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精神保健福祉士の資格|受験資格と仕事

@SOHO編集部
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精神保健福祉士の資格|受験資格と仕事

この記事のポイント

  • ✓精神保健福祉士の資格を
  • ✓4つの受験資格のルート
  • ✓第29回国家試験の日程と受験手数料

精神保健福祉士の資格を調べている人の多くは、「社会人からでも目指せるのか」「どんなルートで受験資格を得るのか」「資格を取った後にどこで働けるのか」を知りたいと考えています。精神保健福祉士は、心の病気や精神障害のある人の生活と社会参加を支える相談援助の専門職の国家資格で、受験するには大学や養成施設で決められた課程を修める必要があります。この記事では、資格の定義、受験資格のルート、試験の日程と科目、合格後の登録、働く場所と仕事の内容までを、社会福祉振興・試験センターなどの公式の情報をもとに順番に整理します。

精神保健福祉士とはどんな資格か

精神保健福祉士は、1997年に制定された精神保健福祉士法にもとづく国家資格です。法律の第2条では、精神保健福祉士を、精神障害者の保健と福祉に関する専門的な知識と技術を持って、精神科の病院などで医療を受けている人や、社会復帰を目指す施設を利用している人の相談に応じ、助言や指導、日常生活に適応するための訓練などの援助を行う人と定めています。条文は e-Gov法令検索の精神保健福祉士法 で読めます。

かみ砕いて言えば、精神保健福祉士は、心の病気や精神障害のある人が、病院での治療を終えた後や、病気と付き合いながら、地域で自分らしく暮らせるよう、生活、仕事、住まい、お金、人間関係などの相談に乗り、必要な制度やサービスにつなぐ仕事をする専門職です。英語ではPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれることもあり、現場では「精神科ソーシャルワーカー」と呼ばれることもあります。

精神保健福祉士は、名称独占資格です。名称独占資格とは、資格を持っていない人がその名前を名乗ることが法律で禁止されている資格のことです。資格がなくても相談援助の仕事に就くことはできますが、「精神保健福祉士」と名乗って仕事をするには、国家試験に合格し、登録を受ける必要があります。

医師や看護師が病気の治療を担うのに対し、精神保健福祉士は、病気を抱えた人の生活の側から支援する立場です。治療をするわけではありませんが、医師や看護師、公認心理師、作業療法士などと連携し、本人の希望に沿った暮らし方を一緒に考えます。病気そのものではなく「その人の暮らし」に焦点を当てるのが、精神保健福祉士の仕事の特徴です。

精神保健福祉士に向いている人と求められる力

精神保健福祉士は、資格の勉強で得る知識に加えて、人と関わる力が強く求められる仕事です。向いている人の特徴と、現場で求められる力を整理します。

1つ目は、相手の話を最後まで聞ける人です。精神障害のある人の中には、自分の気持ちや困りごとをうまく言葉にできない人もいます。話がまとまらなくても、途中で遮らずに耳を傾け、本人が本当に望んでいることを一緒に探していく姿勢が大切です。

2つ目は、本人の決定を尊重できる人です。支援する側から見て「こうしたほうがよい」と思うことがあっても、最終的に暮らし方を決めるのは本人です。選択肢と情報を分かりやすく示したうえで、本人が自分で選べるよう支えることが、精神保健福祉士の基本の考え方です。

3つ目は、制度とサービスを調べ続けられる人です。精神障害のある人が使える制度は、医療、福祉、年金、住まい、仕事と多岐にわたり、毎年のように見直されます。新しい制度や地域の資源を調べ、必要な人に正しく伝えることが求められます。

4つ目は、多くの職種と連携できる人です。医師、看護師、公認心理師、作業療法士、行政の担当者、事業所の職員など、立場の違う人たちと情報を共有し、支援の方向をそろえる調整の力が欠かせません。

5つ目は、自分の心の状態に気づける人です。相談の仕事は、相手の苦しみに触れる仕事でもあります。自分が疲れていることに気づき、職場の仲間に相談したり、休んだりできることも、長く続けるために必要な力です。

精神保健福祉士と社会福祉士の違い

精神保健福祉士とよく比べられるのが、社会福祉士です。どちらも相談援助の専門職の国家資格で、試験は同じ社会福祉振興・試験センターが実施しています。

2つの資格の違いは、主な支援の対象です。社会福祉士は、高齢者、障害のある人、子ども、生活に困っている人など、福祉の支援を必要とする人を幅広く対象にします。精神保健福祉士は、その中でも心の病気や精神障害のある人の支援に特化しています。

項目 精神保健福祉士 社会福祉士
根拠の法律 精神保健福祉士法 社会福祉士及び介護福祉士法
主な支援の対象 精神障害のある人とその家族 福祉の支援を必要とする人全般
主な職場 精神科病院、障害福祉の事業所、行政 高齢者施設、地域包括支援センター、病院、行政
資格の性格 名称独占資格 名称独占資格

2つの国家試験には共通の科目があり、同じ年に両方を同時に受験することもできます。すでにどちらか一方の資格を登録している人は、もう一方の試験で共通科目が免除される仕組みもあります。そのため、両方の資格を持って幅広い相談に対応できるようにする人も少なくありません。

どちらを目指すかは、どんな人の支援をしたいかで決めると迷いません。心の病気や精神障害のある人の支援に関わりたい、精神科の病院や地域の精神保健の現場で働きたい、という気持ちがはっきりしているなら、精神保健福祉士が向いています。高齢者や子どもも含めて幅広い支援に関わりたいなら、社会福祉士が向いています。

受験資格を得る4つのルート

精神保健福祉士の国家試験を受けるには、決められたルートで受験資格を得る必要があります。社会福祉振興・試験センターは、受験資格の概要を次のように示しています。

(1)4年制大学で指定科目を修めて卒業した方 (2)2年制(又は3年制)短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設において2年以上(又は1年以上)相談援助の業務に従事した方 (3)精神保健福祉士短期養成施設(6月以上)を卒業(修了)した方 (4)精神保健福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方 出典: 社会福祉振興・試験センター 第29回精神保健福祉士国家試験

4つのルートを、どんな人に向いているかとあわせて整理します。

ルート 内容 向いている人
福祉系の4年制大学 大学で指定科目を修めて卒業する 高校生、大学への進学を考えている人
福祉系の短大と実務経験 短大で指定科目を修め、指定施設で相談援助の業務に従事する 短大で学んだ人、早く現場に出たい人
短期養成施設 福祉系の大学で基礎科目を修めた人などが、6か月以上の養成施設で学ぶ 福祉系の大学を卒業し、指定科目の一部だけを修めた人
一般養成施設 福祉系以外の大学を卒業した人などが、1年以上の養成施設で学ぶ 福祉系以外の大学を出た社会人

ここで言う指定科目とは、精神保健福祉士の受験資格を得るために法律で決められた科目のことです。福祉系の大学でも、すべての学生が指定科目を修めているわけではないので、在学中の人は自分の履修の状況を確かめておく必要があります。

細かい条件は、学歴や実務経験の組み合わせで変わります。自分がどのルートに当てはまるかは、社会福祉振興・試験センターの受験資格のページ にある資格取得ルート図で確かめてください。

社会人が目指すときの現実的な進め方

社会人が精神保健福祉士を目指す場合、多くの人が選ぶのが一般養成施設のルートです。福祉系以外の大学を卒業した人は、1年以上の一般養成施設を修了すると、受験資格を得られます。

一般養成施設には、昼間に通う課程のほか、通信の課程もあります。通信の課程は、自宅での学習と、決められた日のスクーリング(通学しての授業)を組み合わせて学ぶ形で、働きながら学ぶ社会人の多くが選んでいます。ただし、通信の課程でも、実習は決められた時間を現場で行う必要があり、その期間は仕事を休んだり、勤務を調整したりする必要があります。

社会人が進め方を考えるときのポイントを整理します。

  1. 最終学歴と、これまでに修めた科目を確かめ、どのルートに当てはまるかを決める
  2. 一般養成施設や短期養成施設の候補を複数挙げ、通学と通信、学費、スクーリングの日程を比べる
  3. 実習の時期と期間を確かめ、勤め先と休みの取り方を早めに相談する
  4. 養成施設を修了する年度の国家試験を受けられるよう、入学の時期を逆算する
  5. 学費の負担を抑えるため、教育訓練給付金の対象講座かどうかを確かめる

社会人が目指すときに一番の壁になるのは、実習の期間です。実習先は精神科の病院や地域の事業所などで、平日の日中に行われることが多いため、仕事との両立には勤め先の理解が欠かせません。入学を決める前に、実習の時期と期間を養成施設に確かめておきましょう。

学費は、養成施設の種類と通学か通信かで大きく違います。養成施設の中には、雇用保険の教育訓練給付金の対象になっている講座もあります。専門実践教育訓練の対象であれば、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が受講中6か月ごとに支給される仕組みがあります。条件の詳細は 厚生労働省の教育訓練給付制度のページ で確かめてください。

養成課程の実習で学ぶこと

精神保健福祉士の受験資格を得るための課程では、教室での授業に加えて、現場での実習が必ず含まれています。実習は、教科書で学んだ相談援助の考え方を、実際の支援の場面で確かめる大切な機会です。

実習先は、精神科の病院やクリニックなどの医療機関と、障害福祉の事業所や相談支援事業所などの地域の機関が中心です。医療と地域の両方の現場を経験することで、入院から退院、地域での暮らしまでの支援の流れを、一続きのものとして理解できるように組まれています。

実習では、現場の精神保健福祉士の指導を受けながら、面談への同席、記録の作成、多職種の会議への参加、地域の関係機関の見学などを経験します。実習生が1人で相談に乗るわけではありませんが、利用者と直接話をする場面もあり、相手との距離の取り方や、話の聞き方を実地で学びます。

実習の前には、事前の学習で実習先の機関の役割や関係する制度を調べ、実習の目標を立てます。実習の後には、経験したことを振り返り、報告書にまとめます。この振り返りの過程が、国家試験の事例問題を解く力にもつながります。

社会人が実習に臨むときは、仕事の休みを取る調整に加えて、実習中の体調管理にも気を配る必要があります。慣れない現場での実習は、体力も気力も使います。実習の期間中は仕事の量を減らすなど、無理のない計画を勤め先と相談しておきましょう。

第29回精神保健福祉士国家試験の日程と手数料

令和8年度に実施される第29回精神保健福祉士国家試験の日程は、社会福祉振興・試験センターの案内で次のように示されています。

項目 内容
受験申し込み受付期間 令和8年9月3日から10月2日まで
受験票の発送 令和8年12月11日
試験日 令和9年2月6日(専門科目)、2月7日(共通科目)
合格発表 令和9年3月9日(ホームページに合格者の受験番号を掲載)
結果通知の発送 令和9年3月12日

試験は2日間に分かれていて、1日目の午後に専門科目、2日目の午前に社会福祉士と共通の科目が行われます。試験地は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7か所です。受験の申し込みは、試験センターのホームページからインターネットで行います。

受験手数料は、受け方によって違います。

  • 精神保健福祉士だけを受験する場合 … 28,910円
  • 社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合 … 45,020円
  • 精神保健福祉士の共通科目の免除を受けて受験する場合 … 22,950円

受験手数料は、受付期間内にクレジットカードかコンビニエンスストアで支払いを済ませる必要があり、期限までに支払いが終わらないと申し込みは無効になります。第29回の受付はすでに終わっているので、これから目指す人は、次回の試験の案内を試験センターのホームページで確かめてください。毎年、同じような時期に受付が行われています。

受験票に受験資格が「見込」と書かれている人、つまり試験の年度の3月末までに卒業や修了をする予定の人は、決められた期限までに卒業や修了の証明書を出さないと、試験が無効になります。養成施設で学んでいる人は、修了の手続きと証明書の提出を忘れないようにしましょう。

試験科目と出題の形式

精神保健福祉士の国家試験は、精神保健福祉士だけの専門科目と、社会福祉士と共通の科目で構成されています。試験センターの案内では、第29回の試験科目は次のとおりです。

専門科目(6科目)

  1. 精神医学と精神医療
  2. 現代の精神保健の課題と支援
  3. 精神保健福祉の原理
  4. ソーシャルワークの理論と方法(専門)
  5. 精神障害リハビリテーション論
  6. 精神保健福祉制度論

共通科目(12科目)

  1. 医学概論
  2. 心理学と心理的支援
  3. 社会学と社会システム
  4. 社会福祉の原理と政策
  5. 社会保障
  6. 権利擁護を支える法制度
  7. 地域福祉と包括的支援体制
  8. 障害者福祉
  9. 刑事司法と福祉
  10. ソーシャルワークの基盤と専門職
  11. ソーシャルワークの理論と方法
  12. 社会福祉調査の基礎

出題数は132問で、専門科目が48問、共通科目が84問です。出題の形式は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から正しいものを選ぶ問題が中心です。

合格の基準は、試験センターの細則で決められていて、各回の合格基準は合格発表のときに正答とあわせて公表されます。合否の通知には、総得点と、試験科目をいくつかのまとまりに分けた科目群ごとの得点が記載されます。総得点だけでなく、科目群ごとの得点も合否の判定に関わるので、得意な科目だけで点を稼ぐのではなく、すべての科目群でまんべんなく得点する必要があります。

試験科目は幅広く、医学、心理学、社会学、法律、制度、ソーシャルワークの方法まで含まれます。養成施設で学ぶ内容がそのまま出題の土台になるので、養成施設の授業と並行して、過去の試験問題で出題の形式に慣れておくのが基本の進め方です。過去の試験問題は試験センターのホームページで公開されています。

勉強の進め方と、働きながら合格を目指すコツ

精神保健福祉士の試験は、出題の範囲が広い試験です。働きながら合格を目指す人が多い一方で、計画を立てずに直前に詰め込もうとすると、範囲を回りきれずに終わってしまいます。勉強の進め方のコツを整理します。

まず、過去の試験問題を3年分ほど解き、どの科目が得意で、どの科目が苦手かを把握します。共通科目の中には、社会保障や権利擁護を支える法制度のように、制度の名前や数字を正確に覚える必要がある科目があります。苦手な科目が分かったら、その科目に時間を多めに配分します。

次に、制度の改正に注意します。福祉の制度は毎年のように変わるため、古いテキストの数字や制度の名前が、今の試験に合わないことがあります。テキストと問題集は、受験する年度に合わせた最新版を選びましょう。

働きながら勉強する場合は、毎日決まった時間に少しずつ進める形が続きやすくなります。通勤の時間に一問一答の問題を解き、帰宅後に30分から1時間ほど過去問題に取り組む、という形で、短い時間を毎日積み重ねます。休日は、時間を計って1回分の試験を通して解き、本番の時間配分に慣れておきます。

実際に現場で働いている人は、仕事で経験したことと、試験の知識を結び付けると理解が深まります。たとえば、担当している利用者が使っている制度の仕組みを、テキストで確かめ直すと、制度の名前と中身が頭の中で結び付きます。

試験の直前の1か月は、新しいことを覚えるより、これまでに間違えた問題の見直しに時間を使います。間違えた理由をノートにまとめておくと、直前の見直しが効率よく進みます。

合格後の登録の手続き

国家試験に合格しただけでは、精神保健福祉士を名乗ることはできません。法律にもとづいて登録を受けて、初めて精神保健福祉士として仕事ができるようになります。登録の事務は、社会福祉振興・試験センターが行っています。

登録の流れは、おおまかに次のとおりです。

  1. 合格の通知を受け取る
  2. 試験センターのホームページで、登録の申請の方法と必要な書類を確かめる
  3. 登録の申請書と必要な書類を準備し、決められた手数料を納める
  4. 申請書を提出する
  5. 登録の手続きが終わると、登録証が交付される

登録の申請には手数料や登録免許税がかかり、必要な書類もあります。金額や書類は変わることがあるので、合格したら試験センターのホームページで最新の案内を確かめてください。

登録証が届くまでには時間がかかります。就職先が決まっている場合は、登録証が届く前でも、勤め先に合格の通知を見せて手続きを進められることが多いですが、名刺や書類で「精神保健福祉士」と名乗るのは登録を受けてからになります。

登録した後、氏名や本籍地などが変わったときは、変更の届け出が必要です。結婚などで姓が変わった場合も、届け出を忘れないようにしましょう。

現場でよく扱う制度とサービス

精神保健福祉士の仕事では、本人が使える制度やサービスを紹介し、手続きを支援する場面が多くあります。現場でよく扱う制度の代表的なものを、どんな仕組みかとあわせて整理します。

  • 自立支援医療(精神通院医療)… 精神科に通院する人の医療費の自己負担を軽くする制度
  • 精神障害者保健福祉手帳 … 一定の精神障害の状態にある人が受けられる手帳で、税の控除や公共料金の割引などの支援につながる
  • 障害年金 … 病気やけがで生活や仕事に支障が出ている人が受け取れる年金
  • 障害福祉サービス … 就労移行支援、就労継続支援、グループホーム、居宅介護など、暮らしと仕事を支えるサービス
  • 生活保護 … 生活に困っている人の最低限の暮らしを保障する制度

これらの制度は、それぞれ申請の窓口や条件が違います。自立支援医療や手帳は市区町村の窓口、障害年金は年金事務所や市区町村の窓口、障害福祉サービスは市区町村の障害福祉の窓口で申請するのが一般的です。精神保健福祉士は、本人がどの制度を使えるかを一緒に確かめ、申請に必要な書類の準備や、窓口への同行を支援します。

制度の細かい条件や金額は、本人の状況や地域、年度によって変わります。現場では、制度を断定して伝えるのではなく、必ず窓口で最新の条件を確かめながら進めることが大切です。精神保健福祉士の国家試験でも、これらの制度の仕組みは繰り返し出題されるので、勉強の段階から実際の手続きの流れと結び付けて理解しておくと、現場に出てから役に立ちます。

精神保健福祉士が働く主な場所

精神保健福祉士が働く場所は、医療、福祉、行政、司法、教育、企業と幅広くなっています。主な職場と仕事の内容を整理します。

分野 主な職場 主な仕事
医療 精神科病院、精神科のある総合病院、精神科のクリニック 入院や通院をする人と家族の相談、退院の支援、制度の利用の手続きの支援
障害福祉 就労移行支援、就労継続支援、グループホーム、地域活動支援センター、相談支援事業所 生活と仕事の相談、サービスの利用の計画づくり、地域での暮らしの支援
行政 保健所、精神保健福祉センター、市区町村の障害福祉の窓口 精神保健の相談、関係機関の調整、制度の運用
司法 保護観察所など 心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰の支援
教育 学校、大学の学生相談 児童や生徒、学生の心の問題と家庭環境の相談
企業 企業の人事部門、従業員の心の健康を支援する機関 働く人の心の健康の相談、休職や復職の支援

医療の分野では、精神科病院で働く精神保健福祉士が多く、入院している人の退院の支援や、退院した後に地域で暮らすための準備を担当します。住まいを探す、福祉のサービスを調整する、障害年金などの制度を利用できるよう手続きを支援する、といった仕事です。

障害福祉の分野では、精神障害のある人が働くことを目指す就労移行支援や、地域での暮らしを支えるグループホーム、相談支援事業所などで働きます。障害福祉の事業所では、精神保健福祉士の資格を持つ人が、サービス管理責任者や相談支援専門員を目指すときに、実務経験の年数の要件が短くなる場合があります。

近年は、働く人の心の健康への関心の高まりから、企業の中で従業員の相談を受けたり、休職した人の職場への復帰を支援したりする分野でも、精神保健福祉士の知識が生かされています。

精神科病院で働く精神保健福祉士の1日の例

精神保健福祉士の仕事をより具体的に知るために、精神科病院の相談室で働く精神保健福祉士の1日の例を見てみましょう。職場によって流れは違いますが、仕事の内容の雰囲気がつかめます。

朝は、病棟の看護師や医師との申し送りから始まることが多くあります。前日から入院した人の情報や、退院が近い人の状態を共有し、その日に相談に乗る人を確かめます。

午前中は、入院している人や家族との面談が中心です。入院の費用の相談、仕事や学校をどうするかの相談、退院した後の住まいの相談など、内容はさまざまです。面談の内容は記録に残し、必要に応じて医師や看護師と共有します。

昼過ぎには、外部の関係機関との連絡や調整を行います。退院を控えた人のために、地域の相談支援事業所やグループホーム、市区町村の窓口と連絡を取り、退院後の支援の体制を整えます。

午後は、多くの職種が集まる会議に参加し、入院している人の支援の方針を話し合います。精神保健福祉士は、本人の生活の側から見た課題と希望を伝える役割を担います。その後、制度の申請の書類を作成したり、外来に通う人の相談に乗ったりします。

夕方には、その日の記録を整理し、翌日の予定を確かめて1日が終わります。

この例から分かるように、精神保健福祉士の仕事は、面談、記録、関係機関との調整、会議と、人とのやり取りが中心です。資格の勉強で学ぶ制度の知識は、これらのやり取りのすべての土台になります。

仕事のやりがいと大変さ

精神保健福祉士の仕事は、病気や障害を抱えた人が、自分らしい暮らしを取り戻していく過程に、長く寄り添う仕事です。退院の支援を担当した人が地域で暮らし始めたり、就職して働き続けたりする姿に立ち会えることは、この仕事ならではのやりがいです。

一方で、大変な面もあります。精神障害のある人の状態は、日によって、時期によって変わります。支援の計画どおりに進まないことも多く、焦らずに本人のペースに合わせる根気が求められます。本人と家族の希望が食い違う場面では、両方の思いを受け止めながら、本人の意思を尊重した支援を考える必要があります。

相談の仕事は、相手の気持ちに深く関わる仕事なので、支援する側の心の負担も小さくありません。多くの職場では、職員同士で事例を検討したり、上司や先輩から助言を受けたりする仕組みがあります。1人で抱え込まずに、チームで支援する意識を持つことが、長く続けるための前提になります。

精神保健福祉士として働くうえでは、本人の権利を守る視点も欠かせません。精神科の医療では、本人の同意によらない入院の制度もあり、その中で本人の意思と権利が守られているかに目を配ることも、精神保健福祉士の大切な役割です。

資格を取った後のキャリアの広がり

精神保健福祉士の資格を取った後、経験を積むことで、担える役割は広がっていきます。代表的なキャリアの道筋を整理します。

医療機関で経験を積む道では、病院の相談室で経験を重ね、相談室のまとめ役や、地域の関係機関との連携を担う立場に就く人がいます。退院の支援や地域移行の取り組みで中心的な役割を担うようになります。

障害福祉の分野では、相談支援専門員やサービス管理責任者として、利用者一人ひとりの支援の計画を作る立場を目指す人がいます。これらの職に就くには、実務経験と都道府県が行う研修の修了が必要で、精神保健福祉士などの国家資格を持っていると、実務経験の年数の要件が短くなる場合があります。

社会福祉士の資格もあわせて取り、高齢者や子どもの分野も含めた幅広い相談に対応できるようにする人もいます。精神保健福祉士を登録している人は、社会福祉士の試験で共通科目の免除を受けられるので、もう一方の資格を目指しやすい仕組みになっています。

経験を積んだ後に、大学や養成施設で後輩を育てる立場になる人や、精神保健の分野の調査や研究に関わる人もいます。研究の分野の仕事に興味がある人は、研究者の年収・単価相場 で、研究の仕事の報酬の水準と雇用の形を確かめられます。

運営者として見てきた、専門職の知識と在宅の仕事

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、福祉や医療の専門職の知識を持つ人が、その知識を在宅の仕事に活かす例は少なくありません。精神保健や福祉の制度を、初めて調べる人や家族に分かる言葉で説明できる人は、制度の解説記事の執筆や、事業所の案内文の作成、研修の資料づくりといった仕事で重宝されます。

精神保健の分野の情報は、正確さが特に求められる分野です。誤った情報は、読む人の判断や行動に影響します。現場を知る専門職が、制度の名前や手続きを正確に書けることは、それ自体が大きな強みになります。執筆の仕事を始めるときの実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】 で、作品例の選び方と並べ方として解説しています。

在宅の仕事では、報酬の受け取り方も続けやすさを左右します。仕事を依頼する側と受ける側が直接やり取りし、手数料0%で取引できる仕組みでは、同じ報酬でも手元に残る金額が厚くなります。本業の合間の限られた時間で在宅の仕事をする専門職にとって、時間あたりの手取りが厚いことは続けやすさに直結します。

事業所の側でも、職員が研修を受けたり資格を取ったりするための支援の制度を整える動きがあります。福祉の事業所が職員の育成に国の助成金を活用する仕組みは、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法 で解説しています。勤め先の制度を確かめ、資格の取得と仕事の両立に役立ててください。

よくある質問

Q. 精神保健福祉士は社会人からでも目指せますか?

目指せます。福祉系以外の大学を卒業した人は、1年以上の一般養成施設を修了すると受験資格を得られます。通信の課程を選べば、自宅での学習と決められた日のスクーリングを組み合わせて、働きながら学べます。ただし実習は現場で行う必要があるので、勤め先と休みの取り方を早めに相談しておくことが大切です。

Q. 精神保健福祉士の国家試験はいつ行われますか?

第29回の試験は令和9年2月6日と7日の2日間で、1日目の午後に専門科目、2日目の午前に社会福祉士と共通の科目が行われます。受験の申し込みは令和8年9月3日から10月2日までで、合格発表は令和9年3月9日の予定です。次回以降の日程は、社会福祉振興・試験センターのホームページで確かめてください。

Q. 精神保健福祉士の受験手数料はいくらですか?

第29回の試験では、精神保健福祉士だけを受験する場合は28,910円、社会福祉士と同時に受験する場合は45,020円、共通科目の免除を受けて受験する場合は22,950円です。受付期間内にクレジットカードかコンビニエンスストアで支払いを終えないと、申し込みは無効になります。

Q. 精神保健福祉士と社会福祉士はどちらを取るべきですか?

どんな人の支援をしたいかで決めると迷いません。心の病気や精神障害のある人の支援に関わりたいなら精神保健福祉士、高齢者や子どもも含めて幅広い支援に関わりたいなら社会福祉士が向いています。2つの試験には共通科目があり、同時に受験したり、一方の登録者がもう一方で共通科目の免除を受けたりできます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月15日最終更新:2026年10月29日
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