Excelで無料のガントチャートを作るおすすめの方法と、専用ツールへ移る目安


この記事のポイント
- ✓Excelで無料のガントチャートを作るおすすめの方法を
- ✓条件付き書式・積み上げ横棒グラフ・テンプレートの3つで比較します
- ✓Excelの限界と専用ツールへ移る目安まで
Excelで無料のガントチャートを作りたいとき、おすすめの方法は3つあります。セルを塗る「条件付き書式」、グラフ機能を使う「積み上げ横棒グラフ」、そして「無料テンプレート」です。結論から言うと、個人や少人数で使うなら条件付き書式が最も扱いやすく、修正も簡単です。グラフは見た目が整う反面、作業の追加や修正に手間がかかり、テンプレートは手早く始められる代わりに自分の仕事に合わせ直す作業が要ります。
そして、どの方法にも共通する限界があります。案件が増えたとき、複数人で同時に更新したいとき、予定の修正に毎週何十分もかかるようになったときは、専用ツールに移る時期です。この記事では、2026年10月3日時点でMicrosoftの公式ページに書かれている内容を確かめたうえで、3つの作り方の手順と向き不向き、そして専用ツールへ移る目安を整理します。
結論:迷ったら条件付き書式で作る
3つの方法を比べると、次のようになります。
| 方法 | 作る手間 | 修正のしやすさ | 見た目 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 条件付き書式 | 中 | とても簡単 | 方眼紙のような表 | 個人の案件管理、少人数のチーム |
| 積み上げ横棒グラフ | 中〜大 | 手間がかかる | 資料に貼りやすい | 報告書やクライアント向けの資料 |
| 無料テンプレート | 小 | テンプレート次第 | 整っている | まず形を見たい人 |
日々の管理に使うなら条件付き書式、人に見せる資料を作るならグラフ、まず全体の形を見てみたいならテンプレート、という使い分けが基本です。正直なところ、ネット上には凝ったテンプレートが数多く出回っていますが、自分で作った単純な表の方が長く使われる傾向が見られます。仕組みを理解していない表は、少し直したいときに手が止まるからです。
Excelは無料で使えるのか
「Excelで無料で」と言うとき、前提として確かめておきたいのが、Excelそのものを無料で使えるかどうかです。パソコンにExcelが入っていない場合でも、Microsoftアカウントがあれば、ブラウザ版のExcelを無料で使えます。Microsoftの公式ページは次のように案内しています。
Microsoft 365 for the web (旧称 Office) を使用して、Word、Excel、PowerPoint に無料でアクセスできます。 出典: microsoft.com
同じページには、Microsoftアカウントの無料特典として、OneDriveの5GBのクラウドストレージも挙げられています。作ったガントチャートをOneDriveに保存しておけば、パソコンとスマートフォンの両方から開けます。
ブラウザ版のExcelでも、この記事で紹介する条件付き書式や基本的な関数は使えます。ただし、デスクトップ版に比べると使える機能に違いがあるため、細かい書式の設定で思いどおりにならないときは、デスクトップ版で開いて確かめてください。
作り始める前に決めておくこと
Excelでガントチャートを作る前に、3つのことを決めておくと、作ってから作り直す手間が減ります。
1つ目は、作業の大きさです。1本の横棒を「サイト制作」のような大きな単位にすると、途中でどこまで進んだかが分かりません。反対に「見出しを決める」「画像を1枚作る」のように細かくしすぎると、行が増えすぎて全体が見えなくなります。目安は、半日から3日程度で終わる大きさです。
2つ目は、表の期間と目盛りの単位です。1〜2か月の案件なら1日単位の目盛りで足ります。半年を超える計画なら、1日単位では横に長くなりすぎるので、後で紹介する週単位の目盛りにします。最初に「この表で何か月先まで見るか」を決めておきます。
3つ目は、誰が見るかです。自分だけが見るなら、色や記号は自分が分かれば十分です。クライアントやチームと共有するなら、色の意味を表の上に書いておく、作業名を誰が読んでも分かる言葉にする、といった配慮が要ります。
この3つを決めずに作り始めると、途中で列を作り直したり、色を塗り直したりすることになります。最初の10分で決めておくだけで、その後の手間が大きく変わります。
方法1:条件付き書式でセルを塗る
最もおすすめなのが、条件付き書式を使う方法です。条件付き書式とは、セルの値に応じて自動で色を変える機能のことです。開始日と終了日を書き換えるだけで横棒が動くので、手で塗り直す必要がありません。
表の骨組みを作る
まず、次のような表を作ります。
- A列に作業名、B列に開始日、C列に終了日を入力する
- 1行目のD列から右へ、日付を1日ずつ入力する
- D1に最初の日付を入れ、E1には「=D1+1」と入力して、右へ必要な日数だけコピーする
日付の列が多くなると横に長くなるので、列の幅を狭くし、日付の表示形式を「d」(日にちだけ)にすると見やすくなります。月の区切りが分かるように、その上の行に月を入れておくのもおすすめです。
条件付き書式を設定する
次に、横棒を塗る設定をします。
- D2から右下の、横棒を表示したい範囲を選ぶ
- 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選ぶ
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
- 数式に「=AND(D$1>=$B2,$C2>=D$1)」と入力し、塗りつぶしの色を選ぶ
数式の「$」は、コピーしても参照がずれないように固定する記号です。D$1は「1行目の日付」、$B2と$C2は「その行の開始日と終了日」を指します。この1つのルールで、表全体のセルが自動で塗り分けられます。
今日の位置に色を付ける
さらに、今日の列に別の色を付けると、遅れている作業が一目で分かります。同じ範囲を選んで新しいルールを追加し、数式に「=D$1=TODAY()」と入力して、目立つ色を選びます。TODAY関数は、ファイルを開いた日の日付を返す関数です。毎日開くたびに、今日の列が自動で動きます。
この方法の強みは、作業の追加が行の挿入だけで済むことです。行を挿入して作業名と日付を入れれば、横棒は自動で塗られます。
方法2:積み上げ横棒グラフで作る
報告書やクライアント向けの資料に貼るなら、グラフで作る方法が向いています。Microsoftのサポートページは、作り方の考え方を次のように説明しています。
Excel には事前定義されたガント チャートの種類はありませんが、次のように、タスクの開始日と終了日を表示するように積み上げ横棒グラフをカスタマイズすることで、ガント チャートをシミュレートできます。 出典: support.microsoft.com
つまり、Excelには「ガントチャート」という名前のグラフはなく、積み上げ横棒グラフを加工して作ります。手順は次のとおりです。
- 作業名・開始日・日数の3列を用意する(日数は、終了日から開始日を引いて1を加えた値で計算しておく)
- 表を選び、「挿入」から「積み上げ横棒」グラフを選ぶ
- グラフの中で、開始日にあたる部分(最初の系列)をクリックし、塗りつぶしを「なし」にする
- 縦軸(作業名)を選び、「軸の書式設定」で項目の順序を逆にする
3の操作で、開始日までの部分が透明になり、日数の部分だけが横棒として残ります。4の操作で、作業が上から順に並ぶようになります。Microsoftのサポートページでは、作ったグラフをテンプレートとして保存し、繰り返し使う方法も紹介されています。
グラフの弱点は、作業を追加したときにグラフの範囲も直す必要があることと、横軸の日付の目盛りを調整する手間がかかることです。日々の管理には条件付き書式の表を使い、報告のときだけグラフを作る、という使い分けが現実的です。
方法3:無料テンプレートを使う
すぐに形を見たいなら、無料のテンプレートから始める方法もあります。Microsoftのサポートページにも、無料のガントチャートのテンプレートを使って作れると書かれていて、Microsoftのテンプレートのサイトにはガントチャートの分類が用意されています。
テンプレートを使うときに気をつけたいのは、次の3点です。
・提供元を確かめる。出どころの分からないファイルには、意図しないマクロ(自動で動く処理)が含まれていることがある
・自分の仕事に合わせて、列や色を直す前提で使う。そのままでは使わない列が多いことがある
・数式の仕組みを一度確かめておく。直したいときに手が止まらないようにする
テンプレートを選ぶときは、日単位か週単位か、作業の数が何行まで想定されているか、進み具合の列があるかを確かめると、自分の仕事に合うものを見つけやすくなります。案件が1つで期間が1〜2か月なら日単位、複数の案件を半年以上にわたって並べるなら週単位のテンプレートが向いています。
テンプレートは「完成品」ではなく「見本」と考えると、うまく使えます。見本を見て構造を理解したら、自分の表を作り直すのも1つの手です。
土日と祝日を扱う方法
実務でガントチャートを使うと、すぐに気になるのが土日と祝日です。作業日数を数えるときに休日を除かないと、予定が実際より短く見えてしまいます。
土日に色を付ける
日付の行の下に、土日の列だけ灰色にするルールを追加します。範囲を選んで新しいルールを作り、数式に「=WEEKDAY(D$1,2)>5」と入力して灰色を選びます。WEEKDAY関数は日付から曜日を数字で返す関数で、2つ目の引数に2を指定すると、月曜が1、日曜が7になります。5より大きい、つまり土曜と日曜が灰色になります。
休日を除いて終了日を計算する
開始日と作業日数から、休日を除いた終了日を計算するには、WORKDAY関数を使います。たとえば、開始日がB2、作業日数がE2なら、「=WORKDAY(B2,E2-1,祝日の範囲)」で終了日が求められます。祝日の範囲には、別のシートに祝日の日付を並べておき、その範囲を指定します。
逆に、開始日と終了日から休日を除いた日数を数えるには、NETWORKDAYS関数を使います。「=NETWORKDAYS(B2,C2,祝日の範囲)」のように書きます。
祝日の一覧は、毎年手で更新する必要があります。年が変わったら、祝日のシートを更新することを、年末の作業として決めておくと忘れません。
長い計画は週単位の目盛りにする
半年や1年にわたる計画を1日単位で作ると、列が数百になり、画面に収まりません。この場合は、1列を1週間にした週単位のガントチャートにします。
作り方は、1日単位の表とほとんど同じです。違うのは2点です。
1つ目は、日付の行の作り方です。D1に最初の週の月曜日を入れ、E1には「=D1+7」と入力して右へコピーします。これで、各列がその週の月曜日を表すようになります。
2つ目は、条件付き書式の数式です。その週の間に作業期間が少しでも重なれば塗る、という条件にするため、「=AND($C2>=D$1,D$1+6>=$B2)」と入力します。前半は「作業の終了日が、その週の月曜日以降」、後半は「その週の日曜日が、作業の開始日以降」という意味です。2つを同時に満たすとき、その週と作業期間が重なっています。
週単位の表は、全体の流れを見るのに向いていて、細かい日程の管理には向いていません。全体の計画は週単位の表で立て、直近1か月の作業は1日単位の表で管理する、と2枚を使い分けるのも1つの方法です。シートを分けて同じブックに保存しておけば、行き来も簡単です。
複数の案件を1枚にまとめる方法
副業やフリーランスで複数の案件を並行して進めていると、案件ごとに表を分けるより、1枚にまとめて全体の重なりを見たくなります。
まとめるときのコツは、案件名の列を1つ追加することです。A列に案件名、B列に作業名、C列に開始日、D列に終了日、と並べ、案件ごとに行をまとめます。条件付き書式の数式は、列がずれた分だけ参照先を直します。
案件ごとに横棒の色を変えたい場合は、案件の数だけルールを作り、「=AND($A2="案件A",D$1>=$C2,$D2>=D$1)」のように案件名の条件を加えます。色を変えると、どの週にどの案件の作業が集中しているかが一目で分かります。
行が増えてきたら、フィルターの機能を使うと便利です。見出しの行を選んで「データ」タブから「フィルター」を設定すれば、特定の案件だけを表示できます。全体を見るときはフィルターを外し、1つの案件に集中したいときは絞り込む、という使い方ができます。
さらに、Excelの「グループ化」の機能を使えば、案件ごとに行を折りたたんだり広げたりできます。終わった案件の行を折りたたんでおくと、進行中の案件だけが表示され、表がすっきりします。
進み具合を表示する方法
予定だけでなく、どこまで進んだかも表に出すと、ガントチャートの価値が上がります。
最も簡単なのは、進捗率の列を作ることです。作業ごとに0%〜100%を入力し、条件付き書式の「データバー」を使えば、セルの中に横棒で進み具合が表示されます。
もう一歩進めるなら、予定の横棒の上に、終わった日数分だけ濃い色を重ねる方法があります。進捗率の列をF列とすると、「=AND(D$1>=$B2,$B2+($C2-$B2+1)*$F2>D$1)」のようなルールを、予定の色より上の優先順位で追加します。開始日から、全体の日数に進捗率をかけた日数分のセルが濃い色になります。
ただし、ここまで作り込むと、表の仕組みを理解している人しか直せなくなります。1人で使うなら問題ありませんが、チームで使う場合は、進捗率の列だけにとどめる方が運用は楽です。
印刷やPDFで渡すときのコツ
クライアントに日程を説明するときなど、ガントチャートを印刷したりPDFにしたりして渡す場面もあります。画面では見やすかった表も、そのまま印刷すると複数のページに分かれて読みにくくなりがちです。
印刷するときは、次の設定を確かめます。
・用紙の向きを横にする。ガントチャートは横に長いので、縦向きでは収まらない
・「ページ設定」で、横方向を1ページに収める設定にする。縦方向は自動のままにする
・「印刷タイトル」で、作業名の列と日付の行を全ページに表示する設定にする
・印刷範囲を、必要な期間だけに絞る
印刷タイトルの設定は特に大切です。表が複数ページにわたるとき、2ページ目以降に作業名や日付が出ないと、どの横棒が何の作業なのか分からなくなります。
PDFにするときは、「名前を付けて保存」や「エクスポート」からPDFの形式を選びます。PDFなら相手の環境によって表示が崩れる心配がなく、編集もされないので、確定した日程を渡すのに向いています。
渡す前に、別の案件の情報が同じシートに含まれていないかを必ず確かめてください。複数の案件を1枚にまとめた表をそのまま渡すと、ほかの取引先の名前や日程が相手に見えてしまいます。
つまずきやすいポイントと直し方
Excelでガントチャートを作るときに、多くの人がつまずくポイントを挙げます。
1つ目は、横棒がまったく塗られない場合です。原因として多いのは、日付が文字として入力されていることです。セルに入れた日付が左に寄っているなら、文字として扱われています。日付の列を選び、表示形式を「日付」にしたうえで入力し直すと直ります。
2つ目は、一部の行だけ塗られない場合です。条件付き書式のルールの「適用先」の範囲が、新しく追加した行を含んでいない可能性があります。「条件付き書式」から「ルールの管理」を開き、適用先の範囲を確かめてください。
3つ目は、横棒の位置が1行ずれる場合です。数式の行番号が、範囲の最初の行と合っていないことが原因です。D2から範囲を選んだなら、数式の中の行番号も2にします。
4つ目は、ファイルを開くたびに今日の列の位置が変わらない場合です。計算方法が手動になっていると、TODAY関数が更新されません。「数式」タブの「計算方法の設定」が自動になっているかを確かめます。
どれも設定を1か所直せば解決することがほとんどです。慌てて表を作り直す前に、まず日付の形式とルールの範囲を確かめるのが近道です。
共有と同時編集で気をつけること
Excelのガントチャートを人と共有するときは、ファイルの扱い方に注意が必要です。
メールにファイルを添付して送り合う方法は、最も手軽ですが、「どれが最新か分からない」問題を招きます。ファイル名に日付を付けても、誰かが古いファイルを直してしまうと、変更が失われます。
OneDriveに保存して共有すれば、同じファイルを複数人で開き、同時に編集できます。ただし、共有のリンクの設定には注意が必要です。「リンクを知っていれば誰でも」の設定にすると、URLが転送されたときに関係のない人も開けてしまいます。共有の相手を指定して招待し、閲覧だけで足りる人には編集の権限を渡さないようにします。
また、条件付き書式の範囲は、複数人で行の挿入や削除を繰り返すうちに崩れることがあります。月に1回程度、ルールの範囲が正しいかを確かめると、表示の崩れを防げます。
Googleスプレッドシートとの違い
Excelと並んでよく比べられるのが、Googleスプレッドシートです。どちらもアカウントがあれば無料で使え、この記事で紹介した条件付き書式の考え方はスプレッドシートでもそのまま使えます。数式も、AND関数やTODAY関数、WORKDAY関数など、同じ名前の関数がほとんど用意されています。
違いが出るのは、使う場面です。Googleスプレッドシートはブラウザで動くことが前提で、複数人で同時に開いて編集する使い方に向いています。誰がどこを編集しているかが画面に表示され、変更の履歴も自動で残ります。
Excelは、デスクトップ版を使えばインターネットにつながっていない環境でも作業でき、細かい書式やグラフの調整がしやすいのが強みです。ブラウザ版のExcelとOneDriveを組み合わせれば、同時編集もできます。
どちらを選ぶかは、普段使っている環境と、一緒に作業する相手の環境で決めるのが現実的です。クライアントがGoogleのサービスを使っているならスプレッドシート、Microsoftの製品を使っているならExcel、と相手に合わせると、共有のときに手間がかかりません。
Excelのガントチャートを長く使い続けるコツ
せっかく作ったガントチャートも、更新されなくなれば意味がありません。長く使い続けるためのコツを挙げます。
1つ目は、見直しの日を決めることです。毎週金曜の夕方など、決まった時間に10分だけ表を開き、終わった作業に印を付け、遅れている作業の日付を直します。見直しの時間そのものを予定に書き込んでおくと忘れません。
2つ目は、終わった作業を別のシートに移すことです。完了した行をいつまでも残しておくと、表が長くなり、進行中の作業が埋もれます。月に1回、完了した行を「完了」シートに移すと、表が軽く保てます。完了シートは、次に似た案件を受けたときの見積もりの参考にもなります。
3つ目は、元の型を保存しておくことです。条件付き書式や数式を設定した空の表を、テンプレートとして別に保存しておきます。新しい案件が始まるたびに型から作れば、設定をやり直す必要がありません。
4つ目は、凝りすぎないことです。色や記号を増やしすぎると、更新のたびに手間がかかります。最初は作業名・開始日・終了日と、今日の列の色だけで十分です。必要を感じたものだけを、あとから少しずつ追加します。
Excelのガントチャートの限界
Excelは無料で自由度が高い反面、ガントチャートの道具として使うと、いくつかの限界にぶつかります。
1つ目は、日付の変更に手間がかかることです。作業が3日遅れたら、その作業と後ろにつながる作業の日付を、1つずつ書き換える必要があります。作業が20を超えると、この修正だけで相当な時間がかかります。
2つ目は、作業どうしのつながり(依存関係)を自動で扱えないことです。前の作業が遅れたときに、後ろの作業を自動でずらす仕組みは、数式で作れなくはありませんが、複雑になり壊れやすくなります。
3つ目は、通知がないことです。締切が近づいても、Excelは教えてくれません。自分でファイルを開いて確かめる必要があります。
4つ目は、作業ごとの会話や資料が別の場所に散ることです。作業の相談はメールやチャット、資料は別のフォルダ、という状態になりやすく、「あの件はどこで話したか」を探す時間が増えます。
これらは、Excelの使い方が悪いのではなく、表計算ソフトとプロジェクト管理の道具の役割の違いです。限界に当たり始めたら、道具を変える時期が来ていると考えるのが自然です。
専用ツールへ移る目安
では、具体的にどの時点で専用ツールに移ればよいのでしょうか。目安を4つ挙げます。
1つ目は、同時に動く案件が5件を超えたときです。案件ごとにシートを分けても、全体の重なりが見えにくくなります。
2つ目は、予定の修正に週30分以上かかるようになったときです。修正の時間は、本来の仕事に使えた時間です。ドラッグで日付を変えられる道具に移れば、この時間を大きく減らせます。
3つ目は、3人以上で同時に更新するようになったときです。ファイルの最新版の管理や、書式の崩れの修正が負担になります。
4つ目は、作業ごとの会話や資料を1か所にまとめたくなったときです。作業とやり取りが離れていると、確認の手間が増えます。
4つのうち2つ以上に当てはまるなら、専用ツールを試す価値があります。逆に、1つも当てはまらないなら、Excelのままで十分です。道具を変えること自体が目的にならないように、自分の困りごとから判断してください。
専用ツールを選ぶときの比較の観点
専用ツールに移ると決めたら、選ぶときに見るべき観点は次の5つです。
・無料プランでガントが使えるか(有料プランからのツールも多い)
・無料プランの人数とプロジェクト数の上限
・ドラッグで日付を変えられるか、今日の位置が表示されるか
・作業ごとにコメントや資料をまとめられるか
・共有の範囲を細かく決められるか
特に1つ目は見落としやすい点です。2026年10月3日時点の公式料金ページでは、Trelloのタイムライン表示は Premium(1人あたり月額10ドル・年払い)から、Asanaのタイムラインとガントビューは Starter(1人あたり月額1,200円・年払い)からです。名前を知っているツールでも、無料プランではガントが使えないことがあるので、登録の前に料金ページの「ガント」「タイムライン」の行を確かめてください。
フリーランス向けのプロジェクト管理ツールを広く比べたい場合は、フリーランス向けプロジェクト管理ツール比較8選|無料で使えるおすすめも紹介も参考になります。
Excelから移るときの候補
Excelのガントチャートから移るときの候補の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaです。
公式の料金ページによると、Pinatecaのフリープランは5人まで・ボード10個まで無料で、ガント・カンバン・カレンダー・リストを含む8種類のボードを無料プランから使えます。ガントボードでは、カードの期間が横棒で並び、バーをドラッグすると開始日も締切もその場で変わり、今日の位置には線が表示されると案内されています。カードごとにコメントを残せて、チャットも内蔵されているので、Excelでは別の場所に散りがちだった会話を作業の隣にまとめられます。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円、年払いなら1人あたり月額400円、いずれも税抜)です。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
なお、Excelには、集計や計算を自由に組める強みがあります。工数の集計や費用の計算はExcelで続け、日程と作業の管理だけ専用ツールに移す、という分け方も十分に成り立ちます。
Excelのスキルは仕事の幅を広げる
最後に、Excelでガントチャートを作るスキルが、副業やフリーランスの仕事でどう役立つかを考えます。
条件付き書式や関数を使いこなして表を作る力は、事務や管理の仕事に限らず、多くの仕事で評価されるスキルです。Excelのスキルを客観的に示したい場合は、マイクロソフトの公式資格であるMOS Excel(Microsoft Office Specialist)の出題範囲が学習の道しるべになります。条件付き書式や関数、グラフの作成は、まさにこの記事で扱った内容と重なります。
開発の仕事では、工程の計画を立てて共有する場面が多く、ガントチャートを作れることはそのまま仕事の質に直結します。開発の仕事の内容はアプリケーション開発のお仕事、報酬水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確かめられます。
業務の効率化を支援する仕事では、クライアントがExcelで管理している工程表を見直し、専用ツールへの移行を手伝うこともあります。どの時点で道具を変えるべきかを説明できることは、それ自体が提案の価値になります。こうした仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
記事の執筆や編集の仕事でも、複数のメディアの締切を1枚の表で並べて管理できると、受けられる本数の見通しが立てやすくなります。1本あたりの作業時間と締切を表にしておけば、新しい依頼を受ける前に、その週にどれだけ余裕があるかを数字で確かめられます。ライターや編集者の報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられるので、作業時間とあわせて見ると、どの依頼を優先すべきかの判断材料になります。
Excelで作るか、専用ツールに移るか。どちらが正しいということはありません。案件の数、関わる人数、予定の修正にかかる時間の3つを見て、いまの自分に合う方を選んでください。
よくある質問
Q. Excelで無料のガントチャートを作るおすすめの方法はどれですか?
日々の管理に使うなら、条件付き書式でセルを塗る方法がおすすめです。作業名・開始日・終了日を入力し、「=AND(D$1>=$B2,$C2>=D$1)」のようなルールを設定すれば、日付を書き換えるだけで横棒が動きます。報告書に貼るなら積み上げ横棒グラフ、まず形を見たいならテンプレートが向いています。
Q. Excelを持っていなくてもガントチャートは作れますか?
作れます。Microsoftアカウントがあれば、ブラウザ版のExcelを無料で使えるとMicrosoftの公式ページで案内されています。条件付き書式や基本的な関数はブラウザ版でも使えます。細かい書式で思いどおりにならないときは、デスクトップ版で開いて確かめてください。
Q. 土日や祝日を除いて終了日を計算するにはどうすればよいですか?
WORKDAY関数を使います。開始日と作業日数、祝日の一覧の範囲を指定すると、土日と祝日を除いた終了日が求められます。開始日と終了日から休日を除いた日数を数えるならNETWORKDAYS関数です。祝日の一覧は別のシートに並べ、年が変わるたびに更新します。
Q. Excelから専用ツールに移るのはどんなときですか?
同時に動く案件が5件を超えた、予定の修正に週30分以上かかる、3人以上で同時に更新する、作業ごとの会話や資料をまとめたい、の4つのうち2つ以上に当てはまるときが目安です。移る先は、無料プランでガントが使えるかを料金ページで必ず確かめてから選んでください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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