アンケート結果を見やすくまとめる方法と、グラフの選び方


この記事のポイント
- ✓アンケートの集計結果を見やすくまとめる方法を
- ✓質問の形式ごとのグラフの選び方
- ✓数字の示し方まで順に解説します
アンケートの集計は終わったのに、結果をまとめた資料が見にくい。グラフを全部の質問に付けたら枚数ばかり増えて、何が言いたいのか伝わらない。アンケート結果のまとめ方で悩む人の多くは、集計の数字そのものではなく、どの順番で、どのグラフで見せるかで迷っています。見やすい資料は、グラフの装飾ではなく、読む人が最初の数行で結論をつかめる組み立てで決まります。
この記事では、アンケートの集計結果を見やすくまとめる方法を、報告の組み立て方から順に説明します。そのうえで、単一回答、複数回答、5段階の評価、クロス集計、自由記述と、質問の形式ごとに合うグラフの選び方を整理し、色や並び順、数字の示し方など、見やすさを左右する細かな決まりをまとめます。結果をまとめた後に、回答者一人ひとりへの連絡や対応が必要な場面では、回答を一件ごとに管理して同じ画面から返信できるフォームの道具 Halict も役に立ちます。
見やすいアンケート結果は「結論から」組み立てる
アンケート結果の資料が見にくくなるいちばんの原因は、質問の順番どおりに、全部の集計を同じ重さで並べてしまうことです。読む人は、1問目から順に表とグラフを見せられても、どれが大事な結果なのかが分かりません。
見やすい資料は、次の順で組み立てます。
- 概要:何のために、誰に、いつ、何件の回答を集めたか
- 結論:アンケートから分かったことを3つ以内で
- 根拠:結論ごとに、元になったグラフと数字
- 声:自由記述の主な内容と、代表的な回答
- 次の行動:結果を受けて変えること、続けること
- 付録:全部の質問の集計表
ポイントは、2つ目の結論を最初の1ページに書くことです。資料を受け取った人の多くは、最初のページしか読みません。結論を一文ずつ、数字を添えて書いておけば、そこだけ読んだ人にも結果が伝わります。
結論の書き方の例を挙げます。
・「満足」「とても満足」と答えた人は回答者120人のうち96人(80%)で、前回より6ポイント上がった
・不満の理由で最も多かったのは「開始時刻が遅い」(不満と答えた24人のうち11人)
・30代以下の参加者は、オンラインでの参加を希望する割合が他の年代の2倍だった
3つ目の根拠では、結論ごとにグラフを1つずつ示します。全部の質問にグラフを付ける必要はありません。結論に関係しない質問の集計は、6つ目の付録に表でまとめておけば十分です。
アンケートの結果のまとめ方について、フォームの作成サービスの会社は次のように書いています。
アンケート結果を正確に把握しやすくするためには、目的に応じた集計方法を選ぶことが重要です。 出典: form.run
目的に応じて集計を選ぶのと同じように、見せ方も、何を伝えたいかに応じて選びます。伝えたいことが決まっていないうちにグラフを作り始めると、見た目は整っていても、何も伝わらない資料になります。
グラフを選ぶ前に決める3つのこと
グラフの種類を選ぶ前に、1つのグラフで何を伝えたいのかを、次の3つの中から決めます。
・比べたい:選択肢どうしの多い少ないを比べる(例:どの理由が多かったか)
・割合を見せたい:全体の中でそれぞれが占める割合を見せる(例:満足と不満の割合)
・変化を見せたい:時間の流れで増えたか減ったかを見せる(例:前回、前々回からの満足度の推移)
この3つのどれかによって、合うグラフはおおむね決まります。
| 伝えたいこと | 合うグラフ | 使う場面 |
|---|---|---|
| 比べたい | 横棒グラフ、縦棒グラフ | 複数回答の選択肢、理由のランキング |
| 割合を見せたい | 100%積み上げ横棒グラフ(帯グラフ)、円グラフ | 単一回答、5段階の評価 |
| 変化を見せたい | 折れ線グラフ、縦棒グラフ | 毎年同じ質問をしているときの推移 |
| 属性で比べたい | 100%積み上げ横棒グラフを属性ごとに並べる | クロス集計 |
Excelでは、グラフにしたい範囲を選び、[挿入]タブからグラフを選びます。Microsoftの公式ヘルプでは、[おすすめグラフ]から選ぶとプレビューを見ながら決められる、と説明されています。手順は Microsoftのグラフを作成するヘルプ で確かめられます。ただし、おすすめで出てくるグラフが、伝えたいことに合っているとは限りません。上の表で先に種類を決めてから選ぶほうが、迷いが少なくなります。
単一回答の結果は、帯グラフか円グラフで示す
選択肢から1つだけ選ぶ単一回答の質問は、回答の合計が100%になります。全体の中の割合を見せるのに向いているのは、100%積み上げ横棒グラフ(帯グラフ)と円グラフです。
円グラフを使うのは選択肢が少ないときだけ
円グラフは、全体の中での割合を直感的に伝えられます。ただし、見やすいのは選択肢が2〜4個程度のときに限られます。選択肢が5つを超えると、小さな扇形が並んで、どれがどれだか分からなくなります。
円グラフを使うときは、次の点を守ります。
・大きい順に、時計回りに並べる(「その他」は最後)
・扇形のそばに選択肢の名前と割合を直接書き、凡例を使わない
・立体にしない
選択肢が多いなら帯グラフか横棒グラフ
選択肢が5つ以上ある単一回答の質問や、ほかの質問と並べて比べたいときは、帯グラフのほうが見やすくなります。帯グラフは、1本の横長の棒を、選択肢の割合で区切ったグラフです。複数の帯を縦に並べると、質問どうしや、属性どうしの違いを一目で比べられます。
選択肢どうしの多い少ないを比べることが目的なら、横棒グラフで、多い順に上から並べる形も向いています。
5段階の評価は、帯グラフで良い側と悪い側を分ける
「とても満足」「満足」「どちらとも言えない」「不満」「とても不満」のような5段階の評価の質問は、アンケートでもっとも多い形式です。この結果は、100%積み上げ横棒グラフで示すと見やすくなります。
Microsoftの公式ヘルプでも、「強くそう思う」から「まったくそう思わない」までのような段階の尺度は、縦棒グラフで項目として表示する対象の例として挙げられています。
特定の配列の尺度 (たとえば、"強くそう思う"、"そう思う"、"どちらともいえない"、"そう思わない"、"まったくそう思わない" などの項目を持つリッカート尺度) 出典: Microsoft Office で利用可能なグラフの種類
1つの質問だけなら縦棒グラフでも十分ですが、「講座の内容」「講師の説明」「会場」「時間の長さ」のように、同じ5段階で聞いた質問が複数あるなら、帯グラフを縦に並べると比較が楽になります。
見やすくするための決まりは次のとおりです。
- 選択肢の順番を、すべての帯でそろえる(左から「とても満足」→「とても不満」)
- 色は、良い側を同じ色の濃淡、悪い側を別の色の濃淡にし、真ん中は灰色にする
- 帯の中に割合の数字を書く(小さすぎる部分は省いてよい)
- 帯の並びは、「満足」の割合が高い順に並べる
2つ目の色の付け方が、見やすさを大きく左右します。5つの選択肢に赤、青、黄、緑、紫のようにばらばらの色を付けると、どこまでが良い評価なのかが一目で分かりません。良い側を青の濃淡、悪い側をオレンジの濃淡、真ん中を灰色にすると、帯の左側の青い部分の長さだけで、満足の度合いが伝わります。
平均点で示す方法もありますが、平均点は「満足の人が多い」のか「とても満足ととても不満に分かれている」のかを区別できません。分かれ方を見せたいなら、帯グラフで分布そのものを示すほうが誤解がありません。
Excelで帯グラフを作る流れ
Excelで5段階の評価の帯グラフを作る場合は、集計の表を次の形に整えてから始めます。
・縦の列に質問(「講座の内容」「講師の説明」など)を並べる
・横の行に5段階の選択肢を、「とても満足」から「とても不満」の順に並べる
・交わるセルに、人数か割合を入れる
この表を選び、[挿入]タブの横棒グラフの中から100%積み上げ横棒を選ぶと、質問ごとの帯が並んだグラフができます。帯の並びが表の順番と上下逆になることがあるので、その場合は縦の軸の設定で順番を反転させます。
グラフができたら、Microsoftの公式ヘルプにある[グラフ要素の追加]から、データラベル(帯の中に表示する数字)を付けます。凡例は、帯の上に選択肢の名前を一度だけ書けば不要になるので、外したほうがすっきりします。最後に、それぞれの選択肢の色を、良い側と悪い側の濃淡、真ん中の灰色に塗り替えれば完成です。
一度整えたグラフは、グラフのテンプレートとして保存しておくと、次の質問や次回のアンケートでも同じ色と並びで作れます。資料の中で同じ形式のグラフの見た目がそろうと、読む人は色の意味を一度覚えるだけで済みます。
複数回答は、横棒グラフで多い順に並べる
当てはまるものをすべて選ぶ複数回答の質問は、回答の合計が100%を超えます。このため、円グラフや帯グラフは使えません。全体を100%として割合を示すと、実際の結果と違う印象を与えてしまいます。
複数回答の結果は、横棒グラフで、選んだ人の割合が多い順に上から並べるのが基本です。
見やすくするための決まりは次のとおりです。
・割合の分母は「回答者の数」にし、グラフの下に「回答者数120人、複数回答」と書く
・棒は多い順に並べ、「その他」と「特になし」は最後にする
・選択肢の名前は棒の左に書く(横棒なので長い名前でも読める)
・棒の右端に割合の数字を書き、目盛線は最小限にする
縦棒グラフでも同じ内容は示せますが、選択肢の名前が長いと、横の軸のラベルが斜めになったり、折り返されたりして読みにくくなります。アンケートの選択肢は文章に近い長さになることが多いので、横棒グラフのほうが向いています。
選択肢が10個を超える場合は、上位の5〜7個だけをグラフにし、残りは「その他」としてまとめるか、付録の表に回します。全部を並べると、グラフが縦に長くなり、上位の違いが伝わりにくくなります。
クロス集計は、属性ごとの帯を並べて比べる
クロス集計とは、「年代ごとの満足度」「利用の回数ごとの要望」のように、2つの質問を掛け合わせて集計したものです。属性によって答えがどう違うかを見せたいときに使います。
クロス集計の結果は、表のままだと数字が多く、違いが読み取りにくくなります。グラフにするなら、属性ごとに100%積み上げ横棒グラフを縦に並べる形が見やすくなります。
たとえば年代ごとの満足度なら、「20代」「30代」「40代」「50代以上」の帯を縦に並べ、それぞれの帯を満足度の5段階で区切ります。帯の長さはすべて100%でそろうので、どの年代で満足の割合が高いかが、色の部分の長さで比べられます。
クロス集計で気をつけたいのは、属性ごとの回答の件数です。年代別に分けた結果、「50代以上」が5人しかいない、ということがよくあります。5人のうち1人の答えが変わるだけで、割合は20ポイント動きます。
このため、クロス集計のグラフには、属性ごとの件数を必ず書きます。帯の左の属性の名前に「20代(n=34)」のように添えておく形が一般的です。nは、その属性の回答の件数を表します。件数が極端に少ない属性は、隣の属性とまとめるか、「参考値」と書き添えます。
クロス集計の表を表のまま示す場合は、割合の高いセルの背景に薄い色を付ける方法もあります。Excelの条件付き書式を使えば、数値の大きさに応じて自動で色の濃さを変えられます。数字を全部読まなくても、どこが高いのかが分かります。
自由記述は、分類の件数と代表的な声で示す
自由記述の回答は、そのまま全部を資料に載せても読まれません。見やすく示すには、次の2つを組み合わせます。
- 分類ごとの件数を、横棒グラフで多い順に示す
- 分類ごとに、代表的な回答を1〜2件そのまま引用する
分類は、回答を読みながら「時間」「内容」「会場」「講師」のように5〜8個に分けて作ります。1つの回答に複数の話題が含まれていれば、それぞれの分類に数えます。
代表的な回答の選び方にも気を配ります。強い言葉の回答や、珍しい意見ばかりを選ぶと、全体の傾向と違う印象を与えます。その分類の中で、多くの回答に共通する内容を、分かりやすく書いているものを選びます。
文字の大きさで頻出の言葉を示すワードクラウドも、見た目の印象は強いのですが、言葉の前後の文脈が失われます。「良い」という言葉が大きく出ても、「良いと思えなかった」の一部である可能性があります。報告の資料では、分類と件数で示し、ワードクラウドは補助に留めるほうが誤解がありません。
見やすさを左右する細かな決まり
グラフの種類を正しく選んでも、細かな部分で見にくくなることがあります。アンケート結果の資料で、特に気をつけたい点をまとめます。
立体のグラフを使わない
Excelには立体(3-D)のグラフも用意されていますが、アンケートの結果には使いません。立体にすると、手前の部分が大きく、奥の部分が小さく見え、割合が実際と違って見えます。円グラフを立体にすると、手前の扇形が実際より大きく見えるのが典型です。
縦の軸は0から始める
棒グラフの縦の軸を途中の値から始めると、小さな差が大きく見えます。満足度の割合が78%と82%の2本の棒を、軸を70%から始めて描くと、片方が倍近い長さに見えてしまいます。棒グラフの軸は0から始めるのが基本です。
折れ線グラフで推移を見せる場合は、軸を0から始めなくてもよいことがありますが、そのときは軸の数字をはっきり書いておきます。
割合には必ず分母を添える
「満足82%」だけでは、10人中8人なのか、500人中410人なのかが分かりません。グラフのタイトルの下か、グラフの下に「回答者数n=120」のように必ず書きます。件数が少ない場合は、割合ではなく人数で示すほうが正直な場合もあります。
小数点の桁をそろえる
割合を「82.3%」「7.5%」「10%」のようにばらばらの桁で書くと、読みにくくなります。整数でそろえるか、小数点以下1桁でそろえます。整数に丸めた結果、合計が99%や101%になることがありますが、その場合はグラフの下に「四捨五入のため合計が100%にならない場合がある」と書いておきます。
色は少なく、意味を持たせる
1枚の資料の中で使う色は、3〜4色に抑えます。強調したい選択肢だけに色を付け、ほかは灰色にする方法も効果があります。色の見分けにくさに配慮するなら、赤と緑の組み合わせを避け、青とオレンジのように明るさの違う色を選びます。
表で見せるときに見やすくする工夫
すべての結果をグラフにする必要はありません。数字そのものを正確に伝えたい場合や、付録に全部の質問の集計をまとめる場合は、表のほうが向いています。表を見やすくするには、次の工夫が効きます。
1つ目は、罫線を減らすことです。すべてのセルを格子の罫線で囲むと、線ばかりが目に入り、数字が読みにくくなります。見出しの行の下と、表の上下にだけ線を引き、縦の線をなくすと、すっきりとした表になります。行が多い場合は、1行おきに薄い背景の色を付けると、横に目で追いやすくなります。
2つ目は、数字を右にそろえることです。人数や割合のように桁が変わる数字は、右にそろえると桁が縦に並び、大小を比べやすくなります。選択肢の名前のような文字は左にそろえます。
3つ目は、人数と割合を並べて書くことです。「41(82.0%)」のように1つのセルにまとめるより、人数の列と割合の列を分けたほうが、どちらかだけを追いたい人にも読みやすくなります。
4つ目は、合計の行を最後に置き、太字にするか上に線を引いて区別することです。合計がどこにあるかがすぐ分かると、表全体の大きさをつかみやすくなります。
付録の表は、質問の番号と質問の文をそのまま見出しに書いておきます。本文のグラフでは質問を短く言い換えていても、付録を見れば元の質問が分かるようにしておくと、後から確かめる人が迷いません。
前回の結果と比べて見せる方法
同じアンケートを毎年や毎回の講座で続けている場合は、前回との比較が、報告でもっとも価値のある情報になります。今回の満足度が80%という数字だけでは、それが良いのか悪いのかが分かりません。前回が74%だったと分かって初めて、改善が効いたことが伝わります。
比較を見せる方法は、伝えたい内容で選びます。
・2回分を比べる:同じ質問の帯グラフを、前回と今回で上下に並べる
・3回以上の推移を見せる:満足の割合を折れ線グラフで示す
・選択肢ごとの増減を見せる:横棒グラフに、前回からの差を「+6」「-3」のように添える
比べるときは、質問の文と選択肢が前回と同じかを必ず確かめます。選択肢を「満足」から「やや満足」に変えた、5段階を4段階に変えた、といった違いがあると、数字の差がそのまま比較になりません。変えた場合は、その旨をグラフの下に書いておきます。
回答した人の顔ぶれが大きく変わった場合も注意が要ります。前回は常連の参加者が中心で、今回は初めての参加者が多かった、という場合、満足度の差は講座の改善ではなく、答えた人の違いから来ているかもしれません。属性の質問があれば、属性ごとに分けて比べると、顔ぶれの違いの影響を見分けられます。
読む相手によって見せ方を変える
同じアンケートの結果でも、誰に見せるかで、資料の作り方は変わります。読む相手を3つに分けて考えると、見せ方を決めやすくなります。
決める立場の人に見せる
経営者や部署の責任者のように、結果を受けて何かを決める人に見せる資料は、結論と次の行動が中心です。最初のページに、分かったことと、それを受けて何を提案するかを書きます。グラフは結論の根拠となる2〜3個に絞ります。詳しい集計は、質問されたときに出せるよう付録に用意しておきます。
現場で動く人に見せる
講師や窓口の担当者のように、結果を日々の仕事に生かす人に見せる資料は、具体的な声が中心です。満足度の割合より、自由記述に書かれた具体的な要望や不満のほうが、明日から何を変えればよいかが分かります。分類ごとの件数と、代表的な回答を多めに載せます。
回答してくれた人に見せる
アンケートに協力してくれた人への結果の報告は、短く、分かりやすくまとめます。全体の傾向を2〜3個のグラフと短い文章で示し、結果を受けて何を変えるかを伝えます。専門的な集計の言葉は使わず、「回答してくださった方の8割が満足と答えてくださいました」のような書き方にします。
3つとも同じ資料を使い回すと、決める人には細かすぎ、現場の人には抽象的すぎ、回答者には難しすぎる資料になります。元の集計は1つでも、見せる資料は相手ごとに作り分けるほうが、結果が生かされます。
よくある見にくい資料と直し方
最後に、アンケート結果の資料でよく見かける見にくい例と、その直し方をまとめます。
・全部の質問に円グラフが付いている:結論に関係する質問だけグラフにし、残りは付録の表にする
・グラフのタイトルが「Q3」だけ:「講座の内容への満足度(n=120)」のように、何のグラフかが分かる題にする
・凡例が離れていて、色と選択肢を見比べないと読めない:選択肢の名前をグラフの中に直接書く
・選択肢の並び順が質問ごとにばらばら:同じ形式の質問は、同じ順番、同じ色にそろえる
・1枚のスライドにグラフが4つ:1枚に1つの結論とグラフにする
・自由記述が全件そのまま貼られている:分類ごとの件数と代表的な回答にまとめ、全件は付録にする
どれも、作る側が「全部の情報を載せたい」と考えたときに起きることです。読む人にとって必要なのは全部の情報ではなく、判断に必要な情報です。何を載せないかを決めることが、見やすい資料への近道です。
資料にまとめる道具の選び方
アンケートの結果をまとめる道具は、読む人と、どう渡すかで選びます。
・社内で回覧するだけ、集計の表が中心:Excelやスプレッドシートのファイルのまま、結論を先頭のシートに書く
・会議で説明する:PowerPointやGoogleスライドで、1枚に1つの結論とグラフ
・外部に配布する、印刷する:Wordなどの文書で、結論と根拠を文章で書き、グラフを差し込む
Googleフォームで集めた場合は、フォームの[回答]から[概要]を開くと、質問ごとの集計とグラフが自動で表示されます。Googleの公式ヘルプでも、[概要]のタブで質問ごとに回答を確かめられると説明されています。手早く全体の傾向をつかむには便利ですが、自動で作られるグラフは、選択肢の並び順や色を細かく整えられません。報告の資料に使う場合は、回答をスプレッドシートに書き出してから、この記事の決まりに沿ってグラフを作り直すほうが見やすくなります。
道具の操作より大事なのは、1枚に1つの結論という原則です。スライドでも文書でも、1枚に複数のグラフを詰め込むと、どれを見ればよいかが分からなくなります。
まとめた資料を確かめるチェックリスト
資料ができたら、渡す前に次の点を確かめます。
・最初のページを読むだけで、結論が3つ以内で分かるか
・結論ごとに、根拠となるグラフが1つずつ付いているか
・グラフの種類が、伝えたいこと(比べる、割合、変化)に合っているか
・複数回答の結果を、円グラフや帯グラフで示していないか
・すべてのグラフに、分母(回答者数)が書かれているか
・選択肢の並び順と色が、同じ形式の質問どうしでそろっているか
・立体のグラフや、0から始まらない棒グラフの軸がないか
・クロス集計で、件数の少ない属性に注意書きがあるか
チェックリストの中で、最後まで残りやすいのは分母の書き忘れです。集計の途中で回答を外したり、未回答の扱いを変えたりすると、グラフごとに分母が違うことがあります。グラフを作り終えたら、すべてのグラフの分母を一覧に書き出し、どこで違いが出ているかを確かめます。違いがある場合は、その理由(未回答を除いた、属性を絞った)をグラフの下に書いておくと、読む人が数字を取り違えずに済みます。
アンケートの内容を知らない人に一度見てもらい、最初のページだけで何が分かったかを聞いてみると、伝わり方を確かめられます。
結果を受けた回答者への連絡を、1つの画面で扱える道具を無料から試す
アンケートの結果をまとめた後には、回答者への連絡が続くことがあります。不満と答えた人に事情を聞く、要望を書いてくれた人に対応を伝える、参加すると答えた人に案内を送る。こうした連絡を、集計の表を見ながら別のメールソフトで送っていると、誰に何を伝えたかの記録が分かれていきます。
回答の受付から、一件ごとの対応と返信までを1つの画面で扱いたいなら、それができる道具を選ぶ方法があります。
その1つが Halict です。公式サイトによると、Halict はフォームを作って受け付けた回答を一件ごとに担当と状況つきで管理し、返信も同じ画面から送れて、開封まで記録される、受付から対応までのフォームの道具です。公式サイトに挙げられている主な機能は次のとおりです。
・作りたいフォームを一言で伝えると、AIが質問や選択肢、必須の設定まで下書きを作る
・回答する人には目の前の1問だけを表示する、1画面1問の形式
・テキスト、選択肢、評価、日付、メールなど12種類の項目
・集まった回答はリアルタイムに一覧で確認でき、ワンクリックでCSVに書き出せる
・届いた一件ごとに担当と状況が残り、同じ画面から返信を送れる
・有料のプランでは、Googleスプレッドシートとの連携、Teams・Slack・Chatwork への通知、一斉メールと開封・クリックの計測、メールのひな形
回答をCSVやスプレッドシートに書き出してこの記事の方法でグラフにまとめ、個別の対応が必要な回答は Halict の画面で担当を決めて返信する、という分け方ができます。結果の報告を回答者全員に一斉メールで送り、開封まで確かめる使い方も、10人まで使えるチームのプランで行えます。
料金はメンバーの人数で決まり、公式の料金ページでは、フリーのプランは0円でメンバー1人まで、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と書かれています。3人まで使うスターターは月額2,980円(税抜)、10人まで使うチームは月額7,800円(税抜)で、年払いは2か月分が無料になります。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
アンケートのまとめと資料づくりを、仕事として受ける側から見る
アンケートの集計結果を見やすい資料にまとめる仕事は、在宅で受けられる仕事としても依頼が出ています。集計の作業は社内でできても、読む人に伝わる資料に仕上げるところまで手が回らない、という会社や団体は少なくありません。
結果を分析して報告書にまとめる仕事は、調べて考える力が求められます。こうした仕事の相場の目安は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。グラフや資料を見やすく整える仕事は、デザイナーの年収・単価相場の中で扱われる仕事と重なります。調査の設計から結果の読み取りまでを、生成AIの活用も含めて支援する仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で業務の内容が紹介されています。
フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、資料づくりの仕事で次の依頼につながる人は、グラフの見た目より、最初のページの結論の書き方に時間を使っています。依頼主が会議で説明するとき、その数行がそのまま使えるからです。中間の仲介料がかからない直接の取引であれば、同じ予算で依頼主はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。読む人のことまで考えた資料を納める人ほど、長く頼まれます。
よくある質問
Q. アンケート結果を見やすくまとめるコツは何ですか?
質問の順番どおりに全部を並べず、結論から組み立てることです。最初のページに、分かったことを3つ以内で数字を添えて書き、結論ごとに根拠のグラフを1つずつ示します。結論に関係しない質問の集計は付録の表にまとめます。グラフには必ず回答者数を書き、同じ形式の質問どうしで選択肢の並び順と色をそろえると、読む人が比べやすくなります。
Q. アンケートの結果は円グラフと棒グラフのどちらがよいですか?
伝えたいことで選びます。単一回答で選択肢が2〜4個程度なら円グラフも使えますが、5つを超えると見にくくなります。選択肢が多い場合や、複数の質問を並べて比べたい場合は、100%積み上げ横棒グラフ(帯グラフ)が向いています。選択肢どうしの多い少ないを比べたいなら、横棒グラフで多い順に並べる形が見やすくなります。
Q. 複数回答の結果を円グラフにしてはいけないのはなぜですか?
複数回答では1人が複数の選択肢を選ぶため、選択肢ごとの割合を合計すると100%を超えます。円グラフや帯グラフは全体を100%として示すグラフなので、複数回答に使うと実際と違う割合に見えてしまいます。複数回答の結果は、回答者の数を分母にした割合を、横棒グラフで多い順に並べて示し、グラフの下に複数回答であることを書きます。
Q. 5段階評価のアンケート結果はどう見せればよいですか?
100%積み上げ横棒グラフで、選択肢の分布を示す方法が見やすくなります。良い側の選択肢を同じ色の濃淡、悪い側を別の色の濃淡、真ん中を灰色にすると、満足の度合いが帯の色の長さで伝わります。同じ5段階で聞いた質問が複数ある場合は、帯を縦に並べ、満足の割合が高い順に並べると比較が楽になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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