アンケートの自由記述欄の作り方と、答えやすい問いかけの書き方


この記事のポイント
- ✓アンケートの自由記述欄の作り方を
- ✓入れるべき場面の見極め
- ✓GoogleフォームとMicrosoft Formsでの設定
アンケートの最後にある「ご意見・ご感想をご自由にお書きください」。この欄に、空欄か「特になし」しか集まらなかった経験はないでしょうか。せっかく自由記述欄を作っても、問いかけが広すぎると、回答者は何を書けばいいのか分からず、手が止まります。
自由記述欄は、選択肢では拾えない理由や要望、思いもよらない気づきを集められる、アンケートの中でも特に価値のある欄です。ただし、その価値を引き出せるかどうかは、問いかけの書き方と、入れる位置と、集めたあとの整理のしかたで決まります。
この記事では、アンケートの自由記述欄の作り方を、入れるべき場面の見極めから、GoogleフォームとMicrosoft Formsでの設定、答えやすい問いかけの書き方と文例、集まった回答を分類して数える手順まで、順に説明します。自由記述に要望や相談が書かれ、1件ずつ返事が必要になる場面では、受付から返信までを1つの画面で扱えるHalictにも触れます。
自由記述欄とは何か、選択式との違い
自由記述欄とは、回答者が選択肢から選ぶのではなく、自分の言葉で文章を書いて答える欄のことです。調査の分野では、自由回答やオープンアンサーとも呼ばれます。
選択式の質問は、作る側が用意した答えの中から選んでもらう形式です。集計がしやすく、多くの人の傾向を数字でつかめます。一方で、作る側が思いつかなかった答えは拾えません。「満足しなかった理由」を選択肢で聞くと、用意した理由以外の本当の理由は見えないままです。
自由記述欄は、その穴を埋める役割を持っています。主な役割は次の3つです。
- 選択式で答えた理由を知る(なぜその評価なのか)
- 作る側が想定していなかった意見や不満を見つける
- 回答者の言葉そのものを集める(商品の説明やサービスの改善に、利用者の言葉を生かせる)
反対に、自由記述欄には弱点もあります。答える負担が大きく、空欄や短い回答が増えがちなこと。集計に手間がかかること。書く人と書かない人の差が大きく、声の大きい少数の意見に引っ張られやすいこと。この弱点を知ったうえで、入れる場面と数を決めることが大切です。
自由記述欄を入れるべき場面と、入れないほうがよい場面
自由記述欄は、どのアンケートにも入れればよいものではありません。
入れるべき場面
- 選択式の評価が低かった人に、その理由を聞きたいとき
- 新しい企画や改善のヒントを集めたいとき
- 回答者が少なく、1人ひとりの声を丁寧に読めるとき(研修の参加者、少人数のお客様など)
- 退会や解約、キャンセルの理由のように、選択肢を用意しきれないことを聞くとき
- お客様の声として、紹介文や事例に生かしたいとき
入れないほうがよい場面
- 数千人規模の調査で、読む時間も整理する人手もないとき
- 選択式で十分に答えが分かれていて、理由を知っても判断が変わらないとき
- 答えにくい内容(健康や収入など)を、文章で書かせることになるとき
入れないほうがよい場面でも、どうしても声を拾いたいなら「その他」の選択肢に短い記入欄を付ける方法があります。全員に文章を求めず、当てはまる人だけが書ける形にできます。
GoogleフォームとMicrosoft Formsでの作り方
ここからは、自由記述欄を実際に作る手順を、道具ごとに説明します。
Googleフォームの場合:記述式と段落を使い分ける
Googleフォームでは、自由記述欄に使える質問の形式が2つあります。公式ヘルプのフォームの質問の形式を選択するには、次のように書かれています。
自由回答形式の質問を作成できます。回答者は長い回答を段落構成で書くことができます。 最大文字数や最小文字数などのルールを設定できます。 出典: support.google.com
これは「段落」の説明です。もう1つの「記述式」は、簡単な回答を1行で書いてもらう形式です。使い分けの目安は次のとおりです。
| 形式 | 入力欄の形 | 向いている質問 |
|---|---|---|
| 記述式 | 1行 | 「その他」の具体的な内容、部署名、ひと言の感想 |
| 段落 | 複数行 | 理由、要望、改善してほしい点、体験の詳しい説明 |
理由や要望を聞くなら「段落」を選びます。入力欄が広く表示されるので、回答者は「何行か書いてよい」と受け取ります。反対に、1行の欄で理由を聞くと、短い答えしか返ってきません。
作る手順は、右側の追加アイコンで質問を作り、質問のタイトルの右側で形式を「段落」に変えるだけです。説明を加えたいときは、その他のアイコンから[説明]を選ぶと、質問の下に補足の文を書けます。
文字数の制限は慎重に使う
「段落」では、最大文字数や最小文字数のルールを設定できます。最小文字数を設定すると、短すぎる回答を防げますが、書くことがない人まで無理に文章をひねり出すことになり、質の低い回答が混ざります。最小文字数は、応募の動機のように一定の分量がどうしても必要な場合に限って使い、感想や要望の欄には設定しないのが無難です。
Microsoft Formsの場合:文字列の質問を使う
Microsoft Formsでは、[新規追加]で質問の種類に「文字列」を選ぶと、回答者が自分の言葉で答える欄になります。理由や要望を聞くときは、問いかけの文で「2〜3行で」のように書く量の目安を示しておくと、回答者は短すぎず長すぎない文章を書きやすくなります。作り方の全体はMicrosoft Forms を使用してフォームを作成するの公式ヘルプにあります。同じヘルプによると、フォームのタイトルは90文字まで、説明文は1,000文字まで設定できます。
必須にするかどうか
自由記述欄は、原則として必須にしません。必須にすると、書くことがない人が「なし」「特にない」と書くか、アンケート自体を閉じてしまいます。必須にしてよいのは、応募フォームの志望動機のように、その回答がないと先に進めない場合だけです。
答えやすい問いかけの書き方
自由記述欄の回答の質は、問いかけの書き方でほぼ決まります。ここでは、回答者が書きやすくなる書き方を6つ紹介します。
1. 聞く範囲を狭くする
「ご意見・ご感想をご自由にお書きください」は、範囲が広すぎて何を書けばいいのか分かりません。「本日のセミナーで、もっと詳しく聞きたかった内容を教えてください」のように、聞く範囲を1つに絞ると、回答者は具体的な場面を思い出して書けます。
2. 場面や時期を示す
「使いにくいところはありますか」より、「初めて申し込むときに、迷ったところや分かりにくかったところはありましたか」のほうが、回答者は具体的な体験を思い出せます。いつの、どの場面の話かを問いかけに入れます。
3. 1つの欄で聞くことは1つにする
「良かった点と改善してほしい点をお書きください」と1つの欄で聞くと、片方だけが書かれたり、どちらの話か分からない回答が混ざったりします。良かった点と改善してほしい点は、別々の欄に分けます。
4. 選択式の直後に理由を聞く
自由記述欄の回答がいちばん具体的になるのは、選択式で評価をした直後です。「満足度を5段階で選んでください」のすぐ後に「そう評価した理由を教えてください」と続けると、回答者はさきほどの判断を思い出しながら書けます。アンケートの最後にまとめて「ご意見を」と聞くより、具体的な答えが集まります。
5. 書き方の例を添える
問いかけの下の説明欄に、短い例を書いておくと、回答者は書く分量と方向をつかめます。たとえば「例:資料の文字が小さく、後ろの席から読みにくかった」のように書きます。ただし、例が具体的すぎると、例と同じ内容の回答ばかりになることがあるので、例は1つにとどめます。
6. 否定や評価を前置きしない
「改善すべき点はありませんでしたか」と否定の形で聞くと、「ありませんでした」と答えやすくなり、意見が出にくくなります。「改善してほしい点があれば教えてください」と、書いてもよいという前提で聞きます。また、「ご好評いただいている」のような評価の言葉を前置きにすると、不満が書きにくくなります。
目的別の問いかけの文例
よく使う場面ごとに、問いかけの文例を整理します。そのまま使うのではなく、自分のアンケートの目的に合わせて言葉を調整してください。
| 目的 | 広すぎる問いかけ | 答えやすい問いかけ |
|---|---|---|
| 研修の改善 | 研修の感想をお書きください | 本日の研修で、実務ですぐ使えそうだと感じた内容を1つ教えてください |
| 商品の改善 | ご意見をお聞かせください | この商品を使っていて、不便に感じた場面があれば教えてください |
| イベントの次回の企画 | ご要望をお書きください | 次回のイベントで取り上げてほしいテーマがあれば教えてください |
| 社内の業務の見直し | 業務についてご意見を | この1か月で、手間がかかりすぎると感じた作業があれば教えてください |
| 解約の理由 | 解約の理由を教えてください | 解約を決めたきっかけになった出来事があれば教えてください |
| お客様の声の収集 | ご感想をお願いします | 利用する前と比べて、変わったことがあれば教えてください |
どの文例にも共通するのは、「どの場面の」「何を」書けばいいのかが問いかけの中に入っていることです。回答者が問いかけを読んだ瞬間に、書く内容を1つ思い浮かべられるかどうかを確かめます。
「何か」「ございましたら」を多用しない
「何かございましたらご自由にお書きください」は丁寧ですが、回答者に考える手間を全部渡してしまいます。丁寧な言葉づかいは保ちつつ、聞く範囲は狭く書きます。
自由記述欄を入れる位置と数
数は1〜2問が目安
1つのアンケートに入れる自由記述欄は、1〜2問が目安です。3問を超えると、後半の欄ほど空欄や短い回答が増えます。どうしても多くの声を集めたいなら、選択式の評価が低かった人にだけ理由を聞く形にすると、全員の負担を増やさずに済みます。
評価の直後、または最後
自由記述欄を入れる位置は、2つのパターンがあります。
- 選択式の評価の直後:評価の理由を聞く欄。具体的な回答が集まりやすい
- アンケートの最後:全体を通しての要望や、言い残したことを聞く欄
アンケートの冒頭に自由記述欄を入れるのは避けます。最初から文章を求められると、回答者は負担を感じて閉じてしまいます。
回答に応じて表示を分ける
Googleフォームでは、選択式やプルダウンの質問で、回答に応じて次に表示するセクションを変えられます。たとえば満足度で「やや不満」「とても不満」を選んだ人だけに、理由を聞くセクションを表示する、といった作り方ができます。満足している人には余計な質問を出さず、不満のある人の声を丁寧に聞けます。
回答の質を上げる小さな工夫
使い道を書く
「いただいた声は、次回の資料の作り直しに使います」のように、自由記述の使い道を書いておくと、回答者は「書けば反映される」と感じて、具体的に書いてくれます。
匿名かどうかをはっきりさせる
社内のアンケートや、サービスへの不満を聞くアンケートでは、匿名かどうかで書かれる内容が大きく変わります。匿名で答えられるなら、そう明記します。反対に、返事をするために連絡先が必要なら、「返事を希望する方は連絡先をご記入ください」と、連絡先の欄を任意にして分けます。
書く量の目安を示す
「1〜2行で構いません」と書いておくと、長い文章を書かなければならないという負担感が減ります。短い回答でも、具体的であれば十分に役立ちます。
集まった自由記述を整理して数える手順
自由記述は、集めたあとの整理に時間がかかります。ここでは、表計算ソフトを使って整理する基本の手順を説明します。回答を読んで内容ごとに分類の印を付けていく方法は、調査の分野でアフターコーディングと呼ばれています。
手順1:回答を表計算ソフトに並べる
Googleフォームなら、回答をスプレッドシートに保存するか、CSV形式で書き出します。Microsoft Formsなら、Excelに書き出します。1行に1人の回答が並んだ状態にします。
手順2:全体を一度読む
分類を決める前に、回答を一通り読みます。30件程度なら全部、数百件あるなら無作為に50件ほど読みます。読みながら、よく出てくる話題を書き出します。
手順3:分類の項目を決める
書き出した話題を、5〜10個程度の分類にまとめます。たとえばセミナーの要望なら「時間の長さ」「資料」「録画」「質疑応答」「難易度」「その他」のように決めます。どの分類にも入らない回答のために「その他」を必ず用意します。
手順4:回答ごとに分類を付ける
回答の右側に列を加え、1件ずつ分類を書き込みます。1つの回答に2つの話題が書かれていることも多いので、列を2つか3つ用意しておくと、取りこぼしがありません。複数の人で分担するときは、同じ10件を全員で分類してみて、判断がそろっているかを確かめてから進めます。
手順5:分類ごとに数える
分類を書き込んだら、分類ごとの件数を数えます。Googleスプレッドシートでは、COUNTIF関数で件数を数えられます。公式ヘルプのCOUNTIFによると、条件には「?」(1文字)や「*」(0文字以上の文字の並び)のワイルドカードを使えます。分類の列ではなく、回答の文そのものから「録画」という言葉を含む件数を数えたいときは、条件を「録画」と書きます。
ただし、言葉で数える方法は、「録画」と書かずに「あとで見直したい」と書いた人を拾えません。おおまかな傾向をつかむのには便利ですが、最終的な件数は、人が読んで付けた分類で数えるのが確実です。
手順6:件数と代表的な声を並べて報告する
報告では、分類ごとの件数と、それぞれの代表的な回答を2〜3件ずつ並べます。件数だけでは中身が伝わらず、声だけでは重みが分かりません。両方を並べると、読む人が判断しやすくなります。
具体例:セミナーの事後アンケートを整理する
40人が参加したセミナーで、「次回のセミナーで改善してほしい点があれば教えてください」という段落の質問に、25件の回答が集まったとします。
分類の結果
| 分類 | 件数 | 代表的な声 |
|---|---|---|
| 録画の提供 | 8件 | 「聞き逃したところを見直したい」 |
| 時間の長さ | 6件 | 「90分は長く、後半は集中が切れた」 |
| 質疑応答 | 5件 | 「質問の時間がもう少し欲しかった」 |
| 資料 | 4件 | 「事前に資料をもらえると予習できる」 |
| その他 | 4件 | 「開始時刻を30分遅くしてほしい」など |
1件に2つの話題が書かれた回答があるため、件数の合計は回答数の25件を超えています。
結果から決めること
録画の提供を求める声が最も多いため、次回は録画を参加者に共有することを検討します。時間の長さと質疑応答の声を合わせて読むと、「講義を短くして、質問の時間を増やしてほしい」という一つの要望として整理できます。このように、分類を並べたあとに、関連する分類を合わせて読むと、改善の方向がはっきりします。
具体例:社内の業務の見直しアンケートで自由記述を使う
もう1つ、社内のアンケートの例を挙げます。総務の担当者が、社員20人の小さな会社で、日々の事務作業の負担を減らすためにアンケートを取る場面です。
問いかけの設計
最初の案は「業務についてのご意見をお書きください」でした。これでは範囲が広すぎるため、次の2問に分けました。
- この1か月で、手間がかかりすぎると感じた作業があれば教えてください(段落・任意)
- その作業に、1週間あたりおよそ何時間かかっていますか(選択式:1時間未満、1〜3時間、3時間以上)
自由記述で作業の名前を、選択式でかかっている時間を聞くことで、「どの作業の負担が大きいか」を件数と時間の両方から判断できます。
匿名と使い道の書き方
説明欄には「回答は匿名で集計し、作業の見直しの優先順位を決めるためにだけ使います。個人の評価には使いません」と書きました。社内のアンケートでは、不満を書くと評価に響くのではないかという心配が、回答をためらわせます。使い道を限定して書くことで、正直な回答が集まりやすくなります。
整理した結果
集まった14件を分類すると、「経費の精算」が5件、「会議の日程調整」が4件、「請求書の発行」が3件、その他が2件でした。経費の精算は、1週間あたり3時間以上かかっていると答えた人が多く、最初に見直す作業として決まりました。自由記述と選択式を組み合わせたことで、件数の多さだけでなく、負担の重さも判断の材料にできた例です。
自由記述欄で起きやすい失敗と直し方
ここまでの内容を踏まえて、実際のアンケートでよく見かける失敗を5つ挙げます。公開の前に、自分のアンケートに当てはまるものがないかを見直してください。
失敗1:最後の欄が「その他ご意見」だけになっている
選択式の質問をたくさん並べ、最後に「その他ご意見があればお書きください」とだけ書く作りは、もっともよく見かける形です。この欄には、空欄か「特になし」が集まりがちです。直し方は、問いかけを1つの場面に絞ることです。「本日いちばん役に立った内容」「次回取り上げてほしいテーマ」のように、具体的な問いに書き換えます。
失敗2:理由を聞く欄が評価から離れている
満足度の質問をアンケートの前半に入れ、その理由を聞く欄を最後に入れると、回答者はどの質問の理由を書けばいいのか迷います。理由を聞く欄は、評価の質問のすぐ後に続けます。
失敗3:1行の欄で長い文章を求めている
Googleフォームで「記述式」を使ったまま「改善してほしい点を詳しく教えてください」と聞くと、入力欄が1行しかないため、回答者は短く書くものだと受け取ります。詳しく書いてほしい質問は「段落」に変えます。
失敗4:作る側の言葉で問いかけている
「UIについてのご意見」「導線の分かりにくさ」のような作る側の言葉は、回答者には伝わりません。「画面のボタンの位置で迷ったところ」「申し込みの手順で分かりにくかったところ」のように、回答者が体験した場面の言葉に置き換えます。
失敗5:読む人と時間を決めていない
自由記述欄を入れたのに、誰がいつ読むのかを決めていないと、回答は集計表の端に残ったまま放置されます。数百件を集めても、読まれなければ集めなかったのと同じです。アンケートを作る段階で、読む担当者と、読み終える期限を決めておきます。
生成AIで自由記述を整理するときの手順と注意
回答が数百件を超えると、人の目だけで分類するのは大変です。最近は、生成AIに分類の下書きを作らせる使い方が増えています。ただし、AIに任せきりにすると、分類の基準がぶれたり、少数の重要な声が埋もれたりします。
手順1:分類の項目は人が決める
まず、人が50件ほど読んで、分類の項目を決めます。AIに「自由に分類して」と頼むと、実行するたびに項目が変わり、前回の結果と比べられなくなります。項目を決めたうえで、「次の6つの分類のどれに当てはまるか、1件ずつ答えてください」と頼むと、結果がそろいます。
手順2:個人を特定できる情報を外してから渡す
回答に名前や連絡先、職場の人の名前が含まれる場合は、AIに渡す前に伏せます。会社によっては、外部のAIサービスに社内のデータを入力することを規程で制限しているので、使う前に社内の決まりを確かめます。
手順3:結果の一部を人が確かめる
AIが付けた分類のうち、20件ほどを人が読み直して、判断が妥当かを確かめます。ずれが多い分類があれば、その分類の説明を詳しく書き直して、もう一度頼みます。
手順4:「その他」は人が全部読む
AIが「その他」に分けた回答には、想定していなかった大事な声が含まれていることがあります。「その他」に入った回答は、件数が少なくても人が全部読みます。安全や法令に関わる指摘が混ざっていないかも、ここで確かめます。
自由記述の結果を報告書にする書き方
自由記述の整理が終わったら、関係者に伝える報告書にまとめます。読む人が短い時間で判断できるよう、次の順番で書きます。
1. 何件の回答から、何が分かったか
最初に、回答の件数と、分かったことを2〜3行で書きます。「25件の回答のうち8件が録画の提供を求めていた。次回は録画の共有を検討する」のように、件数と結論を並べます。
2. 分類ごとの件数の表
分類ごとの件数を、多い順に表で並べます。件数を棒グラフにすると、ひと目で差が分かります。1件に複数の話題がある場合は、件数の合計が回答数を超えることを注記しておきます。
3. 代表的な声
分類ごとに、代表的な回答を2〜3件ずつ引用します。引用するときは、個人が特定できる部分を伏せ、文の意味を変えない範囲で誤字を直します。言葉づかいを作る側で整えすぎると、回答者の温度が伝わらなくなるので、手を入れるのは最小限にします。
4. 次に取る行動
最後に、結果を受けて何をするかを書きます。「録画の共有は次回から実施」「講義の時間の見直しは、次回のアンケートで再確認」のように、決めたことと、まだ決めていないことを分けて書きます。次回のアンケートで、この行動の結果を確かめる問いかけを入れておくと、改善の効果まで追えます。
自由記述に要望や相談が書かれたときの対応
自由記述欄には、集計の対象になる意見だけでなく、個別に返事が必要な内容が書かれることがあります。「申し込んだのに確認のメールが届かない」「次回は個別に相談したい」「資料を送ってほしい」。こうした回答は、数えて終わりにはできません。
フォームの道具だけで回していると、回答をスプレッドシートで読み、返事が必要なものに印を付け、メールソフトから返事を送り、送ったかどうかを表に書き込む、という作業になります。担当者が1人のうちは回りますが、複数になると、同じ人に二重に返事をしたり、誰も返事をしていない回答が残ったりします。書いた要望に返事がないと、回答者は次のアンケートに答えてくれなくなります。
受付から返信までを1つの画面で扱える選択肢
こうした場面で選択肢になるのが、フォームの道具のHalictです。公式サイトによると、フォームで届いた回答1件ごとに担当者とステージ(未対応・対応中など)を割り当てて管理でき、回答者への返信も同じ画面から送れます。タグを自由に付けて絞り込めるので、自由記述の内容ごとに「録画の要望」「資料の送付」などのタグを付ければ、分類と対応の管理を同じ画面で進められます。メモやメールの送信は、対応の履歴として時系列で残ります。
料金は、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と公式の料金ページに書かれています。回答はCSVで書き出せるので、表計算ソフトでの集計とも併用できます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Halictの公式サイトでも、集計を見るだけで終わる用途や、回答者へ個別に返信する必要がない用途ならGoogleフォームで足りると案内されています。自由記述を数えて報告するだけのアンケートなのか、書かれた内容に1件ずつ対応するアンケートなのかで、道具を選ぶのが確実です。
自由記述の内容を扱うときの注意
個人を特定できる内容が書かれることがある
自由記述欄には、作る側が求めていなくても、名前や連絡先、職場の人の名前、健康の事情などが書かれることがあります。報告資料に回答をそのまま引用するときは、個人が特定できる部分を伏せます。
回答をそのまま公開しない
お客様の声として回答を紹介したい場合は、アンケートの説明に「いただいた声を、個人が特定されない形でサイトに掲載することがあります」と書き、同意を得ておきます。書いた人の許可なく、文章をそのまま公開するのは避けます。
少数の強い意見に引っ張られない
自由記述は、強い不満を持つ人ほど長く書きます。長くて熱のこもった回答は目を引きますが、件数で見れば少数のこともあります。分類して数えたうえで判断する、という手順を守ると、少数の声に引っ張られすぎずに済みます。ただし、少数でも安全や法令に関わる指摘は、件数にかかわらず優先して確かめます。
自由記述を読み解く力を仕事に生かす
自由記述の問いかけを設計し、集まった声を分類して改善につなげる力は、商品企画、カスタマーサポート、人事、教育など、多くの仕事で求められています。
業務の改善や生成AIの活用を支援する仕事
最近は、大量の自由記述を生成AIで分類する取り組みも増えています。ただし、AIに分類させる場合も、分類の項目を決め、結果が妥当かを人が確かめる工程は欠かせません。こうした業務の改善や生成AIの活用を支援する仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
調査と分析を専門にする仕事
調査の設計と分析を専門にする仕事の年収と単価の相場は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。中小企業の経営の支援で、顧客の声の調査から改善策を提案する立場を目指すなら、中小企業診断士のページで試験の内容と活かし方を整理しています。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、アンケートの集計を外部に任せる依頼では、数字の集計よりも自由記述の整理で差がつきます。回答を分類し、件数と代表的な声を並べ、「次に何を変えるべきか」まで書き添えられる人には、次の調査も続けて声がかかります。
また、中間の手数料が乗らない直接のやり取りでは、同じ予算で依頼する側は分類の見直しや報告書の作成まで頼みやすくなり、受ける側は手取りが厚くなります。小さな集計作業から始まった関係が、調査の設計全体の相談に広がっていくのは、こうした双方が得をする取引が続いたときです。
自由記述欄は、問いかけを1つ絞るだけで、集まる声が見違えるほど具体的になります。聞く範囲を狭く、場面を示し、評価の直後に理由を聞く。この3つから試してみてください。
よくある質問
Q. アンケートの自由記述欄は必須にしたほうがよいですか?
原則として必須にしません。必須にすると、書くことがない人が「特になし」と書くか、アンケートを閉じてしまいます。必須にしてよいのは、応募フォームの志望動機のように、その回答がないと手続きが進まない場合だけです。感想や要望の欄は任意にします。
Q. 自由記述欄はいくつまで入れてよいですか?
1つのアンケートに1〜2問が目安です。3問を超えると、後半の欄ほど空欄や短い回答が増えます。多くの声を集めたい場合は、満足度が低かった人だけに理由を聞くなど、回答に応じて表示を分けると、全員の負担を増やさずに済みます。
Q. 「ご自由にお書きください」で回答が集まらないのはなぜですか?
聞く範囲が広すぎて、回答者が何を書けばいいのか思い浮かべられないためです。「本日の研修で、実務ですぐ使えそうだと感じた内容を1つ教えてください」のように、場面と内容を1つに絞ると、具体的な回答が集まりやすくなります。
Q. 集まった自由記述はどうやって集計すればよいですか?
回答を表計算ソフトに並べて一通り読み、よく出る話題から5〜10個の分類を決めて、1件ずつ分類を付けて数えます。1つの回答に複数の話題があるときは分類の列を2〜3つ用意します。報告では件数と代表的な声を並べると伝わりやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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