バーチャート工程表をExcelで作る手順と、更新しやすい列の決め方

@SOHO編集部
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バーチャート工程表をExcelで作る手順と、更新しやすい列の決め方

この記事のポイント

  • ✓バーチャート工程表をExcelで作る手順を
  • ✓条件付き書式で横棒を自動で塗る方法
  • ✓積み上げ横棒グラフで描く方法まで順番に解説します

バーチャート工程表は、縦に作業を並べ、横に日付を並べて、作業の期間を横棒で示す表です。工事の現場、リフォームの段取り、イベントの準備、ウェブサイトの制作と、使われる場面はとても広く、Excelで作れるのも大きな魅力です。ただ、ひな形をそのまま使っていると、日付を1日ずらすたびに横棒を塗り直すことになり、更新がどんどん面倒になっていきます。

そこでこの記事では、バーチャート工程表をExcelで作る手順を、更新しやすい列の決め方から順番に説明します。開始日と日数を入れるだけで横棒が自動で塗られる作り方、積み上げ横棒グラフで描く作り方、予定と実績の書き分け、遅れの見つけ方までまとめました。後半では、複数の人で同時に更新したい、遅れを知らせたいといった場面で表が苦しくなったときの候補として、ガントやカンバンのボードを無料から使えるプロジェクト管理のPinatecaにも触れます。

バーチャート工程表とは

バーチャート工程表は、作業ごとの期間を横棒(バー)で示す工程表です。縦の列に「仮設工事」「解体」「下地」「内装」のような作業の名前を並べ、横の列に日付を並べます。それぞれの作業の開始日から終了日までのセルを塗りつぶすと、横棒が並んだ表ができあがります。

工程表について解説している建設業向けのサービスのサイトでは、Excelで作れる工程表について次のように説明しています。

5つの代表的な工程表をご紹介しましたが、エクセルテンプレートで活用できる工程表は、「バーチャート工程表」「ガントチャート工程表」の二つです。これらの横線式工程表は、エクセルの基本知識があれば簡単に作成することができます。 出典: aippearcloud.com

ここで出てくる「横線式工程表」とは、作業の期間を横の線や棒で表す工程表をまとめて呼ぶ言葉です。バーチャート工程表とガントチャート工程表は、どちらも横線式工程表の仲間です。

バーチャートとガントチャートの違い

この2つはよく混同されます。一般に、バーチャート工程表は「いつからいつまで、どの作業をするか」を示すことに重点があり、ガントチャートは、それに加えて各作業の進み具合(何%終わったか)や、作業どうしのつながりを示すことに重点がある、と説明されることが多いです。

比べる点 バーチャート工程表 ガントチャート
主に示すもの 作業の期間と日程 作業の期間と進み具合
横棒の意味 予定の期間 予定の期間と、終わった割合
向いている場面 現場の段取り、職人や業者との共有 進み具合を追うプロジェクトの管理
作りやすさ とても作りやすい 進み具合の列を加える必要がある

実際の現場では、名前の使い分けはそれほど厳密ではありません。この記事では、作業の期間を横棒で示す表をバーチャート工程表と呼び、進み具合の示し方も合わせて紹介します。

作る前に決めておくこと

Excelを開く前に、次の4つを決めておくと、あとから表を作り直さずに済みます。

  1. 工程表の期間(1週間か、1か月か、3か月か)
  2. 日付の単位(1日ごとか、半日ごとか、1週間ごとか)
  3. 作業をどこまで細かく分けるか
  4. 誰が見て、誰が更新するか

期間と日付の単位は、表の横幅を決めます。1日単位で3か月分を並べると、横に約90列が並びます。画面で見るなら問題ありませんが、紙に印刷して現場に貼るなら、A3の用紙に収まるかを考える必要があります。印刷が前提なら、1か月分を1枚にする、長い期間は1週間単位にする、といった割り切りが要ります。

作業の分け方は、細かすぎても粗すぎても使いにくくなります。目安は「1つの作業が2日から2週間に収まる」程度です。半日で終わる作業まで並べると行が増えすぎ、1か月以上かかる作業を1行にすると遅れに気づけません。

誰が見て誰が更新するかは、とても大事です。職人や業者が紙で見るのか、事務所の人が画面で見るのか。更新するのは1人か、複数人か。これで、列の作り方や共有の方法が変わります。

更新しやすい列の決め方

バーチャート工程表の使いやすさは、左側の列の決め方でほぼ決まります。更新しやすい工程表にするために、次の列を用意します。

列 入れるもの 入れ方
番号 作業の通し番号 手で入れる
作業名 「解体」「下地」など 手で入れる
担当 職人、業者、社内の担当 手で入れる
開始日 作業を始める日 手で入れる
日数 作業にかかる日数 手で入れる
終了日 作業を終える日 式で自動で出す
状況 未着手、進行中、完了 手で選ぶ
備考 天候の影響、資材の入荷待ちなど 手で入れる

ここでいちばんのポイントは、終了日を手で入れずに、開始日と日数から式で出すことです。開始日を1日ずらすだけで、終了日も横棒も自動で動くようになります。終了日を手で入れていると、開始日を動かすたびに終了日も直す必要があり、直し忘れが起きます。

終了日の式は、土日を含めて数えるなら「開始日+日数-1」で出せます。たとえば開始日がE列、日数がF列なら、終了日のセルには「=E5+F5-1」と入れます。土日や休みを除いて数えたいときは、Excelの WORKDAY 関数を使うと便利です。「=WORKDAY(E5,F5-1)」と入れると、土日を飛ばして終了日を出してくれます。休みの日の一覧を別の場所に作っておけば、「=WORKDAY(E5,F5-1,休日の範囲)」の形で祝日や会社の休みも除けます。

状況の列は、手で文字を打つのではなく、選択肢から選ぶ形にしておくと表記がそろいます。Excelの「データの入力規則」で「リスト」を選び、「未着手,進行中,完了」と入れておけば、セルを選ぶと選択肢が出てきます。

日付を並べる

左側の列の右に、日付を横に並べていきます。

  1. 日付を並べる最初のセル(たとえばJ3)に、工程表の開始日を入れます。
  2. その右のセル(K3)に「=J3+1」と入れ、右に必要な日数分だけコピーします。
  3. 日付のセルの表示形式を「d」(日だけ)にすると、列の幅を狭くしても読めます。
  4. その上の行に月を表示したい場合は、表示形式を「m月」にした行を作ります。
  5. 曜日を表示したい場合は、日付の下の行に「=J3」と入れ、表示形式を「aaa」にすると「月」「火」のような曜日が出ます。

最初のセルの日付を1つ変えるだけで、右に並んだ日付が全部ずれてくれるのがこの作り方の良いところです。翌月の工程表を作るときも、最初の日付を変えるだけで済みます。

列の幅は、1日あたり2〜3文字分ほどに狭めると、1か月分が画面に収まりやすくなります。

条件付き書式で横棒を自動で塗る

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです!横棒を手で塗るのをやめて、条件付き書式で自動で塗るようにすると、更新の手間がぐっと減ります。

条件付き書式とは、セルの値が決めた条件に当てはまったときに、色や文字の書式を自動で変える機能です。Microsoftの公式ヘルプでは、条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する方法として、セルの値に基づいて書式を決めるルールを作る、と説明されています。

設定の手順

開始日がE列、終了日がG列、日付が3行目のJ列から右に並び、作業の行が5行目から始まる表を例にします。

  1. 横棒を塗りたい範囲(J5から右下の最後のセルまで)を選びます。
  2. 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選びます。
  3. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
  4. 数式の欄に「=AND(J$3>=$E5,J$3<=$G5)」と入れます。
  5. 「書式」から塗りつぶしの色を選び、「OK」を押します。

この式は、「その列の日付が、その行の開始日以上で、かつ終了日以下なら色を塗る」という意味です。J$3の「$」は日付の行を固定し、$E5と$G5の「$」は開始日と終了日の列を固定しています。この固定のおかげで、1つの式を表全体に当てはめても、セルごとに正しい日付と行を見てくれます。

設定が済んだら、開始日か日数を変えてみてください。横棒が自動で伸び縮みしたり、左右に動いたりするはずです。これで、日程の変更のたびに塗り直す作業がなくなります。

状況で色を変える

状況の列の値で、横棒の色を変えることもできます。たとえば完了した作業の横棒を灰色にしたいなら、上と同じ範囲に、もう1つルールを作ります。数式は「=AND(J$3>=$E5,J$3<=$G5,$H5="完了")」のように、状況の列(ここではH列)が「完了」であることを条件に加えます。

複数のルールがあるときは、「ルールの管理」の画面で上にあるルールが優先されます。完了のルールを上に、通常のルールを下に並べておけば、完了した作業だけが灰色になります。

今日の列に色を付ける

今日の日付の列に色を付けておくと、遅れが一目で分かります。日付の範囲を含む表全体に、「=J$3=TODAY()」という数式のルールを作り、薄い色や太い枠を設定します。TODAY 関数は、ファイルを開いた日の日付を返す関数です。今日の線より左にあるのに「完了」になっていない横棒は、遅れている作業です。

積み上げ横棒グラフで描く方法

セルを塗る方法のほかに、Excelのグラフ機能で横棒を描く方法もあります。Microsoftの公式ヘルプには、ガントチャートについて次のように書かれています。

Excel には事前定義されたガント チャートの種類はありませんが、次のように、タスクの開始日と終了日を表示するように積み上げ横棒グラフをカスタマイズすることで、ガント チャートをシミュレートできます。 出典: support.microsoft.com

つまり、Excelに工程表専用のグラフはないものの、積み上げ横棒グラフを工夫すると同じ見た目を作れる、ということです。流れは次のとおりです。

  1. 作業名、開始日、日数の3列を選びます。
  2. 「挿入」から「おすすめグラフ」を開き、「積み上げ横棒」を選びます。
  3. グラフの中で、開始日にあたる最初の系列(左側の棒)を選び、塗りつぶしを「なし」にします。
  4. 残った日数の棒が、開始日から伸びる横棒として見えるようになります。
  5. 縦軸の作業の順番が逆になっている場合は、縦軸の書式で「軸を反転する」にします。

グラフで描く方法は、見た目がきれいで、報告書や提案の資料に貼るのに向いています。一方で、日付の目盛りの調整や、行が増えたときのグラフの範囲の変更に手間がかかります。毎日のように更新する現場の工程表には、セルを塗る方法のほうが扱いやすいでしょう。

方法 向いている使い方 手間
条件付き書式でセルを塗る 毎日の更新、印刷して現場に貼る 最初の設定だけ
積み上げ横棒グラフ 報告書や提案の資料 行が増えるたびに範囲の調整

作例:浴室のリフォームの2週間の工程表

ここまでの作り方を、具体的な工程表に当てはめてみます。題材は、戸建て住宅の浴室を入れ替えるリフォームです。期間はおよそ2週間、1日単位で作ります。作業の日数は一例で、実際の日数は現場の条件や業者によって変わります。

左側の列には、次のように作業を並べます。

番号 作業名 担当 日数
1 養生と搬入経路の確保 社内 1日
2 既存の浴室の解体と撤去 解体業者 2日
3 給排水の配管 設備業者 1日
4 電気の配線 電気業者 1日
5 土間のコンクリート打ち 左官 1日
6 コンクリートの養生 なし 3日
7 ユニットバスの組み立て メーカーの施工業者 1日
8 入口まわりの内装 内装業者 2日
9 清掃と引き渡し前の確認 社内 1日

開始日の列には、最初の作業の開始日だけを入れ、2行目以降は「前の作業の終了日の翌日」を式で出します。たとえば2行目の開始日には「=G5+1」と入れます。こうしておくと、解体が1日延びたときに、後ろの作業の開始日がすべて自動で1日ずつずれます。工程表の更新でいちばん手間のかかる「後ろの作業を全部ずらす」作業が、日数を1つ直すだけで終わります。

ただし、すべての作業が前の作業の終了を待つわけではありません。この例なら、給排水の配管と電気の配線は同じ日に進められることがあります。同時に進められる作業は、開始日を前の作業につなげず、手で入れるか、同じ作業の開始日を参照する式にします。どの作業が前の作業を待つ必要があるかを考えることが、工程表づくりのいちばん大事な判断です。

コンクリートの養生のように、人の手は動かないけれど日数がかかる工程も、必ず1行として入れておきます。ここを省くと、組み立ての業者を早く呼びすぎてしまいます。待つ時間も工程の一部として見える形にしておくことが、段取りの失敗を防ぎます。

横棒の色の決め方

横棒の色は、見た目の好みで決めるより、意味を持たせて決めると工程表が読みやすくなります。色の決め方の例を挙げます。

1つ目は、担当ごとに色を分ける方法です。社内の作業は青、外部の業者の作業は緑、のように分けると、どの日に誰が現場に入るのかが一目で分かります。業者の手配の漏れを見つけやすくなります。

2つ目は、状況ごとに色を分ける方法です。予定は薄い色、進行中は濃い色、完了は灰色、のように分けると、進み具合が色で分かります。先ほど紹介した、状況の列を条件に加えた条件付き書式で設定できます。

3つ目は、待ち時間を別の色にする方法です。養生や乾燥、資材の入荷待ちのように人の手が動かない期間を、斜線や薄い灰色で示すと、作業の期間と区別できます。

色の数は、多くても4つ程度に抑えるのがおすすめです。色が多すぎると、どの色が何を意味するのかを覚えきれません。表の上か下に、色の意味を説明する小さな凡例を必ず入れておきましょう。白黒で印刷すると色の違いが分からなくなるので、紙で配る工程表は、色の濃さの差がはっきりした組み合わせを選びます。

予定と実績を書き分ける

工程表を更新していくと、予定どおりに進まない作業が必ず出てきます。そのとき、予定の横棒を書き換えてしまうと、もともとの計画からどれだけずれたのかが分からなくなります。予定と実績は分けて残すのがおすすめです。

いちばん簡単なのは、1つの作業に2行を使う方法です。上の行に予定の開始日と日数、下の行に実際の開始日と日数を入れ、条件付き書式で予定は薄い色、実績は濃い色に塗ります。2本の横棒が上下に並ぶので、ずれが一目で分かります。

もう1つの方法は、予定の横棒はそのままにして、実際に終わった日を「実績の終了日」の列に入れ、終わった日の列に印を付けるやり方です。行の数が増えないので、作業の多い工程表に向いています。

予定と実績のずれは、次の工事の段取りを考えるときの貴重な記録になります。どの作業が予定より延びやすいのかが分かれば、次は最初から余裕を見て日数を決められます。

遅れを見つけて手を打つ

工程表は、作ることより、遅れに早く気づいて手を打つことのほうが大事です。遅れを見つけるために、次の確かめ方を習慣にします。

1つ目は、今日の列を見ることです。今日の線より左に横棒があって、状況が「完了」になっていない作業は、遅れています。条件付き書式で今日の列に色を付けておけば、すぐに見つけられます。

2つ目は、後に続く作業を見ることです。ある作業が遅れたとき、その作業が終わらないと始められない作業(たとえば下地が終わらないと内装に入れない)があれば、その作業も遅れます。遅れた作業の右側に、影響を受ける作業がないかを確かめます。

3つ目は、週に1回まとめて見直すことです。毎日の更新とは別に、週の初めに工程表全体を見直し、来週以降の作業の開始日を直す時間を取ります。職人や業者への連絡も、この見直しの直後に行うと、伝え漏れが減ります。

1週間単位と時間単位の工程表

工程表の期間が長いときや、1日の中の段取りを細かく組みたいときは、日付の単位を変えます。

1週間単位の工程表

数か月にわたる工事や、新しい店舗の立ち上げのような長い計画は、1日単位で並べると横に長くなりすぎます。日付の行を1週間ごとにし、各列に週の始まりの日を入れます。最初のセルに開始の週の月曜日を入れ、右隣のセルに「=J3+7」と入れてコピーすれば、1週間ごとの日付が並びます。

条件付き書式の数式は、「その週のうちに作業の期間が1日でも重なっていれば塗る」形に変えます。数式は「=AND(J$3<=$G5,J$3+6>=$E5)」です。週の始まりの日が終了日以前で、週の終わりの日(始まりの日に6を加えた日)が開始日以後なら、その週に作業がかかっている、という意味です。

時間単位の工程表

イベントの当日の段取りや、1日で終える作業の組み立ては、時間単位の工程表が向いています。日付の代わりに、30分ごとや1時間ごとの時刻を横に並べます。最初のセルに「9:00」と入れ、右隣に「=J3+TIME(0,30,0)」と入れれば、30分ごとの時刻が並びます。左側の列は、開始の時刻と、かかる時間で組み立てます。

時間単位の工程表は、関わる人が多い当日の段取りの共有にとても役立ちます。搬入、設営、リハーサル、本番、撤収の時刻が横棒で並んでいれば、誰がいつどこにいるべきかが全員に伝わります。

職人や業者との共有の仕方

工程表は、作った人だけが見ていても意味がありません。関わる職人や業者に、確実に届く形で共有します。

紙で共有する場合は、A3の用紙に1か月分が収まるように印刷し、現場の見やすい場所に貼ります。更新したら古い工程表をはがし、新しい工程表に貼り替えます。古い工程表が残っていると、どちらが最新か分からなくなるので、印刷した日を表の隅に必ず入れておきます。

データで共有する場合は、ExcelのファイルをそのままメールやチャットでやりとりするよりPDFにして送るほうが、相手の環境によらず同じ見た目で読めます。スマートフォンで見る人が多いなら、1か月分を1枚にしたPDFは文字が小さくなりすぎるので、2週間分ずつに分けると読みやすくなります。

日程が変わったときは、変わった作業に関わる人に個別に連絡します。工程表を送り直すだけでは、どこが変わったのか相手に伝わりません。「解体が1日延びたため、設備の配管は○日から○日に変わります」と、変わった点を文章で添えるのが、行き違いを防ぐいちばん確かな方法です。

よくある失敗と防ぎ方

バーチャート工程表で起きやすい失敗を、原因と防ぎ方の組で整理します。

横棒を手で塗っている

日程が変わるたびに塗り直す手間がかかり、塗り忘れや塗り間違いが起きます。条件付き書式で自動で塗る形に変えるだけで防げます。

終了日を手で入れている

開始日を変えたのに終了日を直し忘れ、横棒の長さがおかしくなります。終了日は開始日と日数から式で出す形にします。

作業が細かすぎる

半日で終わる作業まで並べると、行が多くなりすぎて全体が見渡せません。1つの作業が2日から2週間に収まる程度にまとめ、細かな作業は備考の列に書きます。

待ち時間を入れていない

乾燥や養生、資材の入荷待ちのような、人の手が動かない時間を入れていないと、次の作業の業者を早く呼びすぎます。待ち時間も1行として入れます。

古い工程表が出回っている

更新した工程表を送ったのに、古い版を見て動く人がいます。表の隅に更新した日を入れ、ファイルの名前にも日付を付けておくと、どれが最新かが分かります。

更新しやすくするための工夫

工程表を長く使い続けるために、更新の手間を減らす工夫をいくつか紹介します。

入力するセルの色を分ける

手で入れるセルと、式で自動で出すセルの色を分けておくと、うっかり式を消してしまう事故が減ります。手で入れるセルは薄い黄色、式のセルは白、のように決めておきます。式のセルは「シートの保護」で編集できないようにしておくと、さらに安心です。

ウィンドウ枠を固定する

作業名の列と日付の行は、「表示」の「ウィンドウ枠の固定」で固定しておきます。横にスクロールしても作業名が見え、縦にスクロールしても日付が見えるので、どの作業のどの日なのかを見失いません。

行を挿入しても式が崩れない形にする

作業を途中に加えるとき、行を挿入すると、条件付き書式の範囲や式がずれることがあります。表全体を「テーブル」に変換しておくと、行を加えたときに式や書式が自動で引き継がれます。

印刷の範囲を決めておく

現場に貼るために印刷するなら、「ページレイアウト」で印刷の範囲と用紙の向き、1ページに収める設定を最初に決めておきます。毎回印刷の設定をやり直す手間がなくなります。

生成AIで作業の洗い出しを手伝ってもらう

工程表づくりでいちばん時間がかかるのは、実はExcelの操作ではなく、作業の洗い出しです。どんな作業があって、どの順番で、何日くらいかかるのか。ここで生成AIを下書きの相手に使うと、考えるきっかけがぐっと増えます!

使い方は単純で、「戸建て住宅の浴室のリフォームで、解体から引き渡しまでの作業を順番に並べ、それぞれにかかる日数の目安と、前の作業が終わらないと始められないかどうかを表にして」のように頼みます。返ってきた表を、左側の列の下書きとして使います。

ただし、ここからが大事なところです。生成AIが出す日数は、あくまで一般的な目安で、現場の広さ、建物の古さ、業者の都合、天候を知りません。もっともらしい作業の名前や日数でも、実際の現場には合わないことがあります。安全に関わる養生や確認の工程が抜けていることもあります。下書きは必ず、現場を知っている人と一緒に1行ずつ確かめてから使ってください。生成AIは「抜けている作業はないか」を考えるための相手として使い、日数や順番の最終的な判断は人が持つ、という分担がいちばん安全です。

もう1つの使い方は、式の作り方を聞くことです。「開始日がE列、終了日がG列、日付が3行目にあるとき、その期間のセルを塗る条件付き書式の数式を教えて」と頼めば、数式の案が返ってきます。返ってきた数式は、小さな表で試して、思いどおりに塗られるかを確かめてから本番の表に使います。

既存の工程表を見直す手順

すでに使っている工程表が更新しにくいと感じたら、一から作り直す前に、次の順で見直してみてください。

  1. 横棒が手で塗られていないかを確かめる。塗られていれば、条件付き書式に置き換える
  2. 終了日が手で入っていないかを確かめる。入っていれば、開始日と日数から出す式に置き換える
  3. 後ろの作業の開始日が、前の作業の終了日とつながっているかを確かめる
  4. 手で入れるセルと式のセルの色を分け、式のセルを保護する
  5. 印刷の範囲と、更新した日の表示を整える

この5つを直すだけで、多くの工程表は見違えるほど更新しやすくなります。見直しの前には、必ず元のファイルを別の名前で保存しておきましょう。式を置き換える途中で表が崩れても、元に戻せます。

見直しを終えたら、日程を1つ動かしてみて、横棒と後ろの作業の開始日が正しく動くかを確かめます。思いどおりに動けば、その工程表はもう「塗り直す表」ではなく「数字を直せば全部動く表」になっています。

Googleスプレッドシートで作る場合

Excelを持っていない人や、複数の人で同じ表を見たい場合は、Googleスプレッドシートでも同じ作り方ができます。日付の並べ方、終了日の式、条件付き書式の数式は、Excelとほぼ同じ書き方で使えます。Googleの公式ヘルプによると、条件付き書式は「表示形式」から「条件付き書式」を選び、条件の欄で「カスタム数式」を使って設定します。

Googleスプレッドシートの利点は、同じファイルを複数の人が同時に開いて見られることです。事務所の人が更新した工程表を、現場の人がスマートフォンで確かめる、という使い方ができます。WORKDAY 関数もGoogleスプレッドシートで使えます。

表で回すのが苦しくなったとき

Excelやスプレッドシートのバーチャート工程表は、手軽で自由がききます。ただ、使い続けていると、次のような場面で苦しくなってきます。

・複数の人が同時に更新して、内容が食い違う
・作業が遅れたことを、担当者に自動で知らせたい
・作業ごとのやり取り(資材の手配、写真、確認の結果)を工程表のそばに残したい
・同じ人に作業が集中していないかを確かめたい
・工程表をスマートフォンで見たり直したりしにくい

こうした場面が増えてきたら、工程表を管理する専用の道具を考える時期です。その候補の1つが Pinateca です。公式サイトによると、Pinateca ではカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードを、無料のプランから全部使えます。ガントのボードでは、カードの期間がそのまま横棒で並び、バーをドラッグすれば開始日も締め切りもその場で変えられます。今日の線で遅れている作業が分かり、担当者別やラベル別に絞り込めます。リソースのボードでは、人やチームごとに仕事の負荷の偏りを確かめられます。

作業ごとのカードにはコメントやファイルを添付でき、ワークスペースごとのチャットも内蔵されているので、資材の手配や確認のやり取りを、その作業のそばに残せます。自分宛てのメンション、担当の割り当て、締め切りは受信箱に集まります。料金は、5人まで、ボード10個までは無料で、6人目または11個目のボードからはスタンダードのプランで1人あたり月額500円(年払いなら月額400円、税抜)です。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

一方で、紙に印刷して現場に貼る、細かな書式を自由に決めるといった使い方は、Excelの工程表のほうが得意です。事務所の中で複数の人が更新する工程の管理は Pinateca のガント、現場に貼る紙の工程表は Excel、という使い分けも考えられます。

工程表づくりの力を仕事にする

バーチャート工程表を作り、更新しやすい形に整える力は、さまざまな仕事に生かせます。工務店や制作会社では、工程表の作成や、Excelの表を使いやすく作り直す作業を外部に頼みたいという声があります。条件付き書式や関数を使いこなし、更新の手間を減らす工夫ができる人は重宝されます。

工程表や資料を見やすく整える仕事は、デザインの力が生きる仕事でもあります。デザイナーの年収・単価相場では、デザインの仕事の働き方ごとの収入の目安を確かめられます。中小企業の業務の改善を全体から支える専門家として、中小企業診断士という国家資格もあり、工程の管理を経営の改善の提案として深めたい人の参考になります。生成AIを使って工程表の下書きや報告の文章を作る仕事に関心があるなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事も参考になります。

20年にわたって在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、表づくりの仕事で長く頼られる人は、見た目の整った表を納めるだけでなく、「開始日を変えれば全部動く」「今日の線で遅れが分かる」といった、使う人が楽になる仕掛けまで組み込んで渡していきます。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、依頼する側は同じ予算でより丁寧な作り込みまで頼め、受ける側は手取りが厚くなります。双方に利点のある形で、工程表づくりの力を仕事に生かしてみてください。

よくある質問

Q. バーチャート工程表とガントチャートは何が違いますか?

一般に、バーチャート工程表は作業ごとの期間と日程を横棒で示すことに重点があり、ガントチャートはそれに加えて進み具合や作業どうしのつながりを示すことに重点がある、と説明されます。実際の現場では名前の使い分けはそれほど厳密ではなく、どちらも横棒で期間を示す横線式工程表の仲間です。

Q. Excelで横棒を自動で塗るにはどうすればよいですか?

条件付き書式で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、「その列の日付が開始日以上で、終了日以下」という条件の数式を入れます。開始日と日数を入れ、終了日を式で出しておけば、日程を変えるたびに横棒が自動で動き、塗り直しの手間がなくなります。

Q. 土日や祝日を除いて終了日を出すには、どうすればよいですか?

Excelの WORKDAY 関数を使います。開始日と日数から、土日を飛ばした終了日を出せます。祝日や会社の休みも除きたい場合は、休みの日の一覧を別の場所に作り、WORKDAY 関数の3つ目の引数にその範囲を指定します。Googleスプレッドシートでも同じ関数が使えます。

Q. Excelの工程表から専用の道具に移るのは、どんなときですか?

複数の人が同時に更新して内容が食い違う、遅れを担当者に自動で知らせたい、作業ごとのやり取りを工程表のそばに残したい、といった場面が増えてきたら検討の時期です。紙に印刷して現場に貼る用途はExcelのまま残し、事務所の中の工程の管理だけを専用の道具に移す、という使い分けもできます。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年6月14日最終更新:2026年10月14日
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