心理カウンセラーの民間資格で名乗れる範囲と、在宅でのオンライン相談の受け方


この記事のポイント
- ✓心理カウンセラーの民間資格で名乗れる名前と名乗れない名前を
- ✓公認心理師法の名称の決まりと医師法の線引きから整理しました
- ✓講座の勧誘で気をつけること
心理カウンセラーの民間資格は、通信講座で学べるものが多く、数か月で取れるものもあります。仕事や子育てをしながら心理学を学び、いずれは自宅からオンラインで相談を受けたい、と考えて民間資格を調べる人は少なくありません。ただ、民間資格を取った後に何と名乗ってよいのか、どこまでの相談を受けてよいのかは、講座の案内には詳しく書かれていないことが多いものです。
この記事では、心理カウンセラーの民間資格で名乗れる範囲を、国家資格の公認心理師の名称の決まり、医師にしか認められていない行為との線引きから整理します。民間資格の選び方、講座の勧誘で気をつけること、在宅でオンライン相談を受けるときに必要な表示、記録の扱い、受けない相談の決め方まで順に説明します。
心理カウンセラーの資格は3つに分けられる
心理カウンセラーに関わる資格は、大きく3つに分けられます。
| 種類 | 代表的な資格 | 認定する主体 | 取り方の目安 |
|---|---|---|---|
| 国家資格 | 公認心理師 | 国(試験は指定試験機関) | 大学と大学院などで受験資格を満たし、国家試験に合格して登録 |
| 民間の専門資格 | 臨床心理士 | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会 | 指定された大学院を修了するなどして資格審査に合格 |
| 民間資格 | 各種の心理カウンセラー資格、メンタルヘルスの検定など | 民間の団体や企業 | 講座を受けて試験に合格。通信講座が多い |
臨床心理士も、国ではなく公益財団法人が認定する資格なので、分類のうえでは民間の資格です。ただし、大学院での専門の教育と資格審査を経て取る資格で、5年ごとの更新制度もあり、病院や学校の心理職の求人でも条件として広く使われています。この記事で「民間資格」と呼ぶのは、主に3つ目の、講座を受けて取る心理カウンセラーの資格です。
民間資格の名前は、主催する団体ごとに違います。同じ「心理カウンセラー」という言葉が入った資格でも、学ぶ内容、学ぶ時間、試験の難しさ、実技の訓練の有無は、資格ごとに大きく違います。
「心理カウンセラー」という名前に法律の定めはない
まず押さえておきたいのは、「心理カウンセラー」という名前そのものは、法律で定められた資格の名前ではないことです。臨床心理士の認定協会も、心理カウンセラーや心理相談員などの名前で呼ばれる人々には、それぞれに明確な資格があるわけではないと説明しています。
つまり、民間資格を取った人が「心理カウンセラー」と名乗ることを、法律が禁じているわけではありません。逆に言えば、資格を持たない人が心理カウンセラーと名乗ることも、法律では禁じられていません。だからこそ、相談する人は名前だけでは相手の力を判断できず、名乗る側には、どんな資格を持ち、どんな学びを経てきたのかを正直に示す責任があります。
民間資格では名乗れない名前
一方で、民間資格では名乗れない名前があります。最も大事なのが、国家資格の公認心理師の名前です。公認心理師法は、名前の使い方について次のように定めています。
公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。 2 前項に規定するもののほか、公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない。 出典: laws.e-gov.go.jp
これは公認心理師法の第44条です。言い換えると、公認心理師の登録を受けていない人は、「公認心理師」と名乗れないだけでなく、名前の中に「心理師」という文字を入れることもできません。たとえば、民間資格の名前や自分の肩書きに「〇〇心理師」と付けることは、この決まりに反します。同じ法律の第49条では、この決まりに違反した人は30万円以下の罰金に処するとされています。
よく似た言葉に「心理士」があります。「師」と「士」で字が違います。法律が使用を禁じているのは「心理師」という文字ですが、紛らわしい肩書きは、相談する人に国家資格を持っていると誤解させるおそれがあります。民間資格で活動する場合は、資格の正式な名前と、認定した団体の名前をそのまま示すのが誠実なやり方です。
臨床心理士についても、認定協会の資格審査に合格して認定を受けた人の資格です。認定を受けていない人が臨床心理士と名乗れば、相談する人をだますことになります。
| 名前 | 民間資格の人が使えるか |
|---|---|
| 心理カウンセラー、カウンセラー | 法律の定めはなく、使うことはできる。取得した資格の名前と認定団体を示す |
| 取得した民間資格の正式な名前 | 使える。認定した団体の名前も添える |
| 公認心理師 | 使えない(公認心理師法第44条) |
| 名前の中に「心理師」の文字を含むもの | 使えない(公認心理師法第44条第2項) |
| 臨床心理士 | 認定を受けていなければ名乗れない |
プロフィールの書き方の例
在宅で相談を受けるときのプロフィールでは、次のように、資格の正式な名前、認定した団体、学んだ内容、受けられる相談の範囲を並べて書くと、相談する人に誤解を与えません。
例文:〇〇協会認定〇〇カウンセラー(民間資格)。〇〇協会の養成講座で、傾聴の技法と相談の進め方を約〇時間学びました。職場の人間関係や仕事のストレスについてのご相談をお受けしています。医療機関で治療を受けている方の症状に関するご相談はお受けしていません。
「民間資格」と明記しておくと、国家資格と誤解されることを防げます。学んだ時間や内容を具体的に書くことで、相談する人は相手の学びの深さを判断できます。受けられない相談をプロフィールにも書いておくと、申し込みの段階で、範囲の外の相談を減らせます。
民間資格でできること、できないこと
名前だけでなく、民間資格でできる仕事の範囲も知っておく必要があります。
できないこと:病気の診断と治療
心理カウンセラーは、資格の種類にかかわらず、病気の診断や治療はできません。医師法は次のように定めています。
医師でなければ、医業をなしてはならない。 出典: laws.e-gov.go.jp
これは医師法の第17条です。相談の中で「あなたはうつ病です」と病名を告げること、薬の量を変えたりやめたりするよう勧めることは、心理カウンセラーの仕事の範囲を超えます。相談する人の様子から医療が必要だと感じたときは、医療機関に相談するよう勧めるのが心理カウンセラーの役目です。
できること:話を聞き、考えや気持ちの整理を手伝う
民間資格で受けられるのは、主に、日常の悩み、人間関係、仕事や子育てのストレスなどの相談に応じ、話を聞き、考えや気持ちを整理する手伝いをすることです。学んだ心理学の考え方を使って、相談する人が自分で次の一歩を決められるように支えます。
慎重になるべきこと
次のような相談は、民間資格だけで、在宅のオンライン相談として受けるには慎重になるべきものです。
- 医療機関で治療を受けている病気の症状についての相談
- 死にたい気持ちが強く、命に関わる危険が差し迫っている相談
- 暴力や虐待を受けている、または加えてしまっているという相談
- 子どもからの相談(保護者の同意や、学校との連携が必要になることがある)
こうした相談は、医療、福祉、行政の窓口や、経験のある専門家につなぐ必要があります。厚生労働省はまもろうよ こころというサイトで、電話やSNSで相談できる窓口をまとめています。相談を受ける側は、こうした窓口をすぐに案内できるようにしておきます。
民間資格と関連する検定の種類
心理カウンセラーに関わる民間の資格や検定は、目的によっていくつかの種類に分けられます。名前が似ていても、目指すものが違うので、自分が何のために学ぶのかに合わせて選びます。
カウンセリングの実技まで学ぶ資格
相談に応じる技術を身につけることを目的にした資格です。傾聴(相手の話を評価せずに聴くこと)の練習や、相談の進め方のロールプレイを含む講座が多くあります。在宅で相談を受けたい人が最も関心を持つ種類ですが、講座によって実技の練習の量に大きな差があります。
心理学の知識を確かめる検定
心理学の理論や研究の知識を、試験で確かめる種類です。相談の技術を身につけるものではありませんが、心理学を体系的に学ぶ目標として使えます。
職場の心の健康についての検定
働く人の心の健康を守るための知識を問う検定もあります。たとえばメンタルヘルス・マネジメント検定試験は、大阪商工会議所などが主催する検定で、働く人自身の心の健康管理(セルフケア)、部下を持つ管理職の対応(ラインケア)、会社全体の対策の企画(マスター)の3つのコースに分かれています。公式サイトによると、2026年11月1日の第41回公開試験からは、公式テキストの第6版に沿って出題されます。この検定は、相談を受ける資格ではなく、職場で心の不調を防ぐ知識を身につけるためのものです。
特定の分野に絞った資格
子育て、夫婦関係、職場の人間関係、学校の悩みなど、特定の分野の相談に絞った資格もあります。受けたい相談の分野が決まっている人には、分野に絞った資格のほうが、学ぶ内容が実際の相談に近くなります。
民間資格の選び方
心理カウンセラーの民間資格は数が多く、選ぶのに迷います。次の点を比べると、自分に合った資格を選びやすくなります。
1. 認定する団体の情報が公開されているか
認定する団体の名前、所在地、連絡先、運営する組織の情報が公開されているかを確かめます。資格の認定者の数や、資格の歴史が示されているかも判断の材料になります。
2. 何を、どのくらいの時間学ぶか
学ぶ内容と時間を確かめます。心理学の理論を学ぶだけの資格もあれば、カウンセリングの実技の練習(ロールプレイ)まで含む資格もあります。相談を受ける仕事に生かしたいなら、実技の練習があるかどうかは大事な比較の点です。
3. 倫理の決まりがあるか
認定する団体が、資格を持つ人が守るべき決まり(倫理綱領)を定めているかを確かめます。秘密の保持、相談の範囲、相談者との関係の持ち方などを定めた決まりがある団体は、資格を持つ人の活動にも責任を持とうとしていると考えられます。
4. 更新制度と、取った後の学びの場があるか
資格を一度取れば終わりなのか、更新のために研修を受ける必要があるのかを確かめます。相談を受ける仕事は、取った後の学びが欠かせません。研修や事例の検討会など、取った後も学べる場があるかも見ておきます。
5. 費用の全体
受講料だけでなく、試験の受験料、認定の登録料、更新料、上位の資格に進むための追加の講座の費用まで含めた全体の費用を確かめます。最初の講座は安くても、上位の資格を取らないと活動できないような仕組みになっていることがあります。
講座の勧誘で気をつけること
心理カウンセラーの資格の講座には、残念ながら、強引な勧誘や誤解を招く説明をするものもあります。次のような説明には注意します。
- 「この資格を取れば、すぐにカウンセラーとして稼げる」
- 「受講すれば、相談の仕事を紹介する」
- 「今日中に申し込めば受講料を割り引く」と、その場で決めさせようとする
- 上位の資格を取るための高額な追加の講座を、次々に勧める
特に、「仕事を紹介する」と言って講座や教材を買わせる形は、特定商取引法で「業務提供誘引販売取引」と呼ばれる取引にあたることがあります。業務提供誘引販売取引とは、仕事を提供するので収入が得られると誘い、その仕事に必要だとして商品やサービスを買わせる取引のことで、法律で広告や契約書面の決まり、契約を解除できる期間などが定められています。詳しくは消費者庁の特定商取引法のページで確かめられます。
契約してから不安になった場合や、説明と違うと感じた場合は、一人で抱え込まず、消費生活センターに相談します。消費者ホットライン188に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながります。
在宅でオンライン相談を受ける形
民間資格を取った後、在宅でオンラインの相談を受ける形は、大きく2つあります。
オンライン相談のサービスに登録する
オンラインのカウンセリングや悩み相談のサービスを運営する会社に、相談員として登録する方法です。予約、決済、ビデオ通話や文字のやり取りの仕組みは運営会社が用意しています。登録の条件として、公認心理師や臨床心理士などの資格を求めるサービスもあれば、民間資格や一定の研修の修了で登録できるサービスもあります。登録の前に、資格の条件、報酬の決め方、相談の範囲、緊急時の対応の決まりを確かめます。
自分で相談を受ける
自分のホームページやSNSで相談者を募り、ビデオ通話などで相談を受ける方法です。料金や相談の対象を自分で決められる反面、相談者を集めること、予約と決済の仕組み、表示や記録の管理まで、すべて自分で引き受けます。
どちらの形でも、民間資格で受けられる相談の範囲は同じです。前の節で説明した、慎重になるべき相談の線引きは、形にかかわらず守ります。
自分で相談を受けるときに必要な表示
自分でインターネットで申し込みを受け、有料の相談を行う場合は、法律に沿った表示が必要です。
特定商取引法の表示
インターネットで申し込みを受けて有料のサービスを提供することは、特定商取引法の「通信販売」にあたります。通信販売では、広告に、事業者の名前、住所、電話番号、サービスの料金、支払いの時期と方法、サービスを提供する時期、申し込みの撤回や解除についての決まりなどを表示する必要があります。表示する項目と書き方は、消費者庁の特定商取引法のページやガイドラインで確かめます。
自宅で活動する人は、住所や電話番号を公開することに不安を感じるかもしれません。表示の方法には決まりがあるので、どこまでどう表示すればよいかは、消費者庁の案内で確かめたうえで決めます。
広告の表現
ホームページや紹介の文章では、効果を約束する表現を使いません。「必ず悩みが解決する」「1回で気持ちが楽になる」といった表現は、実際より優れていると思わせる表示として、景品表示法の問題になることがあります。景品表示法の考え方は、消費者庁の景品表示法のページで確かめられます。
資格の表示では、取得した民間資格の正式な名前と認定団体の名前を示し、国家資格と誤解されるような書き方をしません。「国家資格に準じる」「公的な資格」といった、根拠のない言い方も避けます。
料金の決め方と、受け取り方
自分で在宅のオンライン相談を受ける場合は、料金を自分で決めます。料金の決め方と受け取り方で気をつけることを整理します。
料金の決め方
料金は、1回あたりの時間(50分など)を決めたうえで、次の点を考えて決めます。
- 同じような資格と経験の人が、同じような相談をどのくらいの料金で受けているか
- 自分の資格と経験。民間資格で始めたばかりなら、国家資格を持つ経験の長い人と同じ料金にするのは、相談者の期待とずれやすい
- 相談の準備と記録にかかる時間。面接の時間だけでなく、前後の時間も含めて考える
- 決済の手数料や、使う道具の利用料
初回だけ短い時間で安い料金を設ける形もあります。相談者が相性を確かめられるので、続けるかどうかを判断しやすくなります。
受け取り方
料金は、相談の前に受け取る形にすると、当日のキャンセルや支払いの遅れによるトラブルを減らせます。キャンセルの決まり(前日までなら全額返金、当日なら返金しない、など)は、申し込みの前に必ず示します。
受け取った料金は、事業の収入として記録します。会社員などで給与以外の所得がある場合、所得の額によっては確定申告が必要になります。国税庁の案内では、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となる人は、給与以外の所得の合計額が20万円を超えると確定申告が必要とされています。経費の扱いなど個別の判断は、税務署で確かめます。
オンライン相談の道具と環境の整え方
在宅でオンラインの相談を受けるには、道具と環境の準備が欠かせません。
道具
- ビデオ通話の道具:通信が暗号化されているもの、相談ごとに別の会議の部屋を作れるものを選ぶ。録画の機能は、相談者の同意なく使わない
- 予約と申し込みのフォーム:受け取った情報を見られる人が限られているもの
- 決済の方法:相談者が使いやすく、手数料が分かりやすいもの
- 記録の保存場所:パスワードで守られ、家族と共有しない場所
環境
- 1人になれる部屋で、ドアを閉めて相談を受ける
- イヤホンを使い、相談者の声が外に漏れないようにする
- 背景に家族の写真や郵便物など、生活の情報が映り込まないようにする
- 通信が途切れた場合のかけ直しの方法を、最初に相談者と決めておく
相談者の側の環境も大事です。家族がいる部屋から話していると、相談者は本音を話せません。初回の前に、1人になれる場所から参加してほしいこと、周りに人がいる場合は無理に話さなくてよいことを伝えておきます。
相談の記録と個人情報の扱い
相談を受けると、相談者の名前や連絡先だけでなく、悩みの内容、心の状態、場合によっては病歴など、とても慎重に扱うべき情報を預かることになります。
個人情報保護法では、病歴などを含む個人情報を「要配慮個人情報」と呼び、取り扱いに特に配慮が必要な情報と位置づけています。要配慮個人情報は、本人に不当な差別や偏見などの不利益が生じないように、取り扱いに特に配慮が必要なものとして定められた情報のことです。
在宅で相談を受ける人は、次のことを守ります。
- 相談の記録は、パスワードをかけた場所に保存し、家族と共有するパソコンには保存しない
- 相談の内容を、SNSやブログで事例として紹介しない。名前を伏せても、本人や周りの人が読めば分かることがある
- 記録をいつまで保管し、いつ削除するかを決めて、相談者に伝えておく
- 申し込みのフォームや予約の仕組みは、通信が暗号化され、受け取った情報を見られる人が限られているものを選ぶ
在宅での活動では、家族に相談の声が聞こえる、画面を見られる、といった場面も起こりえます。相談を受ける時間は、1人になれる部屋でイヤホンを使い、相談の画面や記録を家族の目に触れる場所で開かないようにします。
相談者との関係で守ること
在宅でのオンライン相談では、対面の相談室と比べて、相談者との距離が近くなりやすい面があります。相談を受ける人が守るべき関係の決まりを整理します。
決まった時間と場所の外で相談を受けない
相談は、決まった時間に、決まった方法で受けます。相談の時間の外に、SNSのメッセージや個人の電話で相談を受けることは避けます。いつでも連絡できる関係は、相談者が相談を受ける人に頼りすぎることにつながり、相談を受ける人の負担も増えます。急ぎの連絡が必要な場合の連絡方法と、緊急時に相談者が使える窓口を、最初に伝えておきます。
個人的な関係を持たない
相談者と、友人になる、仕事の取引をする、物の売り買いをする、といった相談以外の関係を持たないようにします。相談者は、悩みを打ち明けた相手に対して、断りにくい立場にあります。相談以外の関係を持つと、相談者に不利益が生じるおそれがあります。
知り合いの相談は受けない
家族、友人、職場の同僚など、もともと知っている人の相談は、原則として受けません。知り合いだと、相談の内容を客観的に聞くことが難しくなり、秘密の保持も危うくなります。知り合いから相談を頼まれたときは、ほかの相談先を紹介します。
自分の考えを押しつけない
相談を受ける人の役割は、相談者が自分で考え、自分で決めることを支えることです。自分の価値観や経験を押しつけたり、相談者の人生の決定を代わりに下したりはしません。
受けない相談の決め方と、つなぎ先の準備
在宅のオンライン相談を始める前に、受けない相談を決めて、ホームページや利用規約に書いておきます。前に挙げた慎重になるべき相談のほかにも、次のような相談は、受けないか、受ける前に慎重に検討します。
- 法律の判断が必要な相談(離婚の条件、相続、労働の紛争など)は、弁護士などの専門家の領域
- お金の判断が必要な相談(借金の整理など)も、専門の窓口の領域
- 相談者の家族や知人が、本人に内緒で本人のことを相談したいという場合は、本人の秘密との関係で慎重になる
あわせて、相談の中で受けられない内容だと分かったときに、どこにつなぐかを一覧にしておきます。地域の精神保健福祉センター、保健所、自治体の相談窓口、法律の相談窓口、消費生活センターなどです。相談者に「ここでは受けられません」とだけ伝えるのではなく、どこに相談すればよいかまで案内できるようにしておくことが、相談を受ける人の責任です。
資格を取ってから相談を受けるまでの手順
民間資格を取った後、在宅で相談を受け始めるまでの手順を、順番に整理します。
- 練習を重ねる:家族や学習仲間に協力してもらい、相談の進め方の練習をくり返す。資格の講座の仲間と練習し合うのも方法の1つ
- 受ける相談と受けない相談を決める:対象とする悩みと、つなぐ先が必要な相談を書き出す
- つなぎ先の一覧を作る:精神保健福祉センター、保健所、自治体の相談窓口、消費生活センター、法律の相談窓口などを調べておく
- 料金とキャンセルの決まりを決める
- 利用規約を書く:相談の範囲、秘密の保持とその例外、記録の扱い、キャンセルの決まりを書く
- 道具と環境を整える:ビデオ通話、予約、決済、記録の保存場所を用意し、1人になれる部屋を確保する
- 表示を整える:特定商取引法に沿った表示と、資格の正式な名前と認定団体の表示を用意する
- 少人数から始める:最初は受ける件数を絞り、1件ずつ振り返りながら進める
最初から多くの相談を受けようとすると、準備の足りない部分が一度に表に出ます。少人数から始め、相談の後に自分の進め方を振り返る時間を必ずとります。経験のある専門家に助言を受けられる場を、この段階で見つけておくと安心です。
相談する人から見た、信頼できる相談先の見分け方
ここまで、相談を受ける側の立場で説明してきましたが、逆に、相談する側から見て、信頼できる相談先をどう見分けるかを知っておくことも、相談を受ける人にとって役に立ちます。相談する人が確かめることを、自分の活動でも満たしているかを点検できるからです。
- 資格の正式な名前と、認定した団体が書かれているか
- 料金、時間、キャンセルの決まりが、申し込みの前に分かるか
- 秘密の保持と、その例外が説明されているか
- 受けられない相談と、その場合の相談先が書かれているか
- 「必ず治る」「1回で解決する」など、効果を約束する表現がないか
- 事業者の名前や連絡先など、法律で求められる表示があるか
この一覧は、そのまま、在宅で相談を受ける人が自分のホームページを点検するための一覧として使えます。相談する人が安心して申し込めるページを作ることは、相談者を集めることにもつながります。
民間資格で活動を続けるために
民間資格を取った後、在宅で相談を受ける活動を続けていくには、資格を取った後の学びと、自分を支える仕組みが欠かせません。
学び続ける
カウンセリングの力は、資格を取った時点で完成するものではありません。研修に参加する、心理学の本を読む、相談の実技の練習を重ねる、といった学びを続けます。認定団体の研修のほか、地域の研修会や、大学の公開講座なども学びの場になります。
自分の相談を聞いてもらう
相談を受ける人自身が、経験のある専門家に自分の相談の進め方について助言を受ける時間を持つことも大切です。これをスーパービジョンと呼びます。1人で在宅で活動していると、自分の相談の進め方が適切かどうかを確かめる機会がありません。経験のある人の目を入れることで、相談者を守ることにもつながります。
国家資格を目指すかを考える
民間資格で活動するうちに、もっと専門的に学びたい、病院や学校で働きたいと考えるようになる人もいます。その場合は、公認心理師や臨床心理士を目指す道があります。厚生労働省の公認心理師のページによると、受験資格を得るルートは7つあり、詳しくは指定試験機関の公認心理師試験研修センターが案内しています。大学と大学院での学びが必要になる長い道のりなので、自分の生活と相談しながら考えます。
在宅の仕事から見た、心理の学びの生かし方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた編集部の立場から見ると、心理カウンセラーの民間資格で学んだことは、相談を受ける仕事以外の在宅の仕事でも生かされています。心の健康についての記事の執筆、相談窓口の案内の文章づくり、企業のストレス対策の研修資料の作成などです。どれも、心理学の知識を、初めて読む人に分かる言葉で伝える力が求められる仕事です。
文章で伝える仕事を考えている人は、ビジネスの文書を正確に書く力が土台になります。ビジネス文書検定では、その力を確かめる検定の内容を紹介しています。心理学の知識を使った調査や分析の仕事の報酬の目安は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。相談の受付の仕組みや、オンラインでの活動の効率化を支援する仕事に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考になります。
心理カウンセラーの民間資格で名乗れるのは、取得した資格の正式な名前と、法律の定めのない「心理カウンセラー」という呼び名までです。公認心理師や「心理師」の文字を含む名前は使えず、病気の診断や治療もできません。在宅でオンラインの相談を始めたい人は、まず受ける相談と受けない相談を書き出し、つなぎ先の一覧を作るところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 民間資格を取れば「心理カウンセラー」と名乗ってよいですか?
心理カウンセラーという名前そのものには法律の定めがないため、名乗ること自体は禁じられていません。ただし、名前だけでは相談する人が力を判断できないので、取得した資格の正式な名前と、認定した団体の名前を一緒に示すのが誠実なやり方です。公認心理師という名前や、名前の中に心理師という文字を入れることは、公認心理師でない人には法律で禁じられています。
Q. 民間資格で心理検査をしたり、病名を伝えたりしてもよいですか?
病気の診断は医師にしかできず、相談の中で病名を告げたり、薬の量を変えるよう勧めたりすることは、心理カウンセラーの範囲を超えます。心理検査についても、結果の扱いを誤ると相談者に不利益を与えるおそれがあるため、十分な訓練を受けていないものは使わないのが原則です。医療が必要だと感じたときは、医療機関への相談を勧めます。
Q. 在宅でオンライン相談を受けるのに届け出は必要ですか?
民間資格で悩み相談を受けること自体に、特別な届け出の制度はありません。ただし、個人で事業として始める場合は税務署への開業の届け出などが関わり、インターネットで有料の申し込みを受けるなら、特定商取引法に沿った表示が必要です。個別の事情によって必要な手続きは変わるので、税務署や消費者庁の案内で確かめてください。
Q. 民間資格の講座はどのように選べばよいですか?
認定する団体の情報が公開されているか、学ぶ内容と時間、実技の練習があるか、倫理の決まりがあるか、更新制度と取った後の学びの場があるか、受講料以外も含めた費用の全体を比べます。「すぐに稼げる」「仕事を紹介する」と強調する講座や、その場で申し込みを急がせる勧誘には注意し、不安なときは消費生活センターに相談しましょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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