スプレッドシートのガントチャートで日付を自動で入れる関数の組み方


この記事のポイント
- ✓Googleスプレッドシートのガントチャートで日付を自動で入れる方法を
- ✓SEQUENCE・WORKDAY・WEEKDAYの関数と条件付き書式のカスタム数式で順に組み立てます
- ✓土日と祝日を除く営業日の計算
スプレッドシートでガントチャートを作ったものの、作業の期間が変わるたびに日付を打ち直し、横棒の色を塗り直している人は少なくありません。結論から書くと、Googleスプレッドシートのガントチャートは、日付の見出しを関数で並べ、作業の終了日を営業日で計算し、横棒を条件付き書式で塗る、という3つの仕組みを組み合わせれば、開始日を1か所変えるだけで全体が自動で動くようになります。
この記事では、Googleの公式ヘルプに書かれている関数の仕様を確かめながら、日付を自動で入れるガントチャートの組み方を順に説明します。土日と祝日を除いた営業日の計算、前の作業が終わった翌営業日から次の作業を始める設定、今日の位置に線を引く方法まで扱います。最後に、表計算で管理する限界と、専用の道具に移る目安として、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaにも触れます。
完成形の表の形を先に決める
関数を書き始める前に、表の形を決めておきます。形が決まっていないまま関数を書くと、あとで列を差し込んだときに数式がずれ、直す手間が増えます。
この記事で作る表は、1つのファイルに2枚のシートを持たせます。
・「工程」シート 作業の一覧と、日付の横に並ぶガントチャートの本体
・「祝日」シート 休みにしたい日付の一覧
「工程」シートの列は、次のように割り当てます。
・A列 作業名
・B列 担当者
・C列 開始日
・D列 日数(その作業にかかる営業日の数)
・E列 終了日(関数で自動計算)
・F列 完了のチェック
・G列から右 日付の見出しと、横棒を塗るマス
1行目を日付の見出し、2行目を曜日の見出しにして、3行目から下に作業を1行ずつ並べます。A列からF列の1行目と2行目には、「作業名」「担当」「開始日」「日数」「終了日」「完了」の見出しを入れておきます。
この形のよいところは、人が入力するのが「作業名」「担当」「開始日」「日数」の4つだけになる点です。終了日も横棒の色も、関数と書式が自動で決めます。作業の期間が変わったら日数を書き換えるだけ、予定が後ろにずれたら開始日を書き換えるだけで、表全体が追いかけてきます。
具体的な例で考えてみます。Webサイトの記事を5本作る案件で、3行目に「構成案の作成」を2日、4行目に「本文の執筆」を5日、5行目に「確認と修正」を3日、6行目に「公開の準備」を1日と入れたとします。人が入力するのは、最初の作業の開始日と、4つの作業の日数だけです。残りの開始日と終了日はすべて関数が計算し、横棒が階段のように右下へ並びます。執筆が2日延びそうだと分かったら、4行目の日数を7に書き換えるだけで、確認と公開の準備の日付が2営業日ずつ後ろへ動きます。
最初に1つだけ確かめておきたいのが、ファイルの言語と時間帯の設定です。メニューの「ファイル」から「設定」を開くと、言語と地域、タイムゾーンを確かめられます。日本の暦で使うなら、地域を日本、タイムゾーンを東京にしておくと、日付の表示や今日の日付の判定がずれません。
日付の見出しを関数で並べる
ガントチャートの横軸になる日付を、関数で自動で並べます。方法は2つあり、土日も含めて毎日を並べるか、営業日だけを並べるかで使い分けます。
毎日を並べるならSEQUENCE関数
SEQUENCE関数は、連続する数値を並べる関数です。Googleの公式ヘルプでは、次のように説明されています。
SEQUENCE 関数は、1、2、3、4 などの連続する数値の配列を返します。 出典: support.google.com
引数は「行数、列数、開始値、増分量」の順です。スプレッドシートの日付は内部では通し番号の数値として扱われているので、開始値に日付を入れれば、1日ずつ増える日付の並びになります。ガントチャートでは横に並べたいので、行数を1、列数を並べたい日数にします。
チャートの始まりの日を1か所で決められるように、たとえばC1に「表示開始日」として日付を入れておき、G1に次の数式を入れます。
=SEQUENCE(1, 90, $C$1)
これで、G1から右へ90日分の日付が並びます。数値のままで表示された場合は、G1から右を選んで、メニューの「表示形式」から「数字」を開き、日付の形式を選びます。日付の列は細くしたいので、表示形式の「カスタム日時」で日だけを表示する形にしておくと見やすくなります。
表示開始日のC1を書き換えるだけで、見出しの日付がすべて動きます。案件が始まる日をC1に入れれば、1つの表を案件ごとに使い回せます。
営業日だけを並べるならWORKDAY関数
土日を列に入れたくない場合は、WORKDAY関数を使います。公式ヘルプでは、WORKDAY関数は指定された就業日数をもとに終了日を計算する関数で、構文は「WORKDAY(開始日, 日数, [休日])」です。土曜日と日曜日を週末として扱い、3つ目の引数に休日の一覧を渡すと、その日も飛ばして数えます。
G1に表示開始日を入れ、H1に次の数式を入れて右へコピーします。
=WORKDAY(G1, 1, 祝日!$A$2:$A)
H1には、G1の次の営業日が入ります。I1にはH1の次の営業日が入り、右へ行くほど、土日と祝日を飛ばした営業日だけが並びます。G1には表示開始日をそのまま参照する数式(たとえば「=$C$1」)を入れておけば、表示開始日を変えるだけで見出しがすべて動きます。
どちらを選ぶかは、作業の中身で決めます。週末も稼働する仕事や、カレンダーどおりに並べて休みも目で確かめたい場合は毎日型、平日だけ動く仕事で列を節約したい場合は営業日型が向いています。
曜日の見出しと、土日の色分け
2行目には、日付に対応する曜日を表示します。WEEKDAY関数は、日付から曜日を表す番号を返す関数です。公式ヘルプでは、2つ目の引数を省略すると日曜日を1として数え、土曜日が7になると説明されています。
この番号を、CHOOSE関数で曜日の文字に置き換えます。G2に次の数式を入れて右へコピーします。
=CHOOSE(WEEKDAY(G1), "日", "月", "火", "水", "木", "金", "土")
毎日型で日付を並べた場合は、土日の列に色を付けると、休みの日が一目で分かります。ここで使うのが、条件付き書式のカスタム数式です。公式ヘルプの手順は、色を付けたい範囲を選び、メニューの「表示形式」から「条件付き書式」を開き、「セルの書式設定の条件」で「カスタム数式」を選んで数式を入れる、という流れです。
G1から、横棒を塗る範囲の右下まで(たとえばG1からCR100まで)を選び、カスタム数式に次を入れて、背景を薄い灰色にします。
=WEEKDAY(G$1, 2)>5
WEEKDAY関数の2つ目の引数に2を指定すると、月曜日を1として数え、日曜日が7になります。5より大きい、つまり6の土曜日と7の日曜日の列だけが灰色になります。「G$1」のように行の番号の前にだけ「$」を付けておくのがポイントです。こうすると、どの行のマスを判定するときも、1行目の日付を見に行きます。
カスタム数式は、選んだ範囲の左上のセルを基準に書きます。範囲をG1から選んだなら、数式もG1のつもりで書きます。この基準を取り違えると、色が1列ずれて塗られます。思ったとおりに色が付かないときは、まず範囲の左上と数式の基準が合っているかを確かめてください。
祝日のシートを作って休みを反映する
日本の祝日は、土日のように曜日で決まらないため、一覧を用意して関数に渡す必要があります。
「祝日」シートのA1に「日付」と見出しを入れ、A2から下に祝日の日付を1行に1つずつ入れます。祝日の一覧は、内閣府の「国民の祝日」のページに掲載されていて、昭和30年からの一覧をCSV形式でダウンロードすることもできます。ただし、先の年の祝日はまだ載っていません。同じページには次のように書かれています。
令和10年(2028年)の国民の祝日は、前年(令和9年(2027年))の2月に掲載します。 出典: www8.cao.go.jp
年をまたぐ案件では、翌年の祝日が公表されたら、祝日シートに書き足す作業が必要です。毎年2月ごろに確かめる予定を、自分のカレンダーに入れておくと忘れません。
祝日シートには、会社の夏季休業や年末年始の休み、案件ごとの休みも一緒に入れておけます。関数から見れば、ここに入っている日付はすべて「休みの日」として扱われます。
毎日型の見出しで祝日の列にも色を付けたい場合は、条件付き書式にもう1つルールを追加します。ここで気をつけたいのが、条件付き書式から別のシートを参照するときの決まりです。公式ヘルプには、通常の書き方では数式は同じシートだけを参照し、別のシートを参照するにはINDIRECT関数を使うよう書かれています。そこで、次のように書きます。
=COUNTIF(INDIRECT("祝日!A2:A"), G$1)>0
COUNTIF関数で、1行目の日付が祝日シートの一覧に何回出てくるかを数え、0より大きければ色を付けます。土日と同じ灰色にしてもよいですし、祝日だけ薄い赤にして区別してもかまいません。
終了日を営業日で自動計算する
ここからが、日付を自動で入れる仕組みの中心です。E列の終了日を、開始日と日数から計算します。
E3に次の数式を入れます。
=IF(OR(ISBLANK(C3), ISBLANK(D3)), "", WORKDAY(C3, D3-1, 祝日!$A$2:$A))
WORKDAY関数の2つ目の引数を「日数から1を引いた数」にしているのには理由があります。WORKDAY関数は、開始日の「何営業日後」かを返します。月曜日に始めて3営業日かかる作業は、月曜、火曜、水曜で終わるので、終了日は月曜日の2営業日後の水曜日です。日数をそのまま渡すと、木曜日が返ってきて1日ずれます。
IF関数とISBLANK関数の組み合わせは、開始日か日数が空のときに、終了日を空のままにするための工夫です。これがないと、空の行にエラーや意味のない日付が表示され、表が見づらくなります。
セルの中の数式からは、別のシートの範囲をそのまま参照できます。INDIRECT関数が必要なのは、条件付き書式のカスタム数式の中だけです。この違いは混乱しやすいので、覚えておくと迷いません。
公式ヘルプには、WORKDAY関数について1つ注意が書かれています。関数の中に「10/10/2000」のように日付を直接書くと、日付ではなく割り算として解釈されます。日付はセルに入力して、そのセルを参照する形にしてください。
E3の数式を下へコピーすれば、作業を追加するたびに、開始日と日数を入れるだけで終了日が自動で埋まります。
前の作業が終わった翌営業日に、次の作業を始める
作業が順番につながっている案件では、「前の作業が終わった翌営業日から次の作業を始める」という関係を数式で表すと、予定の変更に強い表になります。
たとえば、3行目が「原稿の作成」、4行目が「原稿の確認」で、確認は原稿が仕上がった翌営業日から始める場合、C4に次の数式を入れます。
=WORKDAY(E3, 1, 祝日!$A$2:$A)
これで、3行目の終了日の次の営業日が、4行目の開始日として自動で入ります。3行目の日数を2日延ばせば、3行目の終了日が2営業日後ろにずれ、4行目の開始日も、4行目の終了日も、同じだけ後ろへずれます。5行目、6行目と同じ形でつないでおけば、最初の作業の遅れが、最後の作業の締め切りにどう響くかが、数字を打ち直すことなく分かります。
すべての作業を数式でつなぐ必要はありません。前の作業と並行して進められる作業は、開始日を手で入れるか、もっと前の作業の終了日を参照します。どの作業がどの作業を待っているのかを、最初に紙に書き出してから数式を入れると、つなぎ間違いを防げます。
数式が入っているセルと、手で入力するセルを見分けられるようにしておくのも大切です。数式のセルの文字を灰色にする、手で入力するセルの背景を薄い黄色にする、といった見た目の決まりを作っておくと、ほかの人が表を触ったときに、うっかり数式を消してしまう事故を減らせます。
横棒を条件付き書式で自動で塗る
最後に、ガントチャートの横棒を、条件付き書式で自動で塗ります。
G3から右下の範囲(たとえばG3からCR100まで)を選び、条件付き書式のカスタム数式に次を入れて、塗りの色を濃い青などにします。
=AND(NOT(ISBLANK($C3)), G$1>=$C3, $E3>=G$1)
この数式は、「その行の開始日が入っていて、1行目の日付が開始日以降で、かつ終了日以前」なら色を付ける、という意味です。「$C3」「$E3」のように列の記号の前にだけ「$」を付けると、どの列のマスを判定するときもC列とE列を見に行きます。「G$1」は、どの行のマスを判定するときも1行目の日付を見に行きます。この2つの「$」の付け方が、横棒を自動で塗る仕組みの要です。
条件付き書式のルールは、上にあるものから順に判定されます。土日や祝日の灰色のルールを上に並べると、横棒の途中の休みの日が灰色で表示され、作業の期間の中にどれだけ休みがあるかが分かります。反対に、横棒のルールを上に並べると、休みの日も含めて期間が1本の棒で塗られます。どちらが見やすいかは好みなので、両方を試して決めてください。
完了した作業を別の色にしたい場合は、F列にチェックボックスを入れ、チェックが付いた行の横棒を灰色にするルールを、横棒のルールより上に追加します。
=AND($F3=TRUE, G$1>=$C3, $E3>=G$1)
チェックボックスは、F列を選んでメニューの「挿入」から「チェックボックス」を選ぶと入ります。完了した作業が一目で分かるので、週ごとの進捗の確認がしやすくなります。
うまく動かないときに確かめる5つの点
関数と条件付き書式を組み合わせた表は、どこか1か所の設定がずれるだけで、思ったとおりに動かなくなります。よくあるつまずきと、確かめる順番を整理します。
1つ目は、日付が文字として入っていないかです。別のファイルから日付を貼り付けると、見た目は日付でも、中身が文字のままになっていることがあります。文字の日付は関数で計算できず、WORKDAY関数がエラーを返します。セルを選んで表示形式を日付にし直すか、日付を入力し直します。
2つ目は、「$」の付け方です。横棒の数式で、開始日と終了日の列の前に「$」がないと、右の列を判定するときに別の列を見に行き、棒が斜めに崩れます。1行目の日付の行の番号の前に「$」がないと、下の行を判定するときに別の行を見に行き、色が付きません。
3つ目は、条件付き書式の範囲と数式の基準が合っているかです。範囲をG3から選んだのに、数式をG1の形で書くと、色が2行ずれます。範囲の左上のセルに合わせて数式を書くのが決まりです。
4つ目は、祝日の範囲に余計な値が入っていないかです。祝日シートのA列に見出しや説明の文を入れたまま範囲に含めると、関数が日付でない値を読み込みます。範囲はA2から下にし、日付以外の値を入れないようにします。
5つ目は、見出しの日付の数が足りているかです。SEQUENCE関数で90日分だけ並べている場合、案件が90日を超えると、それより後ろの横棒が表示されません。案件の長さに合わせて列数を伸ばすか、表示開始日をずらして使います。
この5つを順に確かめれば、多くの不具合は見つかります。それでも原因が分からないときは、問題の行だけを新しいシートに写し、数式を1つずつ入れ直してみると、どの段階でずれるのかを切り分けられます。
今日の位置に線を引く
ガントチャートで進み具合を確かめるとき、今日がどこかが分かると、遅れている作業がすぐに見つかります。条件付き書式で、今日の列に色を付けます。
G1から右下の範囲を選び、カスタム数式に次を入れて、枠線の代わりに薄い黄色などで塗ります。
=G$1=TODAY()
TODAY関数は、今日の日付を返す関数です。公式ヘルプには、TODAY関数は最初に入力した時点の日付ではなく、スプレッドシートが最後に再計算された日付を返すと書かれています。ファイルを開いたときに再計算されるので、毎朝開けば今日の列に色が移ります。
さらに一歩進めて、「今日の時点で終わっているはずなのに、完了のチェックが付いていない作業」の作業名を赤くすると、遅れが目に入りやすくなります。A3からA100を選び、カスタム数式に次を入れて、文字の色を赤にします。
=AND(NOT(ISBLANK($E3)), TODAY()>$E3, $F3=FALSE)
週の始めに表を開いて、赤い作業名が並んでいたら、その作業について担当者と相談する、という使い方ができます。赤い作業名を責める材料にするのではなく、日数の見積もりが甘かったのか、前の作業の遅れを受けたのかを確かめる入り口にすると、次の案件の見積もりの精度が上がっていきます。
予定どおり進んでいるかを数字で見る
横棒の色だけでは、作業が予定に対してどれくらい進んでいるべきかまでは分かりません。そこで、「今日の時点で、予定ではどこまで進んでいるはずか」を割合で出す列を追加します。
作業の一覧に「予定の進み」という列を1つ追加します。ここでは、F列の完了のチェックの右に列を差し込んだと考えます。差し込んだ列の3行目に、次の数式を入れます。
=IF(ISBLANK(C3), "", MIN(1, MAX(0, NETWORKDAYS(C3, TODAY(), 祝日!$A$2:$A) / D3)))
NETWORKDAYS関数で、開始日から今日までの営業日の数を数え、作業の日数で割っています。MAX関数で0より小さくならないように、MIN関数で1より大きくならないようにそろえているので、まだ始まっていない作業は0、期間の途中の作業は0から1の間、期間を過ぎた作業は1になります。表示形式をパーセントにすれば、「予定では60%まで進んでいるはず」という形で読めます。
これに、担当者が自分で入れる「実際の進み」の列を並べると、予定と実際の差が見えます。差が大きい行に色を付ける条件付き書式を追加すれば、週の確認のときに話し合うべき作業がすぐに見つかります。実際の進みを担当者の感覚で入れると数字がぶれやすいので、「下書きが終わったら50%、確認が終わったら80%」のように、作業ごとの目安を決めておくと、チームの中で数字の意味がそろいます。
列を差し込むと、横棒の範囲の数式の列の記号がずれることがあります。列を追加したあとは、条件付き書式のルールを開いて、範囲と数式の基準が合っているかを必ず確かめてください。
作業の日数を営業日で数え直す
予定を組んだあとで、「この期間で実際に何営業日あるのか」を確かめたいことがあります。そんなときは、NETWORKDAYS関数を使います。公式ヘルプのWORKDAY関数の説明には、2つの日付の間の就業日数を計算する場合はNETWORKDAYSを使うよう書かれています。
=NETWORKDAYS(C3, E3, 祝日!$A$2:$A)
この数式をどこかの列に入れておくと、開始日と終了日を手で入れた行についても、営業日の数を確かめられます。取引先から「この日からこの日まで」と期間で指示された作業について、実際に使える営業日を数えるのに役立ちます。
週末が土日でない働き方をしている場合は、WORKDAY関数とNETWORKDAYS関数の代わりに、WORKDAY.INTL関数とNETWORKDAYS.INTL関数を使います。WORKDAY.INTL関数は、週末の曜日を数値か文字列で指定できる関数です。公式ヘルプでは、7文字の文字列で、月曜日から順に平日を0、週末を1で書く方法が説明されています。たとえば、日曜日だけを休みにするなら、週末の引数に11を指定します。土曜日も稼働する現場や、平日に定休日がある店舗の工程表では、この関数が欠かせません。
担当者ごとに見たいときはフィルタ表示を使う
作業の行が増えてくると、「自分の担当の作業だけを見たい」「今月に終わる作業だけを見たい」という場面が出てきます。共有している表で通常のフィルタをかけると、ほかの人の画面にも同じ絞り込みがかかり、混乱のもとになります。
そこで使いたいのが、フィルタ表示です。公式ヘルプによると、フィルタ表示は、絞り込みを自分が見ているスプレッドシートにだけ適用できる機能で、メニューの「データ」から「フィルタビューを作成」を選んで作ります。作ったフィルタ表示は、右上の「ビューを保存」から名前を付けて残せます。閲覧の権限しかない人も、自分だけが使える一時的なフィルタ表示を作れます。
ガントチャートでは、次のようなフィルタ表示を用意しておくと便利です。
・担当者ごとの表示 B列の担当で絞り込み、自分の作業だけを並べる
・未完了の表示 完了のチェックが付いていない行だけを並べる
・今月の表示 終了日が今月の範囲に入っている行だけを並べる
フィルタ表示のリンクは、その表示を適用した状態のURLをコピーして共有できます。担当者ごとのフィルタ表示のURLを、それぞれの担当者に送っておけば、表を開いた人が毎回絞り込みをかけ直す手間がなくなります。
フィルタで行を隠しても、条件付き書式の横棒や今日の線はそのまま表示されます。行ごとに数式と書式を組んでいるからです。絞り込んだ状態でも、自分の作業の期間と今日の位置の関係がすぐに分かります。
複数人で使うときに表を壊さない工夫
自分ひとりで使う表なら問題になりませんが、チームで共有すると、数式のセルを上書きされる、列を勝手に差し込まれる、といったことが起こります。関数で日付を自動で入れる表は、数式が1つ消えるだけで、その行から下の予定がすべて狂います。
Googleスプレッドシートには、シートや範囲を保護する機能があります。公式ヘルプの手順は、メニューの「データ」から「シートと範囲を保護」を開き、「シート / 範囲を追加」で保護したい範囲を選び、「権限を設定」で編集を制限する方法を選ぶ、という流れです。他の人が編集しようとしたときに警告を出すだけにするか、編集できる人を限るかを選べます。
ガントチャートでは、次のように分けると使いやすくなります。
・終了日のE列と、日付の見出しの1行目と2行目は、編集できる人を表の管理者に限る
・作業名、担当、開始日、日数、完了のチェックの列は、チームの全員が編集できるようにする
・祝日シートは、警告を出す設定にして、うっかりした削除を防ぐ
公式ヘルプには、この保護はセキュリティ対策ではないと書かれています。編集の権限がある人は、保護された範囲を含むファイルのコピーを作ったり、内容を書き出したりできます。社外の人と共有する表に、見せてはいけない情報を入れないことは、保護とは別に気をつける必要があります。
もう1つの工夫は、変更履歴の使い方を知っておくことです。Googleスプレッドシートは編集の履歴を残しているので、数式が壊れてしまったときでも、前の状態を確かめて戻せます。どの時点に戻ればよいかが分かるように、大きく予定を組み直した日をチームの共有メモに書いておくと安心です。
表計算で管理する限界と、専用の道具に移る目安
関数と条件付き書式で作ったガントチャートは、無料で、自分たちの仕事に合わせて形を変えられるのが強みです。一方で、使い続けると見えてくる限界もあります。
1つ目は、壊れやすさです。だれかが列を差し込んだり、数式のセルに日付を直接打ち込んだりすると、終了日の計算や横棒の色がずれます。人数が増えるほど、表を壊さないための決まりが増え、その決まりを守ってもらう手間が増えます。
2つ目は、操作の直感性です。横棒をつかんでずらす、といった操作はできず、日付や日数の数字を書き換える必要があります。数字の扱いに慣れていない人にとっては、予定を変えるたびに表を開くのがおっくうになります。
3つ目は、やり取りの分散です。作業についての相談や決まったことは、チャットやメールでやり取りされ、表には残りません。表を見ても、なぜ予定がずれたのかが分からなくなります。
目安として、作業の行が50を超えた、表を編集する人が4人を超えた、作業の相談をする場所と予定を見る場所が分かれて困っている、のどれかに当てはまったら、専用の道具を試す時期です。
その候補の1つに、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaがあります。公式サイトの記載では、ガントチャートのボードでカードの期間が横棒で並び、バーをドラッグすると開始日も締め切りもその場で変わります。今日の線で遅れている作業が分かり、担当者別やラベル別に絞り込めます。カンバン、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが、5人まで無料のプランで使えます。表計算の表と同じ案件を、無料の範囲で並べて試してみると、自分たちに合うかを確かめられます。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
業務の自動化を仕事にする人が増えている
最後に、こうした表計算の工夫が、在宅の仕事の市場でどう評価されているかを整理します。
関数や条件付き書式で手作業を減らす技術は、事務の仕事の中でも需要が高まっています。毎週手で色を塗っていた工程表を、開始日を変えるだけで動く表に作り替える、という依頼は、在宅で受けられる仕事の典型の1つです。さらに進んで、繰り返しの作業をツールで自動化する仕事の内容は、RPA・業務自動化ツールのお仕事で確かめられます。顧客への連絡やメールの配信を自動化する仕事は、CRM・メルマガ・自動化施策のお仕事で紹介しています。
翻訳やローカライズのように、締め切りが細かく連なる仕事でも、この表の考え方はそのまま使えます。下訳、見直し、用語の確認、納品前の最終チェックと工程がつながっていて、1つの遅れが納期に響くからです。営業日で終了日を自動計算しておくと、依頼主から「この日までに」と言われたときに、受けられるかどうかをその場で判断できます。
職場の業務をデジタルに移す取り組みには、国の支援もあります。在宅勤務の環境を整える費用の支援についてはテレワーク 助成金 2026で、介護や福祉の事業所が記録を電子化する流れは介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で説明しています。表計算から専用の道具に移るときの費用の考え方の参考になります。
在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、こうした「仕組みで手間を減らす」仕事は、一度信頼されると継続の依頼につながりやすい仕事です。依頼する側と受ける側が直接やり取りでき、仲介の手数料0%で取引できる場なら、依頼する側は同じ予算で仕組みの改善まで頼みやすくなり、受ける側は手取りが厚くなります。
よくある質問
Q. スプレッドシートのガントチャートで土日を除いた終了日を出すには?
WORKDAY関数を使います。開始日のセルと、日数から1を引いた数を渡すと、土日を飛ばした終了日が返ります。月曜日に始めて3営業日かかる作業なら水曜日です。祝日も除きたい場合は、祝日の一覧を別のシートに作り、3つ目の引数にその範囲を渡します。
Q. 条件付き書式で別のシートの祝日一覧を参照できません。どうすればよいですか?
Googleの公式ヘルプには、条件付き書式のカスタム数式は通常の書き方では同じシートだけを参照し、別のシートを参照するにはINDIRECT関数を使うと書かれています。COUNTIF関数とINDIRECT関数を組み合わせ、祝日シートの範囲を文字列で指定すると、祝日の列に色を付けられます。
Q. ガントチャートの日付の見出しを自動で並べる方法は?
毎日を並べるなら、SEQUENCE関数で行数を1、列数を並べたい日数、開始値を表示開始日のセルにします。営業日だけを並べるなら、最初のセルに表示開始日を入れ、右のセルにWORKDAY関数で前のセルの次の営業日を求める数式を入れて右へコピーします。
Q. 今日の位置をガントチャートに表示するには?
条件付き書式のカスタム数式で、1行目の日付がTODAY関数の値と等しい列に色を付けます。TODAY関数はスプレッドシートが最後に再計算された日付を返すので、ファイルを開くたびに今日の列へ色が移ります。終了日を過ぎて完了していない作業名を赤くするルールと組み合わせると、遅れが見つけやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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