失業保険の期間中にアルバイトはどこまでできるか|届け出の仕方 2026

@SOHO編集部
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失業保険の期間中にアルバイトはどこまでできるか|届け出の仕方 2026

この記事のポイント

  • ✓失業保険の期間中にアルバイトをしたい人向けに
  • ✓申告したときの減額の計算
  • ✓失業認定申告書の書き方

失業保険を受けている期間中にアルバイトをしてよいのか。結論から書きます。できます。禁止はされていません。ただし、守らなければならない線が3本あり、そのどれを越えたかによって扱いが変わります。1本目は待期の7日間、2本目は週20時間という働き方の線、3本目は申告です。この3本のうち、いちばん多くの人が知らないまま踏んでしまうのが1本目で、いちばん重い結果になるのが3本目です。この記事では、それぞれの線がどこにあるのか、失業認定申告書にどう書くのか、申告したときに給付がどう計算されるのかを、厚生労働省とハローワークの資料の記載にそって順に整理していきます。

前提として、基本手当は何に対して払われるのか

線の話に入る前に、制度の骨組みを押さえます。ここを理解すると、後の判断がすべて自分でできるようになります。

失業保険と呼ばれているものの正式な名前は、雇用保険の基本手当です。これは「失業の状態」にあることに対して支給されます。ハローワークは失業を次のように定義しています。就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にあること。つまり、働く気があって、働ける状態で、探しているのに決まらない。この3つがそろって初めて失業です。

だから、病気やけがですぐに就職できない、出産や育児ですぐに就職できない、定年後にしばらく休養したい、結婚して家事に専念する。こうした状態にあるときは、基本手当を受けられません。

1日あたりに受け取る金額は基本手当日額と呼ばれ、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与は除きます)の合計を180で割った賃金日額の、およそ50%から80%になります。60歳から64歳は45%から80%です。賃金が低い人ほど高い率になる設計です。上限額は年齢区分ごとに決まっています。

基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められており、現在は次のとおりとなっています。(令和8年8月1日現在)30歳未満 7,450円/30歳以上45歳未満 8,270円/45歳以上60歳未満 9,110円/60歳以上65歳未満 7,830円 出典: ハローワークインターネットサービス(基本手当について)

受け取れる日数は所定給付日数と呼ばれ、離職時の年齢、雇用保険に入っていた期間、離職の理由によって90日から360日の間で決まります。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間です。この1年の間に所定給付日数を消化できなければ、残った日数は受け取れません。

ここまでを押さえると、アルバイトの扱いが理解しやすくなります。働いた日は「失業の状態」ではないか、あるいは収入があった日です。制度は、その日をどう扱うかを細かく決めているだけで、働くこと自体を禁じてはいません。

1本目の線 待期の7日間

いちばん見落とされているのが、この線です。

ハローワークで求職の申込みをした後、失業の状態にある7日間は基本手当が支給されません。これを待期といいます。ここまでは多くの解説に書かれています。問題は、この7日間に働いた場合に何が起きるかです。

厚生労働省が出している再就職手当のリーフレットに、はっきりと書かれています。

待期期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日については、待期期間に含まれませんのでご注意ください。 出典: 厚生労働省・ハローワーク(再就職手当のご案内)

つまり、待期の7日間のうちに1日でも働くと、その日は待期としてカウントされません。待期が満了する日が後ろにずれ、基本手当の支給開始も、給付制限の起算点も、再就職手当の判定もすべて後ろにずれます。

ここで多くの人がやってしまうのが、求職の申込みをした直後に「まだ手当は出ないのだから」と考えて短期のアルバイトを入れることです。気持ちは分かりますが、この7日間だけは働かないほうが、結果として早く受給が始まります。

判断の基準は単純です。求職の申込みをした日から数えて、失業の状態だった日が7日たつまでは予定を入れない。この1点だけ守れば、待期でつまずくことはありません。収入が必要でどうしても働く場合は、待期が満了してから始める形にして、働いた日は正直に申告します。

なお、待期は受給の手続きの入口にあるため、ここでずれが生じると後の日程がすべて動きます。ハローワークの窓口で受給資格の決定を受けたときに、待期満了日がいつになるかを確認しておくと確実です。

2本目の線 週20時間と31日

2本目は、働き方そのものの線です。

雇用保険には、加入しなければならない人の要件が決まっています。

雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、次の1.及び2.のいずれにも該当する場合には、原則としてその意志にかかわらず当然に被保険者となります。31日以上の雇用見込みがあること。1週間の所定労働時間が20時間以上であること。 出典: ハローワークインターネットサービス(よくあるご質問)

この要件を満たす働き方をするということは、その仕事で雇用保険の被保険者になるということです。被保険者になるということは、就職したということです。就職した人は失業の状態にないので、基本手当の支給は終わります。

ここから導かれる実務上の目安が、「週20時間未満に収める」という考え方です。週20時間以上の契約で働くと、アルバイトのつもりでも制度上は就職として扱われます。

ただし、この線だけで安心しないでください。週20時間未満であっても、働き方によっては就職と判断されることがあります。雇用契約の期間、勤務の継続性、1日あたりの労働時間。ハローワークは実態で判断します。「週19時間だから大丈夫」と自分で結論を出さず、働き始める前に管轄のハローワークに相談するのが確実です。相談したこと自体が不利に扱われることはありません。

もう1つ注意すべき点があります。就職と判断された場合でも、それが必ずしも損とは限らないことです。支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば、再就職手当の対象になる可能性があります。この点は後の節で扱います。

3本目の線 申告と、減額の計算

3本目が、この記事でいちばん重要な線です。働いたら必ず申告する。これは法律に書かれた義務です。

受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によつて収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。 出典: e-Gov法令検索(雇用保険法第19条)

申告すると、給付はどうなるのか。ここが誤解されがちなところです。「働いたら手当が減る」と思われていますが、正確には、減る場合と減らない場合があります。

雇用保険法第19条は、計算の仕方を次のように定めています。まず、得た収入の1日分に相当する額を出します。収入の総額を、その収入の基礎となった日数で割った額です。そこから控除額を差し引きます。この控除額は法律で1,282円と定められ、賃金の変動に応じて毎年8月1日に見直されることになっています。差し引いた後の額と、基本手当の日額を足します。

この合計額が、賃金日額の80%に相当する額を超えないときは、基本手当は全額支給されます。つまり、働いても手当は減りません。

合計額が賃金日額の80%を超えるときは、超えた分を基本手当の日額から差し引いた残りが支給されます。そして、超えた分が基本手当の日額以上になるときは、その日の基本手当は支給されません。

ここで大事なのが、支給されなかった日の扱いです。その日は所定給付日数から消化されず、受給期間内であれば後ろにずれて支給されます。働いたぶん、受け取れる総額が減るわけではありません。この仕組みを知らずに「働いたら損をする」と考えて申告をためらう人がいますが、事実はむしろ逆です。

条文が定めているのは「収入を得たとき」の届け出です。収入があった日ではなく、働いた事実そのものも申告の対象になります。次の節で、申告書の書き方を具体的に見ていきます。

失業認定申告書に何をどう書くか

失業の認定は、原則として4週間に1度行われます。指定された日にハローワークへ行き、失業認定申告書に状況を記入して提出します。

申告書の第1欄は、「失業の認定を受けようとする期間中に、就職、就労又は内職・手伝いをしましたか」という問いです。した場合は「した」を選び、就職または就労をした日には○印、内職または手伝いをした日には×印を、申告書に印刷されたカレンダーに記入します。

第2欄は収入の欄です。内職または手伝いをして収入を得た人は、収入のあった日、収入額、そして何日分の収入かを記入します。ここで注意が必要なのは、「収入のあった日」が支払いを受けた日であり、働いた日とは限らないという点です。月末締めの翌月払いなら、実際に振り込まれた認定対象期間に書くことになります。どちらに書くか迷ったら、窓口で確認してください。

第3欄は求職活動の欄です。どの方法で求職活動を行ったか、いつ、どの機関を利用したか、その内容は何かを書きます。

つまり、申告書の設計そのものが「就職・就労」と「内職・手伝い」を分けています。どちらに当たるかは1日の労働時間などで分かれる運用になっていて、線の引き方はハローワークが受給資格の決定時に渡す「雇用保険受給資格者のしおり」と窓口の説明で示されます。自分で勝手に判断せず、しおりの記載に従ってください。ここを取り違えて申告すると、意図がなくても誤った申告になります。

記入で迷ったときの原則は1つです。隠さない。書き方が分からないことは窓口で聞けますが、書かなかったことは後から取り返しがつきません。

給付制限がある場合の扱い

自己都合で退職した人には、待期の後にさらに基本手当が支給されない期間があります。これを給付制限といいます。ここは制度が変わった部分で、古い情報が大量に残っているので注意してください。

厚生労働省のリーフレットの記載はこうです。自己都合で退職した場合は、待期が経過した後さらに1か月。令和7年3月31日以前に自己都合で退職した場合は2か月。自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は3か月。

自己都合で退職した場合は待期が経過した後さらに1か月(令和7年3月31日以前に自己都合で退職した場合は2か月、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は3か月)経過するまで、支給されません。これを給付制限といいます。 出典: 厚生労働省(雇用保険の給付に関するリーフレット)

加えて、5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けた場合は3か月になります。また、離職期間中や離職日前1年以内に、雇用の安定と就職の促進に資する教育訓練を自ら受けた場合には、給付制限が解除されます。

給付制限の期間中にアルバイトをしてよいかというと、してよいです。この期間はもともと基本手当が支給されないため、減額という問題が起きません。ただし、次の3点は守る必要があります。

1つ目は、週20時間以上の働き方をしないことです。就職と判断されれば、その時点で受給資格の扱いが変わります。

2つ目は、申告することです。給付制限期間中であっても、失業認定申告書には働いた日と収入を記入します。支給がない期間だから書かなくてよい、ということにはなりません。

3つ目は、求職活動の実績を積むことです。給付制限期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間については、原則として2回以上、給付制限期間が3か月の場合は原則として3回以上の求職活動の実績が必要になります。

なお、ハローワークインターネットサービスの手続き案内のページには、給付制限を「2か月」と書いたままの箇所があります。これは古い記載です。令和7年4月1日以降の自己都合離職については、厚生労働省のリーフレットと再就職手当のリーフレットが示す1か月が現在の扱いです。

求職活動の実績はどう数えるか

アルバイトの話と直接つながる論点なので、ここも整理しておきます。

基本手当の支給を受けるためには、失業の認定を受けようとする期間、つまり認定対象期間の中に、原則として2回以上の求職活動の実績が必要です。最初の認定日における認定対象期間中は1回でかまいません。

求職活動として認められるのは、求人への応募、ハローワークが行う職業相談や職業紹介、各種講習やセミナーの受講、許可や届出のある民間の職業紹介機関や労働者派遣機関が行う職業相談や職業紹介、求職活動の方法を指導するセミナーの受講、公的機関等が実施する職業相談や個別相談ができる企業説明会への参加、そして再就職に資する国家試験や検定の受験です。

一方、求人情報をハローワークや新聞やインターネットで閲覧しただけ、知人に紹介を依頼しただけでは、実績になりません。

ここでアルバイトとの関係が出てきます。アルバイトに時間を取られて求職活動の実績が足りなくなると、その認定対象期間の基本手当が支給されません。働いた日の減額よりも、実績不足のほうがはるかに影響が大きくなります。アルバイトを入れるときは、認定日までの求職活動の予定を先に確保してから、残りの時間で働く量を決めるという順番にしてください。

なお、求職活動の実績については、利用した機関などへの問い合わせによってハローワークが事実確認を行うことがあります。実際に行っていない活動を書くことは、後の節で触れる不正受給に直結します。

不正受給になるとどうなるか

ここは、脅しではなく事実として書きます。処分が重いからです。

ハローワークは、不正受給の典型例を具体的に挙げています。実際には行っていない求職活動を失業認定申告書に実績として記す。就職や就労をしたにもかかわらず、その事実を記さずに偽りの申告を行う。自営や請負により事業を始めているにもかかわらず記さない。内職や手伝いをした事実とその収入を記さない。会社の役員に就任していることを記さない。ここでいう就労には、パートタイマー、アルバイト、派遣就業、試用期間、研修期間、日雇いがすべて含まれます。

処分の内容はこうです。

こういった不正行為が行われた場合、その不正行為があった日以降の日について、基本手当等が一切支給されず、不正に受給した基本手当等の相当額(不正受給金額)の返還が命ぜられます。さらに、返還が命ぜられた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付(いわゆる「3倍返し」)が命ぜられることとなります。 出典: ハローワークインターネットサービス(不正受給の典型例)

不正に受け取った額の返還に加えて、その2倍以下の金額の納付が命じられます。合計で最大3倍です。さらに、それ以降の給付が一切止まります。

見落としてはいけないのは、金額の大小が問われないことです。1日のアルバイトを書かなかっただけでも、不正行為があった日以降のすべてが止まります。数千円の申告漏れで、残りの数十万円を失う計算になります。

もう1つ知っておくべきことは、発覚の経路です。雇用する側は、給与の支払いに関する記録を税や社会保険の手続きで提出します。役員への就任は登記に残ります。「黙っていれば分からない」という前提は成り立ちません。

書き方が分からない、判断に迷うという段階で窓口に相談すれば、それは不正ではありません。相談しないまま書かなかったときだけが不正になります。

再就職手当との関係で考える

アルバイトの是非を考えるとき、あわせて見ておくべきなのが再就職手当です。これは、早く再就職した人に支給される制度で、基本手当の残りをまとめて受け取れる性格を持っています。

支給額は、就職の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数によって変わります。所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合は支給残日数の70%、3分の1以上を残した場合は60%の額です。計算に使う基本手当日額には上限があり、離職時の年齢が60歳未満の人は6,745円、60歳以上65歳未満の人は5,454円です。これは基本手当そのものの上限とは別の数字なので、混同しないでください。

支給の要件は複数ありますが、アルバイトとの関係で重要なのは2つです。1つは、受給手続き後の7日間の待期が満了した後に就職または事業を開始したこと。待期の途中で働くと待期の満了日が後ろにずれるため、ここでも1本目の線が効いてきます。もう1つは、給付制限がある人の場合、求職の申込みをしてから待期満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであることです。

この構造を踏まえると、判断の筋が見えてきます。アルバイトで日々の収入を確保することと、早く再就職して残日数の60%から70%を受け取ることは、天秤にかけられます。アルバイトに時間を使うほど求職活動に使える時間が減り、再就職が遅れ、再就職手当の給付率が下がるからです。

もちろん、生活のために収入が必要な事情は人それぞれです。ただ、どちらが得かを感覚で決めず、自分の基本手当日額と所定給付日数を当てはめて計算してみる価値はあります。

アルバイトの前に使える制度がある

収入が必要だという理由でアルバイトを検討している場合、先に確認しておくと損をしない制度があります。

1つ目が、公共職業訓練です。ハローワークの職業相談の中で、再就職のために訓練の受講が必要と認められた場合、安定所長がその訓練の受講を指示することがあります。この指示を受けて訓練を受ける場合、訓練期間中に所定給付日数が終了しても、訓練が終了する日まで引き続き基本手当が支給されます。

さらに、基本手当とは別に技能習得手当が支給されます。受講手当は、訓練を受けた日について日額500円で、上限額は20,000円です。通所手当は、通所方法によりますが最高42,500円までです。家族と別居して寄宿する場合は、寄宿手当として月額10,700円が支給されます。

2つ目が、給付制限の解除です。離職期間中や離職日前1年以内に、雇用の安定と就職の促進に資する教育訓練を自ら受けた場合、給付制限が解除されます。自己都合で辞めた人にとっては、支給開始が1か月早まることになります。

3つ目が、傷病手当です。離職後、ハローワークで求職の申込みをした後に15日以上引き続いて病気やけがのために職業に就くことができない場合、基本手当の支給を受けられない日の生活の安定を図るために支給されます。日額は基本手当の日額と同額です。14日以内の病気やけがの場合は、基本手当が支給されます。

働けない事情があるときに無理をして短期のアルバイトを探すより、制度を使って訓練を受けたほうが、結果として早く条件のよい仕事に戻れることがあります。判断の材料として、職業相談のときに窓口で聞いてみてください。

契約や報酬をめぐるもめごとの扱いを知っておきたい人には、未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】のような、実際の手続きの流れをたどった解説が参考になります。

具体的な場面ごとに判断してみる

ここまでの3本の線を、実際に相談の多い場面に当てはめてみます。個別の事情で結論が変わることがあるので、最終的な判断は管轄のハローワークで確認してください。

場面1。求職の申込みをした翌日に、1日だけの単発の仕事が入った。この場合、その日は待期に含まれません。待期の満了が1日後ろにずれ、支給開始もそのぶん遅れます。7日間だけは予定を空けておくほうが、結果的に早く受給が始まります。

場面2。待期が満了した後、週3日、1日5時間のアルバイトを始めた。週15時間なので、週20時間の線は越えていません。働いた日と収入を申告し、収入の1日分から控除額を引いた額と基本手当日額の合計が賃金日額の80%を超えるかどうかで、その日の支給が決まります。超えなければ全額支給されます。

場面3。人手が足りない時期だけ週22時間働いてほしいと頼まれた。週20時間以上で31日以上の雇用見込みがあれば、雇用保険の被保険者になります。つまり就職として扱われます。支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば、再就職手当の対象になる可能性があるので、断る前に残日数を確認してください。

場面4。給付制限の期間中に、収入が必要でアルバイトを始めた。この期間はもともと支給がないため減額の問題は起きませんが、申告は必要です。あわせて、給付制限期間とその直後の認定対象期間で求職活動の実績を確保してください。

場面5。知人の会社を手伝い、報酬は後日まとめて受け取ることになった。働いた事実は働いた日の認定対象期間に、収入は受け取った日の認定対象期間に記入するのが基本です。まだ金額が確定していない場合の書き方は窓口で確認してください。

場面6。クラウドソーシングで単発の案件を受けた。これは雇用ではなく請負です。自営や請負により事業を始めた場合は申告の対象になります。単発を繰り返すと事業の開始とみなされることがあるため、受ける前に相談してください。

どの場面にも共通するのは、迷ったら働く前に聞く、という順序です。働いた後に相談すると、選べる選択肢が減ります。

手続きの流れと、認定日までの段取り

アルバイトの予定を組むうえで、手続きの日程を把握しておくと計画が立てやすくなります。全体の流れは次のようになっています。

離職すると、会社から雇用保険被保険者離職票が届きます。在職中に雇用保険被保険者証の有無を確認しておくと、この段階で慌てずに済みます。離職票が交付されない場合や、事業主と連絡が取れない場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせます。

次に、住居を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、離職票を提出します。このときに必要なのは、離職票、個人番号を確認できる書類、身元を確認できる書類、写真2枚、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。手続きの受付は平日の8時30分から17時15分までで、求職の申込みにも時間がかかるため、16時前までに行くことがすすめられています。

ここで受給資格の決定を受け、離職理由の判定も行われます。離職理由に納得がいかない場合、たとえば実際は退職勧奨であるのに自己都合とされている場合は、この段階で相談してください。ハローワークが事実関係を調査したうえで判定します。離職理由が変われば、給付制限の有無も所定給付日数も変わります。

その後、雇用保険受給者初回説明会に出席します。ここで雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取り、第一回の失業認定日を知らされます。

以後は、原則として4週間に1度の失業認定日にハローワークへ行き、申告書を提出します。認定が行われた日から通常5営業日で、指定した口座に基本手当が振り込まれます。休祝日や年末年始をはさむ場合は遅れることがあります。

この日程が分かれば、アルバイトの予定は組みやすくなります。認定日は必ず空けておく。認定日までに求職活動の実績を確保する。その残りの時間で働く量を決める。この順序にしておけば、実績不足で支給が止まる事態を避けられます。

なお、受給期間中に病気やけが、妊娠、出産、育児などの理由で引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その日数分だけ受給期間を延長できます。延長できる期間は最長で3年間です。働けない状態のまま受給期間を消化してしまうより、延長の申請をしたほうが有利になることがあります。

制度を見てきた立場からの観察

在宅の仕事を仲介する場を20年運営してきた立場から、この論点について2つ書いておきます。

1つ目。失業給付の期間中にアルバイトをして問題になる人は、悪意がある人ではありません。制度を知らないまま、あるいは「これくらいなら」と自己判断した人です。運営者として見てきた限りでは、事情を説明して窓口に相談した人が不利に扱われた例はありません。逆に、自己判断で書かずに進めた結果、後から全額の返還を求められた話は複数あります。判断に迷ったら聞く。これが最も安い保険です。

2つ目。受給期間中に業務委託の仕事を受ける場合、扱いが雇用のアルバイトとは違う点に注意が必要です。自営や請負により事業を始めた場合、その事実を申告しなければ不正受給の典型例に当たります。単発の請負をどう扱うかは、事業の開始とみなされるかどうかで分かれるため、受ける前に窓口で確認してください。

もう1点、手数料の構造について触れておきます。在宅で仕事を請け負うとき、間に入る事業者の取り分は手取りに直接効きます。中間のマージンが乗らない直接取引であれば、発注する側は同じ予算でより多く頼め、受ける側は同じ作業で手取りが厚くなります。手数料0%という条件の価値は、金額の大小ではなく、同じ労力に対して手元に残る額が違うという質の問題です。受給期間が終わった後に本格的に仕事を受けるつもりなら、どの経路で受けるかを今のうちに調べておくと、切り替えがなめらかになります。

職種データから見た、受給期間の使い方

最後に、受給期間をどう使うかという視点で整理します。

基本手当の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間です。所定給付日数が90日の人は、この1年の中で90日分を受け取ることになります。逆に言えば、収入が途切れない状態で技能を身につけられる期間が確保されている、ということでもあります。

ここで考えるべきは、受給が終わった後にどの仕事に就くかです。同じ職種に戻るのか、条件を変えるのか。在宅で働ける職種に移ることを考えているなら、受給期間中に相場を調べておく価値があります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別のデータを見ると、同じ在宅の仕事でも収入の構造がまったく違うことが分かります。

資格を取ることも選択肢に入ります。再就職に資する国家試験や検定の受験は、求職活動の実績として認められます。つまり、資格の勉強と求職活動を両立できる設計になっています。技術系ならCCNA(シスコ技術者認定)、事務系ならビジネス文書検定のように、職種に直結する検定を選ぶと、受験そのものが実績になり、合格すれば応募時の材料にもなります。

独立を視野に入れている人は、受給期間中に発注側の仕組みを理解しておくと有利です。フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストのように、契約の型を先に知っておくと、最初の案件で条件をのまされずに済みます。

どの職種にどんな技能が求められているかを横断で確かめたい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事やアプリケーション開発のお仕事に、仕事の中身と必要な技能が整理されています。受給期間は、目の前の収入を埋めるためだけの時間ではありません。次にどこへ移るかを決めるための時間でもあります。アルバイトを入れるかどうかは、その設計の中で決めてください。

よくある質問

Q. 失業保険を受けている間にアルバイトをしてもいいですか?

できます。禁止されていません。ただし、待期の7日間に働くとその日は待期に含まれず支給開始が遅れること、週の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがある働き方は就職として扱われること、働いた日と収入は必ず失業認定申告書に記入することの3点を守る必要があります。

Q. アルバイトをすると基本手当は減りますか?

減る場合と減らない場合があります。収入の1日分から控除額を引いた額と基本手当日額の合計が、賃金日額の80%を超えなければ全額支給されます。超えた場合は超過分が差し引かれ、超過分が基本手当日額以上なら支給されません。支給されなかった日は消化されず、受給期間内であれば後ろにずれて支給されます。

Q. 給付制限の期間はどれくらいですか?

令和7年4月1日以降に自己都合で退職した場合は、待期が経過した後さらに1か月です。5年間で3回以上の自己都合離職があった場合は3か月、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇の場合も3か月です。令和7年3月31日以前の自己都合退職は2か月でした。古い記載が残っているページがあるので注意してください。

Q. 申告を忘れたらどうなりますか?

就労や内職の事実、収入を記さずに申告すると不正受給に当たります。その不正行為があった日以降の基本手当等が一切支給されなくなり、不正に受給した額の返還に加えて、その2倍以下の額の納付が命じられます。金額の大小は問われません。書き方が分からない段階で窓口に相談すれば不正にはなりません。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月11日最終更新:2026年9月27日
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