ネットワーク引越センターのランサムウェア被害|顧客の氏名・住所・家財リスト 漏えいのおそれ 2026


この記事のポイント
- ✓ネットワーク引越センターのランサムウェア被害について
- ✓2026年7月の公式発表をもとに整理
- ✓顧客管理システムのデータベースが削除され
ネットワーク引越センターのランサムウェア被害について、運営する株式会社ネットワークジャパン 引越事業部は、2026年7月9日付の「お客様情報に関するお知らせとお詫び」(お知らせ一覧の掲載は7月10日)で、顧客管理システムへの不正アクセス(ランサムウェア事案)により、客の個人情報に「滅失および漏えいのおそれ」があると発表しました。2026年7月2日午前2時38分ごろ、データベースが削除され、攻撃者は復旧と引き換えに暗号資産を求める文書を残していました。 対象になる可能性があるのは、引越しの見積り、依頼、問い合わせをした客などで、項目は氏名、住所、電話番号、メールアドレス、引越予定日、引越日、家財リストなどです。クレジットカード情報は持っておらず、カード番号の漏えいはないとされています。 見積りや依頼をしたことがある人がまずすることは、ネットワーク引越センターを名乗る電話・メール・SMSに個人情報を答えず、URLや添付ファイルを開かないことです。
2026年11月1日時点で、続報は公式サイトに掲載されていません。ネットワーク引越センターのお知らせ一覧には、7月10日の発表の後に、営業時間の変更やお客様アンケートの掲載などのお知らせが並んでいますが、この件の第2報や調査結果、件数は出ていません。親会社のコーポレートサイトのお知らせにも、この件の掲載はありません。この記事は、2026年11月1日に公式のお知らせを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
ネットワーク引越センターで何が起きたのか
ネットワーク引越センターは、株式会社ネットワークジャパンの引越事業部が運営する引越しのサービスです。単身の引越し、家族の引越し、法人の引越しを扱い、サイトには訪問なしでLINEから見積りを頼める窓口も案内されています。サイトの下部には、引越事業部 本部として新潟県新潟市の所在地が書かれています。
発表の「事案の概要」に書かれた事実は次のとおりです。
- 2026年7月2日午前2時38分ごろ、第三者が顧客管理システムのデータベースに不正アクセスし、データベースが削除された
- 同じ日の午前7時30分ごろにシステムの障害に気づき、すぐにシステムの運用を委託しているシステム会社と調査と復旧の作業を始めた
- 攻撃者は、データベースを削除した後、復旧と引き換えに暗号資産を要求する文書を設置していた
- 攻撃者は取得した情報を公開すると主張している
- 2026年7月9日の発表の時点で、個人情報が実際に外へ漏えいした事実や、不正に使われた事実は確認されていない
- ただし、技術的な制約でデータの持ち出しの有無を完全には確認できず、漏えいのおそれを否定できない
「ランサムウェア」とは、データを暗号化したり消したりして使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する攻撃のことです。今回は、データベースが削除され、復旧の代わりに暗号資産を求める文書が残されていました。「暗号資産」とは、ビットコインなどインターネット上でやりとりされる財産的な価値のことで、攻撃者は追跡されにくい支払いの手段として求めることが多いものです。
発表の冒頭の一文は次のとおりです。
このたび、当社が利用している顧客管理システムに対し、第三者による不正アクセス(ランサムウェア事案)が発生し、お客様の個人情報について、滅失および漏えいのおそれがあることが判明いたしました。 出典: ネットワーク引越センター「お客様情報に関するお知らせとお詫び」
「滅失」とは、データがなくなって元に戻せなくなることです。「漏えいのおそれ」とは、外に出た可能性を否定できないという意味です。今回は、この二つが重なっている点に特徴があります。この記事も、公式の表現どおり「滅失および漏えいのおそれ」と書き、漏えいしたとは言い切りません。
公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること
発表に書かれた日付を、順に並べます。
| 日付と時刻 | 出来事 | 公式に書かれていること |
|---|---|---|
| 2026年7月2日 午前2時38分ごろ | 不正アクセス | 顧客管理システムのデータベースが削除された |
| 2026年7月2日 午前7時30分ごろ | 障害に気づく | 運用を委託するシステム会社と調査と復旧を開始 |
| 2026年7月8日 | 報告と届出 | 個人情報保護委員会へ報告、警察へ相談・届出 |
| 2026年7月9日 | 発表の文書の日付 | 「お客様情報に関するお知らせとお詫び」 |
| 2026年7月10日 | お知らせ一覧への掲載 | 一覧ではこの日付で掲載 |
攻撃から障害に気づくまでは、およそ5時間です。深夜の時間帯に攻撃され、朝に気づいたことになります。報告と届出は攻撃の6日後、発表はその翌日です。
2026年11月1日時点で、お知らせ一覧の7月10日より後の掲載は、「令和8年度 安全運転・チャレンジ100に参加します。」(7月11日)、「採用情報はこちらへ」(7月22日)、「【受付営業時間変更のお知らせ】」(8月12日)、「ご利用いただきましたお客様へ」(8月14日)、「11月3日の受付終了時間について」(10月29日)です。どれも、この件の続報ではありません。8月14日の「ご利用いただきましたお客様へ」は、ホームページに掲載した「お客様アンケート」への感謝と、利用者の意見・感想を公開する案内で、不正アクセスには触れていません。
つまり、2026年11月1日時点では、対象の件数、攻撃者が主張する情報の公開が実際にあったか、持ち出しの有無の調査結果、侵入の経路は、どれも公表されていません。補償やお詫びの品についての記載もありません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。
対象になる可能性がある人と、滅失した期間
発表は、対象について次のように書いています。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 対象となる可能性がある客 | 引越しの見積り、依頼、問い合わせをした客等 |
| 顧客情報が滅失した期間 | 令和7年3月26日から令和8年5月14日まで(2025年3月26日から2026年5月14日まで) |
| 件数 | 発表に記載なし |
「顧客情報が滅失した期間」は、この期間の顧客情報がなくなった、という意味で書かれています。発表は、データベースが削除された後の復旧作業とデータの保全にも触れていますが、どこまで元に戻ったのか、この期間の外の情報がどう扱われたのかは書かれていません。この記事でも、期間の外の人が対象外だと言い切ることも、対象だと言い切ることもしません。
件数は、2026年11月1日時点で公表されていません。対象の範囲も「客等」と書かれていて、見積りや依頼、問い合わせをした客のほかにも対象になる人がいる可能性を残しています。たとえば、引越しの依頼者とは別に、立ち会いの家族や法人の引越しの担当者の名前が記録されていた場合などですが、どの人が「等」に入るのかは公式に書かれていないため、推測で広げません。
見積りや依頼をした覚えがあるかどうかは、次の手がかりで確かめられます。
- ネットワーク引越センターから届いた見積書や確認のメール、SMS
- LINEで見積りを頼んだ場合は、LINEのトークの履歴
- 引越しの代金を払った記録(振込の明細やカードの明細)
- 家族や勤め先の引越しの担当者が、代わりに頼んでいないか
漏えいのおそれがある情報と、含まれない情報
発表に書かれた項目を、含まれるものと含まれないものに分けます。
| 区分 | 公式の記載 |
|---|---|
| 対象となる可能性のある情報 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス |
| 対象となる可能性のある情報 | 引越予定日、引越日、家財リスト |
| 対象となる可能性のある情報 | その他、見積り・引越業務に必要な情報 |
| 含まれない情報 | クレジットカード情報(保有しておらず、カード番号の漏えいはない) |
引越しの会社が持つ情報には、ほかのサービスにない特徴があります。一つは、引越しの見積りでは、いまの住所と引越し先の住所の両方を伝えることが多い点です。発表の項目は「住所」とだけ書かれていて、どちらの住所かは示されていませんが、両方を伝えた人は、両方が対象になり得ると考えて備えておくと安心です。もう一つは、「家財リスト」という、家にある家具や家電の一覧が含まれることです。見積りのために、冷蔵庫や洗濯機の大きさ、ピアノや金庫の有無、段ボールの数などを伝えた人も多いはずです。
「その他、見積り・引越業務に必要な情報」も対象です。建物の階数やエレベーターの有無、駐車の条件、立ち会いの時間など、作業の段取りのために伝えた内容が含まれると考えられますが、どの項目が記録されていたかは、利用の形によって違うため、発表には一つずつは書かれていません。この記事でも、ここに挙げた例が必ず含まれるとは書きません。
クレジットカード番号については、会社がカード情報を持っていないため、漏えいはないと明記されています。銀行口座の番号についての記載はありません。代金を振込で払った人や、返金を口座で受け取った人は、口座の情報が記録されていたかが気になるかもしれません。項目に口座の番号は挙げられていないため、この記事では含まれるとも含まれないとも書きません。気になる人は、下の窓口で確かめます。
引越しの情報が出回るとどうなるか
引越しの情報が外に出たとき、利用者の側で気をつけたいことは、項目の組み合わせから考えられます。実際に被害が出たとは、2026年11月1日時点の発表には書かれていません。そのうえで、備えとして知っておくと役に立つ点を挙げます。
一つ目は、引越し会社や関連の業者を名乗る連絡です。氏名と電話番号と引越日がそろうと、「引越しの件で追加の料金の確認です」「作業の際の破損の補償の手続きです」といった電話やSMSが、本物らしく見えやすくなります。こうした連絡で、カード番号や口座番号を聞かれたり、別のサイトでの支払いを求められたりしたら、応じずに公式の窓口に確かめます。
二つ目は、住所に届く郵便です。引越し先の住所と氏名がそろうと、引越し先あてに、公共料金や回線の契約の切り替えを装った郵便が届くことも考えられます。引越しの直後は、電気、ガス、水道、インターネットの回線などの手続きが重なり、本物と偽物の区別がつきにくい時期です。封書に書かれた番号に電話する前に、契約している会社の公式サイトで番号を確かめます。
三つ目は、家財リストです。家にある家具や家電、大きな品物の有無が分かる情報なので、気になる人もいるはずです。ただ、家財リストが実際に外に出たと確認されたわけではありません。過度に心配するより、家の戸締まりや、見知らぬ訪問者に家の中の様子を話さない、といったふだんの用心を続けることが現実的な備えです。
住所が出回ったときに起きやすいことと備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく説明しています。
顧客情報の滅失で、利用者の手元の控えが役に立つ場面
今回の発表は、2025年3月26日から2026年5月14日までの顧客情報が滅失したとしています。会社の側で記録が失われた場合、利用者の手元に残る控えが、やりとりの内容を示す手がかりになることがあります。会社の記録がどこまで戻ったかは発表に書かれていないため、ここでは、念のために手元の控えを整えておく方法として説明します。
残しておきたいのは、次のようなものです。
- 見積書、契約の内容が分かる書類やメール、SMS
- 作業の日時や内容を確かめたLINEのトークの履歴
- 代金を払った記録(領収書、振込の明細、カードの明細)
- 作業の後に家具や建物の傷について申し出た場合は、そのときの写真とやりとりの記録
とくに、引越しの作業の後に破損などを申し出て、やりとりが続いている人は、これまでの経緯が分かる記録を手元にそろえておきます。会社に問い合わせるときも、日付と内容が分かる控えがあれば、話が早く進みます。
一方で、控えを整えるときに、見積書や契約書の写真をSNSに載せたり、知人に送ったりしないよう気をつけます。住所や電話番号が写った書類の画像は、それ自体が個人情報です。保存する場所は、自分のパソコンやスマートフォン、クラウドの中でも自分だけが見られる場所にします。
原因について発表で分かっていること
原因について公式に書かれているのは、第三者が顧客管理システムのデータベースに不正にアクセスしたことと、それがランサムウェア事案であることまでです。どこから侵入されたのか、どの弱点が突かれたのかは、2026年11月1日時点で公表されていません。会社は、今後も外部の専門業者と連携して、原因の究明と再発防止策を続けるとしています。この記事でも、侵入の経路を推測で埋めません。
発表が「技術的な制約によりデータの持ち出しの有無を完全に確認することができない」と書いている点は、読み方に注意が要ります。データベースが削除されると、その中に残っていたはずの記録も一緒に失われることがあり、誰がいつ何を読み出したかを後から確かめにくくなります。そのため、攻撃者が「情報を公開する」と主張していても、実際に持ち出したのかを会社の側で確かめきれず、「おそれ」として知らせている、ということです。
攻撃者の主張は、あくまで攻撃者の言い分です。情報を公開すると脅すのは、身代金を払わせるための手口の一つでもあります。主張があったことは事実として発表に書かれていますが、主張どおりに情報が持ち出されたのかは確かめられていない、という発表の書き方をそのまま受け取ります。
ネットワーク引越センターの対応
発表に書かれた対応を整理します。
| 対応 | 公式の記載 |
|---|---|
| 判明後すぐの対応 | 不正アクセスの経路の遮断、データベースへの外部接続の停止、管理者パスワードの変更 |
| 復旧 | システムの復旧とデータの保全 |
| 調査 | 影響範囲の調査 |
| 対策 | セキュリティ対策の強化。外部の専門業者と連携し、原因の究明と再発防止策を継続 |
| 報告 | 2026年7月8日に個人情報保護委員会へ個人情報保護法に基づく報告 |
| 警察 | 2026年7月8日に警察へ相談・届出、連携して対応中 |
| 客へのお願い | 会社を名乗る不審な電話・メール・SMSに個人情報を提供せず、添付ファイルやURLを開かないよう依頼 |
対象の客に個別に連絡するかどうかは、発表に書かれていません。連絡の有無や方法は公式に書かれていないため、この記事では推測しません。個別の連絡を待つより、自分が見積りや依頼をしたことがあるかを先に思い出し、必要なら窓口に問い合わせるほうが確実です。
補償やお詫びの品については、発表に記載がありません。
見積りや依頼をしたことがある人がすること
漏えいのおそれがある項目に合わせて、要るものだけを順に行います。
会社を名乗る連絡に、個人情報を答えない
会社は、ネットワーク引越センターを名乗る不審な電話、メール、SMSを受け取ったら、個人情報を伝えず、添付ファイルやURLを開かないよう求めています。具体的には、次のような連絡には応じないと決めておくと迷いません。
- 引越しの追加料金や、作業の際の破損の補償を名目に、カード番号や口座番号を聞くもの
- 「データの復旧のため」と言って、氏名や住所、生年月日を改めて入力させようとするもの
- 返金や割引の手続きを装って、メールやSMSのリンクから別のサイトへ誘うもの
- 攻撃者を名乗り、「情報を公開されたくなければ」と金銭を求めるもの
最後の例は、念のための備えです。こうした連絡が実際に来たとは発表に書かれていません。もし届いても、応じず、窓口と警察に相談します。
SMSで届く偽の通知の見分け方は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順にまとめています。電話番号が出回った場合の迷惑電話への備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく説明しています。
予約中の引越しがある人は、予約の内容を確かめる
顧客情報の一部が滅失したとされているため、これから引越しを予定している人は、予約の日時や作業の内容が会社の側で正しく扱われているかを、念のため確かめておくと安心です。確かめるときは、届いたメールやSMSのリンクからではなく、下の窓口の電話番号に自分でかけます。予約の内容が正しいかを確かめるだけなら、カード番号や暗証番号を伝える必要はありません。
引越し先の住所に届く郵便に気をつける
引越しを終えた人は、引越し先の住所あてに届く郵便のうち、契約や料金の切り替えを装ったものに注意します。封書の差出人の会社と自分が契約しているかを確かめ、封書に書かれた番号ではなく、公式サイトで確かめた番号に問い合わせます。
家族に一声かける
引越しの見積りを頼んだのが家族の一人でも、引越しの情報には家族全員の住まいが関わります。とくに、高齢の親の引越しを子どもが代わりに頼んだ場合は、親あてに引越し会社を名乗る電話が来る可能性もあります。「引越し会社を名乗って、お金やカードのことを聞かれたら、答えずに電話を切って知らせてほしい」と、具体的な言葉で伝えておきます。
LINEで見積りを頼んだ人
ネットワーク引越センターのサイトには、訪問なしでLINEから見積りを頼める窓口が案内されています。LINEで見積りを頼んだ人も、見積りのために伝えた名前や住所、家財の内容が顧客管理システムに記録されていれば、対象になる可能性があります。ただ、LINEのやりとりそのものが顧客管理システムに保存されていたかどうかは、発表に書かれていません。
LINEで頼んだ人は、トークの履歴から、いつ、どんな内容を伝えたかを確かめておくと、窓口に問い合わせるときに役に立ちます。また、LINEのトークで届いたメッセージでも、引越し会社を名乗って別のサイトへの入力や支払いを求めるものには応じず、公式の窓口の電話番号に確かめます。LINEのアカウント自体が狙われた件ではないため、今回の件だけを理由にLINEのパスワードを変える必要は示されていません。
攻撃者を名乗る連絡が届いたとき
発表は、攻撃者が取得した情報を公開すると主張していると書いています。ランサムウェアの件では、攻撃者が会社だけでなく、客に直接連絡して不安をあおることを心配する人もいます。今回の件でそうした連絡があったとは、2026年11月1日時点の発表には書かれていません。そのうえで、万が一届いたときの動き方を決めておくと慌てずに済みます。
- 返信しない。メールやSMSに返信すると、その連絡先が使われていることを相手に知らせることになる
- お金を払わない。払っても情報が消されるとは限らず、さらに要求が続くこともある
- 届いた内容を保存する。画面を撮影するか、メールを消さずに残しておく
- ネットワーク引越センターの窓口と、警察の相談窓口に知らせる
不安になったときほど、相手の言い分ではなく、会社の発表に書かれた事実に立ち返ります。今回の発表では、実際に漏えいした事実も不正利用の事実も確認されていないとされています。
しなくてよいこと
クレジットカード情報は会社が持っておらず、カード番号の漏えいはないとされています。そのため、今回の件だけを理由に、カードを止める必要はありません。引越しの代金をカードで払った人も、カードの明細をふだんどおり見ておけば十分です。
これから引越しを頼む人が確かめたいこと
今回の件は、ネットワーク引越センターに限らず、引越しの会社に見積りを頼むときに伝える情報が多いことを改めて示しています。これから引越しを頼む人は、どの会社に頼む場合でも、次の点を意識しておくと、万が一のときの備えになります。
- 見積りに要る情報だけを伝える。家財の内容は伝える必要があるが、勤め先、家族の生年月日、口座番号など、見積りに関係しない情報は伝えない
- 複数の会社に見積りを頼んだら、どの会社にいつ頼んだかを控えておく。発表が出たときに、自分が対象かをすぐ判断できる
- 断った会社にも情報は残る場合がある。気になるときは、会社のプライバシーポリシーで、問い合わせ窓口と情報の扱いを確かめる
- 引越しの前後は、電気・ガス・水道・回線・郵便の転送など手続きが重なる。手続きの案内は、契約した会社の公式サイトか、自分で申し込んだ窓口からのものだけを信じる
見積りの段階で伝えた情報は、引越しを頼まなかった場合でも、会社の記録に残っていることがあります。今回の発表でも、対象は「見積り、依頼、問い合わせ」をした客と書かれていて、実際に引越しを頼んだ人だけではありません。断った会社の名前まで控えておくのは手間ですが、複数の会社に一括で見積りを頼むサービスを使った人ほど、どこに情報を伝えたかが分かりにくくなります。
引越しを終えた後に届く郵便や電話には、引越し先の住所が正しく書かれているからといって、本物だと決めつけないことも大切です。住所が正しいことは、本物である理由にはなりません。差出人の会社と自分が契約しているか、連絡の内容が自分の申し込みと合っているかを確かめてから応じます。
法人の引越しを頼んだ会社の担当者が気をつけること
ネットワーク引越センターは、法人の引越しも扱っています。事務所の移転などで見積りや依頼をした会社では、担当者の名前と連絡先、事務所の住所、移転の予定日、オフィスの家具や機器のリストなどが記録されていた可能性があります。どの項目が記録されていたかは、依頼の形によって違い、発表には一つずつは書かれていません。
法人の担当者は、次の点を確かめておくと安心です。
- 移転の見積りや依頼をした時期が、滅失した期間(2025年3月26日から2026年5月14日まで)に入っているか
- 社内で、引越し会社を名乗る電話やメールへの対応の仕方を共有しているか
- 取引先の名前を名乗って請求書の振込先の変更を求めるメールが届いたとき、電話など別の手段で確かめる手順があるか
会社として個人情報の扱いに関わる判断が必要な場合は、社内の担当部署と相談します。会社の側に報告の義務が生じるかどうかは、事情によって変わるため、ここでは断定しません。
問い合わせ窓口
窓口は、発表の末尾に書かれています。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 窓口 | 株式会社ネットワークジャパン 引越事業部(ネットワーク引越センター) |
| 受付時間 | 平日 9:00から18:00 |
| 電話番号 | 070-8827-3665 |
| メールアドレス | [email protected] |
サイトの上部に出ている「営業時間 8:00から18:00」は引越しの受付の時間で、この件の窓口の受付時間は「平日 9:00から18:00」と書き分けられています。問い合わせるときは、見積りや依頼をしたおおよその時期と、そのとき伝えた名前と電話番号を手元に用意しておくと、話が早く進みます。
メールで問い合わせる場合は、件名に「お客様情報に関するお知らせの件」などと入れ、本文には、見積りや依頼をした時期、依頼のときの名前と電話番号、知りたいこと(自分が対象か、予約の内容が残っているか、など)を書きます。カード番号や暗証番号は、問い合わせのメールに書く必要はありません。受付は平日だけなので、週末に送ったメールの返事は週明けになると考えておきます。
不審な電話がかかってきた場合は、その電話で言われた番号にかけ直すのではなく、上の表の番号に自分でかけます。番号は、ネットワーク引越センターのサイトのお知らせ一覧から、7月10日の「お客様情報に関するお知らせとお詫び」を開いて確かめられます。
ランサムウェアの件の発表を、利用者はどう読むか
ランサムウェアの件の発表には、ほかの不正アクセスの件と違う読み方のこつがあります。今回の発表に沿って整理します。
まず、「滅失」と「漏えい」は別のことです。滅失はデータがなくなること、漏えいはデータが外に出ることです。今回の発表は、両方の「おそれ」を書いています。データがなくなったことで困るのは、主に会社と、予約中の客です。データが外に出たかもしれないことで備えが要るのは、記録されていた客全体です。
次に、攻撃者の主張と、会社が確かめた事実を分けて読みます。今回の発表は、攻撃者が情報の公開を主張していることを書いたうえで、実際に漏えいした事実は確認されていないとしています。主張だけを取り上げて「情報が公開された」と受け取らないことが大切です。
そして、続報の有無を確かめる場所を知っておきます。今回の件の掲載先は、ネットワーク引越センターのサイトのお知らせ一覧です。2026年11月1日時点では、7月10日の発表の後に続報は出ていません。続報が出るとすれば同じ一覧に載ると考えられるため、気になる人はそこを見ます。検索で出てくる解説記事は、件数や日付が公式と食い違うことがあるので、最後は公式のお知らせで確かめます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
引越しは、在宅で働く人にとって仕事の場所そのものが変わる出来事です。引越しの見積りに、仕事でも使う携帯電話の番号やメールアドレスを伝えた人もいるはずです。その番号やアドレスに、取引先や配送業者、引越し会社を名乗るメールやSMSが届いたとき、仕事の連絡と見分けにくくなることがあります。
在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿、原稿、デザインのデータなどを預かる立場になることがあります。自分のパソコンやクラウドのアカウントがランサムウェアの被害を受けると、預かった取引先のデータまで失われたり、外に出たりするおそれがあります。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、ランサムウェアなどで個人データが暗号化され、復元できなくなった場合も、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等の例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末から預かった情報を失ったり漏らしたりした場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件をきっかけに、仕事のデータについて次の点を見直しておくと安心です。
- 預かったデータのバックアップを、元のデータとは別の場所に保存しているか。パソコンにつないだままの外付けの機器だけでは、一緒に被害を受けることがある
- 仕事で使うクラウドの管理画面やメールに、多要素認証を設定しているか
- 引越しのような生活の手続きに、仕事用の連絡先を使っていないか
- 不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか
ランサムウェアの侵入の経路ごとの防ぎ方と、バックアップの組み方は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務で詳しく説明しています。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。バックアップを取る、使わなくなったデータを消す、仕事と私用の連絡先を分ける、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼が次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
データを守る知識を仕事に生かす
今回のように、システムの運用を外部の会社に委託している中小の事業者で起きるランサムウェアの事案は、業種を問わず起こります。データのバックアップの点検、管理画面のパスワードと多要素認証の見直し、社員向けの注意喚起の資料づくりなどは、外部の人に頼まれることの多い仕事です。
セキュリティの側から在宅の仕事を探したい人は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅で受けられる仕事の種類と探し方を紹介しています。システムの開発や保守の側から関わりたい人は、アプリケーション開発のお仕事で、在宅で受けられる開発の仕事の種類をまとめています。
ネットワーク引越センターの件は、2026年11月1日時点で、2026年7月の発表から続報が出ていない段階です。見積りや依頼をしたことがある人は、会社を名乗る連絡に個人情報を答えないこと、予約中の引越しがあれば窓口に自分で電話して内容を確かめることを先に済ませ、続報はネットワーク引越センターのサイトのお知らせ一覧で確かめてください。
よくある質問
Q. ネットワーク引越センターに見積りを頼んだだけでも、ランサムウェア被害の対象になりますか?
2026年7月9日付の発表では、引越しの見積り、依頼、問い合わせをした客等が対象となる可能性があるとされています。顧客情報が滅失した期間は2025年3月26日から2026年5月14日までです。件数は2026年11月1日時点で公表されていないため、気になる人は窓口に問い合わせます。
Q. クレジットカードで代金を払いましたが、カードを止める必要はありますか?
発表では、会社はクレジットカード情報を保有しておらず、カード番号の漏えいはないとされています。今回の件だけを理由にカードを止める必要はありません。漏えいのおそれがあるのは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、引越予定日、引越日、家財リストなどです。
Q. 攻撃者が情報を公開すると主張しているのは本当ですか?
発表には、攻撃者が取得した情報を公開すると主張していることが書かれています。一方で、実際に個人情報が外へ漏えいした事実や不正利用の事実は確認されていないとされています。主張があったことと、情報が持ち出されたことは別のことなので、発表の表現どおり「漏えいのおそれ」として受け取ります。
Q. ネットワーク引越センターの問い合わせ窓口はどこですか?
株式会社ネットワークジャパン 引越事業部(ネットワーク引越センター)で、電話番号は070-8827-3665、メールアドレスは [email protected]、受付時間は平日9:00から18:00です。不審な電話を受けたときは、その電話で言われた番号ではなく、この番号に自分でかけて確かめます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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