エクセルで案件管理をするときに押さえたい列と、ツールに移す時期

@SOHO編集部
@SOHO編集部
エクセルで案件管理をするときに押さえたい列と、ツールに移す時期

この記事のポイント

  • ✓案件管理をエクセルで行いたい方へ
  • ✓次の行動と期日の書き方
  • ✓取引先の情報を守る設定

取引先からの問い合わせ、見積もり、受注、納品、請求。案件が5件、10件と増えてくると、頭の中だけでは追いきれなくなります。そこでまず手に取るのがエクセルです。追加の費用がかからず、すぐに表を作れるので、案件管理の最初の道具としてはとても合理的な選択です。

ただ、思いつくままに列を作ると、半年後には誰も読めない表になりがちです。この記事では、エクセルで案件管理をするときに押さえたい列と、その理由を順に整理します。あわせて、金額の集計のしかた、請求と入金の確認、取引先の情報を守るための設定、そしてエクセルでは追いつかなくなったときに専用のツールへ移す時期と手順も書きます。最低限これだけ押さえれば大丈夫、という線を示すので、肩の力を抜いて読み進めてください。

案件管理とプロジェクト管理の違い

最初に、言葉を整理しておきます。案件管理とプロジェクト管理は似ていますが、見ているものが違います。

案件管理は、取引先との取引の流れを追うものです。問い合わせが来た、見積もりを出した、受注した、納品した、請求した、入金された。1件の案件が、こうした段階をどこまで進んだかを管理します。営業の世界では、商談管理と呼ばれることもあります。

プロジェクト管理は、受注したあとの作業の進み具合を追うものです。どの作業を、誰が、いつまでに終えるかを管理します。

小さな会社や個人で仕事を受けている場合、この2つを1枚の表で済ませようとして、列が膨らみすぎることがよくあります。案件の一覧には、取引の段階と金額と次の行動だけを書き、作業の細かな進み具合は別の表や道具で管理する。この分け方を最初に決めておくと、表が長く使えるものになります。

マクロの視点で見ると、案件管理の道具は、エクセルから専用のサービスへと少しずつ移ってきました。営業支援の仕組みをSFA、顧客との関係を管理する仕組みをCRMと呼び、多くの会社が導入しています。それでも、取引先の数がまだ少ない段階では、エクセルで十分に回せることも多いのが実情です。

表を作る前に決める2つのこと

列を作る前に、次の2つを決めておきます。ここが曖昧なままだと、どの列を作っても運用が続きません。

1つ目は、段階の定義です。案件がどの段階にあるかを表す言葉を、最初に決めておきます。たとえば次のような段階です。

  1. 引き合い(問い合わせや相談を受けた)
  2. 見積もり提出(金額と条件を伝えた)
  3. 受注(正式に依頼を受けた)
  4. 作業中
  5. 納品済み
  6. 請求済み
  7. 入金済み
  8. 失注・保留

大事なのは、それぞれの段階に入る条件をはっきりさせることです。「受注」は、口頭で「お願いします」と言われた時点なのか、発注書や契約書を受け取った時点なのか。人によって判断が違うと、表の数字が信用できなくなります。契約の書面を受け取った時点で受注、のように、目に見える出来事で区切るのがおすすめです。

失注や保留に移すときは、理由を短く書き残しておくことも決めておきます。「金額が合わなかった」「時期が先に延びた」「他社に決まった」のように、選ぶ形にしておくと集計もできます。理由がたまってくると、どんな案件を取りこぼしやすいのかが見えてきて、次の見積もりや提案の改善につながります。

2つ目は、誰がいつ更新するかです。案件の担当者が、段階が変わったその日に更新する、と決めておきます。週に1回まとめて更新する運用は、忘れや記憶違いが入りやすく、表が実態から離れていきます。

案件管理表に入れたい列

段階が決まったら、列を作ります。小さな会社や個人の仕事で使いやすい、基本の列を挙げます。

列の名前 入れる内容 入力のしかた
案件番号 案件を区別する番号 年と通し番号(2026-001など)
取引先 会社名や屋号 一覧から選ぶ
案件名 何の仕事か 「〇〇社 採用サイト改修」のように具体的に
担当者 社内の担当 一覧から選ぶ
段階 上で決めた段階 一覧から選ぶ
確度 受注できそうな度合い A、B、Cから選ぶ
見込み金額 税抜の金額 数字で入力
次の行動 次に何をするか 「見積書を送る」のように動詞で
次の行動の期日 いつまでにするか 日付で入力
受注日 受注した日 日付で入力
納期 納品の期限 日付で入力
請求日 請求書を送った日 日付で入力
入金予定日 支払いの期日 日付で入力
入金確認 入金を確かめたか 済、未から選ぶ
最終更新日 最後に行を更新した日 日付で入力
メモ 補足 自由に入力

列が多く見えるかもしれませんが、すべてを最初から埋める必要はありません。引き合いの段階では、取引先、案件名、段階、次の行動、期日だけが埋まっていれば十分です。段階が進むにつれて、受注日、納期、請求日と、右の列が埋まっていく形になります。

案件番号は、メールの件名やファイル名にも使うと便利です。「2026-014 見積書」のように番号を付けておけば、あとから関係する書類を探すときに迷いません。

要になるのは「次の行動」と「期日」の列

この表の中で最も大事なのが、「次の行動」と「次の行動の期日」の2列です。案件管理で起きる失敗の多くは、次に何をするかが決まっていない案件が放置されることから生まれます。

見積もりを出したあと、返事がないまま2週間が過ぎていた。問い合わせに一度返したきりで、その後の連絡を忘れていた。こうした取りこぼしは、段階の列を見ているだけでは気づけません。段階は「見積もり提出」のまま動かず、表の上では何も問題がないように見えるからです。

そこで、すべての案件に「次の行動」と「期日」を必ず入れるルールにします。見積もりを出したなら「返事の確認の連絡をする」と書き、期日を1週間後にする。期日が空欄の案件は、表の中で目立つように色を付けておきます。

条件付き書式を使えば、期日を過ぎた案件に自動で色を付けられます。次の行動の期日がJ列にある場合、範囲を選んで「条件付き書式」の「新しいルール」から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、=AND($J2>0,TODAY()>$J2) のような数式を設定します。毎朝ファイルを開いたとき、色の付いた行から手を付ければ、取りこぼしは大きく減ります。

「次の行動」は、「検討中」のような状態ではなく、「〇日に電話で確認する」のような動作で書きます。状態を書いてしまうと、自分が何をすればよいのかが分からず、結局また放置されます。

確度の付け方をそろえる

見込み金額と並んで、案件管理でよく使うのが確度です。確度とは、その案件が受注に至る見込みの高さのことです。来月の売上の見通しを立てるときに、確度の高い案件だけを数えれば、現実に近い数字が出せます。

ただし、確度は人によって付け方がばらつきやすい項目です。同じ状況でも、楽観的な人はAを付け、慎重な人はCを付けます。これでは集計しても意味のある数字になりません。

ばらつきを防ぐには、確度を気持ちではなく出来事で決めます。たとえば次のような基準です。

・A:予算と時期が先方から示され、見積もりの内容に合意している
・B:見積もりを出し、先方が社内で検討している
・C:相談を受けた段階で、予算や時期がまだ決まっていない

この基準を表の上や別のシートに書いておき、迷ったら基準に戻るようにします。月に1回、確度Aの案件のうち実際に受注できた割合を確かめると、基準が甘すぎないかを点検できます。

金額の扱いと集計のしかた

金額の列は、最初に税抜か税込かを決めておきます。混ざっていると、合計がずれて見通しが狂います。見積もりや請求書の書き方に合わせて、どちらかにそろえましょう。迷ったら税抜でそろえ、税込の額が必要なときは別の列で計算するほうが扱いやすくなります。

集計には、SUMIFS関数かピボットテーブルを使います。SUMIFS関数は、条件に合う行の金額だけを合計する関数です。たとえば「段階が受注で、受注日が今月のもの」の金額を合計すれば、今月の受注額が出ます。

ピボットテーブルは、表の内容を段階別、担当者別、月別などに自動で集計する機能です。表の中を選んで「挿入」から「ピボットテーブル」を選び、行に段階、値に見込み金額を指定するだけで、段階ごとの金額の合計が表になります。案件管理表をテーブルの形にしておくと、行を追加したときもピボットテーブルの範囲を直さずに済みます。

見込みの売上を出すときは、見込み金額に確度の割合を掛ける方法があります。Aは80%、Bは50%、Cは20%のように割合を決めておき、別の列で掛け算をします。割合はあくまで目安なので、実際の受注の結果を見ながら見直していきます。

請求と入金の確認を表で行う

案件管理表は、納品で終わりではありません。請求書を送り、入金を確かめるところまで追うと、お金の取りこぼしを防げます。小さな会社や個人の仕事では、ここが抜けやすいところです。

請求日と入金予定日、入金確認の3列を使い、次のように運用します。

  1. 請求書を送ったら、請求日と入金予定日を入れ、段階を「請求済み」にする
  2. 入金予定日の翌日に、銀行の入出金の明細と表を見比べる
  3. 入金を確かめたら、入金確認を「済」にし、段階を「入金済み」にする
  4. 入金予定日を過ぎても「未」のままの行には、色が付くようにしておく

入金予定日を過ぎた案件は、先方の支払いの手続き漏れであることも少なくありません。気づいた時点で、丁寧に確認の連絡を入れます。日がたつほど連絡しにくくなるので、予定日の翌営業日に確かめる習慣をつけると気持ちの負担も小さくなります。

請求書そのものの作成や、税の扱いは、会計の道具や税理士の判断に任せる部分です。案件管理表では「いつ請求して、いつ入金されたか」の事実だけを記録し、金額の計算や帳簿付けは会計の道具で行う、と役割を分けておくと間違いが起きにくくなります。

シートを分けて表を軽く保つ

案件の数が増えてくると、1枚のシートにすべてを入れた表は読みにくくなります。最初から役割ごとにシートを分けておくと、表を軽く保てます。

1枚目は「案件一覧」です。この記事で紹介した列を並べ、今動いている案件だけを管理します。毎日開くのはこのシートです。

2枚目は「取引先」です。取引先の会社名、窓口の部署、支払いの条件(月末締め翌月末払いなど)をまとめます。案件一覧の取引先の列は、このシートから選ぶ形にしておくと、表記のゆれがなくなります。支払いの条件をここに書いておけば、請求書を送るときに入金予定日をすぐに決められます。

3枚目は「設定」です。段階の言葉、確度の基準、担当者の名前など、入力規則の一覧をまとめます。ここを1か所にしておけば、言葉を変えたいときも設定のシートを直すだけで済みます。

4枚目は「終了」です。入金まで終わった案件と、失注した案件を移します。月に1回、案件一覧から終わった行をまとめて移すと、案件一覧には今動いている案件だけが残り、見落としが減ります。終了のシートは、過去の受注の傾向を振り返るときの資料にもなります。

終わった案件から次の仕事のヒントを得る

案件管理表は、今の案件を追うだけでなく、過去を振り返る資料にもなります。終了のシートにたまった記録を、半年に1回くらい見返してみてください。見るべき点は次の4つです。

1つ目は、受注できた割合です。見積もりを出した案件のうち、何割が受注に至ったかを確かめます。割合が低いなら、見積もりの金額や、提案の内容を見直すきっかけになります。

2つ目は、取引先ごとの金額と回数です。どの取引先からどれだけの仕事を受けているかを並べると、特定の1社に頼りすぎていないかが分かります。1社に売上の大半を頼っている状態は、その取引先の事情ひとつで仕事が大きく減るおそれがあります。

3つ目は、引き合いから受注までの日数です。問い合わせから受注まで平均で何日かかっているかが分かると、売上の見通しを立てやすくなります。日数が長い取引先には、早めに提案を始めるといった工夫ができます。

4つ目は、入金の遅れです。入金予定日を過ぎてから入金された案件がどの取引先に多いかを見ておくと、次の契約のときに支払いの条件を確かめる材料になります。

数字を出すのに、難しい分析は要りません。終了のシートを取引先や月で並べ替え、件数と金額を数えるだけで、仕事の受け方を見直す手がかりが得られます。

見積書や契約書とのつなぎ方

案件管理表には、書類そのものは保存しません。書類はクラウドの保存場所にフォルダを作って保存し、案件管理表からはその場所が分かるようにしておきます。

おすすめは、案件番号をフォルダ名とファイル名の頭に付けることです。「2026-014 〇〇社 採用サイト改修」というフォルダを作り、その中に「2026-014 見積書」「2026-014 契約書」「2026-014 請求書」を保存します。案件管理表のメモの列に、フォルダへのリンクを入れておけば、表から1回のクリックで書類にたどり着けます。

この方法の良いところは、担当が替わっても書類を探せることです。メールの添付ファイルのまま書類を管理していると、前の担当者の受信箱にしか書類が残っていない、ということが起きます。案件番号でそろえておけば、誰でも同じ場所から書類を見つけられます。

取引先の情報を守るための設定

案件管理表には、取引先の会社名、担当者の名前、連絡先、金額など、外に出てはいけない情報が集まります。表が便利になるほど、漏れたときの影響も大きくなります。最低限これだけはやっておきたい、という設定を挙げます。

1つ目は、ファイルの置き場所と共有の範囲を決めることです。ファイルは会社が管理するクラウドの保存場所に1つだけにし、個人のパソコンやUSBメモリにコピーしないことを決めます。共有の設定は、必要な人だけに絞り、「リンクを知っている人は誰でも見られる」設定は避けます。

2つ目は、連絡先の情報を必要以上に入れないことです。案件の管理に必要なのは、取引先の会社名と窓口の担当者くらいです。個人の携帯電話の番号や自宅の住所などは、名刺の管理の道具など別の場所で管理し、案件管理表には入れないほうが安全です。

3つ目は、パソコン自体を守ることです。パソコンにログインのパスワードを設定し、ディスクの暗号化を有効にしておきます。MacならFileVault、WindowsならBitLockerやデバイスの暗号化と呼ばれる機能です。パソコンをなくしたり盗まれたりしても、中のファイルを読み出されにくくなります。

4つ目は、退職や契約終了のときに共有を外すことです。業務委託のメンバーに案件管理表を見せている場合、契約が終わった時点で共有を外す手順を決めておきます。外し忘れは、情報が漏れる原因の中でもよくあるものです。

情報の扱いで起きる事故は、高度な攻撃よりも、こうした基本の抜けから生まれることがほとんどです。共有のリンクを誰でも開ける設定にしたまま忘れていた、退職した人がまだファイルを見られた。どれも設定を1つ見直すだけで防げます。

週に1回の見直しの手順

日々の更新に加えて、週に1回、案件一覧を見直す時間を決めておくと、表と実態のずれを小さく保てます。15分から30分で終わる手順の例です。

  1. 次の行動の期日を過ぎている案件を確かめ、今週中にやることを決める
  2. 期日が空欄の案件に、次の行動と期日を入れる
  3. 段階が2週間以上変わっていない案件を確かめ、失注や保留に移すかを決める
  4. 入金予定日を過ぎて入金確認が「未」の案件を確かめ、確認の連絡を入れる
  5. 今月の受注額と、確度Aの見込み額を確かめる

3つ目は見落としやすい項目です。見積もりを出したまま返事がない案件は、いつまでも一覧に残り、表を重くします。一定の期間が過ぎたら、先方に一度確認し、返事がなければ保留に移す、という区切りをつけておくと、一覧が今動いている案件だけに保たれます。

担当者が複数いる場合は、この見直しを短い打ち合わせにしてもよいでしょう。全部の行を読み上げるのではなく、期日切れと入金待ちの行だけを話題にすれば、短い時間で済みます。

1人で仕事を受けている場合の簡略版

個人で仕事を受けている方には、ここまでの列は多すぎると感じるかもしれません。1人で使う場合は、次の8列に絞っても十分に回せます。

・取引先
・案件名
・段階
・次の行動
・期日
・金額(税抜)
・請求日
・入金確認

担当者の列は自分しかいないので要りません。確度も、案件の数が少ないうちは頭の中で判断できます。代わりに、次の行動と期日だけは必ず埋めることを守ってください。1人で仕事をしていると、作業に集中している間に連絡や請求が後回しになりがちです。表を開いたときに、今日やるべき連絡がひと目で分かることが、1人の仕事では何より役に立ちます。

案件が10件を超えてきたら、確度や受注日の列を追加して、ここまでに紹介した形に近づけていきます。最初から完璧な表を作ろうとせず、困ったときに列を追加する、という進め方が長続きのコツです。

よくある失敗と、その防ぎ方

エクセルの案件管理で、実際によく起きる失敗を挙げておきます。どれも小さな工夫で防げます。

1つ目は、絞り込みをかけたまま入力してしまうことです。担当者で絞り込んだ状態で新しい行を入力すると、絞り込みを外したときに思わぬ場所に行が入っていることがあります。表を閉じる前に絞り込みを解除する、と決めておきます。

2つ目は、行を消してしまうことです。終わった案件を消すつもりで、別の案件の行を消してしまう。行は消さずに、終了のシートへ移すルールにすると、この失敗は起きにくくなります。クラウドに保存していれば、バージョンの履歴から以前の状態に戻すこともできます。

3つ目は、ファイルが増えることです。「案件管理_最新」「案件管理_最新2」のように、似た名前のファイルがいくつもできて、どれが本物か分からなくなる。共有の場所にある1つのファイルだけを正とし、コピーを作らないことを徹底します。

4つ目は、最終更新日が古いまま放置されることです。最終更新日の列を設けておき、2週間以上更新されていない案件に色を付けると、忘れられている案件を拾い上げられます。

エクセルの案件管理で出てくる限界

ここまで工夫しても、エクセルでの案件管理には限界があります。マネーフォワードの解説では、次のように整理されています。

案件管理はエクセルでも可能で、多くの企業が実際にエクセルを活用しています。 ただし、エクセルはあくまで表計算ソフトであり案件管理専用ツールではないため、使い勝手や機能面には限界があります。必要なデータ抽出や自動集計には高度なスキルが必要で、ファイル共有にも手間がかかるなど効率化に限界があります。 出典: biz.moneyforward.com

具体的には、次のような場面で限界を感じやすくなります。

1つ目は、やりとりの記録が残しにくいことです。取引先とのメールや打ち合わせの内容は、メモの列に書くには長すぎます。結局、メールの受信箱やチャットに散らばり、担当が替わったときに経緯をたどれなくなります。

2つ目は、知らせる仕組みがないことです。期日が来ても、エクセルは担当者に知らせてくれません。ファイルを開いて色の付いた行を見るまで、気づけない状態が続きます。

3つ目は、複数人での同時の更新です。共同編集の機能を使えば同時に開けますが、同じ行を2人が同時に直すと、どちらかの入力が上書きされることがあります。共同編集を使うには、ファイルを.xlsxなどの形式にしてOneDriveやSharePoint Onlineに保存する必要があり、条件はMicrosoftのサポート情報で確かめられます。

4つ目は、作った人にしか直せなくなることです。集計の数式や条件付き書式を重ねるほど、作った人以外が触れない表になります。

専用のツールに移す時期の目安

限界があっても、すぐにツールへ移る必要はありません。次のような状態が重なってきたら、移す時期だと考えてください。

・同時に動いている案件が20件を超え、表を開くたびに探す時間がかかる
・案件を担当する人が3人以上になり、更新の衝突や更新漏れが起きている
・期日の見落としで、返事が遅れたり請求が漏れたりしたことがある
・担当の交代のたびに、経緯をメールから探し直している
・取引先や外部のメンバーとも、進み具合を共有したい

この中で特に重く見たいのが、3つ目の見落としです。見落としが1度でも起きたなら、それは表の作りではなく、仕組みとして知らせる道具が必要になったという合図です。

反対に、案件の数が少なく、担当が1人か2人で、見落としも起きていないなら、エクセルのままで構いません。ツールに移すことには、覚える手間と費用がかかります。困っていないうちに移る必要はありません。

専用のツールに移すときの手順

移すと決めたら、次の順で進めると混乱が少なく済みます。

  1. エクセルの表を整理する。入金まで終わった案件は別のシートに移し、動いている案件だけにする
  2. 段階と確度の言葉を見直し、新しいツールでもそのまま使える形にそろえる
  3. エクセルで実際に毎週見ていた列だけを、新しいツールの項目として作る
  4. 動いている案件だけを、新しいツールに登録する
  5. 2週間から1か月はエクセルと並べて使い、抜けがないかを確かめる
  6. 問題がなければ、エクセルは読み取り専用にして保存し、更新を止める

大事なのは、使っていなかった列を新しいツールに持ち込まないことです。エクセルで空欄のまま放置されていた列は、新しいツールでもやはり空欄のままになります。移行は、項目を見直す良い機会です。

案件とその後の作業をまとめて管理したいときの候補

案件管理の専用ツールには、営業の数字の分析に強いものから、作業の管理まで含めたものまで、さまざまな種類があります。小さな会社や個人の仕事では、受注した案件の作業もあわせて1か所で見られる道具のほうが、行き来の手間が少なく済みます。そうした場合の候補の1つとして、Pinatecaがあります。

公式の料金ページによると、Pinatecaのフリープランは5人まで、ボード10個までで、期限なしの無料です。クレジットカードの登録は要りません。カンバン、ガント、カレンダー、リストなど全8種類のボードが無料の範囲で使え、チャットやコメント、カスタムフィールド、権限の設定も含まれると書かれています。

案件管理に当てはめると、たとえばカンバンボードの列を段階にして、案件のカードを左から右へ動かしていく使い方ができます。カスタムフィールドには、公式サイトで例に挙がっている顧客名や優先度のほか、見込み金額などの項目を追加できます。リストボードでは、表の形で全件を並べ、絞り込んでまとめて直せます。自分宛てのメンションや担当の割り当て、締切は受信箱にまとめて届くので、エクセルでは難しかった「期日を知らせる」部分を補えます。

業務委託で仕事を受けている場合や、外部のメンバーに作業を頼んでいる場合は、追加のオプションとして稼働タイムシートもあります。公式の料金ページでは、時間単位、案件単位、月額固定の3つの契約に対応し、担当者別、案件別、作業別の集計とCSVの書き出し、稼働報告書や業務完了報告書の印刷ができると説明されています。料金は1人あたり月額980円(年払いなら1人あたり月額780円)で、数えるのは稼働を入力する人だけです。

6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランになり、料金は1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円)です。表示価格は税抜で、閲覧だけのゲストは人数に数えないと明記されています。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、公式サイトで案内されているPinatecaの機能は、ボードとチャットを中心にしたもので、見込み売上の予測のような営業の分析の機能は挙がっていません。営業の数字の分析を中心にしたい場合は、SFAやCRMと呼ばれる営業支援の専門のサービスのほうが合っています。案件の段階と、受注後の作業を同じ場所で追いたいかどうかで選ぶのが筋です。

案件を管理する力が信頼につながる

最後に、仕事を受ける側の視点から書いておきます。フリーランスや小さな会社にとって、案件管理は自分を守る仕組みでもあります。返事の遅れ、納期の勘違い、請求の漏れ。どれも1度起きるだけで、取引先からの信頼を大きく損ないます。

フリーランスや在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から見ると、長く続く人ほど、仕事の腕前と同じくらい、こうした管理の確かさで評価されています。直接取引では中間に入る手数料がない分、依頼主は同じ予算でより多くを頼めて、受け手は手取りが厚くなります。その分、見積もりから入金までの流れを自分で回す必要があり、案件管理表はそのための土台になります。

情報を守る力を仕事にしたい方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、セキュリティの分野でどのような案件があり、どのようなスキルが求められるのかを確かめられます。取引先の情報を扱う設定の知識は、そのまま仕事の入り口になります。

システムを作る側の収入の目安を知りたい方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的な統計をもとにした年収と、フリーランスの単価の相場を見比べられます。契約や許認可の書類の作成を仕事にしたい方は、行政書士の資格ガイドで、試験の内容と仕事の範囲を確かめられます。

道具を増やすときは、毎月の費用にも目を向けておきましょう。中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法では、契約しているサービスの棚卸しと費用の抑え方を整理しています。

エクセルの案件管理は、列を絞り、次の行動と期日を必ず書き、情報を守る設定を整えれば、小さな組織には十分な道具です。見落としが起きはじめたら、それが次の道具に移る合図です。

よくある質問

Q. エクセルの案件管理表で最低限必要な列は何ですか?

最低限必要なのは、取引先、案件名、段階、次の行動、次の行動の期日の5つです。特に次の行動と期日は、放置される案件を防ぐための要になります。受注や納品、請求と段階が進むにつれて、受注日、納期、請求日、入金予定日などの列を埋めていく形にすると、表が長く使えます。

Q. 確度はどのように付ければよいですか?

気持ちではなく、出来事で決めるのがおすすめです。たとえば、予算と時期が示され見積もりに合意していればA、見積もりを出して検討中ならB、相談の段階ならC、のように基準を決めて表に書いておきます。月に1回、確度Aの案件が実際に受注できた割合を確かめると、基準の甘さを点検できます。

Q. 案件管理表を共有するときに気をつけることは何ですか?

ファイルは会社が管理するクラウドの保存場所に1つだけにし、共有は必要な人だけに絞ります。誰でも開けるリンクの設定は避けてください。個人の連絡先など必要以上の情報は入れず、業務委託のメンバーとの契約が終わったら共有を外す手順も決めておくと安心です。

Q. エクセルから専用ツールに移すべきなのはどんなときですか?

同時に動く案件が増えて探す時間がかかる、担当者が増えて更新の衝突や漏れが起きる、期日の見落としで返事や請求が遅れた、といった状態が重なってきたら移す時期です。特に見落としが1度でも起きたなら、期日を知らせる仕組みを持つ道具を検討する価値があります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月12日最終更新:2026年10月12日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方