スプレッドシートでガントチャートを作る方法と、専用ツールに移る目安


この記事のポイント
- ✓Googleスプレッドシートでガントチャートを作る方法を
- ✓SPARKLINE関数
- ✓タイムライン表示の3通りで手順つきで解説します
結論から言うと、Googleスプレッドシートでガントチャートを作る方法は3つあります。セルを日付の列に見立てて条件付き書式で塗る方法、SPARKLINE関数で1つのセルに横棒を描く方法、そして一部のGoogle Workspaceのプランで使えるタイムライン表示です。追加の費用をかけずに始めるなら、1つ目の条件付き書式の方法がいちばん応用がききます。
ただし、スプレッドシートのガントチャートは、タスクが数十件、関わる人が数人を超えたあたりから、更新の手間と見落としが目立つようになります。この記事では、3つの作り方を手順つきで整理したうえで、どの時点で専用のプロジェクト管理ツールに移ればよいかの目安もまとめます。
スプレッドシートでガントチャートを作る3つの方法
まず、3つの方法の違いを表で比べます。
| 方法 | 使うもの | 向いている場面 | 手間 |
|---|---|---|---|
| 条件付き書式で塗る | 日付の列とカスタム数式 | 日単位で予定を見たい、今日の位置や休日も色分けしたい | 最初の設定に30分ほど。あとは日付を入れるだけ |
| SPARKLINE関数で描く | 1つのセルに入れる関数 | 列を大量に作らず、表の横に簡単な横棒を出したい | 関数を1行書いて下にコピー |
| タイムライン表示 | 挿入メニューの「タイムライン」 | 対象のWorkspaceのプランを使っていて、カード形式で見たい | 範囲を選ぶだけ。ただし使えるプランが限られる |
どの方法でも、元になる表の作り方は共通です。最初に元の表をきちんと作っておけば、あとから方法を変えるのも難しくありません。
元になる表の列
ガントチャートの元の表には、少なくとも次の列を用意します。
| 列 | 中身 | 入力の注意 |
|---|---|---|
| A | タスク名 | 動詞で終える(「要件を決める」「画面を作る」) |
| B | 担当者 | 1つのタスクに1人。複数にすると責任があいまいになる |
| C | 開始日 | 日付の形式で入れる |
| D | 終了日 | 開始日より後の日付にする |
| E | 日数 | 数式で計算する(手で入れない) |
| F | 進捗 | 0から100の数字、または「未着手・進行中・完了」 |
| G | 状態のメモ | 止まっている理由や、次に誰が動くか |
日数の列は、土日を含めて数えるなら「=D2-C2+1」、平日だけを数えるなら「=NETWORKDAYS(C2,D2)」と入れます。祝日も除きたい場合は、別のシートに祝日の一覧を作り、「=NETWORKDAYS(C2,D2,祝日!A:A)」のように指定します。
日付は必ず日付の形式で入力します。「10/7」のように入力すると、多くの場合は日付として扱われますが、「10月7日ごろ」のような文字が混ざると数式も色分けも動かなくなります。表全体の列を選び、表示形式で日付を指定しておくと入力のぶれを防げます。
作り始める前に決めておく3つのこと
ガントチャートの出来は、表の見た目よりも、作り始める前の準備で決まります。スプレッドシートを開く前に、次の3つを決めておきます。
タスクの細かさをそろえる
1つのタスクの長さは、1日から5日程度にそろえるのが目安です。「サイトを作る(30日)」のような大きなタスクが1行だけあると、途中でどこまで進んでいるのかが分かりません。逆に「メールを1通送る(0.5日)」のような細かい作業まで並べると、行が増えすぎて更新が追いつかなくなります。
大きな作業は、成果物が見える単位に分けます。「サイトを作る」なら、「ページの構成を決める」「トップページのデザインを作る」「下層ページを作る」「問い合わせフォームを作る」「公開前の確認をする」のように分けると、それぞれに担当と期限を付けられます。
節目(マイルストーン)を先に決める
マイルストーンとは、プロジェクトの途中に置く節目の日のことです。「デザインの確定日」「テスト開始日」「公開日」のように、関係者全員が守るべき日を先に決めておき、タスクはその日に向かって逆算して並べます。
スプレッドシートでは、マイルストーンの行を作り、開始日と終了日を同じ日にして、別の色で塗ると分かりやすくなります。条件付き書式で「=AND(H$1=$C2,$A2="節目")」のようなルールを作り、節目の行だけ濃い色で塗る方法もあります。
誰が見て、誰が更新するかを決める
最後に、表を見る人と更新する人を決めます。見るだけの人が多い場合は、元の表とは別に、全体を見るための集計のシートを作っておくと、元の表を触られる心配が減ります。更新する人は、自分の担当の行だけを触る、という前提を最初に伝えておきます。
方法1:条件付き書式でガントチャートを作る手順
いちばん広く使われているのが、日付ごとに列を並べ、予定の期間に当たるセルを条件付き書式で塗る方法です。手順は5つです。
手順1:日付の見出しを横に並べる
元の表の右側、たとえばH列から日付を並べます。H1セルにプロジェクトの開始日を入れ、I1セルに「=H1+1」と入れて、右に必要な日数だけコピーします。3か月のプロジェクトならおよそ90列です。
列の幅は狭くしておきます。日付の見出しは、表示形式を「日」だけにすると、狭い列でも数字が読めます。月の区切りが分かるように、1行上に月を表示する行を設けるのもよい方法です。
手順2:条件付き書式のカスタム数式を入れる
日付の列の範囲(たとえばH2からCZ100まで)を選び、メニューの「表示形式」から「条件付き書式」を開きます。「セルの書式設定の条件」で「カスタム数式」を選び、次の数式を入れます。
「=AND(H$1>=$C2,H$1<=$D2)」
この数式は、見出しの日付が開始日以上かつ終了日以下のときに、そのセルを塗るという意味です。「$」の付け方がポイントで、見出しの行(1行目)と、開始日・終了日の列(C列とD列)を固定しています。塗る色を選んで「完了」を押せば、予定の期間が横棒のように表示されます。
Googleのヘルプでも、カスタム数式を使うと、他のセルの内容に基づいて特定のセルに書式を設定できると説明されています。
カスタム数式を使用すると、他のセルの内容に基づいて特定のセルに書式を設定することができます。 出典: support.google.com
手順3:今日の位置に印を付ける
同じ範囲に、もう1つ条件付き書式のルールを追加します。数式は「=H$1=TODAY()」です。今日の日付の列だけ、薄い色や太い枠で目立たせます。ガントチャートでいちばん見たいのは「今日の時点で、終わっているはずのものが終わっているか」なので、今日の位置が一目で分かることは重要です。
手順4:土日を薄く塗る
さらにルールを追加し、「=WEEKDAY(H$1,2)>5」と入れて、土曜と日曜の列を薄い灰色にします。休日をまたぐタスクの長さを読み違えにくくなります。
条件付き書式のルールは、上にあるものが優先されます。今日の印、予定の期間、土日の順に並べておくと、重なったときの見え方が整います。
手順5:進捗に応じて色を変える
さらに一歩進めるなら、進捗の列の値によって横棒の色を変えます。たとえば「=AND(H$1>=$C2,H$1<=$D2,$F2=100)」で完了したタスクを灰色に、「=AND(H$1>=$C2,H$1<=$D2,$D2<TODAY(),$F2<100)」で終了日を過ぎても終わっていないタスクを赤に塗ります。
この「期限を過ぎて終わっていないものを赤にする」ルールが、スプレッドシートのガントチャートを実際に役立つものにする分かれ目です。色を塗るだけの表は、作った日しか見られません。遅れが自動で目立つ表は、毎朝開く理由になります。
方法2:SPARKLINE関数で横棒を描く手順
日付の列を何十個も並べたくない場合は、SPARKLINE関数で1つのセルの中に横棒を描く方法があります。SPARKLINEは、1つのセルの中に小さなグラフを作る関数です。
Googleのヘルプによると、SPARKLINE関数のオプションで「charttype」に「bar」を指定すると積み重ね棒グラフになり、「color1」と「color2」で1つ目と2つ目の棒の色を指定できます。この性質を使い、1つ目の棒を「プロジェクト開始からタスク開始までの日数」として白で描き、2つ目の棒を「タスクの日数」として色付きで描くと、ガントチャートのような横棒になります。
たとえば、プロジェクトの開始日をJ1セルに、終了日をK1セルに入れておき、各行のH列に次のように入れます。
「=SPARKLINE({C2-$J$1,D2-C2+1},{"charttype","bar";"color1","white";"color2","#2563eb";"max",$K$1-$J$1+1})」
「max」にプロジェクト全体の日数を入れておくことで、すべての行の横棒が同じ縮尺で並びます。
SPARKLINEの方法は、列が1つで済むので表がすっきりします。その反面、今日の位置を示したり、土日を塗り分けたりといった細かい表現はできません。会議の資料として全体の流れを示したいとき向きで、日々の進捗管理には条件付き書式の方法のほうが向いています。
方法3:タイムライン表示を使う手順
Googleスプレッドシートには、表のデータをカードの並んだ時間軸として表示する「タイムライン表示」という機能があります。Googleのヘルプでは、タスクの追跡や表示を簡単に行える、スプレッドシートの視覚的な表示の仕組みと説明されています。
使えるプランを先に確かめる
タイムライン表示は、すべてのアカウントで使えるわけではありません。Googleのヘルプ「タイムライン ビューを作成、編集する」では、利用できるWorkspaceのエディションとして、Essentials、Business Starter、Business Standard、Business Plus、Enterprise系、Education系、Frontlineなどが挙げられています。個人向けの無料のGoogleアカウントは、この一覧に含まれていません。会社や学校のアカウントで使っている人は、メニューの「挿入」に「タイムライン」があるかどうかで確かめられます。
作り方
元の表に、カードのタイトル(タスク名)、開始日、終了日の列があれば作れます。日付の列が1つ以上必要で、日付は日付の形式で入れておきます。
- パソコンでスプレッドシートを開き、メニューの「挿入」から「タイムライン」を選ぶ
- データの範囲を選ぶ
- 「OK」を押す
タイムラインのタブが新しく作られ、タスクがカードとして時間軸に並びます。設定から、カードの色の元にする列や、担当者ごとにまとめる「カードグループ」の列を選べます。カードの詳細から元のデータを開いて直すこともできます。
ヘルプによると、開始日と終了日が同じだったり、日付の形式が正しくなかったりすると、カードが1日分しか表示されません。うまく表示されないときは、まず日付の列を確かめます。
タイムライン表示は見た目が整っていて操作も簡単ですが、使えるプランが限られることと、表示の細かい調整ができる範囲がツールほど広くないことに注意が必要です。
進捗管理に使える関数と列の工夫
ガントチャートは、横棒を描くことよりも、遅れを早く見つけることが目的です。そのために役立つ列と関数を整理します。
| 目的 | 列の例 | 数式の例 |
|---|---|---|
| 残りの日数を出す | 残り日数 | =D2-TODAY() |
| 遅れを判定する | 判定 | =IF(AND(D2<TODAY(),F2<100),"遅れ","") |
| 担当者ごとの件数を数える | 集計シート | =COUNTIF(B:B,"田中") |
| 担当者ごとの遅れを数える | 集計シート | =COUNTIFS(B:B,"田中",H:H,"遅れ") |
| 全体の進み具合を出す | 集計シート | =AVERAGE(F2:F100) |
全体の進み具合を平均で出す方法は、タスクの重さが同じでないと実態とずれます。日数で重みを付けたい場合は「=SUMPRODUCT(E2:E100,F2:F100)/SUM(E2:E100)」のように、日数を掛けて合計し、全体の日数で割ります。
担当者の列に入力の規則(プルダウン)を設定しておくのも効果的です。「田中」「たなか」「田中さん」のように表記が揺れると、集計が合わなくなります。メニューの「データ」から入力規則を設定し、メンバーの名前を選ぶ形にしておきます。
進捗を数字で入れるか、状態で入れるか
進捗の列は、0から100の数字で入れる方法と、「未着手・進行中・確認待ち・完了」のような状態で入れる方法があります。数字は細かく見える反面、人によって「半分くらい」の感覚が違い、70のまま何日も止まる、ということが起きやすくなります。
小さなチームでは、状態で入れる方法のほうが運用しやすいことが多いです。状態をプルダウンで選ぶ形にし、条件付き書式で「確認待ち」を黄色、「完了」を灰色に塗れば、誰が何を待っているのかが一目で分かります。全体の進み具合を数字で出したい場合は、別の列で「完了なら1、それ以外は0」と数式で変換し、完了した件数の割合を計算できます。
大事なのは、どちらの方法にするかをチームで1つに決めることです。数字の人と状態の人が混ざると、集計も色分けも意味をなさなくなります。
依存関係は列で表す
「Aが終わらないとBに着手できない」という依存関係は、スプレッドシートでは自動では表現できません。最低限の工夫として、「前のタスク」という列を設け、前のタスクの番号を入れておきます。開始日を「=前のタスクの終了日+1」のように数式でつないでおけば、前のタスクが延びたときに後ろの開始日も自動でずれます。
ただし、この数式のつなぎ方は、タスクが増えるほど壊れやすくなります。誰かが行を並べ替えたり、数式を上書きしたりすると、気づかないまま日付がずれます。依存関係を本格的に扱いたくなった時点で、専用ツールへの移行を考える目安の1つになります。
スプレッドシートでガントチャートを運用するときのルール
作るよりも難しいのが、更新し続けることです。開発の現場では、スプレッドシートの工程表を立派に作り込んだものの、2週間後には誰も更新しなくなっていた、という失敗がよく起きます。原因はたいてい同じで、更新のルールを決めていなかったことです。
決めておきたい5つのルール
- 更新するのは担当者本人。管理者がまとめて書き換えない
- 更新のタイミングを決める(毎日の終業時、毎朝の打ち合わせの前など)
- 終了日を動かすときは、メモの列に理由を書く
- 行の並べ替えと削除は管理者だけが行う
- 完了したタスクは消さず、進捗を100にして残す
特に4つ目が大事です。共有したスプレッドシートは、誰でも行を並べ替えたり消したりできます。数式や条件付き書式の範囲がずれる事故の多くは、善意の並べ替えから起きます。「保護された範囲」を設定し、見出しや数式の列を編集できる人を絞っておくと防げます。
変更の履歴を確かめる方法
誰がいつ日付を変えたのかを知りたいときは、変更履歴を使います。セルを右クリックすると、そのセルの編集履歴を表示できます。ファイル全体の版をさかのぼることもできるので、表が壊れたときに元に戻せます。ただし、履歴をたどるのは手間がかかるため、日々の運用では、終了日を動かしたら理由をメモに書くルールのほうが役に立ちます。
よくあるつまずきと直し方
スプレッドシートのガントチャートで起きやすい問題と、その直し方を整理します。
行を追加したら色が塗られない
途中に行を追加したときに、新しい行だけ色が付かないことがあります。原因の多くは、条件付き書式の適用範囲が、最初に選んだ範囲のままになっていることです。条件付き書式の設定を開き、範囲を「H2:CZ200」のように余裕を持って広げておくと防げます。最初から多めの行に設定しておけば、行を追加するたびに直す必要がありません。
終了日を過ぎても赤くならない
遅れを赤くするルールを作ったのに色が変わらない場合は、ルールの順番を確かめます。条件付き書式は上のルールが優先されるため、「予定の期間を青く塗る」ルールが上にあると、遅れの赤が隠れてしまいます。遅れのルールをいちばん上に移します。
共有したら表が崩れた
複数の人で編集していると、誰かが列の幅を変えたり、セルをコピーして書式ごと貼り付けたりして、表が崩れることがあります。見出しの行と数式の列は「保護された範囲」に設定し、編集できる人を限っておきます。崩れてしまった場合は、版の履歴から崩れる前の状態に戻せます。
印刷やPDFにすると横に切れる
日付の列が多いと、印刷やPDFにしたときに横が切れてしまいます。会議の資料として配るときは、印刷の設定で「幅に合わせる」を選ぶか、期間を絞った別のシートを作って印刷します。全期間を1枚に収めようとすると文字が小さくなりすぎるため、「今月と来月」のように区切るほうが読みやすくなります。
社外の人と共有するときの設定
外注先や取引先とガントチャートを共有する場合は、共有の権限を分けて考えます。Googleスプレッドシートの共有では、相手ごとに「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」を選べます。
| 相手 | おすすめの権限 | 理由 |
|---|---|---|
| 進み具合を見るだけの取引先 | 閲覧者 | 誤って日付を変えられる心配がない |
| 日程について意見をもらいたい相手 | 閲覧者(コメント可) | 表は守ったまま、セルにコメントを残してもらえる |
| 自分の担当タスクを更新する外注先 | 編集者 | 更新してもらう必要がある。保護された範囲と組み合わせる |
社外の人に編集者の権限を渡す場合は、社内のメモや単価など、見せたくない情報を同じファイルに入れないことが大切です。シートを非表示にしても、編集者は表示に戻せます。見せる情報だけを別のファイルにまとめ、そちらを共有するほうが安全です。
プロジェクトが終わったら、共有の設定を見直し、外部の人の権限を外しておきます。共有したまま放置されたファイルは、あとから誰が見られる状態なのか分からなくなります。
スプレッドシートのメリットとデメリット
スプレッドシートでガントチャートを作ることのメリットとデメリットを整理します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 追加の費用がかからない | 依存関係や担当者の負荷を自動では扱えない |
| 多くの人が操作に慣れている | 数式や書式の範囲が壊れやすい |
| 列や計算を自由に作れる | タスクが増えると表が重くなり、横に長くなる |
| 社外の人とも共有しやすい | タスクごとの会話やファイルが別の場所に散らばる |
| 他の表やグラフと組み合わせやすい | 通知の仕組みがなく、遅れに気づくのが遅れる |
スプレッドシートの最大の強みは、自由度の高さと、追加の費用がかからないことです。小さなチームで、数週間から数か月のプロジェクトを回すなら、十分に役立ちます。
一方で、最大の弱みは、タスクに関する会話が別の場所にあることです。「この画面の仕様はどうなった」という話はチャットに、資料はドライブに、予定はスプレッドシートに、と散らばると、確かめるたびに3つの場所を行き来することになります。
専用ツールに移る目安
では、どの時点でスプレッドシートから専用のプロジェクト管理ツールに移ればよいのでしょうか。次のうち2つ以上に当てはまったら、移行を検討する時期です。
| 目安 | 理由 |
|---|---|
| タスクが50件を超え、横にも縦にもスクロールしないと全体が見えない | 一覧性が落ち、遅れの見落としが増える |
| 関わる人が5人を超え、更新する人がばらばらになる | 表記の揺れや、数式の上書きが起きやすくなる |
| 「あのタスクの話はどこでしたか」と毎週誰かが聞く | 会話とタスクが分かれている |
| 担当者ごとの負荷の偏りを確かめたくなった | スプレッドシートでは集計が手作業になる |
| 外部の人と一緒に進め、見せる範囲を分けたい | シートごとの共有設定では管理が複雑になる |
移行するときは、すべてを一度に移さず、新しく始まるプロジェクトから使い始めるのが安全です。進行中のプロジェクトを途中で移すと、移行の作業そのものが遅れの原因になります。
移行先を選ぶときに確かめること
専用ツールを選ぶときは、次の4点を確かめます。
・ガントチャートが無料のプランで使えるか、有料のプランからか
・無料のプランの人数とプロジェクト数の上限
・バーを動かして日付を変えられるか(スプレッドシートより更新が楽か)
・タスクごとにコメントやファイルを残せるか
ガントチャートは、ツールによっては上位の有料プランでしか使えないことがあります。料金ページで、ガントチャートがどのプランに含まれるかを確かめてから試すと、無駄がありません。
ガントチャートが無料から使える選択肢
ガントチャートを無料のプランから使える専用ツールの1つに、国産のプロジェクト管理ツールのPinateca(ピナテカ)があります。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが無料のプランから使え、ガントのボードではカードの期間が横棒で並び、バーをドラッグすると開始日と締切をその場で変えられます。今日の線で遅れているタスクを確かめられ、担当者やラベルで絞り込むこともできます。
公式の料金ページによると、無料のプランは5人まで、ボード10個まで、ファイル容量1GBで、期限なく使えます。6人目または11個目のボードからはスタンダードプランとなり、料金は1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)で、人数とボードの上限がなくなります。機能は無料のプランと同じと案内されています。Trelloからの移行はエクスポートしたファイルを読み込む形で、スプレッドシートからの自動の取り込みについては公式の記載がないため、タスクの登録は新しいプロジェクトから始めるのが現実的です。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
どのツールを選ぶ場合も、まずは小さなプロジェクトで1か月試し、更新の手間がスプレッドシートより減ったかどうかで判断するのが確実です。
小さなチームでの運用の例
ここまでの内容を、具体的な場面に当てはめてみます。社内の担当者2人と、外部のデザイナー1人、外部のエンジニア1人の合わせて4人で、会社のサイトを2か月で作り直す場面を考えます。
最初の週にやること
最初の週に、元の表を作ります。タスクは「ページの構成を決める」「原稿を集める」「デザインの方向を決める」「トップページのデザイン」「下層ページのデザイン」「トップページの実装」「下層ページの実装」「問い合わせフォームの実装」「表示の確認」「公開の準備」のように、20件前後に分けます。節目は「デザインの確定日」「実装の完了日」「公開日」の3つです。
担当者の列には、4人の名前をプルダウンで選べるように設定します。外部の2人には編集者の権限を渡し、自分の担当の行だけを更新してもらうよう最初に伝えます。
毎週の打ち合わせでの使い方
週に1回の打ち合わせでは、ガントチャートを画面に映し、今日の線より左にあって赤く塗られているタスクから話します。遅れているタスクについては、「何が止めているのか」「誰が次に動くのか」をメモの列に書き、次の打ち合わせまでにやることを決めます。
ここで大事なのは、遅れを責める場にしないことです。終了日を動かすこと自体は悪いことではありません。動かした理由が書かれていれば、後ろのタスクの担当者が早めに調整できます。黙って日付を動かされることがいちばん困ります。
公開後に振り返る
公開が終わったら、最初に立てた予定と、実際にかかった日数を比べます。どのタスクが予定より延びたかを見ておくと、次のプロジェクトで見積もりの精度が上がります。完了したタスクを消さずに残しておくルールは、この振り返りのためでもあります。
この規模で、関わる人が4人、タスクが20件前後であれば、スプレッドシートで十分に回せます。同じチームで次に3つのプロジェクトを並行して進めることになったら、そのときが専用ツールを検討する時期です。
ガントチャートを使う仕事と、外注で回すときの考察
最後に、ガントチャートを扱う仕事の側から見た考察です。
工程表を作れる人は、どの現場でも重宝される
ガントチャートを作り、遅れを早めに見つけて手を打つ力は、開発の現場に限らず求められます。システム開発の案件では、工程表の作成と進行の管理を担う人がいるかどうかで、納期の守られ方が大きく変わります。開発の仕事の進め方や求められる経験は、アプリケーション開発のお仕事で確かめられます。単価の水準を知りたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。
業務の改善や、ツールの導入を支援する仕事でも、工程表は欠かせません。会社の業務にAIやツールを取り入れる支援をする仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっています。
外注を入れるときほど、工程表の共有が効く
スタートアップがフリーランスのエンジニアに開発を頼む場面で効果が大きいのは、契約の前に工程表を共有することです。いつまでに何ができていればよいかが見えると、受ける側は自分の空き時間と照らし合わせて、できる範囲を正直に答えられます。工程表のない依頼は、着手してから「その日程では無理です」と分かることが多くなります。
在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の視点で言えば、続く取引ほど、発注する側が段取りを見せることに時間を使っています。そして、仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。工程表を共有して条件をすり合わせ、手数料の分まで仕事の中身に回す。この形が、発注する側と受ける側の双方にとって得になる構造です。
スプレッドシートのガントチャートは、こうした段取りを見せる最初の道具として十分に役立ちます。条件付き書式で遅れが自動で目立つ表を作り、更新のルールを決めて運用し、規模が大きくなったら専用ツールに移る。この順番で進めれば、道具に振り回されずにプロジェクトを回せます。
よくある質問
Q. Googleスプレッドシートにガントチャートのテンプレートはありますか?
スプレッドシートのテンプレートや、外部のアドオンでガントチャートを作れるものもありますが、中身の数式や書式を理解しないまま使うと、行を追加したときに表示が崩れることがあります。最初は条件付き書式で自分で作り、仕組みを理解してからテンプレートを使うと、困ったときに自分で直せます。
Q. タイムライン表示が「挿入」メニューに出てきません。なぜですか?
Googleのヘルプによると、タイムライン表示は特定のGoogle Workspaceのエディションで使える機能で、個人向けの無料のアカウントは利用できるエディションの一覧に含まれていません。会社や学校のアカウントでも、契約しているプランによっては表示されないことがあります。その場合は、条件付き書式の方法で作れます。
Q. 条件付き書式で色が塗られません。どこを確かめればよいですか?
まず、開始日と終了日、日付の見出しが日付の形式になっているかを確かめます。文字として入力されていると判定が動きません。次に、カスタム数式の「$」の位置を確かめます。見出しの行と、開始日・終了日の列が固定されていないと、コピーしたときに参照がずれて正しく塗られません。
Q. エクセルで作ったガントチャートをスプレッドシートで使えますか?
エクセルのファイルはスプレッドシートで開けますが、関数や条件付き書式の一部が同じように動かない場合があります。開いたあとに、日付の判定や色分けが正しく表示されているかを、いくつかの行で確かめてください。動かない部分は、この記事のカスタム数式で設定し直すと確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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