子育てしながら訪問入浴で働く|シフトの融通と、頼れる制度

中西 直美
中西 直美
子育てしながら訪問入浴で働く|シフトの融通と、頼れる制度

この記事のポイント

  • ✓訪問入浴は子育て中のママに合う職場なのか
  • ✓夜勤がなく日中で終わる一方
  • ✓3人1組のチームと最終便の時刻で残業や急な休みの扱いが決まります

「子どもが小さいけれど、介護の仕事に戻りたい。訪問入浴なら、夜勤もないし続けられるかもしれない」

こういうご相談、本当に多いんです。

先にお伝えしておきますね。訪問入浴は、子育て中の人にとって働きやすい面をたくさん持った職場です。夜勤がなく、日中で仕事が終わり、日曜日が休みの事業所が多いからです。

ただ、いくつか知っておいてほしいこともあります。訪問入浴は3人1組で動く仕事なので、1人が休むとチーム全体の予定に響きます。また、最後の訪問が終わる時刻によって、お迎えに間に合うかどうかが変わります。

大丈夫ですよ。仕組みを知っておけば、自分の家庭に合う事業所を選ぶことはできます。

この記事では、訪問入浴の1日がどう動くか、子育てとの両立で何が壁になりやすいか、シフトや雇用形態の選び方、使える制度、そして求人票と面接で確かめたいことを、順番にお話しします。

訪問入浴の1日と、子育て中の人が気になる時間帯

まずは、訪問入浴の1日がどう動いているのかを見ていきましょう。子育てとの両立を考えるときに、どの時間帯が大切なのかが分かります。

訪問入浴は、自宅のお風呂に入るのが難しい人の家へ、浴槽と給湯設備を積んだ車で訪問し、居室で入浴してもらうサービスです。1回の訪問は、看護師1人と介護職員2人の3人で行うのが基本です。

典型的な1日の流れは、次のようになります。

時刻 動き
8時30分 出勤、朝礼、車両点検、機材の積み込み
9時〜12時 午前の訪問(2〜3件)
12時〜13時 昼休憩
13時〜16時30分 午後の訪問(3件前後)
16時30分〜17時30分 帰社、浴槽の洗浄、記録

1件あたりの滞在は50〜60分くらいです。そのうち、実際にお湯に入っている時間は10分前後。残りは、浴槽の搬入と設置、体調の確認、着替え、片付けに使われます。

子育て中の人が気にしたいのは、朝と夕方の2つの時間帯です。

朝は、8時30分の出勤に間に合うかどうか。保育園の開園が7時30分なら、預けてから職場へ向かう時間は十分にあります。ただ、小学生になると、子どもが家を出る時刻より先に自分が出ることになる家庭もあります。

夕方は、最後の訪問がいつ終わるか。ここが一番大切です。

訪問入浴は、前の家で入浴が長引いたり、道が混んだりすると、後ろの予定がそのまま遅れていきます。最終便が16時に終わる予定でも、帰社して浴槽を洗い終わるのが18時近くになる日もあります。

このあたりの実態について、訪問入浴の仕事を考えている人が、次のような質問をしていました。

訪問入浴の経験がある方に質問です。 訪問入浴オペレータの仕事に興味がありネットで色々と調べていますが、残業がけっこうあるみたいで、ある会社によってはほとんど毎日11時までやってるなんてとこもありました。 みなさんの会社は週何時間くらい残業してますか? また週休2日はしっかりとれてますか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

毎日深夜まで、というのは極端な例だと思います。それでも、残業の出方が事業所によって大きく違うことは、この質問からも伝わってきますよね。

訪問入浴で残業が生まれるのは、件数の詰め込み方と、帰社後の片付けの時間が勤務時間に含まれているかどうかによります。つまり、同じ訪問入浴でも、事業所の組み方しだいで、お迎えに間に合う職場にも、間に合わない職場にもなるということです。

訪問入浴が子育てと両立しやすい理由

ここからは、訪問入浴が子育て中の人に選ばれている理由を整理しますね。

夜勤とオンコールがない

訪問入浴は、利用者の日中の入浴を支えるサービスです。夜に訪問することはありません。

施設の介護職や病棟の看護師として働いていた人にとって、これはとても大きな違いです。夜勤があると、夫や家族に子どもを見てもらう日を毎月調整する必要がありますよね。訪問入浴なら、その調整がいりません。

訪問看護と違って、夜間や休日の呼び出し(オンコール当番)がないのも特徴です。夜に電話が鳴るかもしれない、という緊張感から離れられるのは、気持ちの面でも楽になります。

日曜日が休みの事業所が多い

訪問入浴は、利用者の家族が立ち会えるかどうかや、ケアマネジャーの予定も関わるため、日曜日と年末年始を休みにしている事業所が多くあります。子どもの行事が多い日曜日に休めるのは、ありがたいですよね。

一方で、土曜日は稼働している事業所が多いです。土曜日に出られるかどうかは、面接で必ず聞かれる項目になります。

1日の予定が前もって決まっている

訪問入浴の利用者は、毎週決まった曜日と時間に入浴します。そのため、1週間の予定がほぼ固定されていて、月ごとの変動が小さい職場です。

「来週はいつ帰れるか分からない」という働き方は、子育て中にはとてもしんどいもの。予定が読めることは、家族との分担を考えるうえでの安心材料になります。

短い時間の勤務枠がつくりやすい

訪問入浴は、午前の便と午後の便に分かれています。そのため、「午前の訪問だけ」「9時から15時まで」といった短い時間のパートの枠をつくりやすい職場です。

特に看護師は、1件ごとに報酬が決まる件数払いの形で働く人もいます。午前の3件だけ入る、週に3日だけ入る、といった働き方が選べる事業所もあります。

私のカウンセリングでも、以前ご相談を受けた方がいました。病棟の夜勤が続かなくなり、子どもが小学校に上がるタイミングで仕事を辞めるか迷っていた看護師の方です。話を聞いていくうちに、その方が本当に悩んでいたのは「看護の仕事を続けたいかどうか」ではなく、「夜に家にいられないこと」だと分かりました。訪問入浴という選択肢があると知って、表情がふっと明るくなったのを覚えています。

両立で壁になりやすいこと

いいことばかりではありません。壁になりやすいことも、正直にお伝えしておきますね。知っておけば、事前に対策ができます。

子どもの急な発熱で休むとき

訪問入浴で一番悩ましいのが、ここです。

3人1組のチームで、1人が急に休むと、その日の訪問が回らなくなります。代わりの人がいなければ、利用者の入浴をキャンセルしたり、清拭に変更したりすることになります。

休むこと自体は、悪いことではありません。子どもの体調不良は、誰にでも起こることです。

ただ、「チームに迷惑をかけてしまう」という気持ちから、休みの連絡のたびに強い罪悪感を抱えてしまう方が、本当に多いんです。その気持ちが積み重なって、仕事を辞めてしまうこともあります。

大切なのは、休んだときに代わりの人を出せる仕組みが事業所にあるかどうかです。応援のスタッフがいる、管理者が現場に入れる、近くの別の拠点から人を回せる。こうした仕組みがある事業所なら、休む側の心の負担はずっと軽くなります。

夏の体力の消耗

訪問入浴は、浴槽を運び、湯気のこもる部屋で介助をする仕事です。夏は特に体力を使います。

仕事で体力を使い切ってしまうと、帰宅後の家事や子どもの相手をする余力が残りません。これも、子育て中の人が離職を考えるきっかけになりやすい点です。

最初から毎日フルタイムで入るのではなく、週3〜4日から始めて、体が慣れてから日数を増やすという選び方もあります。

ブランクからの復帰の不安

出産や育児で何年か仕事を離れていた人からは、「体も技術もなまっていて、ついていけるか不安」という声をよく聞きます。

訪問入浴は、手順が決まっている仕事です。浴槽の組み立て方、ホースのつなぎ方、声かけの順番、洗身の流れ。1件ごとにやることがほぼ同じなので、何回か同行するうちに体が思い出していきます。

看護師の方は、病棟のように多くの処置を同時に抱えるのではなく、入浴前後の観察と処置に集中できます。ブランクがあっても復帰しやすい職場の1つと言えます。

不安なときは、面接で「同行研修は何回くらいありますか」「ブランクがあって入った人はいますか」と聞いてみてください。数回の同行で独り立ちさせる事業所もあれば、1か月ほどかけて慣らしてくれる事業所もあります。自分のペースに合う事業所を選べば、大丈夫ですよ。

妊娠中の働き方

次の子どもを考えている人は、妊娠したときの働き方も気になりますよね。

浴槽の搬入や、利用者を抱える移乗は、妊娠中の体には負担が大きい作業です。労働基準法では、妊娠中の人が請求した場合、事業所はほかの軽い業務に転換させなければならないと定められています。

訪問入浴の場合、搬入を担当から外す、看護師なら観察と処置に専念する、事務や電話対応に移る、といった対応が考えられます。ただ、小さな事業所ほど、軽い業務の選択肢が限られることがあります。

妊娠がわかったときにどう対応してきたか、過去の例を面接で聞いておくと、その事業所の考え方が見えてきます。

※体調に不安がある場合は、主治医に相談し、必要であれば「母性健康管理指導事項連絡カード」を使って職場に伝える方法もあります。

子どもの年齢で変わる、訪問入浴との付き合い方

子育てと仕事の両立は、子どもの年齢によって悩みの中身が変わります。訪問入浴の働き方も、時期に合わせて変えていくことができます。

0歳から2歳ごろ:体調を崩しやすい時期

保育園に通い始めたばかりの時期は、子どもがよく熱を出します。「月の半分しか登園できなかった」という話も、珍しくありません。

この時期に訪問入浴で働くなら、急な休みが出ても訪問が止まらないポジションを選ぶのが現実的です。たとえば、3人のチームに固定で入るのではなく、応援の要員として週に数日だけ入る形。あるいは、午前の便だけに入る形です。

育児休業から復帰する人は、3歳になるまで使える短時間勤務の制度を使って、1日6時間の勤務から始める方法もあります。

焦らなくて大丈夫ですよ。この時期は、仕事の量を増やすことより、続けることを大切にしてください。

3歳から小学校に上がるまで:生活のリズムが整う時期

子どもの体が少しずつ丈夫になり、生活のリズムも整ってきます。勤務日数や時間を増やしやすくなる時期です。

一方で、短時間勤務の制度は3歳までが対象なので、ここで働き方を見直す必要が出てきます。2025年10月から始まった柔軟な働き方の措置や、残業の免除は、この時期にも使えます。

保育園の行事が増えるのもこの時期です。行事の日程は早めに分かることが多いので、シフトを組む管理者に早めに伝えておくと、チームの組み替えもしやすくなります。

小学校に上がってから:いわゆる「小1の壁」

小学校に上がると、保育園のときより預かってもらえる時間が短くなります。学童保育の終わる時刻や、夏休みの長い期間をどう過ごすかが、新しい悩みになります。

訪問入浴は、夏の暑い時期が一番体力を使う時期でもあります。子どもの夏休みと、仕事の忙しさが重なるのです。

夏休みの期間だけ勤務日数を減らせるか、午前の便だけに変えられるか。こうした相談ができるかどうかは、事業所によって違います。小学生の子どもがいる人は、面接で「長期休みのときのシフトの相談」について聞いておくと安心です。

子の看護等休暇は小学校3年生の終わりまで使えるので、この時期も学級閉鎖などのときに頼ることができます。

家族との分担を決めておく

訪問入浴の仕事を始める前に、家族と話し合っておいてほしいことがあります。

1つ目は、子どもの急な発熱のとき、誰が迎えに行くかです。訪問入浴は、訪問先の家にいる間に保育園から電話が来ても、すぐには抜けられません。入浴の途中で利用者を置いて出ることはできないからです。お迎えを頼める人を、あらかじめ決めておくと心の余裕が違います。

2つ目は、土曜日の出勤があるときに、子どもを誰が見るかです。

3つ目は、帰りが遅くなった日の夕食や家事をどうするかです。訪問入浴は体を使う仕事なので、帰宅後にすべてを1人でこなそうとすると、疲れがたまりやすくなります。

こういう話し合いは、仕事を始めてから問題が起きたときにすると、どうしても言い合いになりがちです。始める前の、気持ちに余裕のあるときに話しておくのがおすすめですよ。

シフトと雇用形態の選び方

訪問入浴で子育てと両立するには、どんな雇用形態で、どんなシフトで働くかの選び方がとても大切です。

正社員

月給制で収入が安定し、賞与や社会保険も整っています。一方で、フルタイムの勤務と、土曜日の出勤が求められることが多いです。

介護職員の正社員は、市場の相場で月給22万〜28万円程度が目安です。夜勤手当がない分、施設より低めに見えることがありますが、入浴手当や件数に応じた手当で差を付けている事業所もあります。介護職員全体の給与の水準は、職業統計をもとにまとめた介護職員の年収・単価相場で、年齢や地域ごとの目安を確認できます。

家族の協力が得られていて、土曜日の出勤ができるなら、正社員を選ぶことで、育児休業や時短勤務などの制度をしっかり使える立場になります。

パート(時給制)

「9時〜15時」「午前のみ」「週3日」などの枠で働けます。お迎えの時刻に合わせやすいのが一番のよさです。

介護職員のパートの時給は、市場の相場で1,100〜1,500円程度。オペレーターとして運転を担当する場合は、少し高めに設定されることもあります。

パートの場合、午後の最終便が遅れても、自分は決まった時刻で上がれるのかどうかを必ず確認してください。「15時までの約束だったのに、実際は毎回30分延びる」ということが、両立をしんどくさせる一番の原因になりがちです。

件数払い(看護師に多い)

1件ごとに報酬が決まる働き方です。看護師のパートに多く見られます。

市場の相場では、看護師の時給換算で1,800〜2,500円程度と、病棟の日勤パートより高めになる傾向があります。午前だけ入る、特定の曜日だけ入る、といった柔軟な入り方ができます。看護師全体の年収の目安は、看護師の年収・単価相場で確認できます。

気をつけたいのは、利用者の体調不良でキャンセルになったときの扱いです。キャンセルで報酬がゼロになるのか、一部が支払われるのか。これによって、月の収入の見通しが大きく変わります。

社会保険と扶養

パートで働く場合は、扶養の範囲も気になりますよね。

年収が130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養から外れて、自分で保険料を払うことになります。また、勤め先の規模や週の勤務時間によっては、それより低い収入でも勤め先の社会保険に加入することになります。この加入の要件は、法改正によって段階的に広がっていく予定です。

扶養の範囲で働くか、社会保険に入って将来の年金や手当を厚くするか。どちらが正解ということはありません。家族で話し合って、今の生活に合う形を選んでくださいね。

子育て中に頼れる制度

子育てと仕事を両立するために、法律で守られている制度があります。これを知っているかどうかで、職場に相談するときの気持ちがずいぶん変わります。

育児・介護休業法は、2025年4月と10月に段階的に改正されました。訪問入浴で働く人にも関わる内容を、分かりやすく整理しますね。

制度 対象になる子の年齢 内容
短時間勤務 3歳になるまで 1日の所定労働時間を原則6時間にできる
残業の免除 小学校に入るまで 所定の時間を超える残業をしないよう請求できる(2025年4月に対象が拡大)
子の看護等休暇 小学校3年生の終わりまで 子1人につき年5日、2人以上なら年10日(2025年4月に対象が拡大)
時間外労働の制限 小学校に入るまで 残業を月24時間、年150時間までに制限できる
柔軟な働き方の措置 3歳から小学校に入るまで 事業所が複数の措置を用意し、その中から選べる(2025年10月から)

子の看護等休暇は、行事や学級閉鎖にも使える

子の看護等休暇は、2025年4月の改正で使える場面が広がりました。子どもの病気やけがの看病だけでなく、感染症による学級閉鎖、入園式や入学式、卒園式にも使えるようになっています。

「運動会や入学式のたびに有給休暇を使い切ってしまう」という悩みを、少し軽くしてくれる制度です。

残業の免除は、訪問入浴でこそ大切

訪問入浴で子育てと両立するうえで、最も頼りになるのが残業の免除です。

小学校に入る前の子を育てている人が請求すれば、事業所は、所定の時間を超えて働かせてはいけません。つまり、最終便が遅れても、決まった時刻で帰ることを請求できる、ということです。

とはいえ、チームで動く仕事なので、「私は帰ります」と一方的に言うのは難しいですよね。だからこそ、入職の前に、事業所がこの制度をどう運用しているかを聞いておくことが大切になります。子育て中の人は最終便に入れない、残業が出そうな日は別の人に交代する、といった工夫をしている事業所もあります。

3歳以降の柔軟な働き方の措置

2025年10月からは、3歳から小学校に入るまでの子を育てる人のために、事業所が柔軟な働き方の措置を用意することが義務になりました。事業所は、始業時刻の変更、テレワーク、保育施設の設置、年10日の休暇、短時間勤務などの中から2つ以上を選んで用意し、働く人はその中から1つを選んで使えます。

訪問入浴ではテレワークは難しいので、始業時刻の変更や短時間勤務を用意している事業所が多くなると考えられます。

パートでも使えるのか

これもよく聞かれます。原則として、パートでも制度の対象になります。ただし、週の所定労働日数が2日以下の人などは、事業所と従業員の代表との協定によって対象から外されていることがあります。

自分が対象になるかどうかは、就業規則で確認できます。遠慮せずに、入職前に聞いてみてくださいね。

制度の詳しい内容は、厚生労働省の育児・介護休業法の案内(厚生労働省)でも確認できます。

求人票と面接で確かめたいこと

ここまでの内容をふまえて、子育て中の人が訪問入浴の事業所を選ぶときに、確かめておきたいことをまとめます。

求人票で見ること

・勤務時間の欄に、帰社後の片付けの時間が含まれているか ・休日の欄に、土曜日の出勤があるかどうか ・「扶養内勤務可」「時短勤務可」「子育て中のスタッフ在籍」などの記載があるか ・パートの場合、勤務できる時間帯の選択肢がいくつあるか ・件数払いの場合、キャンセル時の扱いが書かれているか

「子育て中のスタッフ在籍」と書かれていても、実際に何人いて、どんな時間帯で働いているかは、求人票だけでは分かりません。ここは面接で聞く項目になります。

面接で聞き返したいこと

面接では、遠慮せずに次のことを聞いてみてください。

・子育て中のスタッフは何人いて、どんなシフトで働いていますか ・子どもの急な発熱で休むとき、代わりの人はどう手配していますか ・最終便の終わりは、ふだん何時ごろですか ・パートの場合、決まった時刻で上がれますか ・残業の免除や短時間勤務を使っている人はいますか ・夏休みや冬休みの時期に、シフトの相談はできますか

「こんなことを聞いたら、採用されにくくなるかも」と心配になりますよね。

でも、大丈夫ですよ。訪問入浴の事業所にとって、入職してすぐに辞められてしまうことが一番困ることです。子育て中の事情を最初に共有してもらえるほうが、チームの組み方を考えやすいのです。

聞くときは、「長く続けたいので、実際の働き方を知っておきたい」と前置きしてから聞くと、気持ちよく答えてもらいやすくなります。

見学で見ておきたいこと

面接のときに、事業所の中を見学できることがあります。夕方の帰社の時間帯に訪れると、チームがどんな雰囲気で片付けをしているか、子育て中の人が先に帰っているか、といった様子が見えます。

職員同士の声のかけ方がやわらかい事業所は、休みの連絡もしやすいことが多いです。数字には表れない部分ですが、とても大切なところです。

心の負担を軽くするために

最後に、少しだけ心のお話をさせてくださいね。

子育てしながら働く人の多くが、「仕事にも家庭にも、十分に向き合えていない」という気持ちを抱えています。訪問入浴のようにチームで動く仕事では、休むたびに「迷惑をかけた」と感じやすく、その気持ちが少しずつ心に溜まっていきます。

こういうご相談を受けたとき、私がお伝えしているのは、「休むことを、チームの仕組みとして話し合える職場を選ぶ」ということです。一人で我慢して乗り切るのではなく、休むことが前提になっている職場を選ぶ。それだけで、心の負担はずいぶん変わります。

在宅ワークやフリーランスの市場を長く見てきた立場からお話しすると、子育て期に仕事を続けられた人は、家族や職場に早めに事情を伝え、働き方を少しずつ調整していた人が多い印象です。完璧に両立しようとした人ほど、途中で疲れてしまいがちでした。

介護や看護の経験は、雇われる働き方だけでなく、研修の講師や、介護記録の整理、家族向けの相談など、自分の都合に合わせて請け負う形でも活かせるようになっています。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りでは、頼む側は同じ予算で必要な分を頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。子育て期の限られた時間を、無理のない形で仕事につなげる方法の1つとして、頭の片隅に置いておいてくださいね。

働き方の迷いを一人で抱えきれないときは、第三者に話を聞いてもらうのも1つの方法です。仕事や職場の悩みを専門に聞く人たちの仕事の中身は、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介しています。相談を受ける側の国家資格については、キャリアコンサルタントで内容を確認できます。

訪問入浴は、夜勤がなく、予定が読みやすく、短い時間の枠もつくりやすい職場です。そのうえで、急な休みへの備えと、最終便の時刻、使える制度を確かめておけば、子育てと両立しながら長く続けることができます。

あなたは一人じゃありません。自分と家族に合う職場を、焦らずに選んでくださいね。

よくある質問

Q. 子育て中でも訪問入浴で働けますか?

働けます。訪問入浴は夜勤やオンコールがなく、日中で仕事が終わり、日曜日が休みの事業所が多いため、子育て中の人に選ばれています。一方で3人1組のチームで動くため、子どもの急な発熱で休むときに代わりの人を出せる仕組みがあるかどうかを、入職前に確認しておくことが大切です。

Q. 訪問入浴で保育園のお迎えに間に合う働き方はありますか?

パートで「9時から15時」「午前のみ」といった枠を用意している事業所があります。訪問入浴は最終便の終わる時刻と帰社後の片付けで退勤時刻が決まるため、決まった時刻で上がれるかを面接で必ず確認してください。小学校に入る前の子を育てている人は、残業の免除を請求することもできます。

Q. パートでも子の看護等休暇や短時間勤務の制度は使えますか?

原則としてパートでも対象になります。子の看護等休暇は小学校3年生の終わりまで、子1人につき年5日取得でき、学級閉鎖や入学式にも使えます。ただし週の所定労働日数が2日以下の人などは、労使協定で対象外とされている場合があるため、就業規則で自分が対象かどうかを確認してください。

Q. 訪問入浴の看護師は件数払いと時給制のどちらが子育てに向いていますか?

件数払いは午前だけ、特定の曜日だけといった柔軟な入り方がしやすく、時給換算で病棟の日勤パートより高めになる傾向があります。一方で、利用者の体調不良によるキャンセルで報酬がどう扱われるかによって月の収入が変わります。収入の安定を重視するなら時給制、時間の自由を重視するなら件数払いが合いやすいです。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月11日最終更新:2026年9月15日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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