質問は、集計して初めて役に立ちます。作る段階から集計の形を思い浮かべておくと、使えるデータになります。
人数の少ない区分はまとめて集計する
選択肢を細かく作っても、集計のときに1つの区分が数人しかいないと、その区分の割合はほとんど意味を持ちません。1人の答えで割合が大きく動くからです。集計のときは、人数の少ない区分を近い区分とまとめます。たとえば「会社員(正社員)」と「会社員(契約社員・派遣社員)」を「会社員」にまとめ、「保安」「農林漁業」を「その他」にまとめます。
まとめ方は、集計を始める前に決めておきます。結果を見てから都合のよいまとめ方を選ぶと、数字の見え方を操作していることになりかねません。
職業と他の質問を掛け合わせる
職業を聞く目的の多くは、職業ごとの違いを見ることです。満足度や購入の理由を職業別に並べるクロス集計を作り、差が大きいところを探します。たとえば、自営業の人だけ価格への不満が多い、学生だけ使う時間帯が違う、といった発見が、改善の手がかりになります。
クロス集計の表には、必ず各区分の人数を添えます。割合だけを示すと、10人の区分と300人の区分の数字が同じ重みに見えてしまいます。
自由記述の職業を分類し直す
「その他」の自由記述や、業種を自由記述で聞いた回答は、集計の前に分類し直します。国の分類の大分類の一覧を手元に用意し、1件ずつ当てはめていきます。判断に迷うものは、分類のルールをメモしておき、同じ迷いが出たときに同じ判断をするようにします。複数人で作業する場合は、最初の数十件を全員で分類して判断をそろえてから、残りを分担すると、ぶれが小さくなります。
在宅の調査の仕事から見える、属性の質問の作り方
アンケートの設計や集計は、在宅で受ける仕事としても依頼があります。調査票の作成、フォームの設定、回答の入力と集計、報告書の下書きまでを、外部の人にまとめて頼む会社は少なくありません。職業のような基本属性の質問は、地味に見えて設計の腕が出る部分で、ここを丁寧に作れる人は依頼する側から重宝されます。
在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、調査の仕事で継続して頼まれる人は、依頼する側に「この結果で何を決めたいのですか」と最初に聞いています。目的を聞いたうえで、職業の切り口を働き方にするのか職種にするのかを提案できる人は、単なる作業の受け手ではなく相談相手として扱われます。仲介手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でこうした相談まで含めて頼みやすくなり、受ける側は手取りが厚くなります。小さく頼んで、うまくいったら範囲を広げる、という関係が生まれやすいのも直接の取引のよいところです。
調査の結果を営業や販売の戦略に生かす仕事に関心があるなら、営業職の働き方と収入の目安をその他の営業職業従事者の年収・単価相場で確かめられます。データの分析を生成AIで効率化する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、経営の相談に調査を生かしたい人に向けた国家資格は中小企業診断士で紹介しています。
職業の選択肢は、一度しっかり作れば、毎回の調査で使い回せます。まずは、次のアンケートで職業を聞く目的を1行で書き出すところから始めてみてください。
よくある質問
Q. アンケートの職業の選択肢はいくつくらいが適切ですか?
働き方で聞く場合は8〜10個程度が一般的です。会社員、公務員、自営業、パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生、無職、その他を基本に、調査の目的に合わせて会社員を正社員と契約・派遣に分けるなどして調整します。業種で聞く場合は15〜20個程度になるため、スマートフォンで答える人のためにプルダウンの形にすると画面を圧迫しません。
Q. 職業の質問は必須にしたほうがよいですか?
集計で職業別に比べることが調査の目的なら必須にしてもよいですが、その場合は「答えたくない」の選択肢を設けます。答えたくない人に無理に選ばせると、適当な選択肢を選ばれたり、途中で回答をやめられたりするためです。職業が参考程度の情報なら、任意の質問にしておくほうが回答者の負担は軽くなります。
Q. 副業をしている人はどの職業を選べばよいですか?
回答者が迷わないように、質問文に「主な収入を得ている仕事に最も近いもの」などの基準を書いておくのが一般的です。会社員として働きながら副業をしている人なら、会社員を選ぶことになります。副業の有無が調査で大切な場合は、職業の質問とは別に、本業のほかに収入を得ている仕事があるかを1問加えると集計しやすくなります。
Q. 国の分類をそのまま選択肢に使ってもよいですか?
分類の考え方を土台にするのは有効ですが、名前はそのままだと伝わりにくいものがあります。たとえば生産工程従事者は「製造・生産の仕事」のように日常の言葉に言い換え、括弧の中に具体的な職業名を添えると選びやすくなります。調査の対象に少ない分類は、その他にまとめても構いません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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