紙のアンケートを無料のアプリで集計する方法と、次回からWebに移す手順

@SOHO編集部
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紙のアンケートを無料のアプリで集計する方法と、次回からWebに移す手順

この記事のポイント

  • ✓紙のアンケートを無料のアプリで集計する方法を
  • ✓Googleフォームに手入力して自動で集計する方法
  • ✓スプレッドシートの関数

イベントや研修の会場で配った紙のアンケートが、机の上に束になって残っている。無料のアプリで集計できないかと探しているなら、まず知っておきたいのは、紙の集計で一番時間がかかるのは「数えること」ではなく「打ち込むこと」だという点です。打ち込んだあとの集計やグラフ作りは、無料のアプリがほぼ自動でやってくれます。

この記事では、手元にある紙のアンケートを無料で集計する方法を3つ紹介します。Googleフォームに回答を手で入力して自動で集計する方法、スプレッドシートに打ち込んで関数で数える方法、GoogleドライブのOCRで文字を読み取る方法です。回答用紙に含まれる個人情報の扱い方と、次回からWebのフォームに移す手順も扱います。次回以降、届いた回答への対応まで管理したい場合は、Halictのようなフォームの道具を使う方法もあるので、後半で紹介します。

紙のアンケートの集計が今も多い理由

アンケートはWebで取るのが当たり前になりましたが、紙のアンケートは今も多くの現場で使われています。理由は大きく3つあります。

1つ目は、回答する人の事情です。高齢の方が多い地域の説明会や、介護施設の家族向けアンケート、病院の待合室での満足度調査などでは、スマートフォンでQRコードを読み取ってもらうより、紙とペンの方が確実に回答が集まります。

2つ目は、その場で回収できることです。研修やセミナーの最後に「この場で書いて置いていってください」とお願いすれば、回収率は高くなります。Webのアンケートを後日送ると、どうしても回答が減ります。

3つ目は、通信環境です。屋外のイベントや電波の弱い会場では、Webのフォームが開けないことがあります。紙ならその心配がありません。

一方で、紙のアンケートには集計の負担という大きな弱点があります。100枚の回答を1枚ずつめくり、選択肢ごとに正の字を書いて数え、自由記述を書き写す作業は、数時間から半日かかることも珍しくありません。数え間違いや書き写しの誤りも起こります。この負担を、無料の道具でどこまで減らせるかが、この記事のテーマです。

アンケートのツールを解説している記事でも、ツールの利点は作成から集計までの効率化にあると説明されています。

アンケートツールを活用すれば、これまで手間がかかっていたアンケートの作成から集計までを効率化できます。多くの高機能なツールが基本料金無料で利用できるため、まずは無料プランから試してみて、操作性や機能性を体感するのがよいでしょう。 出典: form.run

ただし、ここで言うツールの多くは、最初からWebで回答してもらう前提のものです。すでに手元にある紙の回答を集計するには、少し工夫が要ります。

集計を始める前に用紙を整える

どの方法で集計するにしても、最初に回答用紙を整えておくと、その後の作業がずっと楽になります。

用紙に通し番号を振る

回答用紙の右上に、1から順に通し番号を書いていきます。たったこれだけですが、効果は大きいです。入力の途中で中断しても、どこまで入力したかがすぐに分かります。入力ミスに気づいたとき、元の用紙を探し出せます。集計のあとで「この回答は誰のものか」を確かめる必要が出たときにも役立ちます。

無効な回答を先に分ける

白紙の用紙、ほとんど答えていない用紙、明らかにいたずらの用紙は、最初に別の束に分けておきます。何を無効とするかは、集計の前に決めておきます。たとえば「選択式の質問の半分以上が空欄なら無効」のように基準を決めておけば、入力する人が迷わずに済みます。

読み取りにくい回答の扱いを決める

1つしか選べない質問に2つ丸が付いている、選択肢の間に丸が付いている、字が読めない、といった回答は必ず出てきます。こうした回答をどう扱うかを、入力を始める前に決めておきます。「2つ丸が付いていたら無回答として扱う」「読めない文字は【判読不能】と入力する」のように決めておけば、複数人で手分けしても入力の結果がそろいます。

個人情報が含まれる用紙を確かめる

氏名、住所、電話番号、メールアドレスを書いてもらう欄がある用紙は、個人情報を含む書類として扱います。入力の作業中も、机の上に出しっぱなしにしない、作業が終わったら鍵のかかる場所に保管する、といった基本を守ります。この点は後の節で詳しく扱います。

方法1 Googleフォームに手で入力して自動で集計する

無料で、しかも集計とグラフ作りまで自動で済ませたいなら、一番おすすめなのがこの方法です。紙のアンケートと同じ質問のGoogleフォームを作り、回答用紙を見ながら、担当者がフォームに1枚ずつ入力していきます。

一見遠回りに見えますが、利点がいくつもあります。Googleフォームは個人のGoogleアカウントがあれば無料で使えます。入力が終わった時点で、質問ごとの集計とグラフが自動でできあがっています。Googleの公式ヘルプによると、フォームを開いて上部の「回答」をクリックし、「概要」を選ぶと質問ごとの回答が表示されます。1件ずつ見たい場合は「個別」を選びます。

手順

  1. 紙のアンケートと同じ質問、同じ選択肢でGoogleフォームを作る
  2. 最初の質問に「用紙の番号」を入れる欄を追加する
  3. 選択肢に「無回答」を追加しておく
  4. 回答用紙を見ながら、1枚ずつフォームに入力して送信する
  5. 全部入力したら、フォームの「回答」の画面で集計とグラフを確かめる
  6. 必要ならスプレッドシートにつないで、表で確かめる

うまく進めるコツ

用紙の番号の欄を作っておくのが大事です。入力ミスに気づいたとき、スプレッドシートで番号を見れば、どの用紙の入力かがすぐ分かります。

選択式の質問は、紙の選択肢と同じ順番で並べます。紙では上から3番目の選択肢なのに、フォームでは2番目にある、という状態だと、入力の間違いが増えます。

複数人で手分けして入力するときは、フォームの回答者向けのリンクを全員で共有すれば、それぞれのパソコンやスマートフォンから同時に入力できます。100枚の回答を4人で分ければ、1人あたり25枚です。

入力を速くする小さな工夫

入力の作業を速くするには、フォームの側で迷う場面を減らすのが効果的です。紙の用紙の質問の文章をそのままフォームに写す必要はありません。入力する人が分かれば十分なので、「Q3 満足度」のように短い見出しにしておくと、画面を上下に動かす量が減ります。

入力の順番も工夫できます。用紙を10枚ずつの束に分け、1束を入力し終えたら、フォームの回答の数と束の枚数が合っているかを確かめます。合わなければ、その10枚の中だけを見直せばよいので、ミスを見つけるのが早くなります。入力し終えた束には付箋を貼るなどして、入力済みと未入力が混ざらないようにします。

なお、Googleの公式ヘルプには、2026年9月からGoogleフォームに新しい上限が適用され、フォームあたりの回答数は50万件、合計の保存容量は1GBになると書かれています。紙のアンケートの集計で上限に当たることはまずありませんが、同じフォームを何年も使い回す場合は覚えておくとよいです。

方法2 スプレッドシートに入力して関数で数える

フォームを作る手間を省きたい場合や、ExcelやGoogleスプレッドシートに慣れている場合は、表に直接打ち込んで関数で数える方法もあります。Googleスプレッドシートは無料で使えます。

表の作り方

1行に1枚の回答、1列に1つの質問、という形で表を作ります。

用紙番号 年代 満足度 参加のきっかけ 自由記述
1 40代 4 知人の紹介 資料が見やすかった
2 60代 5 チラシ 次回も参加したい
3 30代 3 Webサイト 時間が短く感じた

選択式の質問は、入力の揺れを防ぐために、セルにプルダウンを設定しておくと安心です。「40代」「40代」「40歳代」のように書き方がばらばらになると、あとで数えるときに別の答えとして扱われてしまいます。

数え方

選択肢ごとの数は、COUNTIF関数で数えます。COUNTIF関数とは、指定した範囲の中で、条件に合うセルがいくつあるかを数える関数のことです。たとえば、B列に年代が入っているなら、「40代」の人数は次の式で数えられます。

=COUNTIF(B:B,"40代")

満足度のように数字で答えてもらった質問は、AVERAGE関数で平均を出せます。年代ごとの満足度のように、2つの質問を組み合わせて見たいときは、ピボットテーブルを使います。ピボットテーブルとは、表のデータを行と列の項目で組み替えて、自動で集計してくれる機能のことです。

この方法が向いている場面

質問の数が少なく、回答が数十枚程度なら、フォームを作るよりこちらの方が早く終わることがあります。一方で、質問が多い、入力する人が複数いる、という場合は、方法1の方が入力の揺れが起きにくく、結果的に早く正確に終わります。

方法3 GoogleドライブのOCRで文字を読み取る

OCRとは、画像に写っている文字を読み取って、テキストのデータに変える技術のことです。紙の回答をスマートフォンで撮影し、OCRで文字にできれば、打ち込む手間を減らせます。

Googleドライブには、無料で使えるOCRの機能があります。公式ヘルプ「PDF や写真のファイルをテキストに変換する」の手順は次のとおりです。

  1. 回答用紙を撮影するか、スキャンしてPDFや画像のファイルにする
  2. パソコンでGoogleドライブにファイルをアップロードする
  3. ファイルを右クリックし、「アプリで開く」から「Google ドキュメント」をクリックする

これで、画像の中の文字がGoogleドキュメントに書き出されます。

うまく読み取るための条件

公式ヘルプには、読み取りの精度を上げるための目安が書かれています。ファイルは2MB以下にする、文字の高さは10ピクセル以上にする、向きを正しくしてからアップロードする、明るさが均一でコントラストがはっきりした画像を使う、といった点です。撮影するときは、用紙を平らな机に置き、真上から、影が入らないように撮ります。

向いている質問と向いていない質問

公式ヘルプには、リストや表、列などは検出されない可能性があると書かれています。紙のアンケートの選択式の質問は、表や枠で区切られていることが多く、丸を付けた位置まで正しく読み取れるとは限りません。

そのため、GoogleドライブのOCRは、自由記述の欄を書き写す作業に使うのが現実的です。印刷された文字に比べて手書きの文字は読み取りの精度が落ちやすいので、読み取った結果は必ず元の用紙と見比べて直します。選択式の質問は方法1か方法2で入力し、自由記述だけOCRで下書きを作って直す、という組み合わせが手間と正確さのつり合いが取れたやり方です。

有料のOCRサービスとの違い

アンケートの用紙を読み取ることに特化した有料のOCRサービスもあります。丸を付けた位置を読み取る機能や、決まった枠の中の手書き文字を読み取る機能を持つものがあり、毎回数百枚から数千枚の紙を集計する職場では検討する価値があります。ただし、年に数回、数十枚から百枚程度の集計なら、無料の方法で十分に回ります。

3つの方法の比べ方

ここまでの3つの方法を、向いている場面で整理します。

方法 費用 向いている場面 手間がかかる点
Googleフォームに手入力 無料 選択式が多い、複数人で入力する 最初にフォームを作る
スプレッドシートに入力 無料 質問が少ない、枚数が少ない 入力の揺れをそろえる
GoogleドライブのOCR 無料 自由記述を書き写す 読み取り結果を見直す

迷ったときは、選択式の質問はGoogleフォームで、自由記述はOCRで下書きを作ってから直す、という組み合わせから始めるのがおすすめです。どの方法でも、最初の10枚ほどを入力した時点で集計の画面を見て、質問の作り方や入力の決まりに問題がないかを確かめておくと、あとで全部をやり直す事態を防げます。

作業時間の見積もり方

どの方法を選ぶにしても、最初に作業時間を見積もっておくと、締め切りに間に合うかどうかを判断できます。見積もりの方法は簡単で、最初の10枚を入力するのにかかった時間を測り、全体の枚数に合わせて掛け算するだけです。10枚で15分かかったなら、100枚では150分、つまり2時間半が目安になります。自由記述の多い用紙は1枚あたりの時間が長くなるので、選択式だけの部分と分けて測ると見積もりが正確になります。見積もりが締め切りに合わないと分かれば、早めに入力する人を追加できます。

自由記述の回答を読み解くコツ

選択式の質問は数えれば終わりますが、自由記述の回答はそうはいきません。一番役に立つ声が入っているのに、読んで終わりになりやすい部分です。ここでは、無料の道具だけで自由記述を整理するやり方を説明します。

1つの回答を1つの意見に分ける

自由記述には、1人の回答の中に複数の意見が入っていることがよくあります。「資料は見やすかったが、会場が寒かった。次回は駐車場の案内がほしい」という回答には、資料、会場の温度、駐車場という3つの話題が含まれています。スプレッドシートに書き写すときは、この3つを別々の行に分けて入力しておくと、あとで話題ごとに数えられます。

話題の見出しを付ける

分けた意見の1つ1つに、「資料」「会場」「時間」「講師」「案内」のような短い見出しを付けていきます。見出しの種類は、最初から決めずに、30件ほど読んでから決める方がうまくいきます。最初に決めると、どれにも当てはまらない意見が出てきて、見出しを作り直すことになりがちです。

見出しを付けたら、方法2で紹介したCOUNTIF関数で、見出しごとの件数を数えます。「会場について12件、そのうち温度について8件」のように数字にできれば、次回に何を直すべきかが会議で伝わりやすくなります。

良い声と困りごとを分ける

同じ「会場」の見出しでも、「広くて快適だった」という声と「寒かった」という声では、意味が逆です。見出しの横に「良い」「困りごと」「要望」の区分を付けておくと、改善すべき点だけを抜き出せます。

原文を残しておく

見出しを付けて数字にすると、元の言葉の温度感が失われます。報告のときは、件数と一緒に、代表的な原文を2つか3つ添えると、読む人に状況が伝わります。原文を引用するときは、個人が特定できる内容が含まれていないかを確かめます。

集計結果を報告にまとめる

集計が終わったら、結果を報告の形にまとめます。報告を受ける人が知りたいのは、細かな数字より、「全体としてどうだったか」と「次に何をするか」です。

最初に全体の結果を書く

報告の冒頭には、回収した枚数、有効な回答の数、全体の満足度のような大きな数字を書きます。たとえば「配布120枚、回収98枚、有効回答95枚、満足と回答した人は全体の8割」のような1文があれば、読む人は全体像をすぐにつかめます。回収率は、回収した枚数を配布した枚数で割って求めます。

グラフは質問ごとに1つ

Googleフォームの概要の画面には、質問ごとのグラフが自動で表示されます。報告にはこのグラフをそのまま使えますが、全部の質問のグラフを並べると、何が大事なのかが分からなくなります。報告で伝えたい質問を3つから5つに絞り、それ以外は資料の最後にまとめて添えます。

次の行動で締める

報告の最後には、結果から分かった改善点と、次回までにやることを書きます。「会場が寒いという声が8件あったので、次回は空調の設定を確かめる」のように、集計の結果と行動がつながっていると、アンケートを取った意味がはっきりします。回答してくれた人にとっても、声が反映されることが次回の回答の動機になります。

回答用紙の個人情報をどう扱うか

紙のアンケートの集計で、見落とされがちなのが個人情報の扱いです。セキュリティの事故は、高度な攻撃より、こうした身近な場面から起きることが多いです。

起こりやすい事故の型

紙のアンケートの集計で起こりやすい事故には、決まった型があります。

1つは持ち出しです。入力が終わらないからと、担当者が回答用紙を自宅に持ち帰り、移動の途中で封筒ごと置き忘れる。氏名と連絡先が書かれた用紙が、そのまま行方不明になります。もう1つは撮影した画像の残りです。OCRのために個人のスマートフォンで回答用紙を撮影し、その写真が写真アプリに残ったまま、家族と共有するアルバムやクラウドの自動バックアップに入ってしまう、という形です。

どちらも、悪意のある人がいなくても起こります。作業の手順を決めずに進めると、こうした型にはまりやすくなります。

最低限これだけは守る

難しいことをすべてやる必要はありません。最低限、次の5つを守れば、大きな事故はかなり防げます。

  1. 回答用紙は職場の外に持ち出さない
  2. 撮影は職場の端末で行い、個人のスマートフォンを使う場合は作業後に写真を削除する
  3. 入力したファイルの共有は、作業に関わる人だけに絞る
  4. 集計が終わったら、氏名や連絡先の列を削除した集計用のファイルを別に作る
  5. 用紙の保管期間と廃棄の方法を決めておき、廃棄はシュレッダーで行う

特に4つ目は効果が大きいです。集計結果を会議で共有するときに、個人を特定できる情報が入っていないファイルを使えば、うっかり外部に送ってしまっても被害を小さくできます。

無料のアンケートツールを選ぶときに見る点

次回からWebに移るなら、どの道具を使うかを決める必要があります。無料で使えるアンケートやフォームの道具はたくさんありますが、選ぶときに見る点は限られています。

無料の範囲

無料で使える道具の多くは、作れるフォームの数、質問の数、受け付ける回答の数、使える機能のどこかに上限を設けています。無料のまま使い続けるつもりなら、自分たちのアンケートの規模で上限に当たらないかを、各サービスの料金のページで確かめます。年に数回、100件前後の回答なら、多くの道具の無料の範囲で収まります。

職場で使っている道具との相性

職場でGoogleのサービスを使っているならGoogleフォーム、Microsoft 365を使っているならMicrosoft Formsが、まず候補になります。どちらも、普段使っているアカウントでそのまま作れて、回答を表計算のソフトで開けます。新しい道具を入れるより、職員が迷わずに使えることの方が大事です。

回答する人にとっての答えやすさ

紙からWebに移るとき、一番気にかけたいのは回答する人です。スマートフォンの小さな画面で、長いフォームを上から下までスクロールして答えるのは、紙に慣れた人には負担になります。1問ずつ表示される形式や、途中で保存できる機能があると、最後まで答えてもらいやすくなります。実際にスマートフォンで自分たちのフォームに答えてみて、迷う場面がないかを確かめます。

個人情報の扱い

氏名や連絡先を集めるなら、回答がどこに保存されるのか、誰が見られるのかを確かめます。フォームを作った人だけでなく、共同で編集する人も回答を見られる道具が多いので、共有の範囲を最初に決めておきます。紙の用紙の管理と同じで、回答のファイルにも保管と削除の決まりが必要です。

回答のあとにやること

集計だけで終わるのか、届いた回答に返信や対応が必要なのかで、選ぶ道具は変わります。集計だけならGoogleフォームやMicrosoft Formsで十分です。対応が必要な回答が多いなら、次の節で触れるように、回答の管理まで考えた道具を比べてみる価値があります。

次回からWebのフォームに移す手順

紙のアンケートを集計してみると、次回からはWebで回答してもらいたいと感じるはずです。ただし、いきなり紙をやめると、回答が集まらなくなることがあります。段階を踏んで移るのが安全です。

段階1 紙とWebを並べて使う

最初の回は、紙の用紙にQRコードを印刷し、「スマートフォンからも回答できます」と添えます。紙とWebのどちらで答えてもよい形にすれば、回答する人に負担をかけずに、Webで答える人の割合を確かめられます。方法1で作ったGoogleフォームをそのまま使えば、紙の回答を手で入力した分とWebの回答が同じ場所に集まり、集計を1つにまとめられます。

段階2 Webを基本にして、紙を予備にする

Webで答える人が増えてきたら、Webを基本にし、紙は希望する人にだけ渡す形に変えます。会場の出口に、タブレットを1台用意して、その場でWebのフォームに答えてもらう方法もあります。

段階3 届いた回答への対応まで決める

Webに移ると、回答が届くたびに通知を受け取れるようになります。ここで考えておきたいのは、回答を集計するだけで終わるのか、届いた回答に対応する必要があるのかです。満足度の調査なら集計だけで十分ですが、「資料を送ってほしい」「担当者から連絡がほしい」といった要望が書かれた回答には、誰かが返信しなければなりません。

Googleフォームは無料で、集計までなら十分な機能を持っています。一方で、要望が書かれた回答に担当を決めて返信していく作業は、スプレッドシートに担当や対応状況の列を手で追加し、返信は別のメールソフトから送る、という運用になりがちです。

回答への対応まで1か所で管理したい場合の候補として、Halictがあります。公式サイトによると、Halictはフォームを作り、届いた回答を担当・ステージ・タグ付きで管理し、同じ画面から返信まで送れる道具です。回答する人には1画面に1問ずつ表示される形式で、進捗のバーを見ながら最後まで進めます。紙のアンケートに慣れた人でも迷いにくい作りです。集まった回答は一覧で確かめられ、CSVに書き出して集計にも使えます。料金は人数で決まり、1人で使うフリープランは0円で、フォーム数と回答数は無制限と案内されています。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

集計だけが目的ならGoogleフォームで十分です。回答への対応が増えてきたときに、比べてみる選択肢として覚えておくとよいです。

次回の紙のアンケートを集計しやすく作る

事情があって次回も紙で取る場合は、用紙の作り方を少し変えるだけで、集計の手間を大きく減らせます。

選択肢に番号を振る

選択肢の前に「1」「2」「3」と番号を付けておきます。入力する人は、選択肢の文字を打たずに番号だけを入力すればよくなり、入力の揺れもなくなります。Googleフォームに入力する場合も、番号が付いていれば、紙とフォームの選択肢の対応を目で追いやすくなります。

1つだけ選ぶのか、複数選ぶのかを明記する

「当てはまるものを1つ選んでください」「当てはまるものをすべて選んでください」と、質問ごとに明記します。これが書かれていないと、1つしか選ばないつもりの質問に2つ以上の丸が付いた回答が増え、扱いに迷います。

自由記述の欄を絞る

自由記述の欄は、回答する人にとっても集計する人にとっても負担が大きい部分です。本当に聞きたいことに絞り、1枚につき1つか2つにとどめます。代わりに、よく出る答えが予想できる質問は、選択式にして「その他」の欄を添えます。

用紙番号の欄を印刷しておく

前の節で紹介した通し番号は、手で書くより、最初から用紙の右上に番号の欄を印刷しておく方が確実です。可能なら、番号そのものを印刷しておけば、書き忘れもなくなります。

OCRを使うなら枠と文字の大きさを整える

自由記述をOCRで読み取るつもりなら、記入欄に罫線を引き、文字を大きめに書いてもらえるだけの広さを取ります。欄が狭いと、小さな文字が詰め込まれて読み取りの精度が落ちます。

集計とデジタル化の仕事から見えること

最後に、紙のアンケートの集計とデジタル化が、在宅の仕事としてどう関わるかを整理します。

紙のアンケートの入力や集計は、在宅の事務の仕事として依頼されることがあります。介護施設や医療機関、自治体の関連団体など、紙の書類が多い現場では、データ入力の手が足りていないことが少なくありません。介護や福祉の現場でのデジタル化の流れについては、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で、補助金を使った取り組みがまとめられています。医療機関の受付の事務では、問診票や満足度調査の入力も仕事に含まれることがあり、受付の事務の資格として医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の概要が参考になります。

入力の先に、仕組みを作る仕事もあります。紙の用紙をWebのフォームに置き換え、回答しやすい画面を設計する作業は、UI/UX・アプリデザインのお仕事と重なります。このガイドでは、使う人の目線で画面を設計する仕事の内容がまとめられています。デザインの仕事の報酬の水準は、デザイナーの年収・単価相場で全体像をつかめます。

情報保護の仕事に関わってきた立場から見ると、紙からデジタルへの移行で一番事故が起きやすいのは、移行の途中です。紙の用紙とデジタルのファイルが両方存在し、どちらをどう管理するかが決まっていない時期に、置き忘れや誤送信が起こります。デジタル化を手伝う仕事を受けるなら、入力や設定の技術だけでなく、紙の保管と廃棄の手順まで一緒に提案できると、依頼主からの信頼が大きく変わります。在宅の仕事の仲介サービスを長く運営してきた立場から見ても、長く続く人ほど、頼まれた作業の前後にある「困りごと」まで目を配っています。仲介の手数料がかからない手数料0%の直接取引では、依頼する側は同じ予算で相談の幅を広げやすく、受ける側の手取りも厚くなります。

フォームの設計や業務のデジタル化に関わる仕事に関心があるなら、UI/UX・アプリデザインのお仕事のガイドから、求められる力と仕事の始め方を確かめてみてください。

よくある質問

Q. 紙のアンケートを無料で集計するなら、どの方法が一番早いですか?

選択式の質問が多いなら、紙と同じ質問のGoogleフォームを作り、回答用紙を見ながら入力する方法が早く正確です。入力が終わった時点で質問ごとの集計とグラフが自動でできあがります。複数人で同じフォームに同時に入力できるので、枚数が多いときは手分けすると時間を短くできます。

Q. 手書きのアンケートはOCRで正確に読み取れますか?

GoogleドライブのOCRは無料で使えますが、公式ヘルプには表や列などは検出されない可能性があると書かれています。手書きの文字も読み取りの精度が落ちやすいため、自由記述の下書き作りに使い、結果は必ず元の用紙と見比べて直してください。選択式の質問は手で入力する方が確実です。

Q. アンケート用紙は集計が終わったらすぐに捨ててよいですか?

保管期間は団体や職場の決まりによって変わります。集計後に回答の確認が必要になることもあるため、保管期間と廃棄の方法を先に決め、その期間は鍵のかかる場所に保管します。廃棄するときは、氏名や連絡先が読み取れないようシュレッダーで処理してください。

Q. 紙のアンケートをやめてWebに移すと回答が減りませんか?

いきなり紙をやめると、スマートフォンに慣れていない人の回答が減ることがあります。最初は紙の用紙にQRコードを印刷し、紙とWebのどちらでも答えられる形にして、Webで答える人の割合を確かめながら段階的に移るのが安全です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月2日最終更新:2026年10月15日
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この記事を書いた人

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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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