個人で使える無料のガントチャートの選び方と、副業の案件管理での使い方


この記事のポイント
- ✓個人で無料で使えるガントチャートの選び方を
- ✓Excel・Googleスプレッドシート・Notion・専用ツールに分けて整理します
- ✓2026年10月時点の公式情報をもとに
個人で無料のガントチャートを探している人の多くは、副業や個人の案件が2つ3つと重なり始め、「どの週に何が詰まっているのか」が頭の中だけでは追えなくなった段階にいます。結論から言うと、最低限これだけやれば大丈夫、というラインは意外と低く、案件が5件程度までなら表計算ソフトで十分です。それを超えたり、クライアントと日程を共有したりするなら、無料プランでガントが使える専用ツールに移るのが現実的です。
ガントチャートとは、作業を縦に並べ、それぞれの期間を横棒で表した表のことです。横軸が日付なので、作業の重なりや、ある作業が遅れたときに後ろがどれだけずれるかが一目で分かります。この記事では、2026年10月3日時点で各サービスの公式ページを確かめた内容をもとに、個人が無料で使える選択肢と選び方、副業の案件管理での使い方を順に説明します。
結論:案件の数と共有の有無で選ぶ
先に全体像を示します。
| 状況 | 向いている選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 案件が1〜5件、自分だけで見る | Excel・Googleスプレッドシート | 無料で始められ、形を自由に決められる |
| 案件が5件以上、自分だけで見る | 無料でガントが使える専用ツール | 日付の変更や今日の位置の表示を自動でできる |
| クライアントや仲間と日程を共有する | 権限を細かく設定できる専用ツール | 見せる範囲を絞れる |
| 資料やメモと一緒に管理したい | Notionのタイムラインビュー | ページの中に資料と日程を同居させられる |
ポイントは、「無料でガントが使えるかどうか」がサービスごとに大きく違うことです。有名なタスク管理ツールでも、ガントは有料プランからという例が少なくありません。名前を知っているツールから選ぶと、登録したあとで「ガントは有料だった」と気づくことになります。
もう1つ押さえておきたいのは、道具の選び方より先に、予定の立て方の型を決めることです。どの道具を使っても、「使える時間を書き出す」「作業を小さく分ける」「締切から逆算する」の3つができていなければ、横棒はただの飾りになります。逆に、この3つができていれば、紙の方眼ノートでもガントチャートは十分に機能します。この記事では、道具の選び方と予定の立て方の両方を順に説明します。
無料で使える選択肢は大きく4種類
個人が無料で使えるガントチャートは、大きく次の4種類に分けられます。
- 表計算ソフト(Excel・Googleスプレッドシート)で自作する
- 表計算ソフト用の無料テンプレートを使う
- 文書とデータベースの道具(Notion)のタイムライン表示を使う
- プロジェクト管理の専用ツールの無料プランを使う
1と2は、手元のソフトですぐに始められるのが利点です。Excelはパソコンに入っていなくても、Microsoftアカウントがあればブラウザ版を無料で使えます。Microsoftの公式ページは「Microsoft 365 for the web (旧称 Office) を使用して、Word、Excel、PowerPoint に無料でアクセスできます」と案内しています。Googleスプレッドシートも、Googleアカウントがあれば無料で使えます。
3のNotionは、データベースにタイムラインビューを追加して横棒の表示を作る方法です。資料やメモと日程を1か所で扱えるのが利点ですが、仕組みを自分で組む必要があります。
4の専用ツールは、ドラッグで日付を変える、今日の位置に線を引く、といった機能が最初から揃っています。ただし、無料プランでガントが使えるかどうかはツールによって違います。
表計算ソフトでガントチャートを作る方法
案件が少ないうちは、表計算ソフトで十分です。作り方は大きく2通りあります。
1つ目は、セルを塗りつぶす方法です。A列に作業名、B列に開始日、C列に終了日を入力し、D列から右へ日付を1日ずつ並べます。そのうえで、日付が開始日から終了日の間に入るセルだけ色が付くように「条件付き書式」を設定します。条件付き書式とは、セルの値に応じて自動で色を変える機能のことです。開始日や終了日を書き換えるだけで横棒の位置が動くので、手で塗り直す必要がありません。
2つ目は、グラフ機能を使う方法です。Microsoftのサポートページは、Excelでの作り方を次のように説明しています。
Excel には事前定義されたガント チャートの種類はありませんが、次のように、タスクの開始日と終了日を表示するように積み上げ横棒グラフをカスタマイズすることで、ガント チャートをシミュレートできます。 出典: support.microsoft.com
具体的には、作業名・開始日・日数の3列を用意し、積み上げ横棒グラフを作ってから、開始日にあたる部分の塗りつぶしを「なし」にします。こうすると、日数の部分だけが横棒として残り、ガントチャートの形になります。同じページには、Excelには無料のガントチャートのテンプレートも用意されていると書かれています。
最低限これだけやれば大丈夫、という形を挙げるなら、1つ目のセルを塗りつぶす方法です。グラフよりも修正が簡単で、作業の追加や削除も行を挿入するだけで済みます。
Googleスプレッドシートで作るときのコツ
Googleスプレッドシートでも、Excelと同じ考え方でガントチャートを作れます。ブラウザで動くので、パソコンとスマートフォンの両方から同じ表を開けるのが利点です。
作り方の流れは次のとおりです。
- 1行目に見出しを入れる(A列に作業名、B列に開始日、C列に終了日)
- D1から右へ、日付を1日ずつ入力する(D1に開始日を入れ、E1に「D1+1」の式を入れて右へコピーすると早い)
- D2から右下の範囲を選び、「表示形式」から「条件付き書式」を開く
- 条件に「カスタム数式」を選び、「=AND(D$1>=$B2,$C2>=D$1)」と入力して、塗りつぶしの色を決める
数式の中の「$」は、コピーしても参照する行や列がずれないように固定する記号です。D$1は「1行目の日付」を、$B2と$C2は「その行の開始日と終了日」を指します。この1つの式で、表全体のセルが自動で塗り分けられます。
さらに、今日の位置を分かりやすくしたい場合は、もう1つ条件付き書式を追加し、「=D$1=TODAY()」の条件で列に別の色を付けます。今日の列が色で浮かび上がるので、遅れている作業がすぐに分かります。
Googleスプレッドシートで気をつけたいのは、共有の設定です。初期設定では自分だけが見られる状態ですが、共有ボタンから「リンクを知っている全員」に切り替えると、URLを知っている人なら誰でも開けるようになります。後で説明する共有の注意点とあわせて、設定を確かめてから人に渡してください。
Notionのタイムラインで作る手順
Notionを普段から使っている人なら、データベースのタイムラインビューでガントチャートに近い表示を作れます。資料やメモと同じ場所で日程を管理できるのが利点です。
手順は次のとおりです。
- 新しいページを作り、データベース(表)を追加する
- 「作業名」のほかに、日付の項目を1つ作り、終了日も入力できるように設定する
- 各行に作業を入力し、日付の項目に開始日と終了日を入れる
- データベースの右上にあるビューの追加から「タイムライン」を選ぶ
Notionのヘルプは、タイムラインの前提について次のように書いています。
データベース内に日付範囲を含む日付プロパティが少なくとも一つある場合のみ、タイムラインは機能します。そうでなければ、何もプロットされません。 出典: notion.com
つまり、日付の項目に期間(開始日と終了日)が入っていないと、横棒は表示されません。作ったのに何も出ない、というときは、まず日付の項目を確かめてください。
Notionの料金ページでは、フリープランでもサブタスク・依存関係・カスタムプロパティを含むデータベースが使えると案内されています。ただし、2人以上で使うとブロック数に制限がかかるため、クライアントや仲間と共有して使う場合は、無料プランのままで足りるかを先に確かめておきます。
無料で使える専用ツールの範囲(2026年10月3日時点)
専用ツールを使う場合は、「無料プランでガントが使えるか」を最初に確かめます。代表的なツールの公式料金ページを確認した結果を並べます。
| ツール | 無料プランの範囲 | ガントが使えるプラン |
|---|---|---|
| Trello | 1ワークスペース10人まで・ボード10枚まで | Premium(1人あたり月額10ドル・年払い)からタイムライン |
| Asana | 2人まで | Starter(1人あたり月額1,200円・年払い)からタイムラインとガント |
| Backlog | 最大10ユーザー・1プロジェクト | スタンダード(組織で月額16,000円・税抜)から |
| Pinateca | 5人まで・ボード10個まで | 無料プランから |
TrelloとAsanaは知名度が高く、個人で使う人も多いツールですが、ガントはどちらも有料プランからです。Backlogはチーム向けの料金体系で、個人の副業で使うには規模が大きめです。なお、Backlogは2027年1月1日からプランが新しくなると告知していて、現在のプランの新規契約は2026年12月31日で終わり、フリープランのユーザー上限は10名から5名に変わると案内しています。
個人が無料でガントを使う、という条件に絞ると、選択肢は思ったより限られます。登録する前に、料金ページの「ガント」「タイムライン」の行を必ず確かめてください。
選ぶときに確かめたい6つの基準
ガントチャートの道具を選ぶときは、次の6つを確かめれば大きく外しません。
1つ目は、本当に無料で使い続けられるかです。「無料トライアル」は期間が過ぎると有料になるか、使えなくなります。「無料プラン」は期限なしで使えるものを指すことが多いので、どちらなのかを料金ページで確かめます。
2つ目は、人数とプロジェクト数の上限です。個人で使うなら人数は1人で足りますが、クライアントや外注先を招く可能性があるなら、何人まで招けるかを確かめます。案件ごとにプロジェクトやボードを作るなら、その数の上限も重要です。
3つ目は、ドラッグで日付を変えられるかです。予定は必ずずれます。横棒をつかんで動かせば日付も変わる、という操作ができると、予定の修正が苦になりません。
4つ目は、今日の位置が分かるかです。今日の日付に縦線が引かれていると、どの作業が遅れているかが一目で分かります。
5つ目は、共有と権限の設定です。誰に何を見せるかを細かく決められるかどうかは、後で説明するとおり情報を守るうえで大切です。
6つ目は、データを書き出せるかです。いつか別の道具に移るときに、データを書き出せないと一から入力し直すことになります。
カレンダーや手帳との違い
「予定ならカレンダーや手帳で管理しているから十分では」と考える人もいるはずです。カレンダーとガントチャートは、見ているものが違います。
カレンダーは「その日に何があるか」を見る道具です。打ち合わせや納品日のように、日付が決まった出来事を管理するのに向いています。一方、ガントチャートは「ある作業がいつからいつまで続くか」と「作業どうしがどう重なっているか」を見る道具です。3日かかるデザイン作業と、2日かかるコーディング作業がどの週で重なるのかは、カレンダーのマス目では分かりにくく、横棒で並べると一目で分かります。
使い分けの目安は、案件の数と作業の長さです。案件が1〜2件で、どの作業も1日で終わるなら、カレンダーで十分です。案件が3件以上になり、数日かかる作業が並行して進むようになったら、ガントチャートの出番です。
両方を併用するなら、ガントチャートで全体の計画を立て、その日にやる作業をカレンダーや手帳に書き写す、という分担が無理のない形です。ガントチャートは週に1回見直し、カレンダーは毎日見る、と頻度を分けると、どちらも続けやすくなります。
1か月の副業スケジュールを組む例
具体的なイメージをつかむために、2つの案件を並行して進める1か月の例を示します。副業に使える時間は、平日の夜2時間を5日と土曜の4時間を合わせた、1週間で14時間とします。
| 週 | 案件A(Webサイト制作) | 案件B(記事の執筆4本) | 予定の合計 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | ヒアリング・構成(6時間) | 構成案2本(4時間) | 10時間 |
| 2週目 | デザイン(8時間) | 執筆1本目(5時間) | 13時間 |
| 3週目 | コーディング(10時間) | 執筆2本目(4時間) | 14時間 |
| 4週目 | 確認・修正・納品(6時間) | 執筆3・4本目(8時間) | 14時間 |
この例では、3週目と4週目が使える時間ちょうどになっていて、余裕がありません。どこかで遅れが出ると、すぐに締切に響きます。こうした状態に気づけるのが、週ごとの合計を確かめる意味です。
対策としては、案件Bの執筆1本を2週目の前半に前倒しする、案件Aのクライアントに確認の日程を早めに押さえてもらう、といった手が考えられます。表を作った段階で詰まりが見えれば、実際に詰まる前に手を打てます。
週に1回の見直しのやり方
ガントチャートは、作ったあとの見直しで価値が決まります。毎週決まった曜日に、10分程度の見直しの時間を取ることをおすすめします。
見直しでやることは、次の4つです。
・今週予定していた作業が終わったかを確かめ、終わったものに印を付ける
・終わらなかった作業の横棒を、新しい予定に合わせて動かす
・来週の作業の合計時間が、使える時間を超えていないかを確かめる
・新しく入った案件や作業を書き込む
見直しを金曜の夜や日曜の夕方にすると、翌週の始まりに何をすべきかが分かった状態で月曜を迎えられます。見直しの時間そのものも、ガントチャートやカレンダーに予定として書き込んでおくと忘れにくくなります。
副業の案件管理でガントチャートを使う手順
ここからは、副業の案件管理で実際にガントチャートを使う手順を説明します。副業は本業の合間に作業するので、使える時間が限られている点を前提に組み立てるのがコツです。
手順1:1週間に使える時間を書き出す
最初に、1週間で副業に使える時間を書き出します。たとえば、平日は夜に2時間ずつ5日で10時間、土曜に4時間、日曜は休む、という形です。合計すると14時間になります。ガントチャートを作る前にこの数字を出しておかないと、予定が実際の時間を超えていることに気づけません。
手順2:案件を作業に分ける
次に、各案件を作業に分けます。Webサイトの制作なら「ヒアリング」「構成」「デザイン」「コーディング」「確認・修正」「納品」のように、成果物ができるまでの段階で分けます。1つの作業は、半日から3日程度で終わる大きさにすると、進み具合が分かりやすくなります。
手順3:作業ごとに必要な時間を見積もる
それぞれの作業に何時間かかるかを見積もります。見積もりは、経験上の時間に2割程度の余裕を加えておくのが無難です。初めての種類の作業なら、余裕を多めに取ります。
手順4:横棒を並べ、締切から逆算する
締切が決まっている作業から順に、横棒を並べます。納品日を先に決め、そこから逆算して各作業の開始日を決めると、間に合わない作業がすぐに分かります。
手順5:週の合計時間を確かめる
最後に、週ごとに予定された作業の合計時間を確かめます。手順1で出した「1週間に使える時間」を超えている週があれば、どれかの作業をずらすか、クライアントに日程の相談をします。この確認を省くと、締切の直前に睡眠を削ることになります。
予定が崩れたときの立て直し方
ガントチャートを作っても、予定は必ずどこかで崩れます。本業の残業、体調不良、クライアントからの修正依頼。副業では、自分ではどうにもならない理由で作業時間が削られることが珍しくありません。大切なのは、崩れたときにすぐ立て直せることです。
立て直しの手順は次の4つです。
- 遅れている作業と、その遅れが何日分かを確かめる
- その作業とつながっている後ろの作業を洗い出す
- 締切までの残りの時間で、どの作業を短くするか、後ろへずらすかを決める
- 締切に影響が出るなら、その日のうちにクライアントへ連絡する
4つ目の連絡は、遅れに気づいた時点で早めに行うのが原則です。締切の前日に「間に合いません」と伝えるのと、1週間前に「この工程が3日遅れていて、納品日を2日後ろにずらせないか相談したい」と伝えるのとでは、相手の受け止め方がまったく違います。ガントチャートがあれば、どの作業がどれだけ遅れ、締切にどう響くかを具体的に説明できます。
連絡の文面は、事実・影響・提案の順で書くと伝わりやすくなります。たとえば「〇〇の工程に想定より時間がかかっており、現時点で2日遅れています。このままでは納品日が2日後ろにずれる見込みです。△△の確認を先に進めていただければ、1日分は取り戻せます」のような形です。原因の言い訳を長く書くより、次にどうするかを示す方が、相手は判断しやすくなります。
よくある失敗と防ぎ方
個人でガントチャートを使い始めた人が陥りやすい失敗を、防ぎ方とあわせて挙げます。
1つ目は、作り込みすぎて更新しなくなる失敗です。色分けや記号を凝りすぎると、予定が変わるたびに直す手間が増え、やがて誰も見ない表になります。最初は作業名・開始日・終了日の3つだけで十分です。
2つ目は、作業を大きく分けすぎる失敗です。「サイト制作」のような大きな単位で1本の横棒にすると、途中でどこまで進んだかが分かりません。半日から3日程度で終わる大きさに分けると、遅れに早く気づけます。
3つ目は、余裕を入れない失敗です。見積もりどおりに進む前提で予定を組むと、1つの遅れで全体が崩れます。作業ごとに2割程度の余裕を加えるか、納品日の前に予備の日を設けておきます。
4つ目は、本業の予定を書き込まない失敗です。本業の繁忙期や出張、家族の行事を書き込んでおかないと、作業できない週に予定を詰め込んでしまいます。
5つ目は、見直しの時間を決めない失敗です。毎週決まった曜日に10分だけ表を眺める時間を取ると、ずれが小さいうちに手を打てます。
本業の情報を混ぜないための注意
副業でガントチャートを使うときに見落とされがちなのが、本業の情報との分け方です。セキュリティの観点から、最低限これだけは守っておきたい点を挙げます。
1つ目は、本業の会社のアカウントで副業の表やツールを作らないことです。会社のアカウントで作ったファイルは、会社の管理下にあります。退職や異動でアカウントが止まれば、副業の予定も開けなくなりますし、会社の管理者から見える場合もあります。副業は個人のアカウントで管理します。
2つ目は、本業の案件名や取引先の名前を副業の表に書き込まないことです。本業の予定を書き込むときは、「本業繁忙」「出張」のように中身が分からない書き方にとどめます。
3つ目は、勤務先の就業規則で副業の扱いを確かめておくことです。副業そのものは認められていても、会社のパソコンや社内のネットワークで副業の作業をすることは禁じられている場合があります。ガントチャートを開く端末も含めて、本業の環境と副業の環境を分けておくと安心です。
依存関係とマイルストーンを意識する
ガントチャートを使いこなすうえで、知っておきたい言葉が2つあります。
1つは依存関係です。依存関係とは、「この作業が終わらないと次の作業に入れない」というつながりのことです。デザインが確定しないとコーディングに入れない、原稿が届かないと編集に入れない、といった関係を指します。依存関係のある作業は、前の作業が遅れると後ろの作業もずれます。ガントチャートでは、つながりのある作業を矢印で結んだり、同じ色にしたりして、遅れの影響が分かるようにしておくと安心です。
もう1つはマイルストーンです。マイルストーンとは、納品日やクライアントの確認日のように、期間ではなく「その日」に意味がある節目のことです。横棒ではなく、ひし形などの印で示すのが一般的です。副業では、本業の繁忙期や家族の予定もマイルストーンとして書き込んでおくと、作業できない日が事前に分かります。
依存関係を自動で管理できる道具もありますが、個人の副業であれば、表計算ソフトで色を揃えるだけでも十分に機能します。大切なのは、道具の機能よりも、つながりを意識して予定を組むことです。
共有するときに気をつけたいこと
ガントチャートをクライアントや仲間と共有するときは、情報の扱いに注意が必要です。セキュリティの仕事をしていると、共有の設定ミスから情報が漏れる例を何度も見かけます。
中島が以前関わった案件では、個人事業主の方がクラウドの表計算ソフトで作ったガントチャートを「リンクを知っている人は誰でも編集可」の設定でクライアントに共有していました。そのシートには、別のクライアントの案件名と締切も並んでいたのです。悪意のある人が見たわけではありませんでしたが、取引先の名前が他社に見える状態は、それだけで信用を損ねかねません。
共有するときに最低限やっておきたいのは、次の3点です。
・共有するシートやボードは、クライアントごとに分ける
・「リンクを知っている人は誰でも」の設定ではなく、相手のアカウントを指定して招く
・相手に必要なのが閲覧だけなら、編集の権限を渡さない
専用ツールを使う場合も、ワークスペースやボードの単位で見える範囲を分けられるかを確かめておきます。共有の設定は、道具を選ぶ段階で確認しておくべき項目の1つです。
アカウントとデータを守る設定
無料のツールを使うときこそ、アカウントの守り方に気を配る必要があります。ガントチャートには、取引先の名前、案件の内容、納品日といった情報が集まるため、アカウントが乗っ取られると、それらがまとめて外に出てしまいます。最低限これだけやれば大丈夫、という設定を3つ挙げます。
1つ目は、2段階認証を有効にすることです。2段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリなどで表示される確認コードを入力しないとログインできないようにする仕組みのことです。たとえばTrelloは、無料プランから2要素認証を使えると料金ページに書かれています。使うツールの設定画面に同様の項目があれば、最初に有効にしておきます。
2つ目は、ツールごとに別のパスワードを使うことです。同じパスワードを使い回すと、どこか1つのサービスから漏れたときに、ほかのサービスにも入られてしまいます。パスワード管理アプリを使えば、長く複雑なパスワードを覚えずに使い分けられます。
3つ目は、定期的にデータを書き出して手元に保存しておくことです。表計算ソフトなら、月に1回ファイルを別名で保存しておくだけで十分です。専用ツールなら、書き出しの機能があるかを確かめ、案件が終わったタイミングで書き出しておきます。万が一アカウントに入れなくなっても、過去の予定と実績を手元で確かめられます。
ツールによっては、ログインの履歴や操作の記録を確認できるものもあります。見覚えのないログインがないかを、月に1回程度確かめる習慣をつけておくと、異常に早く気づけます。
無料のまま続けるか、有料に移るかの目安
無料の道具で始めたあと、どの時点で有料プランを考えればよいのでしょうか。目安を3つ挙げます。
1つ目は、案件が増えて、無料プランのプロジェクト数やボード数の上限に当たったときです。終わった案件をアーカイブして数を抑えても足りなくなったら、上のプランを検討する時期です。
2つ目は、クライアントや外注先と同時に作業するようになったときです。人数の上限や、権限の細かい設定が必要になります。
3つ目は、予定の修正にかかる時間が気になり始めたときです。表計算ソフトで週に1時間以上を予定の修正に使っているなら、ドラッグで日付を変えられる専用ツールに移る方が、時間の面で得をします。
逆に言えば、この3つに当てはまらないうちは、無料のままで十分です。道具にお金をかける前に、まずは予定を立てて守る習慣をつけることが先です。
無料プランでガントまで使える選択肢
専用ツールの中で、無料プランからガントを使える選択肢の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinatecaです。
公式の料金ページによると、Pinatecaのフリープランは5人まで・ボード10個まで無料で、カンバン・ガント・カレンダー・リストを含む8種類のボードを無料プランから使えます。ガントボードでは、カードの期間が横棒で並び、バーをドラッグすると開始日も締切もその場で変わります。今日の位置には線が引かれ、担当者別・ラベル別の絞り込みもできると案内されています。クレジットカードの登録は不要で、6人目、または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円、年払いなら1人あたり月額400円、いずれも税抜)です。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ワークスペースごとにメンバーと見える範囲を分けられるので、前の節で説明したように、クライアントごとに共有の範囲を分ける運用にも向いています。
副業の種類とガントチャートの相性
最後に、どんな副業でガントチャートが役立つかを整理します。
ガントチャートが特に役立つのは、工程が多く、作業どうしにつながりがある仕事です。たとえば、業務へのAI導入を支援する仕事では、ヒアリング、現状の整理、試験導入、社内への展開と段階が分かれ、それぞれにクライアントの確認が入ります。こうした仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。セキュリティ診断やWebマーケティングのように、調査・報告・改善と段階が続く仕事も同じです。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、こうした分野の仕事の内容をまとめています。
アプリやWebサービスの開発も、要件定義から納品まで工程の前後関係がはっきりした仕事です。開発の仕事の進め方はアプリケーション開発のお仕事で詳しく紹介しています。
一方、記事の執筆のように1本ごとの工程が短い仕事では、ガントよりもカンバンやカレンダーの方が合うこともあります。ライターや編集者の報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられます。単価の相場を知っておくと、1件あたりにかけられる時間の見積もりにも役立ちます。
家庭教師やオンラインの講師のように、毎週決まった曜日と時間に授業が入る副業では、ガントチャートより週の時間割の形で管理する方が合います。ただし、教材づくりや模擬試験の準備のように数日かかる作業が重なる時期は、ガントで準備の期間を並べておくと、授業の前日に慌てずに済みます。講師の報酬水準は個人教師の年収・単価相場で確かめられます。授業の時間と準備の時間を合わせて見積もると、1コマあたりの実際の時給が分かり、引き受ける案件の数を決める目安になります。
また、中小企業の経営支援を仕事にしたい人にとっては、工程を計画して管理する力は欠かせない素養です。経営の助言を行う国家資格である中小企業診断士の学習内容にも、事業の計画づくりが含まれています。
最低限これだけやれば大丈夫、というのは、使える時間を書き出し、作業を分け、締切から逆算することです。道具はそのあとで選べば十分です。
よくある質問
Q. 個人で完全に無料で使えるガントチャートはありますか?
あります。ExcelのWeb版やGoogleスプレッドシートは、アカウントがあれば無料で使え、条件付き書式やグラフでガントチャートを作れます。専用ツールでは、無料プランからガントを使えるものもありますが、TrelloやAsanaのように有料プランからのものも多いため、登録前に料金ページの「ガント」や「タイムライン」の行を確かめてください。
Q. Excelでガントチャートを作るときの一番簡単な方法は何ですか?
作業名・開始日・終了日を入力し、右側に日付を並べて、開始日から終了日の間のセルに色が付くよう条件付き書式を設定する方法です。日付を書き換えるだけで横棒が動くので、修正が簡単です。積み上げ横棒グラフを使う方法もありますが、作業の追加や修正はセルを塗る方法の方が手軽です。
Q. 副業のスケジュールを立てるとき、最初に何をすればよいですか?
1週間で副業に使える時間を書き出すことです。たとえば平日の夜2時間を5日、土曜に4時間なら、合計14時間です。この数字を先に出しておくと、ガントチャートに並べた作業の合計が使える時間を超えている週にすぐ気づけます。見積もりには2割程度の余裕を加えておくと無難です。
Q. ガントチャートをクライアントと共有するときの注意点は何ですか?
共有するシートやボードをクライアントごとに分け、別の取引先の案件名が見えないようにすることです。共有は「リンクを知っている人は誰でも」ではなく相手のアカウントを指定して行い、閲覧だけで足りる相手には編集の権限を渡さないようにします。共有の範囲を分けられるかどうかは、道具を選ぶ段階で確かめておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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