京王電鉄のランサムウェア被害|個人情報漏えいのおそれと利用者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓京王のランサムウェア被害の続報です
- ✓京王電鉄は2026年10月21日の第3報で
- ✓攻撃者を名乗る組織が窃取を主張する情報が公開されたとの報告を受け
京王電鉄株式会社は2026年10月21日、9月26日未明に確認したランサムウェア攻撃についての第3報を発表しました。攻撃を行ったと名乗る組織が、京王電鉄グループから窃取したと主張する情報が公開されたという報告を外部の専門家から受け、公開された情報の内容と影響範囲は調査中としたうえで、「個人情報漏洩の可能性もある」とみて個人情報保護委員会へ報告したと明らかにしています。件数と漏れた項目は、2026年10月22日時点でまだ発表されていません。利用者がまずすることは、京王グループのサービスで使っているパスワードを他のサービスと使い回していないかを見直すこと、京王を名乗るメール・SMS・電話のリンクや番号を使わないこと、会社からの個別の通知を公式の連絡先で確かめることの3つです。
この記事では、2026年10月22日時点で京王電鉄の公式サイトに出ている発表だけをもとに、公表の経緯、分かっていることと分かっていないこと、会社の対応、利用者が確かめることを順番に整理します。
2026年10月22日時点で分かっていること
最初に、3本の発表の要点を並べます。
- 発表した会社:京王電鉄株式会社
- 何が起きたか:同社グループのサーバーへのランサムウェアによる攻撃。2026年9月26日未明に確認
- 鉄道への影響:初報の時点で「鉄道の運行には支障はありません」と発表
- サービスへの影響:初報では「一部グループ会社の営業システムに支障」と発表
- 情報の公開:攻撃を行ったと名乗る組織が、京王電鉄グループから窃取したと主張する情報を公開した、との報告を外部の専門家から受けた(第3報)
- 個人情報について:公開された情報の内容と影響範囲は調査中。個人情報漏洩の可能性もあるとみて個人情報保護委員会へ報告(第3報)
- 件数と項目:2026年10月22日時点では発表されていない
- 今後の対応:影響を受けた人には個別に通知するなど、速やかに対処するとしている
ここで大事なのは、京王電鉄が「個人情報が漏れた」と言い切ってはいない点です。第3報の言葉は「個人情報漏洩の可能性もあるとみて」であり、何の情報が、何人分公開されたのかは調査中です。一方で、初報の「情報漏洩の事実については現在確認できておりません」から、第3報では個人情報保護委員会への報告まで進んでいます。発表の段階が1つ進んだと読むのが正確です。
もう1つは、攻撃を受けたのが京王電鉄1社のシステムではなく「当社グループのサーバー」と書かれている点です。京王グループには鉄道のほか、バス、スーパー、百貨店、ホテル、不動産などの会社があります。どの会社のどの情報が関わるのかは発表されていないため、京王グループのどれかのサービスを使っている人は、自分が関係するかもしれないという前提で準備しておくのが現実的です。
公表の経緯:9月26日の初報から10月21日の第3報まで
発表は京王電鉄の公式サイトに3本出ています。初報はお知らせのページ、第2報と第3報はニュースリリースのPDFです。時系列で並べると次のとおりです。
| 日付 | 発表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年9月26日 | お知らせとお詫び(初報) | 9月26日未明にグループのサーバーへのランサムウェア攻撃を確認。警察へ通報し、外部の専門家の協力で調査。一部グループ会社の営業システムに支障。情報漏洩の事実は確認できていない。鉄道の運行に支障なし |
| 2026年10月16日 | 第2報 | 攻撃を行ったと名乗る組織が、グループ保有の情報の一部を公開したと主張していることを確認。事実関係を確認中 |
| 2026年10月21日 | 第3報 | 窃取したと主張する情報が公開されたとの報告を外部の専門家から受けた。内容と影響範囲は調査中。個人情報漏洩の可能性もあるとみて個人情報保護委員会へ報告 |
初報では、調べている範囲について次のように書かれています。
現在、当社の事業に関する機密事項やお客様に関する情報などの流出を含めた影響範囲について調査を進めております。 出典: keio.co.jp
初報の時点で、会社は事業の機密とお客様の情報の両方を調査の対象にしていたことが分かります。第2報では、攻撃者を名乗る組織が「情報の一部を公開した」と主張していることを京王電鉄自身が確認した、という段階でした。この時点ではまだ主張の段階で、京王電鉄は「正確な情報の入手に努めております」と書いています。
第3報では、外部の専門家から「情報が公開された」という報告を受けた、という書き方に変わりました。主張だけでなく、実際に何かが公開されていることを専門家が確かめた、という段階です。ただし、公開されたものが本当に京王グループの情報なのか、どこまでが本物なのかは、第3報の時点でも「事実関係の確認を進めております」とされています。
攻撃者を名乗る組織の名前は、京王電鉄の3本の発表のどれにも書かれていません。報道などで組織の名前が出ていても、京王電鉄が公式に認めた名前ではない点は区別しておく必要があります。
続報が出る場所は、京王電鉄の公式サイトのニュースリリースの一覧です。第2報と第3報はどちらもそこに掲載されました。2026年10月22日の朝に一覧を開き直した時点では、第3報が最新でした。
漏れた項目の表:発表されたことと、まだ発表されていないこと
情報漏えいの記事では、ふつう「漏れた項目」と「含まれないと会社が明記した項目」を表にします。京王電鉄の今回の発表には、そのどちらもまだ書かれていません。そこで、発表に書かれていることと、書かれていないことを分けて表にします。
| 項目 | 2026年10月22日時点の発表 |
|---|---|
| 公開された情報の内容 | 調査中 |
| 影響範囲 | 調査中 |
| 件数(人数) | 発表なし |
| 氏名・住所・電話番号・メールアドレスの有無 | 発表なし |
| クレジットカード情報の有無 | 発表なし |
| パスワードの有無 | 発表なし |
| 対象になるグループ会社とサービス | 発表なし(初報では「一部グループ会社の営業システムに支障」) |
| 含まれないと明記された情報 | 発表なし |
「発表なし」は「漏れていない」という意味ではありません。調べ終わっていないので、まだ何も言えない、という意味です。逆に、「漏れた」と決まったわけでもありません。今の段階では、どちらとも言えないことを前提に、後から何が発表されても慌てずに済むよう備えておくのが合っています。
参考として、京王電鉄が個人情報保護方針で公表している、同社が扱う個人情報の種類を挙げておきます。これは「今回漏れた情報」ではなく、「京王電鉄がふだん預かっている情報の種類」です。
- お客様から取得した個人情報(商品の販売、会員制のサービス、申し込みの受付、問い合わせへの回答などに使うもの)
- 取引先と名刺を交換した際の情報(氏名、会社名、住所、郵便番号、電話番号、メールアドレスなど。京王グループ各社で共同で使うと公表されている)
- 社員、採用に応募した人、退職した人とその家族などの情報
名刺の情報が京王グループ各社で共同利用されていると公表されている点は、仕事で京王グループと取引がある人にとって覚えておきたい事実です。後半の在宅で仕事をする人向けの節で、もう一度触れます。
原因:ランサムウェア攻撃とは何か
京王電鉄が発表している原因は「ランサムウェアによる攻撃」です。どこから侵入されたのか、どのシステムが狙われたのかは、2026年10月22日時点で発表されておらず、「当該攻撃の経路や被害に関する調査を進めてまいります」とされています。侵入の経路は調査中と発表、と読んでおきます。
ランサムウェアという言葉は初めて聞く人もいると思います。警察庁は次のように説明しています。
ランサムウェアとは、端末等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復号する対価(金銭又は暗号資産)を要求する不正プログラムです。 出典: npa.go.jp
暗号化とは、データを特別な鍵が無いと読めない形に変えることです。会社のファイルが読めなくなり、元に戻すための鍵と引き換えにお金を払えと脅される、というのが基本の形です。
警察庁の同じページには、最近の手口として、データを暗号化するだけでなく、データを盗んだうえで「対価を支払わなければデータを公開する」と脅す「二重恐喝」が被害の多くを占めると書かれています。盗んだデータを載せるためのサイトは「リークサイト」と呼ばれ、実際に事業者の財務情報や個人情報がダークウェブ上のリークサイトに掲載される事例が多数確認されているとしています。ダークウェブとは、ふつうのブラウザでは開けない、匿名性の高いインターネット上の場所のことです。
京王電鉄の第2報と第3報に出てくる「攻撃を行ったと名乗る組織が情報を公開した」という流れは、この二重恐喝の形に当てはまります。ただし、京王電鉄は身代金の要求があったかどうか、それにどう対応したかは発表していません。発表に無いことは推測しないでおきます。
警察庁は、現在の侵入の手口として、VPN機器などインターネットに出ている機器から、修正されていない弱点や漏れたパスワードを使って入り込むものが多くを占めるとも書いています。VPNとは、会社の外から社内のネットワークに安全につなぐための仕組みです。京王電鉄のケースがこれに当たるかは発表されていないので、一般的な傾向として知っておく程度にとどめます。
京王電鉄の対応と、発表に書かれていないこと
3本の発表に書かれている会社の対応を並べます。
- 被害の拡大を防ぐために、ただちにネットワークを遮断するなどの措置を取った(初報)
- 警察へ通報し、外部の専門家の協力を得て、攻撃の経路と被害を調べている(初報)
- グループ全体の取り組みとして対策本部を設置し、影響範囲の調査と復旧の対応を進めている(第2報、第3報)
- 個人情報漏洩の可能性もあるとみて、個人情報保護委員会へ報告した(第3報)
- 今後の調査結果も踏まえ、個人情報漏洩の影響を受けた人には個別に通知するなど、速やかに適切に対処する(第3報)
個人情報保護委員会とは、個人情報の扱いを見守る国の機関です。委員会の案内では、不正な目的で行われたおそれがある行為で個人データが漏れた、または漏れたおそれがある場合は、会社が委員会へ報告することが義務付けられています。報告はまず速やかに行い、そのうえで発覚した日から60日以内とされています。委員会への報告は、会社が「漏れたおそれがある」と判断した段階で行うもので、漏えいが確定したことを意味するものではありません。
一方で、次のことは2026年10月22日時点の発表に書かれていません。
- 対象者への通知の時期と方法(メール、郵送などのどれで届くか)
- 対象者専用の問い合わせ窓口の設置
- パスワードの初期化や再設定の依頼
- お詫びの品や補償の有無
- 再発防止策の中身
これらは、今後の発表で示される可能性があります。発表の前に「補償がある」「通知はメールで来る」と考えて動くと、偽の連絡に引っかかる原因になります。公式の発表が出るまでは、ここに挙げたことは「まだ決まっていない、または発表されていない」と受け止めておきます。
サービスへの影響:京王電鉄が出したシステム障害のお知らせ
初報で「一部グループ会社の営業システムに支障」とされたほか、京王電鉄自身も、攻撃の確認の後にサービスの不具合を知らせるお知らせを出しています。いずれも本文には「システム障害」と書かれており、ランサムウェアという言葉は使われていません。ここでは、京王電鉄の公式サイトのお知らせの一覧で確かめたものを掲載日の順に並べます。
| 掲載日 | お知らせ | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年9月30日 | 「個人情報に関するお問合せフォーム」のシステム障害について | 問い合わせの内容の確認が難しく、回答に時間がかかる |
| 2026年9月30日 | 京王トレインポイントのポイント付与およびポイント交換について | ポイント付与の遅延、ポイント交換結果の反映の遅延が起きる可能性 |
| 2026年9月30日 | 「定期券らくはや予約サービス」のシステム障害について | 申請が難しい状況。新しく通学定期券を買う人は通学証明書などを持って京王線・井の頭線の各駅へ |
| 2026年9月30日 | フォトコンテスト応募受付開始の遅延について | 10月1日からの受付開始の表示に切り替えられない |
| 2026年10月5日 | 「お問合わせフォーム」のシステム障害について | 問い合わせへの回答に時間がかかる |
| 2026年10月7日 | 「定期券らくはや予約サービス」のご利用について | 順次申し込める状態に戻った。つながりにくいときは時間をおいて再度試す |
| 2026年10月13日 | 団体乗車券、京王ライナー個室プランおよび京王ロケーションサービスのお申込みについて | 問い合わせへの返信に時間がかかる。3営業日を過ぎても連絡が無いときは電話で問い合わせる |
この表から分かるのは、問い合わせのフォームが一時的に使いにくくなっていたことです。京王電鉄に個人情報について問い合わせたい人は、フォームの回答を待つより、後で紹介する電話の窓口を使うほうが確実な場合があります。
なお、2026年10月22日時点で京王プレッソインと京王プラザホテルの公式サイトを開くと、「メンテナンス中」の表示が出ていました。両社のサイトの表示には理由の説明が無く、今回の攻撃との関係は公式には確かめられていません。予約や確認をしたい人は、予約時に受け取ったメールの内容や、各ホテルに直接電話で問い合わせる方法を使います。電話番号は、検索結果の広告ではなく、手元の予約確認の書面などに載っている番号を使うのが安全です。
自分が対象かを確かめる方法
2026年10月22日時点では、対象者の範囲が発表されていません。そのため、今の時点で「自分が対象かどうか」を確定させる方法はありません。できるのは、通知が来たときに本物かどうかを見分ける準備と、自分が京王グループとどんな関係にあるかを整理しておくことです。
まず、京王グループとの関係を書き出してみます。
- 京王線・井の頭線の定期券をWebで申し込んだことがある
- 京王トレインポイントや京王アプリに登録している
- 京王グループのスーパー、百貨店、ホテルの会員になっている、または予約したことがある
- 京王電鉄の問い合わせフォームや個人情報の問い合わせフォームを使ったことがある
- 仕事で京王グループと名刺を交換したことがある、取引がある
- 京王グループに応募した、勤めていた、家族が勤めている
当てはまるものがあれば、そのサービスに登録したメールアドレスとパスワード、電話番号を思い出しておきます。後で通知が届いたとき、どのサービスの話なのかをすぐ判断できます。
次に、通知が来たときの確かめ方です。京王電鉄は「個人情報漏洩の影響を受けた方には個別に通知する」としていますが、通知の方法は発表されていません。メールや郵便、SMSなどで「京王」を名乗る連絡が届いたら、次の順で確かめます。
- 連絡に書かれたURLや電話番号は使わない
- ブラウザのブックマークや検索から京王電鉄の公式サイトを開き、ニュースリリースの一覧に同じ内容の発表があるかを見る
- 内容に心当たりが無い、または発表と食い違うときは、公式サイトに載っている電話番号に自分からかけて確かめる
メールアドレスが他の漏えい事件で流出していないかを確かめる方法もあります。海外の大きな漏えいを集めたサイトで、自分のメールアドレスが過去の事件に含まれていないかを調べられます。調べ方と画面の見方はHave I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法で順を追って説明しています。国内の事件はそのサイトに載らないことも多いので、「載っていないから安全」とは読まないことが大切です。
利用者がすること
漏れた項目が分かっていない段階では、どの項目が漏れても困らないように、基本の守りを固めておくのが合っています。やることを、急ぐものから順に並べます。
パスワードの使い回しを見直す
最初にするのは、京王グループのサービスで使っているパスワードを、他のサービスでも使っていないかの確認です。今回の発表にはパスワードについての記載がありません。仮にどこかでパスワードが漏れた場合、同じパスワードを使っているメール、ネット銀行、通販のアカウントにも入られる危険があります。
同じパスワードを使っているサービスが見つかったら、そちらを先に変更します。変更するときは、サービスごとに違うパスワードにします。覚えきれない場合は、パスワード管理アプリを使うと、長く複雑なパスワードをサービスごとに作って保存できます。
京王グループのサービス自体のパスワードを変更するかどうかは、迷うところです。会社からパスワードの再設定の依頼は出ていませんが、自分で変更して困ることは基本的にありません。ただし、変更するときはメールのリンクからではなく、公式のアプリや、ブックマークから開いた公式サイトで操作します。
二段階認証を設定する
二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなどでもう1回本人かを確かめる仕組みです。パスワードが漏れても、確認コードが無ければログインされにくくなります。
優先して設定したいのは、メールのアカウント、ネット銀行、クレジットカードの会員サイト、通販のサイトです。メールのアカウントは、他のサービスのパスワードの再設定に使われるため、ここを乗っ取られると被害が広がります。二段階認証の仕組みと種類はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で説明しています。会社向けの記事ですが、認証の方式ごとの違いは個人で使う場合にも当てはまります。
カードの明細を確かめる
クレジットカード情報が含まれるかどうかは、発表されていません。京王グループのサービスでカードを登録している人は、念のため、毎月の利用明細に身に覚えのない請求が無いかを確かめておきます。
確かめるときは、少額の請求にも注意します。不正に使う人は、カードが使えるかどうかを試すために、数百円程度の小さな買い物から始めることがあります。見覚えのない請求を見つけたら、カードの裏面に書かれた電話番号でカード会社に連絡します。
住所や電話番号が漏れた場合に備える
氏名や住所、電話番号が含まれるかどうかも発表されていません。もしこれらが漏れていた場合、郵便物や電話を使った詐欺に使われることがあります。住所は簡単には変えられないため、変えられるものと変えられないものを分けて考えることが大切です。住所が漏れたときに起きやすいことと備え方は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で順番に解説しています。
続報を確かめる習慣をつける
今回の件は、件数も項目もまだ発表されていません。続報で対象の範囲が示されたとき、自分が含まれるかどうかをすぐ判断できるよう、京王電鉄のニュースリリースの一覧をときどき開いて確かめます。確かめるときは、毎回ブックマークや公式アプリから開き、検索結果の広告やメールのリンクは使わないようにします。
便乗した偽のメール・SMS・電話の見分け方
大きな漏えいの発表があると、その会社や関係先を名乗る偽の連絡が増えます。京王電鉄の発表には、利用者への注意の呼びかけは書かれていませんが、同じような事案で多くの会社が注意を呼びかけているのがこの点です。
警察庁は、フィッシングの文面の特徴を次のように説明しています。フィッシングとは、実在する会社などを名乗って偽のサイトに誘い、IDやパスワードを盗む手口のことです。
電子メール等の文面は、「個人情報の漏えい」、「不正アクセス検知」、「取引の停止」等、切迫感を煽り、ログインさせようとするものが多数確認されています。 出典: npa.go.jp
今回の件に便乗した連絡として、次のような形が考えられます。
- 「京王グループの個人情報漏えいの対象者です。補償の手続きはこちら」とURLに誘うメールやSMS
- 「お詫びのポイントを付与します。ログインして受け取ってください」というメール
- 「漏えいの調査のため、カード番号と暗証番号を確認させてください」という電話
- 京王トレインポイントや定期券の予約を名乗り、「再登録が必要です」とログインさせるメール
見分けるときの考え方は次のとおりです。
- 京王電鉄は、2026年10月22日時点で補償やお詫びのポイントを発表していない。それを理由にURLを開かせる連絡は疑ってかかる
- メールの送信元の名前やアドレスは、簡単に偽れる。警察庁も、表示される送信元の名前やアドレスだけでは真偽を判断しにくいと書いている
- カードの暗証番号やセキュリティコードを電話やメールで尋ねる会社は、ふつうはない
- 少しでも迷ったら、連絡に書かれたURLや電話番号は使わず、自分で公式サイトを開いて確かめる
家族の中で京王線を使う人や、京王グループのお店を使う高齢の家族がいる場合は、この点を一言伝えておくと、電話の詐欺を防ぎやすくなります。職場で偽のメールを見分ける訓練をしている会社もあります。その考え方は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果で紹介しています。
偽の連絡に応じてしまったときの動き方
偽のメールのURLを開いて情報を入力してしまった、偽の電話でカード番号を伝えてしまった、という場合は、早く動くほど被害を小さくできます。
- 入力したパスワードを、本物のサービスですぐに変更する。同じパスワードを使っている他のサービスも変更する
- カード番号を入力した、または伝えた場合は、カードの裏面に書かれた番号でカード会社に連絡し、カードの利用を止める
- ネット銀行の情報を入力した場合は、銀行の公式サイトに載っている番号で連絡し、取引を止めてもらう
- 偽のアプリを入れてしまった場合は、スマートフォンを機内モードにしてから、携帯電話会社やメーカーの窓口に相談する
- お金をだまし取られた場合は、最寄りの警察署に相談する
ウイルスや不正アクセスについての技術的な相談は、情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ安心相談窓口」で受け付けています。IPAとは、国のIT政策を支える独立行政法人のことです。電話は03-5978-7509、受付は10時から17時まで(土日祝日と年末年始を除く)です。相談の前に、使っている端末の種類、OS、起きたことを時間の順に整理しておくと話が進みやすいと案内されています。詳しくはIPAの情報セキュリティ安心相談窓口に載っています。
問い合わせ窓口
2026年10月22日時点で、京王電鉄の発表に載っている窓口と、公式サイトに載っている一般の窓口は次のとおりです。今回の件のための専用の窓口は、まだ発表されていません。
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間 | 載っている場所 |
|---|---|---|---|
| 広報部(本件に関するお問い合わせ窓口) | 042-337-3106 | 記載なし | 第2報・第3報の末尾 |
| 京王お客さまセンター | 03-3325-6644 | 平日・土休日 9時から18時(12月30日から1月3日を除く) | 公式サイトのお問合せのページ、個人情報保護方針 |
| 鉄道営業部 営業管理所(団体乗車券、京王ライナー個室プラン、京王ロケーションサービスの申し込み) | 03-3304-3024 | 平日・土休日 10時から17時 | 2026年10月13日のお知らせ |
発表の末尾に載っている窓口は広報部です。広報部は、一般には報道機関などからの問い合わせを受ける部署です。個人として、自分の情報が京王電鉄にどう扱われているかを聞きたい場合は、京王電鉄の個人情報保護方針に窓口として載っている京王お客さまセンターに電話するのが合っています。個人情報保護方針には、郵送での窓口として、京王電鉄株式会社の法務・コンプライアンス部内「個人情報お問合せ窓口」(〒206-8502 東京都多摩市関戸1-9-1)も載っています。
電話をかける前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。
- 使っている京王グループのサービスの名前
- 登録しているメールアドレスと電話番号
- 気になっていること(自分が対象か、届いた連絡が本物か、など)
なお、前の節で紹介したとおり、京王電鉄のWebの問い合わせフォームと、個人情報に関する問い合わせフォームは、システム障害で回答に時間がかかるとお知らせが出ていました。急ぐ場合は電話を使います。
在宅で仕事をする人が、京王のサービスを仕事でも使っている場合
在宅で仕事を受けている人の中には、京王グループと仕事で関わっている人もいると考えられます。たとえば、京王グループの会社から業務を受けている、名刺を交換したことがある、京王グループの施設を会議や撮影に使った、という場合です。
漏れた項目の節で見たとおり、京王電鉄は、取引先と名刺を交換した際の情報(氏名、会社名、住所、電話番号、メールアドレスなど)を京王グループ各社で共同利用していると公表しています。今回、名刺の情報が関わるかどうかは発表されていません。ただ、仕事用のメールアドレスに京王を名乗る連絡が届いたときは、個人の場合と同じく公式の連絡先で確かめるようにします。
もう1つ考えておきたいのは、自分が取引先から預かっている情報が関わるかどうかです。次のように分けて考えます。
- 京王グループのサービスを自分のためだけに使っていた場合:今回の件は自分の情報の問題なので、取引先に知らせなければならない場面とは一般に考えにくいです
- 取引先の依頼で、取引先の顧客や社員の個人情報を京王グループのサービスに登録した場合(団体の乗車券の申し込み、ホテルの予約、イベントの申し込みなど):その情報が関わる可能性があることを、預かっている立場として早めに取引先に伝えます
個人情報保護委員会は、会社などが漏えいの報告をしなければならない場面を挙げています。そのうちの1つが不正な目的で行われたおそれがある行為による漏えいで、例として次のものが示されています。
ランサムウェア等により個人データが暗号化され、復元できなくなった場合 出典: ppc.go.jp
個人データとは、名簿のように探しやすく整理された個人情報のことです。同じ案内では、本人の数が1,000人を超える漏えいや、そのおそれがある場合も報告の対象とされています。
ただし、今回報告をするのは京王電鉄です。在宅で働く人が自分で委員会へ報告する必要があるかどうかは、取引先との契約の中身や、預かった情報の種類で変わります。自分だけで判断せず、取引先の担当者と相談しながら進めます。分からないことは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849、受付は9時30分から17時30分、土日祝日と年末年始を除く)で確かめられます。相談ダイヤルは、法律が適法か違法かの判断を求める相談には応じていないと案内されているので、「この場合はどう考えればよいか」という形で聞くのが合っています。
取引先とやり取りしているメールアドレスで、京王を名乗る偽のメールを受け取った場合は、取引先にも注意を呼びかけておくと、同じ手口の被害を防げます。小さな事業者がランサムウェアに備える方法と、国の補助金の使い方は中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で紹介しています。
運営者の視点:発表の言葉を、そのまま受け取る
今回の京王電鉄の発表は、初報の「情報漏洩の事実については現在確認できておりません」から、第2報の「公開した旨の主張」、第3報の「公開された旨の報告」と「個人情報漏洩の可能性もある」へと、少しずつ言葉が変わってきました。ランサムウェアの事案では、こうして発表の段階が何度か進み、件数や項目が分かるまでに時間がかかることがよくあります。
この間に大切なのは、発表の言葉を強めも弱めもせず、そのまま受け取ることです。「可能性」と書かれているものを「漏れた」と受け取ると、必要以上に慌てて偽の連絡に反応しやすくなります。逆に「まだ確認されていない」を「安全」と受け取ると、続報を見落とします。どちらに転んでも困らないよう、パスワードの使い回しをやめ、二段階認証を設定し、公式の発表を自分で開いて確かめる、という基本の動きを続けるのが一番の備えになります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの編集部として見てきたのは、長く仕事が続く人ほど、取引先の情報をどこに登録し、どのアカウントで扱っているかを自分で把握しているということです。依頼者と受け手が直接やり取りする手数料0%の取引では、受け手の手取りが厚くなる一方で、アカウントと情報の管理も受け手自身に任されます。企業の情報セキュリティ対策の支援や、偽メールへの対応の手順づくりといった仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
よくある質問
Q. 京王電鉄のランサムウェア被害で、個人情報は漏れたのですか?
2026年10月21日の第3報で、京王電鉄は攻撃者を名乗る組織が窃取を主張する情報が公開されたとの報告を受け、個人情報漏洩の可能性もあるとみて個人情報保護委員会へ報告したと発表しました。公開された情報の内容と影響範囲は調査中で、2026年10月22日時点では漏えいが確定したとは発表されていません。
Q. 自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか?
2026年10月22日時点では対象者の範囲も件数も発表されていません。京王電鉄は、影響を受けた人には個別に通知するとしています。通知らしき連絡が届いたら、書かれたURLや電話番号は使わず、京王電鉄の公式サイトのニュースリリースの一覧や、京王お客さまセンター(03-3325-6644)で本物かを確かめます。
Q. 京王線の運行や定期券の購入に影響はありますか?
京王電鉄は初報で、鉄道の運行には支障はないと発表しています。Webで申し込む「定期券らくはや予約サービス」はシステム障害で一時申請が難しくなりましたが、2026年10月7日のお知らせで順次申し込める状態に戻ったとされています。急ぐ場合は京王線・井の頭線の各駅の窓口や券売機でも購入できます。
Q. 京王を名乗る「補償のお知らせ」のメールが届いたら、どうすればよいですか?
2026年10月22日時点で、京王電鉄は補償やお詫びの品について発表していません。補償を理由にURLを開かせたり、カード番号を入力させたりするメールは偽物の可能性が高いので、リンクを開かずに削除します。気になるときは、公式サイトを自分で開いて同じ内容の発表があるかを確かめ、無ければ京王お客さまセンターに電話で問い合わせます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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