サロンボードはホットペッパービューティーと連動する予約管理の仕組み


この記事のポイント
- ✓リクルートがホットペッパービューティーの掲載店に提供するサロン向けの予約・顧客管理システムです
- ✓向いているサロンと向いていないサロン
- ✓導入前の注意点を公式の記載をもとに整理します
サロンボードとは何か、無料で使えるのか、ホットペッパービューティーと何が違うのか。美容室やネイル、まつげ、リラクゼーションのサロンを開業しようとしている人や、勤め先で初めて触ることになった人が、まず引っかかるのがこの3点です。
結論から書くと、サロンボード(SALON BOARD)は、リクルートが提供するサロン向けの予約・顧客管理のシステムで、ホットペッパービューティーに掲載している店が使える仕組みです。システムそのものは無料で使えますが、ホットペッパービューティーへの掲載が前提になり、掲載の費用がかかります。この記事では、公式サイトの記載をもとに、サロンボードでできること、費用の考え方、向いているサロンと向いていないサロン、導入前に確かめたい点を順に整理します。
サロンボードとは何か
サロンボードは、美容室、ネイル、まつげ、リラクゼーション、エステなどのサロンの予約業務と顧客管理を1つの画面で行うためのシステムです。公式サイトでは、次のように紹介されています。
美容室、ネイル・まつげ・リラク・エステ各サロンの予約業務を進化させ、業務効率・集客を最大限にアップさせる新しい予約・顧客管理システムです。 国内最大級のヘアサロン・リラク&ビューティーサロンの検索・予約サイト「HOT PEPPER Beauty」と完全予約連携 出典: salonboard.com
ここで押さえたいのは、サロンボードとホットペッパービューティーの役割の違いです。
| 名前 | 役割 | 主に使う人 |
|---|---|---|
| ホットペッパービューティー | お客さまがサロンを探して予約する検索・予約サイト | お客さま |
| サロンボード | サロンが予約や顧客の情報を管理する裏側のシステム | サロンのスタッフ |
お客さまがホットペッパービューティーで予約すると、その予約がサロンボードの予約表に自動で入ります。サロン側は、電話や来店時に受けた予約もサロンボードに入力し、すべての予約を1つの予約表で管理します。言い換えると、ホットペッパービューティーが「お店の入口」で、サロンボードが「お店の中の予約台帳とレジ」にあたります。
デザインの仕事にたとえるなら、ホットペッパービューティーは作品を見てもらうポートフォリオサイト、サロンボードは制作の進行表と請求の管理表です。見てもらう場所と、仕事を回す場所は別の道具ですが、サロンボードではこの2つが最初からつながっています。
ホットペッパービューティーの掲載案内のページによると、掲載店舗数はヘアサロンが67,000店以上、リラク・エステなどが108,000店以上(2026年4月時点のリクルート調べ)とされています。多くのサロンが、この入口と予約台帳の組み合わせで日々の予約を回しています。
サロンボードは無料で使えるのか
「サロンボードは無料」という説明を見かけることがありますが、正確には条件があります。公式サイトのFAQには、次のように書かれています。
SALON BOARD自体は、無料でご利用できます。ただし、HOT PEPPER Beautyへの掲載が必要となります。 また、自社求人ぺージ作成機能を使用するためには別途費用が掛かります。 HOT PEPPER Beautyの掲載料については、お問い合わせください。 出典: salonboard.com
同じFAQには、ホットペッパービューティーに掲載せずにサロンボードだけを使うことはできるか、という質問への答えとして「SALON BOARDをご利用いただくには、HOT PEPPER Beautyへの掲載が必要です」とも書かれています。つまり、サロンボードは単独で契約して使う予約システムではなく、ホットペッパービューティーへの掲載とセットで使う仕組みです。
掲載料は公開されていない
ホットペッパービューティーの掲載案内のページでは、「掲載費はいくらですか」という質問に対して、希望のエリアやプランによって異なるので問い合わせてほしい、と答えています。料金表は公開されておらず、営業担当者と打ち合わせをして決まる仕組みです。
このため、サロンボードを使うための費用を考えるときは、次の3つに分けて整理すると分かりやすくなります。
- サロンボード自体の利用料(公式FAQでは無料)
- ホットペッパービューティーの掲載料(エリアとプランで異なり、問い合わせで決まる)
- 求人ページ作成機能などの追加の費用、パソコンやタブレットなどの端末代
インターネットに接続できる環境と端末(パソコンやタブレット)は、サロン側で用意する必要があるとFAQに明記されています。複数の店舗で使う場合は、店舗ごとに契約が必要とされています。
「無料」に見えて費用がかかる理由
サロンボードが無料で使えるのは、掲載料の中に予約管理の仕組みが含まれているからだと考えると理解しやすくなります。掲載をやめればサロンボードも使えなくなるので、予約台帳や顧客の記録をどう引き継ぐかは、掲載を始める前から頭の片隅に入れておくと安心です。
サロンボードでできること
公式サイトの「特長と機能」のページでは、サロンボードの機能が次のように紹介されています。それぞれ、サロンの日々の仕事のどこに効くのかとあわせて見ていきます。
24時間のネット予約と予約の一元管理
ホットペッパービューティーからのネット予約は、自動でサロンボードの予約表に入ります。電話や飛び込みの予約をサロン側で入力すると、空いている枠だけがネット予約の空き枠として表示されるため、同じ時間に2件の予約が入る「バッティング」が起きにくい仕組みです。紙の予約台帳のような見た目の画面にしている点も、公式に紹介されています。
自社ホームページへの予約機能
サロンボードには、サロンの自社ホームページにネット予約の機能を付けられる「サロンダイレクト機能」があります。ホットペッパービューティーを経由しない予約も、同じ予約表で管理できます。
顧客管理
お客さまの氏名、電話番号、誕生日などの基本情報と、過去の予約や施術の履歴、送ったメッセージの履歴を1ページで確認できます。導入前の顧客情報をまとめて登録する機能もあるとされています。
メッセージ(DM)の配信
来店日の前日、来店から30日後、誕生日など、決まった条件でお客さまにメッセージを自動で送れます。クーポンを付けたメッセージも送れるとされています。リピートを促す仕組みを、手作業なしで回せるのが強みです。
レジ・会計と集計・分析
会計とレジ締め、スタッフ別やメニュー別の売上の集計ができます。公式の説明では、3年分の売上・客数・単価を比べたり、リピート率や来店の間隔を分析したりできるとされています。レジ機能はAirレジの技術協力を受けて作られていますが、Airレジとの機能の連携はないとFAQに書かれています。
スマート支払い
お客さまが予約時にクレジットカードを登録すると、来店時にオンラインで決済できる機能です。キャンセル規定を設定することで、直前のキャンセルや連絡のないキャンセルを減らす効果が期待できると説明されています。
スマートフォンとサポート
パソコンとiPadのほか、スマートフォン用の画面もあります(主要な機能のみ)。操作に困ったときは、年中無休(10時から21時)のヘルプデスクに電話やメールで問い合わせられます。
| 機能 | サロンの仕事で効く場面 |
|---|---|
| ネット予約と一元管理 | 施術中に電話へ出られない時間の予約を取りこぼさない |
| 顧客管理 | 前回の施術内容を確かめてから接客できる |
| メッセージ配信 | 来店の間隔が空いたお客さまに声をかける |
| レジ・集計 | 月末の売上の集計とスタッフ別の実績の確認 |
| スマート支払い | 無断キャンセルの対策と会計の時間短縮 |
サロンボードを使うメリット
機能の一覧を見たうえで、サロンボードを使う利点を整理すると、大きく4つにまとまります。
集客と予約管理が最初からつながっている
最大の利点は、新しいお客さまを集める入口(ホットペッパービューティー)と、予約を管理する台帳(サロンボード)が最初からつながっていることです。ほかの予約システムを使う場合、集客サイトと予約台帳の空き枠をそろえる作業が必要になることがありますが、サロンボードではその手間がありません。
小規模なサロンでも使われている
ホットペッパービューティーの掲載案内のページでは、3席以下の店舗の割合がヘアサロンで約35%、リラク・エステなどで約70%(2026年6月時点のリクルート調べ)とされています。個人で開業したサロンでも使われている仕組みだと分かります。個人でも契約できる、とFAQに明記されています。
営業担当者とヘルプデスクの支援がある
掲載には営業担当者がつき、原稿の内容やデータの振り返りの相談に乗ると案内されています。システムの操作に不安がある人にとって、年中無休のヘルプデスクがあることも安心材料です。
口コミとリピートの仕組みがそろっている
ホットペッパービューティーの口コミと、サロンボードのメッセージ配信がそろっているので、新規のお客さまを集めてから、2回目、3回目の来店につなげるまでの流れを1つの仕組みの中で回せます。
知っておきたいデメリットと注意点
便利な仕組みである一方で、導入前に知っておきたい点もあります。
掲載をやめると使えなくなる
サロンボードはホットペッパービューティーへの掲載が前提なので、掲載をやめるとサロンボードも使えなくなります。顧客の記録や予約の履歴を、掲載をやめたあとにどう扱うかは、契約前に営業担当者に確かめておくと安心です。
費用が事前に見えにくい
掲載料は公開されておらず、エリアとプランで変わります。開業時の資金計画を立てるときは、早めに問い合わせて見積もりをとり、1年間の総額で考えることをおすすめします。
新規のお客さまの割合が集客サイトに偏りやすい
掲載案内のページの導入事例には、9割近くのお客さまがホットペッパービューティー経由で予約しているというサロンの声が紹介されています。集客の力が強い証拠である一方で、予約の入口が1つに集中すると、掲載の条件が変わったときの影響も大きくなります。自社のホームページやSNSからの予約も育てておくと、入口が分散します。
端末とネット環境はサロンが用意する
パソコンやタブレット、インターネット回線はサロン側で用意します。パソコンが壊れた場合は、サロン側で修理するか別の端末を用意する必要がある、とFAQに書かれています。スマートフォンでも予約やスケジュールは確認できます。
スタッフ全員が操作を覚える必要がある
予約表への入力漏れがあると、ネット予約とのバッティングが起きます。電話で予約を受けたスタッフが、その場でサロンボードに入力する習慣をつけることが欠かせません。新人のスタッフが入るたびに、入力のルールを伝える仕組みを作っておくと安心です。
クーポンの設計で客層が変わる
ホットペッパービューティーでは、初回のお客さま向けのクーポンが店選びの大きな材料になります。割引の大きいクーポンを出すと新規の予約は増えやすい一方で、割引だけを目当てにしたお客さまが増え、2回目の来店につながりにくくなることがあります。クーポンは「初回だけの大きな割引」より、「2回目以降も続けやすい価格の設計」とセットで考えると、リピートのお客さまが育ちやすくなります。クーポンの内容は営業担当者と相談しながら、サロンボードの集計で再来率を見て調整していきます。
サロンボードが向いているサロン、向いていないサロン
ここまでの内容を、サロンの状況ごとに整理します。
向いているサロン
・新しいお客さまを集めることが最優先で、集客サイトの力を借りたい ・美容室、ネイル、まつげ、リラクゼーション、エステなど、ホットペッパービューティーに掲載できる業種 ・予約管理、顧客管理、レジ、売上の集計を1つの仕組みにまとめたい ・操作に不安があり、営業担当者やヘルプデスクの支援を受けたい
向いていないサロン
・常連のお客さまが中心で、新規の集客にお金をかける必要がない ・紹介やSNS経由の予約が中心で、集客サイトに掲載する予定がない ・費用を1か月あたり数千円に抑え、予約の受付だけを自動にしたい ・料金が事前にはっきり分かる仕組みを選びたい
ホットペッパービューティーに掲載できる業種は、掲載案内のページに一覧があり、理容室・美容室、ネイル、まつげ、ヘッドスパのほか、リラクゼーション、整体、カイロプラクティック、エステ、あん摩・指圧・鍼灸、接骨・整骨なども挙げられています。自分の業種が対象かどうかは、このページで確かめられます。
デザインの世界では「余白は情報を整理するための休符」と言われますが、サロンの予約表も同じで、予約をすべて埋めることより、無理のない間隔で予約が入ることのほうが大切です。サロンボードを使うかどうかは、新規のお客さまをどれだけ集めたいか、という1点でほぼ決まります。
サロンボードを使い始めるまでの流れ
ホットペッパービューティーの掲載案内のページでは、掲載までの流れが次の3段階で紹介されています。
- お問い合わせボタンから申し込む(担当者から連絡が来る)
- 担当者と打ち合わせをして、契約を確定する
- 原稿の内容を打ち合わせ、最終確認ができたら掲載が始まる
掲載の開始時期は、申し込みのタイミングによって異なるとされています。電話での問い合わせ窓口は平日の日中のみ受け付けているので、時間がとれないときはメールでの問い合わせが便利です。
申し込む前に準備しておくこと
打ち合わせをスムーズに進めるために、次の情報を事前にそろえておくと安心です。
・店舗名、住所、電話番号、業種 ・席数とスタッフの人数、営業時間と定休日 ・施術メニューと料金、所要時間 ・店内と施術の写真 ・1か月あたりの新規のお客さまの目標人数
特に写真は、ホットペッパービューティーでお客さまが店を選ぶときの大きな判断材料になります。スマートフォンで撮る場合も、自然光の入る時間帯に、明るさと角度をそろえて撮ると、店の印象が伝わりやすくなります。デザインの仕事で写真を選ぶときに気をつけるのも、まず明るさと統一感です。センスより先に、ルールで整えられる部分です。
導入初日に決めておくルール
掲載が始まる前に、スタッフ全員で次のルールを決めておくと、運用が安定します。
・電話で予約を受けたら、その場でサロンボードに入力する ・施術後のカルテの記録は、その日のうちに入力する ・休みの日や研修の日は、早めに予約表を閉じておく ・メッセージ配信の文面は、誰が作って誰が確認するかを決める
サロンボードを使った1日の仕事の流れ
機能の説明だけではイメージしにくいので、スタッフ2人の小さなサロンを例に、サロンボードを使った1日の流れを追ってみます。
開店前
出勤したら、まずサロンボードの予約表でその日の予約を確かめます。予約ごとに、お客さまの過去の来店日、前回の施術内容、担当したスタッフを確認できるので、施術の準備と、会話のきっかけになる話題をここで整理します。前日の夜や早朝に入ったネット予約も、自動で予約表に入っています。
営業中
施術中にホットペッパービューティーから新しい予約が入っても、空いている枠にだけ入るので、施術を止めて確認する必要はありません。電話で予約を受けたスタッフは、その場で予約表に入力します。入力した時点で、その枠はネット予約の空き枠から外れます。施術が終わったら、レジ機能で会計をし、施術の内容をカルテに記録します。
閉店後
レジ締めをし、その日の売上と客数を確認します。スタッフ別やメニュー別の売上もこの画面で見られます。翌日以降の予約に変更がないかを確かめ、休みの予定があれば予約表を閉じておきます。
月に1回の振り返り
月末には、集計・分析の画面で、新規とリピートのお客さまの割合、来店の間隔、メニューごとの売上を見ます。来店の間隔が空いているお客さまを絞り込み、メッセージを送るといった次の手を決めます。数字の振り返りを習慣にすると、掲載の内容やクーポンの見直しにも根拠が持てます。
この流れの中で、紙の予約台帳や手書きのカルテ、手計算の売上集計がすべてサロンボードの画面に置き換わります。紙からの移行に不安がある人は、最初の1か月だけ紙とサロンボードを並行させ、慣れてから紙をやめる方法が安心です。
ほかの予約システムとの違い
サロンボードを検討する人の多くは、単独で契約できる予約システムとも比べています。違いを分かりやすくするため、同じリクルートが提供するAirリザーブと、STORES 予約の公式ページの記載(2026年10月3日時点)を並べてみます。
| 項目 | サロンボード | Airリザーブ | STORES 予約 |
|---|---|---|---|
| 集客サイトとの連携 | ホットペッパービューティーと連携 | 単独の予約システム | 単独の予約システム |
| 利用の前提 | ホットペッパービューティーへの掲載 | 単独で契約できる | 単独で契約できる |
| 料金の公開 | 掲載料は問い合わせ | フリー0円、ベーシック5,500円、スタンダード11,000円(税込) | フリー0円、有料は年間契約でスモール9,790円から(税込) |
Airリザーブは、公式ページによると予約件数はプランに関わらず上限がなく、予約リマインドメールはベーシックから使えます。STORES 予約は、フリープランで1か月の予約50件まで、有料プランは最短3か月以上からの契約とされています。
サロンボードとの最大の違いは、集客の入口を持っているかどうかです。単独の予約システムは料金が公開されていて費用の見通しを立てやすい反面、お客さまを集める仕組みは自分で用意する必要があります。サロンボードは集客の入口と予約管理が一体になっている反面、費用は掲載の契約次第です。どちらが優れているかではなく、新規の集客を集客サイトに任せたいかどうかで選び分けるのが現実的です。
成果を出しているサロンに共通する使い方
ホットペッパービューティーの掲載案内のページには、導入したサロンの声が紹介されています。2席のリラクサロンの例では、掲載して1、2か月は集客の難しさを感じたものの、口コミの数やブログの数を増やす努力をしたことで集客が増えた、という経緯が語られています。
この例から読み取れるのは、掲載しただけで予約が入るわけではなく、掲載したあとの手入れが成果を左右するということです。サロンボードを使って成果を出しているサロンには、次のような共通点があります。
・施術後のカルテをその日のうちに記録し、次回の接客に生かしている ・メッセージの自動配信を設定し、来店の間隔が空いたお客さまに声をかけている ・口コミへの返信を続け、新しいお客さまが店の雰囲気を判断できるようにしている ・毎月の数字を見て、クーポンや掲載の写真を見直している
どれも特別な技術ではなく、決めたことを続けられるかどうかの話です。デザインも同じで、才能より、ルールを決めて手を動かし続けることのほうが結果につながります。
初めてサロンボードを触るスタッフへ
勤め先のサロンでサロンボードを使うことになった人は、最初に次の3つの操作だけを覚えれば、日々の仕事は回せます。
- 予約表を開き、その日の予約とお客さまの情報を確認する
- 電話で受けた予約を、空いている枠に入力する
- 施術後に会計をし、カルテに施術の内容を記録する
メッセージ配信や集計・分析は、オーナーや店長が担当することが多い機能です。操作が分からないときは、年中無休のヘルプデスクに問い合わせられます。予約表への入力漏れがネット予約とのバッティングにつながるので、2番目の操作だけは、慣れるまで必ず先輩に確認してもらうと安心です。
掲載料が見合うかを判断する考え方
ホットペッパービューティーの掲載料は公開されていないので、見積もりをとったあとに「この金額は高いのか安いのか」で迷う人は少なくありません。判断の目安として、新規のお客さま1人を集めるのにいくらかかるか、という見方があります。
計算の手順は次のとおりです。
- 見積もりの1か月あたりの掲載料を確かめる
- 掲載によって増えそうな1か月あたりの新規のお客さまの人数を見込む
- 掲載料を新規のお客さまの人数で割り、1人あたりの集客費を出す
- その金額を、お客さま1人が初回と2回目以降に使う金額と比べる
たとえば、1人あたりの集客費が施術1回分の料金に近いとしても、そのお客さまが3回、4回と通ってくれるなら、十分に元がとれる計算になります。反対に、初回のクーポンだけを使って二度と来ないお客さまが多いと、掲載料の負担が重くなります。このため、掲載を始めたら、新規のお客さまのうち何割が2回目に来ているか(再来率)を、サロンボードの集計で毎月確かめることが大切です。
開業前の資金計画では、掲載料のほかに、内装、機材、材料、家賃の数か月分を合わせて考えます。開業資金の支援制度については後の節で触れる補助金の記事も参考になります。掲載料は毎月かかり続ける費用なので、少なくとも半年から1年分を運転資金として見込んでおくと、集客が軌道に乗るまでの期間を落ち着いて過ごせます。
個人情報の扱いにも目を向ける
サロンボードには、お客さまの氏名、電話番号、誕生日、来店履歴などが記録されます。スタッフが退職するときにログインの権限を外す、共用のパソコンで使ったあとはログアウトする、といった基本的な管理は、サロン側の責任で行います。公式サイトでは、セキュリティの対策に加えて、万一使えなくなったときに当日以降の予約状況を確認できるバックアップの仕組みも用意されていると紹介されています。
予約の入口を自社でも持っておくという考え方
サロンボードを使っているサロンでも、ホットペッパービューティー以外の予約の入口を持っておきたい、という相談はよくあります。常連のお客さまは自社のホームページやSNSから予約してもらい、新規のお客さまは集客サイトから、と入口を分ける考え方です。
サロンボードにも自社ホームページ用の予約機能(サロンダイレクト機能)があるので、掲載を続けるならまずこれを使うのが自然です。一方で、集客サイトへの掲載をしていない、または掲載をやめたあとに予約の受付だけを続けたいという場合は、単独で契約できる予約システムを検討することになります。
単独で使える予約システムを選ぶときの見方
単独で使える予約システムは、料金が公開されているものが多く、無料プランから試せるものもあります。比べるときは、次の点をそろえて見ると判断しやすくなります。
・1か月に受けられる予約の件数と、上限を超えたときの扱い ・リマインドメール(予約前日の確認メール)が無料の範囲に含まれるか ・スタッフ指名とシフトの管理が、どのプランから使えるか ・顧客の一覧をCSV(表計算ソフトで開ける形式のファイル)で書き出し・取り込みできるか
集客サイトを使わないときの候補
集客サイトに掲載しない形で予約を受けたいサロンの候補の1つに、Rizaflowがあります。公式サイトの料金ページの記載では、フリープランは月額0円で、1か月の予約50件・スタッフ1名まで使え、予約カレンダー、予約完了・リマインダー・御礼のメール、キャンセル用のリンク、会員のマイページ、顧客管理が含まれています。有料プランは税込でライトが月額3,300円、スタンダードが月額7,700円、プロが月額19,800円で、スタッフ指名とシフト管理はスタンダード以上で使えます。対応業種にはネイル・個人美容、整体・リラクゼーションが挙げられ、今使っているシステムから書き出した顧客のCSVを取り込めると書かれています。
Rizaflowは集客サイトではないため、新しいお客さまを集める力はホットペッパービューティーとは役割が違います。常連のお客さまの予約を自社の入口で受けたいサロン向けの選択肢です。
Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
サロンの仕組みづくりを支える仕事と、市場の見方
最後に、サロンの予約や集客の仕組みを支える側の仕事について、フリーランスと副業の市場を長く見てきた運営者の立場から整理します。
サロンの運営では、予約システムの設定のほかにも、ホームページの制作、写真の撮影と加工、メニュー表やチラシのデザイン、SNSの投稿、メッセージ配信の文面づくりなど、多くの周辺の作業があります。こうした作業は、在宅で働くフリーランスに切り出して頼まれることが増えています。
たとえば、集客の分析やSNS広告の運用は、マーケティングの仕事の領域です。どんな仕事があるかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。予約の仕組みや会員向けのアプリを作る側の仕事はアプリケーション開発のお仕事に、その報酬の相場はソフトウェア作成者の年収・単価相場にまとめています。
サロンの業界全体で、予約管理と顧客管理、決済をまとめて導入する動きは進んでいます。考え方の全体像は美容・サロン業界のDX2026|予約管理 × 顧客管理 × 決済のSaaS一括導入で、設備や内装に使える支援制度は美容室・サロン向け補助金2026年版|設備投資・内装リフォームに使える制度で解説しています。
運営者として長くこの市場を見てきた限りでは、小さなサロンの仕組みづくりが続くのは、オーナーが全部を抱え込まず、写真はカメラの得意な人、ホームページはWebの得意な人、と部分ごとに信頼できる相手を見つけているケースです。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りなら、同じ予算でも頼める範囲が広がり、受ける側の手取りも厚くなります。単発の発注で終わらせず、「この人に任せると楽」という関係を育てたサロンほど、施術に使える時間を確保できています。
サロンボードは、集客と予約管理を一体で回したいサロンにとって心強い仕組みです。掲載料の見積もり、掲載をやめたときのデータの扱い、自社の予約の入口をどう持つか。この3点を契約前に確かめておけば、導入後に迷う場面は大きく減ります。
よくある質問
Q. サロンボードだけを契約して使うことはできますか?
公式サイトのFAQでは、サロンボードを使うにはホットペッパービューティーへの掲載が必要とされています。サロンボードだけを単独で契約して使うことはできません。集客サイトに掲載せずに予約の受付だけを自動にしたい場合は、単独で契約できる別の予約システムを検討することになります。
Q. サロンボードの利用料と掲載料はいくらかかりますか?
公式FAQでは、サロンボード自体は無料で使えるとされています。ただし前提となるホットペッパービューティーの掲載料がかかり、金額は希望のエリアやプランによって異なるため問い合わせで決まります。求人ページ作成機能は別途費用がかかり、端末とネット環境もサロン側で用意します。
Q. 個人で開業したサロンでも使えますか?
ホットペッパービューティーの掲載案内のページでは、個人でも契約できると明記されています。3席以下の店舗の割合がヘアサロンで約35%、リラク・エステなどで約70%と紹介されており、小規模なサロンでも使われています。費用はエリアとプランで変わるので、開業前に見積もりをとって1年間の総額で考えると安心です。
Q. サロンボードはスマートフォンでも使えますか?
パソコンとiPadのほか、スマートフォン用の画面も用意されています。ただしスマートフォンで使えるのは主要な機能のみとされています。パソコンが壊れたときでも、予約やスケジュールはスマートフォンで確認できます。操作に困ったときは、年中無休のヘルプデスクに電話やメールで問い合わせられます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
小林 真帆@SOHO編集部
元SE→フリーランスWebマーケター
SIerで5年間SEとして勤務した後、Webマーケティングに転身。Google広告認定資格・ウェブ解析士を取得し、現在はフリーランスとして中小企業のデジタルマーケティングを支援しています。
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