スポーツカウンセラーの資格|民間資格の中身と相談の仕事での使い道


この記事のポイント
- ✓スポーツカウンセラーの資格を調べている人に向けて
- ✓日本臨床心理身体運動学会の認定スポーツカウンセラー
- ✓日本スポーツ心理学会のスポーツメンタルトレーニング指導士
スポーツカウンセラーの資格を調べると、通信講座の修了でもらえる資格から、大学院の修了が前提の学会の資格まで、名前の似たものがたくさん出てきて、どれが何を証明するのか分かりにくくなります。結論から言うと、スポーツの場面の心理の支援で学会が認定している代表的な資格は、日本臨床心理身体運動学会の「認定スポーツカウンセラー」と、日本スポーツ心理学会の「スポーツメンタルトレーニング指導士」の2つです。どちらも民間の資格で、試験を受ければ取れる資格ではなく、学会への入会、大学や大学院での学び、実際の支援の経験を積み上げて審査を受ける仕組みです。この記事では、2つの資格の中身と取得の条件、国家資格の公認心理師との関係、相談の仕事での使い道までを、各団体の公式の案内をもとに整理します。
スポーツカウンセラーの資格を調べる人が知っておきたい前提
スポーツカウンセラーという言葉には、法律で決まった定義がありません。名乗るだけなら資格がなくてもできてしまうため、どの団体が、どんな条件で認めた資格なのかを見分けることが大切です。
「スポーツカウンセラー」は国家資格ではない
日本の心理の分野の国家資格は、公認心理師です。公認心理師とは、心理学の専門の知識と技術を使って、心理の支援が必要な人の観察や分析、相談、助言、心の健康に関する知識の普及を仕事として行う人のことで、公認心理師法で定められています。スポーツの分野だけを対象にした国家資格はありません。認定スポーツカウンセラーもスポーツメンタルトレーニング指導士も、学会が認定する民間の資格です。
紛らわしい名前の資格に注意する
インターネットの広告には、学会の資格とよく似た名前の資格がたくさん出てきます。日本スポーツ心理学会は、資格の公式ページで次のように注意を呼びかけています。
最近、日本スポーツ心理学会と紛らわしい名前を使って、本学会とは無関係の団体の資格取得を促すサイトに誘導するWEBの広告が確認されています。日本スポーツ心理学会が認定している資格は「スポーツメンタルトレーニング指導士」だけです 出典: smt.jssp.jp
通信講座で取れる資格が悪いわけではありません。スポーツの心理を学ぶ入口としては役に立ちます。ただ、仕事で心理の専門家として信頼してもらう材料にするなら、どの団体が、どんな審査をして認めた資格なのかを、申し込む前に必ず確かめてください。
「心理師」という名前は使えない
公認心理師法の第44条では、公認心理師でない人が公認心理師という名称を使うことを禁じています。さらに、名称の中に「心理師」という文字を使うことも禁じています。民間の資格で学んだ人が「スポーツ心理師」のような肩書きを名乗ることはできません。肩書きを決めるときは、取った資格の正式な名前をそのまま使うのが安全です。
認定スポーツカウンセラーとはどんな資格か
認定スポーツカウンセラーは、日本臨床心理身体運動学会が認定する資格です。学会の会則では、学会の事業の1つとして「認定スポーツカウンセラー資格の認定」が挙げられています。
資格の目的
学会の資格のページには、資格の性格が次のように書かれています。
認定スポーツカウンセラーとは、日本臨床心理身体運動学会が認定するスポーツカウンセラーの資格です(2004年発足)。この資格は、スポーツ競技場面に関わるすべての人々を対象として心理臨床の専門家として認定するものであり、現在のところ(2008年3月現在)、競技場面におけるカウンセラー資格としては国内唯一のものです。 出典: rinsinsin.jp
心理臨床とは、心の悩みを抱えた人に対して、面接やカウンセリングなどで専門的な支援を行うことです。この資格は、スポーツの技術を教える資格ではなく、競技に関わる人の心の悩みに寄り添う専門家を認める資格です。
心理の資格を紹介するサイトでも、この資格の性格は次のように説明されています。
認定スポーツカウンセラー資格は、カウンセリング領域が強めのスポーツ選手をサポートしたい方向けの心理資格といえます。 出典: be-counselor.com
3つの級の違い
資格は3級、2級、1級に分かれています。学会の説明をもとに、級ごとの位置づけを表にします。
| 級 | 位置づけ |
|---|---|
| 3級 | 基礎の資格。体育学と心理臨床学の基本の知識を持ち、心理検査やカウンセリングの基礎の訓練を受けた段階。訓練中であることを示す級 |
| 2級 | 競技者や競技に関わる人だけでなく、チーム全体にも心理臨床の援助を行えることを認める級。臨床心理士を取得した中堅以上の力が期待される |
| 1級 | トップレベルの競技者に対し、競技のレベルや復帰の意欲を落とさずに関われることを認める級。カウンセラーの養成も期待される |
学会の説明では、3級は「カウンセラーとしての実際的な仕事に対して評価された級ではなく、現在、スポーツカウンセラーとして訓練中の段階であることを明確にし、認定を行う級」とされています。3級を取っただけで、すぐにカウンセラーとして独り立ちできるわけではない点は、最初に押さえておきたいところです。
級ごとの主な条件
学会の資格のページにある表をもとに、主な条件を整理します。
- 3級:中学以降の運動歴(継続6年以上、通算8年以上)と、指定科目の履修(体育学系14単位、心理臨床系14単位)が表に並んでいる
- 2級:3級の取得後5年以上、修士またはそれに準ずる学位、臨床心理士の資格(または医師免許)、スポーツの臨床の経験、学会の指定する研修、個人と集団のスーパーヴィジョン
- 1級:2級の取得、スポーツの臨床の経験、研修とスーパーヴィジョン、スーパーヴァイザーとしての経験
スーパーヴィジョンとは、経験を積んだ専門家に自分が担当した事例を報告し、指導や助言を受ける訓練のことです。心理の分野では、技術を身につけるための大切な仕組みとされています。
各級の細かい認定の要件は、学会の別表に載っています。単位の読み替えや、運動歴の数え方などの細かい点は、学会の資格認定委員会の事務局にメールで問い合わせるよう案内されています。学会では、大会や年3回の講習会・研修会の会場で、資格についての相談会も予約制で開いています。
取得の第一歩は学会への入会
認定スポーツカウンセラーを目指すには、まず日本臨床心理身体運動学会に入会することから始まります。ここで多くの人がつまずくのが、入会に推薦が必要な点です。
会員の種類と推薦の条件
学会の入会案内によると、会員には正会員、一般会員、準会員、賛助会員、名誉会員があります。資格を目指す人が関係するのは、次の3つです。
| 会員の種類 | 推薦の条件 |
|---|---|
| 正会員 | 正会員2名の推薦と、別に定める要件 |
| 一般会員 | 正会員1名、または一般会員2名の推薦と、別に定める要件 |
| 準会員 | 正会員または一般会員1名の推薦 |
どの会員も、最後は常任理事会の承認を受けて入会します。一般会員の要件には、臨床心理士の資格、医師免許、3年以上の心理臨床の経験、5年以上の運動歴または指導歴などが並び、あわせて学会が主催または指定する研修会に15時間以上参加していることが求められます。
入会金と年度会費
入会案内に載っている会費は次のとおりです。入会金は 10,000円 で、年度会費は会員の種類で変わります。
- 正会員:10,000円
- 一般会員:9,000円
- 準会員:7,000円
会則では、納めた入会金と年度会費は、どんな理由があっても返さないと定められています。会計年度は4月1日から翌年3月31日です。また、3年以上会費を滞納すると会員の資格を失います。資格を持ち続けるには会員でいる必要があるので、年度会費は毎年かかる費用として考えておきます。
資格の審査や登録にかかる費用は、学会の公開しているページでは確かめられませんでした。費用の見積もりは、申請の前に事務局に問い合わせて確かめてください。
推薦者がいない人はどうするか
学会の会員に知り合いがいない人は、まず学会の講習会や研修会に参加して、学会の雰囲気を知り、会員と知り合うところから始まります。学会の講習会は、2026年は対面とオンラインを組み合わせた形で開かれています。2026年9月13日の講習会の案内では、講習会の参加費は会員で8,000円、一般の非会員で9,000円、大学院生と大学生の非会員で5,000円とされていました。
ただし、研修会では実際の心理臨床の事例を扱うため、非会員が参加できるのは、臨床心理士の資格を持つ人、臨床心理士の養成の指定大学院の学生、正会員の推薦を受けた人に限られる回があります。参加の条件は回ごとに案内されるので、学会のお知らせのページで最新の案内を確かめてください。
スポーツメンタルトレーニング指導士との違い
スポーツの心理の資格でもう1つ代表的なのが、日本スポーツ心理学会のスポーツメンタルトレーニング指導士です。名前は似ていますが、目的と取得の道すじがかなり違います。
何を支援する資格か
日本スポーツ心理学会によると、スポーツメンタルトレーニング指導士は、競技力の向上のための心理的なスキルを中心にした指導や相談を行う専門家として、学会が認定する資格です。資格の手引きには、活動の内容として、メンタルトレーニングの指導や助言、練習法やコーチングの心理面の助言、心理的なコンディショニング、競技に関係する心理検査、現役引退に関する助言などが挙げられています。
一方で、手引きには「精神障害に対する治療行為は含めない」とはっきり書かれています。摂食障害などの病理的な問題も対象から外されています。心の病気の治療は、医師や心理の専門家の領域です。
2つの資格を比べる
| 比べる点 | 認定スポーツカウンセラー | スポーツメンタルトレーニング指導士 |
|---|---|---|
| 認定する団体 | 日本臨床心理身体運動学会 | 日本スポーツ心理学会 |
| 重点 | 競技に関わる人の心の悩みへの心理臨床の援助 | 競技力の向上のための心理的スキルの指導 |
| 段階 | 3級、2級、1級 | 指導士、上級指導士 |
| 学歴の条件 | 級によって大学の指定科目、修士など | 修士号の取得が基礎の条件 |
| 有効期間 | 学会のページでは確かめられなかった | 5年ごとに更新 |
指導士の取得の条件
日本スポーツ心理学会の手引き(2024年9月1日版)では、指導士の資格を受けるには、書類による基礎の資格の審査と、講習会の受講と最終の審査の両方を満たす必要があるとされています。基礎の資格の主な条件は次のとおりです。
- 学会の会員として2年以上在会していること
- 大学院でスポーツ心理学や関連の分野を専攻し、修士号を取っていること
- 体育・スポーツ心理学の分野で8単位以上、一般の心理学の分野で4単位以上、スポーツ科学の分野で4単位以上を取っていること
- 過去10年以内のスポーツ心理学の研究の業績が、決められた点数の基準で5点以上あること
- 過去10年以内の研修の実績が、決められた点数の基準で10点以上あること
新規の申請はWebで受け付けられていて、2026年は6月5日から6月30日が受付の期間でした。毎年の受付の時期は、学会の資格のページで案内されます。
公認心理師や臨床心理士との関係
スポーツの心理の仕事を本格的に目指すなら、国家資格の公認心理師や、臨床心理士との関係も知っておく必要があります。
認定スポーツカウンセラーの上位の級は臨床心理士が前提
認定スポーツカウンセラーの2級と1級は、臨床心理士の資格(または医師免許)が条件の表に入っています。臨床心理士とは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する心理の専門家の資格で、指定の大学院の修了が受験の条件になっています。つまり、スポーツカウンセラーとして中堅以上の力を認められるには、心理臨床の専門家としての土台が先に必要になります。
公認心理師の受け方
公認心理師になるには、国家試験に合格して登録を受ける必要があります。厚生労働省の公認心理師のページによると、受験の資格を得る道すじは7つあり、受験の詳細は指定試験機関の公認心理師試験研修センターが案内しています。多くの人が通るのは、大学で指定の科目を学び、さらに大学院で指定の科目を学ぶ道です。詳しくは 厚生労働省の公認心理師のページ で確かめられます。
どの順番で考えるか
立場別に、資格の考え方を整理します。
- 高校生や大学生で、これから心理を学ぶ人:心理学の学部で公認心理師の指定科目を学び、大学院に進む道を軸にし、スポーツの心理は大学院で専門にする
- 運動部の経験が長く、心理を学び直したい社会人:まず大学の通信の課程などで心理学の基礎を学び、学会の講習会に参加して、認定スポーツカウンセラーの3級の条件を確かめる
- すでに臨床心理士や公認心理師の人:スポーツの領域の経験を積み、認定スポーツカウンセラーの上位の級やスポーツメンタルトレーニング指導士を目指す
- 指導者やトレーナーとして選手の心理に関わりたい人:資格を取ることより、学会の講習会や研修会で学び、心の病気が疑われる場面では専門家につなぐ知識を身につける
スポーツカウンセラーの資格を取るメリット
資格を目指す前に、取ることで何が得られるのかを整理しておくと、長い道のりでも目的を見失いにくくなります。
学会という学びの場に入れる
最大のメリットは、資格の取得の過程で、学会の講習会や研修会、事例の検討会に継続して参加できることです。心理の支援の技術は、本を読むだけでは身につきません。実際の事例について専門家の意見を聞き、自分の関わり方を振り返る経験が必要です。学会の研修会では、事例を提供する人と指定の討論者が、守秘義務を守ったうえで事例を検討します。
支援できる範囲を説明しやすくなる
学会の資格は、取得の条件と、支援できる範囲が公開されています。保護者や指導者、チームの関係者に対して「この資格はこういう条件で認められたもので、こういう支援を行う」と説明できることは、相手の安心につながります。
臨床心理士の研修の実績にもなる
日本臨床心理身体運動学会の講習会と研修会は、2026年9月の案内では、合わせて5時間の参加で臨床心理士の資格の更新に使える研修のポイントが付く予定とされていました。臨床心理士の人にとっては、スポーツの領域を学びながら資格の更新の準備もできます。
話を聞く技術が日常の関わりに生きる
心理臨床の学びの中心には、相手の話を途中でさえぎらず、評価せずに聞く技術があります。この技術は、カウンセリングの場面だけでなく、指導者が選手と面談するとき、保護者から相談を受けるとき、チームの中で意見がぶつかったときにも生きます。選手が試合の前の不安を口にしたとき、すぐに励ましや助言で返すのではなく、まず何が不安なのかを本人の言葉で話してもらう。こうした関わり方を学べることは、資格の名前以上に、現場で役立つ財産になります。
資格の限界と将来性の見方
メリットと同じくらい、資格の限界を知っておくことも大切です。
資格だけで仕事が来るわけではない
スポーツカウンセラーの資格は、求人票で条件として求められることが多い資格ではありません。スポーツのチームや学校、競技団体で心理の支援を行う人は、心理の専門家として別の仕事を持ちながら、紹介や依頼でスポーツの支援に関わる形が多く見られます。資格を取れば決まった仕事が用意されているわけではなく、心理臨床の専門家としての実績と、スポーツの現場との関係づくりの両方が必要です。
収入の見通しは人によって大きく違う
スポーツの心理の支援だけで生計を立てている人は限られます。病院やクリニック、学校、相談機関などで心理の仕事をしながら、スポーツの支援を兼ねる人が多いのが実情です。研究と教育の仕事を軸にする人もいます。大学などで研究を続ける道の収入の傾向を知りたい人は、研究者の年収・単価相場 が参考になります。研究職の収入の幅と、専門性がどう評価されるかが整理されています。
将来性はスポーツの現場の理解とともに広がる
競技者の心の健康への関心は、国内外で高まっています。トップレベルの選手が心の不調を公表する例も増え、心理の支援の必要性は知られるようになってきました。ただ、それがすぐに仕事の数の増加につながるとは限りません。将来性は、資格の名前ではなく、支援の実績を積み、チームや競技団体から信頼される専門家になれるかで決まります。
資格を目指すときの進め方を段階で考える
スポーツカウンセラーの資格は、数か月の勉強で取れる資格ではありません。学会への入会から審査まで、年単位の計画が必要です。ここでは、心理を学んだ経験がない社会人が認定スポーツカウンセラーの3級を目指す場合を例に、進め方の段階を整理します。
段階1:自分の経歴を書き出す
最初に、自分の運動歴と学歴を書き出します。運動歴は、中学以降に何の競技を、何年続けたかを年ごとに書きます。学会の表では、継続6年以上、通算8年以上という数え方が示されています。途中で競技を変えた場合や、中断した期間がある場合の数え方は、自己判断せず事務局に確かめます。
あわせて、大学で取った単位を成績証明書で確かめます。体育学系と心理臨床系の科目がどれだけあるかを数えておくと、足りない分が見えてきます。
段階2:学会の講習会に参加する
次に、学会の講習会に参加します。講習会は年に数回、対面とオンラインを組み合わせた形で開かれています。最初は内容を理解するより、学会でどんなことが議論されているのか、どんな人が参加しているのかを知ることが目的です。資格についての相談会が予約制で開かれる回もあるので、事前に事務局にメールで申し込み、自分の経歴で申請できるかを相談すると、遠回りを避けられます。
段階3:足りない学びを補う
指定科目の単位が足りない場合は、大学の科目等履修生の制度や、通信の課程で単位を取る方法があります。科目等履修生とは、大学に入学せずに、必要な科目だけを受講して単位を取れる制度のことです。どの科目が指定科目として認められるかは、シラバスと照らし合わせて確かめる必要があるので、受講の前に学会に相談しておくと安心です。
段階4:入会と申請
推薦を受けられる会員と知り合い、入会の手続きを進めます。入会したあと、資格の申請の書類をそろえて審査を受けます。申請の時期や書類の様式は事務局から案内されます。
段階ごとの期間の目安
経歴によって大きく変わりますが、単位が足りている人でも、講習会への参加から入会、申請までには1年前後かかると考えておくと、焦らずに進められます。単位を補う必要がある人は、さらに1年から2年ほど見ておくのが現実的です。
通信講座の資格を選ぶときの見分け方
学会の資格の条件が厳しいと感じた人は、通信講座で取れるスポーツの心理の資格を検討することもあるはずです。通信講座は、心理学やメンタルトレーニングの基礎を学ぶ入口としては役に立ちます。選ぶときは、次の点を確かめてください。
確かめたい5つの点
- 認定する団体の名前と、その団体の所在地、問い合わせの先が公開されているか
- 資格の取得の条件が、講座の修了だけなのか、試験や実技の審査があるのか
- 取得した資格で「できること」と「できないこと」が説明されているか
- 学会の資格と紛らわしい名前を使っていないか
- 更新の費用や年会費など、取得したあとにかかる費用が明記されているか
「治療」や「診断」をうたう講座は避ける
心の病気の診断や治療は、医師の仕事です。民間の講座の修了で、選手の心の病気を診断したり治したりできるようになるわけではありません。講座の案内に「心の病気を治せる」「うつを改善できる」のような言葉があれば、受講を見送るのが無難です。
学んだことを履歴書にどう書くか
通信講座の資格を履歴書やプロフィールに書くときは、資格の正式な名前と、認定する団体の名前を並べて書きます。学会の資格と誤解されるような書き方は避けます。学んだ内容を具体的に添えると、読む人に伝わりやすくなります。
選手の心の不調に気づいたときにつなぐ先
スポーツの心理を学んだ人がいちばん気をつけたいのは、自分の手に負えない状態を見極めて、専門家につなぐことです。
つなぐ判断の目安
眠れない日が続く、食事がとれない、練習に来られなくなった、気分の落ち込みが長く続く、といった様子が見られるときは、心理の基礎を学んだ指導者や支援者が1人で対応するのではなく、医療機関や専門の相談先につなぐことを考えます。体重の急な変化や、食事に強いこだわりが見られる場合も同じです。どの状態で受診が必要かを判断するのは医師の役割で、支援者が自分で決めつけないことが大切です。
相談できる先の例
- 学校の部活動なら、学校の養護教諭やスクールカウンセラー
- 地域の精神保健福祉センターや保健所の心の健康の相談
- かかりつけの医師や、心療内科、精神科の医療機関
- 所属する競技団体が用意している相談の窓口
本人の同意を得たうえでつなぐことと、本人の話した内容を周りに広めないことは、支援の基本です。未成年の選手の場合は、保護者との連絡の取り方も、学校やクラブの決まりに沿って進めます。
相談の仕事や在宅の仕事での使い道
資格の勉強で学んだ知識は、本格的な心理の支援のほかにも、いくつかの形で仕事に生かせます。ただし、心理の支援の範囲を超えないことが前提です。
スポーツの指導や運営の仕事に生かす
部活動や地域のスポーツクラブの指導者、競技団体の運営の仕事では、選手の緊張や不安、けがからの復帰の不安に接する場面が多くあります。心理の基礎を学んでいると、選手の話を落ち着いて聞き、必要なときに専門家につなぐ判断ができます。自分で抱え込まず、医師や心理の専門家に相談する道を知っていることが、選手を守ることにつながります。
文章を書く仕事に生かす
スポーツの心理や、心の健康に関する記事を書く仕事もあります。専門の知識を持つ人が書く記事は、正確さの面で信頼されやすくなります。記事を書くときは、診断や治療に当たる助言を書かず、相談できる窓口を案内することが大切です。
文章の仕事を始めるときは、書いた記事をまとめた見本の作り方を知っておくと進めやすくなります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】 では、ポートフォリオに載せる記事の選び方とまとめ方が紹介されています。専門の分野を持つと単価の交渉もしやすくなり、その考え方は Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】 で説明されています。
報告書や案内の文書を整える
チームや学校で心理の支援に関わると、保護者への案内や、関係者への報告の文書を作る機会があります。個人の情報を守りながら、必要なことを分かりやすく伝える文章の力は、支援の質を支えます。文書の作り方を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定 が選択肢になります。社内文書と社外文書の書き方や、表記の決まりを学べる検定です。
講習会や研修会に参加するときの心がまえ
学会の講習会や研修会は、資格の取得の条件に関わるだけでなく、学びの中心になる場です。初めて参加する人が戸惑わないよう、知っておきたい点を整理します。
守秘義務を守る
研修会では、実際の心理臨床の事例が検討されます。事例に出てくる人が特定されないよう配慮されていますが、参加者にも、聞いた内容を外に話さない守秘義務が求められます。日本臨床心理身体運動学会の2026年9月の案内では、オンラインで参加する場合に、個室で参加すること、イヤフォンを着けること、録画や録音をしないことが条件として示されていました。家族と同じ部屋でパソコンを開く在宅の環境では、参加の前に場所を確保しておきます。
事前に申し込み、参加費を納める
参加は事前の申し込みが基本で、申込期限と振込の期限が決まっています。2026年9月の回では、当日に支払う場合は参加費に1,000円が加わるとされていました。期限を過ぎると参加できない回もあるので、案内が出たら早めに予定を確保します。
学んだことを記録に残す
参加した講習会の名前、日付、時間、内容を記録しておくと、資格の申請や更新のときに研修の実績を示しやすくなります。スポーツメンタルトレーニング指導士の手引きでも、研修の実績は点数で数えられ、研修を証明するもののコピーの提出が求められています。参加証や領収書は、申請まで捨てずに保存しておきます。
心理の支援の仕事を長く見てきて分かること
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、心理や相談の分野で長く仕事を続けている人には共通点があります。資格を取ることを目的にせず、支援できる範囲と、できない範囲をはっきり自覚していることです。心の病気が疑われる場面で、自分で何とかしようとせずに医師や専門の機関につなげる人ほど、関係者から信頼され、次の相談を任されています。
また、専門の知識を持つ人ほど、それを相手に分かる言葉で伝える力を大切にしています。スポーツの現場では、選手や指導者は心理の専門用語を知りません。学んだことを、その場の状況に合わせた言葉で伝えられるかどうかが、支援が届くかどうかを分けます。仲介の手数料がかからない直接の取引で仕事を受ける場合も、依頼する側が求めているのは資格の名前ではなく、安心して任せられる説明と対応です。
スポーツカウンセラーの資格を目指すなら、まず自分が心理臨床の専門家を目指すのか、スポーツの指導や運営の中で心理の知識を生かしたいのかを決めてください。前者なら公認心理師や臨床心理士を軸に、学会の資格を上に重ねる道があります。後者なら、学会の講習会で学び、専門家につなぐ判断ができる知識を身につけることが、選手のためにも自分のためにもなります。資格の条件や会費は変わることがあるので、申し込みの前に各学会の公式のページで最新の案内を確かめてから進めてください。
よくある質問
Q. スポーツカウンセラーの資格は国家資格ですか?
国家資格ではありません。認定スポーツカウンセラーは日本臨床心理身体運動学会、スポーツメンタルトレーニング指導士は日本スポーツ心理学会が認定する民間の資格です。心理の分野の国家資格は公認心理師で、スポーツの分野だけを対象にした国家資格はありません。公認心理師でない人は、名称に「心理師」という文字を使うことも法律で禁じられています。
Q. 認定スポーツカウンセラーは試験を受ければ取れますか?
筆記の試験を受ける形ではなく、学会に入会したうえで、運動歴や大学での指定科目の履修、級によっては修士の学位や臨床心理士の資格、スーパーヴィジョンの経験などの条件を満たして審査を受ける仕組みです。入会には会員の推薦が必要です。細かい要件は学会の別表で示され、手続きは資格認定委員会の事務局に問い合わせるよう案内されています。
Q. 学会に知り合いがいなくても入会できますか?
日本臨床心理身体運動学会の入会には、会員の種類に応じた推薦が必要です。知り合いがいない場合は、学会の講習会や研修会に参加して学会の活動を知るところから始めるのが一般的です。研修会は事例を扱うため、非会員の参加に条件が付く回があります。参加の条件と日程は、学会のお知らせのページで回ごとに確かめてください。
Q. スポーツメンタルトレーニング指導士と何が違いますか?
認定スポーツカウンセラーは競技に関わる人の心の悩みへの心理臨床の援助に重点があり、スポーツメンタルトレーニング指導士は競技力の向上のための心理的スキルの指導に重点があります。指導士は修士号の取得や研究の業績が条件で、5年ごとの更新があります。指導士の活動には精神障害の治療行為は含まれないと手引きに明記されています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







