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LASSICの不正アクセス|サーバー内の個人情報の漏えいを確認 対象者と問い合わせ窓口 2026

@SOHO編集部
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LASSICの不正アクセス|サーバー内の個人情報の漏えいを確認 対象者と問い合わせ窓口 2026

この記事のポイント

  • ✓LASSICの情報漏洩について
  • ✓2025年11月から2026年2月までの公式発表をもとに整理
  • ✓サーバー内の個人情報のうち漏えいが確認された1名と

LASSICの情報漏洩について、株式会社LASSIC(本社 鳥取)は2025年12月24日、サイバー攻撃を受けた同社のサーバー内に保存されていた個人情報の一部について、外部への漏えいが確認されたと発表しました。公表された表では、漏えいの事実を確認した人が1名、事実は確認されていないものの漏えいしたおそれがある人が24名で、項目は氏名、勤務先メールアドレス、勤務先情報、取引情報です。 ただし、この表に載っているのは、メールアドレスの失効などで会社から個別に通知できなかった人だけです。対象の全体の人数ではありません。 LASSICと仕事で関わったことがある人がまずすることは、勤務先のメールに届く不審なメールや添付ファイルに注意すること、そして心当たりがあれば同社の窓口に確かめることです。

公表の流れを日付で整理すると、最初の発表は2025年11月11日で、11月14日に第二報、11月21日に第三報、12月24日に個人情報漏えいのお知らせ、2026年2月13日に第四報が出ています。2026年11月1日時点で分かっている最新の内容は第四報のもので、外部の専門家による詳細調査の結果、ランサムウエアなどのマルウエアへの感染は確認されず、その後もあらたな情報漏洩は確認されていないとされています。第四報のあと、2026年11月1日時点で、この件の続報は公式サイトのお知らせ一覧に掲載されていません。

この記事は、2026年11月1日時点でLASSICの公式サイトに掲載されている発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

LASSICの不正アクセスで何が起きたのか

LASSICは鳥取に本社がある会社で、公式サイトの案内によると、IT事業部によるシステムの保守運用・開発のほか、リモートワークに専門特化した人材サービスとして「Remogu(リモグ)」と「リラシク」を運営しています。テレワークに関する調査を発表する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」の名前でも記事を公開しています。

今回の件の骨子は、公式の発表をつなぎ合わせると次のとおりです。

  • 2025年11月11日、サイバー攻撃を検知し、ネットワーク接続を一部制限した
  • 11月14日、サーバー内で不正な操作をした痕跡を確認し、初期調査で情報漏洩の可能性を示す痕跡が確認された
  • 11月21日、ランサムウエア等のマルウエアへの感染は確認されていないと発表し、外部の専門家による詳細調査に入った
  • 12月24日、サーバー内に保存されていた個人情報のうち複数名分の外部への漏えいが確認され、ほかの一部にも漏えいのおそれがあると発表した
  • 2026年2月13日、詳細調査の結果としてマルウエアへの感染は確認されず、あらたな情報漏洩も確認されていないと発表した

ここで押さえておきたいのは、「漏えいが確認された情報」と「漏えいのおそれがある情報」が分けて書かれている点です。会社は、確かめられたものと、確かめられていないが否定もできないものを区別して公表しています。この記事でも、その区別のとおりに書きます。

また、12月24日のお知らせによると、それまでの調査で影響が確認された客と取引先には、会社から個別に知らせてきたとされています。12月24日の公表は、メールアドレスの失効などで個別の通知が届かなかった人に向けたもので、公表そのものが通知の代わりという位置づけです。

公表の経緯と、それぞれの発表で分かったこと

公表は、2025年11月から2026年2月までに5回あります。日付ごとに、何が新しく分かったかを表で並べます。

日付 発表 新しく分かったこと
2025年11月11日 サイバー攻撃によるネットワーク接続の一部制限について サイバー攻撃を検知し、ネットワーク接続を一部制限。この時点では個人情報や顧客データの外部への流出は確認されていない。IT事業部が受託した保守運用・開発サービスの一部業務に影響
2025年11月14日 同(第二報) サーバー内で不正な操作をした痕跡を確認。被害のあったサーバーを隔離。初期調査で情報漏洩の可能性を示す痕跡が確認され、内容や範囲は調査中
2025年11月21日 同(第三報) ランサムウエア等のマルウエアへの感染は確認されていない。社内の初期調査は完了し、外部の専門家による詳細調査へ。影響を受けた業務は順次再開
2025年12月24日 不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお知らせ 複数名分の個人情報の外部への漏えいを確認。一部には漏えいのおそれ。通知できなかった人に向けた公表と、問い合わせ窓口の設置
2026年2月13日 同(第四報) 外部の専門家による詳細調査の結果、マルウエアへの感染は確認されなかった。その後もあらたな情報漏洩は確認されていない

最初の発表では「現時点で個人情報や顧客データなどの外部への流出は確認されていません」とされていましたが、第二報で漏洩の可能性を示す痕跡が見つかり、12月24日に一部の漏えいが確認されたという順番です。初報の内容だけを読んで「漏えいはなかった」と受け取っていた人は、12月24日の発表まで読み進める必要があります。

第二報には、被害の拡大を防ぐためにサイバー攻撃の詳細の開示は差し控えるとも書かれています。攻撃の手口や侵入の経路について、公式の発表で明らかにされていない部分があるのはこのためです。

12月24日のお知らせのページから開ける文書には、経緯が次のようにまとめられています。

当社は 11 月 11 日、14 日、21 日にサイバー攻撃検知の事実を公表し、外部専門機関による調査を進めてまいりました。その結果、以下の事項が判明いたしました。 出典: 株式会社LASSIC「不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお知らせ」

漏えいが確認された情報と、おそれがある情報

12月24日の文書「当社ネットワークへの不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお知らせとお詫び」には、影響を受けた情報が表で示されています。公式の表をもとに、区分ごとに整理します。

区分 対象者(公式の表記) 情報項目 漏えいの状況
サーバー内に保存されていた個人情報 当社採用業務引先関係者(1名) 氏名、勤務先メールアドレス、勤務先情報 個人情報の漏えいの事実を確認した
サーバー内に保存されていた情報からアクセス可能だった個人情報 元従業員・当社IT事業部取引先関係者(24名) 氏名、勤務先メールアドレス、取引情報 漏えいの事実は確認されていないが、漏えいしたおそれがある

1行目の対象者は、公式の表では「当社採用業務引先関係者」と書かれています。採用の業務で関わりのある取引先の関係者を指す区分とみられますが、表記はそのまま載せています。自分がこの区分に当たるか分からない場合は、後で紹介する窓口で確かめるのが確実です。

公式の発表で、含まれないと明記された項目はありません。一方で、表に挙がっている項目は氏名、勤務先メールアドレス、勤務先情報、取引情報で、クレジットカード番号や口座番号、パスワードは挙がっていません。挙がっていない項目について、会社は「含まれない」とは書いていないため、この記事でも「含まれない」とは言い切りません。分かっているのは、表に挙がっている項目がこの4つだということです。

項目の性質を見ると、どれも仕事の場面で使う情報です。自宅の住所や個人の電話番号ではなく、勤務先のメールアドレスと勤務先の情報、そして取引の情報が中心です。そのため、心配すべきことも、個人のカードの不正利用より、勤務先のメールに届くなりすましのメールや、取引を装う連絡のほうに寄ります。会社自身も、発表の中で次の点に注意するよう呼びかけています。

漏えいした、または漏えいしたおそれのある情報が悪用され、フィッシングメール・スパムメール・なりすまし行為が行われる可能性があります。リンクや添付ファイルの開封には十分ご注意ください。 出典: 株式会社LASSIC「当社ネットワークへの不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお知らせとお詫び」(PDF)

表の人数が全体の人数ではない理由

この件で読み違えやすいのが、表に載っている「1名」と「24名」の意味です。表の下には、対象者についてはメールアドレス失効等により通知が困難だった人のみ記載していると注記があります。

つまり、会社が個別にメールなどで知らせることができた人は、この表に入っていません。12月24日のお知らせのページにも、それまでの調査で影響が確認されたものについては、該当する客と取引先にお知らせしてきたと書かれています。個別に知らせた人が何人いたのか、全体で何人が対象なのかは、2026年11月1日時点の公式の発表には書かれていません。

このため、次の2つはどちらも正しくありません。

  • 「対象は25名だけ」と考えること
  • 表に載っていない区分の人を、推測で対象に含めること

正しい読み方は、「個別の通知が届かなかった人のうち、漏えいを確認した人が1名、おそれがある人が24名いる」というものです。会社から個別の通知を受け取っている人は、その通知に書かれた内容が自分についての情報になります。通知を受け取っていないが心当たりがある人は、窓口で確かめることになります。

メールアドレスの失効が理由として挙がっているのは、元従業員や、以前に取引があった担当者のように、当時のメールアドレスがもう使われていない人がいるためと考えられます。転職や異動で勤務先のメールアドレスが変わった人は、会社からの通知が届いていない可能性があります。そうした人ほど、公式の発表を自分で確かめる意味があります。

原因について発表で分かっていること

原因について、公式の発表で分かっていることは限られています。書かれているのは次の点です。

  • サイバー攻撃を受け、サーバー内で不正な操作をした痕跡が確認された(第二報)
  • 攻撃の詳細は、さらなる被害の拡大を防ぐため情報開示を差し控える(第二報)
  • 外部の専門家による詳細調査の結果、ランサムウエア等のマルウエアへの感染は確認されなかった(第四報)

ランサムウエアとは、データを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正なプログラムのことです。第二報では、ランサムウエアなどの実行による二次被害を防ぐためにサーバーを隔離したとありますが、第三報と第四報で、感染は確認されなかったと明らかにされています。

侵入の経路や、どの機器やソフトの弱点を突かれたのかは、公式の発表には書かれていません。報道やインターネット上の投稿で原因に触れたものがあっても、公式に確かめられないため、この記事では扱いません。

12月24日の文書には、原因究明と再発防止に向けて情報セキュリティ体制の一層の強化に取り組むとあり、第四報では、監視体制を維持し、セキュリティ強化を図って再発防止に努めるとされています。

2026年11月1日時点で分かっていないこと

公式の発表を順に読むと、分かったことと同じくらい、まだ書かれていないことがあります。読み手が誤解しないよう、2026年11月1日時点で公式の発表に書かれていない点を並べます。

  • 個別に通知した人を含めた、対象の全体の人数
  • 侵入の経路や、攻撃に使われた手口
  • 漏えいが確認された情報が、どこに出回ったか
  • 補償やお詫びの品の有無
  • LASSICが運営する人材サービスの登録者が対象に含まれるか

これらについて、インターネット上で数字や原因を挙げた投稿を見かけることがあっても、公式の発表で確かめられない内容です。とくに人数は、表の「1名」と「24名」を合計した25名を全体の人数として扱っている情報があれば、注記の内容と合いません。自分が対象かどうかの判断に、確かめられない情報を使わないことが大切です。分からない点は、窓口に直接確かめるのが確実です。続報が出た場合は、LASSICの公式サイトのお知らせ一覧の「ニュース」の区分に掲載されてきたので、そこを見れば最新の発表にたどり着けます。

LASSICの対応

公式の発表に書かれている会社の対応は次のとおりです。

時期 対応
2025年11月11日 ネットワーク接続の一部制限
2025年11月11日以降 緊急事態対策本部を立ち上げて調査
2025年11月14日 被害のあったサーバーを隔離し、社内外からのアクセスを遮断。漏洩が確認された客と取引先に通知し、説明
2025年11月21日以降 外部の専門家による詳細調査。安全確認とリスク対策が完了した業務から順次再開
2025年12月24日 通知が困難だった人に向けた公表、個人情報漏えいに関するお問い合わせ窓口の設置、ダークウェブを含む外部サイトに対する情報漏洩の監視の継続
2026年2月13日 監視体制の維持とセキュリティ強化、再発防止

ダークウェブとは、通常の検索では出てこない、特別な方法でしかつながらないインターネット上の場所のことで、盗まれた情報が売り買いされることがあります。会社は、そうした場所も含めて情報が出回っていないかを見張っていると発表しています。

二次被害については、12月24日の時点で「二次被害ならびにその恐れは確認されておりません」とされています。補償やお詫びの品について、公式の発表には書かれていません。この記事でも、補償の有無は推測しません。

なお、業務への影響として、第一報ではIT事業部が客から受託した保守運用・開発サービスの一部業務が挙げられていました。第三報で、安全確認とリスク対策が完了したものから順次再開していると発表されています。

自分が対象かを確かめる方法

自分が対象かどうかは、次の順で確かめると迷いません。

  1. LASSICから個別の通知が届いていないかを探す。勤務先のメールの受信箱だけでなく、迷惑メールのフォルダも確かめる
  2. 通知が見つからない場合は、自分が公式の表の区分に当たるかを考える。LASSICの採用業務に関わる取引先の担当者だった、LASSICで働いていた、LASSICのIT事業部と取引があった、のどれかに当たるか
  3. 当たる可能性があれば、後で紹介する個人情報漏えいに関するお問い合わせ窓口に確かめる

表の区分に、LASSICが運営する人材サービスの登録者は挙がっていません。公式の表に載っているのは、採用業務に関わる取引先の関係者、元従業員、IT事業部の取引先関係者です。サービスに登録していた人が対象に含まれるかについて、公式の発表には書かれていないため、気になる場合も推測で判断せず、窓口に確かめるのが確実です。

通知を探すとき、LASSICを名乗るメールが届いていても、それが本物かどうかは慎重に見てください。こうした事案のあとには、会社名を名乗る偽のメールが送られることがあります。メールの中のリンクから問い合わせるのではなく、公式サイトのお知らせに載っている窓口の番号やアドレスを、自分で調べて使います。

対象かもしれない人がすること

漏れた、または漏れたおそれがある項目は、氏名、勤務先メールアドレス、勤務先情報、取引情報です。この組み合わせで起きやすいのは、仕事のメールを装ったなりすましです。項目に合わせて、要るものだけを順に挙げます。

勤務先のメールに届く不審なメールに注意する

氏名と勤務先メールアドレスと勤務先の情報がそろうと、「あなたの名前と会社名を知っている相手」からのメールを装えます。取引の情報まで知られていると、過去の案件名や担当者の名前を入れた、本物らしいメールを作られるおそれがあります。

次のようなメールは、開く前に送信元を確かめます。

  • 取引先の担当者を名乗り、見慣れないアドレスから届いたメール
  • 「請求書を送ります」「契約書を確認してください」と添付ファイルやリンクを開かせようとするメール
  • 「振込先の口座が変わりました」と、支払い先の変更を求めるメール
  • 急ぎや内密を強調し、上司や社内の確認を飛ばさせようとするメール

フィッシングメールの見分け方と、開いてしまったあとの対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で手順を整理しています。送信元のアドレスの確かめ方や、リンク先の見方を先に押さえておくと、仕事のメールでも落ち着いて振り分けられます。

勤務先の情報システムの担当者に伝える

勤務先のメールアドレスが対象に含まれている場合、狙われるのは個人だけでなく勤務先そのものです。会社の情報システムの担当者やセキュリティの担当者に、LASSICの件で自分の勤務先メールアドレスが対象になっている可能性があることを伝えておきます。

担当者に伝えておくと、迷惑メールの振り分けの設定を強めたり、同じ部署の人に注意を呼びかけたりと、会社の側で手を打てます。自分ひとりで抱え込まず、組織として備えるほうが確実です。

支払い先の変更の連絡は電話で確かめる

取引の情報が対象に含まれているおそれがある人にとって、とくに気をつけたいのが、支払い先の変更を装う連絡です。取引先を装って「口座が変わった」とメールで伝え、別の口座に振り込ませる手口があります。

支払い先の変更をメールで受け取ったときは、そのメールに書かれた電話番号ではなく、以前から使っている取引先の電話番号にかけて、本当に変更があったかを確かめます。社内の手順として、口座の変更はメールだけで受け付けないと決めておくと、担当者が替わっても守れます。

パスワードの使い回しを見直す

公式の表にパスワードは挙がっていません。それでも、勤務先メールアドレスが外に出たおそれがあるなら、そのアドレスをログインのIDにしているサービスがないかを見直す価値があります。同じアドレスとパスワードの組み合わせを複数のサービスで使っていると、どこか1つから漏れた組み合わせで、ほかのサービスにもログインされるおそれがあるためです。

パスワードの変更の順番や、使い回しの洗い出し方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく説明しています。仕事のメール、クラウドのストレージ、会計や請求のサービスのように、被害が大きくなりやすいものから手を付けます。

しなくてよいこと

公式の表には、クレジットカード番号や口座番号は挙がっていません。そのため、今回の件だけを理由に、カードを止めたり口座を解約したりする必要は示されていません。ただし、身に覚えのない請求や引き落としがあれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、すぐにカード会社や銀行に連絡してください。

勤務先メールアドレスが狙われると何が起きるのか

個人の情報の漏えいと比べて、勤務先の情報の漏えいは、被害が仕事の取引の中に入り込む点が違います。どのような流れで被害が広がりうるかを知っておくと、届いたメールのどこを疑えばよいかが分かります。

よく知られているのが、取引先や社内の上司になりすまして、お金を振り込ませたり、情報を送らせたりする手口です。攻撃する側は、まず氏名と勤務先とメールアドレスを手がかりに、本物らしい文面を作ります。そこに取引の情報があれば、「先日の案件の件ですが」と具体的な話から入ることができ、受け取った側は疑いにくくなります。

もう1つは、添付ファイルやリンクから不正なプログラムを入れさせ、勤務先のネットワークに入り込む手口です。今回の件のような事案のあとに届く「調査結果のお知らせ」「対象者の確認」といった件名のメールも、こうした手口に使われることがあります。会社名を名乗っていても、リンクや添付ファイルを開く前に、公式サイトに同じ案内があるかを確かめるのが安全です。

こうした被害を防ぐうえで効果があるのが、メールのアカウントに多要素認証を設定することです。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリに届く確認や、使い捨ての番号など、もう1つの手段で本人かどうかを確かめる仕組みのことです。パスワードを盗まれても、もう1つの手段がなければログインされにくくなります。導入の考え方と製品の違いは、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で比べています。

取引先の担当者として社内でしておくこと

LASSICのIT事業部と取引があった会社や、採用の業務で関わりがあった会社の担当者は、自分個人だけでなく、会社の窓口としての備えも考えておきたいところです。

まず、LASSICとの取引に関わった人を社内で洗い出します。担当者が異動や退職をしていると、当時のメールアドレスがもう使われておらず、会社からの通知が届いていない可能性があります。今回の表の注記にあるとおり、通知が困難だった人の多くはメールアドレスの失効が理由です。前任者の名前を窓口で伝えれば、対象かどうかを確かめられる場合があります。

次に、取引の窓口になっている部署に、なりすましのメールへの注意を伝えます。請求書の受け取り、支払い先の変更、契約書のやり取りを担当する人は、とくに狙われやすい立場です。メールで支払い先の変更を受けたら電話で確かめる、という決まりを、この機会に改めて共有しておきます。

最後に、取引先から預かった情報の扱いも見直します。LASSICに限らず、委託先のサーバーに自社の情報を預けている場合、委託先で同じような事案が起きる可能性はあります。どの委託先に、どの情報を、いつまで預けているかを一覧にしておくと、何か起きたときに影響の範囲をすぐに確かめられます。

問い合わせ窓口

今回の件の問い合わせ先は、12月24日の文書に次のとおり載っています。

名称 電話番号 受付時間 メール
株式会社LASSIC 個人情報漏えいに関するお問い合わせ窓口(PMS事務局) 0857-54-1070 平日 10時00分から17時00分 [email protected]

PMSとは、個人情報保護マネジメントシステムの略で、会社の中で個人情報の扱いを管理する仕組みのことです。この窓口は、その事務局として案内されています。

問い合わせる前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。

  • LASSICと関わったときの自分の氏名と、当時の勤務先、当時使っていたメールアドレス
  • LASSICとの関わり方(採用の業務での取引、IT事業部との取引、元従業員など)
  • LASSICから通知のメールが届いたかどうか
  • 不審なメールが届いていれば、その日時と送信元のアドレス、件名

窓口に問い合わせるときも、パスワードを伝える必要はありません。もしメールや電話でパスワードやカード番号を求められたら、それが本当にLASSICの窓口かを確かめ直してください。窓口の番号とアドレスは、届いたメールに書かれたものではなく、公式サイトに載っているものを使います。

LASSICの人材サービスに登録している人へ

LASSICは、リモートワークに専門特化した人材サービスを運営しています。そのため、在宅で働く人の中には「自分の登録情報は大丈夫だろうか」と気になった人もいるはずです。

2026年11月1日時点で公式の発表に載っている対象の区分は、採用業務に関わる取引先の関係者、元従業員、IT事業部の取引先関係者です。サービスの登録者が対象だとは書かれていません。一方で、書かれていないことは「含まれない」とも言い切れません。気になる人は、推測で安心したり不安になったりせず、問い合わせ窓口に自分の場合を確かめるのが確実です。

あわせて、次の点を見直しておくと、どのサービスの事案が起きても慌てずに済みます。

  • 人材サービスに登録しているメールアドレスとパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか
  • 登録したまま使っていないサービスがないか。使っていないなら退会や登録情報の削除を検討する
  • 人材サービスを名乗るメールで、案件の紹介を装ってリンクを開かせるものが届いていないか

仕事の紹介を装ったメールは、在宅で働く人が受け取ることの多い種類のなりすましです。「高単価の案件があります」「登録情報の確認が必要です」といった文面でリンクを開かせ、ログインの画面を装ってIDとパスワードを入力させる手口があります。ログインするときは、メールのリンクからではなく、ブックマークや公式アプリから開く習慣をつけておくと安全です。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人は、取引先から顧客の名簿、原稿、システムの資料などを預かる立場になることがあります。今回の件のように、勤務先や取引先のサーバーから情報が出ると、預かった側にも影響が及びます。逆に、自分のメールやクラウドのアカウントが乗っ取られると、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に利用されると財産的な被害が生じるおそれがある漏えい等、不正の目的をもって行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。いずれも、漏えいが確かめられた場合だけでなく、そのおそれがある場合も含まれます。報告は発覚したらまず速やかに行い、不正な目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。

  • 仕事のメール、クラウドストレージ、チャットのパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか
  • 仕事で使うアカウントに多要素認証を設定しているか
  • 取引先から預かったデータを、必要がなくなったあとも手元に残していないか
  • 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか
  • 取引先を名乗るメールで支払い先の変更を求められたとき、電話で確かめる手順を決めているか

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。パスワードの使い回しをやめる、仕事と個人のアカウントを分ける、届いたメールをすぐに開かない、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

情報を守る力を仕事に生かす

情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、取引先向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を公式の発表から正確に読み取り、「何が確認されて、何がおそれの段階なのか」「対象の人は何をすればよいか」を整理する作業も、その1つです。

社員がなりすましのメールに引っかからないようにする取り組みとしては、偽のメールを使った訓練があります。訓練の進め方や効果は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

LASSICの件は、2026年2月13日の第四報で、詳細調査の結果としてマルウエアへの感染は確認されず、あらたな情報漏洩も確認されていないとされ、2026年11月1日時点でそれ以降の続報は出ていません。LASSICと仕事で関わったことがある人は、勤務先のメールに届く不審なメールへの注意、支払い先の変更の電話での確認、心当たりがある場合の窓口への問い合わせの3つを先に済ませ、続報はLASSICの公式サイトのお知らせで確かめてください。

よくある質問

Q. LASSICの件で、漏えいの対象は何人ですか?

公式の表には、漏えいの事実を確認した人が1名、漏えいしたおそれがある人が24名と載っています。ただし、表の注記によると、載っているのはメールアドレスの失効などで個別に通知できなかった人だけです。個別に通知した人を含めた全体の人数は、2026年11月1日時点の公式の発表には書かれていません。

Q. どんな情報が漏えいした、またはおそれがあるのですか?

漏えいを確認した1名は氏名、勤務先メールアドレス、勤務先情報です。おそれがある24名は氏名、勤務先メールアドレス、取引情報です。表にクレジットカード番号や口座番号は挙がっていませんが、会社は含まれないとも明記していないため、表に挙がっている項目がこの4つだと理解するのが正確です。

Q. LASSICのサービスに登録しているだけでも対象になりますか?

公式の表に載っている区分は、採用業務に関わる取引先の関係者、元従業員、IT事業部の取引先関係者で、サービスの登録者は挙がっていません。ただ、含まれないとも書かれていないため、気になる場合はPMS事務局(0857-54-1070、平日10時から17時、[email protected])に自分の場合を確かめるのが確実です。

Q. 対象かもしれない場合、まず何をすればよいですか?

勤務先のメールに届く不審なメールに注意し、添付ファイルやリンクを開く前に送信元を確かめます。支払い先の変更をメールで求められたら、以前から使っている電話番号で取引先に確かめます。勤務先の情報システムの担当者にも、対象の可能性があることを伝えておくと、組織として備えられます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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