IDCFクラウドのランサムウェア被害|495の企業・自治体への影響と取引先と利用者への影響 2026


この記事のポイント
- ✓IDCFクラウドのランサムウェア被害について
- ✓IDCフロンティアは2026年10月7日から第6報まで発表し
- ✓495の企業・自治体が影響を受けたこと
株式会社IDCフロンティアは、2026年10月7日(水)午前3時40分ごろから、クラウドサービス「IDCFクラウド」の東日本リージョン1で、第三者からのランサムウェア攻撃による障害が起きたと発表しました。影響を受けたのはIDCFクラウドを契約する495の企業や自治体で、10月14日の第5報では、仮想サーバー内のデータが外部へ持ち出された痕跡は確認されず、外部へのデータの流出はなかったと判断したとしています。IDCFクラウドを使っている企業がまずすることは、自社のデータのバックアップを取得し、IDCFからの個別の連絡を確かめること。IDCFクラウドの上で動くサービスを使っている一般の人は、各社からの個別の通知を確かめ、その会社を名乗る偽のメールのリンクを開かないことです。
この記事では、IDCフロンティアの第1報から第6報までの公式発表と、利用企業のうち東日本旅客鉄道(JR東日本)とビューカードの公式発表をもとに、何が起きたのか、どこまでが影響の範囲なのか、立場ごとに何を確かめればよいかを、2026年10月20日時点で整理します。ニュースサイトの記事や推測は使っていません。
IDCFクラウドのランサムウェア被害で分かっていること(2026年10月20日時点)
最初に、IDCフロンティアの公式発表で確かめられる事実を短く並べます。
- 発生:2026年10月7日(水)午前3時40分ごろ
- 対象:IDCFクラウド 東日本リージョン1の一部(teslaゾーン、henryゾーン、pascalゾーン、jouleゾーン)
- 原因:第三者からの不正アクセス(ランサムウェア攻撃)
- 影響範囲:IDCFクラウドを契約して利用している495の企業や自治体
- 起きたこと:クラウド上の仮想サーバーの停止と、再起動ができない状態
- データの流出:仮想サーバー内のデータの照会や外部への持ち出しを示す痕跡は確認されず、外部への流出はなかったと判断(第5報)
- 復元:スナップショット機能を使っていた194の利用者について、バックアップデータの取り出しが可能と確認(第5報)
- 管理画面への不正な照会:IDCFクラウドポータルで48社の登録情報に不正な照会。持ち出しの痕跡はなし(第5報)
- 対象外:IDCFクラウド TypeS(旧ホワイトクラウド ASPIRE)と IDCF プライベートクラウド
ランサムウェアとは、会社や組織のコンピューターに入り込み、データを暗号化して使えなくしたうえで、元に戻す代わりに金銭を求める攻撃のことです。今回の件で特徴的なのは、被害を受けたのが1つの会社のシステムではなく、多くの会社が借りて使うクラウドの基盤だった点です。クラウドとは、自社でサーバーを持つ代わりに、事業者のデータセンターにあるサーバーをネット越しに借りて使う仕組みのことです。
そのため、IDCフロンティアの発表とは別に、IDCFクラウドを使っていた会社が、自社のサービスへの影響を個別に発表しています。たとえば JR東日本は、えきねっと会員と大人の休日倶楽部会員へのメール配信に使う外部サービスが IDCフロンティアの基盤を使っていたとして、2026年10月9日に発表しました。ビューカードも同じ日に、会員サイト「VIEW's NET」のメール配信用の外部サービスについて発表しています。一般の利用者にとっては、こうした各社の発表のほうが、自分に直接関わる情報になります。
公表の経緯:第1報から第6報まで
IDCフロンティアは、2026年10月7日から10月18日までに6本の発表を出しています。日付順に並べると次のとおりです。
| 日付 | 発表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年10月7日(水) | 第1報(当社サービスの一部システムに対する不正アクセスについて) | 午前3時40分ごろから、第三者の不正アクセスで東日本第1リージョンに障害。対象の利用者へ個別に連絡 |
| 2026年10月7日(水) | 第2報 | ランサムウェア攻撃と判明。影響は495の企業や自治体。東日本リージョン1をネットワークから遮断し、システムを停止。他のリージョンの管理コンソールも安全確認のため停止 |
| 2026年10月8日(木) | 第3報 | 対象は東日本リージョン1の4つのゾーン。保管データの取り出しや復元は困難な見通しで、復元は利用者自身のバックアップからのみ可能との見解。監督省庁と警視庁へ報告 |
| 2026年10月9日(金) | 第4報 | 10月7日午前9時に緊急対策本部を設置。親会社のソフトバンクの法人部門を窓口に、バックアップ手順の案内や移行環境の提案 |
| 2026年10月14日(火) | 第5報 | 仮想サーバー内のデータの外部流出はなかったと判断。スナップショット機能を使っていた194の利用者はバックアップの取り出しが可能。ポータルで48社の登録情報に不正な照会 |
| 2026年10月18日(土) | 第6報 | 安全確認が済んだため「IDCFクラウド バックアップ」の提供を再開。スナップショット機能は引き続き停止 |
第3報と第5報の間で、見通しが大きく変わっている点に注意してください。第3報では、被害を受けたゾーンに保管されていたデータの取り出しや復元は困難な見通しとされていました。第5報では、外部のセキュリティ専門企業と連携してバックアップデータの安全性が確認でき、スナップショット機能を使っていた194の利用者について、バックアップデータの取り出しが可能と確認したと改められています。
利用企業の個別の発表もこの流れに沿って更新されています。JR東日本とビューカードは、10月15日に、IDCフロンティアからの報告を受けたメール配信用外部サービスの会社から、個人情報(ビューカードはメールアドレス)の漏えいがなかったと判断したとの報告を受けた、と発表を更新しました。
影響を受けた範囲と、対象外とされたもの
IDCフロンティアの発表は、影響の範囲をゾーンとリージョンの単位で示しています。リージョンとは、データセンターのある地域ごとのまとまりのことで、ゾーンはその中をさらに分けた単位です。発表の内容を表にします。
| 区分 | 公式発表の記載 |
|---|---|
| 障害が起きた範囲 | 東日本リージョン1の一部(teslaゾーン、henryゾーン、pascalゾーン、jouleゾーン) |
| 障害の影響がない範囲 | 東日本リージョン1のその他のゾーン(radianゾーン、newtonゾーン)、東日本リージョン2、東日本リージョン3、西日本リージョン1。安全性の確認のため調査は継続 |
| 本事象の対象外 | IDCFクラウド TypeS(旧ホワイトクラウド ASPIRE)、IDCF プライベートクラウド |
| 仮想サーバー内のデータ | 照会や外部への持ち出しを示す痕跡は確認されず、外部への流出はなかったと判断 |
| ポータルで不正に照会された情報(48社) | 契約時に設定した企業名、ポータルのログインID、ポータルのログインパスワード(復元が難しいランダムなハッシュ値)、契約関連とサーバー稼働状況の通知先の企業メールアドレス、サービスの月額利用料金の合計額 |
| 個人名を含む可能性がある情報 | 照会された情報のうち、担当者の個人名を含む可能性があるメールアドレスが2社(各1件) |
| 照会された情報の持ち出し | 外部へ持ち出されたことを示す痕跡は確認されず |
ハッシュ値とは、パスワードをそのまま保存せず、元に戻しにくい形に変換して保存した値のことです。発表では「復元困難かつランダムなハッシュ値」とされていて、照会されたとしても、そのままパスワードとして使える形ではないという意味になります。
一般の利用者にとって大事なのは、「仮想サーバー内のデータの外部流出はなかったと判断」という第5報の結論です。IDCFクラウドの上で動いていたサービスに自分の情報を預けていた人にとって、この判断は、データそのものが外へ持ち出された痕跡は見つかっていない、という意味になります。ただし、どのサービスがどのゾーンで動いていたか、利用者の情報がどう扱われたかは、そのサービスを提供する各社が判断して発表するものです。自分が使っているサービスについては、その会社の発表を確かめてください。
原因と会社の対応
原因について、IDCフロンティアの公式の表現は「第三者からの不正アクセス(ランサムウェア攻撃)」です。侵入経路については、第3報の時点で「詳細な影響範囲や侵入経路等については調査中」とされ、2026年10月20日時点で侵入経路の詳しい説明は発表されていません。
第5報では、調査の結果を次のように説明しています。
不正アクセスによる障害の影響を受けた東日本リージョン1の一部(teslaゾーン/henryゾーン/pascalゾーン/jouleゾーン)のお客さまの仮想サーバー内に保存されていたデータの照会や外部へ持ち出されたことを示す痕跡、それを裏付ける事実は確認されませんでした。 出典: idcf.jp
調べた内容として挙げられているのは、攻撃者の侵入経路、アクセスログや認証ログ、操作ログなどの各種ログ、攻撃者が設置したファイルや実行した処理、データの外部への持ち出しの痕跡の有無です。
発表から読み取れる会社の対応を整理すると、次のとおりです。
- 東日本リージョン1をネットワークから遮断し、システムを停止(10月7日に完了)
- 被害の拡大を防ぐため、他のリージョンでも利用者が外部からアクセスできる管理コンソールを停止
- 利用者の求めに応じて、仮想サーバーの起動や停止の作業を代行
- 10月7日午前9時に緊急対策本部を設置し、親会社のソフトバンクと連携
- ソフトバンクの法人部門を窓口として、バックアップ手順の案内と移行環境の提案
- 外部のセキュリティ専門企業と連携して詳しい調査
- 監督省庁、警視庁などの機関への報告と相談
- 10月18日に「IDCFクラウド バックアップ」の提供を再開
補償や利用料金の扱いについては、発表に記載がありません。書かれていないことは、ここでも書きません。IDCフロンティアは、新たに知らせるべき事実が判明したら速やかに報告するとしています。
IDCFクラウドを使っている企業がすること
IDCFクラウドを契約している企業や自治体は、自分の環境がどのゾーンにあるかで、やることが変わります。発表に沿って整理します。
被害を受けたゾーン(tesla、henry、pascal、joule)を使っている場合は、次のとおりです。
- IDCフロンティアからの個別の連絡を確かめる。第3報では、別の環境を用意して再構築するよう案内していると書かれている
- スナップショット機能を使っていた場合は、バックアップデータの取り出しが可能と確認された194の利用者に入っているかを、個別の連絡で確かめる
- 自社で保持しているバックアップがあれば、そこからの復元を計画する
被害を受けていないゾーンとリージョン(radian、newton、東日本リージョン2と3、西日本リージョン1)を使っている場合は、次のとおりです。
- 仮想サーバーは引き続き使えると案内されている
- 予防措置として、自社でデータのバックアップを取得する
- 10月18日に提供を再開した「IDCFクラウド バックアップ」を使えば、バックアップデータを取得し、IDCFクラウド以外のクラウドや自社のサーバーへ復元することもできると案内されている
- スナップショット機能は、安全確認のため10月20日時点でも停止中
ポータルの登録情報に不正な照会があった48社には、IDCフロンティアから個別に連絡が届いています。発表ではパスワードはハッシュ値の形で照会されたとされていますが、自社の判断として、ポータルのログインパスワードを変える、同じパスワードを他のサービスで使っていないかを見直す、といった対応をしておくと安心です。通知先として登録している企業メールアドレスには、IDCフロンティアを名乗る偽のメールが届く可能性も考えておいてください。
IDCFクラウドを直接契約していない企業も、無関係とは限りません。JR東日本とビューカードの例では、影響を受けたのは自社のシステムではなく、メール配信を任せていた外部サービスでした。メール配信、予約、会員管理などを外部のサービスに任せている企業は、そのサービスがどのクラウドを使っているか、今回の障害の影響を受けたかを、委託先に問い合わせて確かめておくと、自社の顧客から質問を受けたときに答えられます。
クラウドの上で、顧客や会員の個人情報を扱っている企業は、自社の顧客への説明も必要になります。個人情報保護委員会は、漏えいやそのおそれがあったときの報告の手続きを案内しており、クラウド事業者が利用企業に代わって報告する場合の記入例も用意しています。報告が要るかどうかは、扱っていた情報や事実関係によって変わるので、委員会の案内を確かめたうえで判断してください。
スナップショットとバックアップの違いから見えること
今回の発表の流れを追うと、データを取り戻せるかどうかが、どんな形で控えを持っていたかによって分かれたことが分かります。IDCフロンティアの発表に出てくる2つの言葉を、発表の説明どおりに整理します。
- スナップショット機能:仮想サーバーのデータ保存領域の状態を、ある時点で保存する機能(第5報と第6報の注記)
- IDCFクラウド バックアップ:バックアップデータを取得し、IDCFクラウド以外のクラウド環境や自社のサーバーなどにも復元できるサービス(第6報)
第3報の時点では、被害を受けたゾーンに保管されたデータの取り出しや復元は困難な見通しで、復元は利用者自身が持っているバックアップからのみ可能、というのが IDCフロンティアの見解でした。その後の調べで、スナップショット機能を使っていた194の利用者はバックアップデータの取り出しが可能と確認されましたが、495の企業や自治体のうち、残りの利用者がどうなったかは、発表では個別の連絡に委ねられています。
ここから読み取れるのは、同じクラウドの中にある控えと、クラウドの外にある控えは、役割が違うということです。同じ基盤の中の控えは、操作の誤りから戻すのには便利ですが、基盤そのものが攻撃を受けたときには、安全が確かめられるまで使えない場合があります。今回もスナップショット機能は10月20日時点で停止したままです。第6報で IDCフロンティアが、IDCFクラウド以外の環境にも復元できる点を説明しているのは、この違いを踏まえたものと読めます。
クラウドの上で仕事のデータを扱っている企業や個人は、自分の控えがどこにあるかを、この機会に書き出しておくと安心です。同じサービスの中だけにあるのか、別の場所にもあるのか。戻す手順を誰が知っているのか。答えられない項目があれば、そこが備えの穴になります。
IDCFクラウドの上で動くサービスを使っている人への影響
一般の利用者がIDCFクラウドを直接契約していることは少なく、多くの人にとっての影響は、普段使っているサービスの会社がIDCFクラウドを使っていた、という形で表れます。今回、公式の発表で確かめられた例として、JR東日本とビューカードの2社を紹介します。
JR東日本は2026年10月9日、えきねっと会員と大人の休日倶楽部会員へのメール配信に使う外部サービスが一部使えなくなり、メールアドレスなどが漏えいした可能性があると発表しました。対象の件数は最大で、えきねっと会員が約167万件、大人の休日倶楽部会員が約39万件です。漏えいした可能性がある情報は、えきねっと会員が電子メールアドレス、大人の休日倶楽部会員が電子メールアドレス、会員番号、クレジットカードの有効期限、生年月日とされ、氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号などは漏えいの可能性はないと明記されています。
ビューカードも同じ日に、会員サイト「VIEW's NET」の登録者向けのメール配信で、メールアドレス約403万件が閲覧または取得された可能性を否定できないと発表しました。氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号などは漏えいの可能性はないとしています。
その後、両社は10月15日に発表を更新し、IDCフロンティアからの報告を受けたメール配信用外部サービスの会社から、漏えいがなかったと判断したとの報告を受けた、と書き加えています。ビューカードは10月19日に、お詫びのメールを10月20日から順次、配信元アドレス「[email protected]」から送ると知らせています。
このほかにも、IDCFクラウドを使っていた会社が個別に影響を発表しています。自分が使っているサービスが影響を受けたかどうかは、そのサービスの公式サイトのお知らせで確かめるのが確実です。メール配信の仕組みのように、普段は表に出ない部分でクラウドが使われていることも多いので、「自分はIDCFクラウドと関係ない」と思っていても、使っているサービスのお知らせは一度見ておく価値があります。
一般の利用者がすること
IDCFクラウドの件で一般の利用者が気をつけることは、利用しているサービスの会社が何を発表しているかによって変わります。ここでは、発表に共通する点から、要るものだけを挙げます。
まず、各社からの個別の通知を確かめます。JR東日本とビューカードは、漏えいの可能性がある人に、お知らせとお詫びのメールを送ると発表していました。通知のメールが届いたら、本文のリンクを押す前に、そのサービスの公式サイトに同じ内容のお知らせが出ているかを見比べてください。
次に、パスワードについてです。今回、IDCフロンティアの発表とJR東日本、ビューカードの発表のいずれでも、一般の利用者のパスワードが漏れたとは書かれていません。そのため、今回の件だけを理由に全部のパスワードを変える必要は高くありません。ただし、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを多くのサービスで使い回している人は、この機会に見直しておくと、別の漏えいが起きたときの被害を小さくできます。パスワードリスト攻撃とは、どこかで漏れたメールアドレスとパスワードの組み合わせを、別のサービスに次々と試す手口のことで、使い回しをやめるのが一番の対策です。
カードの明細については、JR東日本の大人の休日倶楽部会員で、クレジットカードの有効期限が漏えいの可能性がある項目に入っていました(その後、漏えいはなかったと判断との報告を受けたと更新)。カード番号は含まれないと明記されているので、有効期限だけで買い物ができるわけではありませんが、気になる人は、普段どおり明細に身に覚えのない請求がないかを見ておくと安心です。
自分のメールアドレスが、世の中で公開された漏えいデータに含まれていないかを調べる方法は、メールアドレスの漏えいを調べる方法で手順を説明しています。今回の件そのものが分かるわけではありませんが、メールアドレスの状態を点検する目的で使えます。
偽のメール・SMS・電話の見分け方
メールアドレスの漏えいの可能性が発表されたあとは、その会社を名乗る偽のメールに特に注意が要ります。ビューカードの発表には、漏えいしていた場合、メールアドレス宛てに不審なメールが送信される可能性があると書かれていました。
次のような連絡は、偽物を疑ってください。
- 「不正アクセスの影響を確認するため、ログインしてください」とリンクを付けたメール
- 「お詫びとしてポイントを付与します。受け取りはこちら」というメールやSMS
- 「カード情報の再登録が必要です」と急がせるメッセージ
- クラウド事業者やシステム会社を名乗り、企業の担当者にパスワードや管理画面への接続を求める電話
見分けるときの確かめ方は、次の3つです。
- 差出人の表示名だけで判断しない。会社の名前は誰でも名乗れる
- リンク先のアドレスが、そのサービスの公式サイトのものかを、押す前に確かめる
- 迷ったら、メールを閉じて、自分でブックマークや公式アプリからログインし、お知らせ一覧に同じ内容があるかを確かめる
本物のお詫びメールの配信元が公表されている場合は、それと見比べるのが有効です。たとえばビューカードは、お詫びメールの配信元アドレスを公式サイトで知らせ、通常の配信元とは違うことも明記しています。ただし、差出人のアドレスは偽装されることがあるので、アドレスが一致していても、リンク先でパスワードやカード番号を入力しない、という原則は変わりません。
企業の担当者に向けた偽の連絡にも注意が要ります。IDCFクラウドのポータルで通知先のメールアドレスが照会された48社の担当者は、IDCフロンティアやソフトバンクを名乗る連絡が来たとき、そのメールのリンクから管理画面に入らず、自分で公式の入り口を開くようにしてください。偽のメールの見分け方を組織で学ぶ方法は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。
問い合わせ窓口
IDCフロンティアの発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。
- 利用者(お客さま)からの問い合わせ:IDCフロンティアのサイトのお問い合わせフォーム
- 報道関係者からの問い合わせ:IDCフロンティア 広報担当([email protected])
電話の受付窓口と受付時間は、障害についての発表には書かれていません。第4報では、利用者への対応はソフトバンクの法人部門が窓口になっていると説明されています。契約している企業は、個別に届いている連絡に書かれた窓口を使ってください。
一般の利用者は、IDCフロンティアではなく、自分が使っているサービスの会社に問い合わせるのが基本です。今回確かめた2社の窓口は次のとおりです。
- ビューカード:ビューカードセンター(03-6685-7000、営業時間9時から17時30分)
- JR東日本(えきねっと、大人の休日倶楽部):発表の文書に問い合わせ窓口の記載はなし
問い合わせるときは、パスワードやカード番号を伝えないでください。正規の窓口でもパスワードを尋ねることは通常ありません。
企業の担当者がIDCフロンティアに問い合わせるときは、契約している企業名、使っているリージョンとゾーン、届いている個別の連絡の日付を先に書いておくと、やり取りの回数を減らせます。管理画面のパスワードや、仮想サーバーの認証情報を問い合わせの本文に書く必要はありません。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をしている人の中には、取引先のWebサイトの運用やメール配信、データの管理を、取引先が契約したクラウドの上で請け負っている人もいます。IDCFクラウドのように多くの会社が使う基盤で障害が起きると、自分の取引先が影響を受けていても、すぐには気づかないことがあります。取引先のシステムの保守や運用に関わっている人は、使っているクラウドの事業者とリージョンを確かめ、取引先と状況を共有してください。
取引先から個人情報を預かる立場の人は、個人情報保護法の考え方も知っておくと安心です。個人情報保護委員会の案内では、個人情報のデータベースを事業に使っている人は、会社だけでなく個人であっても「個人情報取扱事業者」に当たるとされています。個人情報取扱事業者とは、個人情報保護法の決まりを守る立場にある事業者のことです。
委員会のガイドラインでは、個人情報の扱いを頼まれている側(委託を受けた側)が漏えいやそのおそれを知ったときは、報告の義務を負う委託元にその事態を知らせることで、委託を受けた側の国への報告義務が免除されると説明されています。知らせる目安は、事態を知ってからおおむね3日から5日以内です。自分が運用を任されているクラウドで障害や不正アクセスがあったときは、まず取引先へ速やかに知らせることが出発点になります。今回のIDCFクラウドの件では、IDCフロンティアが仮想サーバー内のデータの外部流出はなかったと判断していますが、取引先がどう説明するかは取引先の判断です。自分が把握している事実を、早めに取引先へ伝えることが大切です。
法律上の扱いは、事情によって変わります。迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849、受付は9時30分から17時30分、土日祝日と年末年始を除く)で、ガイドラインに沿った助言を受けられます。委員会は、クラウドサービスやテレワーク環境を使うときの漏えい事案についての注意喚起の資料も公開しています。
在宅ワークの現場から見たクラウドとの付き合い方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、取引先のシステムを預かる仕事で信頼を保ち続けている人は、障害が起きたときの段取りを、平常時のうちに取引先と決めています。誰に、どの手段で、何時間以内に知らせるか。バックアップはどこにあり、誰が戻せるか。今回のIDCFクラウドの件でも、復元の見通しを左右したのは、利用者が自分でバックアップを持っていたかどうかでした。
クラウドは便利ですが、借りている基盤が止まったとき、データを守る責任の一部は使う側に残ります。直接取引で仕事を受ける働き方では、こうした備えをきちんと説明できることが、そのまま取引先の安心につながります。仕事を探す人も依頼する人も、@SOHO 求人一覧で直接やり取りを始める前に、バックアップと連絡の段取りを一度確かめてみてください。
クラウドやセキュリティの知識を生かす仕事は、在宅でも広がっています。どんな仕事があるかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事とアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。ネットワークの基礎から学びたい人にはCCNA(シスコ技術者認定)の解説が参考になります。IDCフロンティアは、障害の影響がない範囲の安全確認の調査を続けており、侵入経路の詳しい説明はまだ出ていません。利用している企業も一般の利用者も、公式の発表を見守りながら、バックアップとパスワードの備えを済ませておいてください。
よくある質問
Q. IDCFクラウドのランサムウェア被害で、データは外部へ流出したのですか?
IDCフロンティアは2026年10月14日の第5報で、被害を受けた東日本リージョン1の一部のゾーンについて、仮想サーバー内のデータの照会や外部への持ち出しを示す痕跡は確認されず、外部へのデータの流出はなかったと判断したと発表しています。ポータルで48社の登録情報に不正な照会がありましたが、持ち出しの痕跡は確認されていません。
Q. 自分が使っているサービスがIDCFクラウドを使っていたかは、どうすれば分かりますか?
IDCフロンティアは利用企業の名前を公表していません。影響を受けた会社は個別に発表しているので、自分が使っているサービスの公式サイトのお知らせで確かめるのが確実です。たとえば JR東日本とビューカードは、メール配信用の外部サービスが影響を受けたと発表しています。
Q. IDCFクラウドを契約していますが、まず何をすればいいですか?
IDCフロンティアからの個別の連絡を確かめ、自社でデータのバックアップを取得してください。被害を受けたゾーン以外を使っている場合、仮想サーバーは引き続き使えると案内されています。10月18日に「IDCFクラウド バックアップ」の提供が再開され、他のクラウドなどへの復元もできるとされています。スナップショット機能は停止中です。
Q. ビューカードやえきねっとから、お詫びのメールが届きました。本物ですか?
ビューカードは、お詫びメールを10月20日から順次、配信元アドレス「[email protected]」から送ると公式サイトで知らせています。ただし差出人は偽装されることがあるので、メールのリンクからパスワードやカード番号を入力しないでください。迷ったら公式サイトや公式アプリから自分でログインし、お知らせ一覧で確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

ヤマト運輸の情報漏洩|クロネコ代金後払いの約526万件と偽メールの見分け方 2026

マツダの情報漏洩|CLUB MAZDA COMMUNITYの最大4,103名と利用者が確かめること 2026

大和証券の情報漏洩|問い合わせ約11万名分と問い合わせた人がすること 2026

ビューティガレージの情報漏洩|約77万件の項目とパスワードの変え方 2026

ラクスルの情報漏洩|フォーム送信6,412件と問い合わせた人がすること 2026

ファンケル・アテニアの情報漏洩|ECサイト約78万人分と偽メールの見分け方 2026

REXT(WonderGOO・新星堂)のサイバー攻撃|約104万件の漏えいのおそれと利用者が確かめること 2026

ホワイトエッセンスの情報漏えい|約105万アカウントの範囲とパスワードの変え方 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方