美容室の予約システムは何で選ぶか|ホットペッパービューティーとの併用も含めて

小林 真帆
小林 真帆
美容室の予約システムは何で選ぶか|ホットペッパービューティーとの併用も含めて

この記事のポイント

  • ✓美容室の予約システムを選ぶときに比べたい予約件数の上限
  • ✓Airリザーブ・RESERVA・SALON BOARDなどの公式の記載をもとに整理しました
  • ✓ホットペッパービューティーと自社の予約ページを併用するときの二重予約の防ぎ方と

美容室の予約システムを探し始めると、比較記事の数の多さに圧倒されます。どれも「無料」「簡単」と書いてあり、何を基準に選べばいいのかが見えにくい。しかも、すでにホットペッパービューティーに掲載しているお店なら、「自社の予約システムを入れたら二重予約にならないか」という心配もついて回ります。

結論から言うと、美容室の予約システムは「1か月の予約件数」「スタッフの人数と指名の要否」「リマインドなどの自動メール」「ホットペッパービューティーとの役割分担」の4つで選ぶと、自分のお店に合うものが見えてきます。この記事では、主な予約システムの料金と機能を各社の公式ページで確かめたうえで、選び方と併用のしかたを順に整理します。ひとりで営むサロンや少人数のお店で、決済の機能まではいらないという場合は、Rizaflowのように予約の受付から来店後の御礼メールまでを扱う予約システムも候補になります。

美容室で予約システムが必要になる理由

デザインの世界には、「余白は音楽でいう休符」という言い方があります。詰め込みすぎた画面は息苦しく、適度な余白があるから情報が伝わる。美容室の1日の予定表も、実は同じです。電話で受けた予約を紙の台帳に書き込み、施術の合間に折り返しの電話をかける。この状態では、スタイリストの手が空くはずの時間が、電話と台帳の作業で埋まってしまいます。

予約システムを入れる一番の理由は、この「予約の受付に取られる時間」を減らすことです。Webの予約ページがあれば、お客様は営業時間外でも自分で空いている枠を選んで予約できます。施術中に電話が鳴って手を止めることも減ります。

2つ目の理由は、無断キャンセルを減らすことです。予約の前日にリマインドのメールが自動で届く仕組みがあれば、うっかり忘れによる無断キャンセルは確実に減ります。美容室にとって、1枠の空きはそのまま売上の穴です。

3つ目の理由は、お客様の情報を残せることです。前回のメニュー、使った薬剤、話した内容。紙のカルテに書いていた情報を、予約と一緒に記録できれば、次の来店のときに準備がしやすくなります。

そして4つ目が、また来てもらうための仕組みです。来店後の御礼のメールや、次回の予約を促す案内を自動で送れれば、リピートの流れを人の手に頼らずに作れます。

予約システムは、予約を受ける箱であると同時に、お店の時間の使い方を整える道具です。どれを選ぶかの前に、自分のお店で一番時間を取られている作業は何かを書き出してみると、選ぶ基準がはっきりします。

予約システムを選ぶときに比べたい5つの項目

美容室の予約システムを比べるときに見るべき項目は、大きく5つです。ここが分かっていれば、比較記事のランキングに振り回されずに済みます。

1. 1か月の予約件数の上限

多くの予約システムは、プランごとに1か月に受けられる予約の件数が決まっています。無料のプランは月50件前後のものが多く、ひとりで営むサロンでも、月の営業日と1日の施術数を掛けると上限を超えることがあります。まず自分のお店の月の予約件数を数えてから比べましょう。

2. スタッフの人数とスタッフ指名

スタイリストが複数いるお店では、お客様が担当を指名できるかどうかが欠かせません。プランによっては、スタッフ指名が上位のプランにしか付いていないこともあります。登録できるスタッフの人数の上限も合わせて確かめます。

3. リマインドなどの自動メール

予約完了のメール、前日のリマインド、来店後の御礼。これらが自動で送れるかどうかと、どのプランから使えるかは、システムごとにかなり違います。無断キャンセルに悩んでいるなら、リマインドがどのプランで使えるかを最優先で確かめてください。

4. 事前決済の要否

予約のときにカードで代金を払ってもらう事前決済は、無断キャンセルの防止には効きますが、決済の手数料がかかります。現金や店頭のキャッシュレス決済で足りているお店なら、事前決済のないプランで十分なこともあります。

5. 他の予約経路との連携

ホットペッパービューティーやGoogleカレンダー、LINEなど、すでに使っている予約経路や道具とつながるかどうか。ここを見落とすと、二重予約の原因になります。

主な予約システムの料金と特徴

ここでは、美容室でよく比べられる予約システムの料金を、各社の公式の料金ページで確かめた内容で紹介します。金額はいずれも税込です。

サービス 無料プラン 有料プランの始まり 主な特徴
Airリザーブ あり ベーシック 月額5,500円 リマインドメールとGoogleカレンダー連携はベーシックから
RESERVA あり(月50件) ブルー 年払いで月あたり3,850円(月払い5,500円) LINE連携は月額3,300円のオプション
SALON BOARD 公式サイトで料金の記載なし 同左 ホットペッパービューティーと予約が連携

Airリザーブ

Airレジのシリーズの予約システムです。公式の料金ページによると、フリーは0円で、予約管理、スマートフォンでの予約管理、顧客管理、オンライン決済、予約確認メールの配信などが使えます。ベーシックは月額5,500円で、予約項目のカスタマイズ、予約リマインドメールの配信、Googleカレンダー連携、予約枠の色分け管理などが加わります。スタンダードは月額11,000円で、予約時のアンケートや予約情報のCSVダウンロードが使えます。初期費用とサポート費用は0円で、解約金もかからないと書かれています。

RESERVA

公式の料金ページによると、フリープランは月間予約件数50件、登録顧客件数250件までで、ずっと無料で使えます。有料のブルーは年払いで月あたり3,850円、月払いで5,500円で、月間予約件数200件、登録顧客件数1,000件までです。上位のプランほど件数が増えます。LINEアカウントで予約ができ、予約の確認とリマインドをLINEに自動で送る連携は、月額3,300円のオプションとしてフリープランから付けられると案内されています。

SALON BOARD

SALON BOARDは、ホットペッパービューティーと予約が連携する予約と顧客の管理システムです。公式サイトでは、次のように説明されています。

美容室、ネイル・まつげ・リラク・エステ各サロンの予約業務を進化させ、業務効率・集客を最大限にアップさせる新しい予約・顧客管理システムです。 国内最大級のヘアサロン・リラク&ビューティーサロンの検索・予約サイト「HOT PEPPER Beauty」と完全予約連携 出典: SALON BOARD 公式サイト

同じ公式サイトでは、美容室、ネイル、まつげ、リラク、エステの各サロン向けで、ネット予約と電話予約を一元管理でき、来店履歴や予約情報を使った顧客管理、メッセージの配信、レジや会計の機能があると紹介されています。料金は公式サイトのトップでは確認できませんでした。

予約システムを比べるとき、つい月額の数字だけを並べたくなります。でも、デザインで色を選ぶときに「安い絵の具」ではなく「画面に合う色」を選ぶのと同じで、大事なのは自分のお店の使い方に合うかどうかです。リマインドが欲しいのに無料のプランで付いていなければ、結局は上のプランに上げることになります。

ホットペッパービューティーと自社の予約ページを併用するときの考え方

すでにホットペッパービューティーに掲載している美容室にとって、一番の悩みは併用です。新規のお客様はホットペッパービューティーから来て、2回目以降のお客様には自社の予約ページから予約してほしい。そう考えるお店は少なくありません。

併用するときに一番気をつけたいのが二重予約です。ホットペッパービューティーの予約は、SALON BOARDで管理されます。一方、自社の予約システムで受けた予約は、そのシステムの中に入ります。2つのシステムが同じ枠の空き状況を知らなければ、同じ時間に2人のお客様が予約できてしまいます。

二重予約を防ぐ3つの方法

1つ目は、予約の枠を経路ごとに分ける方法です。たとえば、平日の午前はホットペッパービューティー、平日の午後と土日は自社の予約ページ、のように枠を分けておけば、同じ時間に予約が重なることはありません。ただし、空いている枠を有効に使いにくくなります。

2つ目は、スタッフごとに経路を分ける方法です。新規のお客様を担当するスタイリストはホットペッパービューティー、指名のお客様が多いスタイリストは自社の予約ページ、と分けます。スタッフが複数いるお店で使いやすい方法です。

3つ目は、予約が入ったらもう一方の枠をすぐに埋める運用です。自社の予約ページに予約が入ったら、SALON BOARDの同じ時間を手で押さえる。これは確実ですが、人の手が必要で、忙しい日ほど漏れが出やすくなります。

どの方法を選ぶにしても、予約が入ったときに通知を受け取り、もう一方を確かめる習慣は欠かせません。併用を始めて最初の1か月は、毎日の終わりに2つのシステムの予約を見比べる時間を取ると安心です。

併用するなら役割をはっきり分ける

ホットペッパービューティーは、新しいお客様に見つけてもらう場所です。自社の予約ページは、一度来てくれたお客様に、また来てもらう場所です。この役割を分けて考えると、併用の目的がはっきりします。来店したお客様に、次回は自社の予約ページから予約できることを伝え、名刺やショップカードに予約ページのQRコードを載せておきましょう。

来店後の流れまで作れる予約システム

予約システムの多くは、予約を受けるところに力を入れています。けれども、美容室の売上を支えるのは、2回目、3回目の来店です。来店後の御礼や、次の予約への案内まで自動で送れるかどうかは、選ぶときにもっと見られてよい項目です。

予約から再来店までを1つで扱いたいときの候補

ひとりで営むサロンや、少人数のお店で候補になるのが、Rizaflow(リザフロー)です。公式サイトでは、予約を受けるだけでなく、リマインド、御礼、リピートの促進まで扱う予約システムとして紹介されています。予約カレンダー、メニューとカテゴリ、予約フォームのカスタマイズ、予約完了とリマインドと御礼の自動メール、お客様自身が変更や取消をできるキャンセルURL、会員登録とマイページ、顧客管理、メールの開封計測があり、対応する業種には美容・サロンやネイル・個人美容が挙がっています。

公式の料金ページによると、料金はすべて税込で、フリーは0円で予約が月50件、スタッフ1名までです。ライトは月額3,300円(年契約なら月あたり2,750円)で月300件、スタンダードは月額7,700円(年契約なら月あたり6,600円)で月1,000件、スタッフ10名まで、プロは月額19,800円(年契約なら月あたり16,500円)で月3,000件、スタッフの人数は無制限です。リマインダー、御礼メール、会員マイページ、メールの開封計測はどのプランでも使え、スタッフ指名とシフト管理はスタンダードからです。月の予約件数が上限を超えても予約は止まらず、100件ごとに1,100円の追加で使い続けられると書かれています。他社の予約システムから書き出した顧客のCSVを取り込めるのも、乗り換えのときに助かる点です。

Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Rizaflowの公式サイトには、ホットペッパービューティーやSALON BOARDと予約を連携する機能は書かれていません。併用する場合は、前の節で紹介した枠やスタッフを分ける方法で運用することになります。また、公式サイトでは決済の機能が不要な業態に向けて作られていると説明されており、事前決済はプロのプランで任意に使える形です。店頭でレジと予約を一体で管理したいお店には、レジの機能まで持つシステムのほうが合っています。

予約システムの費用を売上の側から考える

月額の料金を見ると、「無料のままでいいのでは」と迷うかもしれません。そんなときは、費用を売上の側から考えてみると判断しやすくなります。

たとえば、カットとカラーで1回の客単価が1万円のお店があるとします。月に2件の無断キャンセルがリマインドで防げれば、それだけで2万円の売上の穴が埋まります。月額5,500円の有料のプランでも、差し引きで手元に残る計算です。もちろん、リマインドで防げるのは忘れによる無断キャンセルが中心で、すべてのキャンセルがなくなるわけではありません。それでも、1か月に1件か2件防げれば元が取れる、という目安を持っておくと、プランを選ぶときの迷いが減ります。

もう1つの見方は、時間です。施術の合間に電話の予約を受け、台帳に書き込み、折り返しの電話をかける。この作業に1日30分かかっているとすると、月の営業日が22日なら11時間になります。その時間を施術やお客様との会話に使えたら、と考えると、予約システムの費用は時間を買う費用だと分かります。

反対に、お客様の大半がホットペッパービューティーから予約していて、自社の予約ページからの予約がほとんどない段階なら、無料のプランで様子を見るのが合理的です。自社の予約ページの利用が増えてきて、無料のプランの件数の上限に近づいてから、上のプランに移れば十分です。

大切なのは、料金の安さで選ぶのではなく、「その機能で何が減り、何が増えるか」で選ぶことです。デザインでも、素材の値段より、その素材で何が伝わるかが大事なのと同じです。

LINEやSNSからの予約をどう扱うか

最近は、LINEやSNSのメッセージで予約の相談を受ける美容室も増えています。お客様にとっては手軽ですが、お店にとっては予約の経路が増えるほど、管理が複雑になります。

LINEで予約を受けたいなら、予約システムとLINEの連携があるかを確かめます。たとえばRESERVAでは、LINEアカウントで予約ができ、予約の確認とリマインドをLINEに自動で送る連携を、月額3,300円のオプションとして付けられると公式の料金ページに書かれています。連携がない予約システムの場合は、LINEのメッセージで相談を受けても、最終的な予約は予約ページから入れてもらうようにすると、管理が1か所にまとまります。

SNSのプロフィールに予約ページのリンクを載せておくのも有効です。作品の写真を見て興味を持ったお客様が、そのまま予約ページに進めます。メッセージで個別に日程を調整するより、お客様にとってもお店にとっても手間が少なくなります。

経路が増えるときに一番気をつけたいのは、メッセージで受けた予約を台帳に入れ忘れることです。どの経路で受けた予約も、必ず予約システムに入れる、というルールをスタッフ全員で守ることが、二重予約を防ぐ一番の近道です。

店の規模別の選び方

ここまでの内容を、お店の規模ごとに整理します。

ひとりで営むサロン

予約件数が月50件に収まるなら、無料のプランから始められます。超えるなら、月300件前後まで受けられる最初の有料プランが目安です。ひとりの場合、スタッフ指名は不要なので、リマインドと御礼メールがそのプランに含まれているかを重視しましょう。施術中に電話に出られないことが多いので、Web予約の比率を上げることが一番の効果になります。

スタイリストが2人から5人ほどのお店

スタッフ指名とシフトの管理が必要になります。スタッフごとに休みや出勤の時間が違うと、予約できる枠の計算が複雑になるので、シフトを反映して空き枠を自動で計算してくれる機能があるかを確かめます。ホットペッパービューティーとの併用を考えるなら、スタッフごとに経路を分ける方法が取りやすい規模です。

面貸しや業務委託で働くフリーランスの美容師

自分のお店を持たず、面貸しのサロンや業務委託で働く美容師も増えています。この場合、サロン側の予約システムとは別に、自分の指名のお客様の予約を自分で管理したい、という悩みが出てきます。

自分専用の予約ページを持つなら、ひとりで使える無料か低価格のプランが合っています。ただし、サロンの予約と自分の予約が別々のシステムに入ると、同じ時間に重なるおそれがあります。サロンの営業時間のうち、自分が予約を受けてよい時間帯をサロン側と決めておき、その時間だけを自分の予約ページで公開する、といった取り決めが必要です。契約の内容によっては、自分で予約を受けること自体に制限があることもあるので、始める前にサロンとの契約を確かめておきましょう。

スタッフが多いお店や複数店舗

予約件数が多く、店舗間の行き来もあるので、複数店舗の切り替えや権限の管理が必要になります。レジや売上の管理と一体になったシステムも候補に入ってきます。導入のサポートの手厚さも、比べる項目に入れましょう。

予約ページの見た目で予約率は変わる

予約システムを選ぶとき、機能や料金に目が行きがちですが、お客様が実際に触るのは予約ページです。ここが分かりにくいと、せっかく予約ページを用意しても、途中で離れてしまうお客様が出ます。

私がデザインの仕事で美容室の予約ページの改善を手伝ったとき、最初に見たのはメニューの並び方でした。カット、カラー、パーマ、トリートメントの組み合わせが20種類以上並んでいて、お客様は自分がどれを選べばいいのか分からない状態だったのです。そこで、よく選ばれる組み合わせを上に5つだけ出し、残りは「その他のメニュー」にまとめたところ、お店の方から「電話で『どれを選べばいいですか』と聞かれることが減った」と聞きました。デザインは才能ではなくスキルです。選ばせる数を減らすという基本のルールを当てはめただけで、使いやすさは変わります。

予約ページを整えるときのポイントは次のとおりです。

・メニューの数を絞り、よく選ばれるものを上に出す ・メニューごとの所要時間と料金を書く ・スタッフの写真と得意な施術を載せる ・予約に必要な入力の項目を最小限にする ・スマートフォンで数回の操作で予約が終わるようにする

写真の使い方にもこつがあります。スタッフの写真は、正面から明るく撮ったものを同じ大きさでそろえると、ページ全体が整って見えます。作品の写真を載せる場合も、背景の色や明るさをそろえるだけで、お店の雰囲気が伝わりやすくなります。高価な機材は必要ありません。窓際の自然光で、同じ場所、同じ向きで撮る。このルールを決めるだけで、ページの印象は大きく変わります。

特に入力の項目は、多いほど離れるお客様が増えます。初回に必要な情報だけを聞き、細かいことは来店のときに聞けば十分です。会員のマイページがあるシステムなら、2回目以降は入力なしで予約できるので、リピートのお客様の手間が減ります。

お客様の情報を預かるときの心がけ

予約システムには、お客様の名前、電話番号、メールアドレス、来店の履歴が記録されます。美容室では、髪や頭皮の状態、アレルギーの有無まで記録することもあります。こうした情報を預かる以上、扱いには気を配る必要があります。

まず、予約ページや確認のメールで、預かった情報を何に使うのかを伝えておきます。予約の管理、来店前の連絡、次回の案内のように、使い道をはっきりさせておくと、お客様も安心して入力できます。お店のお知らせやキャンペーンのメールを送りたい場合は、その旨も伝えておきます。

次に、管理画面にログインできる人を決めます。スタッフ全員が同じIDとパスワードを使い回すと、誰がいつ何を見たのかが分からなくなります。スタッフごとにログインできるシステムなら、それぞれに権限を設定し、辞めたスタッフのログインはすぐに止めます。

最後に、パソコンやタブレットの扱いです。受付のタブレットに管理画面を開いたまま席を離れると、他のお客様の目に触れるおそれがあります。画面のロックや、使い終わったらログアウトする習慣を、スタッフ全員でそろえておきましょう。

乗り換えや導入の手順

予約システムを決めたら、導入や乗り換えの準備に入ります。焦って切り替えると、予約の取りこぼしが起きるので、順番を決めて進めましょう。

手順1. 今の予約の件数と経路を数える

1か月の予約件数と、電話、ホットペッパービューティー、LINEなど、どの経路から予約が来ているかを数えます。これで必要なプランと、併用の方法が決まります。

手順2. メニューとスタッフの情報を整える

メニューの名前、所要時間、料金、スタッフの出勤の曜日と時間を一覧にします。予約システムに登録する前に整理しておくと、設定がスムーズに進みます。

手順3. 顧客の情報を移す

今使っているシステムから顧客の情報をCSVで書き出せるなら、新しいシステムに取り込めるかを確かめます。紙の台帳の場合は、最近来店したお客様から順に登録していくのが現実的です。

手順4. 予約ページを試してから公開する

スタッフや知り合いに試しに予約してもらい、確認のメールが届くか、リマインドが送られるか、キャンセルの操作ができるかを確かめます。

手順5. お客様に案内する

公開したら、来店したお客様に予約ページのQRコードを渡し、SNSやショップカードでも案内します。しばらくは電話の予約も受けながら、少しずつWeb予約に移っていきます。

スタッフに予約システムを使いこなしてもらうために

予約システムは、入れただけでは動きません。毎日使うのはスタッフです。スタッフが使いこなせないと、結局は紙の台帳と並行して使うことになり、二重の手間になります。

最初に全員で同じ操作を練習する

導入の前に、スタッフ全員で同じ操作を一度ずつ試します。予約を入れる、時間を動かす、キャンセルする、お客様の情報を見る。この4つができれば、日々の業務はほぼ回ります。営業前の15分を使って、実際の画面を見ながら練習するのが効果的です。

操作の手順を1枚の紙にする

よく使う操作の手順を、画面の写真付きで1枚の紙にして、受付に貼っておきます。新しく入ったスタッフも、その紙を見れば最低限の操作ができます。デザインの仕事でも、説明書は文字を減らして図を増やすほど読まれます。手順の紙も、1つの操作を3行以内で書くと伝わりやすくなります。

困ったことを集める日を決める

使い始めて2週間ほどたったら、スタッフから「使いにくい」「分からない」と感じたことを集めます。設定で解決できることも多く、早めに直すほど定着が早くなります。

紙の台帳をやめる日を決める

並行して使う期間を区切り、紙の台帳をやめる日をあらかじめ決めておきます。期限がないと、慣れた紙の台帳に戻ってしまいがちです。

導入で起きやすい失敗と防ぎ方

最後に、予約システムを入れたお店でよく起きる失敗と、その防ぎ方を紹介します。どれもシステムの不具合ではなく、設定や運用の小さなずれから起きるものです。導入の前に目を通しておけば、多くは避けられます。

予約できる枠が実際と合っていない

シフトや休憩の時間が予約システムに正しく入っていないと、施術できない時間に予約が入ってしまいます。導入の最初の2週間は、毎日の終わりに翌日の予約と実際のシフトを見比べてください。

所要時間の設定が短すぎる

カラーとトリートメントの組み合わせなど、メニューの所要時間が実際より短く設定されていると、次の予約に食い込みます。メニューごとの所要時間は、実際にかかった時間をもとに設定し、余裕を持たせます。

キャンセルの規則が伝わっていない

当日のキャンセルや遅刻の扱いを、予約ページと確認のメールに書いておきます。規則が伝わっていないと、お客様との行き違いの原因になります。

予約ページの情報が古いまま

メニューの料金を改定したのに予約ページが古い料金のまま、休業日を変えたのに予約が受け付けられてしまう。こうした食い違いは、お客様の信頼を損ねます。料金や営業日を変えるときは、店内の掲示、SNS、予約ページの3か所を同じ日に直す、と決めておくと漏れが防げます。

通知を誰も見ていない

予約が入った通知が、受付のパソコンにしか届かないと、気づくのが遅れます。スタッフのスマートフォンにも通知が届くように設定し、誰が確かめるかを決めておきましょう。

美容室の業務を支える仕事と運営者の見方

美容室の予約システムの導入や、予約ページのデザインの改善は、外部の専門家に頼まれる仕事でもあります。美容の分野の知識を生かした相談や発信の仕事は、健康・美容・ファッション相談のお仕事で、どんな依頼があるかが紹介されています。予約や顧客の管理の仕組みを作る仕事は、Web・業務システム開発のお仕事で取り上げられています。

美容師として働く人の報酬の水準を知りたい場合は、理容・美容師の年収・単価相場が参考になります。予約システムの選定や業務の見直しを助言する立場の報酬は、システムコンサルタント・設計者の年収・単価相場で確かめられます。サロンの経営を数字から見直したいときには、中小企業診断士という国家資格を持つ専門家に相談する方法もあります。設備や内装に使える制度は、美容室・サロン向け補助金2026年版|設備投資・内装リフォームに使える制度で整理されています。

フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた運営者の立場から言えば、こうした小さなお店の仕組みづくりで長く頼られる人は、システムを入れるだけでなく、お店の1日の流れを一緒に見直せる人です。予約ページの1行の書き方で電話が減る、という変化をお店の方と一緒に喜べる人に、次の相談が集まります。そして、仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、限られた予算のお店でも頼みやすく、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%で直接つながれる環境は、こうした地域のお店との長い付き合いを支えてくれます。

よくある質問

Q. 美容室の予約システムは無料のプランでも使えますか?

使えます。AirリザーブやRESERVAには無料のプランがあり、RESERVAのフリープランは月50件までです。ただし無料のプランではリマインドメールが使えないものや、予約件数の上限が低いものがあります。1か月の予約件数と、リマインドが必要かどうかを確かめてから選んでください。

Q. ホットペッパービューティーと自社の予約システムを併用すると二重予約になりませんか?

2つのシステムが空き状況を共有していなければ、同じ時間に予約が入るおそれがあります。時間帯やスタッフごとに予約の経路を分ける、予約が入ったらもう一方の枠をすぐに押さえる、といった運用で防ぎます。併用を始めた最初の1か月は、毎日2つの予約を見比べると安心です。

Q. 予約システムで無断キャンセルは減らせますか?

前日のリマインドメールを自動で送れる予約システムなら、忘れによる無断キャンセルは減らせます。ただしリマインドが上位のプランにしか付いていないシステムもあるので、料金ページで確かめてください。事前決済を使う方法もありますが、決済の手数料がかかります。

Q. 予約システムを乗り換えるとき、顧客の情報は移せますか?

今のシステムから顧客の情報をCSVで書き出せれば、取り込みに対応した予約システムへ移せます。紙の台帳の場合は、最近来店したお客様から順に登録するのが現実的です。切り替えの前にスタッフや知り合いに試しの予約をしてもらい、メールが届くかを確かめてから公開します。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月29日最終更新:2026年10月11日
小林 真帆

この記事を書いた人

小林 真帆@SOHO編集部

元SE→フリーランスWebマーケター

SIerで5年間SEとして勤務した後、Webマーケティングに転身。Google広告認定資格・ウェブ解析士を取得し、現在はフリーランスとして中小企業のデジタルマーケティングを支援しています。

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