再就職手当と高年齢再就職給付金の違いと選び方|併給の可否と申請先 2026

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再就職手当と高年齢再就職給付金の違いと選び方|併給の可否と申請先 2026

この記事のポイント

  • ✓60歳以上で再就職したときの再就職手当と高年齢再就職給付金は
  • ✓同じ再就職では両方を受け取れません
  • ✓2026年10月時点の上限額

60歳を過ぎて基本手当を受け取りながら仕事を探し、再就職先が決まった。ハローワークで「再就職手当と高年齢再就職給付金のどちらかを選んでください」と言われて、どちらが得なのか分からず手が止まっている。そんな人に向けて、2つの給付金の違いと選び方を整理します。

先に結論を書くと、2つの給付金は同じ再就職について両方を受け取ることはできず、一方を受け取るともう一方は受け取れなくなります。再就職手当は残っている基本手当の一部を一括で受け取る給付金、高年齢再就職給付金は再就職後の賃金の最大10%を最大2年間、2か月ごとに受け取る給付金です。どちらが多くなるかは、基本手当の残り日数、基本手当日額、再就職後の賃金の下がり方で変わるので、自分の数字で計算して比べるのが確実です。

この記事では、それぞれの条件と金額の計算、併給できない決まり、比べ方の手順と計算例、金額以外に比べたい点、申請の流れと期限、つまずきやすい点までを、ハローワークの資料で確かめた2026年10月時点の内容で順番に見ていきます。

2つの給付金の違いを一覧で見る

再就職手当と高年齢再就職給付金は、どちらも基本手当を受け取っている人が再就職したときの給付金ですが、目的と受け取り方が違います。

再就職手当は、早く再就職した人に、残っている基本手当の一部をまとめて支払う給付金です。早く仕事に就くほど多く受け取れるので、再就職を急ぐ動機づけの役割を持っています。年齢に関係なく使えます。

高年齢再就職給付金は、60歳以上65歳未満の人が、前より低い賃金で再就職した場合に、下がった賃金を支える給付金です。再就職先で働き続ける間、2か月ごとに支払われます。

ハローワークの資料をもとに、主な違いを並べると次のとおりです。

項目 再就職手当 高年齢再就職給付金
対象の年齢 年齢を問わない 60歳以上65歳未満
基本手当の残り日数 所定給付日数の3分の1以上 100日以上
加入期間の条件 基本手当の受給資格があること 基本手当の算定の基礎になった加入期間が5年以上
賃金の条件 なし 再就職後の賃金が、離職前の賃金日額の30倍の75%未満
金額 残り日数×基本手当日額×60%または70% 再就職後の各月の賃金の最大10%
受け取り方 一括 原則2か月ごと、最大2年間(65歳に達する月まで)
申請期限 就職日の翌日から1か月以内 初回は支給対象月の初日から4か月以内

所定給付日数とは、基本手当を受け取れる日数の上限のことです。離職の理由、年齢、加入期間で90日から360日の間で決まります。支給残日数は、そのうちまだ受け取っていない日数を指します。

この表から分かるように、高年齢再就職給付金のほうが条件が多く、再就職手当のほうが条件は少なめです。両方の条件を満たした人だけが、どちらかを選ぶ場面に立ちます。

再就職手当の条件と金額

再就職手当は、基本手当の受給資格がある人が、安定した職業に就いた場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば受け取れる給付金です。

ハローワークの案内では、受け取るために次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 受給手続きの後、7日間の待期期間が過ぎてから就職したこと
  • 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 辞めた会社や、その会社と資本、資金、人事、取引の面で密接な関係のある会社に再び就職したものでないこと
  • 給付制限がある人は、待期期間が過ぎてから1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で就職したこと
  • 1年を超えて勤めることが確実であること
  • 原則として雇用保険に加入したこと
  • 過去3年以内の就職で、再就職手当や常用就職支度手当を受け取っていないこと
  • 仕事を探す申し込みをする前から内定していた会社に雇われたものでないこと

金額は、次の式で計算します。

基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額(一定の上限あり)。 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は、所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額(一定の上限あり)。 出典: ハローワークインターネットサービス(就職促進給付)

ここで使う基本手当日額には、再就職手当のための上限があります。令和9年7月31日までの額で、離職時の年齢が60歳未満なら6,745円、60歳以上65歳未満なら5,454円です。基本手当そのものの日額の上限(60歳以上65歳未満で7,830円)とは別の数字です。離職前の賃金が高かった人ほど、この上限に当たって、再就職手当が思ったより少なくなります。

再就職手当を受け取った人が、再就職先に6か月以上勤め、その6か月の賃金が離職前より下がっていれば、就業促進定着手当も受け取れる場合があります。上限は、基本手当日額に、再就職手当を受け取る前の支給残日数と20%を掛けた額です。

高年齢再就職給付金の条件と金額

高年齢再就職給付金は、基本手当を受け取った後、60歳以降に再就職して、賃金が前より下がった人に支払われる給付金です。ハローワークの資料では、次の条件を示しています。

  • 60歳以上65歳未満で、雇用保険に加入して再就職したこと
  • 基本手当の算定の基礎になった加入期間が5年以上あること
  • 再就職した日の前日の基本手当の支給残日数が100日以上あること
  • 安定した職業に就いたこと
  • 再就職後の各月の賃金が、基本手当の基準になった賃金日額の30倍の75%未満に下がっていること

賃金日額とは、離職前6か月の賃金を180で割った、1日あたりの賃金のことです。30倍すると、離職前の1か月あたりの賃金に近い額になります。

金額は、比べる基準の賃金に対して、再就職後の各月の賃金がどれだけ下がったかで決まります。基準の64%以下に下がっていれば、その月の賃金の10%が支給されます。64%を超えて75%未満なら、下がり方に応じて10%より少ない率になります。たとえば70%なら4.16%、66%なら7.93%です。

受け取れる期間は、再就職した日の前日の支給残日数で決まります。200日以上なら2年、100日以上200日未満なら1年です。ただし、65歳に達した月が上限なので、63歳で再就職した人は、残り日数が200日以上あっても、2年より短くなることがあります。

金額には上限と下限もあります。令和9年7月31日までの額で、その月の賃金が397,369円以上なら支給されず、計算した支給額が2,562円以下のときも支給されません。

各月の初日から末日まで雇用保険に加入していることが条件なので、途中で辞めた月や、月の途中で入った月は対象外です。病気での欠勤などで賃金が下がった月は、下がった分も支払われたものとみなして計算されます。

2つの給付金は同時に受け取れない

再就職手当と高年齢再就職給付金の両方の条件を満たしていても、同じ再就職について両方を受け取ることはできません。ハローワークの資料は、次のように説明しています。

雇用保険法第61条の2第4項の規定により、同一の就職につき、高年齢再就職給付金の支給を受けた場合には再就職手当が、再就職手当の支給を受けた場合には高年齢再就職給付金が支給されません。 出典: ハローワーク(高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について)

つまり、一方が支給されると、もう一方は支給されなくなるということです。同じ資料には、どちらにするかは本人が慎重に選ぶよう書かれています。

いったん支給を受けた後に、「やはりもう一方のほうが多かった」と思っても、変えることはできません。選ぶ前に計算しておくことが何より大切です。

一方で、再就職手当を申請して、審査の結果で不支給になった場合は、高年齢再就職給付金の条件を満たしていれば、こちらを申請できます。また、どちらを選んでも、申請期限内に申請しなければ受け取れない点は同じです。再就職手当は就職日の翌日から1か月以内と期限が短いので、迷っているうちに過ぎてしまわないよう気をつけてください。

どちらが多くなるかを計算する手順

どちらを選ぶかは、受け取れる総額を比べるところから始めます。手順は次のとおりです。

  1. ハローワークで受け取った受給資格者証で、所定給付日数、支給残日数、基本手当日額、賃金日額を確かめる
  2. 再就職手当の額を計算する。支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%を使い、基本手当日額は再就職手当の上限(60歳以上65歳未満は5,454円)を超えていればその上限で計算する
  3. 高年齢再就職給付金の基準の賃金を計算する。賃金日額を30倍する
  4. 再就職後の賃金が基準の何%にあたるかを出し、支給率を決める
  5. 支給率を再就職後の賃金に掛けて1か月あたりの額を出し、受け取れる月数を掛ける。月数は、支給残日数が200日以上なら最大24か月、100日以上なら最大12か月で、65歳に達する月までに収まるかを確かめる
  6. 再就職手当の場合は、6か月後に受け取れる可能性のある就業促進定着手当も見込んでおく

受給資格者証とは、基本手当の手続きのときにハローワークから交付される書類で、自分の給付の条件が書かれています。

計算の細かい決まりも知っておきます。再就職手当の額は、1円未満の端数を切り捨てます。支給残日数には、延長給付で上乗せされた日数は含まれません。高年齢再就職給付金は、月ごとの賃金で支給率が変わるので、残業代や欠勤で賃金が動く仕事では、1か月あたりの額を少し控えめに見積もっておくと、実際の受取額との差に戸惑わずに済みます。

計算に自信がない場合は、受給資格者証と再就職先の労働条件通知書を持って、住所地のハローワークの窓口で試算してもらうのが確実です。

計算例で比べる

ここでは、考え方をつかむための仮の数字で、2つの例を計算します。実際の金額は、受給資格者証の数字で計算してください。

1つ目の例は、61歳で定年後に再雇用されず辞め、基本手当の所定給付日数が150日、基本手当日額が5,000円、賃金日額が1万円の人が、支給残日数120日の時点で、月額18万円の仕事に再就職した場合です。雇用保険の加入期間は5年以上あり、再就職先には1年を超えて勤める見込みがあるものとします。

再就職手当は、支給残日数120日が所定給付日数150日の3分の2(100日)以上なので70%を使い、120日×5,000円×70%で420,000円です。

高年齢再就職給付金は、基準の賃金が1万円×30で30万円、再就職後の賃金18万円は基準の60%なので、支給率は10%で1か月あたり18,000円です。支給残日数が200日未満なので期間は1年で、18,000円×12か月で216,000円です。

この例では、再就職手当のほうが約20万円多くなります。さらに、6か月後に就業促進定着手当を受け取れる可能性もあります。

2つ目の例は、障害のある人などの就職困難者として所定給付日数が360日になった62歳の人で、基本手当日額が6,750円、賃金日額が15,000円の人が、支給残日数200日の時点で、月額28.8万円の仕事に再就職した場合です。こちらも加入期間は5年以上あるものとします。

再就職手当は、支給残日数200日が所定給付日数360日の3分の1以上3分の2未満なので60%を使います。基本手当日額6,750円は再就職手当の上限5,454円を超えるので、5,454円で計算し、200日×5,454円×60%で654,480円です。

高年齢再就職給付金は、基準の賃金が15,000円×30で45万円、28.8万円は基準の64%なので支給率は10%で、1か月あたり28,800円です。支給残日数が200日以上で、65歳に達するまで2年以上あるので期間は2年、28,800円×24か月で691,200円です。

この例では、高年齢再就職給付金のほうが約3万7千円多くなります。ただし、2年間勤め続け、毎月の賃金が条件を満たし続けた場合の額です。

2つの例から分かるのは、離職前の賃金が高く基本手当日額が再就職手当の上限に当たる人、支給残日数の割合が3分の2を下回る人、再就職後の賃金が大きく下がり2年間受け取れる人ほど、高年齢再就職給付金が有利になりやすいということです。反対に、早く再就職して残り日数の割合が高い人は、再就職手当が有利になりやすくなります。

就業促進定着手当の計算と受け取り方

再就職手当を選んだ人には、再就職から6か月後にもう1つの給付金を受け取れる可能性があります。それが就業促進定着手当です。2つの給付金を比べるときに見落とされやすいので、計算の仕方を確かめておきます。

ハローワークの案内では、就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った人が、その再就職先に6か月以上雇われ、その6か月の間の賃金の1日あたりの額が、離職前の賃金日額より下がっている場合に支給されます。

金額は、離職前の賃金日額から、再就職後6か月間の賃金の1日あたりの額を引いた差に、6か月間の賃金の支払いの基礎になった日数を掛けて計算します。月給制なら暦の日数、日給制や時給制なら働いた日数を使います。

ただし上限があり、基本手当日額に、再就職手当を受け取る前の支給残日数と20%を掛けた額までです。この計算に使う基本手当日額にも、再就職手当と同じ上限(60歳以上65歳未満は5,454円)があります。

1つ目の計算例の人なら、上限は5,000円×120日×20%で120,000円です。離職前の賃金日額が1万円で、再就職後の1日あたりの賃金が6,000円なら、差は4,000円です。6か月の暦の日数を約180日とすると72万円になりますが、上限の12万円が支給の上限になります。この例では、再就職手当の42万円と合わせて、最大で54万円を受け取れる計算です。

申請は、再就職した日から6か月が過ぎた日の翌日から2か月の間に、住所地のハローワークに出します。再就職先から賃金の証明をもらう必要があるので、6か月が近づいたら準備を始めます。

高年齢再就職給付金を選んだ人は、この手当を受け取れません。2つの給付金を比べるときは、再就職手当の側にこの手当の見込み額を加えて比べると、判断を誤りにくくなります。

金額以外に比べたい点

総額が近い場合や、計算どおりにいくか分からない場合は、金額以外の点も比べます。

1つ目は、受け取り方の違いです。再就職手当は一括なので、申請が通ればまとまったお金がすぐに手に入ります。高年齢再就職給付金は2か月ごとに分けて支払われ、全額を受け取るには最大2年かかります。

2つ目は、再就職先に勤め続けられるかどうかです。高年齢再就職給付金は、再就職先で雇用保険に加入して働き続ける間だけ支給されます。途中で辞めると、その後の分は受け取れません。初めての職場で、続けられるか不安があるなら、一括で受け取れる再就職手当のほうが確実です。

3つ目は、賃金の見通しです。高年齢再就職給付金は、毎月の賃金で支給率が変わります。昇給して基準の75%以上になれば支給されなくなります。残業代などで月ごとに賃金が大きく変わる仕事では、計算どおりの額にならないことがあります。

4つ目は、65歳までの残りの期間です。高年齢再就職給付金は65歳に達した月で終わるので、63歳や64歳で再就職した人は、受け取れる期間が短くなります。

5つ目は、就業促進定着手当です。再就職手当を選んだ人だけが、条件を満たせば6か月後に受け取れます。再就職後の賃金が離職前より下がる人ほど、この手当の額が大きくなる可能性があります。

6つ目は、年金との関係です。特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人が高年齢再就職給付金を受け取ると、年金の一部が止まる場合があります。年金を受け取っている人は、止まる額も含めて比べる必要があります。年金の止まり方は、年金事務所で確かめられます。

基本手当を受けずに転職した人との違い

60歳以降の転職でも、基本手当を受け取らずに次の会社へ移った人は、ここまで見てきた2つの給付金ではなく、高年齢雇用継続基本給付金の対象になります。

ハローワークの資料によると、60歳の時点で雇用保険に入っていなかった人でも、加入期間が5年以上あり、離職から再就職までの間が1年以内で、その間に基本手当などを受け取っていなければ、再就職した後に高年齢雇用継続基本給付金を受け取れる場合があります。この場合、比べる基準になるのは、離職した時点の賃金です。

高年齢雇用継続基本給付金は、65歳に達する月まで受け取れます。高年齢再就職給付金のように、支給残日数で1年か2年かが決まる仕組みではありません。たとえば61歳で、基本手当を受け取らずに賃金の下がる仕事へ転職した人は、条件を満たせば65歳になるまで給付金を受け取り続けられます。

一方で、基本手当を受け取らずに転職すると、仕事を探す間の生活費の支えはありません。退職から転職までの期間が短く、すぐ次の仕事に移れる見込みがある人にとっては、この道も選択肢になります。

どの道が有利かは、仕事を探す期間の長さ、基本手当の日数、転職後の賃金で変わります。退職を決める前に、基本手当を受け取る場合と受け取らない場合の両方をハローワークで聞いておくと、選び方が見えてきます。

申請の流れと期限

選んだ給付金は、それぞれの期限内に申請します。

再就職手当の流れは次のとおりです。

  1. 就職日の前日に、住所地のハローワークで最後の失業の認定を受ける
  2. 再就職先に採用証明書を書いてもらう
  3. 再就職手当支給申請書に、再就職先の証明をもらう
  4. 就職日の翌日から1か月以内に、住所地のハローワークへ申請書を出す
  5. ハローワークが再就職先に在籍を確認し、支給を決める

採用証明書は、基本手当の手続きのときに受け取る受給資格者のしおりなどに綴じられていることが多いので、手元の書類を確かめます。郵送で受け付けるハローワークもあります。

高年齢再就職給付金の流れは次のとおりです。

  1. 再就職先が、雇用保険の資格取得届とあわせて、受給資格確認票をハローワークに出す
  2. 再就職先が、初回の支給申請書を出す
  3. 2回目以降は、ハローワークが指定した月に、原則として2か月に1回申請する

申請するのは原則として再就職先の会社で、提出先は再就職先を管轄するハローワークです。本人が自分で申請することを希望すれば、本人が行うこともできます。初回の申請は、最初に支給を受けようとする月の初日から4か月以内です。

どちらを選ぶかを決めたら、再就職先の担当者に「高年齢再就職給付金の手続きをお願いしたい」または「再就職手当を申請するので証明をお願いしたい」と、早めに伝えておきます。会社によっては、高年齢再就職給付金の手続きに慣れていないこともあるので、ハローワークの資料を一緒に見ながら進めると確実です。

自分の都合で辞めた人が気をつけること

自分の都合で辞めた人には、基本手当に給付制限という待ち期間があり、再就職手当の条件にも関わります。

ハローワークの案内では、正当な理由のない自己都合で離職した人の給付制限は、離職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月です。離職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けている場合などは、3か月になります。

給付制限がある人が再就職手当を受け取るには、待期期間が過ぎてからの1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で就職したことが必要です。この期間に、知人の紹介や求人広告への応募で就職すると、再就職手当は受け取れません。1か月が過ぎた後なら、紹介の経路は問われません。

定年で辞めた人は、自分の都合での離職とは扱いが違い、給付制限はかかりません。定年後に再雇用を希望しなかった場合など、扱いが分かれる場面もあるので、離職票の離職理由の欄を確かめ、疑問があればハローワークで確認します。

高年齢再就職給付金には、紹介の経路の条件はありません。給付制限中に知人の紹介で就職した場合でも、ほかの条件を満たしていれば高年齢再就職給付金は受け取れる可能性があります。再就職手当が受け取れない事情があるときは、こちらの条件も確かめてみてください。

再就職した後にまた辞めることになったとき

再就職した先が合わず、短い期間で辞めることになる場合もあります。そのときの扱いも、選んだ給付金で変わります。

再就職手当を受け取った人は、受け取った分の日数について、基本手当を受け取ったものとみなされます。そのうえで、もとの受給期間(原則として最初の離職の翌日から1年)が残っていて、まだ受け取っていない日数があれば、再び仕事を探す申し込みをして、残りの基本手当を受け取れる場合があります。再就職先で新たに加入期間を満たしていれば、新しい受給資格で受け取ることになる場合もあります。

ハローワークの案内では、再就職手当を受け取った後に、倒産などで再び離職した人は、一定の期間、受給期間が延長される場合があるとされています。

高年齢再就職給付金を選んだ人は、辞めた月以降の分は支給されません。再就職の前日の支給残日数が残っていて、受給期間内であれば、基本手当の残りを受け取れる場合がありますが、条件は個別に確かめる必要があります。

どちらの場合も、辞めることが決まったら、すぐに住所地のハローワークに相談します。受給期間が過ぎると、残りの日数があっても受け取れなくなるからです。

会社に雇われず事業を始める場合

再就職ではなく、フリーランスとして業務委託の仕事を受けたり、自分で事業を始めたりする場合は、使える給付金が変わります。

再就職手当は、事業を始めた場合も対象になります。ハローワークの資料には、自営を開始した場合も、給付制限がある人は待期期間が過ぎてから1か月の期間が過ぎた後から対象になると書かれています。事業を始めたことを確かめるために、開業届の写しや、事務所の賃貸借契約書などの資料を求められます。事業によって自立できると認められることも条件です。

一方で、高年齢再就職給付金は、雇用保険に加入して働くことが条件なので、会社に雇われずに事業を始めた場合は対象外です。60歳以降に独立して業務委託で働くなら、選べるのは再就職手当のほうになります。

また、離職した後に事業を始めた人は、事業を行っている期間を最大3年間、基本手当の受給期間に数えない特例を申請できる場合があります。事業がうまくいかず、再び仕事を探すことになったときに、基本手当を受け取れる余地を残す仕組みです。再就職手当を受け取った事業については、この特例は使えません。

独立を考えている人は、再就職手当を受け取るか、受給期間の特例を残しておくかも、事業の見通しに合わせて選ぶ必要があります。どちらが合うかは、事業の始め方や収入の見込みで変わるので、開業の前にハローワークで相談しておくと安心です。

つまずきやすい点と対処

2つの給付金で、受け取れたはずのお金を逃す例には、いくつかの型があります。

1つ目は、内定の時期です。再就職手当は、仕事を探す申し込みをする前から内定していた会社に就職した場合は対象外です。退職前に次の仕事が決まっている場合は、再就職手当は受け取れないと考えておきます。

2つ目は、雇用の期間です。再就職手当は、1年を超えて勤めることが確実であることが条件です。1年以下の期間を決めた契約で、更新の見込みがはっきりしない場合は対象外になることがあります。契約書に更新の有無と条件が書かれているかを確かめます。

3つ目は、前の会社との関係です。辞めた会社や、資本や人事で関係の深い会社に再就職した場合は、再就職手当を受け取れません。グループ会社への再就職では特に注意が必要です。

4つ目は、支給残日数の数え方です。支給残日数は、就職日の前日までの失業の認定を受けた後の日数で数えます。最後の認定を受けずに就職すると、残り日数の計算がずれます。就職が決まったら、すぐにハローワークへ連絡します。

5つ目は、申請期限です。再就職手当の1か月は、新しい職場に慣れるのに忙しい時期と重なります。就職日が決まったら、申請の準備も同時に進めます。

6つ目は、加入期間の条件です。高年齢再就職給付金は、基本手当の算定の基礎になった加入期間が5年以上必要です。転職を重ねてきた人は、通算できる期間かどうかをハローワークで確かめます。

60歳以降の再就職と働き方の組み立て

在宅ワークや業務委託の仲介に長く関わってきた運営者として見てきた限りでは、60歳以降の再就職で納得している人は、給付金の額だけで仕事を選んでいません。勤め続けられる職場か、経験を生かせるか、体力に合った時間で働けるかを先に決め、そのうえで給付金を比べています。給付金は再就職を支える仕組みであって、仕事選びの軸そのものではないからです。

再就職先で雇用保険に入って働きながら、空いた時間に業務委託の仕事を受ける人もいます。業務委託の部分は雇用保険の対象外ですが、仲介の手数料が乗らない直接取引なら、同じ発注額でも受け手の手取りが厚くなります。雇用で守りを確保し、業務委託で経験を生かす組み合わせは、60歳以降の働き方の選択肢の1つです。

業務委託で受ける場合は、報酬の支払いや契約の条件を自分で確かめる必要があります。発注書や契約書に入れておく項目は、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストで整理しています。

経験を生かせる仕事の幅は、職種別のガイドで確かめられます。たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事では、長年の業務知識を持つ人が企業の生成AIの活用を支援する仕事を紹介しています。文章を書く仕事を考えているなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、収入の水準を確かめてから条件を決めると安心です。

よくある質問

Q. 再就職手当と高年齢再就職給付金は両方もらえますか?

同じ再就職について両方を受け取ることはできません。雇用保険法の決まりで、一方の支給を受けると、もう一方は支給されなくなります。いったん支給を受けた後に変えることもできないので、選ぶ前に両方の金額を計算して比べてください。再就職手当が審査で不支給になった場合は、条件を満たせば高年齢再就職給付金を申請できます。

Q. 60歳以上だと再就職手当の金額は少なくなりますか?

再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限があり、離職時の年齢が60歳以上65歳未満の人は5,454円、60歳未満の人は6,745円です(令和9年7月31日までの額)。離職前の賃金が高く、基本手当日額がこの上限を超える人は、上限で計算されるため、思ったより少なくなることがあります。

Q. 高年齢再就職給付金は何年もらえますか?

再就職した日の前日の基本手当の支給残日数が200日以上なら2年、100日以上200日未満なら1年です。ただし65歳に達した月が上限になるため、63歳以降に再就職した人は期間が短くなることがあります。また、各月の賃金が基準の75%以上になった月や、辞めた後の分は支給されません。

Q. 再就職手当の申請期限を過ぎたらどうなりますか?

再就職手当の申請期限は、就職日の翌日から1か月以内です。期限を過ぎてしまった場合でも、時効までの間であれば受け付けられる場合があるので、あきらめずにすぐ住所地のハローワークに相談してください。期限内に出すのが原則なので、就職が決まったら採用証明書と申請書の準備を早めに進めておくと安心です。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月20日最終更新:2026年10月5日
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