持っていると役に立つ資格|生活と仕事に生きるもの


この記事のポイント
- ✓持っていると役に立つ資格を
- ✓手に職の4つの場面に分けて整理します
- ✓第二種電気工事士などの試験の形と受け方を公式の案内で確かめ
持っていると役に立つ資格を探すとき、多くの人が気にしているのは「取ったのに使わなかった」という失敗を避けたいという点です。資格の数は国家資格と民間資格を合わせると非常に多く、ランキングの記事を見ても、自分の暮らしや仕事でどう生きるのかまでは分かりにくいものです。この記事では、役に立つ資格とはどういうものかを先に整理し、暮らしのお金、住まい、仕事の基礎、手に職の4つの場面に分けて、試験を実施する団体の公式の案内をもとに代表的な資格を紹介します。最後に、自分にとって役に立つ資格を見分ける手順も説明します。
役に立つ資格とはどういう資格か
役に立つ資格と一口に言っても、その意味は人によって違います。ここでは、役に立ち方を3つに分けて考えます。
1つ目は、その資格がないとできない仕事がある資格です。法律で、資格を持つ人だけが行える業務が決められているものを、業務独占資格と呼びます。業務独占資格とは、つまり、資格がない人がその仕事をすると法律違反になる資格のことです。電気工事士や宅地建物取引士の一部の業務がこれにあたります。こうした資格は、仕事の場面での価値がはっきりしています。
2つ目は、資格がなくても仕事はできるものの、資格を持っていると知識の水準を示せる資格です。日商簿記検定やITパスポート試験がこれにあたります。経理やITの仕事は資格がなくてもできますが、資格があると、採用する側や仕事を依頼する側が、その人の知識の水準を判断しやすくなります。
3つ目は、仕事に使わなくても、暮らしの中で役に立つ資格です。お金や住まいの知識は、仕事で使わなくても、家計の管理や住まいの契約、保険の見直しといった場面で、損をしない判断につながります。
この3つのどれを求めるかで、選ぶべき資格は変わります。転職や副業に使いたい人は1つ目と2つ目、生活の知識を身に付けたい人は3つ目から選ぶと、取ったあとに使い道がなくなる失敗を避けられます。持っていると役に立つ資格は、資格そのものの人気ではなく、自分の目的との組み合わせで決まります。
国家資格と民間資格の違いを知っておく
資格を選ぶ前に、国家資格と民間資格の違いを知っておくと、紹介の記事や講座の宣伝を読むときに惑わされにくくなります。
国家資格とは、法律にもとづいて、国や国が指定した機関が試験や認定を行う資格のことです。資格の名前を名乗るための条件や、資格を持つ人の義務が法律で決められています。国家資格の中には、FP技能検定のように国家検定と呼ばれるものもあり、これは技能の水準を国の基準で測る仕組みです。
民間資格とは、民間の団体や会社が独自に作って認定している資格のことです。日商簿記検定は日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する検定で、法律上は国家資格ではありませんが、経理の分野では長く使われてきた物差しとして広く知られています。一方で、民間資格の中には、短い講座を受けるだけで認定されるものや、同じ分野に似た名前の資格がいくつもあるものもあります。
どちらが上ということではありません。大切なのは、その資格がどのくらいの人に知られていて、求人や仕事の依頼の場面で評価されているかです。国家資格でも、使う場面が限られていれば役に立つ場面は少なくなりますし、民間資格でも、業界で広く使われていれば大きな武器になります。
判断に迷ったときは、資格を実施している団体の公式のサイトを開き、試験の形、受験者の数、合格した人の活躍の場がどう紹介されているかを確かめます。紹介の記事だけを頼りにせず、実施する団体の情報を自分の目で確かめることが、役に立たない資格を選ばないための第一歩です。
暮らしのお金に役立つ資格:FP技能検定
暮らしの中で最も役に立つ場面が多いのが、お金の知識を学べる資格です。その代表がFP技能検定です。
FP技能検定とは、国家検定のファイナンシャル・プランニング技能検定のことで、家計の管理、保険、年金、税金、住宅ローン、資産の運用、相続まで、暮らしに関わるお金の知識を測ります。試験は日本FP協会と金融財政事情研究会が実施していて、1級から3級までがあります。2級と3級は、テストセンターでパソコンを使って受けるCBT方式で実施されています。CBT方式とは、つまり、空いている日時を予約して、パソコンの画面で解答する試験のことです。
3級は、お金の基本を学ぶ級で、初めて学ぶ人が最初に目指す級です。3級の勉強をすると、給与明細の税金や社会保険料の意味、公的年金の仕組み、生命保険の種類、住宅ローンの金利の考え方など、普段は何となく済ませている事柄が理解できるようになります。
FPの知識が役に立つ場面は、人生の節目に集中しています。就職して最初の給与明細を受け取ったとき、結婚して保険を見直すとき、住宅を購入するとき、子どもの教育費を準備するとき、親の相続を考えるときなどです。こうした場面で、保険会社や金融機関の説明をうのみにせず、自分で比べて判断できるようになるのが、FPの資格の大きな価値です。
仕事の面でも、FPの知識は保険会社、銀行、証券会社、不動産会社などで評価されます。お金の制度は毎年のように変わるため、2級以上を目指して学び続ける人は、お金に関する記事を書く在宅の仕事でも、制度を正確に確かめられる書き手として重宝されます。
住まいに役立つ資格:宅地建物取引士
住まいに関わる知識を体系的に学べる資格として、宅地建物取引士、略して宅建士があります。宅建士とは、不動産の売買や賃貸の取引で、契約の前に買主や借主に重要な事項を説明する役割を持つ国家資格です。この重要事項の説明は、宅建士でなければ行えない業務と法律で決められています。
宅建士の試験は、不動産適正取引推進機構が実施していて、年1回行われます。令和8年度の試験は次の日程で行われました。
試験日時 令和8年10月18日(日)13時から15時まで(2時間) 登録講習修了者は、13時10分から15時まで(1時間50分)。 出典: retio.or.jp
合格発表は令和8年11月25日の予定です。試験では、民法などの権利関係、宅地建物取引業法、建築基準法や都市計画法などの法令上の制限、税金などの分野から出題されます。
宅建士の勉強が暮らしで役に立つのは、住まいの契約の場面です。賃貸の部屋を借りるときの契約書の読み方、敷金の返還、更新料、退去のときの原状回復の考え方、住宅を購入するときの手付金や契約の解除の決まりなどは、宅建士の試験の範囲と重なります。原状回復とは、つまり、部屋を借りた人が退去するときに、借りたときの状態に戻すことです。どこまでを借りた人が負担するかは、トラブルになりやすい点です。
仕事の面では、不動産会社では宅建士を一定数置くことが法律で求められているため、求人で資格を条件にしている会社が多くあります。不動産の仕事に関心がなくても、住まいの契約で損をしないための知識として、勉強する価値がある資格です。
仕事の基礎に役立つ資格1:日商簿記検定
どの業界で働くとしても、会社のお金の流れを理解できる力は役に立ちます。その力を身に付けられるのが日商簿記検定です。
日商簿記検定は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する検定で、会社の取引を帳簿に記録し、決算書を作る力を測ります。3級は、個人の商店や小さな会社の経理の基本を学ぶ級、2級は株式会社の経理や、製品を作る会社の原価の計算まで学ぶ級です。2級と3級は、決まった日に行う紙の試験に加えて、テストセンターでパソコンを使って受けるネット試験でも受験できます。
簿記の知識が役に立つのは、経理の仕事だけではありません。営業の仕事では、取引先の決算書を読んで、支払いの能力を判断する場面があります。管理の仕事では、部署の予算を立てたり、費用の使い方を説明したりする場面があります。会社の数字が読めると、仕事の判断の根拠を数字で示せるようになります。
暮らしの面でも、簿記の考え方は家計の管理に役立ちます。収入と支出だけでなく、預金やローンの残高まで含めて家計を見ると、今月使えるお金と、将来に備えるお金を分けて考えられるようになります。
副業や独立を考えている人にとっては、簿記の知識はさらに重要です。個人で仕事を受けるようになると、売上と経費を帳簿に記録し、確定申告をする必要があります。簿記を学んでおくと、会計ソフトの入力の意味が分かり、税理士に相談するときにも話が通じやすくなります。
仕事の基礎に役立つ資格2:ITパスポート試験
今の職場では、業種を問わずパソコンやインターネットを使う仕事が当たり前になっています。ITの基礎知識を体系的に学べる資格が、ITパスポート試験です。
ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITを使うすべての社会人に必要な基礎知識を測ります。IPAの案内では、試験はCBT方式で年間を通して随時行われていて、試験時間は120分、受験手数料は7,500円(消費税込み)です。
ITパスポート試験はCBT(Computer Based Testing)方式により、年間を通じて随時実施しています。 出典: jitec.ipa.go.jp
試験の範囲は、パソコンやネットワークの仕組みといった技術の分野に加えて、会社の経営戦略、法律、プロジェクトの進め方まで含まれています。ITの専門家を目指す人だけでなく、事務や営業の仕事をしている人にとっても、仕事に必要な知識をまとめて学べる内容です。
ITパスポートの知識が役に立つ場面として、情報セキュリティがあります。不審なメールを開かない、パスワードを使い回さない、個人情報の扱いに気を付けるといった基本は、仕事でも暮らしでも欠かせません。家族がスマートフォンで詐欺のメッセージを受け取ったときに、正しく助言できるのも、この知識があるからこそです。
ITの分野をさらに深めたい人は、ネットワークの資格などに進む道もあります。CCNA(シスコ技術者認定)は、ネットワークの機器の設定や仕組みを学べる資格で、社内のネットワークの管理や、ITの仕事を目指す人の次の段階として選ばれています。
手に職を付ける資格:第二種電気工事士
手を動かす仕事で、資格がないとできない業務がはっきりしている資格として、第二種電気工事士があります。第二種電気工事士とは、住宅や小さな店舗などの電気の配線や、コンセントの増設などの工事を行える国家資格です。これらの工事は、電気工事士の資格がない人が行うことは法律で禁止されています。
試験は電気技術者試験センターが実施していて、学科試験と技能試験に分かれています。学科試験は四肢択一で、マークシートに解答する筆記方式と、パソコンで解答するCBT方式から選べます。学科試験に合格した人、または学科試験が免除される人が、技能試験に進みます。技能試験では、決められた時間内に、配線の工事を実際に行います。
令和8年度の上期の試験では、学科試験のCBT方式が2026年4月23日から6月7日まで、筆記方式が5月24日に、技能試験が7月18日または19日に行われました。試験は上期と下期の年2回あり、受験手数料はインターネットで申し込む場合で11,100円(非課税)です。
第二種電気工事士の資格は、電気工事の会社、建物の設備の管理の会社、工場の保守の仕事などで評価されます。建物の設備の管理の仕事では、電気の資格を持つ人が求められる場面が多く、年齢を重ねても続けやすい仕事として選ぶ人がいます。
暮らしの面では、資格があっても、自宅の電気の工事は安全を最優先にして判断することが大切です。電気の工事は、作業の誤りが火災や感電につながります。資格の勉強で学ぶのは、安全に作業するための知識と手順そのものです。工具の正しい使い方、電線の太さの選び方、電気を止めてから作業する手順は、試験のためだけでなく、事故を防ぐために身に付ける知識です。
持っていて損がない身近な資格と講習
試験を受ける資格以外にも、持っていると役に立つものがあります。
運転免許は、最も身近で役に立つ資格の1つです。地方では車がないと通勤が難しい地域が多く、求人の条件に普通自動車の運転免許が入っていることも少なくありません。営業や配送、介護の訪問の仕事などでは、運転できることが仕事の前提になります。
危険物取扱者は、ガソリンや灯油などの危険物を扱う施設で必要になる国家資格です。消防試験研究センターが試験を実施していて、扱える危険物の種類によって甲種、乙種、丙種に分かれています。ガソリンスタンドや工場、化学製品を扱う会社などで評価されます。
応急手当の講習も、暮らしの中で役に立つものです。各地の消防本部では、心肺蘇生やAEDの使い方を学べる救命講習を開いています。資格の試験とは違いますが、家族や職場の人が倒れたときに、救急車が来るまでの数分間にできることを身に付けられます。講習の日程や内容は消防本部ごとに違うため、お住まいの地域の消防本部のサイトで確かめます。
こうした身近な資格や講習は、ランキングの記事では目立ちにくいものの、取ったあとに使う機会が多いという点で、持っていると役に立つ資格の条件を満たしています。
組み合わせると役に立つ場面が広がる資格
資格は1つだけで使うより、2つを組み合わせたときに役に立つ場面が大きく広がることがあります。試験の範囲が重なっている資格を続けて取ると、勉強の手間も抑えられます。
| 組み合わせ | 重なる知識と生きる場面 |
|---|---|
| 宅建士とFP技能検定 | 住宅の購入と住宅ローン、不動産の税金、相続の相談 |
| 日商簿記とFP技能検定 | 家計と会社のお金の両方、個人事業主の確定申告の準備 |
| 日商簿記とITパスポート | 会計ソフトの導入、経理の仕事の効率化 |
| 第二種電気工事士と危険物取扱者 | 建物の設備の管理、工場の保守 |
宅建士とFP技能検定の組み合わせは、住まいとお金の両方に関わる相談で強みになります。不動産会社で住宅の購入を考えるお客様に、物件の説明だけでなく、住宅ローンの返済の計画や、購入にかかる税金の説明までできると、相談の相手として信頼されやすくなります。宅建士の試験の税金の分野と、FPの不動産と相続の分野は重なる部分があるため、続けて勉強すると効率よく進められます。
日商簿記とFP技能検定の組み合わせは、副業や独立を考えている人に向いています。簿記で帳簿の付け方を、FPで税金と社会保険の仕組みを学んでおくと、個人で仕事を受けるようになったときの確定申告や、国民健康保険と国民年金の手続きで迷いにくくなります。
第二種電気工事士と危険物取扱者の組み合わせは、建物の設備の管理の仕事で評価される形です。ビルやマンション、工場の設備を管理する仕事では、電気設備の点検と、ボイラーなどの燃料の管理の両方が求められる場面があります。複数の資格を持つ人は、任せられる業務の範囲が広がるため、求人の選択肢も広がります。
組み合わせを考えるときは、最初の資格を取ったあとに、その資格の仕事の中で「この知識もあれば楽になる」と感じた分野を次の資格に選ぶのが自然な流れです。仕事の場面から逆算して選んだ資格は、取ったあとにすぐ使えます。
年代ごとに見る役に立つ資格の選び方
同じ資格でも、年代によって役に立ち方は変わります。今の自分の状況に合わせて選ぶと、勉強の意味がはっきりします。
20代は、仕事の基礎を固める時期です。どの業界でも使えるITパスポートや日商簿記の3級は、職場での仕事の理解を早めます。初めての一人暮らしで部屋を借りる、給与明細の見方が分からない、といった場面では、FP技能検定の3級の知識が役に立ちます。若いうちに基礎の資格を取っておくと、その後に専門の資格に進むときの土台になります。
30代から40代は、仕事の専門性を深める時期であり、住宅の購入、子どもの教育費、保険の見直しといった家計の大きな判断が重なる時期でもあります。仕事の面では、今の業務に直結する専門の資格や、管理の仕事に役立つ資格を選ぶ人が増えます。暮らしの面では、宅建士やFP技能検定の2級の知識が、大きなお金の判断を支えます。
50代以降は、定年後の働き方を考える時期です。年齢を重ねても続けやすい仕事として、建物の設備の管理やマンションの管理、経理の仕事などがあり、第二種電気工事士や日商簿記の資格が評価される場面があります。年金の受け取り方や相続の準備といった暮らしの判断には、FP技能検定の知識が役立ちます。
どの年代でも、資格の勉強を始めるのに遅すぎることはありません。大切なのは、今の自分の状況で、その資格を使う場面がどのくらいあるかを考えて選ぶことです。
副業で生かせる資格と始め方
資格の知識は、会社の仕事だけでなく、副業でも生かせます。在宅でできる副業の中には、資格の知識がそのまま仕事の中身になるものがあります。
簿記の資格を持つ人は、個人事業主や小さな会社の帳簿の入力、請求書の作成、経費の整理などの仕事を在宅で受けられます。会計ソフトの使い方を覚えておくと、依頼する側の負担を大きく減らせます。
FP技能検定や宅建士の資格を持つ人は、お金や住まいに関する記事を書く仕事で専門性を生かせます。制度の説明が正確であることは、読者にとっても、記事を発注する側にとっても大切な点です。資格の知識をもとに、一次資料で制度を確かめながら書ける書き手は、継続の依頼を受けやすくなります。
文章の仕事では、文書の書き方そのものの力も問われます。ビジネス文書検定は、社外に出す文書の形式や敬語の使い方、分かりやすい文章の組み立て方を学べる検定で、記事やメール、資料の作成の仕事の土台になります。
副業を始めるときは、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめておきます。副業で得た所得が一定の額を超えると確定申告が必要になる場合もあるため、所得の申告の条件は国税庁の案内で確かめ、迷ったときは税務署に相談します。
勉強を続けるための計画の立て方
資格の勉強は、始めることより続けることのほうが難しいものです。途中でやめてしまう原因の多くは、計画が自分の生活に合っていないことにあります。
計画は、試験日から逆算して立てます。試験日が決まっている資格は、申し込みの期間と試験日をカレンダーに書き込み、そこから月ごとにやることを決めます。CBT方式で試験日を選べる資格は、先に受験の目標の月を決めておかないと、いつまでも受けないまま時間が過ぎてしまいます。
1日の勉強時間は、無理のない長さにします。平日は30分、週末は2時間といった形で、続けられる長さを決めておくと、忙しい日でも勉強が途切れません。通勤の時間や昼休みには一問一答の問題、まとまった時間には過去問を通して解く、といったように、時間の長さに合わせて勉強の中身を分けておくと効率が上がります。
勉強の記録を付けることも、続けるための助けになります。解いた問題の数や正答の割合を記録しておくと、自分の成長が目に見え、苦手な分野もはっきりします。
計画どおりに進まない週があっても、計画そのものをあきらめないことが大切です。1週間のうち1日を予備の日にしておき、遅れた分をそこで取り戻せるようにしておくと、計画が崩れても立て直せます。
役に立つ資格の見分け方
資格の紹介の記事を読むと、どれも役に立つように見えてしまいます。自分にとって本当に役に立つかを見分けるには、次の手順で確かめます。
- その資格で何ができるようになるかを、実施する団体の公式の説明で確かめる
- 資格がないとできない業務があるか、資格がなくてもできる業務かを確かめる
- 働きたい地域や業界の求人で、その資格が条件や歓迎の条件に入っているかを確かめる
- 合格までに必要な時間と費用、合格後の登録や更新の手続きと費用を確かめる
- 自分の今の仕事や暮らしで、その知識を使う場面があるかを書き出してみる
3つ目の求人の確認は、とくに大切です。資格の紹介の記事では「需要が高い」と書かれていても、実際の求人では資格の名前がほとんど出てこないこともあります。転職のための求人サイトで、資格の名前を入れて検索してみると、どのくらいの求人で求められているかが分かります。
4つ目の合格後の条件も見落としやすい点です。資格によっては、登録の手数料がかかるもの、数年ごとに講習を受けて更新するもの、毎年の会費が必要なものがあります。取ったあとに維持の費用がかかる資格は、使う場面がなければ負担だけが残ります。
反対に、気を付けたいのは「この資格を取れば必ず仕事が見つかる」「誰でも短期間で稼げる」といった宣伝です。資格は仕事を得るための材料の1つであって、それだけで仕事が保証されるものではありません。高額な講座をその場で契約するよう勧められたときは、持ち帰って考え、不安があればお住まいの地域の消費生活センターに相談できます。
費用を抑えて資格を取る方法
資格の勉強にかかる費用は、受験料、テキスト、講座の受講料などです。費用を抑えるために、まず確かめたいのが厚生労働省の教育訓練給付制度です。
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定した講座を受講して修了すると、受講費用の一部が雇用保険から支給される仕組みのことです。厚生労働省の案内では、一般教育訓練の場合、受講費用の20%(上限10万円)が修了後に支給されます。より専門的な講座が対象の特定一般教育訓練や専門実践教育訓練では、支給の割合と上限がさらに大きくなります。
支給を受けるには、雇用保険に加入していた期間などの条件があります。講座に申し込む前に、お住まいの地域のハローワークで自分が対象になるかを確かめておきます。対象の講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。
独学で進める場合は、受験料とテキスト代だけで済むため、費用を大きく抑えられます。日商簿記やITパスポート、FP技能検定の3級は、市販のテキストと問題集で独学する人も多い資格です。最初は独学で始めてみて、つまずいた分野だけ講座の動画を使うといった組み合わせ方もあります。
会社に勤めている人は、勤め先の資格取得の支援の制度も確かめてみます。受験料や講座の費用を会社が負担してくれる制度や、合格すると手当が出る制度を設けている会社もあります。
資格を取ったあとに生かすための工夫
資格を取っても、使わなければ知識は少しずつ薄れていきます。取った資格を役に立てるには、合格したあとの過ごし方が大切です。
まず、資格の知識を使う場面を自分から作ります。FPの資格を取ったなら、家計の見直しを実際にやってみる、簿記の資格を取ったなら、家計簿を簿記の形で付けてみる、といった形です。知識は、使ってみることで自分のものになります。
次に、資格を職場や仕事の相手に伝えます。勤め先では、上司に資格を取ったことを伝えておくと、その知識を使う仕事を任されることがあります。履歴書や仕事の紹介文では、資格の名前に加えて、その資格で何ができるかを書きます。
最後に、知識を新しく保つことです。お金や法律、ITの分野は、制度や技術が毎年のように変わります。資格を取った時点の知識のままでいると、数年後には古い知識になってしまいます。実施する団体のサイトや、所管する省庁のサイトで新しい情報を確かめる習慣を付けておくと、資格の価値を保てます。
資格の合格証や登録の書類は、なくさないように保管しておきます。転職のときに、資格の証明書の写しの提出を求められることがあります。資格によっては、合格証を再発行するのに手数料と時間がかかります。合格した年月と合格番号を控えておくと、履歴書を書くときにも、証明書の再発行を申し込むときにも困りません。
資格の登録が必要なものは、合格したあとの手続きを後回しにしないことも大切です。宅建士は、試験に合格したあと、都道府県への登録と、宅地建物取引士証の交付を受けて初めて、重要事項の説明などの業務を行えます。電気工事士も、試験の合格後に都道府県に免状の交付を申請します。手続きの方法は、実施する団体や都道府県の案内で確かめます。
在宅の仕事の市場から見た資格の価値
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上運営してきた立場から見ると、資格を仕事につなげている人は、資格を「持っていること」より「その資格で何ができるか」を伝えるのが上手な人です。宅建士の資格を持つ人なら「不動産の記事の法律の部分を確かめられる」、簿記の資格を持つ人なら「毎月の帳簿の入力と、確定申告の準備の資料作りを任せられる」というように、依頼する側の作業に置き換えて説明している人ほど、継続の依頼を受けやすい傾向があります。
もう1つの傾向として、長く続く人ほど、資格を1つ取って終わりにせず、仕事の中で必要になった知識を少しずつ広げています。FPから簿記へ、ITパスポートからネットワークの資格へと、仕事の幅に合わせて学びを重ねていく形です。仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。この形の中で、資格に裏付けられた専門性は、報酬の水準を上げる材料として働きます。
文章を書く在宅の仕事では、資格で学んだ知識が記事の正確さを支えます。専門の分野の記事を書く仕事を始めるなら、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、資格を生かした作品集の作り方を確かめておくと、最初の仕事を取りやすくなります。調べものや資料の作成の仕事の報酬の水準は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。
持っていると役に立つ資格は、資格そのものの人気ではなく、自分の目的と、使う場面の多さで決まります。暮らしのお金、住まい、仕事の基礎、手に職のどの場面で役立てたいかを決め、実施する団体の公式の案内と、実際の求人で確かめてから、取り組む資格を選んでいきます。
よくある質問
Q. 国家資格と民間資格はどちらを選ぶべきですか?
どちらが上ということはなく、目的に合うかで選びます。資格がないとできない業務がある国家資格は、その業務の仕事では欠かせません。民間資格でも、日商簿記検定のように業界で広く使われているものは、知識の水準を示す材料として評価されます。働きたい地域や業界の求人で、資格が求められているかを確かめてから選ぶと失敗しにくくなります。
Q. 生活に役立つ資格を1つ選ぶなら何がよいですか?
暮らしのお金の知識を学べるFP技能検定の3級は、多くの人にとって役立つ場面が多い資格です。給与明細の税金や社会保険料、年金、保険、住宅ローン、相続など、人生の節目で必要になる知識をまとめて学べます。2級と3級はCBT方式で、空いている日時を予約して受験できます。
Q. 資格を取っても役に立たないことはありますか?
あります。取ったあとに使う場面がない資格や、求人でほとんど求められていない資格は、役に立つ機会が少なくなります。合格後に登録や更新の費用がかかる資格は、使わなければ負担だけが残ります。申し込む前に、資格で何ができるか、求人で求められているか、合格後に何が必要かを確かめておくと安心です。
Q. 資格の講座の費用を抑える方法はありますか?
厚生労働省の教育訓練給付制度の対象講座なら、修了後に受講費用の一部が支給されます。一般教育訓練の場合は受講費用の20%(上限10万円)です。支給には雇用保険に加入していた期間などの条件があるため、ハローワークで確かめます。勤め先の資格取得の支援の制度や、独学との組み合わせも費用を抑える方法です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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