生活支援サポーターの資格|養成研修と活動


この記事のポイント
- ✓生活支援サポーターの資格は国家資格ではなく
- ✓市区町村や社会福祉協議会が行う養成研修の修了で活動できる仕組みです
- ✓仙台市と尼崎市の研修の実例
生活支援サポーターの資格を調べている人の多くは、地域の高齢者の手助けをしてみたい、定年後や子育ての合間に無理のない形で人の役に立ちたいと考えていて、どんな研修を受ければ活動できるのか、介護の資格がなくても大丈夫なのかを知りたいと考えています。結論から言うと、生活支援サポーターは国家資格ではありません。お住まいの市区町村や社会福祉協議会が行う養成研修を修了すると、その地域で高齢者の家事の手助けなどの活動に参加できる仕組みです。研修は2日から3日程度で、受講料が無料の地域もあります。この記事では、厚生労働省の資料と、実際に研修を行っている自治体の案内で確かめた内容をもとに、仕組み、研修の中身、活動の内容、ほかの介護の研修との違いを順番に説明します。
生活支援サポーターは国家資格ではない
最初に押さえておきたいのは、「生活支援サポーター」という名前の全国共通の資格は存在しないという点です。介護福祉士のような国家資格や、介護職員初任者研修のように国が科目と時間数を定めた研修とは性格が違います。
生活支援サポーターは、市区町村が地域の実情に合わせて設けている担い手の呼び名です。研修の時間数や内容、修了後にできる活動の範囲、呼び名そのものも、地域ごとに違います。同じような役割の担い手を、仙台市では「訪問支援員」と呼び、そのための研修を「生活支援介護サポーター養成研修」としています。尼崎市では「生活支援サポーター」と呼んでいます。ほかの地域では、生活援助員、くらしのサポーター、地域支え合いサポーターなど、別の名前が使われていることもあります。
このため、「生活支援サポーターの資格を取りたい」と考えたときは、全国共通の資格を探すのではなく、自分が住んでいる市区町村で、どんな名前で、どんな研修が行われているかを調べることが出発点になります。
修了証も、原則としてその研修を行った地域や団体の中で通用するものです。尼崎市社会福祉協議会の案内では、修了の特典として「兵庫県内で有効な修了証を交付」と書かれています。引っ越しをすると、引っ越し先で改めて研修を受ける必要が出てくることがあります。
背景にある国の制度:総合事業
生活支援サポーターの仕組みの背景には、介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)という国の制度があります。総合事業とは、介護の必要度が比較的軽い高齢者に向けて、市区町村が地域の実情に合わせたサービスを用意する事業のことです。
厚生労働省は、総合事業の資料の中で、この事業が求められる背景を次のように説明しています。
○ 単身世帯等が増加し、支援を必要とする軽度の高齢者が増加する中、生活支援の必要性が増加。 ボランティア、NPO、民間企業、協同組合等の多様な主体が生活支援・介護予防サービスを提供することが必要。 出典: 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業について」
一人暮らしの高齢者が増え、掃除やゴミ出し、買い物など、日常のちょっとした困りごとへの手助けが必要な人が増えています。こうした手助けを、介護の専門職だけでまかなうのは難しいため、地域の住民やNPO、民間企業などの多様な担い手が加わる仕組みが作られました。生活支援サポーターは、この「多様な担い手」の1つです。
同じ資料では、総合事業の訪問型のサービスをいくつかの種類に分けています。
| 種類 | 担い手の例 | 基準を決めるところ |
|---|---|---|
| 従前相当サービス | 訪問介護員(ホームヘルパー)など | 国が定める基準を例にしたもの |
| サービス・活動A | 介護サービス事業者以外の多様な主体の従事者など | 市町村 |
| サービス・活動B | 有償・無償のボランティアなど、住民主体の活動 | 市町村 |
| サービス・活動C | 保健医療の専門職 | 市町村 |
生活支援サポーターが活動するのは、主にサービス・活動AとBです。Aは、事業所などに雇われた担い手が、市町村の基準にもとづいて家事の手助けなどを行う形です。Bは、住民のボランティア団体などが主体となって手助けを行う形です。どちらの形を採るかは地域によって違い、それによって活動の仕方や報酬の扱いも変わります。
研修の実例1:仙台市の生活支援介護サポーター養成研修
具体的な研修の姿を、仙台市の例で見てみます。仙台市の公式サイトでは、令和8年度の研修を次のように案内しています。
仙台市介護予防・日常生活支援総合事業における生活支援訪問型サービスに従事できる「訪問支援員」になるための研修です。 この研修では、介護の基本的な知識や技術等を2日間かけて学びます。 出典: 仙台市「令和8年度生活支援介護サポーター養成研修」
同じページでは、研修を修了すると、ヘルパー等の資格がなくても家事などの援助を行うサービス従事者として就業できるようになると説明されています。
研修の概要は次のとおりです。
- 日程は2日間で、各日9時20分から16時まで
- 令和8年度は年4回で、5月、8月、11月、2月に実施
- 受講料は無料
- 定員は各回30名程度で、申込みが多い場合は抽選
- 申込みは、ハガキ、ファクス、Eメールのいずれか
学ぶ科目は、職務の理解(高齢者の施策の移り変わり、介護保険制度の概要、生活援助の内容)、尊厳の保持と自立支援、介護の基本(秘密の保持、事故の予防と安全対策、衛生管理、苦情への対応)、加齢や老化に伴う心と体の変化(高齢者の特性、認知症の理解、障害の基礎知識)、コミュニケーションの技術(実技を含む)、生活支援(家事の実技を含む)です。
仙台市の例で分かるのは、この研修が「家事の手助けを仕事として行う人」を育てるためのものだという点です。修了すると、市の総合事業のサービスを行う事業所で、従事者として働くことができます。
研修の実例2:尼崎市の生活支援サポーター養成研修
次に、尼崎市の例を見てみます。尼崎市では、尼崎市社会福祉協議会が研修の参加者を募集しています。社会福祉協議会とは、地域の福祉を進めるために市区町村ごとに置かれている民間の団体のことで、ボランティアの受付や福祉の相談などを行っています。
令和8年度第1回(立花地区)の案内では、生活支援サポーターを「高齢者の買い物や掃除、ゴミ出し、見守りなど、日常生活のちょっとした困りごとを支える活動」と説明し、特別な資格や経験は必要ないとしています。
研修の概要は次のとおりです。
- 日程は3日間(7月28日、29日、8月4日)
- 受講料は無料で、定員は50名の先着順
- 研修では、高齢者との接し方、介護予防、地域で支え合うための考え方を学ぶ
- 修了すると、兵庫県内で有効な修了証が交付される
- 修了後の活動の紹介や、フォローアップの研修がある
尼崎市の案内では、修了の特典として、地域のポイントの付与や、認知症サポーターの証であるオレンジリングの進呈も挙げられています。認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、地域で認知症の人や家族を温かく見守る人のことです。
仙台市と尼崎市を比べると、研修の日数、時間の組み方、修了後の扱いが少しずつ違うことが分かります。仙台市は事業所で働く従事者を育てる色合いが強く、尼崎市は地域の支え合いの活動に参加する人を広く募る色合いが強い、という違いもあります。自分の地域の研修がどちらの性格を持っているかは、募集の案内で確かめてください。
研修で学ぶ内容をくわしく
生活支援サポーターの研修は短いものの、活動の土台になる内容がまとめて扱われます。仙台市の研修の科目をもとに、それぞれで何を学ぶのか、活動のどの場面で役立つのかを説明します。
職務の理解
高齢者の施策がどのように移り変わってきたか、介護保険制度がどんな仕組みか、生活援助として何をするのかを学びます。自分の活動が、どの制度の中の、どんな役割なのかを知る科目です。制度の全体を知っておくと、利用者や家族から「これもお願いできますか」と頼まれたときに、引き受けてよいことかどうかを判断する手がかりになります。
尊厳の保持と自立支援
利用者の人権と尊厳を守ること、そして利用者が自分でできることを奪わないことを学びます。自立支援とは、利用者ができることは自分で続けられるように手助けする考え方のことです。たとえば、掃除のすべてを代わりに行うのではなく、利用者が自分でできる部分は一緒に行う、というように関わり方を工夫します。手助けをしすぎると、利用者の体の力が落ちてしまうことがあるためです。
介護の基本
秘密の保持、事故の予防と安全対策、衛生管理、苦情への対応を学びます。利用者の家で物を壊してしまった、利用者が転んでしまった、といった場面でどう動くかを、あらかじめ知っておく科目です。感染症を広げないための手洗いや、調理の際の衛生の考え方もここで学びます。
加齢や老化に伴う心と体の変化
高齢者の体の特徴、認知症の理解、障害の基礎知識を学びます。耳が聞こえにくい人への話し方、物忘れが目立つ人への接し方など、日々の活動で直接役立つ内容です。認知症の人に対して、間違いを強く指摘せずに、本人の気持ちを受け止める関わり方もここで学びます。
コミュニケーションの技術と生活支援
利用者への接し方を実技も交えて学び、家事の手助けの方法を練習します。家庭によって掃除や片付けのやり方、物の置き場所には決まりがあります。自分のやり方を押しつけず、利用者のやり方を尊重して手助けすることが大切です。
生活支援サポーターの活動の中身
生活支援サポーターが行う活動は、地域によって違いますが、おおむね次のような日常の家事の手助けが中心です。
- 部屋の掃除、整理整頓
- 洗濯、衣類の整理
- ゴミの分別とゴミ出し
- 日用品や食料品の買い物
- 簡単な調理、配膳
- 話し相手、安否の見守り
一方で、体に直接触れる介護(入浴の介助、排せつの介助、食事の介助など)は、原則として生活支援サポーターの活動の範囲に含まれません。これらは身体介護と呼ばれ、介護職員初任者研修などを修了した訪問介護員が行う仕事です。サポーターの活動中に、利用者が体調を崩したり、身体介護が必要に見えたりしたときは、自分で対応しようとせず、事業所や地域包括支援センターに連絡するのが基本です。地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを支えるための総合的な相談窓口で、市区町村ごとに設けられています。
厚生労働省の総合事業の資料では、サービス・活動AとBの内容として、「高齢者の生活支援のための掃除、買い物等の一部の支援」や「介護予防のための地域住民等による見守り的援助の実施」が挙げられています。あわせて、高齢者が担い手となって活動することも想定されています。生活支援サポーターは、支えられる側だけでなく、元気な高齢者が支える側に回ることも期待されている仕組みです。
報酬の考え方:雇用か、ボランティアか
生活支援サポーターの活動で報酬が出るかどうか、どんな形で出るかは、活動の形によって違います。大きく分けると次の2つです。
事業所に雇われて働く場合
サービス・活動Aのように、総合事業のサービスを行う事業所に雇われて活動する場合は、事業所との雇用契約にもとづいて賃金が支払われます。この場合は労働者として扱われるため、最低賃金や労働時間のルールが適用されます。仙台市の研修のように「従事者として就業できる」とされている研修は、この形を想定しています。働く条件は事業所ごとに違うため、求人票や面接で、時給、勤務の時間帯、移動にかかる時間の扱いを確かめてください。
住民主体の活動に参加する場合
サービス・活動Bのように、住民のボランティア団体などで活動する場合は、無償のボランティアか、謝礼や実費の弁償を受け取る有償ボランティアになることが多くあります。有償ボランティアの謝礼は、雇用契約にもとづく賃金とは性格が違い、活動にかかった交通費の弁償や、感謝の気持ちとしての謝礼という位置づけです。金額は団体ごとに決められています。
尼崎市のように、地域のポイントが付与される仕組みを設けている地域もあります。ポイントは、地域の店で使えたり、寄付に回せたりするものが多く、現金の報酬とは別のものです。
活動を始める前に、どちらの形で活動するのか、報酬や謝礼があるならどんな性格のものか、活動中のけがや事故に備えた保険に入れるのかを、研修の主催者や活動先の団体に確かめておくと安心です。
なお、謝礼などの収入が生じた場合の税金の扱いは、金額や受け取り方によって変わります。一般に、雇用契約にもとづく賃金は給与として扱われ、有償ボランティアの謝礼は雑所得として扱われることが多いとされていますが、個別の事情によって違うため、気になる場合は税務署で確かめてください。
ほかの介護の研修との違い
生活支援サポーターの研修と、国が科目と時間数を定めている介護の研修との違いを整理します。
| 研修 | 根拠 | 時間数 | 修了後にできること |
|---|---|---|---|
| 生活支援サポーター養成研修 | 市区町村の総合事業など | 地域で違う(2日から3日程度の例が多い) | その地域の総合事業の家事支援など |
| 介護に関する入門的研修 | 国の通知にもとづき都道府県などが実施 | 実施する都道府県などの案内で確認 | 介護の基本の理解、初任者研修の一部免除の場合あり |
| 生活援助従事者研修 | 介護保険法施行規則 | 59時間 | 訪問介護のうち生活援助中心のサービス |
| 介護職員初任者研修 | 介護保険法施行規則 | 130時間 | 訪問介護の身体介護と生活援助 |
生活援助従事者研修
介護保険法施行規則では、訪問介護員の研修の課程を、介護職員初任者研修課程と生活援助従事者研修課程の2つと定めています。厚生労働省の通知では、生活援助従事者研修を、生活援助中心型のサービスに従事する人の裾野を広げるとともに、担い手の質を確保するための研修と位置づけています。研修の時間数は合計59時間で、修了評価の筆記試験が別に行われます。実施するのは、都道府県か、都道府県知事が指定した事業者です。
生活支援サポーターの研修が市区町村の総合事業の中で通用するのに対し、生活援助従事者研修は、介護保険の訪問介護のうち、生活援助を中心とするサービスに従事するための全国共通の研修です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の仕事の入り口となる研修で、合計130時間です。滋賀県の案内では、科目のうち「こころとからだのしくみと生活支援技術」が75時間を占め、全科目の修了後に1時間以上の筆記試験で修了の評価が行われると説明されています。修了すると、訪問介護で身体介護も含めた仕事ができるようになります。
介護に関する入門的研修
介護に関する入門的研修は、介護の経験がない人が、介護の基本的な知識と技術を学ぶための研修です。滋賀県の案内では、修了者が介護職員初任者研修などを受講するときに、課程の一部が免除される場合があると説明されています。
利用する側から見た仕組み
生活支援サポーターが手助けする相手は、どんな人なのかも知っておくと、活動の意味がつかみやすくなります。
厚生労働省の総合事業の資料では、サービス・活動AとBの対象者を、要支援者と事業対象者、そして継続して利用する要介護者としています。要支援者とは、介護保険の認定で「要支援1」か「要支援2」と判定された、日常生活の一部に手助けが必要な人のことです。事業対象者とは、要支援の認定を受けていなくても、市区町村の基本チェックリストという質問票で、生活機能の低下が見られると判断された人のことです。
利用者は、地域包括支援センターなどと相談しながら、どんな手助けを、どのくらいの頻度で受けるかを決めます。生活支援サポーターは、その計画にもとづいて、決められた家事の手助けを行います。サポーターが自分の判断で手助けの内容を広げないのは、こうした計画にもとづいて活動しているためです。
利用者が支払う費用は、サービスの種類と市区町村の決めた額によって違います。サポーターが利用者から直接お金を受け取ることは、原則としてありません。利用者から個人的にお礼の品やお金を渡されそうになったときは、受け取らずに事業所や団体に相談するのが基本です。
生活支援サポーターに向いている人
生活支援サポーターの活動は、特別な技能よりも、人と関わる姿勢が大切な活動です。次のような人に向いています。
- 家事を日常的にこなしていて、掃除や買い物、簡単な調理に抵抗がない人
- 相手の話をじっくり聞くことができる人
- 決められた手順や約束を守ることができる人
- 地域の人とのつながりを持ちたい人
- 定年後や子育ての合間に、短い時間で人の役に立ちたい人
年齢の条件を設けていない研修が多く、元気な高齢者が担い手になることも期待されています。厚生労働省の資料でも、高齢者が社会参加や社会的な役割を持つことが、生きがいや介護予防につながると説明されています。支える側に回ることが、自分自身の健康づくりにもつながるという考え方です。
一方で、決まった時間に利用者の家を訪ねる活動のため、予定が急に変わりやすい人や、体調に不安がある人は、無理のない頻度から始めることをおすすめします。活動の頻度や時間帯は、事業所や団体と相談して決められることが多くあります。
研修を修了してから活動を始めるまで
研修を修了してから、実際に活動を始めるまでの一般的な流れを紹介します。地域によって違うため、細かな点は主催者の案内に従ってください。
- 修了証を受け取る。研修の全日程に出席し、修了証の交付を受けます。欠席があると修了できない研修もあるため、日程を確保してから申し込みます
- 活動先を決める。事業所に雇われて働く場合は求人に応募し、ボランティア団体で活動する場合は団体に登録します。研修の主催者が、修了後の活動先を紹介してくれる地域もあります
- 説明を受ける。活動先から、活動の範囲、記録の書き方、緊急時の連絡先、保険の扱いについて説明を受けます
- 同行で慣れる。最初の数回は、経験のある担い手や事業所の職員と一緒に訪問して、流れを覚える形をとる活動先もあります
- 1人で活動する。慣れてきたら、決められた利用者の家を1人で訪ねて活動します
修了から時間が空くと、研修で学んだ内容を忘れてしまいがちです。尼崎市のように、修了後のフォローアップの研修を設けている地域もあるため、積極的に参加すると安心して活動を続けられます。
どの研修から始めればよいか
自分に合う研修を選ぶための考え方を、目的別に整理します。
地域の手助けを無理なく始めたい人
週に数時間、近所の高齢者の手助けをしたい、という人には、生活支援サポーターの研修が向いています。研修は短く、受講料が無料の地域もあり、特別な資格や経験がなくても参加できます。まずはお住まいの市区町村の高齢者福祉の担当課か、社会福祉協議会、地域包括支援センターに、研修の有無を問い合わせてください。
介護の仕事に就くことも考えている人
将来、介護の仕事に就くことも考えているなら、生活支援サポーターの研修で雰囲気をつかんだうえで、介護職員初任者研修に進む道があります。初任者研修を修了すると、訪問介護や施設の介護で働ける場が大きく広がります。生活援助従事者研修は、身体介護は行わず、家事の手助けを中心に訪問介護の仕事をしたい人に向いています。
家族の介護に備えたい人
親の暮らしに手助けが必要になってきた、近いうちに家族の介護が始まりそうだ、という人にとっても、生活支援サポーターの研修は役に立ちます。研修では、高齢者の体の変化、認知症の人への接し方、介護保険の仕組み、相談先としての地域包括支援センターの役割などを短い時間で学べます。
家族の介護では、どこに相談すればよいか分からずに一人で抱え込んでしまうことがよくあります。研修で制度の全体像と相談先を知っておくと、いざというときに早めに専門職の力を借りられます。修了後に活動を続けるかどうかは、研修を受けてから決めても遅くありません。ただし、研修の募集は、地域で活動する担い手を育てることを目的にしているため、修了後に活動することを前提にしている研修もあります。申し込む前に、修了後の活動が求められるかどうかを確かめてください。
地域ごとの違いを確かめる
研修の内容や修了後の扱いは地域ごとに違うため、次の点を問い合わせ先で確かめてください。
- 研修の日数と時間、受講料
- 修了後に活動できる範囲(市内だけか、県内でも通用するか)
- 活動の形(事業所に雇われるのか、ボランティア団体で活動するのか)
- 報酬や謝礼の有無と性格
- 活動中の事故に備えた保険の扱い
- 修了後のフォローアップの研修の有無
研修の探し方と申込みの流れ
研修の情報は、全国をまとめて探せる場所がないため、自分で地域の情報を探す必要があります。探し方の順番を紹介します。
- 市区町村の公式サイトで、「生活支援サポーター」「総合事業」「訪問型サービス」「担い手養成」などの言葉で検索します
- 見つからない場合は、社会福祉協議会の公式サイトで、ボランティアの募集や研修のお知らせを確かめます
- それでも分からない場合は、地域包括支援センターか、市区町村の高齢者福祉の担当課に電話で問い合わせます
申込みの方法は、ハガキ、ファクス、Eメール、Webのフォーム、電話など、地域によって違います。仙台市はハガキ、ファクス、Eメール、尼崎市はWebのフォーム、電話、ファクス、メールで受け付けています。定員があり、先着順や抽選で受講者が決まるため、募集の時期を逃さないことが大切です。年に数回しか開かれない地域もあります。
市役所や区役所の窓口に問い合わせる場合は、受付の時間を確かめてから連絡してください。仙台市の案内では、市役所や区役所などの主な窓口の受付時間を平日の9時から16時30分と案内しています(土日祝日と年末年始は休み)。
活動でよくある場面と対応の考え方
活動を始めると、研修では想定していなかった場面に出会うことがあります。よくある場面と、対応の考え方を紹介します。
利用者が留守だった
約束の時間に訪ねても応答がない場合は、すぐに帰らず、事業所や団体に連絡して指示を受けます。高齢者の一人暮らしでは、家の中で倒れている可能性もあるためです。自分の判断で家に入ったり、近所に事情を話したりせず、決められた連絡の手順に従います。
頼まれた家事が範囲外だった
窓の外側の掃除、庭の草取り、大掃除、ペットの世話など、活動の範囲に含まれていない家事を頼まれることがあります。その場で断りにくいときは、「事業所に確認してからお返事します」と伝えて持ち帰ります。範囲外の手助けを一度引き受けると、次から当然のこととして頼まれ、ほかの担い手が困ることにもつながります。
利用者の様子がいつもと違った
食事が減っている、同じ話を何度も繰り返すようになった、家の中が急に散らかってきた、といった変化に気づいたら、記録に残して事業所や団体に伝えます。サポーターは医療や介護の専門職ではないため、自分で原因を判断したり、利用者に病院を勧めたりする必要はありません。変化に気づいて伝えること自体が、専門職が早めに支援を考えるきっかけになります。
買い物の代金を預かった
買い物の手助けでは、利用者からお金を預かることがあります。預かった金額、使った金額、おつりを、レシートと一緒に利用者に確かめてもらうのが基本です。お金のやりとりはトラブルになりやすいため、活動先の決まりに従って、記録を残してください。
活動を長く続けるための心構え
生活支援サポーターの活動は、利用者の生活の中に入る活動です。研修で学ぶ内容のほかに、長く続けるために大切な点があります。
1つ目は、秘密を守ることです。活動の中で知った利用者の暮らしや家族のことは、外で話してはいけません。仙台市の研修でも、介護の基本の科目に秘密の保持が含まれています。
2つ目は、できることとできないことの線を守ることです。利用者から、身体の介護や金銭の管理、範囲外の家事を頼まれることがあります。親切心から引き受けると、事故やトラブルにつながることがあります。範囲外のことは、事業所や団体に相談してから対応します。
3つ目は、自分の体を大事にすることです。掃除や買い物の手助けは、思った以上に体力を使います。無理をせず、続けられる頻度で活動することが、結果として地域の支えになります。
4つ目は、記録と報告を丁寧に行うことです。活動の日時、行った内容、気づいた変化を記録し、事業所や団体に伝えます。利用者の小さな変化に気づき、それを専門職に伝えることも、サポーターの大切な役割です。
介護と福祉の分野で働くことを考えている人へ
生活支援サポーターの活動をきっかけに、介護や福祉の分野で働くことを考える人もいます。介護の分野では、人材を育てるための助成の制度も整えられています。たとえば、福祉用具の貸与を行う事業所が職員の研修に使える助成金については、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で紹介しています。事業所の側から見た人材育成の仕組みを知ると、働く側として研修の機会を探すときの参考になります。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、地域の活動や短時間の仕事を長く続けている人は、自分が担える範囲をはっきりさせ、その範囲の中で確実に役目を果たすことで、周りから信頼を得ています。報酬の多い少ないよりも、「この人に頼めば安心」と思われることが、次の依頼や新しい活動の誘いにつながっています。
活動の中では、記録や報告の文書を書く場面もあります。事業所への報告や、団体での連絡を正確に書く力は、どの働き方でも役立ちます。文書の書き方を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定の内容も参考にしてください。まずはお住まいの地域で研修が行われているかを確かめ、無理のない形で一歩目を踏み出してください。
よくある質問
Q. 生活支援サポーターは国家資格ですか?
国家資格ではありません。市区町村や社会福祉協議会が行う養成研修を修了すると、その地域で高齢者の家事の手助けなどの活動に参加できる仕組みです。研修の内容や時間、呼び名は地域ごとに違い、修了証も原則としてその地域や県の中で通用するものです。
Q. 生活支援サポーターの養成研修は何日かかりますか?
地域によって違います。仙台市の令和8年度の研修は2日間で、各日9時20分から16時まで、尼崎市の令和8年度第1回の研修は3日間でした。どちらも受講料は無料です。お住まいの市区町村や社会福祉協議会の案内で、日程と申込みの方法を確かめてください。
Q. 生活支援サポーターは報酬をもらえますか?
活動の形によって違います。総合事業のサービスを行う事業所に雇われて働く場合は、雇用契約にもとづく賃金が支払われます。住民主体のボランティア団体で活動する場合は、無償か、謝礼や交通費などの実費の弁償を受け取る有償ボランティアになることが多く、金額は団体ごとに決められています。
Q. 生活支援サポーターと介護職員初任者研修の違いは何ですか?
生活支援サポーターの研修は、市区町村が地域の総合事業のために行う短い研修で、主に家事の手助けを担います。介護職員初任者研修は、介護保険法施行規則にもとづく全国共通の研修で、合計130時間です。修了すると、入浴や排せつの介助などの身体介護を含めた訪問介護の仕事ができるようになります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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