アルバイトを辞めたあとに失業保険を受けられるか 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
アルバイトを辞めたあとに失業保険を受けられるか 2026

この記事のポイント

  • ✓アルバイトを辞めた場合の失業保険について
  • ✓手続きの流れを一次資料で確認して整理しました
  • ✓受給中に働くときの申告の扱いまで含めています

結論から書きます。アルバイトを辞めた場合でも、失業保険(雇用保険の基本手当)は受けられます。雇用形態が正社員かアルバイトかは、受給の条件に一切出てきません。分かれ目になるのは、働いていた期間にきちんと雇用保険の被保険者になっていたか、そして被保険者期間が必要な月数に届いているかの2点です。

にもかかわらず「アルバイトだから対象外」と思い込んで、手続きをしないまま期限を過ぎてしまう人が毎年います。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間と決まっているため、放置した分は戻りません。正直なところ、この誤解による取りこぼしはかなり大きいと考えています。

この記事では、条件の確かめ方、金額と日数の計算、待期と給付制限の日数、手続きの流れを順番に並べます。数字はすべてハローワークインターネットサービスと厚生労働省の資料で確認したものです。金額の基準額は毎年8月に改定されますので、実際に手続きをするときは窓口で最新の額を確かめてください。

受給の分かれ目は、加入していたかと、期間が足りているか

まず、雇用保険に入る条件です。ハローワークは次の2つを示しています。

31日以上の雇用見込みがあること。 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。 出典: hellowork.mhlw.go.jp

この2つを満たす人は、原則として本人の意思にかかわらず被保険者になります。「入りたくない」と言って外れられる制度ではありません。ここが重要な点で、事業主には届け出の義務があります。つまり、週20時間以上のシフトで働いていたなら、あなたは被保険者だったはずなのです。

次に、基本手当を受けるための条件です。ハローワークが挙げているのは2つで、1つは失業の状態にあること、もう1つが期間の要件です。離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが原則です。倒産や解雇によって離職した人(特定受給資格者)や、期間の定めのある契約が更新されずに離職した人(特定理由離職者)については、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上でも受給できます。

アルバイトの人が引っかかりやすいのは、この12か月のほうです。掛け持ちの合間に1、2か月の空白ができていたり、シフトが減って被保険者期間として数えられない月が混ざっていたりすると、勤務していた期間の長さと被保険者期間が一致しません。数え方は次の節で詳しく見ます。

もう1つ、見落とされる条件が「失業の状態」です。これは単に仕事をしていない状態ではありません。就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があり、それでも職に就けていない状態を指します。したがって、病気やけがですぐには就職できない、妊娠や出産や育児のためすぐには就職できない、しばらく休養したい、家事に専念したい、といった状態では基本手当は受けられません。この場合は受給期間の延長という別の手続きがありますので、後の節で触れます。

自分が雇用保険に入っていたかを確かめる3つの方法

条件の1つ目を確かめるのは簡単です。3つの方法があります。

1つ目は、給与明細です。控除の欄に「雇用保険料」という項目があれば、被保険者だったことになります。令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で労働者の負担が1,000分の5です。たとえばその月の賃金が10万円なら、労働者の負担は500円という計算になります。金額が小さいため見落としやすい欄ですが、ここに数字が入っていれば加入していた証拠です。

2つ目は、雇用保険被保険者証です。加入したときに交付される小さな紙で、被保険者番号が書かれています。勤務先が保管したまま渡していないケースもありますので、手元になければ勤務先に確認してください。離職のときには、離職票と一緒に受け取ることになります。

3つ目は、ハローワークへの照会です。届け出が適正に行われているかを、労働者自身が確認できる仕組みがあります。勤務先が届け出を怠っていた可能性を疑う場合は、これがもっとも確実です。来所するときは本人確認と住所確認の書類を持参してください。

そして、ここは強く書いておきたい部分です。届け出がされていなかった場合でも、諦める必要はありません。条件を満たしていたのに事業主が届け出をしていなかったケースでは、遡って被保険者だったと認めてもらえる道があります。遡れる期間には制度上の限りがありますが、まずは給与明細、シフト表、雇用契約書、タイムカードの控えなど、週の労働時間と勤務期間が分かるものを集めてハローワークに相談してください。会社が手続きを漏らしていたために本来の給付を受けられなかった、という相談は実際に存在します。放置すると不利益を被るのは働いた側です。

離職票が届かないという相談もよく聞きます。離職票は事業主がハローワークに手続きをして交付されるもので、退職後10日前後で届くのが一般的な流れです。届かない場合は勤務先に催促し、それでも動かないならハローワークに事情を伝えてください。離職票がないと受給の手続きが始まりませんので、待つだけで時間を過ぎさせないことが大事です。

被保険者期間の数え方で、多くの人がつまずく

ここが実務上いちばん誤解される部分です。被保険者期間は、在籍していた月数ではありません。

離職日から1か月ごとにさかのぼって区切り、その1か月の中に「賃金支払いの基礎となった日数が11日以上」または「賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上」ある月を、1か月として数えます。つまり、シフトが月に8日しか入らず、労働時間も80時間に届かなかった月は、在籍していても被保険者期間には入りません。

この数え方だと、次のような人が要件を満たせない事態が起きます。週20時間ぎりぎりで働いていて、繁忙期以外は月の勤務日数が10日以下だった人。長期の休みを取った月がある人。契約は続いていたが、店の都合でシフトが削られた期間がある人。いずれも「1年以上働いたのに12か月に届かない」という結果になります。

反対に、有給休暇を取った日は賃金の支払いの基礎となった日ですから、日数に含まれます。ここは見落としやすい点です。離職前の月でシフトが少なかった場合も、有給を使っていれば日数が増えている可能性があります。

もう1つ、2つの勤務先を掛け持ちしていた場合の扱いです。雇用保険は、主に賃金を受けている1社でのみ加入するのが原則で、2社で重ねて入ることはありません。したがって、2社の労働時間を足して週20時間を超えても、原則としてそれで被保険者になるわけではありません。例外は65歳以上の人が使えるマルチジョブホルダー制度で、2つの事業所それぞれで週5時間以上20時間未満、合計で週20時間以上、それぞれで31日以上の雇用見込みがある場合に、本人の申し出で加入できます。この制度は本人が手続きをするため、両方の勤務先に証明をもらう必要があります。

そして過去に別の勤務先で被保険者だった期間は、条件を満たせば通算できます。前の勤務先を辞めてから次に入るまでの空白が1年以内で、その間に基本手当を受けていなければ、期間をつなげて数えられます。1つの勤務先だけで12か月に届かないと思っていた人が、前職と合わせると足りていた、という例は珍しくありません。自分で計算して諦めず、離職票を持って窓口で確かめてください。

受け取れる金額の計算

金額は、離職前の賃金から計算します。

この「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(つまり、賞与等は除きます。)の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。 出典: hellowork.mhlw.go.jp

注目したいのは、賃金の低い人ほど給付率が高くなるという点です。アルバイトで賃金が低かった人は、80%に近い率が適用される可能性が高くなります。手取りへの影響を考えると、これは制度として意味のある設計です。

基本手当日額には年齢ごとの上限があり、令和8年8月1日現在では次のとおりです。

離職時の年齢 基本手当日額の上限
30歳未満 7,450円
30歳以上45歳未満 8,270円
45歳以上60歳未満 9,110円
60歳以上65歳未満 7,830円

計算の手順を具体的にたどります。直前6か月の賃金の合計が72万円だったとします。72万円を180で割ると賃金日額は4,000円です。賃金日額が低い水準にあるため給付率は80%に近い値が適用され、基本手当日額は3,000円台になります。これに所定給付日数を掛けたものが、受け取れる総額の目安です。ただし給付率は賃金日額の区分ごとに細かく定められており、区分の境目も毎年8月に見直されます。概算で見通しを立てるのは有効ですが、正確な額は受給資格の決定を受けたときに交付される書類で確認してください。

なお、賞与は計算に入りません。毎月決まって支払われた賃金だけが対象です。残業代や通勤手当は毎月支払われるものとして含まれます。この点で、賞与のない働き方をしていた人は不利にならない仕組みになっています。

受け取れる日数と、受給期間の期限

日数は、離職理由、年齢、被保険者であった期間で決まります。一般の離職者(自己都合など)の場合は次のとおりです。

被保険者であった期間 所定給付日数
10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

アルバイトを数年勤めて辞めた人の多くは、10年未満の区分に入りますので90日です。ここで、倒産や解雇によって離職した特定受給資格者、契約の更新がなくて離職した特定理由離職者に当たる場合は、年齢と被保険者期間の組み合わせによって日数が手厚くなることがあります。契約期間が満了したのに更新されなかったという離職は、自己都合ではありません。離職票の離職理由の記載が実態と違っていたら、ハローワークで申し立てができます。この申し立ては、給付制限の有無と日数の両方に影響するので、そのまま受け入れないでください。

そして期限の話です。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間です。所定給付日数が90日であっても、この1年の枠の中で受け取り終える必要があります。手続きを半年遅らせると、単純に受け取れる日数が減ります。辞めたらすぐ動く、というのがもっとも実利のある助言です。

ただし、病気、けが、妊娠、出産、育児などの理由で引き続き30日以上働けなくなった場合は、その日数だけ受給期間を延長できます。延長できる期間は最長で3年間です。すぐに就職できない事情があるなら、受給を諦めるのではなく延長の申請をしてください。申請は、働けない状態が30日続いた日の翌日以降、早めに行うのが原則です。

もう1つ、離職後に自分で事業を始める人向けの特例があります。離職日の翌日以後に事業を開始した場合、一定の要件を満たせば、事業を行っている期間を最大3年間受給期間に算入しないという申請ができます。事業の実施期間が30日以上であること、開業届の写しなどの客観的な資料で事業の実在が確認できることなどが条件で、申請の期限は事業を開始した日の翌日から2か月以内です。開業してうまくいかなかった場合に、基本手当を受ける道を残せる仕組みです。この特例は知られていないので書いておきます。

いつから受け取れるのか。待期と給付制限の日数

受給の開始時期は、離職理由によって変わります。

まず、離職票を提出して求職の申込みをした日から、失業の状態にあった日が7日間経過するまでは支給されません。これを待期といいます。この7日間は離職理由を問わず全員に適用されます。

自己都合で辞めた場合は、待期の7日が過ぎたあと、さらに給付制限の期間があります。ここが古い情報が多く残っている部分です。ハローワークインターネットサービスのよくあるご質問には、いまの扱いがはっきり書かれています。

正当な理由のない自己都合によって離職された方の給付制限期間は、離職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月となります。ただし、離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合離職し受給資格決定を受けた場合または自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された(いわゆる重責解雇)場合の給付制限期間は3ヵ月となります。 出典: hellowork.mhlw.go.jp

区分は離職日で決まります。令和7年4月1日以降の自己都合離職なら、給付制限は原則1か月です。離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けている場合は3か月、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合も3か月です。令和7年3月31日以前に自己都合で辞めた場合は2か月でした。

つまり、自己都合で辞めた人が最初の振込を受けるまでの目安は、待期7日と給付制限1か月を足した期間に、認定日の間隔と振込の事務処理を加えた長さになります。だいたい離職から2か月ほどの空白を見込んで生活費を組むのが現実的です。ここを見誤ると、家賃の支払いに間に合いません。

さらに1つ、覚えておくと得をする仕組みがあります。同じ資料に次の記載があります。離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定および就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限が解除されます。つまり、辞める前後に自分で学び直しをしていた人は、1か月を待たずに支給が始まる可能性があります。該当しそうな講座を受けていたなら、受講の証明を持ってハローワークに申し出てください。これは自己申告しなければ適用されません。

倒産や解雇、契約期間の満了による離職の場合は給付制限がなく、待期の7日が過ぎれば支給の対象になります。離職理由の欄が実態と合っているかを確かめる価値は、ここにもあります。

手続きの流れと、認定日ごとにやること

流れを時間順に並べます。

最初に、離職票(雇用保険被保険者離職票の1と2)を勤務先から受け取ります。次に、住所地を管轄するハローワークへ行き、求職の申込みと受給資格の決定手続きをします。持ち物は、離職票、本人確認と住所確認ができる書類、写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカード、マイナンバーが確認できるものです。自治体やハローワークによって必要なものが増えることがありますので、行く前に電話で確認すると二度手間になりません。

受給資格が決定されると、雇用保険受給者初回説明会の日が指定されます。説明会では制度の説明を受け、受給資格者証と失業認定申告書を受け取ります。これは欠席できません。

その後は、原則として4週間に1回、指定された失業の認定日にハローワークへ行き、失業の状態にあることの確認を受けます。認定日には失業認定申告書を提出します。ここで求められるのが求職活動の実績です。原則として、認定の対象になる期間中に2回以上の求職活動が必要です(給付制限がある期間を含む最初の認定では回数の扱いが変わることがあります)。求職活動として認められるのは、求人への応募、ハローワークの職業相談や職業紹介、セミナーの受講などです。求人情報を見ただけ、知人に相談しただけでは実績になりません。回数が足りないと、その認定分は支給されません。

認定日は変更できません。指定された日に行けない事情があるなら、事前にハローワークに連絡してください。無断で行かなかった場合、その期間の分の支給が受けられなくなります。就職の面接や病気など、やむを得ない理由がある場合は証明を用意すれば変更が認められることがあります。

振込は、認定から数日後に指定した口座へ入ります。認定日から振込までの日数はハローワークによって差がありますので、最初の1回で自分のところの感覚をつかんでおくと計画が立てやすくなります。

受給中に働くときは、必ず申告する

これは絶対に守ってほしい部分です。受給期間中にアルバイトをした場合は、日付と収入を失業認定申告書に記載します。働いた事実を隠して受給を続けると、不正受給として扱われます。

偽りその他不正の行為で基本手当等を受けたり、又は受けようとした場合には、以後これらの基本手当等を受けることができなくなるほか、その返還を命ぜられます。更に、原則として、返還を命じた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命ぜられることとなります。 出典: hellowork.mhlw.go.jp

返還に加えて、不正に受け取った額の2倍以下の納付を命じられます。合計すると、受け取った額の3倍近い負担になりうるということです。日払いで1日だけ働いた分も申告の対象です。手渡しだから分からないだろうという判断は、割に合いません。

大事なのは、働いたら受給できなくなるわけではないという点です。申告した結果、その日の分が支給されない(繰り越される)扱いになるか、減額されるか、そのまま支給されるかは、労働時間と収入によって決まります。所定給付日数の枠は残りますので、先送りになるだけの場合もあります。制度は働くことを妨げていません。妨げているのは、隠すという選択だけです。

どこまでが対象になるかは、労働時間の長さや収入の額、雇用の形によって細かく分かれます。金額や事情で結論が変わりますので、働く予定ができた時点でハローワークの給付窓口に伝えて、扱いを確認してください。事後に相談するより、事前に聞くほうが確実です。

健康保険と年金の切り替えを、離職直後に済ませる

基本手当の話に集中していると抜けるのが、健康保険と年金の手続きです。ここは期限が短いので先に書きます。

勤務先の健康保険に入っていた人が離職すると、その資格は離職日で失われます。選べる道は3つです。1つ目は、住所地の市区町村で国民健康保険に加入することです。手続きの期限は原則として離職の翌日から14日以内です。2つ目は、勤務先で入っていた健康保険を任意継続する形です。協会けんぽの場合、申請の期限は資格を失った日から20日以内で、加入できる期間は最長2年間です。3つ目は、配偶者や親の被扶養者になることです。収入の見込みが条件を満たすかどうかで判断されます。

どれが有利かは、前年の所得、扶養している家族の数、住んでいる自治体の保険料率で変わります。国民健康保険の保険料は市区町村ごとに計算方法が違いますので、窓口で試算してもらってから決めるのが確実です。なお、倒産や解雇などによって離職した人(特定受給資格者や特定理由離職者)については、国民健康保険料の算定で前年の給与所得を軽く見る仕組みがあります。離職理由によって金額が変わりますので、雇用保険受給資格者証を持って窓口に相談してください。

年金も同じタイミングで切り替えます。厚生年金保険の被保険者でなくなった人は、国民年金の第1号被保険者になる届け出が必要です。国民年金保険料は令和8年度で1か月あたり17,920円です。収入が落ちている時期にこの額を納めるのは負担が重くなります。そこで用意されているのが保険料の免除と納付猶予の制度で、失業した場合は前年の所得にかかわらず申請できる特例があります。免除を受けた期間は、老齢基礎年金を受けるために必要な期間に算入されます。未納のまま放置すると算入されませんので、払えないときは必ず申請してください。制度の内容は日本年金機構の国民年金保険料のページで確認できます。

住民税も忘れないでください。前年の所得に対してかかるため、離職した年の翌年に納付書が届きます。勤務先の給与から差し引かれていた分が、離職後は自分で納める形に切り替わります。収入が減った時期に前年分の請求が来る形になるので、額を先に把握しておくことが大事です。

受給できないと分かったときの代わりの手

被保険者期間が足りず、基本手当を受けられないという結論になることもあります。その場合でも、使える制度は残っています。

1つ目は、教育訓練給付金です。一定の期間雇用保険の被保険者だった人が、指定された講座を受講して修了した場合に、費用の一部が支給されます。基本手当とは別の制度ですから、基本手当の要件を満たさない人でも対象になる場合があります。対象の講座と支給の割合は分野ごとに分かれており、厚生労働省の教育訓練給付制度のページで確認できます。受講の前に対象講座かどうかを確かめる必要がありますので、申し込む前にハローワークで相談してください。

2つ目は、求職者支援制度です。雇用保険を受給できない求職者が、無料または低額の職業訓練を受けられる仕組みで、要件を満たせば訓練期間中の生活を支える給付を受けられます。こちらもハローワークが窓口です。

3つ目は、65歳以上で離職した場合の高年齢求職者給付金です。被保険者であった期間が1年以上なら基本手当日額の50日分、1年未満なら30日分が一時金として支給されます。算定対象期間(原則は離職前1年間)に被保険者期間が通算して6か月以上あることが条件で、失業の認定は1回だけです。基本手当のように何度も認定日に通う必要はありません。

自分がどれに当たるかを自己判断で決めないでください。離職票と雇用保険被保険者証を持ってハローワークへ行けば、その場で判定してもらえます。窓口に行く時間を惜しんで使える制度を逃すのは、いちばんもったいない選択です。

早く再就職すると受け取れる手当がある

基本手当を残したまま再就職すると、再就職手当を受けられる場合があります。支給の残日数が所定給付日数の3分の2以上あれば残日数の70%、3分の1以上あれば60%が支払われる仕組みです。

要件は8つあり、主なものを挙げます。待期の7日が満了した後に就職または事業を開始したこと、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること、離職した前の事業主に再び就職したものでないこと、1年を超えて勤務することが確実であること、原則として雇用保険の被保険者になっていること、過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受けていないこと、受給資格の決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないことです。

給付制限がある人は、もう1つ条件が付きます。求職の申込みをしてから待期満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものである必要があります。つまり、自己都合で辞めた人が最初の1か月のうちに知人の紹介で就職すると、再就職手当の対象から外れます。この1か月を過ぎれば、就職の経路は問われません。急ぐ場合は、この期間内はハローワークの紹介を通す形を選んでください。

再就職手当の計算に使う基本手当日額には、基本手当そのものの上限とは別の上限額があります。6,745円(60歳以上65歳未満は5,454円)で、これは令和9年7月31日までの額です。ここを混同して計算すると金額がずれます。

さらに、再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金が離職前より低い場合は、就業促進定着手当を受けられる可能性があります。賃金が下がる転職をした人を後押しする仕組みです。該当しそうなら、6か月経過後に窓口で相談してください。

受給までの空白を、在宅の仕事で埋めるという考え方

ここから先は、制度の外の話です。自己都合で辞めた場合、最初の振込まで2か月ほどの空白が生まれます。この期間をどう過ごすかで、その後の選択肢が変わります。

現実的な選択肢の1つが、在宅でできる業務委託の仕事です。受給との関係では申告が必要になりますので、必ず事前に窓口で扱いを確認してください。そのうえで、この期間に実績を作っておくと、再就職の面接で説明できる材料が増えます。「何もしていませんでした」と答えるより、手を動かしていた事実が残るほうが強いのは確かです。

どの分野を選ぶかは、これまでの経験から逆算するのが確実です。文章を扱う仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、職種としての相場感と仕事の幅を確かめられます。書類の作り方を体系で押さえたい場合はビジネス文書検定が、社内文書と取引文書の形を1つずつ確認できる土台になります。

技術の経験がある人は、選択肢が広くなります。開発の実務でどんな進め方が求められるかはアプリケーション開発のお仕事に整理されており、報酬の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確かめられます。ネットワークの分野を足がかりにしたい場合はCCNA(シスコ技術者認定)が、求人で名前の挙がる頻度が高い資格です。企画や販促の経験を活かすならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、求められる経験と仕事の形を照らし合わせてみてください。

業務委託で働く場合は、契約の型を最初に押さえてください。発注書のない口約束、支払期日が書かれていない契約は、あとで揉めます。フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに、最初に確認する項目が並んでいます。それでも報酬が支払われない事態になったときの進め方は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】にまとまっています。

市場を20年見てきた立場からの観察

運営者として在宅の働き方の市場を長く見てきた立場から言えば、離職後の数か月をどう使ったかは、その後の働き方にはっきり差を残します。差が出るのは、稼いだ額ではありません。「自分は何ができる人か」を言葉にできるようになったかどうかです。基本手当を受けながら求職活動をする期間は、制度の設計上、その整理に使える時間として与えられています。

もう1つの観察は、手取りの構造についてです。仲介の手数料が乗らない直接の取引は、依頼する側と受ける側の双方に効きます。依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受ける側は同じ働きでも手元に残る額が厚くなります。手数料0%という条件の値打ちは、金額の派手さではなく、この「同じ働きで手取りが厚い」という質のほうにあります。単価を上げる交渉より先に効く改善です。

最後に要点を手順に戻します。給与明細の雇用保険料の欄を見て加入を確かめる、離職票を受け取る、離職の日以前2年間の被保険者期間を数える、辞めたらすぐハローワークへ行く、離職理由の記載が実態と合っているか確かめる、認定日ごとに求職活動の実績を2回以上作る、働いた日は必ず申告する。この7つを外さなければ、受け取れるものを取りこぼすことはありません。受給が始まったあとの進路を並行して考えたい人は、アプリケーション開発のお仕事のような職種別の解説から、必要な経験と進め方を確かめてみてください。

よくある質問

Q. アルバイトでも失業保険は受けられますか?

受けられます。雇用形態は条件に入っていません。必要なのは、週の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがあり雇用保険の被保険者だったこと、そして離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることです。倒産や契約満了による離職なら、1年間に6か月以上でも受給できます。

Q. 被保険者期間はどう数えるのですか?

離職日から1か月ごとに区切り、その中で賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月を1か月として数えます。シフトが少なかった月は在籍していても数えられません。有給休暇を取った日は日数に含まれます。

Q. 自己都合で辞めた場合、いつから受け取れますか?

求職の申込みをしてから失業の状態にあった日が7日間経過し(待期)、そのあとさらに給付制限の期間があります。令和7年4月1日以降の自己都合離職なら原則1か月です。5年間で3回以上の自己都合離職がある場合は3か月になります。離職前後に自分で教育訓練を受けていた場合は給付制限が解除されることがあります。

Q. 受給中にアルバイトをしたらどうなりますか?

働いた日と収入を失業認定申告書に必ず記載します。申告すれば受給が打ち切られるわけではなく、労働時間と収入に応じて先送りや減額の扱いになります。隠して受給すると不正受給として返還を命じられ、加えて受けた額の2倍以下の納付を命じられます。働く予定が決まった時点で給付窓口に相談してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月3日最終更新:2026年9月27日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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