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ANAの予約情報への不正アクセス|Amadeus経由で約37,800名の情報が参照された形跡 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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ANAの予約情報への不正アクセス|Amadeus経由で約37,800名の情報が参照された形跡 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓ANAの情報漏えいとして調べられている件を公式発表で整理
  • ✓委託先Amadeus社への不正アクセスで
  • ✓約37,800名の予約情報の一部が参照された形跡

「ANA 情報漏えい」として調べられている件は、全日本空輸(ANA)が2026年10月30日に発表したもので、旅客サービスシステムの提供元であるAmadeus IT Group S.A.(本社スペイン)のシステムに第三者からの不正アクセスがあり、ANAの客の予約情報の一部が参照された形跡があるとの報告を受けた、という内容です。 ANAは「漏えい」という言葉を使っておらず、公式の表現は「参照された形跡」です。対象は約37,800名で、そのうち約1,700名はメールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号なども対象に入っています。 クレジットカード情報とパスワードは含まれていないと発表されています。

ANAの便を予約したことがある人が、まずすることは3つです。 1つ目は、ANAグループを名乗るメール、電話、SMS、SNSの広告のリンクや番号から手続きをしないこと。 2つ目は、ANAから個別の連絡が届いたら、その本文のリンクではなく、自分で開いた公式サイトで中身を確かめること。 3つ目は、約1,700名の区分に入っていた場合、メールアドレスと電話番号に偽の連絡が届く前提で備えることです。

この記事では、ANAの公式発表に書かれている事実だけをもとに、対象の範囲、含まれていない情報、確かめ方と備えを順に整理します。 報道で出ている数字や推測は使っていません。

ANAが2026年10月30日に発表したこと(公表の経緯)

ANAは2026年10月30日、公式サイトの「お知らせ」に「Amadeus社 旅客サービスシステムへの不正アクセスについて」というページを掲載しました。 トップページのお知らせ欄にも「10/30 Amadeus社 旅客サービスシステムへの不正アクセスについて」として並んでいます。 ページの末尾の日付は2026年10月30日、発表者は全日本空輸株式会社です。

発表の中心は次の一文です。

このたび、当社が旅客サービスシステムの提供を受けております、Amadeus IT Group S.A.(本社:スペイン)より、同社のシステムに第三者からの不正アクセスがあり、当社のお客様の予約情報の一部が参照された形跡があるとの報告を受けました。 なお、クレジットカード情報およびパスワードにつきましては、含まれておりません。 出典: ana.co.jp(Amadeus社 旅客サービスシステムへの不正アクセスについて)

2026年10月30日時点で、ANAの公式サイトで確かめられた発表はこの1件です。 初報の前に別の版があったか、後から内容が改められたかは、公式サイトの上では確かめられませんでした。 ANAホールディングスのプレスリリース一覧にも、10月30日の時点で本件の掲載は見当たりません。 今後、件数や項目の見直し、窓口の新設などがあれば、同じお知らせのページか、ANAのトップページのお知らせ欄に載ると考えられます。

発表を時系列で並べると、次のとおりです。

日付 公式に書かれていること
2023年8月10日から2026年9月23日 対象となる予約の期間(この期間にANAに予約した一部の客が対象)
2026年10月30日 ANAが公式サイトで発表。対象は約37,800名、参照された形跡のある項目を2つの区分で公表
2026年10月30日以降 対象の客にANAから順次連絡

予約の期間が3年あまりに及ぶため、最近はANAを使っていない人でも、2023年8月以降に予約していれば対象に入っている可能性はあります。 一方で、ANAは「一部のお客様」と書いており、期間内に予約した人が全員対象というわけではありません。 自分が入っているかどうかは、ANAからの個別の連絡で分かる仕組みです。

参照された形跡のある情報と、含まれていない情報

ANAは対象の約37,800名を2つの区分に分けて、参照された形跡のある個人情報を公表しています。 区分によって項目の数が大きく違うので、自分がどちらに入っているかで、備えの重さも変わります。

区分 人数 参照された形跡のある個人情報
区分1 約36,100名 氏名、予約番号、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラス
区分2 約1,700名 区分1の情報に加え、メールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号、航空会社、便名、航空券番号、座席番号など
合計 約37,800名 2023年8月10日から2026年9月23日の期間にANAに予約した一部の客

区分2の項目は「など」で終わっており、ここに挙げた項目がすべてとは限りません。 個別の連絡で、自分の場合にどの項目が対象だったかが示されるかどうかは、発表には書かれていません。

ANAが「含まれていない」と明記しているのは次の2つです。

含まれていない情報 公式の記載
クレジットカード情報 含まれていない
パスワード 含まれていない

ここで注意したいのは、「含まれていない」と書かれているのはこの2つだけだという点です。 住所や生年月日については、表のどちらにも記載がありません。 記載が無いものを「含まれていない」と言い切ることはできないので、続報が出たら確かめ直すのが確実です。

区分1は、氏名と予約や搭乗の情報の組み合わせです。 メールアドレスや電話番号が入っていないので、この情報だけで直接連絡が届くことは考えにくい一方、ほかの経路で手に入れた連絡先と組み合わせて、搭乗日や区間を言い当てる偽の連絡に使われることは考えられます。 区分2は、連絡先とパスポート番号、国籍まで入っているため、本人に直接届く偽のメールや電話への備えが要ります。

原因は、委託先Amadeus社のシステムへの不正アクセス

ANAの発表によると、原因はAmadeus IT Group S.A.のシステムへの第三者からの不正アクセスで、その内容はAmadeus社からANAへの報告として説明されています。 ANA自身のシステムに入られたという記載ではありません。

旅客サービスシステムとは、一般に、航空会社が予約、発券、搭乗手続きなどの業務に使う仕組みのことです。 航空会社が自前で全部を作るのではなく、専門の会社から提供を受けることが多く、ANAはその提供元としてAmadeus社の名前を挙げています。 不正アクセスの手口や、いつ入られたのかの詳細は、ANAの発表には書かれていません。

ANAが受けた報告として書かれているのは、次の2点です。

  • 本件に該当する認証情報は、すでに無効化された
  • 監視体制が強化されている

認証情報とは、システムに入るための鍵にあたるIDやパスワードなどのことです。 入られる元になった鍵を使えなくし、見張りを強めた、という報告をANAが受けた、という書き方になっています。

同じAmadeus社のシステムへの不正アクセスについては、日本航空も発表しています。 日本航空の発表内容は、JALの情報漏洩|委託先アマデウスへの不正アクセスで予約情報 約92,000名が外部から参照された形跡 対象者が確かめること 2026で別に整理しています。 JALとANAの両方を使っている人は、それぞれの会社から別々に連絡が届く可能性があるので、どちらの会社からの連絡かを分けて確かめてください。

委託先の事故は、利用者から見ると防ぎようがありません。 予約のときに入力した情報が、航空会社の外にある仕組みで扱われていることを知っておくと、今後同じような発表が出たときにも落ち着いて読めます。

ANAの対応と、まだ発表されていないこと

ANAが発表している対応は、次のとおりです。

対応 公式の記載
委託先の対応 本件に該当する認証情報は無効化済み、監視体制が強化されたとの報告を受けた
対象の客への連絡 ANAより順次連絡
利用者へのお願い ANAグループを装った不審なメール・電話・ウェブサイト・SNS上の広告等に注意
問い合わせ窓口 ご意見ご要望、国内線予約、国際線予約、ANAマイレージクラブの各お問い合わせへのリンク

逆に、2026年10月30日時点の発表に書かれていないことも整理しておきます。

  • 本件だけを受け付ける専用の電話番号
  • 個別の連絡の方法(メールか、郵便か、電話か)
  • 不正アクセスが起きた時期と、気づいた時期
  • 参照された情報が悪用された事実があるかどうか
  • お詫びの品や補償の有無
  • 個人情報保護委員会などへの報告の状況

書かれていないことについて、推測で判断するのは避けたほうが安全です。 特に補償の有無は、発表に記載が無い以上、「ある」とも「ない」とも言えません。 連絡の方法が分からない今の段階では、ANAを名乗る連絡がどの形で届いても、その連絡の中のリンクや番号を使わずに、自分で公式サイトを開いて確かめる、という1つの決まりを守るのが確実です。

ANAは同じ発表の中で、不審な連絡への注意を呼びかけています。 大きな発表のあとには、その発表を口実にした偽の連絡が出回りやすくなります。 「不正アクセスの件で確認が必要です」「補償の手続きをしてください」といった連絡が届いても、まず公式サイトの発表とお知らせ欄を見て、同じ内容が載っているかを確かめてください。

自分が対象かを確かめる方法

対象かどうかを知る手段として、ANAが示しているのは「対象となるお客様には、当社より順次ご連絡を差し上げます」という一文です。 ANAのウェブサイトで会員番号や予約番号を入れて照会できる仕組みは、2026年10月30日時点の発表には書かれていません。

自分が対象に入っていそうかを見積もるには、次の順で手元の記録を見ます。

  1. 2023年8月10日から2026年9月23日のあいだに、ANAの便を予約したかを思い出す
  2. 予約の確認メールや、ANAマイレージクラブの予約履歴で、予約の時期を確かめる
  3. 国際線の予約でパスポート番号や国籍を登録したか、予約にメールアドレスや電話番号を入れたかを確かめる

3番目に当てはまる人は、区分2に入る条件と重なる項目を登録しているので、連絡を待つあいだも偽の連絡への備えを先に始めておくと安心です。 ただし、項目を登録していたからといって、区分2に入っているとは限りません。 対象は期間内の「一部のお客様」とされています。

ANAから連絡が届いたときは、次の点を確かめます。

  • 連絡の中にパスワード、暗証番号、クレジットカード番号の入力を求める部分が無いか
  • 連絡の中のリンクではなく、自分でANAの公式サイトを開いて、同じ件のお知らせがあるか
  • 問い合わせる場合は、連絡に書かれた番号ではなく、公式サイトのお問い合わせのページから窓口を選ぶ

ANAは別のページで、係員が暗証番号やパスワードを尋ねることは無いと明記しています。 個別の連絡を装った偽物で入力を求められたら、その時点で偽物と判断できます。

問い合わせ窓口

ANAの発表に載っている「本件に関するお問い合わせ窓口」は、本件専用の窓口ではなく、次の4つのお問い合わせのページへのリンクです。

窓口の名前 合いそうな相談
ご意見ご要望 本件全体についての意見や要望
国内線予約に関するお問い合わせ 国内線の予約が対象に入ったか気になる場合
国際線予約に関するお問い合わせ 国際線の予約やパスポート番号の登録が気になる場合
ANAマイレージクラブに関するお問い合わせ マイレージ番号やマイルの履歴が気になる場合

それぞれのページから、電話やメールの窓口を選ぶ形になっています。 電話番号と受付時間は、お問い合わせのページの中で窓口ごとに案内されているため、この記事では番号を書いていません。 ANAのお問い合わせのページでは、窓口の混雑についてのお知らせも出ているので、つながりにくい場合があります。

国内線と国際線のお問い合わせのページには、ANA自動チャットで24時間365日質問に答えると案内されています。 予約の確認や変更など、本件と直接関係しない用件は、こちらで済むこともあります。

ANAマイレージクラブに関するお問い合わせは、次の公式ページから開けます。 ANAマイレージクラブに関するお問い合わせ

問い合わせの前に、予約の時期、便、予約番号、マイレージ番号を手元にそろえておくと、話が早く進みます。 電話で聞かれても、Webパスワードや暗証番号は伝えないでください。

対象になった人がすること(区分ごとに)

区分1(約36,100名)の人

区分1の人の情報は、氏名、予約番号、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラスです。 連絡先は対象に入っていないので、すぐに大きな手続きが要るわけではありません。 することは次の3つです。

  1. 予約番号が知られている前提で、予約の変更や取り消しの連絡が来ても、その連絡の中から操作しない
  2. まだ乗っていない予約があれば、自分で公式サイトかアプリを開いて、予約の内容が変わっていないかを見る
  3. 「搭乗した便の補償」「遅延の返金」などをうたう連絡は、ANAの公式サイトに同じ案内があるかを確かめる

予約番号は、氏名と組み合わせると予約の照会に使える場合があります。 過去の予約であれば実害は考えにくいものの、これからの予約が対象に入っているなら、予約の内容を自分で確かめておくと安心です。

区分2(約1,700名)の人

区分2の人は、メールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号なども対象です。 次の順に備えます。

  1. ANAを名乗るメール、SMS、電話には、本文のリンクや番号を使わない
  2. ANAマイレージクラブにログインし、マイルの履歴と登録情報に覚えのない変更が無いかを見る
  3. ANAマイレージクラブのパスワードを、ほかのサービスと同じものにしているなら、ほかのサービスのほうを変える
  4. 登録しているメールアドレスのパスワードと、ログインの追加の認証を見直す

ANAはパスワードは含まれていないと発表しています。 それでも、メールアドレスとマイレージ番号が知られると、パスワードを当てようとするログインの試みを受けやすくなります。 ほかのサービスと同じパスワードを使っている場合は、ここで分けておくのが効果的です。 変更の順番と使い回しの見直し方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026にまとめています。

電話番号が知られたときに増えやすい迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で整理しています。

パスポート番号が対象に入っている人

区分2には、パスポート番号と国籍が含まれています。 ANAの発表には、パスポートについて利用者に何かの手続きを求める記載はありません。 再発行が必要かどうかも、発表には書かれていません。

ここで気をつけたいのは、パスポートを口実にした詐欺電話です。 ANAは2026年9月11日のお知らせで、ANAグループを名乗り、パスポートやマイナンバーの使用停止など不安をあおって個人情報を聞き出そうとする電話の報告を受けていると注意を呼びかけています。

ANAグループを名乗り、お客様に対し「規約違反」や「航空券の悪質キャンセル」といった虚偽の内容を伝え、パスポートやマイナンバーの使用停止など不安を煽ることで、個人情報を聞き出そうとする不審な電話の報告を受けております。このような不審な電話はすぐに切ってください。 出典: ana.co.jp(ANAグループを装った詐欺メール・詐欺電話等にご注意ください)

パスポート番号が知られているとき、相手がその番号を言い当てて「本人確認」を装うことが考えられます。 番号を知っているからといって、相手が本物とは限りません。 パスポートの扱いで不安があるときは、電話の相手に聞くのではなく、自分で調べた公的な窓口に相談してください。

偽のメール・SMS・電話の見分け方

ANAは今回の発表で、ANAグループを装った不審なメール・電話・ウェブサイト・SNS上の広告等への注意を求めています。 2026年9月11日のお知らせには、実際に確認されている手口が具体的に並んでいます。

手口 お知らせに書かれている内容
詐欺電話 「規約違反」「航空券の悪質キャンセル」と伝え、パスポートやマイナンバーの使用停止で不安をあおる
詐欺メール(正規のドメインを装う) セキュリティ警告を装い、お客様番号、Webパスワード、クレジットカード情報の入力を促す
詐欺メール(ボーナスマイル) ボーナスマイルの獲得をうたい、アンケートやURLへのアクセスを促す
詐欺メール(不正アクセスを騙る) 不正アクセスを口実にしたフィッシングメール
詐欺メール(補償申請) 搭乗便の補償申請を装い、会員情報の入力を促す

今回の件と特に重なりやすいのは、不正アクセスを騙るメールと、搭乗便の補償申請を装うメールです。 発表のあとには「今回の不正アクセスの件で、お客様の本人確認が必要です」「対象のお客様に補償を行います」といった文面が出回ることが考えられます。 搭乗日や区間を言い当ててくると本物らしく見えますが、今回の区分1の情報だけでも、そうした文面は作れてしまいます。

ANAは同じお知らせで、不安をあおって手続きを促すメールは送らないこと、係員が暗証番号やパスワードを尋ねることは無いことを明記しています。 この2点を基準にすると、次のように見分けられます。

  • 「〇時間以内に手続きしないと停止」のように期限で急がせる連絡は、偽物を疑う
  • パスワード、暗証番号、クレジットカード番号を入力させる画面に誘う連絡は、偽物と判断する
  • 送信元のアドレスが「@ana.co.jp」に見えても、それだけで本物とは判断しない
  • 電話は一度切り、公式サイトのお問い合わせのページにある番号へ自分でかけ直す

メールの送信元を正規のものに見せかける手口は、ANAのお知らせでも例として挙がっています。 見た目で見分けるより、「届いた連絡の中から操作しない」という決まりのほうが確実です。 メールの見分け方の手順はフィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処、SMSの見分け方はスミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で詳しく説明しています。

うっかりリンクを開いてしまっても、そこで何も入力していなければ、まず画面を閉じてください。 入力してしまった場合は、ANAのお知らせにある「誤って情報を入力した際の対応」を確かめ、ANAマイレージクラブのパスワードの変更と、カード会社への連絡を急いでください。

予約情報が知られると起きうること

今回の情報で、すぐにお金を引き出されたり、航空券を勝手に使われたりするわけではありません。 クレジットカード情報とパスワードは含まれていないと発表されています。 それでも、予約や搭乗の情報には、偽の連絡を本物らしく見せる材料が多く含まれています。

考えられる場面を、項目ごとに整理します。

知られた項目 起きうること 備え
氏名、搭乗日、搭乗区間 「〇月〇日の〇〇行きの便について」と言い当てる偽の連絡 内容が合っていても、連絡の中から操作しない
予約番号 予約の照会や変更を装う連絡 自分で公式サイトを開いて予約を確かめる
メールアドレス、電話番号 ANAを名乗るメール、SMS、電話が届く 届いた連絡の番号やリンクを使わない
マイレージ番号 ログインの試みや、ボーナスマイルをうたう偽のメール パスワードの使い回しを解消し、マイルの履歴を見る
パスポート番号、国籍 パスポートの停止をうたう詐欺電話で本人確認を装う 電話はすぐに切り、自分で調べた窓口に相談する

搭乗クラスや座席番号が知られることで、すぐに困ることは考えにくい一方、出張や旅行の行き先と時期が分かると、偽の連絡の作り話の材料になります。 「その日に乗った便」を知っている相手からの連絡だと、人は信用しやすくなります。 今回のような発表のあとは、内容が正確な連絡ほど警戒する、と考えておくくらいでちょうどよいです。

家族や同行者、会社の出張で予約した場合

航空券は、本人以外の人がまとめて予約することがよくあります。 家族の分を一緒に予約した、同行者の分も自分の名前で手配した、会社の出張で総務の担当者が予約した、といった場合です。

ANAが「対象となるお客様」に順次連絡するとしているのは、予約の情報に基づくものと考えられます。 連絡がどの宛先に届くかは発表に書かれていないため、予約をした人と乗った人が違う場合、連絡を受け取った人が、乗った人に伝える必要が出てくるかもしれません。

家族の分を予約した人は、次の点を家族と共有しておくと安心です。

  • 2023年8月10日から2026年9月23日の期間に、ANAで一緒に予約した便があるか
  • ANAを名乗る電話がかかってきても、その場で情報を伝えずに切ってよいこと
  • パスポートの停止をうたう電話は、ANAが9月に注意を呼びかけている詐欺の手口であること

特に、普段あまりメールやSMSを使わない家族や、高齢の家族には、電話の手口を先に伝えておくのが効果的です。

会社の出張でANAを使った人は、予約の手配をした部署に今回の発表を伝え、会社としてまとめて対応するかを確かめると混乱が少なくなります。 旅行会社や出張手配のサービスを通して予約した場合も、ANAへの予約として扱われていれば対象に入りうるので、手配元からの案内にも目を通してください。

届いた連絡を確かめる手順(例で整理)

実際にANAを名乗る連絡が届いたときに迷わないよう、例を使って手順を整理します。

例1:メールで「Amadeus社の不正アクセスの件で、お客様の情報の確認をお願いします」と届き、本文にリンクがある場合。

  1. 本文のリンクは押さない
  2. ブラウザで自分でANAの公式サイトを開き、お知らせ欄の「Amadeus社 旅客サービスシステムへの不正アクセスについて」を開く
  3. 公式サイトのお知らせに、メールと同じ手続きの案内があるかを見る
  4. 無ければ、公式サイトのお問い合わせのページから窓口を選んで確かめる

例2:電話で「ANAです。お客様のパスポートが不正に使われた可能性があり、本人確認のため番号を教えてください」と言われた場合。

  1. 番号は伝えずに電話を切る
  2. 相手が言った折り返しの番号にはかけない
  3. 気になるときは、ANAの公式サイトのお問い合わせのページにある番号へ自分でかける

例3:SMSで「搭乗便の補償の受付を開始しました」と届いた場合。

  1. SMSのURLは開かない
  2. ANAの公式サイトに補償の案内が出ているかを確かめる
  3. 2026年10月30日時点の発表には、補償についての記載はありません

どの例でも、届いた連絡の中の入口を使わず、自分で開いた公式サイトを起点にする、という点は同じです。 この1つの決まりを家族とも共有しておけば、文面が変わっても対応を変えずに済みます。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をする人の中には、取引先との打ち合わせや出張で飛行機を使う人、取引先の担当者の航空券の手配を請け負っている人もいます。 仕事でANAを使っていた場合、自分の情報だけでなく、取引先から預かった情報の扱いにも目を向けます。

考え方を、立場ごとに分けます。

立場 考えること
自分の出張でANAを予約した 自分の情報の備えが中心。仕事用のメールアドレスを登録していたら、取引先を名乗る偽の連絡にも気をつける
取引先の担当者の航空券を手配した 手配した相手に、今回の発表と、偽の連絡への注意を知らせておく
手配の業務として、多くの人の予約情報を扱っている 預かった情報を自分の管理のもとでどう扱っているかを見直す

取引先の担当者の分を手配した場合、その人の情報はANAの予約として扱われています。 今回の件で情報を保有していたのはANAとその委託先であり、手配をした人がそれだけで報告の義務を負うわけではありません。 それでも、相手が知らないまま偽の連絡を受けるより、先に知らせておくほうが被害を防ぎやすくなります。

個人情報保護委員会は、事業者が個人データの漏えいを起こしたときに報告が必要になる場面を公表しています。 不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい(またはそのおそれ)や、本人の数が1,000人を超える漏えい(またはそのおそれ)などが対象として挙げられ、不正な目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から60日以内に報告するよう示されています。

発覚したら、まずは速やかに報告してください。 出典: ppc.go.jp(漏えい等の対応とお役立ち資料)

これは、情報を保有して扱う事業者に向けた決まりです。 手配の業務で預かった情報を、自分のパソコンや表計算のファイルで管理している場合、その扱いは事情によって変わります。 判断に迷うときは、同じページで案内されている個人情報保護法相談ダイヤルなどで、状況を伝えて確かめてください。

仕事で使うメールアドレスが区分2に入っていた場合は、取引先を名乗る偽のメールにも注意が要ります。 出張の日程を知っている相手からの「請求書の送付先が変わりました」「経費の精算の確認」といったメールは、本物らしく見えやすいからです。 取引先とのお金のやりとりに関わる連絡は、メール以外の方法でも確かめる習慣にしておくと安心です。

独自データの考察。委託先の事故から、在宅で働く人が学べること

今回の件は、航空会社そのものではなく、予約の仕組みを提供する会社のシステムで起きました。 利用者がどれだけ気をつけていても、入力した情報が扱われる先の事故は防げません。 できるのは、情報が外に出ても被害が広がらない形に、自分のアカウントを整えておくことです。

在宅で働く人にとって、メールアドレスや仕事用のアカウントは仕事の土台です。 1つのサービスで情報が出ても、ほかに広がらないよう、次の点を日ごろから整えておくと備えになります。

  1. サービスごとに別のパスワードを使い、パスキーや二段階認証を使えるところでは有効にする
  2. 仕事用と私用でメールアドレスを分け、予約や買い物には私用を使う
  3. 取引先とのお金のやりとりに関わる連絡は、メール以外の方法でも確かめる
  4. 不安をあおって急がせる連絡は、一度手を止めて公式の発表を見る

二段階認証や多要素認証の考え方と、仕事で使うサービスへの入れ方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で整理しています。

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、トラブルに巻き込まれにくい人ほど、届いた連絡にその場で反応せず、自分で公式の窓口を開いて確かめる習慣を持っています。 仕事の連絡でも同じで、急ぎをうたう依頼ほど、相手と事実を確かめてから動く人のほうが、結果として信頼を積み重ねています。 情報の扱いに慣れた人が求められる仕事もあり、在宅ワークの仲介サイト@SOHOでも、セキュリティやマーケティングに関わる案件の内容をAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

ANAの件は、2026年10月30日時点で、対象の人への順次の連絡が始まる段階です。 個別の連絡が届いたら、自分がどちらの区分に入っているかを確かめ、この記事で挙げた備えのうち、自分に当てはまるものから進めてください。

よくある質問

Q. ANAの便を予約したことがあります。自分の情報も対象ですか?

ANAが対象としているのは、2023年8月10日から2026年9月23日の期間にANAに予約した一部の客、約37,800名です。期間内に予約した人が全員対象ではありません。対象の人にはANAから順次連絡すると発表されているので、連絡を待ち、届いたら本文のリンクではなく自分で開いた公式サイトで確かめてください。

Q. クレジットカードやパスワードは変える必要がありますか?

ANAはクレジットカード情報とパスワードは含まれていないと発表しています。そのため、今回の件だけを理由にカードを止める必要があるとは書かれていません。ただし約1,700名の区分ではメールアドレスやマイレージ番号も対象なので、ANAマイレージクラブと同じパスワードをほかで使っているなら分けておくと安心です。

Q. パスポート番号が対象に入っていたら、何をすればよいですか?

ANAの発表には、パスポートについて利用者に手続きを求める記載はありません。気をつけたいのは、パスポートの使用停止をうたって番号や個人情報を聞き出す詐欺電話で、ANAは2026年9月11日のお知らせで注意を呼びかけています。そうした電話はすぐに切り、不安があれば自分で調べた公的な窓口に相談してください。

Q. 問い合わせはどこにすればよいですか?

本件専用の電話番号は、2026年10月30日時点の発表には載っていません。発表のページから、ご意見ご要望、国内線予約、国際線予約、ANAマイレージクラブの各お問い合わせのページを開き、用件に合う窓口を選びます。届いたメールやSMSに書かれた番号ではなく、公式サイトに載っている窓口を使ってください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月31日
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