エクセルで個人のタスク管理を続けるコツ|専用ツールへ移る目安


この記事のポイント
- ✓エクセルで個人のタスク管理を続けるコツを
- ✓毎日と毎週の使い方に分けて解説します
- ✓続かなくなる原因と立て直し方
エクセルで個人のタスク管理をしてみたものの、気づけば表を開かなくなっていた、という経験はありませんか。タスク管理の表が続かない原因は、エクセルという道具の弱さより、表の作り方と開くタイミングにあることがほとんどです。結論から言うと、列を5つ前後に絞り、毎朝5分と週末15分だけ表に向き合う時間を決めれば、エクセルでも個人のタスク管理は十分に続けられます。
この記事では、在宅の仕事や副業を抱える人を例に、エクセルで個人のタスク管理を続けるための表の作り方、役に立つ機能、毎日と毎週の使い方、続かなくなったときの立て直し方を説明します。あわせて、エクセルでは手に負えなくなってきたときに専用ツールへ移る目安と、移り方も整理します。
結論:列を絞り、開く時間を決めれば続く
先に全体像を示します。
| 続くかどうかを分けるもの | 続かない表 | 続く表 |
|---|---|---|
| 列の数 | 10列以上あり、1件の入力に時間がかかる | 5列前後で、1件を10秒で書ける |
| 開くタイミング | 思い出したときだけ | 毎朝の作業前と、週末の決まった時間 |
| 終わったタスク | 同じ表に残り続ける | 別のシートに移すか、フィルターで隠す |
| 締切のないタスク | 締切のあるものと混ざっている | 別の欄に集め、週に1回見直す |
| 表の目的 | きれいに保つこと | 締切を落とさないこと |
ポイントは、タスク管理の表を「作品」にしないことです。色や罫線を整えることに時間を使うと、表を作った時点で満足してしまいます。大切なのは、明日の朝も開きたくなる軽さです。
個人のタスク管理にエクセルが向いている理由
専用のタスク管理ツールが数多くある中で、エクセルを選ぶ理由は主に3つあります。
1つ目は、すでに使い慣れていることです。仕事でエクセルを使っている人なら、新しい操作を覚える必要がありません。タスク管理を始めるときの一番の壁は「道具を覚える手間」なので、ここが小さいのは大きな利点です。
2つ目は、形を自由に決められることです。仕事のタスク、家のこと、勉強の予定など、自分の生活に合わせて列も分け方も好きに変えられます。専用ツールのように、決められた形に自分を合わせる必要がありません。
3つ目は、費用がかからないことです。すでにパソコンにエクセルが入っていれば、追加の料金は要りません。
タスク管理ツールを提供する会社の記事でも、エクセルの手軽さは認められています。
エクセルは、シンプルで使いやすいタスク管理ツールにもなり、個人やチームでの利用に適しています。 多くの企業で導入されているため、操作方法を学ぶ必要がなく、すぐに活用できるのも大きな利点です。 出典: backlog.com
一方で、エクセルは一人で使う前提の道具です。家族や仕事仲間と同じ表を同時に見たり、スマホから手早く書き込んだりするのは得意ではありません。この強みと弱みを知ったうえで使うことが、長く続けるための第一歩です。
続く表の作り方:列は5つから始める
ここからは、個人のタスク管理の表の作り方です。最初は次の5列だけで始めます。
| 列 | 書く内容 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| タスク | 動詞で終わる一言 | 請求書を送る |
| 締切 | 終わらせる日 | 2026/10/10 |
| 種類 | 仕事・副業・家・勉強など | 副業 |
| 見積もり | かかりそうな時間 | 0.5 |
| 状態 | 未着手・進行中・完了 | 未着手 |
タスクの名前は、「請求書」のような名詞ではなく、「請求書を送る」のように動詞で終わる形にします。名詞だけだと、作るのか、送るのか、確認するのかが分からず、表を見たときに手が止まってしまうからです。
見積もりの列は、時間を数字で書きます。0.5なら30分、2なら2時間です。この列があると、1日に詰め込みすぎていないかを合計で確かめられます。
最初から「優先度」「担当」「メモ」「完了日」などの列を入れたくなりますが、ぐっとこらえます。1週間使ってみて、どうしても必要だと感じた列だけを追加すれば十分です。在宅で仕事をしている人の相談で多いのが、「完璧な表を作ろうとして、作るだけで1日が終わった」というものです。運動の習慣づくりと同じで、最初は小さく始めたほうが続きます。
表の見本:在宅で副業をしている人の1週間
5列の表が実際にどう埋まるのかを、平日の夜と週末に副業をしている人を例に示します。
| タスク | 締切 | 種類 | 見積もり | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 記事の構成案を送る | 10/8 | 副業 | 1.5 | 完了 |
| 本業の週報を書く | 10/9 | 仕事 | 0.5 | 進行中 |
| 記事の本文を書く | 10/10 | 副業 | 4 | 未着手 |
| 請求書を送る | 10/10 | 副業 | 0.5 | 未着手 |
| 子どもの学校の書類を出す | 10/11 | 家 | 0.5 | 未着手 |
| 資格のテキストを2章読む | 10/12 | 勉強 | 2 | 未着手 |
この例で注目したいのは、10月10日に締切が2つ重なっている点です。本文の4時間と請求書の30分を合わせると4.5時間になり、平日の夜だけでは終わりません。表に見積もりの列があると、こうした重なりに数日前の時点で気づけます。気づいたら、本文の作業を前日までの夜に1.5時間ずつ分けて進める、と作業の計画を立て直します。
締切の列だけを見ていると、「10日までに2つ」としか分かりません。見積もりの数字を足し合わせて初めて、その日の重さが見えてきます。
1日の時間を見積もるコツ
見積もりの列を活かすには、自分が1日にタスクへ使える時間を知っておく必要があります。ここを多めに見積もると、毎日「終わらなかった」が積み重なり、表を開くのがつらくなります。
使える時間は、次の順番で考えます。
- 仕事や家事、移動など、決まっている予定の時間を除く
- 食事、休憩、体を動かす時間を除く
- 残った時間の7割程度を、タスクに使える時間とする
3つ目で7割としているのは、急な連絡や、思ったより時間のかかる作業が必ず出てくるからです。残りの3割は、予定どおりにいかなかったときの余白として残しておきます。
もう1つのコツは、見積もりと実際にかかった時間を、ときどき比べることです。週末の見直しのときに、終わったタスクを3つほど選び、実際に何時間かかったかを振り返ります。いつも1.5倍かかっているなら、次からは見積もりを1.5倍にして書きます。これを数週間続けると、見積もりの精度が上がり、表の計画と現実のずれが小さくなっていきます。
長時間座り続けて作業をすると、集中力は思っている以上に落ちます。2時間の作業を見積もるなら、途中で5分ほど立ち上がる時間も含めて考えておくと、計画どおりに進みやすくなります。
シートを分けるか、1枚に集めるか
個人のタスク管理では、仕事、副業、家のこと、勉強と、種類の違うタスクを扱います。これを種類ごとにシートを分けるか、1枚の表に集めるかで迷う人は多いはずです。
結論から言うと、未完了のタスクは1枚の表に集め、種類の列で区別するのがおすすめです。シートを分けると、ある日に仕事と副業と家の締切が重なっていることに気づきにくくなります。1日の時間は1つしかないので、種類が違っても同じ表で見たほうが、その日の重さが正しく分かります。
シートを分けるのは、次の3つに限ります。
| シート | 入れるもの |
|---|---|
| 今のタスク | 未完了で、締切のあるもの |
| いつかやる | 締切のないもの、今週はやらないと決めたもの |
| 完了の記録 | 週末の見直しで移した、終わったもの |
この3枚にしておけば、毎朝見るのは「今のタスク」のシートだけです。見るべき場所が1つに決まっていると、表を開いてから迷う時間がなくなります。
繰り返しのタスクの扱い
毎週の報告書、毎月の請求書、月に1回の振り込みのように、決まった間隔でやってくるタスクは、表に入れ忘れやすいものです。エクセルには、決まった日にタスクを自動で作る仕組みはないので、運用で補います。
おすすめは、月初の見直しのときに、その月の繰り返しのタスクをまとめて表に書き込むことです。「いつかやる」とは別に「毎月やること」の一覧を作っておき、月初にそこからコピーして締切を入れます。1回あたり5分ほどの作業で、入れ忘れがほぼなくなります。
請求書のように、遅れると相手にも自分にも影響が出るタスクは、締切の数日前に見積もりを取って作業日を決めておくと安心です。副業では、作業は終わったのに請求を忘れていた、という話が意外と多く聞かれます。
本業と副業のタスクを同じ表で扱うときの注意
会社員が副業をしている場合、本業と副業のタスクを同じ表で管理すると、1日の時間を正しく見積もれるという利点があります。一方で、気をつけたいこともあります。
1つ目は、保存先です。会社から貸与されたパソコンや、会社のクラウドの保存先に、副業のタスクの表を保存するのは避けます。副業の取引先の名前や金額が、会社の管理する場所に残ることになるからです。副業のタスクを含む表は、自分のパソコンや個人のクラウドの保存先に保存します。
2つ目は、表の書き方です。本業のタスクを書くときは、社外に出してはいけない情報を表に書かないようにします。「A社への提案書を作る」ではなく「提案書を作る」のように、個人の表には最低限の言葉だけを書いておくと安全です。
3つ目は、勤め先の決まりです。副業そのものを認めているかどうか、勤務時間中に副業の作業をしないことなど、勤め先の決まりを確かめたうえで、表の上でも本業と副業の時間がはっきり分かれるように計画します。
ファイルを失わないための備え
エクセルの表は、ファイルが壊れたり、パソコンが故障したりすると、それまでの記録ごと失われます。個人のタスク管理でも、次の備えをしておくと安心です。
- クラウドの保存先に保存し、自動で同期されるようにする
- 月に1回、ファイルを別名で保存して控えを取る
- ファイル名を「タスク管理.xlsx」のように1つに決め、似た名前のファイルを作らない
とくに3つ目は大切です。「タスク管理_新.xlsx」「タスク管理_最新.xlsx」のようなファイルが増えると、どれが今使っているものか分からなくなります。控えを取るときは、「タスク管理_202610控え.xlsx」のように日付を入れ、控え用のフォルダに保存します。
役に立つエクセルの機能
エクセルには、タスク管理を楽にしてくれる機能がそろっています。難しい関数を覚える必要はありません。次の5つを押さえておけば十分です。
テーブルにする
表の範囲を選び、「テーブルとして書式設定」を選ぶと、表がテーブルという形になります。テーブルにすると、下に行を書き込んだときに書式や数式が自動で引き継がれ、見出しの行にはフィルターのボタンが付きます。個人のタスク管理では、まずこれをしておくと後の作業が楽になります。
ドロップダウンで選べるようにする
「状態」や「種類」の列は、毎回手で打つと表記がばらつきます。「データの入力規則」でリストを設定し、ドロップダウンから選べるようにしておきます。「完了」「済み」「done」が混ざると、フィルターで正しく絞り込めなくなるからです。
条件付き書式で締切を目立たせる
条件付き書式を使うと、条件に合うセルに自動で色を付けられます。たとえば、締切がTODAY関数で求めた今日の日付より前で、状態が完了でないものを赤にします。今日が締切のものは黄色にしておくと、表を開いた瞬間にやるべきことが目に入ります。
フィルターと並べ替え
テーブルのフィルターで、状態が完了でないものだけを表示し、締切の早い順に並べ替えます。これだけで「今やるべきこと」の一覧ができあがります。種類で絞り込めば、副業のタスクだけ、家のタスクだけを見ることもできます。
ウィンドウ枠の固定
タスクが多くなって表が縦に長くなると、下のほうを見ているときに見出しが見えなくなります。「ウィンドウ枠の固定」で見出しの行を固定しておくと、どこまでスクロールしても列の意味が分かります。
毎日の使い方:朝の5分で今日を決める
表を作っただけでは、タスク管理は始まりません。大切なのは、毎日決まったタイミングで表を開くことです。おすすめは、仕事を始める前の5分です。
- 表を開き、フィルターで状態が完了でないものだけを表示する
- 締切の早い順に並べ、赤と黄色のものを確かめる
- 今日やるものを選び、見積もりの合計が今日使える時間を超えないか確かめる
- 超えていたら、締切に余裕のあるものを明日以降に回す
在宅で仕事をしていると、朝の時間をうっかりメールやチャットの返信から始めてしまいがちです。返信を始めると、そのまま相手のペースで1日が進み、自分のタスクが後回しになります。表を開くのは、メールを開く前と決めておくのが効果的です。
作業を終えたら、その場で状態を完了に変えます。夜にまとめて更新しようとすると、何が終わったかを思い出すのに時間がかかり、そのうち更新しなくなります。状態の列をドロップダウンにしておけば、変えるのは数秒です。
デスクワークが続くと、気づけば何時間も同じ姿勢で座っていた、ということもよくあります。タスクを1つ完了にするたびに立ち上がって軽く体を伸ばす、と決めておくと、表の更新が体を動かす合図にもなります。
毎週の使い方:週末の15分で見直す
毎日の5分に加えて、週に1回、15分ほど表全体を見直す時間を取ります。曜日と時刻は、日曜の夜、金曜の夕方など、自分の生活に合わせて決めます。
見直しでやることは次の4つです。
| やること | 目的 |
|---|---|
| 完了したタスクを別のシートに移す | 表を軽く保つ |
| 締切を過ぎたタスクの日付を直す | 表と現実のずれをなくす |
| 締切のないタスクの中から、来週やるものを選ぶ | 「いつかやる」を放置しない |
| 来週の見積もりの合計を確かめる | 詰め込みすぎを防ぐ |
完了したタスクを別のシートに移すと、表が軽くなるだけでなく、「今週これだけ終わった」という記録も残ります。1か月分を見返すと、自分がどんな種類の仕事にどれだけ時間を使っているかが見えてきます。
見直しの時間は、スマホのカレンダーに毎週の予定として登録しておくと忘れません。15分と短いので、夕食の前や、子どもが寝たあとなど、毎週ほぼ確実に空いている時間を選ぶのが長続きのコツです。
締切を過ぎたタスクを見つけても、自分を責める必要はありません。見直しの目的は、遅れをなくすことではなく、遅れに早く気づいて日付を直すことです。
完了の記録を、月に1回の振り返りに使う
週末の見直しで「完了の記録」のシートに移したタスクは、月に1回の振り返りにも使えます。エクセルのピボットテーブルを使うと、種類ごとの件数や見積もりの合計を、数回のクリックで集計できます。ピボットテーブルとは、表のデータを項目ごとにまとめて集計する機能のことです。
たとえば、1か月分を種類ごとに集計すると、次のようなことが見えてきます。
| 見えてくること | 次の月にすること |
|---|---|
| 副業に使った時間が思ったより少ない | 平日の夜に副業の時間を固定する |
| 家のタスクが週末に集中している | 平日に15分で済むものを分けて入れる |
| 勉強のタスクがほとんど完了していない | 1回あたりの量を減らし、回数を多くする |
副業をしている人にとっては、どの案件にどれだけ時間を使ったかを知ることが、単価を考え直すきっかけにもなります。報酬が同じでも、かかった時間が倍なら、時間あたりの収入は半分です。完了の記録は、ただの履歴ではなく、働き方を見直す材料になります。
振り返りは、数字を眺めて終わりにせず、「来月はこれを1つだけ変える」と決めて終えるのがコツです。変えることが多すぎると、また表が重くなってしまいます。
続かなくなる5つの原因と立て直し方
エクセルのタスク管理が続かなくなるときには、たいてい決まった原因があります。
原因1:入力が面倒になった
列が多くなって、1件のタスクを書くのに何項目も埋める必要が出てくると、書くこと自体が負担になります。タスク名と締切の2つだけで保存してよい、と決めると、入力のハードルが下がります。ほかの列は週末の見直しで埋めれば十分です。
原因2:表が長くなりすぎた
完了したタスクが同じ表に残り続けると、何百行にもなり、開くたびに目的のタスクを探すことになります。週に1回、完了したものを別のシートに移す習慣をつけると、表はいつも数十行に保てます。
原因3:開くタイミングが決まっていない
「時間があるときに見る」では、忙しい日ほど開かなくなります。朝の作業前、と時間を決め、パソコンを起動したら自動でファイルが開くように設定しておくのも1つの方法です。
原因4:スマホから書き込めない
外出先で思いついたタスクを書き留められないと、パソコンの前に戻ったときには忘れています。スマホのメモアプリに一時的に書いておき、朝の5分でエクセルに移す、という流れにすると漏れが減ります。
原因5:タスクが多すぎて見るのがつらい
未完了のタスクが50件も60件も並んでいると、表を開くだけで気が重くなります。今週やらないと決めたタスクは、「いつかやる」のシートに移して視界から外します。見えているタスクを10件から20件程度に保つと、表を開く心理的な負担が軽くなります。
優先度の列は、迷ったときだけ使う
タスク管理の解説では、優先度の列を作り、高・中・低を付ける方法がよく紹介されます。ただ、個人のタスク管理では、優先度の列が続かない原因になることもあります。すべてのタスクに優先度を付けようとすると、付けること自体に迷い、結局ほとんどが「高」になってしまうからです。
おすすめは、優先度の列を作らず、締切の早い順に並べることを基本にする方法です。締切は相手との約束なので、迷う余地がありません。そのうえで、同じ日に締切が重なって、どちらを先にやるか迷ったときだけ、次の順番で決めます。
- 相手が待っているもの(返事や納品を待っている人がいるもの)
- 遅れるとお金に関わるもの(請求、支払い、申し込み)
- 自分だけで完結するもの(勉強、整理、準備)
この順番を頭に入れておけば、優先度の列がなくても判断に困りません。どうしても列を作りたい場合は、「相手あり」に印を付ける列だけを追加すると、1つ目の判断が表の上でできるようになります。
手帳やスマホのアプリと組み合わせる
エクセルだけで、すべてのタスクを管理する必要はありません。手帳やスマホのアプリと役割を分けると、それぞれの弱みを補えます。
| 道具 | 向いている役割 |
|---|---|
| エクセル | タスクの一覧、見積もりの合計、完了の記録 |
| スマホのメモアプリ | 外出先で思いついたタスクの一時的な書き留め |
| スマホのカレンダー | 時刻の決まった予定と、締切の前の通知 |
| 紙の手帳やメモ | その日にやる3つから5つのタスクを書き出す |
たとえば、朝の5分でエクセルから今日のタスクを選び、紙のメモに書き出してパソコンの横に貼っておく、という使い方があります。作業中にエクセルを開き直さなくても、今日やることが目に入ります。終わったものに線を引く気持ちよさも、続ける力になります。
大事な締切だけは、スマホのカレンダーにも登録し、前日に通知が来るようにしておきます。エクセルは開かないと知らせてくれないので、この組み合わせで弱点を補えます。
気持ちが乗らない日の工夫
どんなに表を整えても、気持ちが乗らず、表を開く気になれない日はあります。そんな日は、次の3つのどれか1つだけをやると決めます。
- 5分で終わるタスクを1つだけ片付ける
- 表を開いて、締切の近いものを眺めるだけにする
- 明日の朝やるタスクを1つだけ決めておく
1つでもできれば、その日は合格です。表を開かない日が2日、3日と続くと、再開するのが一気に難しくなります。完璧にこなす日より、少しでも触れる日を途切れさせないほうが、長い目で見て続きます。運動の習慣と同じで、ゼロの日を作らないことが一番のコツです。
スマホでも確かめたいときの工夫
個人のタスク管理でも、外出先でスマホから表を確かめたい場面はあります。そのときは、ファイルの保存先を工夫します。
パソコンの中だけにファイルを保存していると、スマホからは見られません。OneDriveやGoogleドライブのようなクラウドの保存先にファイルを保存しておくと、スマホのアプリから同じファイルを開けます。クラウドの保存先とは、インターネット上にファイルを預けておき、どの端末からでも開けるようにする仕組みのことです。
ただし、スマホの小さな画面でエクセルの表を編集するのは、思っている以上に手間がかかります。スマホでは「見るだけ」と割り切り、書き込むのはパソコンで、と役割を分けたほうが、表が崩れずに済みます。スマホからの書き込みが毎日のように必要になってきたら、それは専用ツールへ移る目安の1つです。
専用ツールへ移る目安
エクセルのタスク管理は、一人で、パソコンの前で使う分には十分に役立ちます。しかし、次のような状態が続くようになったら、専用のタスク管理ツールを検討する時期です。
| 目安 | エクセルで起きていること |
|---|---|
| スマホから毎日書き込みたい | 小さな画面での編集が負担になる |
| 家族や仕事仲間と同じ表を見たい | ファイルの送り合いで版が分かれる |
| 作業の期間を横棒で見たい | 横棒を手で描き直す手間がかかる |
| 締切の前に通知がほしい | 表を開かない限り、締切に気づけない |
| タスクごとにやりとりを残したい | メモの列が長くなり、表が読みにくくなる |
5つのうち2つ以上に当てはまるなら、専用ツールを試してみる価値があります。とくに「締切の前に通知がほしい」は、エクセルではどうしても補えない部分です。エクセルは開いたときに色で知らせることはできても、開いていないときに知らせてはくれません。
専用ツールを選ぶときは、無料で使える範囲と、料金が変わる予定がないかを確かめておきます。たとえば、エクセルでのタスク管理を解説する記事も出しているBacklogは、2027年1月1日から料金プランを新しくすると公式ブログで告知しています。告知によると、現在のプランの新規契約は2026年12月31日までで、フリープランのユーザーの上限は10名から5名に変わります。個人で使う分には5名の上限で困ることは少ないものの、ツールの料金や無料の範囲は変わることがある、という前提で選ぶのが安心です。
エクセルから専用ツールへ移るときの手順
移ると決めたら、一度に全部を移そうとしないのがコツです。
- エクセルの表から、完了していないタスクだけを抜き出す
- そのうち、今週と来週に締切があるものだけを専用ツールに登録する
- 2週間ほど、専用ツールだけで毎日のタスクを回してみる
- 使い勝手に問題がなければ、残りのタスクを移す
- 完了したタスクの記録は、エクセルのファイルのまま保存しておく
完了した過去のタスクまで移す必要はありません。記録として見返すだけなら、エクセルのファイルを残しておけば十分です。新しい道具では「これから」のタスクだけを扱う、と割り切ると、移行の手間が大きく減ります。
移行の2週間は、エクセルの表と専用ツールを両方更新する、ということはしないでください。二重に管理すると手間が倍になり、どちらが正しいのか分からなくなります。移したタスクはエクセルの表から消すか、「移行済み」の印を付けて、見るのは専用ツールだけ、と決めておきます。
2週間使ってみて合わないと感じたら、エクセルに戻ってもかまいません。道具を変えることが目的ではなく、締切を落とさないことが目的です。
エクセルが合わなくなったときの候補
スマホからも見たい、作業の期間を横棒で見たい、いずれ家族や仕事仲間とも共有したい、という人の候補の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaです。
公式の料金ページによると、Pinatecaのフリープランは5人まで・ボード10個まで無料で、カンバン・ガント・カレンダー・リストを含む8種類のボードをすべて使えます。公式の使い方ガイドでは、表の形でカードを並べる一覧のボードでは期限が「今日」「明日」「残2日」のように近さで表示され、カレンダーのボードでは締切のあるカードが月のマス目に並ぶと説明されています。自分宛の担当の割り当てや締切は受信箱に集まる作りです。クレジットカードの登録は不要で、6人目、または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円、年払いなら1人あたり月額400円、いずれも税抜)になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
個人で使う場合、ボード10個の範囲で、仕事、副業、家のことなどを分けて管理できます。まずは副業のタスクだけを移してみるなど、小さく試すのがおすすめです。
段取りの力が、在宅の仕事の信頼をつくる
在宅ワークやフリーランスの市場を長く見てきた立場から言えば、仕事が長く続く人ほど、タスク管理の道具に凝るより、締切を落とさない段取りを淡々と続けています。依頼する側にとって、約束の日に確実に納品してくれる人は、それだけで次も頼みたい相手になります。表を毎朝5分開く習慣は、地味ですが、その信頼を支える土台です。
もう1つの観察として、間に入る手数料がかからない直接の取引ほど、そうした信頼の関係が長く続きやすいと感じます。依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなるからです。手数料0%で直接取引できる環境は、お互いが得をする関係を育てやすくします。
タスク管理や業務の整理が得意な人は、それを仕事にする道もあります。企業の業務の進め方を整え、生成AIなどの道具を取り入れる手伝いをする仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。オンラインのレッスンや講座を開いて教える仕事の相場は個人教師の年収・単価相場で、文章を書く仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられます。
新しい道具や知識を学び直したい人には、個人で使える支援の制度を整理したリスキリング 助成金 個人 2026も参考になります。
よくある質問
Q. エクセルで個人のタスク管理をするとき、最低限どんな列があればよいですか?
タスク、締切、種類、見積もり時間、状態の5列があれば始められます。タスク名は「請求書を送る」のように動詞で終わる形にし、見積もりは0.5なら30分のように時間を数字で書きます。優先度やメモの列は、1週間使ってみて本当に必要だと感じてから追加すれば十分です。
Q. エクセルのタスク管理が続かないのはなぜですか?
多くの場合、列が多くて入力が面倒になった、完了したタスクが残って表が長くなった、開くタイミングが決まっていない、のいずれかが原因です。タスク名と締切だけで保存してよいと決め、完了したものは週に1回別のシートに移し、毎朝の作業前に開くと決めると、続けやすくなります。
Q. エクセルで締切が近いタスクを目立たせる方法はありますか?
条件付き書式を使うと、条件に合うセルに自動で色を付けられます。TODAY関数で今日の日付を求め、締切が今日より前で状態が完了でないものは赤、今日が締切のものは黄色、というように設定すると、表を開いた瞬間にやるべきことが目に入ります。
Q. エクセルから専用のタスク管理ツールに移る目安はありますか?
スマホから毎日書き込みたい、家族や仕事仲間と同じ表を見たい、作業の期間を横棒で見たい、締切の前に通知がほしい、といった状態が続くようになったら検討の時期です。移るときは、未完了で締切の近いタスクだけを先に移し、2週間ほど試してから残りを移すと無理がありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







